説明

無線通信装置、情報処理装置、通信システムおよび位置決定方法

【課題】適切な位置情報を取得する。
【解決手段】検出部は、人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された第1位置情報または第2位置情報とを比較して第2位置情報の誤りを検出する。決定部は、第1位置情報または第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された第2位置情報の誤りが検出された場合には、この第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて現在位置を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、無線通信装置に関し、特に、無線通信装置の位置を決定する無線通信装置、情報処理装置、通信システムおよび位置決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信網の拡大に伴い、無線通信装置に対するサービスが拡大している。この無線通信装置に対するサービスとして、例えば、無線通信装置の現在位置を用いて道案内をするサービスなどが普及している。
【0003】
このようなサービスを利用するためには、無線通信装置は現在位置を取得する必要がある。この現在位置を取得する機能としては、人工衛星からの信号を受信して現在位置を算出するGPS(Global Positioning System)受信機能が一般的に用いられる。
【0004】
このGPS受信機能は、複数の人工衛星から送信される電波を受信して、各電波の人工衛星からの送信時刻と、その各電波を無線通信装置が受信した際の受信時刻との差分に基づいて現在位置を算出する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−243946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術では、人工衛星からの信号が受信できない場合には、現在位置を算出することができない。そこで、例えば、基地局の識別情報と、この基地局の位置とを関連付けておき、この基地局の位置を用いて、無線通信装置の現在位置を取得することが想定される。例えば、無線通信装置が接続している基地局の識別情報に基づいて、その接続中の基地局の位置を取得し、この取得した位置を無線通信装置の現在位置とすることができる。
【0007】
しかしながら、基地局の移動や変更等により、基地局と位置との関係が変更されることも想定される。この場合には、基地局の識別情報と、この基地局の位置との関連付けが不適切となり、無線通信装置が、適切な位置情報を取得することができないおそれがある。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、適切な位置情報を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、上記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された上記第1位置情報または上記第2位置情報とを比較して上記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、上記第1位置情報または上記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで上記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された上記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて上記現在位置を決定する決定部とを具備する無線通信装置および位置決定方法である。これにより、第1位置情報が取得できず、かつ、現在位置の決定のタイミングで取得された第2位置情報の誤りが検出された場合には、当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて現在位置が決定されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記接続対象となる基地局からの情報は、当該基地局の識別情報であり、上記識別情報と位置情報とが関連付けられて記録されている補正データベースから、上記検出部により誤りが検出された第2位置情報に係る基地局の上記識別情報に関連付けられている位置情報を上記他の位置情報として取得する取得部をさらに具備するようにしてもよい。これにより、他の位置情報が補正データベースから取得されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記取得部が上記補正データベースから上記他の位置情報を取得できない場合には、上記決定のタイミングよりも前のタイミングで取得された上記第1位置情報または上記第2位置情報を用いて上記他の位置情報を生成する生成部をさらに具備するようにしてもよい。これにより、取得部が上記補正データベースから上記他の位置情報を取得できない場合には、決定のタイミングよりも前のタイミングで取得された第1位置情報または第2位置情報を用いて他の位置情報を生成させるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記生成部は、上記決定のタイミングよりも前のタイミングで取得された上記第1位置情報および上記第2位置情報のうちの最も新しい位置情報を用いて上記他の位置情報を生成するようにしてもよい。これにより、第1位置情報および第2位置情報のうちの最も新しい位置情報を用いて他の位置情報を生成させるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記生成部は、上記決定のタイミングまでに取得された上記第1位置情報のうちの最も新しい第1位置情報の取得時から上記決定のタイミングまでにおける上記無線通信装置の移動距離が閾値を基準として小さい場合には上記最も新しい第1位置情報に基づいて上記他の位置情報を生成し、上記移動距離が上記閾値を基準として大きい場合には上記決定のタイミングで取得された第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された上記第2位置情報のうちの最も新しい第2位置情報を用いて上記他の位置情報を生成するようにしてもよい。なお、ここで、閾値を基準として大きい場合とは、閾値以上の場合と、閾値よりも大きい場合との双方の意味を含むものとする。また、閾値を基準として小さい場合とは、閾値以下の場合と、閾値未満の場合との双方の意味を含むものとする。ただし、閾値を基準として大きい場合が閾値以上を意味するときには、閾値を基準として小さい場合は閾値未満を意味するものとする。一方、閾値を基準として大きい場合が閾値よりも大きい場合を意味するときには、閾値を基準として小さい場合は閾値以下を意味するものとする。これにより、最も新しい第1位置情報の取得時から現在位置の決定のタイミングまでにおける無線通信装置の移動距離が閾値以下の場合には最も新しい第1位置情報に基づいて他の位置情報を生成させ、閾値を超えた場合には最も新しい第2位置情報を用いて他の位置情報を生成させるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記生成部は、上記生成した他の位置情報と、当該他の位置情報に係る上記識別情報とを関連付けて新たに記録することにより上記補正データベースを更新するようにしてもよい。これにより、補正データベースを更新させるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記補正データベースは、上記位置情報を生成した際に用いられた上記第1位置情報または上記第2位置情報を示す属性情報が上記識別情報ごとに関連付けられて記録されており、上記生成部は、上記取得部が取得した上記他の位置情報と関連付けられている上記属性情報が上記第2位置情報を示す場合には、上記決定のタイミングで取得された第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された上記第1位置情報のうちの上記決定のタイミングにおける上記無線通信装置の位置から所定の距離以内において取得された上記第1位置情報を用いて上記他の位置情報を生成し、当該他の位置情報と、当該他の位置情報に係る上記識別情報と、上記属性情報とを関連付けて新たに記録することにより上記補正データベースを更新するようにしてもよい。これにより、第2位置情報に基づいて生成されている他の位置情報を取得する場合において、この他の位置情報により特定される基地局に関する位置情報を第1位置情報を用いて更新させるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記補正データベースは、基地局からの無線信号の強度を示す信号強度情報が上記第1位置情報を示す属性情報が関連付けられている上記識別情報ごとにさらに関連付けられており、上記生成部は、上記取得部が取得した上記他の位置情報に関連付けられている上記信号強度情報が示す信号強度を基準として、上記決定のタイミングにおける信号強度が大きい場合には、当該決定のタイミングにおける上記無線通信装置の位置から所定の距離以内において取得された上記第1位置情報を用いて上記他の位置情報を生成し、当該他の位置情報と、当該他の位置情報に係る上記識別情報と、上記属性情報と、当該第1位置情報を生成した際の信号強度情報とを関連付けて新たに記録することにより上記補正データベースを更新するようにしてもよい。なお、ここで、信号強度を基準として大きい場合とは、信号強度以上の場合と、信号強度よりも大きい場合との双方の意味を含むものとする。これにより、第1位置情報に基づいて生成されている他の位置情報を取得した場合には、この他の位置情報により特定される基地局に関する第1位置情報のうち、基地局からの無線信号の強度がより強い位置において取得した第1位置情報を用いて更新させるという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記取得部は、上記補正データベースを保持する補正情報サーバから上記他の位置情報を取得するようにしてもよい。これにより、補正情報サーバから他の位置情報を取得させるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記取得部は、上記無線通信装置に内蔵または装着される記憶部に記録されている上記補正データベースから上記他の位置情報を取得するようにしてもよい。これにより、無線通信装置に内蔵または装着される記憶部に記録されている補正データベースから他の位置情報を取得させるという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記決定部は、上記検出部により誤りが検出された第2位置情報に係る基地局の上記識別情報に基づいて取得された上記他の位置情報により当該第2位置情報を補正し、当該補正された第2位置情報を用いて上記現在位置を決定するようにしてもよい。これにより、補正された第2位置情報を用いて現在位置を決定させるという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記検出部は、上記決定のタイミングで取得された上記第2位置情報と、当該決定のタイミングより前のタイミングで取得された上記第1位置情報および上記第2位置情報のうちの最も新しい位置情報との間における距離および経過時間を算出し、当該経過時間に応じて設定された閾値を基準として、上記距離が上記閾値よりも大きい場合には、上記決定のタイミングで取得された上記第2位置情報を誤りとするようにしてもよい。なお、ここで、閾値を基準として大きい場合とは、閾値以上の場合と、閾値よりも大きい場合との双方の意味を含むものとする。これにより、上記決定のタイミングより前のタイミングで取得された上記第1位置情報および上記第2位置情報のうちの最も新しい位置情報と上記決定のタイミングで取得された第2位置情報との間の距離が、経過時間に応じて設定された閾値よりも大きい場合には、当該第2位置情報が誤りとされるという作用をもたらす。
【0021】
また、この第1の側面において、上記第1位置情報を取得する第1取得部と、上記第1取得部が上記第1位置情報を取得することができない場合にのみ上記第2位置情報を取得する第2取得部とをさらに具備するようにしてもよい。これにより、第1位置情報を取得することができない場合にのみ第2位置情報が取得されるという作用をもたらす。
【0022】
また、本技術の第2の側面は、人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に生成される第1位置情報と、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に生成される第2位置情報とのうちの少なくとも1つを含む位置情報を無線通信装置から取得する取得部と、上記取得部により取得された上記位置情報のうち、上記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された上記第1位置情報または上記第2位置情報とを比較して上記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、上記検出部により誤りが検出された場合には、当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて当該誤りが検出された上記第2位置情報を補正する補正部と、上記取得部により取得された上記位置情報を履歴として記録し、上記検出部により誤りが検出された場合には上記補正部により補正された上記第2位置情報を上記履歴として記録する記録部とを具備する情報処理装置である。これにより、第1位置情報と第2位置情報とのうちの少なくとも1つを含む位置情報を無線通信装置から取得した情報処理装置において第2位置情報の誤りを検出し、この誤りを他の位置情報により補正させた後に記録させるという作用をもたらす。
【0023】
また、本技術の第3の側面は、人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、上記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された上記第1位置情報または上記第2位置情報とを比較して上記第2位置情報の誤りを検出する無線通信装置により上記誤りが検出された場合に上記無線通信装置から補正情報要求を受信する受信部と、上記補正情報要求を受信した場合には、上記第2位置情報に係る基地局に関連付けて保持されている位置情報を補正情報として上記無線通信装置に供給する供給部とを具備する情報処理装置である。これにより、第1位置情報が取得できず、かつ、現在位置の決定のタイミングで取得された第2位置情報の誤りが検出された無線通信装置に補正情報を供給させるという作用をもたらす。
【0024】
また、本技術の第4の側面は、人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、上記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された上記第1位置情報または上記第2位置情報とを比較して上記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、上記第1位置情報または上記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで上記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された上記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて上記現在位置を決定する決定部とを備える無線通信装置と、上記無線通信装置により上記誤りが検出された場合に供給される補正情報要求命令に基づいて、上記第2位置情報が示す上記基地局の位置の代わりとなる位置情報を上記他の位置情報として上記無線通信装置に供給するサーバとを具備する通信システムである。これにより、第1位置情報が取得できず、かつ、現在位置の決定のタイミングで取得された第2位置情報の誤りが検出された場合には、当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて現在位置が決定されるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0025】
本技術によれば、適切な位置情報を取得することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本技術の実施の形態における位置情報の取得方法を概念的に示す図である。
【図2】セルIDに基づいて位置情報を取得する場合において、セルIDと位置情報との紐付けが間違っている場合における位置表示の一例を模式的に示す図である。
【図3】本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200の構成例を示すブロック図である。
【図4】本技術の第1の実施の形態におけるサーバ180に保持されるデータベースと、補正情報保持部270に保持される補正用データベースとの一例を簡略化して示す図である。
【図5】本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200によって現在位置が決定される際の現在位置決定処理手順例を示すフローチャートである。なお、図5では、現在位置を決定する際の一回の動作について説明する。
【図6】本技術の第2の実施の形態における無線通信装置300の構成例を示すブロック図である。
【図7】本技術の第2の実施の形態における無線通信装置300によって現在位置が決定される際の現在位置決定処理手順例を示すフローチャートである。
【図8】本技術の第2の実施の形態の現在位置決定処理手順における補正情報取得処理(ステップS920)の処理手順例を示すフローチャートである。
【図9】本技術の第3の実施の形態における無線通信装置400の構成例を示すブロック図である。
【図10】本技術の第3の実施の形態における無線通信装置400によって現在位置が決定される際の現在位置決定処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本技術の第3の実施の形態の現在位置決定処理手順における補正情報取得処理(ステップS940)の処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本技術の第4の実施の形態において、本技術の第1の実施の形態の無線通信装置200に対応する無線通信装置510を備える通信システム501の構成例を示すブロック図である。
【図13】本技術の第4の実施の形態において、本技術の第2の実施の形態の無線通信装置300に対応する無線通信装置520を備える通信システム502の構成例を示すブロック図である。
【図14】本技術の第4の実施の形態において、本技術の第3の実施の形態の無線通信装置300に対応する無線通信装置530を備える通信システム503の構成例を示すブロック図である。
【図15】本技術の第4の実施の形態において、基地局により近い無線通信装置が生成した補正情報により補正用データベースが更新される通信システム504の構成例を示すブロック図である。
【図16】本技術の第4の実施の形態において、基地局により近い無線通信装置540が生成した補正情報による補正用データベースの更新の一例を示す図である。
【図17】本技術の第4の実施の形態の無線通信装置540の現在位置決定処理手順における補正情報取得処理(ステップS950)の処理手順例を示すフローチャートである。
【図18】本技術の第4の実施の形態の無線通信装置540の現在位置決定処理手順における補正用サーバ保持情報取得・更新処理(ステップS960)の処理手順例を示すフローチャートである。
【図19】本技術の第5の実施の形態において、本技術の第1の実施の形態の無線通信装置200における位置補正機能をサーバが行う通信システム602の構成例を示すブロック図である。
【図20】本技術の第5の実施の形態において、本技術の第2の実施の形態の無線通信装置300における位置補正機能をサーバが行う通信システム603の構成例を示すブロック図である。
【図21】本技術の第5の実施の形態において、本技術の第3の実施の形態の無線通信装置400における位置補正機能をサーバが行う通信システム605の構成例を示すブロック図である。
【図22】本技術の第5の実施の形態において、本技術の第4の実施の形態の無線通信装置540における位置補正機能をサーバが行う通信システム606の構成例を示すブロック図である。
【図23】本技術の第6の実施の形態の無線通信装置700の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.携帯端末における位置情報取得の概略
2.本技術の実施の形態に至る経緯
3.第1の実施の形態(現在位置決定制御:セルIDから取得された位置情報のうち、誤りが検出された位置情報を補正用データベースを用いて補正する例)
4.第2の実施の形態(現在位置決定制御:誤りが検出された位置情報に対する補正情報を生成する例)
5.第3の実施の形態(現在位置決定制御:誤りが検出された位置情報に対する補正情報を生成する際に、無線通信装置の移動距離に基づいて参照する位置を決定して生成する例)
6.第4の実施の形態(現在位置決定制御:補正用データベスを保持するサーバを設ける例)
7.第5の実施の形態(位置情報補正制御:無線通信装置から送信された位置情報を補正する例)
8.第6の実施の形態(現在位置決定制御:セルIDに紐付けられた位置情報を無線通信装置が保持する例)
【0028】
<1.携帯端末における位置情報取得の概略>
まず、無線通信装置における位置情報の取得について概略的に説明する。
【0029】
図1は、本技術の実施の形態における位置情報の取得方法を概念的に示す図である。図1(a)には、GPS(Global Positioning System)の信号が受信できる場合の位置情報の取得方法が示され、図1(b)には、GPSの信号が受信できない場合の位置情報の取得方法が示されている。なお、図1では、無線通信装置として、GPS受信機能を備えている携帯端末(例えば、携帯電話120)を想定して説明する。
【0030】
図1(a)および(b)には、位置情報を取得する無線通信装置として、携帯電話120が示されている。また、図1(a)には、GPS信号を送信する人工衛星(GPS衛星111乃至114)が示されている。また、図1(b)には、携帯電話の無線基地局(基地局131)と、公衆回線網135と、基地局の位置情報(経度、緯度)を基地局固有のID(セルID)とともに保持するサーバ(サーバ141)とが示されている。
【0031】
携帯電話120は、GPS衛星111乃至114からの信号を受信できる環境においては(図1(a)に対応)、位置の精度が数m〜数十mの精度で位置情報を取得できる。しかしながら、携帯電話120は、常にGPS信号が受信できる場所で利用されるわけではなく、地下や屋内などのGPS信号が受信できない環境においても利用される。そこで、このような環境においては、携帯電話120は、基地局に割り振られた固有のID(例えば、セルID)を介して位置情報を取得する。例えば、セルIDと位置情報とを紐付けたデータベースを保持するサーバ(サーバ141)を用意しておく。そして、携帯電話120は、信号の送受信を行っている基地局のセルIDをサーバ141に送信する。その後、サーバ141がこのセルIDに対応した位置情報を携帯電話120に供給し、携帯電話120は、位置情報(基地局の位置)を取得する。
【0032】
このように、無線通信装置における位置情報の取得には、GPS信号を用いる方法と、基地局のID(セルID)を用いる方法とがある。
【0033】
<2.本技術の実施の形態に至る経緯>
続いて、本技術の実施の形態に至った経緯について、図2を参照して説明する。
【0034】
図2は、セルIDに基づいて位置情報を取得する場合において、セルIDと位置情報との紐付けが間違っている場合における位置表示の一例を模式的に示す図である。
【0035】
図2では、携帯電話120(図1参照)のユーザは、東京の渋谷駅に向けて移動しており、時間軸において連続する3つの時刻(「7:47:10」、「7:49:31」、「7:52:33」)においてセルIDを用いた位置情報の取得が行われたことを想定して説明する。なお、図2では、時刻「7:49:31」において通信している基地局のセルID(607402a)の位置情報の紐付けが、サーバ上において間違っていることとする。
【0036】
図2(a)には、時刻「7:47:10」において取得された位置情報を示す表(表151)と、この取得された位置情報に基づいて表示された画像(画像152)とが示されている。
【0037】
携帯電話120は、時刻「7:47:10」において、通信している基地局のセルID(6074035)をサーバ141に送信する。そして、サーバ141は、セルID(6074035)に紐付けられている位置情報(緯度「35.655928」、経度「139.694019」)を携帯電話120に供給する。位置情報を受けとった携帯電話120は、供給された位置情報に基づいて現在位置(基地局の位置)を指し示す目印(目印153)を含む地図の画像(画像152)を生成し、その画像152を表示する。
【0038】
図2(b)には、時刻「7:49:31」において取得された位置情報を示す表(表154)と、この取得された位置情報に基づいて表示された画像(画像156)とが示されている。
【0039】
携帯電話120は、時刻「7:49:31」において、通信している基地局のセルID(607402a)をサーバ141に送信する。そして、サーバ141から供給される位置情報に基づいて画像156が生成され、表示画面に表示される。この過程において、サーバ141においてセルID(607402a)に紐付けられている位置情報(図2(b)の黒枠155参照)が間違っていると、この間違っている位置情報が携帯電話120に供給される。そして、携帯電話120は、この間違っている位置情報に基づいて目印157を含む地図の画像(画像156)を生成し、表示画面に表示する。これにより、ユーザは渋谷駅の近傍にいるはずなのに、間違っている位置情報が示す全く見当違いの位置(図2(b)では、大阪の梅田の地点)が表示画面に表示される。すなわち、現在位置が別の場所にいきなり飛んだような表示画面が表示される。
【0040】
図2(c)には、時刻「7:52:33」において取得された位置情報を示す表(表158)と、この取得された位置情報に基づいて表示された画像(画像159)とが示されている。
【0041】
携帯電話120は、時刻「7:52:33」において、通信している基地局のセルID(244044)をサーバ141に送信する。そして、サーバ141から供給される位置情報に基づいて目印160を含む画像159が生成され、表示画面に表示される。なお、セルID(244044)には正しい位置情報が紐付けられているため、携帯電話120は、渋谷駅付近の地図の画像(画像159)を生成し、表示画面に表示する。すなわち、現在位置がまたいきなり飛んで正常な位置に戻ったような表示画面が表示される。
【0042】
このように、セルIDに間違った位置情報が紐付けられている場合には、ユーザに間違った位置情報を供給してしまう恐れがある。特に、無線基地局を通信事業者が設置し、別のサービス業者が位置情報を供給する場合には、無線基地局の更新に位置情報の更新が追いつかない場合が発生し、間違った位置情報が紐付けられることが想定される。
【0043】
そこで、セルIDに基づいて取得した位置情報が間違っている場合には、その間違った位置情報を用いずに現在位置を特定することが必要になる。本技術の実施の形態では、このような機能を備える携帯端末(無線通信装置)について説明する。
【0044】
<3.第1の実施の形態>
[無線通信装置の構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200の構成例を示すブロック図である。
【0045】
なお、図3には無線通信装置200の他に、無線通信装置200が無線通信する基地局(基地局170)と、基地局を示す識別情報(例えば、セルID)に位置情報を紐付けたデータベースを保持するサーバ(サーバ180)と、公衆回線網190とが示されている。
【0046】
無線通信装置200は、GPS機能を備える携帯型の通信装置(例えば、携帯電話やスマートフォン)である。この無線通信装置200は、第1位置情報取得部210と、第1位置情報保持部220と、通信部230と、セルID取得部231と第2位置情報取得部232とを備える。また、無線通信装置200は、第2位置情報保持部250と、補正情報取得部260と、補正情報保持部270と、判定部280と、決定位置情報記録部290とを備える。
【0047】
第1位置情報取得部210は、GPS衛星から送信されるGPS信号に基づいて位置情報(経度、緯度)を定期的または不定期に取得するものである。この第1位置情報取得部210は、例えば、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信して、各GPS衛星の位置からの距離を算出することで位置情報を生成する。第1位置情報取得部210は、生成した位置情報(第1位置情報)を、位置情報を生成した時間(位置を取得した時間)とともに、第1位置情報保持部220および判定部280に供給する。なお、同図では、第1位置情報取得部210から供給された位置情報は、現時刻第1位置情報と称する。また、第1位置情報取得部210は、特許請求の範囲に記載の第1取得部の一例である。
【0048】
第1位置情報保持部220は、第1位置情報取得部210から供給された第1位置情報を、第1位置情報とともに供給される時間(取得時間)と関連付けて保持するものである。この第1位置情報保持部220は、第2位置情報取得部232からの位置情報の判定が判定部280により行われる場合には、保持する位置情報(第1位置情報)を、取得時間とともに、判定部280に供給する。なお、本技術の第1の実施の形態では、判定部280が位置情報の判定を行う場合には、第1位置情報取得部210が過去に取得した位置情報のうち最も新しい位置情報が判定部280に供給される。なお、同図では、第1位置情報保持部220から供給される位置情報は、過去第1位置情報と称する。
【0049】
通信部230は、電波の送受信により通信を行うものである。この通信部230は、例えば、基地局170から供給された電波から取得したセルIDをセルID取得部231に供給する。具体的には、通信部230は、例えば、基地局から送信される報知チャネル(broadcasting control channel)に入っているセルIDを取得し、この取得したセルIDをセルID取得部231に供給する。また、通信部230は、基地局170との通信により基地局170の位置情報を受信した場合には、その位置情報を、第2位置情報取得部232に供給する。また、通信部230は、無線通信装置200がサーバ180に接続する場合には、その接続に必要な情報(セルID等)を電波に乗せて、基地局170に送信する。
【0050】
セルID取得部231は、基地局170から通知される基地局固有の識別情報(例えば、セルID)を取得するものである。なお、セルID取得部231は、本技術の第1の実施では、少なくとも、第1位置情報取得部210が位置情報を取得できない状態の無線通信装置200の位置情報を取得するタイミングにおいて、セルIDを取得する。このセルID取得部231は、取得したセルIDを、第2位置情報取得部232および補正情報取得部260に供給する。
【0051】
第2位置情報取得部232は、セルID取得部231から供給されるセルIDが指し示す基地局の位置情報を定期的または不定期に取得するものである。なお、第2位置情報取得部232は、本技術の第1の実施の形態では、第1位置情報取得部210が位置情報を取得できない状態の無線通信装置200の位置情報を取得するタイミングにおいて、位置情報を取得する。この第2位置情報取得部232は、セルID取得部231からセルIDが供給された場合には、このセルIDが指し示す基地局の位置情報をサーバ180から取得するための接続要求を生成し、通信部230に供給する。そして、応答したサーバ180が位置情報を送信すると、通信を受信した通信部230から位置情報が第2位置情報取得部232に供給されて、第2位置情報取得部232は基地局の位置情報を取得する。第2位置情報取得部232は、その取得した位置情報(第2位置情報)を、位置情報を取得した時間とともに、第2位置情報保持部250および判定部280に供給する。なお、同図では、第2位置情報取得部232から供給される位置情報は、現時刻第2位置情報と称する。また、第2位置情報取得部232は、特許請求の範囲に記載の第2取得部の一例である。
【0052】
第2位置情報保持部250は、第2位置情報取得部232から供給された第2位置情報を、第2位置情報とともに供給される取得時間と関連付けて保持するものである。この第2位置情報保持部250は、第2位置情報取得部232からの位置情報の判定が判定部280により行われる場合には、その保持する位置情報(第2位置情報)を、位置情報の取得時間とともに、判定部280に供給する。なお、本技術の第1の実施では、判定部280が位置情報の判定を行う際には、第2位置情報取得部232が過去に取得した位置情報のうち最も新しい位置情報が判定部280に供給される。また、第2位置情報保持部250は、補正情報取得部260から補正情報(補正情報取得部260の説明を参照)が供給された場合には、対応する第2位置情報を補正情報で補正する。なお、同図では、第2位置情報保持部250から供給される位置情報は、過去第2位置情報と称する。
【0053】
判定部280は、第1位置情報および第2位置情報に基づいて、無線通信装置200の現時刻の位置(現在位置)を判定するものである。この判定部280は、第1位置情報取得部210から現時刻第1位置情報が供給された場合には、この現時刻第1位置情報を現在位置として判定(決定)し、決定位置情報記録部290に記録させる。
【0054】
また、判定部280は、第1位置情報取得部210から現時刻第1位置情報が供給されない場合(GPS信号が受信できない場合)には、第2位置情報取得部232から供給される現時刻第2位置情報に基づいて現在位置を決定する。まず、判定部280は、第2位置情報取得部232から供給される現時刻第2位置情報が無線通信装置200の現在位置として妥当な位置を示しているか否か(間違っていないか)を判定する。この場合において、判定部280は、第1位置情報保持部220から供給される過去第1位置情報および第2位置情報保持部250から供給される過去第2位置情報のうち最新の位置情報(現時刻に最も近い時刻に取得された位置情報)を決定する。そして、判定部280は、その決定した最も新しい過去の位置情報と現時刻第2位置情報との間の距離を算出し、その算出した距離が閾値を超えているか否かを解析する(位置を比較する)。
【0055】
そして、閾値以下であると解析された場合には、現時刻第2位置情報の位置情報は間違っていないと判定し、この現時刻第2位置情報を現在位置として決定位置情報記録部290に記録させる。一方、閾値を超えていると解析された場合には、現時刻第2位置情報の位置情報が間違っている(サーバ180におけるセルIDと位置情報の紐付けが間違っている)と判定し、補正のための位置情報(補正情報)の取得を補正情報取得部260に実行させる。そして、補正情報取得部260から供給された補正情報を現在位置として決定位置情報記録部290に記録させる。なお、判定部280は、特許請求の範囲に記載の検出部および決定部の一例である。
【0056】
ここで、この現時刻第2位置情報の正誤の判定に用いられる閾値について説明する。この閾値は、サーバ180におけるセルIDと位置情報との紐付けが間違っているか否かを判定するための閾値である。すなわち、この閾値は、現時刻第2位置情報が示す位置が、最も新しい過去の位置情報(最新過去位置情報)から離れすぎていないか(例えば、渋谷駅の地下で大阪の位置情報が提供されるような)を判定できればよく、基本的にはかなり大きなもので構わない。
【0057】
そこで、この閾値には、例えば、最新過去位置情報の取得時刻から現時刻第2位置情報の取得時刻までの時間内に移動可能と想定される距離の最上限の値が設定される。例えば、都会におけるGPS信号が取得できない状況で最も距離が大きくなる場合としては、地下鉄に乗っているケースが考えられる。そこで、判定部280は、実際の地下鉄の最高速度よりも十分に大きい速度(例えば、時速150km)と、最新過去位置情報の取得時刻から現時刻第2位置情報の取得時刻までの時間とから閾値を算出する。例えば、最新過去位置情報の取得時刻から現時刻第2位置情報の取得時刻までの時間が「10分」である場合には、「25km」が閾値として設定される。
【0058】
補正情報取得部260は、判定部280から補正情報の取得命令が供給された場合において、セルID取得部231から供給されるセルIDに基づいて、補正情報保持部270から補正情報を取得するものである。すなわち、この補正情報取得部260は、現時刻第2位置情報が間違っていると判断された場合に、この現時刻第2位置情報が紐付けられていたセルIDに基づいて、補正情報を補正情報保持部270から取得する。補正情報取得部260は、取得した補正情報(位置情報)を判定部280および第2位置情報保持部250に供給する。
【0059】
補正情報保持部270は、セルIDに補正のための位置情報(補正情報)を紐付けたデータベース(補正用データベース)を保持するものである。この補正情報保持部270は、無線通信装置200に備えられている記録装置(例えば、フラッシュメモリ)により保持される。なお、補正用データベースは、例えば、サーバ180のデータベースにおける位置情報が間違っているセルIDを検出し、そのセルIDについて正しい位置情報を紐付けることにより生成される。この補正用データベースは、サーバ180のデータベースとは別のデータベースであり、例えば、位置情報を使用するサービスの提供会社により提供される。すなわち、この補正用データベースは、サーバ180の運営会社とは別のサービス提供会社(位置情報を利用したサービス)が、間違った位置情報に基づいてサービスを提供するのを防ぐためのデータベースである。なお、補正用データベースは、例えば、各無線通信装置(各携帯端末)に、現在のセルIDと、GPSにより取得した現在位置の情報とを報告してもらい、この報告された情報を収集することにより構築することができる。
【0060】
決定位置情報記録部290は、判定部280により現在位置と判定(決定)された位置情報(現在位置情報)を保持するものである。この決定位置情報記録部290に保持された最新の位置情報をアプリケーションが取得することにより、ユーザが現在いる位置を利用した様々なサービスが提供される。
【0061】
[サーバのデータベースおよび補正情報保持部の補正用データベースの例]
図4は、本技術の第1の実施の形態におけるサーバ180に保持されるデータベースと、補正情報保持部270に保持される補正用データベースとの一例を簡略化して示す図である。
【0062】
図4(a)には、サーバ180に保持されるデータベースを簡略化して示す表(表181)が示されている。このサーバ180に保持されるデータベースでは、位置の管理対象の基地局を指し示すセルIDに、そのセルIDが示す基地局の位置(緯度、経度)が紐付けられている。表181には、セルIDが記載されたセル(列183のセル)と同じ行に、そのセルIDに関連付けられた緯度(列184のセル)と、経度(列185のセル)とが示されている。
【0063】
なお、表181において示す4つのセルIDのうち、枠182により囲ったセルID(d48199)の位置情報は間違っていることを想定し、補正情報保持部270に保持される補正用データベースを図4(b)において説明する。
【0064】
図4(b)には、補正情報保持部270に保持される補正用データベースを簡略化して示す表(表271)が示されている。この補正情報保持部270に保持される補正用データベースでは、サーバ180に保持されるデータベース(表181)において位置情報が間違っているセルIDに対して、正しい位置情報が紐付けられている。なお、この補正用データベースには、サーバ180のデータベースにおいて正しい位置情報が紐付けられているセルIDは格納されない。すなわち、図4(a)において示した4つのセルIDのうちでは、枠182により囲ったセルID(d48199)の基地局の正しい位置情報(緯度「35.625415」、経度「139.733515」)がセルID「d48199」に紐付けられて格納される。
【0065】
この図4(b)に示すような補正用のデータベースを無線通信装置200が保持することにより、無線通信装置200が取得する基地局の位置情報が間違っている場合においても、現在位置を適切に決定することができる。すなわち、GPS信号が受信できない場合において、間違った位置情報が通信している基地局の位置情報としてサーバ180から供給された場合においても、現在位置を適切に決定することができる。
【0066】
[無線通信装置の動作例]
次に、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200の動作について図面を参照して説明する。
【0067】
図5は、本技術の第1の実施の形態における無線通信装置200によって現在位置が決定される際の現在位置決定処理手順例を示すフローチャートである。なお、図5では、現在位置を決定する際の一回の動作について説明する。
【0068】
まず、現在通信している基地局の識別番号(セルID)が、セルID取得部231により取得される(ステップS901)。また、GPS衛星からのGPS信号が受信可能か否かが、第1位置情報取得部210により判断される(ステップS902)。そして、GPS信号が受信可能であると判断された場合には(ステップS902)、受信したGPS信号に基づいて、位置情報(第1位置情報)が生成される(ステップS903)。
【0069】
その後、その生成された第1位置情報が第1位置情報保持部220に保持される(ステップS904)。また、その生成された第1位置情報が現在位置として判定部280により判定され、決定位置情報記録部290に記録される(ステップS905)。そして、現在位置決定処理の動作は終了する。
【0070】
一方、GPS信号が受信可能でないと判断された場合には(ステップS902)、取得されたセルIDに基づいて、そのセルIDが指し示す基地局の位置情報(第2位置情報)が、第2位置情報取得部232により取得される(ステップS906)。その後、第1位置情報保持部220および第2位置情報保持部250に保持されている過去の位置情報のうち最も新しい位置情報(最新過去位置情報)が示す位置と、第2位置情報が示す位置との間の距離が、判定部280により算出される(ステップS907)。
【0071】
続いて、第2位置情報が取得された時刻と最新過去位置情報が取得された時刻との間の時間(経過時間)に基づいて、判定部280により閾値が設定される(ステップS908)。その後、算出された距離(最新過去位置情報の位置と第2位置情報の位置の間)が、閾値より大きいか否かが、判定部280により判断される(ステップS909)。そして、算出された距離が閾値より大きくない(閾値以下)と判断された場合には(ステップS909)、第2位置情報が第2位置情報保持部250に保持される(ステップS910)。また、第2位置情報が現在位置として判定部280により判定され、決定位置情報記録部290に記録される(ステップS911)。そして、現在位置決定処理の動作は終了する。
【0072】
なお、算出された距離が閾値より大きいと判断された場合には(ステップS909)、セルIDに対応する補正情報(正しい位置情報)が、補正情報保持部270における補正用データベースから補正情報取得部260により取得される(ステップS912)。そして、その取得した補正情報が第2位置情報保持部250に保持される(ステップS913)。また、補正情報が現在位置として判定部280により判定され、決定位置情報記録部290に記録される(ステップS914)。そして、現在位置決定処理の動作は終了する。なお、ステップS909は、特許請求の範囲に記載の検出手順の一例である。また、ステップS914は、特許請求の範囲に記載の決定手順の一例である。
【0073】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、誤った位置情報が基地局の位置としてサーバから供給された場合においても、無線通信装置は、適切に現在位置を決定することができる。
【0074】
<4.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、補正情報保持部270に完璧な補正用データベースを予め用意できることを想定して説明した。しかしながら、基地局の増設や更新が頻繁に行われる現状において完璧な補正用データベースを用意することは難しいため、無線通信装置200自身が補正用データベースを更新できることが望ましい。
【0075】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、基地局の正しい位置情報(補正情報)が補正用データベースに無い場合には補正情報を生成する無線通信装置200の例について、図6乃至図8を参照して説明する。
[無線通信装置の構成例]
【0076】
図6は、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置300の構成例を示すブロック図である。
【0077】
なお、無線通信装置300は、図3において示した無線通信装置200の各構成に加えて、補正情報生成部310を備える。補正情報生成部310以外の構成には図3と同一の符号を付してここでの説明を省略し、図3では、補正情報生成部310に着目して無線通信装置300の構成を説明する。
【0078】
補正情報生成部310は、補正情報保持部270の補正用データベースに必要な補正情報が無い場合において、補正情報を生成するものである。この補正情報生成部310には、セルID取得部231からのセルIDと、第1位置情報保持部220からの過去第1位置情報と、第2位置情報保持部250からの過去第2位置情報とが供給される。
【0079】
また、補正情報生成部310には、補正情報取得部260が補正情報を取得できなかった場合(補正用データベースに無い場合)において、補正情報取得部260から補正情報を生成させる命令(補正情報生成命令)が供給される。この命令は、補正情報取得部260が補正情報を取得する際に、セルID取得部231から供給されるセルIDに対する補正情報が補正情報保持部270に無いことを検出した場合に供給される。
【0080】
補正情報生成部310は、補正情報取得部260から補正情報生成命令が供給された場合には、過去第1位置情報および過去第2位置情報のうち最新の位置情報をこのセルIDに対する補正情報として決定する(補正情報を生成する)。そして、補正情報生成部310は、生成した補正情報をセルIDに紐付けて補正情報保持部270に供給し、補正用データベースを更新する。なお、補正情報取得部260は、この生成された補正情報を補正用データベースから取得し、判定部280および第2位置情報保持部250に供給する。なお、補正情報生成部310は、特許請求の範囲に記載の生成部の一例である。
【0081】
[無線通信装置の動作例]
次に、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置300の動作について図面を参照して説明する。
【0082】
図7は、本技術の第2の実施の形態における無線通信装置300によって現在位置が決定される際の現在位置決定処理手順例を示すフローチャートである。
【0083】
なお、図7で示す現在位置決定処理手順は、図5において示した現在位置決定処理手順の変形例であり、図5の補正情報を取得する手順(ステップS912)の際に、補正情報の生成動作が加わる点のみが異なる。そこで、図7では、補正情報を取得する手順を補正情報取得処理(ステップS920)として示し、その他の手順には図5と同じ符号を付して説明を省略する。そして、補正情報取得処理(ステップS920)については図8を参照して説明する。
【0084】
図8は、本技術の第2の実施の形態の現在位置決定処理手順における補正情報取得処理(ステップS920)の処理手順例を示すフローチャートである。
【0085】
まず、位置情報の補正対象の基地局のセルIDに対応する補正情報(正しい位置情報)が、補正情報保持部270の補正用データベースにあるか否かが、補正情報取得部260により判断される(ステップS921)。そして、セルIDに対応する補正情報があると判断された場合には(ステップS921)、その補正情報が補正用データベースから取得され(ステップS912)、補正情報取得処理手順は終了する。
【0086】
一方、セルIDに対応する補正情報が無いと判断された場合には(ステップS921)、第1位置情報保持部220からの位置情報と、第2位置情報保持部250からの位置情報とのどちらを補正情報とするかが判断される(ステップS922)。これにより、第1位置情報保持部220から供給された最新の過去第1位置情報が、第2位置情報保持部250から供給された最新の過去第2位置情報よりも新しいか否かが補正情報生成部310により判断される。
【0087】
そして、過去第1位置情報が過去第2位置情報よりも新しくないと判断された場合には(ステップS922)、供給された過去第2位置情報が補正情報として決定(補正情報が生成)され(ステップS923)、ステップS925に進む。
【0088】
また、過去第1位置情報が過去第2位置情報よりも新しいと判断された場合には(ステップS922)、供給された過去第1位置情報が補正情報として決定(補正情報が生成)される(ステップS924)。続いて、生成された補正情報が、セルID取得部231から供給されたセルIDとともに補正情報保持部270の補正用データベースに保持(登録)される(ステップS925)。また、生成された補正情報が、補正情報取得部260により取得され(ステップS926)、補正情報取得処理手順は終了する。
【0089】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、補正用データベースに補正情報が無い場合にこの補正情報を生成することで、無線通信装置は、適切に現在位置を決定することができる。
【0090】
<5.第3の実施の形態>
本技術の第2の実施の形態では、補正情報を生成する際に、過去第1位置情報および過去第2位置情報のうち最新の位置情報をセルIDに紐付けて生成する例について説明した。この例では、セルIDを用いた現在位置の決定が連続した後に補正情報の生成が必要な基地局のセルIDに基づく位置情報の取得が行われると、直前に現在位置とされた基地局(別の基地局)の位置情報が、補正情報の生成対象の基地局の位置となる。
【0091】
なお、基地局同士の間隔は、数百mから数kmもの距離がある。このため、ユーザの移動距離によっては、過去第2位置情報よりも古い過去第1位置情報(GPSによる位置情報)を用いて補正情報を生成した方が、補正情報の精度(基地局の実際の位置に近いか否か)が良くなる場合がある。
【0092】
そこで、本技術の第3の実施の形態では、補正情報の生成の際に、過去に取得した第1位置情報が示す位置からの移動量を検出し、この移動量に基づいて補正情報を生成する例について、図9乃至図11を参照して説明する。
【0093】
[無線通信装置の構成例]
図9は、本技術の第3の実施の形態における無線通信装置400の構成例を示すブロック図である。
【0094】
なお、無線通信装置400は、図6において示した無線通信装置300の各構成に加えて、移動量計測部420と、経過時間計測部430と、第2判定部440とを備える。なお、これらの構成以外は図6と同じ構成であるため、同じ構成には同一の符号を付してここでの説明を省略する。図9では、移動量計測部420、経過時間計測部430、第2判定部440に着目して無線通信装置400の構成を説明する。
【0095】
移動量計測部420は、第1位置情報取得部210がGPS信号から位置情報を生成した位置からの無線通信装置400の移動量を算出するものである。この移動量計測部420は、例えば、加速度センサにより検出される加速度から加速度を検出するとともに、方位センサやジャイロセンサにより移動方向を検出することにより実現される。移動量計測部420は、第1位置情報取得部210がGPS信号から位置情報を生成したタイミングで計測を開始する。すなわち、移動量計測部420は、最も新しい過去第1位置情報の生成タイミングからの移動量を供給する。なお、移動量計測部420は、計測した移動量(加速度および移動方向)を、第2判定部440に供給する。
【0096】
経過時間計測部430は、第1位置情報取得部210がGPS信号から位置情報を生成した時刻からの経過時間を計測するものである。この経過時間計測部430は、例えば、カウンター回路や無線通信装置400に搭載された時計機能により実現される。経過時間計測部430は、第1位置情報取得部210がGPS信号から位置情報を生成したタイミングで計測を開始する。すなわち、経過時間計測部430は、最も新しい過去第1位置情報の生成タイミングからの経過時間を供給する。なお、経過時間計測部430は、計測した経過時間を、第2判定部440に供給する。
【0097】
第2判定部440は、移動量計測部420から供給される移動量と、経過時間計測部430から供給される経過時間とから算出される移動距離に基づいて、過去第1位置情報と過去第2位置情報とのうちどちらを補正情報として決定するか判定するものである。この第2判定部440は、補正情報保持部270から補正情報を取得できなかった補正情報取得部260から供給される補正情報生成命令が供給された場合に、補正情報を生成するか判定する。
【0098】
第2判定部440は、補正情報取得部260から補正情報生成命令が供給された場合には、移動量計測部420から供給される移動量および経過時間計測部430から供給される経過時間に基づいて、この経過時間における無線通信装置400の移動距離を算出する。そして、第2判定部440は、移動量計測部420から供給される移動距離と、閾値とを比較して、移動距離が閾値より大きい場合には、過去第2位置情報を補正対象の基地局のセルIDに紐付けると判定し、その判定結果を補正情報生成部310に供給する。また、第2判定部440は、移動距離が閾値以下の場合には、過去第1位置情報を補正対象の基地局のセルIDに紐付けると判定し、その判定結果を補正情報生成部310に供給する。なお、第2判定部440および補正情報生成部310は、特許請求の範囲に記載の生成部の一例である。
【0099】
そして、補正情報生成部310は、第2判定部440から供給される判定結果に基づいて、最新の過去第1位置情報と最新の過去第2位置情報とのうちいずれかを基地局のセルIDに紐付けて補正情報として決定する。
【0100】
ここで、第2判定部440における閾値について説明する。この閾値は、補正情報の決定(生成)において、過去第1位置情報と過去第2位置情報のうちのどちらを補正情報とするかを判定するための閾値である。過去第2位置情報が示す基地局の位置は、基地局からの無線信号は数百mから数kmは受信可能であるため(最大距離は基地局の大きさにより異なる)、セルIDによる位置情報の取得の精度も、数百mから数kmとなる。そこで、閾値としては、過去第1位置情報を用いるには移動距離が大きすぎで、過去第2位置情報を用いる方が妥当(過去第2位置情報を用いる方が、実際の基地局の位置に近くなる可能性が高くなる)と考えられる値が設定される。通信方式によっても閾値は異なってくるが、例えば、閾値として「500m」を設定し、移動距離がこの閾値より大きくなった場合には、過去第2位置情報を補正情報とすると判定する。
【0101】
[無線通信装置の動作例]
次に、本技術の第3の実施の形態における無線通信装置400の動作について図面を参照して説明する。
【0102】
図10は、本技術の第3の実施の形態における無線通信装置400によって現在位置が決定される際の現在位置決定処理手順例を示すフローチャートである。
【0103】
なお、図10で示す現在位置決定処理手順は、図7において示した現在位置決定処理手順の変形例であり、補正情報取得処理における取得手順の内容と、移動距離および経過時間の生成の動作が加わる点のみが異なる。そこで、図10では、図7において示した手順と同じ手順には同じ符号を付して、ここでの説明を省略する。また、図7の補正情報取得処理(ステップS920)に対応する補正情報取得処理(ステップS940)については、図11を参照して説明する。
【0104】
受信したGPS信号に基づいて、第1位置情報取得部210により位置情報(第1位置情報)が生成された後に(ステップS903)、このタイミングからの経過時間の計測が、経過時間計測部430により開始される(ステップS931)。また、第1位置情報が生成された位置からの移動量(加速度および移動方向)の計測が、移動量計測部420により開始され(ステップS932)、ステップS904に進む。
【0105】
なお、ステップS931とステップS932とは、どちらが先であってもよい。
【0106】
図11は、本技術の第3の実施の形態の現在位置決定処理手順における補正情報取得処理(ステップS940)の処理手順例を示すフローチャートである。
【0107】
なお、補正情報取得処理(ステップS940)は、図8において示した補正情報取得処理(ステップS920)の変形例であり、移動量および経過時間に基づいて補正情報とする位置情報を切り替える判断を行う点が異なる。そこで、同一の手順については同じ符号を付してここでの説明を省略する。
【0108】
セルIDに対応する補正情報がないと判断された後に(ステップS921)、移動量計測部420が計測した移動量が、第2判定部440により取得される(ステップS941)。また、経過時間計測部430が計測した経過時間が、第2判定部440により取得される(ステップS942)。なお、ステップS941とステップS942とは、どちらが先であってもよい。
【0109】
続いて、取得された移動量および経過時間に基づいて、無線通信装置の移動距離が第2判定部440により算出される(ステップS943)。次に、算出された移動距離が閾値より大きいか否かが、第2判定部440により判断される(ステップS944)。
【0110】
そして、移動距離が閾値より大きいと判断された場合には(ステップS944)、ステップS923に進む。
【0111】
一方、移動距離が閾値より大きくないと判断された場合には(ステップS944)、ステップS924に進む。
【0112】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、補正用データベースに補正情報が無い場合において、過去第1位置情報を取得した地点からの移動距離によっては、経過時間に係らず、過去第1位置情報を補正情報とし、過去第2位置情報よりも優先することにより、現在位置の決定の精度を向上させることができる。
【0113】
<6.第4の実施の形態>
本技術の第1乃至第3の実施の形態では、補正用データベースを無線通信装置の内部に保持させる例について説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、補正用データベースをサーバに設けるようにしてもよい。
【0114】
そこで、本技術の第1乃至第3の実施の形態の無線通信装置において、補正用データベースをサーバに設けた例について、図12乃至図14を参照して説明する。
【0115】
また、補正用データベースをサーバに設ける場合には、複数のユーザが補正情報を更新することができ、これにより、補正情報の精度を向上させることができる。そこで、基地局により近い無線通信装置が生成した補正情報により補正用データベースが更新される例について、図15を参照して説明する。
【0116】
[無線通信装置の構成例]
図12は、本技術の第4の実施の形態において、本技術の第1の実施の形態の無線通信装置200に対応する無線通信装置510を備える通信システム501の構成例を示すブロック図である。
【0117】
通信システム501は、無線通信装置510と、基地局170と、サーバ180と、公衆回線網190と、補正情報サーバ511とを備える。なお、無線通信装置510は、第1の実施の形態の無線通信装置200の変形例であり、補正情報保持部270を備えていない。その代わりに、補正用データベースを備える補正情報サーバ511が通信システム501に設けられる。なお、無線通信装置510における各構成は、図1の無線通信装置200と同様のものであるため、同一の符号を付してここでの説明を省略する。基地局170、サーバ180、公衆回線網190も同様のものであるため同一の符号を付してここでの説明を省略し、ここでは、補正情報サーバ511に着目して説明する。
【0118】
補正情報サーバ511は、補正用データベースを保持するサーバである。すなわち、補正情報サーバ511は、図3において示した補正情報保持部270の役割を果たすサーバである。なお、補正情報サーバ511は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例である。
【0119】
この無線通信装置510において、補正情報取得部260は、補正情報の取得命令を受けとった場合には、セルID取得部231からのセルIDに紐付けられた補正情報を補正情報サーバ511から取得するための通信の実行命令を通信部230に供給する。そして、通信部230が通信を実行すると、その通信に対する応答として、補正情報サーバ511は、要求されたセルIDに紐付けられた位置情報(補正情報)を無線通信装置510に供給する。これにより、補正情報取得部260は、補正情報を取得する。
【0120】
このように、補正用データベースをサーバ(補正情報サーバ511)に設けることができる。これにより、無線通信装置510は、常に最新の補正用データベースを用いて補正することができる。
【0121】
図13は、本技術の第4の実施の形態において、本技術の第2の実施の形態の無線通信装置300に対応する無線通信装置520を備える通信システム502の構成例を示すブロック図である。
【0122】
この通信システム502の無線通信装置520は、第2の実施の形態の無線通信装置300の変形例であり、補正情報保持部270に代えて、補正情報サーバ511を備える点のみが異なる。すなわち、図12において示した無線通信装置510と同様に、補正情報が補正情報サーバ511から供給される。
【0123】
また、補正用データベースに必要な補正情報が無い場合には、そのことが補正情報サーバ511から補正情報取得部260に無線通信を介して通知される。そして、その通知を受けとった補正情報取得部260が補正情報生成命令を補正情報生成部310に供給することで、補正情報生成部310が補正情報の生成を実行する。その後、生成された補正情報は、補正情報取得部260に供給されるとともに、通信部230を介した無線通信により補正情報サーバ511に供給され、補正用データベースが更新される。
【0124】
図14は、本技術の第4の実施の形態において、本技術の第3の実施の形態の無線通信装置300に対応する無線通信装置530を備える通信システム503の構成例を示すブロック図である。
【0125】
この通信システム503の無線通信装置530は、第3の実施の形態の無線通信装置300の変形例であり、図12および図13において説明した無線通信装置510および520と同様に、補正情報サーバ511における補正用データベースが用いられる。
【0126】
図15は、本技術の第4の実施の形態において、基地局により近い無線通信装置が生成した補正情報により補正用データベースが更新される通信システム504の構成例を示すブロック図である。
【0127】
この図15では、通信システム504として、無線通信装置540と、基地局170と、サーバ180と、公衆回線網190と、補正情報サーバ511とを備える。
【0128】
無線通信装置540は、図14において示した無線通信装置530の変形例であり、第1位置情報保持部220、補正情報取得部260、補正情報生成部310に代えて、第1位置情報保持部544、補正情報取得部542、補正情報生成部543を備える。また、無線通信装置540は、無線パラメータ取得部541をさらに備える。ここでは、無線パラメータ取得部541、第1位置情報保持部544、補正情報取得部542および補正情報生成部543に着目して説明する。
【0129】
無線パラメータ取得部541は、基地局170から供給される無線信号に含まれるパラメータを取得するものである。この無線パラメータ取得部541が取得するパラメータは、無線通信装置540が基地局170に近いか否かを解析するための信号の強度の情報である。例えば、無線通信装置540が3GPP(Third Generation Partnership Project)準拠である場合には、無線パラメータ取得部541は、パイロット信号の強度を取得する。無線通信装置540は、−120dBmから−25dBmまでの強度のパイロット信号を検出可能であり、このパイロット信号の強度が強い(−25dBmに近い)ほど、基地局に近い可能性が高くなる。
【0130】
なお、無線通信装置540が3GPP以外の端末(例えば、無線LANや3GPP以外の携帯電話)では、無線パラメータ取得部541は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)を取得する。
【0131】
無線パラメータ取得部541は、取得したパラメータ(受信レベル情報)を、第1位置情報保持部544および補正情報取得部542に供給する。
【0132】
第1位置情報保持部544は、これまでに説明した第1位置情報保持部220と同様に、過去第1位置情報を保持するものである。この第1位置情報保持部544には、第1位置情報取得部210からの第1位置情報に加えて、無線パラメータ取得部541から受信レベル情報が供給される。第1位置情報保持部544は、過去第1位置情報を保持する際に、第1位置情報を取得したタイミングにおいて通信部230が受信した信号に関する受信レベル情報をさらに紐付けて保持する。
【0133】
なお、第1位置情報保持部544は、これまでに説明した第1位置情報保持部220と同様に、判定部280に位置情報を供給する場合には、保持する位置情報(第1位置情報)を取得時間とともに供給する。また、第1位置情報保持部544は、補正情報生成部543および補正情報取得部542に位置情報を供給する場合には、第1位置情報と取得時間とに加えて、紐付けられた受信レベル情報も供給する。
【0134】
補正情報取得部542は、これまでに説明した補正情報取得部260の機能に加えて、補正情報サーバ511から供給される位置情報(補正情報)が基地局170に近い位置を示すか否かを受信レベル情報に基づいて解析する機能を備える。ここで、受信レベル情報を用いる補正情報取得部542の機能について説明する。
【0135】
まず、本技術の第4の実施の形態における補正情報サーバ511に保持される補正情報について説明する。本技術の第4の実施の形態において、補正情報サーバ511は、セルIDに紐付ける情報として、位置情報(補正情報)の他に、この位置情報が第1位置情報由来の情報であるか第2位置情報由来の情報であるかを示す情報(取得手段識別情報)が紐付けられる。また、取得手段識別情報が第1位置情報を示す場合には、その第1位置情報の生成の際において受信した信号の強度情報(受信レベル情報)もともに紐付けられる。そして、補正情報サーバ511は、無線通信装置540からの補正情報の要求に応答して補正情報を供給する場合には、取得手段識別情報および受信レベル情報もともに送信する。なお、補正情報サーバ511に保持される補正情報については、図16を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。なお、取得手段識別情報は、特許請求の範囲に記載の属性情報の一例である。また、受信レベル情報は、特許請求の範囲に記載の信号強度情報の一例である。
【0136】
このように、位置情報とともに取得手段識別情報および受信レベル情報を受信した補正情報取得部542は、供給された補正情報をもっと精度が高い補正情報(本来の基地局の位置により近い補正情報)に、過去第1位置情報に基づいて更新(過去第1位置情報を補正情報として決定して更新)できる可能性があるか否かを判断する。
【0137】
ここで、過去第1位置情報に基づいて補正情報が更新できる場合について、補正情報取得部542、第2判定部440、補正情報生成部543に着目して説明する。
【0138】
まず、取得した補正情報に関する取得手段識別情報が第2位置情報を示す場合について説明する。この場合には、補正情報取得部542は、過去第1位置情報により補正情報を更新することによりもっと精度が高い補正情報に更新できる可能性があると判断する。そして、補正情報取得部542は、過去第1位置情報により補正情報を更新できるか否かの判定を第2判定部440に行わせる。
【0139】
続いて、可能性があることの通知を受けた第2判定部440は、最も新しい過去第1位置情報が、現在通信している基地局の範囲内で取得したものであるか否か判定する。この判定としては、例えば、最も新しい過去第1位置情報からの移動距離が所定の閾値以下の場合(現在位置からそれほど離れていない場合)には、通信している基地局が変わっていない(現在通信している基地局と同じ)可能性が高いと判断する。そして、第2判定部440は、その判定結果を補正情報生成部543に供給し、最も新しい過去第1位置情報を補正情報と決定する処理(更新のための補正情報を生成する処理)を補正情報生成部543に行わせる。なお、この決定された補正情報が補正情報サーバ511に供給され、補正情報サーバ511における補正情報が更新される。
【0140】
また、取得した補正情報に関する取得手段識別情報が第1位置情報を示す場合には、補正情報取得部542は、現在の受信レベルの強度と、補正情報とともに取得した受信レベル情報の強度とを比較し、無線通信装置の現在の位置の方が基地局に近いか否か判定する。そして、現在の受信レベルの強度の方が強い場合には、補正情報取得部542は、無線通信装置の現在の位置の方が基地局に近いと判定し、過去第1位置情報により補正情報を更新することにより位置の精度をもっと高くできる可能性があると判断する。そして、補正情報取得部542は、過去第1位置情報を補正情報にすべきか否かの判定を第2判定部440に行わせる。
【0141】
続いて、可能性があることの通知を受けた第2判定部440は、最も新しい過去第1位置情報が、無線通信装置の現在の位置に近い位置(受信レベルがそれほど大きく変わらない位置)において取得されたものか否か判断する。この判定としては、例えば、最も新しい過去第1位置情報からの移動距離が所定の閾値以下の場合(現在位置からそれほど離れていない場合)には、無線通信装置の現在の位置に近い位置で取得されただろうと判断する。そして、第2判定部440は、その判定結果を補正情報生成部543に供給し、最も新しい過去第1位置情報を補正情報と決定する処理を補正情報生成部543に行わせる。なお、この決定された補正情報が補正情報サーバ511に供給され、補正情報サーバ511における補正情報が更新される。
【0142】
補正情報生成部543は、図14までに説明した補正情報生成部310と同様に、補正情報を生成するものである。なお、補正情報生成部543は、過去第2位置情報を補正情報として決定(補正情報を生成)する場合には、第2位置情報に基づいて生成されたこと(第2位置情報由来)を示す取得手段識別情報を紐付けて生成し、補正情報取得部542および通信部230に供給する。また、補正情報生成部543は、過去第1位置情報を補正情報として決定する場合には、第1位置情報に基づいて生成されたこと(第1位置情報由来)を示す取得手段識別情報と、その過去第1位置情報に関する受信レベル情報とを紐付けて生成する。また、補正情報生成部543は、最も新しい過去第1位置情報に基づいてもっと精度が高い補正情報に更新できると補正情報取得部542および第2判定部440により判断された場合には、最も新しい過去第1位置情報を補正情報として決定する。そして、この更新できると判断された際に決定された補正情報は、補正情報取得部260に供給されるとともに、通信部230を介した無線通信により補正情報サーバ511に供給され、補正用データベースにおける補正情報が更新される。
【0143】
このように、補正情報とともに取得手段識別情報および受信レベル情報がセルIDに紐付けられることにより、最も基地局に近いユーザが生成した補正情報が補正情報サーバ511に保持される。
【0144】
[補正情報サーバにおける補正用データベースの更新例]
図16は、本技術の第4の実施の形態において、基地局により近い無線通信装置540が生成した補正情報による補正用データベースの更新の一例を示す図である。
【0145】
図16(a)では、基地局(セルID:d56743)に関する補正情報が補正用データベースに無いことを検出した無線通信装置540が第2位置情報を補正情報として決定(補正情報を生成)し、この生成された補正情報が新たに登録された状態を示す。また、図16(b)では、図16(a)において登録された補正情報が更新された状態を示し、図16(c)では、図16(b)において更新された補正情報がさらに更新された状態を示す。
【0146】
図16(a)には、補正情報が補正用データベースに無いことを検出した無線通信装置540が第2位置情報を補正情報として決定し、この補正情報が新たに登録された状態の補正用データベースの一部を示す表(表550)が示されている。
【0147】
なお、図16(a)では、無線通信装置540は、第1位置情報および第2位置情報のどちらを補正情報として決定するかの判断において、第2位置情報を採用すると判断したこととする。
【0148】
表550に示す補正用データベースでは、位置の管理対象の基地局を指し示すセルID(列552)に、このセルIDに紐付けられる位置情報(補正情報)の取得手段を示す取得手段識別情報(列553)が紐付けられる。さらに、セルID(列552)には、補正情報が第1位置情報由来である場合の、その第1位置情報を取得した際の受信レベル情報(列554)が紐付けられる。また、図4(b)において示した本技術の第1の実施の補正情報と同様に、セルIDには、補正情報(緯度(列555)、経度(列556))が紐付けられる。
【0149】
表550に示す補正用データベースでは、新たに登録された情報(セルID「d56743」の情報)が太線の黒枠(枠551)により囲まれている。このセルID「d56743」には、補正情報が第2位置情報由来であることを示す「2」の値の取得手段識別情報と、緯度「35.699999」と、経度「139.876543」とが紐付けられている。なお、このセルID「d56743」の補正情報は、第2位置情報を補正情報としているため、受信レベル情報は無い(図では、「−」により示している)。
【0150】
このように、無線通信装置540は、補正用データベースに必要とする補正情報が無い場合には、新たに生成した補正情報を、取得手段識別情報および受信レベル情報とともにセルIDに紐付けて、補正用データベースに新たに登録する。
【0151】
図16(b)には、図16(a)において新たに登録された補正情報が更新された状態の補正用データベースの一部を簡略化して示す表(表560)が示されている。なお、図16(b)では、更新された情報を枠561により囲んで示す。
【0152】
この図16(b)では、セルID「d56743」の補正情報が、緯度「35.685545」、経度「139.843335」に更新されている。また、取得手段識別情報が「1」に更新され、受信レベル情報が「−110」dBmに更新されている。
【0153】
このように、無線通信装置540は、第2位置情報により決定された補正情報について、第1位置情報を補正情報とすることにより本来の位置により近い情報に更新できると判断した場合には、補正用データベースにおけるその基地局(セルID)の情報を更新する。なお、この更新において、補正情報の更新とともに、取得手段識別情報が第1位置情報を示す「1」の値に更新され、受信レベル情報がその第1位置情報を取得した際の受信レベルの値に更新される。
【0154】
図16(c)には、図16(b)において更新された補正情報がさらに更新された状態の補正用データベースの一部を簡略化して示す表(表570)が示されている。なお、図16(b)では、さらに更新された情報を枠571により囲んで示す。
【0155】
この図16(b)では、セルID「d56743」の補正情報が、緯度「35.667841」、経度「139.810067」に更新されている。また、受信レベル情報が「−66」dBmに更新されている。
【0156】
このように、無線通信装置540は、第1位置情報由来の補正情報について、受信信号が強い(基地局に近い)第1位置情報を補正情報として更新することにより本来の位置により近い情報に更新できると判断した場合には、補正情報の更新を行う。なお、この更新において、補正情報の更新とともに、受信レベル情報がその第1位置情報を取得した際の受信レベルの値に更新される。
【0157】
[無線通信装置の動作例]
次に、本技術の第4の実施の形態において、基地局により近い無線通信装置が生成した補正情報により補正用データベースが更新される無線通信装置540の動作例について、図面を参照して説明する。
【0158】
なお、無線通信装置540の現在位置決定処理手順は、図10において示した現在位置決定処理手順の変形例であり、図10の補正情報取得処理(ステップS940)における処理内容が異なる。この補正情報取得処理において、補正情報を補正情報サーバ511から取得する処理、および、補正情報を更新するか否か判定する処理などの点が図10の補正情報取得処理(ステップS940)とは異なる。そこで、ここでは無線通信装置540の現在位置決定処理手順における補正情報取得処理(ステップS950)以外については説明を省略し、補正情報取得処理(ステップS950)の処理手順例について図17を参照して説明する。
【0159】
図17は、本技術の第4の実施の形態の無線通信装置540の現在位置決定処理手順における補正情報取得処理(ステップS950)の処理手順例を示すフローチャートである。
【0160】
なお、図17において示す補正情報取得処理(ステップS950)は、図11において示した補正情報取得処理(ステップS940)の変形例であるため、同一の手順については同一の符号を付してここでの説明を省略する。
【0161】
まず、補正対象の基地局のセルIDに対応する補正情報が、補正情報サーバ511の補正用データベースにあるか否かが、補正情報取得部542による補正情報サーバ511との通信により判断される(ステップS951)。そして、セルIDに対応する補正情報があると判断された場合には(ステップS951)、その補正情報を補正情報サーバ511から取得する補正用サーバ保持情報取得・更新処理(ステップS960)が行われ、補正情報取得処理手順は終了する。なお、この補正用サーバ保持情報取得・更新処理(ステップS960)については、図18を参照して説明する。
【0162】
一方、セルIDに対応する補正情報がないと判断された場合には(ステップS951)、ステップS941に進む。
【0163】
ステップS944において移動距離が閾値より大きいと判定された場合には、過去第2位置情報が補正情報として補正情報生成部310により決定された後に(ステップS923)、この補正情報と、取得手段識別情報とを紐付けたセルIDが、補正情報サーバ511の補正用データベースに登録される(ステップS953)。
【0164】
一方、ステップS944において移動距離が閾値より大きくないと判定された場合には、過去第1位置情報が補正情報として補正情報生成部310により決定された後に(ステップS924)、この補正情報と、取得手段識別情報と、受信レベル情報とを紐付けたセルIDが、補正情報サーバ511に登録される(ステップS954)。
【0165】
図18は、本技術の第4の実施の形態の無線通信装置540の現在位置決定処理手順における補正用サーバ保持情報取得・更新処理(ステップS960)の処理手順例を示すフローチャートである。
【0166】
まず、補正対象のセルIDに補正情報サーバ511において紐付けられている補正情報と、取得手段識別情報と、受信レベル情報とが、補正情報取得部542により取得される(ステップS961)。続いて、補正情報サーバ511から取得された補正情報に関する取得手段識別情報に基づいて、この補正情報が第2位置情報から(セルIDからの位置取得から)決定されたものか否かが、補正情報取得部542により判断される(ステップS962)。
【0167】
そして、第2位置情報から決定された補正情報であると判断された場合には(ステップS962)、移動量計測部420が計測した移動量が、第2判定部440により取得される(ステップS963)。また、経過時間計測部430が計測した経過時間が、第2判定部440により取得される(ステップS964)。続いて、取得された移動量および経過時間に基づいて、移動距離が第2判定部440により算出される(ステップS965)。
【0168】
次に、算出された移動距離が閾値より大きいか否かが、第2判定部440により判断される(ステップS966)。なお、この第2判定部440による判断は、図9において示した第2判定部440における閾値による判断と同様の判断であり、閾値としては、通信している基地局(セルID)が変わらないような距離が設定される。そして、閾値より大きくない(最も新しい過去第1位置情報の取得時に通信した基地局と、現在の基地局が同じ)と判断された場合には(ステップS966)、ステップS975に進む。
【0169】
一方、閾値より大きいと判断された場合には(ステップS966)、補正情報サーバ511から取得された補正情報を用いて位置情報を補正することが補正情報取得部542により決定され(ステップS967)、補正用サーバ保持情報取得・更新手順は終了する。
【0170】
なお、第2位置情報から決定された補正情報でないと判断された場合には(ステップS962)、無線パラメータ取得部541が検出した現在受信している信号の信号レベルが、補正情報取得部542により取得される(ステップS968)。続いて、現在の受信レベルの強度と、取得した補正情報に関連付けられている受信レベル情報の強度とが比較され、現在の受信レベルの強度の方が高いか否かが、補正情報取得部542により判断される(ステップS969)。そして、現在の受信レベルの強度の方が高くないと判断された場合には(ステップS969)、ステップS967に進む。
【0171】
一方、現在の受信レベルの強度の方が高いと判断された場合には(ステップS969)、移動量計測部420が計測した移動量が、第2判定部440により取得される(ステップS971)。また、経過時間計測部430が計測した経過時間が、第2判定部440により取得される(ステップS972)。続いて、取得された移動量および経過時間に基づいて、移動距離が第2判定部440により算出される(ステップS973)。
【0172】
次に、算出された移動距離が閾値より大きいか否かが、第2判定部440により判断される(ステップS974)。なお、この第2判定部440による判断(ステップS974)では、現在の受信レベルから受信レベルがそれほど大きく変わらない距離(上限は、補正情報に関連付けられている受信レベル情報のレベルを下回らない距離)が閾値として設定される。そして、閾値より大きい(最も新しい過去第1位置情報が現在の位置から離れすぎていて、受信レベルが大きく異なる可能性がある)と判断された場合には(ステップS974)、ステップS967に進む。
【0173】
一方、閾値より大きくないと判断された場合には(ステップS974)、補正情報生成部543によって、計測開始時に係る過去第1位置情報(最も新しい過去第1位置情報)を補正情報と決定して補正情報が生成される(ステップS975)。続いて、補正情報と、その補正情報の取得時に係る受信レベル情報と、取得手段識別情報とがセルIDとともに補正情報サーバ511に送信され、補正用データベースが更新される(ステップS976)。また、生成された補正情報が、補正情報取得部542により取得され(ステップS977)、補正用サーバ保持情報取得・更新手順は終了する。
【0174】
このように、本技術の第4の実施の形態によれば、誤った位置情報が基地局の位置としてサーバから供給された場合においても、無線通信装置は、補正情報を補正用サーバから取得することにより、適切に現在位置を決定することができる。
【0175】
<7.第5の実施の形態>
本技術の第1乃至第4の実施の形態では、無線通信装置におけるアプリケーションが補正された位置情報を使用するために、無線通信装置において位置情報を補正する例について説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、補正用のサーバにおいて補正するようにしてもよい。
【0176】
そこで、本技術の第1乃至第4の実施の形態の無線通信装置が取得した現在位置の情報が、補正用のサーバにおいて補正される例について、図19乃至図22を参照して説明する。
【0177】
[無線通信装置の構成例]
図19は、本技術の第5の実施の形態において、本技術の第1の実施の形態の無線通信装置200における位置補正機能をサーバが行う通信システム602の構成例を示すブロック図である。
【0178】
通信システム602は、基地局170と、サーバ180と、公衆回線網190と、無線通信装置610と、ログ記録サーバ620とを備える。なお、無線通信装置610およびログ記録サーバ620以外の構成は、これまでに説明したものと同様のものであるため、ここでは、無線通信装置610およびログ記録サーバ620に着目して説明する。なお、ログ記録サーバ620は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例である。
【0179】
無線通信装置610は、第1乃至第4の実施の形態において示した無線通信装置の変形例であり、第1位置情報取得部210と、通信部230と、セルID取得部231と、第2位置情報取得部232と、ログ収集部611と、ログデータ生成部613とを備える。ここでは、新たに示すログ収集部611およびログデータ生成部613について説明する。
【0180】
ログ収集部611は、ログを収集するものであり、ログの内容の情報(ログ内容情報)を、ログを収集した時刻とともに、ログデータ生成部613に供給する。
【0181】
ログデータ生成部613は、ログ内容情報と、そのログを収集した際の位置情報と、そのログを収集した際の時刻とに基づいて、ログデータを生成するものである。なお、ログを収集した際の位置情報は、これまでに説明した第1乃至第4の実施の形態と同様に、第1位置情報取得部210がGPS信号を受信できる場合には第1位置情報を位置情報とし、取得できない場合には第2位置情報を位置情報とする。また、第2位置情報取得部232が取得した位置情報(セルIDに基づく位置情報)をログの位置情報とする場合には、その位置情報が紐付けられているセルIDも含めてログデータを生成する。すなわち、ログデータ生成部613は、第1位置情報を位置情報としてログデータを生成する場合には、ログ内容情報と、時刻と、位置情報とを最低限含むログデータを生成する。また、第2位置情報を位置情報とする場合には、ログ内容情報と、時刻と、位置情報と、セルIDとを最低限含むログデータを生成する。
【0182】
また、ログを収集した際の時刻については、時刻の精度を高めるため、第1位置情報取得部210が位置情報を生成できる場合には、第1位置情報取得部210が生成した時刻を用いてもよい(GPS信号に基づいて計算する時刻が最も正確なため)。
【0183】
ログデータ生成部613は、生成したログデータを通信部230に供給し、そして、このログデータはログ記録サーバ620へ送信される。なお、このログデータの送信に関しては、ログデータの生成の度に送信しても良いし、所定の時間蓄積した後にまとめて送信するようにしてもよい。
【0184】
ログ記録サーバ620は、無線通信装置610から送信されるログデータを集積するものであり、ログデータ受信部621と、判定部622と、補正情報取得部624と、補正情報保持部626と、ログデータ記録部627とを備える。
【0185】
ログデータ受信部621は、無線通信装置610から公衆回線網190を介して供給されるログデータを受信するものである。このログデータ受信部621は、受信したログデータを、判定部622に供給する。なお、ログデータ受信部621は、特許請求の範囲に記載の取得部の一例である。
【0186】
判定部622は、ログデータの位置情報のうち、第2位置情報により決定された位置情報が間違っていないか解析するものである。この判定部622は、解析するために、ログデータ受信部621から供給されたログデータのうちの任意の2つのログデータにおける位置情報間の距離(移動距離)と、この2つのログデータ間の経過時間とを算出する。そして、判定部622は、図3において示した判定部280と同様に、閾値(移動可能と想定される距離の上限)を設定し、移動距離と閾値とを比較する。
【0187】
この比較において、算出した移動距離が閾値より大きい場合には、位置情報の補正が必要と判断する(サーバ180における紐付けが間違っていると判断)。そして、判定部622は、補正対象のログデータに含まれているセルIDを補正情報取得部624に供給して、そのセルIDに紐付けられている補正情報の取得を補正情報取得部624に行わせる。そして、判定部622は、補正情報を取得した補正情報取得部624から供給された補正情報によりログデータの位置情報を修正する(ログデータの位置情報が補正情報が示す位置に書き換えられる)。
【0188】
判定部622は、位置情報を修正したログデータを、ログデータ記録部627に供給し、ログデータ記録部627に記録する。なお、判定部622は、位置情報が間違っていないログデータ(補正が必要でないログデータ)は、そのまま補正せずにログデータ記録部627に供給し、ログデータ記録部627に記録する。このように、判定部622は、図3において示した判定部280に対応する役割を行う。なお、判定部622は、特許請求の範囲に記載の検出部および補正部の一例である。
【0189】
補正情報取得部624は、判定部622から供給されたセルIDに関する補正情報を、補正情報保持部626から取得するものである。この補正情報取得部624は、取得した補正情報を、判定部622に供給する。すなわち、この補正情報取得部624は、図3において示した補正情報取得部260に対応する役割を行う。
【0190】
補正情報保持部626は、補正用データベースを保持するものであり、図3において示した補正情報保持部270に対応する。
【0191】
ログデータ記録部627は、ログデータを記録するものである。また、ログデータ記録部627は、判定部622が判定を行う際には、移動距離および経過時間の算出開始位置として使用されるログデータを、判定部622に供給する。ログデータ記録部627が保持するログデータとしては、例えば、ライフログなどにおけるデータなどが想定される。このログデータ記録部627に記録されたログデータが、ログを使用するサービスにおいて用いられる。
【0192】
このように、セルIDに基づいて生成された位置情報を補正することにより、ユーザが後ほどログデータに保持されている位置情報を修正する手間の軽減や、ログを見た他人に間違った位置情報を提供することの防止などをすることができる。
【0193】
図20は、本技術の第5の実施の形態において、本技術の第2の実施の形態の無線通信装置300における位置補正機能をサーバが行う通信システム603の構成例を示すブロック図である。
【0194】
なお、この通信システム603は、図19において示した通信システム602の変形例であり、ログ記録サーバ(ログ記録サーバ630)に補正情報生成部635を備える点のみが異なる。そこで、ここでは、補正情報生成部635に着目して説明する。
【0195】
補正情報生成部635は、補正情報保持部626の補正用データベースに必要な補正情報が無い場合において、補正情報を生成するものである。この補正情報生成部635には、補正情報取得部624が補正情報を取得できなかった場合(補正用データベースに無い場合)において、補正情報取得部624から補正情報を生成させる命令(補正情報生成命令)が供給される。この補正情報生成命令が供給されると、補正情報生成部635は、補正対象のセルIDが含まれているログデータの1つ前のログデータをログデータ記録部627から取得する。そして、補正情報生成部635は、この取得したログデータの位置情報を補正対象のセルIDに紐付けて、このセルIDに対する補正情報を決定する。補正情報生成部635は、決定した補正情報を、補正情報保持部626に供給し、補正用データベースを更新する。また、判定部622において、この決定された補正情報により補正対象のログデータの位置情報が修正される(ログデータの位置情報が補正情報が示す位置に書き換えられる(更新される))。すなわち、補正情報生成部635は、図6において示した補正情報生成部310に対応する役割を行う。
【0196】
図21は、本技術の第5の実施の形態において、本技術の第3の実施の形態の無線通信装置400における位置補正機能をサーバが行う通信システム605の構成例を示すブロック図である。
【0197】
通信システム605は、図19および図20において示した無線通信装置610に代えて、無線通信装置640を備える。この無線通信装置640は、無線通信装置610の各構成に加えて、移動量計測部420と、経過時間計測部430とを備える。なお、移動量計測部420および経過時間計測部430は、図9において示したものと同様であるため、ここでの説明を省略する。この無線通信装置640においては、移動量計測部420および経過時間計測部430が生成した情報(移動量および経過時間)は、ログデータ生成部613に供給される。
【0198】
ログデータ生成部613は、供給された移動量および経過時間に基づいて移動距離を生成し、この生成した移動距離を含めてログデータを生成する。すなわち、ログデータ生成部613は、第1位置情報に基づいて位置情報を決定して(第1位置情報を位置情報として)ログデータを生成する場合には、ログ内容情報と、時刻と、位置情報とを最低限含むログデータを生成する。また、第2位置情報を位置情報とする場合には、ログ内容情報と、時刻と、位置情報と、セルIDと、移動距離とを最低限含むログデータを生成する。
【0199】
通信システム605は、図19および図20において示したログ記録サーバ620および630に代えてログ記録サーバ650を備える。このログ記録サーバ650は、図20のログ記録サーバ630の各構成に加えて、第2判定部651を備える。ここでは、第2判定部651に着目して説明する。
【0200】
第2判定部651は、補正情報生成部635が補正情報を生成する場合において、第1位置情報を位置情報として生成された過去のログデータと、第2位置情報を位置情報として生成された過去のログデータとのどちらを補正情報として決定するか判定するものである。この第2判定部651には、補正情報取得部624から補正情報生成命令が供給され、また、判定部622から移動距離および経過時間が供給される。
【0201】
第2判定部651は、補正情報取得部624から補正情報生成命令が供給された場合には、位置の補正対象のログデータにおける移動距離を判定部622から取得し、閾値と比較する。そして、移動距離が閾値より大きい場合には、第2位置情報を位置情報としたログデータの位置情報を補正対象の基地局のセルIDに紐付けると判定し、その判定結果を補正情報生成部635に供給する。また、第2判定部651は、移動距離が閾値以下の場合には、第1位置情報を位置情報としたログデータの位置情報を補正対象の基地局のセルIDに紐付けると判定し、その判定結果および経過時間を補正情報生成部635に供給する。なお、この判定は、図9において示した第2判定部440の判定と同様のものであり、第2判定部651は、第2判定部440に対応する役割を行う。
【0202】
そして、補正情報生成部635は、第2判定部651から供給される判定結果に基づいて、位置を参照するログデータを決定し、補正情報を生成する。すなわち、補正情報生成部635は、第2位置情報を位置情報としたログデータを参照する場合には、第2位置情報を位置情報としたログデータのうち、補正対象のログデータの取得時刻に最も近いログデータをログデータ記録部627から取得して補正情報を生成する。また、第1位置情報を位置情報として生成されたログデータを参照する場合には、補正対象のログデータの取得時刻から経過時間ほど前のログデータをログデータ記録部627から取得して補正情報を生成する。
【0203】
図22は、本技術の第5の実施の形態において、本技術の第4の実施の形態の無線通信装置540における位置補正機能をサーバが行う通信システム606の構成例を示すブロック図である。
【0204】
通信システム606の無線通信装置660は、図21において示した無線通信装置640の各構成に加えて、無線パラメータ取得部541を備える。この無線パラメータ取得部541は、図15において示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
【0205】
また、この無線通信装置660のログデータ生成部613は、第1位置情報を用いてログデータを生成する場合には、ログ内容情報と、時刻と、位置情報と、受信レベル情報とを最低限含むログデータを生成する。
【0206】
なお、ログ記録サーバ650における判定部622、補正情報生成部635、補正情報取得部624、第2判定部651における受信レベル情報の利用については、図15において示した各構成と同様であるためここでの説明を省略する。
【0207】
このように、本技術の第5の実施の形態によれば、無線通信装置が検出した位置情報を、この位置情報を蓄積(記録)するサーバに置いて補正することにより、無線通信装置の位置を適切に決定することができる。
【0208】
<8.第6の実施の形態>
本技術の第1乃至第5の実施の形態では、セルIDに紐付けられている位置情報が、サーバ180から供給される例について説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、無線通信装置自身が保持するようにしてもよい。
【0209】
そこで、本技術の第6の実施の形態では、セルIDに紐付けられている位置情報を無線通信装置に保持させる例について、図23を参照して説明する。
【0210】
[無線通信装置の構成例]
図23は、本技術の第6の実施の形態の無線通信装置700の構成例を示すブロック図である。
【0211】
なお、この本技術の第6の実施の形態は、図3において示した本技術の第1の実施の形態の無線通信装置200の変形例として無線通信装置700を示し、その他の実施の形態については省略する。
【0212】
無線通信装置700は、図3において示した無線通信装置200の各構成に加えて、基地局位置情報保持部710を備える。
【0213】
基地局位置情報保持部710は、図3において示したサーバ180が保持していたデータベース(セルIDに位置情報を紐付けたデータベース)を保持するものである。なお、この基地局位置情報保持部710が保持する情報の保持のさせ方については種々のパターンが考えられるが、例えば、位置情報を使用するアプリケーションを無線通信装置200にインストールする際に全ての情報を保持させる。または、アプリケーションの使用開始の際に、現在位置から所定の範囲内(移動すると予測される範囲内)の基地局の情報のみをダウンロードして保持させる。
【0214】
そして、第2位置情報取得部232は、基地局の位置情報を取得する場合には、基地局位置情報保持部710に保持されているデータベースから取得する。これにより、データベース用のサーバ(図3のサーバ180参照)を設けなくとも、セルIDから基地局の位置情報を得ることができる。
【0215】
このように、本技術の第6の実施の形態によれば、セルIDに紐付けられた位置情報を無線通信装置が保持する場合においても、無線通信装置は、適切に現在位置を決定することができる。
【0216】
このように、本技術の実施の形態によれば、無線通信装置がセルID(基地局の識別情報)に基づいて生成した位置情報を、補正用データベースを用いて適切に補正することにより、無線通信装置の位置(位置情報)を適切に決定することができる。
【0217】
なお、本技術の実施の形態では、現在通信している基地局の位置を第2位置情報とする例について説明したが、これに限定されるものではない。無線通信装置の周辺の基地局の位置情報と、その周辺の基地局からのパイロット信号の強度とに基づいて相対的に算出される位置を第2位置情報とするようにしてもよい。例えば、無線通信装置は、第2位置情報を取得するタイミングにおいて、周辺に位置するセルを検索する周辺セルサーチを行うことにより、無線通信装置の周辺の基地局のセルIDと、それぞれの基地局からのパイロット信号の強度とを取得する。そして、無線通信装置は、取得したセルIDに基づいて、周辺の基地局の位置情報を取得する。その後、無線通信装置は、周辺の基地局のそれぞれの位置と、それぞれの基地局からのパイロット信号の強度とから、現在位置を相対的に算出し、この算出した位置を第2位置情報とするようにしてもよい。
【0218】
このような場合においても、判定部280において第2位置情報が間違っていると判断された場合には、補正用データベースを用いて適切に補正する。この補正は、例えば、間違っていると判断された場合には、第2位置情報の算出の際に用いたセルIDのうちから紐付けが間違っているセルIDを探しだし、補正用データベースを用いて適切に補正した後に、改めて第2位置情報を算出する。または、算出された第2位置情報が間違っていると判断された場合には、現在通信している基地局の位置を代わりの第2位置情報とし、この第2位置情報もさらに間違っていると判断された場合には、補正用データベースを用いて適切に補正する。このように、補正用データベースを用いて第2位置情報を適切に補正することにより、無線通信装置の位置(位置情報)を適切に決定することができる。
【0219】
なお、本技術の実施の形態では、第1位置情報取得部210は、GPS信号のみから位置情報を取得することを想定したが、これに限定されるものではない。GPS信号からの位置の算出は、電力の消費が大きいため、無線通信装置のバッテリーの消耗が速くなる。そこで、GPS信号の取得回数を減少させるようにする場合も考えられる。
【0220】
例えば、加速度センサーやジャイロセンサーを併用して第1位置情報を生成するようにしてもよい。この例において、GPS信号で位置情報を取得した位置から所定の時間内(または、所定の距離内)は、そのGPS信号により取得した位置情報を基準位置として、センサーにより検出した移動距離および移動方向に基づいて位置を算出する方法が考えられる。この算出した位置を第1位置情報とする場合においても、本技術の実施の形態と同様の方法により、現在位置を適切に決定することができる。
【0221】
また、GPS信号が受信できなくなってから一定の時間(移動速度に依存)は、GPS信号により最後に検出した位置情報を、現在検出した位置情報(第1位置情報)とするように第1位置情報取得部210を設定する場合も考えられる。
【0222】
また、本技術の実施の形態では、第1位置情報取得部210が位置情報を取得できない場合に第2位置情報取得部232が位置情報を取得することを想定したが、これに限定されるものではない。例えば、無線信号の受信レベルが高い場合において、電力の消費を抑えるために、GPS信号が受信できる場合であってもGPS信号を受信せずに、第2位置情報取得部232が位置情報を取得することにより、消費電力を軽減させる場合も考えられる。この場合においても本技術の実施の形態と同様の方法により、現在位置を適切に決定することができる。
【0223】
なお、第2判定部440において用いられる閾値は、無線通信の方法や、現在位置(小さなセル範囲の基地局が多い都会か、大きなセル範囲の基地局が多い田舎か)に応じて適切な値が設定されるようにしてもよい。
【0224】
また、本技術の実施の形態では、基地局の位置情報をサーバから取得する際の通信手段が、その基地局を介した無線であることを想定して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、基地局の識別情報を取得した通信手段とは別の通信手段(例えば、家庭用のインターネット接続サービス(有線)に接続された無線通信機器との通信)を介して取得する場合も考えられる。
【0225】
なお、判定部280による判断として、距離のみの場合を説明したがこれに限定されるものではない。例えば、最新過去位置情報の取得時刻から現時刻第2位置情報の取得時刻までの時間が長すぎる場合(例えば、60分以上)には、閾値による判定の確証が低いと判断し、現時刻第2位置情報を現在位置情報とするようにすることも考えられる。
【0226】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0227】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、ハードディスク、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0228】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、
前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで前記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された前記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて前記現在位置を決定する決定部と
を具備する無線通信装置。
(2) 前記接続対象となる基地局からの情報は、当該基地局の識別情報であり、
前記識別情報と位置情報とが関連付けられて記録されている補正データベースから、前記検出部により誤りが検出された第2位置情報に係る基地局の前記識別情報に関連付けられている位置情報を前記他の位置情報として取得する取得部をさらに具備する
前記(1)に記載の無線通信装置。
(3) 前記取得部が前記補正データベースから前記他の位置情報を取得できない場合には、前記決定のタイミングよりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報を用いて前記他の位置情報を生成する生成部をさらに具備する前記(2)に記載の無線通信装置。
(4) 前記生成部は、前記決定のタイミングよりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報および前記第2位置情報のうちの最も新しい位置情報を用いて前記他の位置情報を生成する前記(3)に記載の無線通信装置。
(5) 前記生成部は、前記決定のタイミングまでに取得された前記第1位置情報のうちの最も新しい第1位置情報の取得時から前記決定のタイミングまでにおける前記無線通信装置の移動距離が閾値を基準として小さい場合には前記最も新しい第1位置情報に基づいて前記他の位置情報を生成し、前記移動距離が前記閾値を基準として大きい場合には前記決定のタイミングで取得された第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第2位置情報のうちの最も新しい第2位置情報を用いて前記他の位置情報を生成する前記(3)に記載の無線通信装置。
(6) 前記生成部は、前記生成した他の位置情報と、当該他の位置情報に係る前記識別情報とを関連付けて新たに記録することにより前記補正データベースを更新する前記(3)に記載の無線通信装置。
(7) 前記補正データベースは、前記位置情報を生成した際に用いられた前記第1位置情報または前記第2位置情報を示す属性情報が前記識別情報ごとに関連付けられて記録されており、
前記生成部は、前記取得部が取得した前記他の位置情報と関連付けられている前記属性情報が前記第2位置情報を示す場合には、前記決定のタイミングで取得された第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報のうちの前記決定のタイミングにおける前記無線通信装置の位置から所定の距離以内において取得された前記第1位置情報を用いて前記他の位置情報を生成し、当該他の位置情報と、当該他の位置情報に係る前記識別情報と、前記属性情報とを関連付けて新たに記録することにより前記補正データベースを更新する
前記(6)に記載の無線通信装置。
(8) 前記補正データベースは、基地局からの無線信号の強度を示す信号強度情報が前記第1位置情報を示す属性情報が関連付けられている前記識別情報ごとにさらに関連付けられており、
前記生成部は、前記取得部が取得した前記他の位置情報に関連付けられている前記信号強度情報が示す信号強度を基準として、前記決定のタイミングにおける信号強度が大きい場合には、当該決定のタイミングにおける前記無線通信装置の位置から所定の距離以内において取得された前記第1位置情報を用いて前記他の位置情報を生成し、当該他の位置情報と、当該他の位置情報に係る前記識別情報と、前記属性情報と、当該第1位置情報を生成した際の信号強度情報とを関連付けて新たに記録することにより前記補正データベースを更新する
前記(7)に記載の無線通信装置。
(9) 前記取得部は、前記補正データベースを保持する補正情報サーバから前記他の位置情報を取得する前記(2)から(8)のいずれかに記載の無線通信装置。
(10) 前記取得部は、前記無線通信装置に内蔵または装着される記憶部に記録されている前記補正データベースから前記他の位置情報を取得する前記(2)から(8)のいずれかに記載の無線通信装置。
(11) 前記決定部は、前記検出部により誤りが検出された第2位置情報に係る基地局の前記識別情報に基づいて取得された前記他の位置情報により当該第2位置情報を補正し、当該補正された第2位置情報を用いて前記現在位置を決定する前記(2)から(10)のいずれかに記載の無線通信装置。
(12) 前記検出部は、前記決定のタイミングで取得された前記第2位置情報と、当該決定のタイミングより前のタイミングで取得された前記第1位置情報および前記第2位置情報のうちの最も新しい位置情報との間における距離および経過時間を算出し、当該経過時間に応じて設定された閾値を基準として、前記距離が前記閾値よりも大きい場合には、前記決定のタイミングで取得された前記第2位置情報を誤りとする前記(1)から(11)のいずれかに記載の無線通信装置。
(13) 前記第1位置情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が前記第1位置情報を取得することができない場合にのみ前記第2位置情報を取得する第2取得部と
をさらに具備する前記(1)から(12)のいずれかに記載の無線通信装置。
(14) 人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に生成される第1位置情報と、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に生成される第2位置情報とのうちの少なくとも1つを含む位置情報を無線通信装置から取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記位置情報のうち、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、
前記検出部により誤りが検出された場合には、当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて当該誤りが検出された前記第2位置情報を補正する補正部と、
前記取得部により取得された前記位置情報を履歴として記録し、前記検出部により誤りが検出された場合には前記補正部により補正された前記第2位置情報を前記履歴として記録する記録部と、
を具備する情報処理装置。
(15) 人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する無線通信装置により前記誤りが検出された場合に前記無線通信装置から補正情報要求を受信する受信部と、
前記補正情報要求を受信した場合には、前記第2位置情報に係る基地局に関連付けて保持されている位置情報を補正情報として前記無線通信装置に供給する供給部と
を具備する情報処理装置。
(16) 人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで前記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された前記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて前記現在位置を決定する決定部とを備える無線通信装置と、
前記無線通信装置により前記誤りが検出された場合に供給される補正情報要求命令に基づいて、前記第2位置情報が示す前記基地局の位置の代わりとなる位置情報を前記他の位置情報として前記無線通信装置に供給するサーバと
を具備する通信システム。
(17) 人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出手順と、
前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで前記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された前記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて前記現在位置を決定する決定手順と
を具備する位置決定方法。
【符号の説明】
【0229】
170 基地局
180 サーバ
190 公衆回線網
200、300、400、510、520、530、540、610、640、660、700 無線通信装置
210 第1位置情報取得部
220、544 第1位置情報保持部
230 通信部
231 セルID取得部
232 第2位置情報取得部
250 第2位置情報保持部
260、542、624 補正情報取得部
270、543、626 補正情報保持部
280、622 判定部
290 決定位置情報記録部
310、635 補正情報生成部
420 移動量計測部
430 経過時間計測部
440、651 第2判定部
501、502、503、504、602、603、605、606 通信システム
511 補正情報サーバ
541 無線パラメータ取得部
611 ログ収集部
613 ログデータ生成部
620、630、650 ログ記録サーバ
621 ログデータ受信部
627 ログデータ記録部
710 基地局位置情報保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、
前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで前記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された前記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて前記現在位置を決定する決定部と
を具備する無線通信装置。
【請求項2】
前記接続対象となる基地局からの情報は、当該基地局の識別情報であり、
前記識別情報と位置情報とが関連付けられて記録されている補正データベースから、前記検出部により誤りが検出された第2位置情報に係る基地局の前記識別情報に関連付けられている位置情報を前記他の位置情報として取得する取得部をさらに具備する
請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記取得部が前記補正データベースから前記他の位置情報を取得できない場合には、前記決定のタイミングよりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報を用いて前記他の位置情報を生成する生成部をさらに具備する請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記決定のタイミングよりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報および前記第2位置情報のうちの最も新しい位置情報を用いて前記他の位置情報を生成する請求項3記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記決定のタイミングまでに取得された前記第1位置情報のうちの最も新しい第1位置情報の取得時から前記決定のタイミングまでにおける前記無線通信装置の移動距離が閾値を基準として小さい場合には前記最も新しい第1位置情報に基づいて前記他の位置情報を生成し、前記移動距離が前記閾値を基準として大きい場合には前記決定のタイミングで取得された第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第2位置情報のうちの最も新しい第2位置情報を用いて前記他の位置情報を生成する請求項3記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記生成した他の位置情報と、当該他の位置情報に係る前記識別情報とを関連付けて新たに記録することにより前記補正データベースを更新する請求項3記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記補正データベースは、前記位置情報を生成した際に用いられた前記第1位置情報または前記第2位置情報を示す属性情報が前記識別情報ごとに関連付けられて記録されており、
前記生成部は、前記取得部が取得した前記他の位置情報と関連付けられている前記属性情報が前記第2位置情報を示す場合には、前記決定のタイミングで取得された第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報のうちの前記決定のタイミングにおける前記無線通信装置の位置から所定の距離以内において取得された前記第1位置情報を用いて前記他の位置情報を生成し、当該他の位置情報と、当該他の位置情報に係る前記識別情報と、前記属性情報とを関連付けて新たに記録することにより前記補正データベースを更新する
請求項6記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記補正データベースは、基地局からの無線信号の強度を示す信号強度情報が前記第1位置情報を示す属性情報が関連付けられている前記識別情報ごとにさらに関連付けられており、
前記生成部は、前記取得部が取得した前記他の位置情報に関連付けられている前記信号強度情報が示す信号強度を基準として、前記決定のタイミングにおける信号強度が大きい場合には、当該決定のタイミングにおける前記無線通信装置の位置から所定の距離以内において取得された前記第1位置情報を用いて前記他の位置情報を生成し、当該他の位置情報と、当該他の位置情報に係る前記識別情報と、前記属性情報と、当該第1位置情報を生成した際の信号強度情報とを関連付けて新たに記録することにより前記補正データベースを更新する
請求項7記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記補正データベースを保持する補正情報サーバから前記他の位置情報を取得する請求項2記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記無線通信装置に内蔵または装着される記憶部に記録されている前記補正データベースから前記他の位置情報を取得する請求項2記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記決定部は、前記検出部により誤りが検出された第2位置情報に係る基地局の前記識別情報に基づいて取得された前記他の位置情報により当該第2位置情報を補正し、当該補正された第2位置情報を用いて前記現在位置を決定する請求項2記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記検出部は、前記決定のタイミングで取得された前記第2位置情報と、当該決定のタイミングより前のタイミングで取得された前記第1位置情報および前記第2位置情報のうちの最も新しい位置情報との間における距離および経過時間を算出し、当該経過時間に応じて設定された閾値を基準として、前記距離が前記閾値よりも大きい場合には、前記決定のタイミングで取得された前記第2位置情報を誤りとする請求項1記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記第1位置情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が前記第1位置情報を取得することができない場合にのみ前記第2位置情報を取得する第2取得部と
をさらに具備する請求項1記載の無線通信装置。
【請求項14】
人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に生成される第1位置情報と、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に生成される第2位置情報とのうちの少なくとも1つを含む位置情報を無線通信装置から取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記位置情報のうち、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、
前記検出部により誤りが検出された場合には、当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて当該誤りが検出された前記第2位置情報を補正する補正部と、
前記取得部により取得された前記位置情報を履歴として記録し、前記検出部により誤りが検出された場合には前記補正部により補正された前記第2位置情報を前記履歴として記録する記録部と、
を具備する情報処理装置。
【請求項15】
人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する無線通信装置により前記誤りが検出された場合に前記無線通信装置から補正情報要求を受信する受信部と、
前記補正情報要求を受信した場合には、前記第2位置情報に係る基地局に関連付けて保持されている位置情報を補正情報として前記無線通信装置に供給する供給部と
を具備する情報処理装置。
【請求項16】
人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出部と、前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで前記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された前記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて前記現在位置を決定する決定部とを備える無線通信装置と、
前記無線通信装置により前記誤りが検出された場合に供給される補正情報要求命令に基づいて、前記第2位置情報が示す前記基地局の位置の代わりとなる位置情報を前記他の位置情報として前記無線通信装置に供給するサーバと
を具備する通信システム。
【請求項17】
人工衛星からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第1位置情報とし、接続対象となる基地局からの情報に基づいて定期的または不定期に取得される位置情報を第2位置情報として、前記第2位置情報と、時間軸において当該第2位置情報の取得時よりも前のタイミングで取得された前記第1位置情報または前記第2位置情報とを比較して前記第2位置情報の誤りを検出する検出手順と、
前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて現在位置を決定し、当該決定のタイミングで前記第1位置情報が取得できず、かつ、当該決定のタイミングで取得された前記第2位置情報の誤りが検出された場合には当該第2位置情報に係る基地局により特定される他の位置情報に基づいて前記現在位置を決定する決定手順と
を具備する位置決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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