説明

無線通信装置、無線アクセスシステム選択装置および無線アクセスシステム選択方法

【課題】通信の中断を低減し、移動状況に応じて適切な無線アクセス網を選択することができる無線通信装置を得ること。
【解決手段】移動体に搭載され、IPネットワークと接続し、異なる無線アクセス網にそれぞれ対応する複数の無線装置37,38を備える無線通信装置であって、無線アクセス網ごとの利用可能なエリアの情報が格納された通信エリアDB43と、移動体の速度情報を取得する速度情報取得部40と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部41と、速度情報に基づいて、移動体の移動方向を予測し、移動方向、位置情報および前記通信エリア情報に基づいて内部ネットワークと外部ネットワークとの通信の中継経路として用いる無線アクセス網を選択する経路切替制御部30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線アクセスシステム選択装置および無線アクセスシステム選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインターネットアクセスでは、プロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)が頻繁に用いられている。TCPは、信頼性と効率の良い通信を実現するプロトコルであり、信頼性のある通信を実現するため確認応答の機能を有している。
【0003】
TCPを使用する上位レイヤとしてはWebアクセスに代表されるHTTP(HyperText Transfer Protocol)が近年インターネットアクセスの主流となりつつある。WebアクセスはIP(Internet Protocol)ノード側からインターネット側へアクセスすることによりデータを取得するプロトコルであり、通信の起動はHTTPクライアントを搭載するIPノード側である。HTTPクライアントは、一般に家庭等に設置される通常のパーソナルコンピュータ(PC)にあらかじめ搭載されている。家庭等に設置されるにPCはブロードバンドルータや光回線を経由してインターネットのサーバへアクセスを実現する。
【0004】
また、近年無線アクセス回線を使用してブロードバンド回線や光回線によりPC等をインターネットへ接続するワイヤレスルータが市場に登場している。ワイヤレスルータはPCから見た場合従来のブロードバンドルータと同等に見え、しかもPCは場所を選ばず無線アクセス回線のサービスエリアであれば通信が可能となっている。
【0005】
また、固定回線向けのルータ装置としては、2回線の固定回線を収容し、ルータとして2つのIPアドレスを持ち、両方の回線を同時使用可能なマルチホームルータが登場している(例えば、下記非特許文献1参照)。マルチホームルータは、回線故障に備える予備回線の確保、PC毎にアクセス回線を分ける負荷分散、インターネットアクセスと社内のVPN(Vertual Private Network)とのにアクセス分離、等の目的で使用されている。
【0006】
マルチホーミングの概念は固定回線に留まらない。例えば、複数無線アクセス網を収容したワイヤレスルータも検討されており、複数の無線アクセス回線を同時には使用せず、一方の無線アクセス回線で通信を行ない、使用できなくなった場合、他方の無線アクセス回線に切り替えすることが考えられている。
【0007】
複数無線アクセス網を収容する場合に、無線アクセス回線を切り替える手法として、例えば下記特許文献1には、移動端末が、通信に用いていたアクセス網の圏外になりアクセス回線の切替を判断すると、移行先のアクセス網を介して移動前のセッション情報とIPアドレスをサーバに通知することで、セッションの継続をすることを可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−265354号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Macnica Networks Corp.,“マルチホーミングルータ LinkProof”,http://www.macnica.net/radware/linkproof.html/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
無線アクセス網は広域なエリアをサービスしているものとエリアを限定してサービスしているものがある。広域なエリアをカバーするサービスは比較的通信帯域が狭く、エリアを限定するサービスは通信帯域が広い傾向にある。日本国内の場合、広域エリアサービスは3G(3rd Generation)携帯電話であり、エリアを限定するサービスはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)や無線LAN(Local Area Netowork)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)などがある。
【0011】
また、欧州などでは、広域エリアサービスはGSM(Global System for Mobile Communications)、エリア限定サービスが3Gの地域のケースもある。以上のように、使用可能な無線アクセス網の種類は場所によって異なり、常時同一の通信環境を提供出来るものではなく、サービスエリアを限定した無線アクセス網と広域にサービスエリア展開している無線アクセス網とが混在している。
【0012】
このようなサービスエリアの異なる無線アクセス網を使い分ける目的で、携帯電話、スマートフォンやワイヤレスルータの一部では、3GエリアでWiFiを検出するとWiFiに自動的に切り替える機能が付加されているものがある。しかしながら、この機能では、WiFiエリアから外れつつあることを検出することが出来ないので通信中にWiFiエリア外に移動すると通信が一旦中断してしまう、という問題があった。
【0013】
また、車や電車等で移動している場合では、移動状況にかかわらす、上記の機能によりWiFiを検出するとWiFiに自動的に切り替えることになる。このため、移動状況に応じて無線経路を効率的に切り替えることが出来ない等の問題が顕著に表れる傾向にあった。
【0014】
また、使用するアクセス網を予め決めて通信をする場合、例えば広帯域の無線アクセス網が使用可能な状態でも狭帯域の無線アクセス網を使用することになり、無線アクセス網を効率的に使用出来ない、という問題があった。
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通信の中断を低減し、移動状況に応じて適切な無線アクセス網を選択することができる無線通信装置、無線アクセスシステム選択装置および無線アクセスシステム選択方法を得ることを目的とする。また、無線アクセス網の利用効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、移動体に搭載され、前記移動体内の内部ネットワークと接続し、異なる無線アクセス網にそれぞれ対応する複数の無線処理部を備え、前記無線アクセス網経由で前記内部ネットワークと外部ネットワークとの通信を中継する無線通信装置であって、無線アクセス網ごとの利用可能なエリアの情報である通信エリア情報を保持するエリア情報保持部と、前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得部と、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記速度情報に基づいて、前記移動体の移動方向を予測し、前記移動方向、前記位置情報および前記通信エリア情報に基づいて前記内部ネットワークと前記外部ネットワークとの通信の中継経路として用いる無線アクセス網を選択する経路選択処理を実施し、選択した無線アクセス網に対応する前記無線処理部へ前記内部ネットワークから受信したデータを出力する経路切替制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信の中断を低減し、移動状況に応じて適切な無線アクセス網を選択することができる、という効果を奏する。また、無線アクセス網の利用効率を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実施の形態の通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、無線アクセス網通信エリアの配置例を示す図である。
【図3】図3は、無線アクセス装置の機能構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態の通信システムにおけるプロトコルスタックの一例を示す図である。
【図5】図5は、通信システムの動作フローの一例を示すシーケンス図である。
【図6】図6は、経路選択処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、通信エリアDBに格納される情報の概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明にかかる無線アクセスシステム選択装置、通信システムおよび無線アクセスシステム選択方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明にかかる通信システムの構成例を示す図である。本実施の形態では、本発明にかかる無線通信装置の一例として、自動車等の車両4に搭載される無線アクセス装置1を例に説明する。なお、ここでは、車両4が自動車である例に説明するが、無線アクセス装置1が搭載される移動体は自動車に限定されず、列車等であってもよい。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態の通信システムは、無線アクセス装置1と、IPノード5−1,5−2と、無線アクセス網7,8と、インターネット9上のサーバ10と、で構成される。無線アクセス装置1は車両4内部にIPネットワークを構築し、このIPネットワークにIPノード5−1,5−2が接続されている。
【0022】
無線アクセス装置1の内部には無線アクセス網7に対応する通信方式で無線通信処理を行う無線装置2と、無線アクセス網8に対応する通信方式で無線通信処理を行う無線装置(無線処理部)3と、選択制御部(無線アクセスシステム選択装置)6と、で構成されている。無線アクセス装置1はマルチホーミング機能を備える無線通信装置であり、同時に2つの無線アクセス回線を経由してインターネット9上のサーバ10にアクセス可能である。
【0023】
図2は、無線アクセス網の通信エリアの配置例を示す図である。無線アクセス網7のエリア21は、無線アクセス網7と無線接続可能なエリアを示しており、無線アクセス網8のエリア20は、無線アクセス網8と無線接続可能なエリアを示している。無線アクセス網7は、広域エリアサービスを提供し、無線アクセス網8はエリアを限定したエリアでサービスを提供する。車両4は、例えば、図2の矢印で示したように無線アクセス網7のエリア21内を移動して、無線アクセス網7のエリア21を通過する。
【0024】
図3は、無線アクセス装置1の機能構成例を示すである。図3に示すように、無線アクセス装置1は、経路切替制御部30と、IPマスカレード部31,34と、無線装置37,38と、TCP Proxy処理部39と、速度情報取得部40と、位置情報取得部41と、GPS(Global Positioning System)受信機42と、通信エリアデータベース(DB)43と、を備える。通信エリアデータベース(DB)43は、無線アクセス装置1内の記憶手段(通信エリア情報保持部)に記憶されている。
【0025】
無線装置37,38は、図1に示した無線装置2,3にそれぞれ対応する。経路切替制御部30、IPマスカレード部31,34、TCP Proxy処理部39、速度情報取得部40、位置情報取得部41、GPS受信機42および通信エリアDB43は、図1に示した選択制御部6を構成する。
【0026】
TCP Proxy処理部39は、車両4内部のIPネットワークからTCPデータに対して、TCPリンクを一旦終端する処理を行い、処理後のデータを経路切替制御部30に送信する。また、TCP Proxy処理部39は、経路切替制御部30から受け取ったデータに対してTCPリンクの終端処理を行ってIPネットワークへ送出する。
【0027】
本実施の形態では、車両4内部のIPノード5−1,5−2のTCPリンクを一旦終端し、通信経路の選択後に選択した無線アクセス網を経由して通信先との間でTCPリンクを確立する為にTCP Proxy処理部39を設けている。
【0028】
経路切替制御部30には、地図情報に対応して無線アクセス網ごとの通信可否情報(通信エリア情報)が格納されている通信エリアDB43と、GPS受信機42から車両4の現在の位置情報を取得する位置情報取得機能41と、車両4の図示しない運転制御システム等から車速パルス等の速度情報を取得する速度情報取得部40と、が接続されている。GPS受信機42は、GPS衛星からの信号を受信することにより自身の位置情報を取得する。
【0029】
経路切替制御部30は、TCP Proxy処理部39から受信したデータを通信エリアDB43、位置情報取得部41、速度情報取得部40から取得した情報に基づいて、IPマスカレード部31またはIPマスカレード部34のどちらかに受信したデータを振り分ける。
【0030】
IPマスカレード部31は、IPアドレス変換部32とIPアドレス変換テーブル33とを備える。IPマスカレード部31は、車両4内部のIPネットワークで用いられるローカルなIPアドレス(ローカルアドレス)を無線アクセス網7から割り当てられたIPアドレス(無線アクセス網7のアドレス)に変換し、ローカルアドレスと無線アクセス網7のアドレスとの対応を変換情報としてIPアドレス変換テーブル33に記録する。以降、IPアドレス変換テーブル33に格納された変換情報に基づいて、ローカルアドレスの無線アクセス網7のアドレスIPアドレスの変換、および無線アクセス網7のアドレスIPアドレスからローカルアドレスへの変換を実施する。
【0031】
IPアドレス変換部32は、無線装置37に接続され、無線装置37経由で無線アクセス網7から受信したデータのIPアドレスをIPアドレス変換テーブル33に格納された変換情報に基づいて、ローカルアドレスへ変換する。
【0032】
IPマスカレード部34は、IPアドレス変換部35とIPアドレス変換テーブル36とを備える。IPマスカレード部35は、車両4内部のIPネットワークで用いられるローカルなIPアドレスを無線アクセス網8から割り当てられたIPアドレス(無線アクセス網8のアドレス)に変換し、ローカルアドレスと無線アクセス網8のアドレスとの対応を変換情報としてIPアドレス変換テーブル36に記録する。以降、IPアドレス変換テーブル36に格納された変換情報に基づいて、ローカルアドレスの無線アクセス網8のアドレスIPアドレスの変換、および無線アクセス網8のアドレスIPアドレスからローカルアドレスへの変換を実施する。
【0033】
IPアドレス変換部35は、無線装置38に接続され、無線装置38経由で無線アクセス網8から受信したデータのIPアドレスをIPアドレス変換テーブル36に格納された変換情報に基づいて、ローカルアドレスへ変換する。
【0034】
図4は、本実施の形態の通信システムにおけるプロトコルスタックの一例を示す図である。図4では、無線#1は、無線アクセス網7に対応する下位層を示し、無線#2は、無線アクセス網8に対応する下位層を示している。Etherは、Ethernet(登録商標)に対応する下位層を示している。また、APPは、アプリケーション層を示している。図4のプロトコルスタックは、一例であり、通信システムにおけるプロトコルスタックはこれに限定されない。
【0035】
図4に示すように、無線アクセス装置1では、車両4内部のIPノード5とサーバ10との間の送受信データに対して、TCPリンクを一旦終端している。なお、図4では、IPノード5−1,5−2を区別せず一般化してIPノード5と記載している。また、無線アクセス網7,8内では、無線#1,無線#2とEtherとの変換が実施される。
【0036】
図5は、本実施の形態の通信システムの動作フローの一例を示すシーケンス図である。図6は、経路切替制御部30の経路選択処理手順の一例を示すフローチャートである。図7は、通信エリアDB43に格納される情報の概念を示す図である。
【0037】
以下、図5、6、7を用いて、本実施の形態の動作を説明する。一般的なインターネットアクセスではIPノード5−1,5−2側からインターネットへ向けてアクセスが開始される。図5は、このようにIPノード5−1,5−2側からアクセスを開始して、IPノードからTCPリンクを確立することを前提としている。
【0038】
無線アクセス装置1のTCP Proxy処理部39は、IPノード5−1から発信された、サーバ10宛てのTCP Link確立のメッセージ(TCP Syn)を受信する(ステップS1)と、経路切替選択制御部30へTCP Synメッセージを通知する。経路切替選択制御部30では、TCP Synメッセージをトリガとして経路選択処理が実施される(ステップS2)。なお、図5では、図の簡略化のため、TCP Proxy処理部39をTCP Proxy39、経路切替選択制御部30を選択制御部30、IPマスカレード部31,34をNAPT部31,34、とそれぞれ略している。経路切替選択制御部30における経路選択処理については後述する。ここでは、経路切替選択制御部30が経路選択処理により、無線アクセス網7を選択したとする。
【0039】
TCP Proxy処理部39は、TCPリンクを一旦終端してTCP Synメッセージに対する応答であるTCP Syn AckをIPノード5−1へ送信する(ステップS3)。TCP Syn Ackを受信したIPノード5−1は、Ackを送信する(ステップS4)。以上の処理により、IPノード5−1とTCP Proxy処理部39との間でTCPリンクが確立され、IPノード5−1とTCP Proxy処理部39との間でデータの送受信が行われる(ステップS5)。なお、TCP Proxy処理部39は、後述のサーバ10とのTCPリンクの確立までにIPノード5−1から受信したデータは保持しておき、サーバ10とのTCPリンクの確立後に保持したデータを送信する。
【0040】
なお、サーバ10とのTCPリンクの確立までの間、IPノード5−1から受信したTCPリンク確立のためのメッセージ(TCP Syn等)については、TCP Proxy処理部39が保持していてもよいし経路切替選択制御部30が保持していてもよい。TCP Proxy処理部39がTCPリンク確立のためのメッセージを保持する場合は、経路切替選択制御部30は、経路選択終了処理の終了をTCP Proxy処理部39へ通知する。経路切替選択制御部30がTCPリンク確立のためのメッセージを保持する場合は、経路選択終了処理が終了するまでの間は、TCP Proxy処理部39から受け取ったTCPリンク確立のためのメッセージを保持しておき、経路選択終了処理の終了し次第、当該メッセージを選択結果に基づいて転送する。ここでは、TCP Proxy処理部39が経路選択処理が終了するめでのTCPリンク確立のためのメッセージを保持しているとする。
【0041】
一方、経路切替選択制御部30による経路選択処理が終了すると、TCP Proxy処理部39は、経路切替選択制御部30へTCP Link確立のメッセージ(TCP Syn)を送信し、経路切替選択制御部30は、経路選択処理の選択結果(無線アクセス網7を選択)に基づいて、当該メッセージを無線アクセス網7経由でサーバ10へ送信する(ステップS6)。具体的には、経路切替選択制御部30は当該メッセージをIPマスカレード部31へ出力する。IPマスカレード部31は、当該メッセージ内のIPノード5−1のローカルアドレスを無線アクセス網7で割り当てられているアドレスへ変換し、アドレス変換後のメッセージを無線装置37へ送信する。無線装置37は、当該メッセージを無線アクセス網7へ送信し、無線アクセス網7はこのメッセージをサーバ10へ転送する。
【0042】
サーバ10は、TCP Synを受信すると、その応答であるTCP Syn Ackをノード5−1へ向けて送信し、このメッセージは無線アクセス網7、無線装置37、IPマスカレード部31経由でTCP Proxy処理部39へ到着する(ステップS7)。具体的には、無線装置37は、無線アクセス網7から受信したTCP Syn Ackに対して所定の受信処理を行った後にIPマスカレード部31へ送信する。IPマスカレード部31は、TCP Syn Ack内の無線アクセス網7で割り当てられているアドレスをIPノード5−1のローカルアドレスに変換し、経路切替選択制御部30へ送信する。経路切替選択制御部30は、受信したTCP Syn AckをTCP Proxy処理部39へ送信する。
【0043】
TCP Proxy処理部39は、TCP Syn Ackを受信するとサーバ10へ向けてAckを送信する(ステップS8)。このAckはステップ6のTCP Synの転送と同様の経路で転送される。以上の処理により、TCP Proxy処理部39とサーバ10との間でTCPリンクを確立し、データの送受信を行う(ステップS9)。
【0044】
これらの処理により、IPノード5−1とTCP Proxy処理部39との間、TCP Proxy処理部39とサーバ10との間でそれぞれTCpリンクが確立され、以降、IPノード5−1は、TCP Proxy処理部39、経路切替選択制御部30、IPマスカレード部31、無線装置37、無線アクセス網7経由でサーバ10との間で、データの送受信が可能となる。
【0045】
なお、上記の動作説明では無線アクセス網7を選択した例を示したが、同様に経路選択処理の結果によって無線アクセス網8を経由するケースもあり、この場合は、TCP Proxy処理部39は、経路切替選択制御部30、IPマスカレード部34、無線装置38、無線アクセス網8経由でサーバ10とTCPリンクを確立する。
【0046】
図5のシーケンス図の上側(ステップS9まで)は、車両4が無線アクセス網7のエリア21内ではなく、かつ無線アクセス網8のエリア20に近くない位置に存在する場合の動作に相当する。ここでは、車両4は、図2に示すように、無線アクセス網7のエリア内21を移動し、無線アクセス網7のエリア内21と重複する無線アクセス網8のエリア20内を通過するとする。
【0047】
図5の下側(ステップS10以降)は、車両4が、予め定めた一定時間以内に無線アクセス網8のエリア20内に移動すると予想される場合のシーケンスを示している。この状態でIPノード5−2が、TCP Link確立のメッセージを送信する(ステップS10)と、TCP Proxy処理部39は、TCPリンクを一旦終端して、TCP Syn Ackを送信し(ステップS12)、IPノード5−2がAckを送信する(ステップS13)。そして、ノード5−2とTCP Proxy処理部39との間でTCPリンクが確立されデータの送受信が行われる(ステップS14)。
【0048】
TCP Proxy処理部39は、TCP Link確立のメッセージを経路切替選択制御部30へ通知し、経路切替選択制御部30は、経路選択処理を実施する(ステップS11)。この場合は、上述のとおり、予め定めた一定時間以内に無線アクセス網8のエリア20内に移動するため、無線アクセス網8を経路として選択したとする。経路切替選択制御部30は、無線アクセス網8を選択したがその時点では無線アクセス網8が利用できるエリアではないため、TCP Proxy処理部39に対して、データの一時保存を指示し、無線アクセス網8のエリア20内に車両4が進入するまで待機する。
【0049】
ここでは、無線アクセス網8のエリア20内に進入したか否かを接続確認問い合わせのメッセージを無線アクセス網8へ送信することとし、経路切替選択制御部30は、接続確認問い合わせのメッセージを生成してIPマスカレード部34および無線装置38経由で無線アクセス網8へ送信する(ステップS15)。このメッセージは例えば定期的に送信する。経路切替選択制御部30は、接続確認問い合わせのメッセージに対する応答を受信する(ステップS16)と、無線アクセス網8のエリア20内に進入したと判断し、TCP Proxy処理部39に対して保持しているTCPリンク確立のメッセージ(TCP Syn)を出力するよう指示する。経路切替選択制御部30は、経路選択結果に基づいて、TCP Proxy処理部39から受けとったTCP SynをIPマスカレード部34、無線装置38および無線アクセス網8経由でサーバ10へ送信する(ステップS17)。
【0050】
サーバ10は、TCP Synを受信すると、TCP Syn Ackを送信する(ステップS18)。このTCP Syn Ackは、無線アクセス網8、無線装置38およびIPマスカレード部34経由でTCP Proxy処理部39へ到着する。TCP Proxy処理部39は、TCP Syn Ackを受信するとAckをサーバ10へ送信する(ステップS19)。以降、TCP Proxy処理部39は、保持していたデータをサーバ10へ送信し(ステップS20)、IPノード5−2とサーバ10との間で無線アクセス網8を経由した通信が行われる。
【0051】
次に、経路切替選択制御部30が実施する経路選択処理について説明する。TCP Synを受信すると経路選択処理が開始され、図6に示すように、経路切替選択制御部30は、まず、現在車両位置(現在の車両4の位置)の計測を行う(ステップS31)。具体的には、経路切替選択制御部30は位置情報取得部41に対して、現在車両位置の取得を要求し、位置情報取得部41が、GPS受信機42から取得したGPS情報に基づいて、車両4の現在位置を計算する。この計算の方法は、通常のカーナビゲーションがGPS情報に基づいて位置を計算する方法と同様である。そして、経路切替選択制御部30は、位置情報取得部41から計算結果として現在車両位置情報を取得する。
【0052】
経路切替選択制御部30は、取得した現在車両位置情報に基づいて、車両4の周辺の通信エリア情報を通信エリアDB43から取得する(ステップS32)。周辺とは、例えば、車両4の現在位置を中心に半径10kmの領域を含む矩形領域の通信エリア情報を取得する。通信エリアDB43には地図情報がメッシュ状に分割され、メッシュ毎に無線アクセス網7、無線アクセス網8等の各無線アクセス網の通信可否情報が格納されている。通信エリアDB43に格納されているメッシュが例えば500m四方のメッシュであったとする。この場合、車両4の現在位置を中心に半径10kmの領域を含む矩形領域は、40×40となり、通信エリア情報は40×40の情報となる。
【0053】
図7は、通信エリアDB43に格納されている情報をわかりやすくするために色分けして示している。図7では、無線アクセス網7と通信可能なエリアをエリア51として、ハッチング無しで示し、無線アクセス網8と通信可能なエリアをエリア50として、ハッチングして示している。現在位置52は、車両4の現在位置を示し、予測移動方向53は、車両4の想定される移動方向を示している。また、図7の点線で示したメッシュが、通信エリアDB43に情報が格納されるメッシュを示している。なお、図7は概念を示しており、各メッシュの大きさや車両4の大きさ等は、実際の大きさ等を表しているものではない。通信エリアDB43には、実際には、メッシュごとに、各無線アクセス網と通信可能な領域であるか否かを示す情報が格納されている。図7では、無線アクセス網7と無線アクセス網8の両方について通信可能な領域は無線アクセス網8のエリアとして図示している。
【0054】
経路切替選択制御部30は、取得した周辺の通信エリア情報のうち、どのメッシュ内に車両現在位置が位置するかを算出する(ステップS33)。そして、通信エリア情報に基づいて車両現在位置が位置するメッシュ内で、複数の無線アクセス網が利用可能であるか否かを判断する(ステップS34)。
【0055】
複数の無線アクセス網が利用可能であると判断した場合(ステップS34 Yes)、経路切替選択制御部30は、速度情報取得部40から自車両の速度取得し、取得した速度と速度の履歴に基づいて過去から現在までの一定時間分の平均値である平均速度を算出する(ステップS35)。ここでは、図2に示した複数のアクセス網として無線アクセス網7と無線アクセス網8の両方のエリア内(すなわち、無線アクセス網8の両方のエリア20内)であったとする。速度情報取得部40は、例えば車速パルス等にも基づいて一定間隔で自車両の速度を計測しており、これらの計測結果を過去の一定時間分まで保持しているとする。
【0056】
経路切替選択制御部30は、算出した平均速度に基づいて、移動方向を予測する(ステップS36)。例えば過去30分間前から現在までの平均を平均速度として求め、平均速度の方向から北東に進んでいる等として移動方向を予測する。なお、移動方向は大まかな移動方向が分ればよい。例えば、都心部等では頻繁に曲がる為、頻繁に移動方向が変わるが、平均すると都心部から郊外へ向かっているのかどうか等を判別できれば良い。
【0057】
経路切替選択制御部30は、通信エリア情報と平均速度と移動方向の予測結果とに基づいて、無線アクセス網7と無線アクセス網8のうち接続の優先度が無線アクセス網(ここでは、無線アクセス網8の方が接続の優先度が高いとする)である無線アクセス網8のエリア20内から車両4が出るまでの時間を算出する(ステップS37)。なお、経路切替選択制御部30は、各無線アクセス網と接続の優先度の関係を保持しているとする。または、通信エリア情報DB43が、利用可能な無線アクセス網とともに当該無線アクセス網の優先度を保持するようにしてもよい。経路切替選択制御部30は、算出した時間が所定の設定時間より短いか否かを判断する(ステップS38)。算出した時間が所定の設定時間より短い場合(ステップS38 Yes)、経路切替選択制御部30は、通信中に無線アクセス網8のエリア20から出てしまう可能性が高いと判断し、経路選択結果として無線アクセス網7を選択し(ステップS39)、処理を終了する。
【0058】
算出した時間が所定の設定時間以上である場合(ステップS38 No)、通信中に無線アクセス網8のエリア20から出る可能性が低い為、経路選択結果として無線アクセス網8を選択し(ステップS40)、処理を終了する。
【0059】
一方、ステップS34で、複数の無線アクセス網が利用可能でないと判断した場合、経路切替選択制御部30は、ステップS35と同様に平均速度を算出する(ステップS41)。そして、経路切替選択制御部30は、ステップS36と同様に平均速度に基づいて移動方向を予測する(ステップS42)。
【0060】
次に、経路切替選択制御部30は、通信エリア情報と平均速度と移動方向の予測結果とに基づいて、無線アクセス網8のエリア20に入るまでの時間を算出する(ステップS43)。なお、ここでは、無線アクセス網8のエリア20に入るまでの時間を算出しているが、一般的には、通信エリア情報内に、現在位置において利用可能な無線アクセス網以外のアクセス網があり、かつ当該アクセス網の方が接続の優先度が高い場合に、当該アクセス網に入るまでの時間を算出すればよい。
【0061】
そして、経路切替選択制御部30は、ステップS43で算出した時間が所定の設定値より短いか否かを判断する(ステップS44)。この所定の設定値は、ステップS38の判定で用いる所定の設定値と異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0062】
算出した時間が所定の設定値より短い場合(ステップS44 Yes)、経路切替選択制御部30は、無線アクセス網8のエリア内20に近々入る可能性が高いと判断し、経路選択結果として無線アクセス網8を選択し、一定時間(例えば、ステップS43で算出した時間に所定の余裕時間を加えた時間)待機した後、無線アクセス網8に対して接続確認問い合わせを実施する(ステップS45)。そして、経路切替選択制御部30は、接続確認問い合わせにより接続が確認できたか否かを判断し(ステップS46)、接続が確認できた場合(ステップS46 Yes)、ステップS40へ進む)。
【0063】
接続確認問い合わせにより接続が確認できなかった場合(ステップS46 No)、ステップS39へ進む。なお、接続確認問い合わせにより接続が確認できなかった場合(ステップS46 No)には、さらに一定時間時間後に接続確認問い合わせを送信することを所定の回数繰り返し、その間に接続確認問い合わせにより接続確認ができた場合にはステップS40へ進み、その間に接続確認問い合わせにより接続確認ができなかった場合にステップS39へ進むようにしてもよい。
【0064】
なお、以上の処理では、全ての無線アクセス網が利用可能でない場合について述べていないが、例えば、ステップS34で全ての無線アクセス網が利用可能でないかについても判断し、全ての無線アクセス網が利用可能でないと判断した場合には、IPノード5に対して通信不可である旨を通知してもよいし、ステップS31に戻って移動により無線アクセス網が利用可能となるまで待機してもよい。無線アクセス網が利用可能となるまで待機する場合も一定時間待機しても利用可能とならない場合には、IPノード5に対して通信不可である旨を通知してもよい。
【0065】
また、図3では、通信エリアDB43を無線アクセス装置1の内部に保持している例を示したが、通信エリアDB43内部ではなくインターネット上のサーバ等が保持し、無線アクセス装置1がそこから通信エリア情報を取得するようにしてもよい。そして、無線アクセス装置1は、取得した通信エリア情報を保持する一時的な記憶部(通信エリア情報保持部)を備え、記憶部に保持された通信エリア情報を用いて上述の動作を実施するようにしてもよい。
【0066】
また、本実施の形態では、狭域な通信エリアを有する無線アクセス網8の方が、広域な通信エリアを有する無線アクセス網7よりデータ転送レートが高いとして、無線アクセス網8を優先して選択するようにしたが、これに限らず、他の優先度を用いて無線アクセス網を選択するようにしてもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、通信エリアDB43にはメッシュごとに当該メッシュ内で利用可能な無線アクセス網の情報が格納されているとしたが、通信エリアDB43の構成はこれに限らず、無線アクセス網ごとに利用可能なエリアが把握可能な形態であればどのような情報構成であってもよい。
【0068】
以上のように、本実施の形態では、経路切替選択制御部30が、メッシュごとに利用可能な無線アクセス網が格納された通信エリアDB43と、現在の位置と、予測した移動方向と、に基づいて使用する無線アクセス網を選択するようにした。そのため、通信の中断
を低減し、移動状況に応じて適切な無線アクセス網を選択することができる。また、無線アクセス網の利用効率を向上させることができる。
【0069】
また、本実施の形態では通信エリア情報を有し、移動速度情報、移動方向を検出して通信エリアへの到達時間を予測する機能を有し、移動体内に搭載されるIPノード5からのTCPセッション開始要求を一旦、保留し、通信可能エリアに進入した時点で選択した無線アクセス網経由でTCPセッションを開始するように構成した。そのため、無線アクセス網の利用効率が向上することができる。
【0070】
以上のような構成により、車両4の移動に伴う無線アクセス網の通信エリアに最適化されたインターネットアクセスが実現可能となる。具体的な効果としては、トータルスループット向上、通信コストの削減、通信レスポンスの向上などが考えられる。
【符号の説明】
【0071】
1 無線アクセス装置
2,3,37,38 無線装置
4 車両
5,5−1,5−2 IPノード
6 選択制御部
7,8 無線アクセス網
9 インターネット
10 サーバ
20 無線アクセス網8のエリア
21 無線アクセス網7のエリア
30 経路切替制御部
31,34 IPマスカレード部
32,35 IPアドレス変換部
33,36 IPアドレス変換テーブル
39 TCP Proxy処理部
40 速度情報取得部
41 位置情報取得部
42 GPS受信機
43 通信エリアDB
50,51 エリア
52 現在位置
53 予測移動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され、前記移動体内の内部ネットワークと接続し、異なる無線アクセス網にそれぞれ対応する複数の無線処理部を備え、前記無線アクセス網経由で前記内部ネットワークと外部ネットワークとの通信を中継する無線通信装置であって、
無線アクセス網ごとの利用可能なエリアの情報である通信エリア情報を保持するエリア情報保持部と、
前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得部と、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記速度情報に基づいて、前記移動体の移動方向を予測し、前記移動方向、前記位置情報および前記通信エリア情報に基づいて前記内部ネットワークと前記外部ネットワークとの通信の中継経路として用いる無線アクセス網を選択する経路選択処理を実施し、選択した無線アクセス網に対応する前記無線処理部へ前記内部ネットワークから受信したデータを出力する経路切替制御部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記経路切替制御部は、前記内部ネットワークから前記外部ネットワークへの接続要求があった場合に前記経路選択処理を実施し、前記経路選択処理では、前記移動方向および前記位置情報に基づいて所定の設定時間後の前記移動体の予測位置を求め、前記移動体の現在位置において利用可能な無線アクセス網と、前記予測位置において利用可能な無線アクセス網と、に基づいて前記中継経路として用いる無線アクセス網を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記経路切替制御部は、前記移動体の現在位置において2以上の無線アクセス網が利用可能である場合には、データ転送レートの高い無線アクセス網を優先して選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記複数の無線アクセス網は、広域な通信エリアを有する第1の無線アクセス網と狭域な通信エリアを有し前記第1の無線アクセス網よりデータ転送レートの高い第2の無線アクセス網とを含み、
前記経路切替制御部は、前記移動体の現在位置において前記第2の無線アクセス網が利用可能でなく、かつ前記予測位置において前記第2の無線アクセス網が利用可能な場合は、前記中継経路として用いる無線アクセス網として前記第2の無線アクセス網を選択し、前記所定の設定時間以上待機した後に前記第2の無線アクセス網との接続開始を指示する、ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記複数の無線アクセス網は、広域な通信エリアを有する第1の無線アクセス網と狭域な通信エリアを有し前記第1の無線アクセス網よりデータ転送レートの高い第2の無線アクセス網とを含み、
前記経路切替制御部は、前記移動体の現在位置において前記第1および第2の無線アクセス網が利用可能であり、かつ前記予測位置において、前記第2の無線アクセス網が利用可能でなく前記第1の無線アクセス網が利用可能である場合は、前記中継経路として用いる無線アクセス網として前記第1の無線アクセス網を選択する、ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記経路切替制御部は、前記移動体の現在位置において前記第1および第2の無線アクセス網が利用可能であり、前記予測位置において、前記第2の無線アクセス網が利用可能な場合は、前記中継経路として用いる無線アクセス網として前記第2の無線アクセス網を選択する、ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記通信エリア情報には、地図を網目状に分割したメッシュ領域ごとに各無線アクセス網の利用が可であるか否かを示す利用可情報が格納され、
前記経路切替制御部は、前記移動体の現在位置を含む前記メッシュ領域に対応する前記利用可情報に基づいて前記経路選択処理を実施する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項8】
異なる無線アクセス網にそれぞれ対応する複数の無線装置と接続し、移動体に搭載され、前記移動体内の内部ネットワークと接続し、前記内部ネットワークと外部ネットワークとの通信を中継する中継経路として用いる前記無線アクセス網を選択する無線アクセスシステム選択装置であって、
無線アクセス網ごとの利用可能なエリアの情報である通信エリア情報を保持するエリア情報保持部と、
前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得部と、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記速度情報に基づいて、前記移動体の移動方向を予測し、前記移動方向、前記位置情報および前記通信エリア情報に基づいて前記内部ネットワークと前記外部ネットワークとの通信の中継経路として用いる無線アクセス網を選択し、選択した無線アクセス網に対応する前記無線装置へ前記内部ネットワークから受信したデータを出力する経路切替制御部と、
を備えることを特徴とする無線アクセスシステム選択装置。
【請求項9】
移動体に搭載され、前記移動体内の内部ネットワークと接続し、異なる無線アクセス網にそれぞれ対応する複数の無線処理部を備え、前記無線アクセス網経由で前記内部ネットワーク内のノードと外部ネットワークとの通信を中継する無線通信装置における無線アクセスシステム選択方法であって、
無線アクセス網ごとの利用可能なエリアの情報である通信エリア情報を保持するエリア情報保持ステップと、
前記移動体の速度情報を取得する速度情報取得ステップと、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記速度情報に基づいて、前記移動体の移動方向を予測し、前記移動方向、前記位置情報および前記通信エリア情報に基づいて前記内部ネットワークと前記外部ネットワークとの通信の中継経路として用いる無線アクセス網を選択する経路選択処理を実施し、選択した無線アクセス網に対応する前記無線処理部へ前記内部ネットワークから受信したデータを出力する経路切替制御ステップと、
を備えることを特徴とする無線アクセスシステム選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−227641(P2012−227641A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91954(P2011−91954)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】