説明

無線通信装置及びその制御方法

【課題】ユーザの操作によらず、無線通信装置の通信状態によって情報の送出可否を判断可能な無線通信装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】近接無線通信インタフェースを持つ無線通信装置は、近接無線通信インタフェースを介して相手無線通信装置と接続すると、該接続が所定時間維持されているかを確認する。そして、接続が所定時間維持されていると、データ送信を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離に近づけることにより通信可能状態となる無線通信装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器間での近接無線転送を実行するものとしては、RFID(RadioFrequencyIDentification)や、NFC(Near Field Communication)技術があった(非特許文献1、非特許文献2)。また「TransferJet」と呼ばれる近接無線転送技術が存在する。この転送技術は、通信距離が最大3cmと短いながらもデータ転送技術が約500Mbpsと高速であり、近づけると接続し、遠ざけると切断する。
【0003】
無線システムでは、電波状態や通信状態で送信を制御する方法も提案されている。例えば無線電子メールシステムでは、電波状態を監視し、その状態が悪い場合はデータの送出を中止または延期することが提案されている(特許文献1)。また、衛星通信端末において、衛星からの受信状態を監視して、その状態から安定度が悪いと判断した場合には送信の規制を行うことが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−163920号公報
【特許文献2】特開2004−289432号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】JIS規格 「X6319−4 2005年版」
【非特許文献2】ISO規格 「ISO 18092:2004」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近接無線転送技術インタフェースを備えた機器では、機器を互いに近づけることで接続されてしまうため、ユーザが意図していない通信相手装置との間でデータ通信を行ってしまうことが考えられる。このようにユーザが意図していない通信相手装置と通信を行わないようにするには、予め通信相手装置を登録しておき、登録された通信相手装置とのみデータ通信を行うようにすることが考えられる。しかしながら、その場合、当該通信装置にユーザが登録動作をしなければならず操作が煩雑になる。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作の煩雑さを削減し、意図しない相手とデータ通信してしまうことを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による無線通信装置は以下の構成を備える。すなわち、
近接無線通信インタフェースを持つ無線通信装置であって、
相手無線通信装置と近接無線通信インタフェースを介して接続する接続手段と、
前記接続を用いたデータ送信の開始に先立って、前記相手無線通信装置との接続が所定時間が経過しても維持されているかを確認する確認手段と、
前記確認手段により前記相手無線通信装置との接続が所定時間が経過しても維持されていることが確認された場合に前記データ送信を開始する送信制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの操作の煩雑さを削減し、ユーザが意図していない相手装置との通信を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は第1実施形態による無線通信装置の構成例を示すブロック図、(b)は第2、第3実施形態の無線通信装置の構成例を示すブロック図。
【図2】実施形態による無線通信装置の通信動作例を説明するシーケンス図。
【図3】第1実施形態による通信動作を説明するフローチャート。
【図4】第2実施形態による通信動作を説明するフローチャート。
【図5】第3実施形態による通信動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態では、静電結合方式を利用した近接無線通信インタフェースを持つ無線通信装置が相手無線通信装置との通信接続を行うときのデータ送信制御について、図1の(a)、図2および図3を用いて説明する。特に接続状態を監視することによる送信制御方法を説明する。図1の(a)は第1実施形態による無線通信装置101の構成例を示すブロック図である。相手通信装置も同様の構成であるとし、ここではデジタルカメラに搭載した無線通信装置と仮定する。ユーザ側の無線通信装置101のデータ格納部105には、すでにデータファイル(例えば画像ファイル)が格納されている。データ格納部105としては、デジタルカメラが備えるメモリや、デジタルカメラに装着されたメモリカードが挙げられる。また、無線データ送受信部106とアンテナ部102は近接無線通信インタフェースを構成している。
【0012】
無線通信装置101と相手無線通信装置の物理的距離が近くなると、制御部103によって無線データ送受信部106及びアンテナ部102を介して送信された接続要求が相手無線通信装置に到達する(S301)。この接続要求を受信した相手無線通信装置は、その応答として接続応答を無線通信装置に送信する(S302)。制御部103は、受信確認のために、無線データ送受信部106及びアンテナ部102を介してACK信号を送信する(S303)。このような手順を踏むことで、相手無線通信装置との通信接続を開始する接続開始処理が行われる(S401)。ここで、接続開始処理においてACK信号を送信しない場合や相手無線通信装置から接続要求が送信される場合なども考えられる。接続開始処理を終了して接続状態になった無線通信装置101は、送信制御の処理に入る。
【0013】
第1実施形態の送信制御では、上記の通信接続を用いたデータ送信の開始に先立って、制御部103が通信接続の開始から所定処理の実行による遅延時間の経過後に、相手無線通信装置との接続が維持されているか否かを検出する。本実施形態では、接続監視部108が計時部104による所定時間の計測を待って、接続開始から所定の経過時間の経過後に接続の維持を確認する。すなわち、まず、計時部104が接続維持タイマを起動する(S402)。接続維持タイマのタイマ値はあらかじめ設定されてあり、ここでは3秒とする。なお、このタイマ値をユーザが設定できるようにしてもよい。接続維持タイマは、一定時間データ通信をしないためのタイマであり、タイマ起動中はデータ通信を行わないように制御される。
【0014】
制御部103は、計時部104から接続維持タイマのタイムアウトの通知を受けると(S403)、接続監視部108により接続が維持されているかどうかの確認を行う(S404)。通信接続の維持の確認において、接続監視部108は、接続が有効かどうかを確認する信号としてのプローブ要求を相手通信装置に対して送信する(S304)。なお、ここでは接続維持を確認するためにプローブ信号を使用したが、他に無線通信装置101と相手無線通信装置の接続が確認できる機能を持っていれば代替可能である。
【0015】
プローブ要求を受信した相手無線通信装置は、その応答としてACK信号を送信する(S305)。制御部103は、このACK信号を受信することによって、相手無線通信装置との接続の維持を確認する。制御部(103)は、通信接続の維持を確認すると、相手無線通信装置が自機装置の意図している相手であるとして、無線データ送受信部106にデータファイルを相手無線通信装置に送信させる(S306,S307,S405)。なお、送信されるデータファイルは、例えば、データ格納部105に格納されている画像ファイルである。ここでは、接続の維持を確認した無線通信装置101からデータ送信をする例を示したが、通信接続の維持を確認した無線通信装置101から相手無線通信装置にデータ送信を依頼し、相手無線通信装置から無線通信装置101にデータ送信をするようにしてもよい。また、通信接続の維持を確認した後、所定時間が経過するまでは、データが送られてきても受信しないようにしてもよい。一方、無線通信装置101が、プローブ要求に対するACK信号を受信できない場合は、当該通信の接続解除を行う(S406)。このとき、表示部107に接続解除をする旨のメッセージを表示してもよい。なお、表示部107によるメッセージの表示としては、液晶パネル等を用いた表示もよいし、LEDの点等状態を用いた表示でもよい。このように無線通信装置101が他の装置と接続しても所定時間経過後にデータを送信又は受信するようにすることにより、すれ違いざまに接続してしまった装置にデータを送信又は受信してしまうことを防止できる。
【0016】
また、接続処理シーケンスなどの接続開始処理において相手無線通信装置から機器情報を取得し、その機器情報に基づいて、上述した通信接続の維持を検出せずに、直ちにデータの送信を開始するように構成してもよい。例えば、接続処理シーケンスで相手無線通信装置の機器情報を知ることが可能な場合で、相手無線通信装置が商用電源(AC電源)で駆動される装置、或いは非モバイルのときは、上述した送信制御を行わないように構成することもできる。この場合、ユーザが意図的に装置同士を近づけた可能性が高いため、通信接続の確立後、直ちにデータ送信が行われることになる。以下、図2を用いて説明する。
【0017】
制御部103は、まず、接続処理シーケンスで相手無線通信装置の機器情報を取得する。すなわち、制御部103が相手無線通信装置に対して接続要求を送信する(S301)と、接続要求を受信した相手無線通信装置は、その応答として接続応答と自機装置の機器情報とを同時に無線通信装置101に送信する(S302)。すなわち、制御部103は、通信接続の開始時に相手無線通信装置から機器情報を取得する。ここでは送信された機器情報は、AC電源で電力が供給されている固定器であることが分かる情報であるとする。機器情報を受信した制御部103は、上で説明を行った送信制御を行わないように制御する。すなわち、接続処理シーケンスによる通信接続の確立後、直ちにデータ送信を行う。このように、接続応答と共に自機装置の機器情報を無線通信装置101に送信するようにすれば、相手無線通信装置の機器情報を知ることができる。
【0018】
また、上記接続処理シーケンスでは、接続要求に対する接続応答に機器情報を含める構成を説明したが、機器情報要求シーケンスを用いることも可能である。この場合の送信制御について説明を行う。まず無線通信装置101の制御部103より相手無線通信装置に対して接続要求を送信する(S301)。接続要求を受信した相手無線通信装置は、その応答として接続応答を無線通信装置101に送信する(S302)。続いて、無線通信装置101の制御部103は、相手無線通信装置に対して、機器情報要求を送信する(不図示)。機器情報要求を受信した相手無線通信装置は、その応答として機器情報応答を無線通信装置101に送信する(不図示)。この様な手順で機器情報を取得することも可能であり、機器情報を取得した後の送信制御は、上述のとおりである。
【0019】
以上、接続状態を監視することによる送信制御方法を説明したが、無線通信装置101があらかじめ相手無線通信装置の登録をしている場合、上述した通信接続の維持の確認を行わない構成にするようにしてもよい。これにより、意図している機器との通信に関しては、即座に通信を行うことができる。
【0020】
以上説明したように、第1実施形態によれば、通信接続が確立されてから所定時間の経過後に当該通信接続の維持を確認してからデータ送信を行う。このため、通信機器同士のすれ違いざまにデータ送信が行われてしまうなどのような、ユーザが意図としないデータ送信を防止することができる。
【0021】
<第2実施形態>
本第2実施形態では、静電結合方式を利用した無線通信装置において、無線通信装置が相手通信装置との接続を行うときの送信制御について、図1の(b)、図2および図4を用いて説明する。第2実施形態では、特に通信の接続状態と電波状態とをこの順番で監視することによる送信制御方法を説明する。図1の(b)は第2実施形態による無線通信装置101の構成例を示すブロック図である。相手通信装置も同様の構成であるとし、ここではデジタルカメラに搭載した無線通信装置と仮定する。第1実施形態(図1の(a))と異なるのは、安定判断部201が設けられている点である。
【0022】
まず、第1実施形態と同様に接続処理を行う(S301−S303,S601)。接続処理を終了して接続状態になった無線通信装置101は、ここより送信制御の処理に入る。送信制御において、制御部103は、まず計時部104の接続維持タイマを起動する(S602)。そして、制御部103が接続維持タイマのタイムアウトを検知すると(S603)、接続監視部108を用いて当該通信接続が維持されているかどうかを確認する(S604)。接続監視部108による、接続維持の確認(S304〜S305)は第1実施形態で説明したとおりである。接続維持の確認が取れない場合は、接続が解除され(S610)、データ送信は実行されない。
【0023】
一方、接続の維持が確認されると、制御部103は、安定判断部201により、電波状態が安定しているか否かの判断を行う。まず、制御部103は、計時部104の信号品質取得タイマを起動する(S605)。タイマ値はあらかじめ入力してあり、ここでは3秒とする。信号品質取得タイマ動作中は信号品質を取得する期間であるように制御される。またタイマによる時間制御でなく、カウンタによる回数制御(例えば、信号品質取得のための信号の受信を所定回数行う)にしてもよい。
【0024】
信号品質取得タイマが動作している間、複数回にわたり安定判断部201が信号品質を取得する(S606)。ここでは信号品質を示す値としてSNR値(信号対雑音比)を取得するが、受信している信号がない場合は、接続に影響を与えない無線信号を確認信号として相手無線通信装置に送信し、その応答信号の受信品質を測定するようにしてもよい。
【0025】
安定判断部201は、取得された複数の通信品質(本例ではSNR値)のばらつきに基づいて電波状態が安定しているか否かを判断する。すなわち、安定判断部201は、信号品質取得タイマのタイムアウトを検出したら(S607)、複数取得したSNR値から、例えば以下の式(1)により通信安定度を判断する。すなわち、式(1)により求まる数値の平方根である標準偏差を算出し、標準偏差が1未満であれば通信が安定していると判断する。
(((受信電界値−受信電界値の平均)の2乗)の総和)/個数・・・・(1)
【0026】
なお、信号品質を示す値として、SNR以外のものを使用してもよいし、標準偏差以外の指標を用いてもよい。例えば、信号品質の平均が所定値以上であれば、通信が安定していると判断する。安定判断部201が「通信(電波状態)は安定している」と判断した場合、制御部103は、相手無線通信装置が自機装置の意図している相手であるとして、データファイルを相手無線通信装置に送信する(S306,S307,S608,S609)。なお、送信されるデータファイルは、例えば、データ格納部105に格納されている画像ファイルである。また、無線通信装置101からのデータ送信を、相手無線通信装置にデータ送信依頼メッセージを送信してデータを受信するようにしてもよいことは第1実施形態でも述べたとおりである。また、通信接続の維持を確認した後、所定時間が経過するまでは、データが送られてきても受信しないようにしてもよい。一方、安定判断部201が「通信(電波状態)は安定していない」と判断した場合は、接続解除を行う(S610)。このとき、第1実施形態と同様に、表示部107に接続解除を示すメッセージを表示してもよい。
【0027】
以上のように、第2実施形態によれば、通信の維持の確認に加えて、電波状態を判断するので、意図しない相手とのデータ通信を防止すると共に、データ通信が実行される場合には安定したデータ通信が行われることになる。また、第1実施形態で説明したように、機器情報に応じて接続状態の維持や電波状態の安定の確認を行うか否かを制御するようにしてもよい。例えば機器情報が商用電源で駆動される固定器(非モバイル)であることを示す場合や、登録された装置であることを示す場合、上述の確認を行うことなく直ちにデータ送信を開始することで、意図している機器との通信に関しては即座に通信を行うことができる。
【0028】
<第3実施形態>
本第3実施形態では、静電結合方式を利用した無線通信装置において、無線通信装置が相手通信装置との接続を行うときの送信制御について、図1の(b)、図2および図5を用いて説明を行う。第2実施形態では接続状態を確認した後に電波状態を確認したが、第3実施形態では、電波状態と接続状態とをこの順番で監視することによる送信制御方法を説明する。なお、第3実施形態による無線通信装置101の構成は第2実施形態(図1の(b))と同様である。また、相手通信装置も同様の構成であるとし、ここではデジタルカメラに搭載した無線通信装置と仮定する。
【0029】
まず、制御部103は、第1実施形態、第2実施形態と同様の接続処理を行う(S301−S303,S801)。接続処理を終了して接続状態になった無線通信装置101は、ここより送信制御の処理に入る。第3実施形態では、通信接続が確立されると、安定判断部201が、通信接続を用いたデータ送信の開始に先立って、信号品質取得タイマ動作中に所定回数の信号の取得を行い、受信信号の電波状態が安定しているか否かを判断する。
【0030】
まず安定判断部201が信号品質を取得する(S802)。ここでは信号品質を示す値としてSNR値を取得するが、受信している信号がない場合は、接続に影響を与えない無線信号を確認信号として相手無線通信装置に送信し、その応答信号の受信品質を測定するようにしてもよい。信号品質を取得した安定判断部201は、内部に信号品質取得カウンタを持っており、カウンタが示す値の回数分、信号品質を取得するよう構成されている。またカウンタ値はあらかじめ設定されており、ここでは10とする。なお、カウンタ値をユーザが設定できる構成としてもよい。安定判断部201は、10個のSNR値が取れた段階(S803)で通信安定度の判断を行う(S804)。なお、通信安定度(電波状態)の判断は、第2実施形態で説明したとおりである。
【0031】
安定判断部201が「通信は安定していない」と判断した場合は、接続解除を行う(S805)。このとき、表示部107に接続解除の旨のメッセージを表示してもよい。一方、安定判断部201が「通信は安定している」と判断した場合は、次に、接続が維持されているかどうかの確認を行う(S806)。ここでは、第1実施形態および第2実施形態で説明したように、接続監視部108が接続維持を確認する(S304−S305,S806)。接続維持の確認が取れない場合、接続を解除し(S805)、データ送信しない。接続維持の確認が取れた場合、制御部103は、相手無線通信装置が自機装置の意図している相手であるとして、データファイルを相手無線通信装置に送信する(S306,S807)。なお、無線通信装置101がデータを受信するようにしてもよいことは第1、第2実施形態で述べたとおりである。
【0032】
また、第1実施形態で説明したように、接続処理シーケンスなどで相手無線通信装置の機器情報を取得し、取得した機器情報に基づいて上記送信制御を切り替えるようにしてもよい。例えば、取得した機器情報により相手無線通信装置がAC電源で電力が供給されている装置であると判明した場合には、直ちにデータの送信を開始するようにしてもよい。又、第2実施形態でも述べたように、機器情報から相手無線通信装置が無線通信装置101に登録された装置であった場合に、直ちにデータの送信を開始するようにしてもよい。このようにすれば、意図している機器との通信に関しては、即座に通信を行うことができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、無線通信装置101が新たに通信の接続をした場合における送信制御(データ送信の開始前に接続状態の維持の確認を行う構成)を説明した。しかしながら、このような送信制御をデータ送信のたびに(例えば1つのファイルのデータを送信するたびに)行うようにしてもよい。
【0034】
なお、本発明は、上記第1乃至第3実施形態と同等の処理を、コンピュータプログラムでも実現できる。この場合、上述した構成要素の一部あるいはすべてを関数、もしくはCPUが実行するサブルーチンで機能させれば良い。また、通常、コンピュータプログラムは、CD−ROM等のコンピュータ可読記憶媒体に格納されており、それを、コンピュータが有する読取り装置(CD−ROMドライブ等)にセットし、システムにコピーもしくはインストールすることで実行可能になる。従って、かかるコンピュータ可読記憶媒体も本発明の範疇にあることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接無線通信インタフェースを持つ無線通信装置であって、
相手無線通信装置と近接無線通信インタフェースを介して接続する接続手段と、
前記接続を用いたデータ送信の開始に先立って、前記相手無線通信装置との接続が所定時間が経過しても維持されているかを確認する確認手段と、
前記確認手段により前記相手無線通信装置との接続が所定時間が経過しても維持されていることが確認された場合に前記データ送信を開始する送信制御手段とを備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記相手無線通信装置との間の電波状態が安定しているか否かを判断する判断手段を更に備え、
前記送信制御手段は、前記確認手段が接続の維持を検出した後、前記判断手段によって電波状態が安定していると判断された場合に、前記データ送信を開始することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記判断手段は、取得した複数の信号のばらつきに基づいて電波状態が安定しているか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記判断手段が通信が安定していないと判断した場合は接続を解除することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記接続を用いたデータ送信の開始に先立って、前記接続手段による接続の開始から所定回数の信号の取得を行い、受信信号の電波状態が安定しているか否かを判断する判断手段を更に備え、
前記確認手段は、前記判断手段により電波状態が安定していると判断された場合に前記相手無線通信装置との接続の維持を検出し、
前記送信制御手段は、前記判断手段により電波状態が安定していると判断され、且つ、前記確認手段により前記相手無線通信装置との接続の維持が確認された場合に前記データ送信を開始することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記相手無線通信装置から機器情報を取得し、
前記送信制御手段は、前記機器情報に基づいて、前記確認手段による接続の維持の確認を待って前記データの送信を開始するか、前記確認手段による接続の維持の確認を待たずに直ちに前記データの送信を開始するかを制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記送信制御手段は、前記機器情報が非モバイル装置であることを示す場合、もしくは、前記機器情報が商用電源で駆動される機器であることを示す場合、前記送信制御手段は前記確認手段による接続の維持の確認を待たずに直ちに前記データの送信を開始することを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
近接無線通信インタフェースを持つ無線通信装置の制御方法であって、
接続手段が、相手無線通信装置と近接無線通信インタフェースを介して接続する接続工程と、
確認手段が、前記接続を用いたデータ送信の開始に先立って、前記相手無線通信装置との接続が所定時間が経過しても維持されているかを確認する確認工程と、
送信制御手段が、前記相手無線通信装置との接続が所定時間が経過しても維持されている場合に前記データ送信を開始する送信制御工程とを備えることを特徴とする無線通信装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の無線通信装置の各手段として機能させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−245902(P2010−245902A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93399(P2009−93399)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】