説明

無線通信装置

【課題】複数のアンテナについて相関の度合いが低くかつ均衡したアンテナ効率を有するアンテナ装置を備えた無線通信装置を提供する。
【解決手段】無線通信装置は、給電点22を有する第1のアンテナ部21と、給電点24を有する第2のアンテナ部23とを備える。第1のアンテナ部21と第2のアンテナ部23との間には第1の導電板11が延在する。さらに、第1の導電板11にほぼ平行に配置された第2の導電板13が第1のアンテナ部21および第2のアンテナ部23の間に延在する。互いに対向する第1の導電板11の周縁の一部と第2の導電板13の周縁の一部とにより所定のスリット12が形成されるように、第1の導電板11と第2の導電板13との間を電気的に短絡する短絡部材17が設けられる。第1の給電点22と第2の給電点24とはスリット12の近傍に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関し、特に(但し限定する意味ではなく)MIMO(Multi Input Multi Output)用アンテナ装置を採用した無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の高速なデータ通信仕様の一つとして、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれるサービスが知られている。アンテナとしての技術的な観点から見た場合にLTEには以下のような特徴がある。
【0003】
すなわち、LTEは、MIMOと呼ばれる通信システムであって、送受信で複数のアンテナを使用することにより高速のデータ通信を実現するものである。MIMOを採用した携帯端末のような無線通信装置では通常2つのアンテナを使用する。両アンテナのアンテナ特性は理想的には同等であることが求められる。
【0004】
MIMOのアンテナ特性に関しては、アンテナの相関(Correlation)と呼ばれる指標がキーポイントとなる。アンテナの相関の数値(係数)が高い(すなわち相関度が高い)と通信速度が低下することが知られている。
【0005】
現在、各国で実施されているまたは実施が予定されているLTEサービスに使用される周波数帯は広範囲に及び、既存のセルラーシステムの低バンドおよび高バンドをともに広帯域化することが望まれている。
【0006】
例えば、米国における700MHz帯でのサービスでは、アンテナの相関を低くすることが著しく困難となる。この理由は、周波数が低くなると携帯端末の基板全体に高周波電流が流れるようになり、ダイポールと同様の動作モードになって、アンテナの指向性がアンテナの設計にあまり依存しなくなるからである。よって、一方のアンテナのデザインを変更して指向性を変えることにより相関を改善しようとしても、所望の結果を得ることがなかなか困難である。
【0007】
特許文献1には、相互結合の影響が小さい移動通信システムに適用可能なマルチアンテナが提案されている。このマルチアンテナは、回路基板上の複数の給電点にそれぞれ接続された複数の給電素子および任意の給電点の近傍において回路基板に接続した単数または複数の無給電素子を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−17047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、MIMOを採用した携帯端末等の無線通信装置では、通常2つのアンテナのアンテナ特性は理想的には同等であることが求められる。しかし、上記従来技術のように無給電素子を給電素子近傍に接続すると、アンテナ効率に差分が発生する可能性がある。したがって、上記従来技術は、理想的に同じアンテナ効率のアンテナが好ましいMIMOには適さない。
【0010】
このような背景において、発明者は、複数のアンテナについて相関の度合いが低くかつ均衡したアンテナ効率を有するアンテナ装置を備えた無線通信装置の必要性を認識している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施の形態によれば、第1の給電点を有する第1のアンテナ部と、前記第1のアンテナ部と離間して配置された、第2の給電点を有する第2のアンテナ部と、前記第1のアンテナ部と第2のアンテナ部との間に延在する第1の導電板と、前記第1の導電板にほぼ平行に配置されて前記第1のアンテナ部および第2のアンテナ部の間に延在する第2の導電板と、互いに対向する前記第1の導電板の周縁の一部と前記第2の導電板の周縁の一部とにより所定のスリットが形成されるように、前記第1の導電板と前記第2の導電板との間を電気的に短絡する短絡部材とを備え、前記第1の給電点と前記第2の給電点とは前記スリットの近傍に配置される無線通信装置が提供される。
【0012】
前記第1および第2の導電板は、両者の間に前記所定のスリットを形成することにより、スリットアンテナと同等の機能を呈する。このスリットアンテナが前記第1および第2の導電板の間に介在することにより、前記第1および第2のアンテナ部の相関が軽減される。
【発明の効果】
【0013】
前記第1および第2の導電板は無線通信装置に備わった既存の部品を有効に利用することにより、低コストで所望のアンテナ特性を有する無線通信装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線通信装置の一例としての携帯端末の前面および裏面の外観を示す図(a)(b)である。
【図2】本発明の実施の形態による携帯端末のアンテナ装置の簡略化した構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態による第1および第2の導体板の構成を説明するための図である。
【図4】既知のスリットアンテナ(またはスロットアンテナ)について説明するための図(a)(b)である。
【図5】図3に示した構成の変形例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるスリットを構成する要素の組み合わせとして、主要な4つの態様を示す図(a)−(d)である。
【図7】図6に示した第1の態様の携帯端末の概略の外観を表した斜視図(a)およびそのスリットを抜き出して示した図(b)である。
【図8】図7(a)に示した携帯端末の具体的な構成例を示す図(a)−(e)である。
【図9】図8(c)に示したスリット12により構成されるスリットアンテナのアンテナ特性を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態の携帯端末において使用する短絡部材の個数および素子の具体的な数値例について説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態の携帯端末において使用する短絡部材の個数および素子の具体的な数値例について説明するための他の図である。
【図12】本発明の実施の形態の携帯端末の各種モデルについての、振幅相関係数(Envelope correlation coefficient: ECC)を表したグラフである。
【図13】それぞれ、メインアンテナ部(Bottom)の効率、および、サブアンテナ部(Top)の効率の周波数特性を表したグラフである。
【図14】それぞれ、スリットを利用しない場合と利用する場合について、メインアンテナに給電を行ったときのメインアンテナ、サブアンテナ、および両アンテナに共通のGND地板における電流分布の様子を示す(a1)−(a4),(b1)−(b4)である。
【図15】スリットを有する携帯端末(a)、それぞれ、サブアンテナに給電を行った場合の携帯端末の正面および側面から見た放射パターンの様子を示した図である。
【図16】図10に示した携帯端末のアンテナ装置についてそのSパラメータの周波数特性を示すグラフである。
【図17】第2の態様の具体的な構成例を示す図(a)−(e)である。
【図18】第2の態様の携帯端末の要部を左側面から見た斜視図を示し、サブアンテナ23を除去した携帯端末の要部を端末上端側から見た斜視図(a)(b)を示す図である。
【図19】第4の態様の具体的な構成例を示す図(a)−(e)である。
【図20】第4の態様の携帯端末の要部を左側面から見た斜視図である。
【図21】スリットを利用しない場合、筐体パネルとPCB間のスリットを利用する場合、PCBとSUSプレート間のスリットを利用する場合の、それぞれの振幅相関係数(ECC)ならびにメインアンテナ部(Bottom)およびサブアンテナ部(Top)のアンテナ効率の周波数特性を表したグラフである。
【図22】筐体パネルとSUSプレート間のスリットを利用する場合、PCBとSUSプレート間のスリットを利用する場合、およびスリットを利用しない場合、のそれぞれのSパラメータの値を表したアンテナ特性のグラフ(a)−(c)である。
【図23】本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末の概略の構成を示す図(a)(b)である。
【図24】図23(a)(b)に示した携帯端末のアンテナ装置についてそのSパラメータの周波数特性を示すグラフである。
【図25】本発明の変形例を説明するための図である。
【図26】図25(b)(a)に示した携帯端末のアンテナ装置についてそのSパラメータの周波数特性を示すグラフ(a)(b)である。
【図27】本発明の実施の形態におけるアンテナ装置の種々のモデルについて、メインアンテナの効率の周波数特性を表したグラフである。
【図28】本発明の実施の形態におけるアンテナ装置の種々のモデルについて、サブアンテナの効率の周波数特性を表したグラフである。
【図29】上述したアンテナ装置の種々のモデルについて、その振幅相関係数(ECC)の周波数特性を表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1(a)(b)に、本実施の形態に係る無線通信装置の一例として、スマートフォンと呼ばれるような携帯端末の前面および裏面の外観を示す。この携帯端末は、ほぼ直方体に近い外形の筐体101を有する。
【0017】
図1(a)に示す携帯端末の表面側には、LCDのような表示デバイスの表示画面104が現れている。表示画面104の上側にはスピーカ部102が配置され、下側には、操作キー105a−105cを含む操作部105が配置されている。
【0018】
図1(b)によく表れるように、携帯端末は、その下端に第1のアンテナ部であるメインアンテナ部108と、このメインアンテナ部108から離間して上端に配置された第2のアンテナ部であるサブアンテナ部109とを備えている。また、携帯端末の裏面には、メインアンテナ部108とサブアンテナ部109との間に、筐体パネル106が配置されている。筐体パネル106は後述する第1の導電板を構成する。この例では、筐体パネル106は電池蓋を兼ねているが、必ずしも電池蓋を兼ねる必要はない。筐体パネル106は導電性の金属材料で形成される。これに代えて、プラスチック材料に導電層を被覆または内蔵した構成であってもよい。また、筐体パネル106の上部中央に形成された円形の開口部はカメラ部107を示している。但し、このカメラ部107は本発明において必須の要素ではない。
【0019】
図2に、本実施の形態による携帯端末のアンテナ装置の簡略化した構成を示す。この携帯端末は、その下端に第1のアンテナ部を構成するメインアンテナ21と、このメインアンテナ21から離間して上端に配置された第2のアンテナ部を構成するサブアンテナ23とを備えている。本実施の形態では、メインアンテナ21とサブアンテナ23とは、MIMO用アンテナ装置を構成している。メインアンテナ21とサブアンテナ23の間には第1の導電板11が延在している。また、メインアンテナ21とサブアンテナ23の間に、第1の導電板11にほぼ平行に第2の導電板13が延在する。導電板11と導電板13との間は、その周縁部のほぼ半分の範囲で、複数の短絡部材17により互いに電気的に接続される。短絡部材17はここでは導電ピンを想定しているが、その形状やサイズは問わない。板状の導電部材や導電バネのような接触部材であってもよい。このような接触部材を用いる場合、筐体パネル106側にばね構造を設けてもよいし、対向する部材側に板ばねを設けてもよい。
【0020】
導電板13が両アンテナに共通のGND地板(GNDプレーン)であり、メインアンテナ21およびサブアンテナ23のGNDは導電板13に接続される。
【0021】
図3(a)に、図2に示した両導電板11,13を抜粋して示すように、短絡部材17は、両導電板の周縁の一部の範囲18の両端位置と、その間の1または複数の位置に配置される。隣接する短絡部材17の間隔は、その間隔分のスリットにより構成されるスリットアンテナの共振周波数が携帯端末で使用する周波数よりも十分高くなるように、所定の値より小さくする。例えば、短絡部材17が導電ピンである場合、目的のスリットの領域以外の第1および第2の導電板の周縁に沿って所定の間隔より狭い間隔で複数の導電ピンが配置される。この構成は、使用周波数に関しては、図3(b)に示すように、両導電板の周縁の範囲18についてソリッドの導電板11で全面被覆したものと等価とみなせる。その結果、両導電板の周縁の範囲19において両導電板11,13のエッジの隙間によりスリット12が形成される。換言すれば、互いに対向する第1の導電板の周縁の一部と第2の導電板の周縁の一部とにより所定のスリットが形成されるように、短絡部材17は、第1の導電板と第2の導電板との間を電気的に短絡する。この構成は、等価的に、単一の導電板に所定のスリットが形成されたスリットアンテナとみなせる。スリットの長さは、携帯端末が使用するアンテナ装置の周波数に対して、ほぼその半波長(λ/2)に設定する。
【0022】
なお、スリット12の幅はその長手方向の全長において一定でなくてもよい。
【0023】
図2に戻り、メインアンテナ21の給電点22と、サブアンテナ23の給電点24とは、スリット12の近傍の位置、好ましくはスリット12の隙間に望む位置に配置される。
【0024】
ここで、本実施の形態をより良く理解するために、図4(a)(b)により、既知のスリットアンテナ(またはスロットアンテナ)について説明する。図4(a)に示すように、導体板10に、細長いスリット(またはスロット)12を設け、そのスリット長を半波長とする周波数の交流電圧をスリット12の両エッジ間に印加する。これにより、この導電板10から電磁界の放射が発生し、導体板10がアンテナとして機能することが知られている。スリットアンテナの共振周波数はスリット12の長さLに依存する。スリット12の幅Wも共振周波数に影響しうる。図4(b)に示すように、両エッジ間に、電子部品である素子15を挿入することにより、スリットアンテナの共振周波数を調整することができる。この素子15は、この例では受動素子であり、例えば、誘導性リアクタンスを有するインダクタや、容量性リアクタンスを有するキャパシタのようなリアクタンス素子である。スリットアンテナの共振周波数は、インダクタによって上方へ、キャパシタによって下方へ調整することができる。
【0025】
図3に示した構成においても、図5に示すように、スリット12のメインアンテナ21側の一点およびサブアンテナ23側の一点において、スリット12の対向するエッジ間に例えばインダクタやキャパシタのようなリアクタンス素子としての素子25,26を接続することもできる。このような素子の値を選定することにより、図4(b)で説明したように、スリット12によるスリットアンテナの共振周波数を調整することができる。但し、本発明において、このような素子25,26の使用は必須ではない。その個数も2個に限るものではない。
【0026】
図6(a)−(d)に、本実施の形態におけるスリット12を構成する要素の組み合わせとして、主要な4つの態様を示す。
【0027】
図6(a)は、第1の導電板として上述したような導電性を有する筐体パネル106を利用し、第2の導電板としてプリント回路基板(PCB)111に形成された導電層(GND地板)を利用する第1の態様を示している。
【0028】
図6(b)は、第1の導電板として導電性を有する筐体パネル106を利用し、第2の導電板としてSUSプレート113を利用する第2の態様を示している。SUSプレート113は、通常、携帯端末においてLCDパネルの補強等を目的として利用されるステンレス鋼(Steel Use Stainless)からなる金属プレートであり、筐体パネルにほぼ平行に配置される。
【0029】
図6(c)は、第1の導電板としてPCBに形成された導電層(GND地板)を利用し、第2の導電板としてSUSプレート113を利用する第3の態様を示している。
【0030】
図6(d)は、第1の導電板として二つのハーフ基板であるPCB111a,111bに形成された導電層(GND地板)を利用し、第2の導電板としてSUSプレート113を利用する第4の態様を示している。二つのPCB111a,111bの両導体層間は導電性連結部材112で接続される。導電性連結部材112の一例として図ではワイヤを示しているが、ワイヤに限るものではない。
【0031】
図7(a)に、上述した第1の態様の携帯端末の概略の外観を表した斜視図を示す。図2で説明したと同様に、携帯端末はほぼ直方体に近い外形を有し、その下端に第1のアンテナ部であるメインアンテナ21と、このメインアンテナ21から離間して上端に配置された第2のアンテナ部であるサブアンテナ23とを備えている。端末の上端と下端に離間して配置されたメインアンテナ21とサブアンテナ23の間には第1の導電板11としての筐体パネル106が延在している。また、この筐体パネル106にほぼ平行に、メインアンテナ21とサブアンテナ23の間に第2の導電板13としてのPCB111(の導体層)が延在する。図3(a)で説明したように、筐体パネル106とPCB111の導体層の間は、その周縁部のほぼ半分の範囲に亘って、複数の短絡部材17により互いに電気的に接続される。筐体パネル106とPCB111の導電層との間にスリット12が形成される。
【0032】
図7(b)にスリット12を抜き出して、その輪郭を示している。スリット12は携帯端末の側部だけでなく、側部の長手方向から直角に折れ曲がった方向にも延びる。したがって、その全長は、最も外側の短絡部材17の位置に依存して変わる。図の例ではスリット12は、筐体パネル106の構成に起因して、側部12aと、これに連通した下端部分12bおよび上端部分12cを有する。下端部分12bおよび上端部分12cの幅は側部12aの幅より大きくなっている。一群の短絡部材17のうち、最も外側に位置する2つの短絡部材17aのエッジと、この短絡部材17aのエッジにつながる、短絡部材17が存在しない範囲の筐体パネル106のエッジと、このエッジに対向するPCB111の導体層のエッジとにより、スリット12を定めるエッジのループが形成される。
【0033】
なお、図示しないが、メインアンテナ21とサブアンテナ23は、それぞれ、別の筐体部分で被覆される。また、図7(a)におけるPCB111の表面側(図7(a)に示した携帯端末の裏側)には表示部を構成するLCDデバイスなどの他の要素が配置される。
【0034】
次に、図8(a)−(e)に、図7(a)に示した携帯端末の具体的な構成例を示す。図8(c)は、携帯端末の要部の正面図、図8(b)はその左側面図、図8(e)は右側面図である。また、図8(d)は携帯端末の下端のメインアンテナ部分の拡大斜視図、図8(a)は携帯端末の上端のサブアンテナ部分の拡大斜視図である。図8(a)−(e)の各図の縮尺は一定ではなく、図示の便宜上変更している。
【0035】
この態様では、第1の導電板として導電性を有する筐体パネル106を利用し、第2の導電板としてプリント回路基板(PCB)111に形成された導電層(GND地板)を利用している。筐体パネル106とプリント回路基板(PCB)111との間にスリット12が形成されている。図示の例では、筐体パネル106は、図8(b)に現れているように、その主平面からほぼ直角に内側方向へ折れ曲がった細長い側面部106aを有している。但し、この側面部106aは本発明において必須の要素ではない。この側面部106aの有無によりスリット12の幅が変わりうるが、スリット12の長さの調整および素子25,26の値の選定によって、スリット幅の変化に対応することが可能である。
【0036】
図9に、図8(c)に示したスリット12に仮に給電した場合のスリットアンテナのアンテナ特性を表したグラフを示す。このアンテナ特性はシミュレーション結果に基づくものである。スリット12には実際には給電されないが、このグラフは、メインアンテナ21とサブアンテナ23に給電がなされたときにスリット12に流れるグランド電流が所望周波数で共振するか否かを確認するためのものである。このグラフの横軸は周波数[GHz]を示し、縦軸は反射特性[dB]を示す。S3,3は3番目のアンテナ、ここでは仮想的なスリットアンテナの反射特性を表している。便宜上、図8(d)に示した短絡部材17aの位置を給電点として、当該スリットアンテナの特性を測定した結果を示す。このグラフから、スリットアンテナがいくつかの共振周波数を有していることが分かる。その中には700MHz帯も含まれている。
【0037】
図10および図11により、本実施の形態の携帯端末において使用する短絡部材17(この例では導電ピン)の個数および素子25,26の具体的な数値例について説明する。図10は図8(c)に示した携帯端末の構成を再掲するものであるが、短絡部材17としてのピンおよび素子25,26に番号付けをして相互に区別をしている。また、スリット12は図示のような携帯端末の平面図においては実際には見えないものであるが、その位置および長さを示すため、便宜上、太線で示してある。
【0038】
図11は、図10に示した携帯端末におけるピン#1−#6ならびに素子#1−#2およびその値に関して、本実施の形態において採りうる5つの構成(モデル)例を示している。基準とするモデル#0は図10に示したすべてのピン#1−#6を備え、素子25,26として3.5pFのキャパシタを用いたものである。図11中、ピンの欄の"○"印はそのピンが存在し、"×"印はそのピンが存在しないことを示す。
【0039】
モデル#1は、ピン#1とピン#3−#6を用いるとともにピン#2を削除し、素子25,26として2.2pFのキャパシタを用いたものである。
【0040】
モデル#2は、ピン#2−#6を用いるとともにピン#1を削除し、素子25,26として2.2pFのキャパシタを用いたものである。
【0041】
モデル#3は、ピン#1とピン#3のみを用いるとともにピン#2,#4−#6を削除し、素子25,26として2.2pFのキャパシタを用いたものである。
【0042】
モデル#4は、ピン#1,#3,#4,#6を用いるとともにピン#2,#5を削除し、素子25,26として10nHのインダクタを用いたものである。
【0043】
なお、上述したように、素子25,26は必ずしも必須の要素ではない。
【0044】
図12に、モデル#0(基準)とモデル#1−#4について、振幅相関係数(Envelope correlation coefficient: ECC)を表したグラフを示す。また、図13(a)(b)に、それぞれ、メインアンテナ部(Bottom)の効率、および、サブアンテナ部(Top)の効率の周波数特性を表したグラフを示す。これらのグラフは、シミュレーションにより求められた結果に基づくものである。後述する他のグラフについても同様である。
【0045】
図12において、モデル#0(基準)とモデル#1のグラフは殆ど一致している。モデル#3とモデル#4(特にモデル#3)において、0.78MHz付近より低い周波数において、相関が高くなっている。したがって、モデル#3のようにピン#4−#6をすべて削除するのは好ましくないことが分かる。
【0046】
図13(a)(b)に示すアンテナ効率については、モデルによって若干のばらつきが見られるが、メインアンテナ部(Bottom)およびサブアンテナ部(Top)についてほぼ均衡しており、いずれについても特に問題のない値が示されている。
【0047】
図14(a1)−(a4),(b1)−(b4)は、それぞれ、スリットを利用しない場合と利用する場合について、メインアンテナ21に給電を行ったときのメインアンテナ21、サブアンテナ23、および両アンテナに共通のGND地板における電流分布の様子を示している。図中、破線の楕円枠はサブアンテナの領域を表している。図の下部の0deg、45deg、90deg、135degは、印加する高周波電力の位相角を示している。図14(a1)−(a4)から、スリットを利用しない場合にはメインアンテナ21への給電に応じてサブアンテナ23に電流が励起されていることが分かる。すなわち、スリットがない状態でメインアンテナ21に給電を行うと、λ/4の長さのGND地板120に高周波電流が流れて、サブアンテナ23にも電流を励起してしまう。これは両アンテナ間の結合が強い、すなわち相関が高いことを意味する。
【0048】
これに対して、図14(b1)−(b4)からは、スリットを利用した場合、メインアンテナ21への給電を行ってもサブアンテナ23に電流が流れないことが分かる。スリットが存在する状態でメインアンテナ21に給電を行うと、λ/2のスリット長のスリットアンテナが共振することによりスリットアンテナに定在波が発生し、サブアンテナ23には電流が励起されない。これは両アンテナ間の結合が弱い、すなわち相関が低いことを意味する。
【0049】
図15(a)に示すようなスリット12を有する携帯端末について、図15(b1)(b2)はそれぞれ、サブアンテナ23(top)に740MHzで給電を行った場合の携帯端末の正面および側面から見た放射パターンの様子を示している。同様に、図15(c1)(c2)はそれぞれ、メインアンテナ21(bottom)に740MHzで給電を行った場合の正面および側面から見た放射パターンの様子を示している。これらの図は、3次元状の放射パターンの強度を濃淡で表したものである。これらの放射パターンは携帯端末の長手方向を中心軸としたドーナツ状の3次元形状を示している。特に図15(b2)と所定のスリット(c2)を比べて見ると、メインアンテナ21の放射パターンの軸41とサブアンテナ23の放射パターンの軸42とが互いに対して傾斜していることが分かる。このことは両アンテナの相関が小さくなることを意味している。
【0050】
図16に、図10に示した携帯端末のアンテナ装置についてそのSパラメータの周波数特性を示す。このグラフの横軸は周波数[GHz]を示し、縦軸はSパラメータの値[dB]を示す。図におけるS1,1はメインアンテナ21の反射特性を表し、S2,2はサブアンテナ23の反射特性を表わしている。S1,1とS2,2の波形の凹部の負側のピークは各アンテナ部の共振周波数を表している。
【0051】
S1,2とS2,1は、メインアンテナ21とサブアンテナ23の相互の間の通過特性を表す。S1,2とS2,1は相対的に同じ値をとり、両波形は重なっている。S1,2とS2,1の値が小さいことは、両アンテナ間のアイソレーションが高いことを表し、これは相関の度合いが低いことを意味する。図16に丸印31で囲んで示すように、700MHz付近で両アンテナのアイソレーションがピンポイントで大きく改善されていることが分かる。このように両アンテナのアイソレーションが高いことは相関係数が小さいことにつながる。
【0052】
図17(a)−(e)に、上述した第2の態様(図6(b))の具体的な構成例を示す。図17(c)は、第2の態様の携帯端末の要部の斜視図、図17(b)はその左側面図、図17(e)は右側面図である。また、図17(d)は携帯端末のメインアンテナ21を除去した下端のメインアンテナ部分の拡大斜視図、図17(a)は携帯端末の長手方向の側面断面図である。図17(a)−(e)の各図の縮尺は一定ではなく、図示の便宜上変更している。さらに図18(a)に、第2の態様の携帯端末の要部を左側面から見た斜視図を示し、図18(b)にサブアンテナ23を除去した携帯端末の要部を端末上端側から見た斜視図を示す。
【0053】
この態様では、第1の導電板として導電性を有する筐体パネル106を利用し、第2の導電板として上述したSUSプレート113を利用している。この態様におけるスリット12は、筐体パネル106とSUSプレート113とにより、その間に形成される。筐体パネル106については第1の態様と同様である。
【0054】
図17(a)によく現れているように、この態様におけるPCB111aは、両アンテナ部間の全域に延在しておらず、一端側(この場合、サブアンテナ23側)にのみ存在するいわゆるハーフ基板である。このような構成では、スリット12を構成する要素としてPCBを利用することができない。他方、SUSプレート113は両アンテナ部間の全域に延在し、導電性を有する。そこで、本態様では、スリット12を構成する要素として、PCBの代わりにSUSプレート113を利用したものである。
【0055】
次に、図19(a)−(e)に、上述した第4の態様の具体的な構成例を示す。図19(c)は、第4の態様の携帯端末の要部の斜視図、図19(b)はその左側面図、図19(e)は右側面図である。また、図19(d)は携帯端末のメインアンテナ部分の拡大斜視図、図19(a)は携帯端末の上端のサブアンテナ部分の拡大斜視図である。図19(a)−(e)の各図の縮尺は一定ではなく、図示の便宜上変更している。さらに図20に、第4の態様の携帯端末の要部を左側面から見た斜視図を示す。
【0056】
この態様では、第1の導電板としてPCBに形成された導電層(GND地板)を利用し、第2の導電板としてSUSプレート113を利用している。この態様におけるスリット12は、PCBとSUSプレート113とにより、その間に形成される。この例では、図20によく現れているように、PCBは二つのハーフ基板であるPCB111a,111bからなる場合を示している。これは、図6(d)に示した態様に相当する。但し、PCBは両アンテナ部間の全域に延在する単一のフル基板であってもよい。これは図6(c)に示した第3の態様に相当する。
【0057】
図21(a)−(c)は、上述したようなスリットを利用しない場合、筐体パネルとPCB間のスリットを利用する場合(図7(a))、PCBとSUSプレート間のスリットを利用する場合(図19)の、それぞれのECCならびにメインアンテナ部(Bottom)およびサブアンテナ部(Top)のアンテナ効率の周波数特性を表したグラフを示している。
【0058】
図21(a)から分かるように、元々、700MHz帯のような低周波数帯域において問題となっていた相関係数の値が、スリットを利用することにより低下する(すなわち改善される)ことが分かる。特に、筐体パネルとPCB間のスリットを利用する場合の改善の程度が著しい。図21(b)(c)から、メインアンテナ部(Bottom)およびサブアンテナ部(Top)のアンテナ効率(Total Efficiency)については、ほぼ均衡しており、スリットの有無による特別な影響は見られないことが分かる。
【0059】
図22(a)−(c)は、筐体パネルとSUSプレート間のスリットを利用する場合、PCBとSUSプレート間のスリットを利用する場合、およびスリットを利用しない場合、のそれぞれのSパラメータの値を表したアンテナ特性のグラフを示している。前述したように、パラメータS1,2およびS2,1はメインアンテナとサブアンテナの相互の間の通過特性、すなわちアイソレーションの度合いを示している。これらのグラフから、ほぼ700MHz付近において、スリットを利用しない場合に比べて、スリットを利用する場合の両アンテナ間のアイソレーションが高くなっている(すなわち相関が低くなっている)ことが分かる。
【0060】
図23(a)(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る携帯端末の概略の構成を示している。上述した第1の実施の形態では、第1の導電板が携帯端末の主平面において比較的広い面積を有するものを示した。これに対して、第2の実施の形態では、第1の導電板として、スリット12に沿って配置された細長い帯状(またはストリップ状)の形状を有する導電部材としての導電板16を用いている。これは筐体パネル106とは別の要素として設けてもよい。筐体パネル106がプラスチック等の非導電性材料で形成される場合に、筐体パネル106の内側表面に帯状の導電性被覆を形成したものであってもよい。
【0061】
図の例では3個の短絡部材17を示しているが、第2の実施の形態ではスリットの両端を定めるためにのみ、少なくとも2個の短絡部材17を用いればよい。他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0062】
図24に、図23(a)(b)に示した携帯端末のアンテナ装置についてそのSパラメータの周波数特性を示す。図24に丸印32で囲んで示すように、700MHz付近で両アンテナのアイソレーションがピンポイントで大きく改善されていることが分かる。このようにアイソレーションが高いことは相関係数が小さいことにつながる。
【0063】
図25(a)(b)により、本発明の変形例を説明する。以上の説明では、メインアンテナ21とサブアンテナ23のそれぞれの給電点22,24は、携帯端末の同じサイドに配置される場合を示した。これに対して、図25(a)(b)は、サブアンテナ23の給電点24がメインアンテナ21の給電点24と逆のサイドに配置されている。図25(a)は、第1の実施の形態で説明したような、第1の導電板として筐体パネル106を利用した例を示している。図25(b)は、第2の実施の形態で説明したような、第1の導電板として帯状の形状を有する導電板16を利用した例を示している。いずれにせよ、両給電点のいずれもスリット12の両端の間に位置することが望ましい。
【0064】
図26(a)に、図25(b)に示した携帯端末のアンテナ装置についてそのSパラメータの周波数特性を示す。図26(a)に丸印33で囲んで示すように、700MHz付近で両アンテナのアイソレーションがピンポイントで大きく改善されていることが分かる。このようにアイソレーションが高いことは相関係数が小さいことにつながる。
【0065】
図26(b)に、図25(a)に示した携帯端末のアンテナ装置についてそのSパラメータの周波数特性を示す。図26に丸印34で囲んで示すように、700MHz付近で両アンテナのアイソレーションがピンポイントで大きく改善されていることが分かる。このようにアイソレーションが高いことは相関係数が小さいことにつながる。
【0066】
図27に、上述したアンテナ装置の種々のモデルについて、メインアンテナ21の効率の周波数特性を表したグラフを示す。また、図28に、上述した種々の構成のアンテナ装置について、サブアンテナ23の効率の周波数特性を表したグラフを示す。これらの図において、グラフaはスリットなしのモデル、グラフbは図10に示したモデル、グラフcは図23に示したモデルを示す。また、グラフdは図25(b)、グラフeは図25(a)に示したモデルを示す。メインアンテナおよびサブアンテナのいずれにおいても、モデルにより効率の値にばらつきは見られるものの、特段の劣化は認められなかった。
【0067】
図29に、上述したアンテナ装置の種々のモデルについて、その振幅相関係数(ECC)の周波数特性を表したグラフを示す。図の実線楕円35で囲んで示すように、目的の700MHz帯において、スリットを利用しないモデルaに比べて、スリットを利用するモデルb−eはいずれもそのECCの値が格段に改善されていることが分かる(下向き矢印参照)。なお、破線楕円36で囲んで示すように、1.8GHzの辺りでモデルcのECC値がモデルaに比べて相対的に劣化している。しかし、700MHz帯のECC値と比べれば分かるように、その絶対値自体はそれほど大きいものではなく、特に問題にはならない。
【0068】
上述した本発明の実施の形態によれば、複数のアンテナについて相関の度合いが低くかつ均衡したアンテナ効率を有するアンテナ装置を提供することができる。
【0069】
以上のとおり、本発明の実施の形態では、
第1の給電点を有する第1のアンテナ部と、
前記第1のアンテナ部と離間して配置された、第2の給電点を有する第2のアンテナ部と、
前記第1のアンテナ部と第2のアンテナ部との間に延在する第1の導電板と、
前記第1の導電板にほぼ平行に配置されて前記第1のアンテナ部および第2のアンテナ部の間に延在する第2の導電板と、
互いに対向する前記第1の導電板の周縁の一部と前記第2の導電板の周縁の一部とにより所定のスリットが形成されるように、前記第1の導電板と前記第2の導電板との間を電気的に短絡する短絡部材とを備え、
前記第1の給電点と前記第2の給電点とは前記スリットの近傍に配置される
無線通信装置、について説明している。
【0070】
また、前記第1の導電板は導電性を有する筐体パネルであり、前記第2の導電板はプリント回路基板に形成された導電層である記載の無線通信装置、について説明している。
【0071】
また、前記第1の導電板は導電性を有する筐体パネルであり、前記第2の導電板は前記筐体パネルにほぼ平行に配置された金属プレートである無線通信装置、について説明している。
【0072】
また、前記第1の導電板はプリント回路基板に形成された導電層であり、前記第2の導電板は前記プリント回路基板にほぼ平行に配置された金属プレートである無線通信装置、について説明している。
【0073】
また、前記短絡部材は複数の導電ピンで構成される無線通信装置、について説明している。
【0074】
また、前記複数の導電ピンは、前記スリットの領域以外の前記第1および第2の導電板の周縁に沿って所定の間隔より狭い間隔で配置される無線通信装置、について説明している。
【0075】
また、前記短絡部材は、前記スリットの領域以外の前記周縁に沿って前記第1および第2の導電板の間に配置された導電性の板状部材で構成される無線通信装置、について説明している。
【0076】
また、前記第1の導電板は、前記スリットに沿って配置された細長い板状の導電部材で形成される無線通信装置、について説明している。
【0077】
また、前記第1および第2のアンテナ部は、MIMO用アンテナ装置を構成する無線通信装置、について説明している。
【0078】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。すなわち、請求項または請求項と均等の範囲内にある限り、デザイン又はその他の要素によって種々の改変、組み合わせ、他の実施形態が生じうることは、当業者にとって当然のことと理解される。
【0079】
例えば、図示の無線通信装置はいわゆるストレート型という形態を有しているが、本発明は、折り畳み式やスライド式等の他の形態の無線通信装置にも適用は可能である。
【符号の説明】
【0080】
10…導体板、11…導電板、12…スリット、12a…側部、12b…下端部分、12c…上端部分、13…導電板、15…素子、16…導電板、17…短絡部材、18,19…範囲、21…メインアンテナ、22…給電点、23…サブアンテナ、24…給電点、25,26…素子、31−34…丸印、35…実線楕円、36…破線楕円、41,42…軸、101…筐体、102…スピーカ部、104…表示画面、105…操作部、105a…操作キー、106…筐体パネル(電池蓋)、107…カメラ部、108…メインアンテナ部、109…サブアンテナ部、112…導電性連結部材、113…SUSプレート、120…GND地板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の給電点を有する第1のアンテナ部と、
前記第1のアンテナ部と離間して配置された、第2の給電点を有する第2のアンテナ部と、
前記第1のアンテナ部と第2のアンテナ部との間に延在する第1の導電板と、
前記第1の導電板にほぼ平行に配置されて前記第1のアンテナ部および第2のアンテナ部の間に延在する第2の導電板と、
互いに対向する前記第1の導電板の周縁の一部と前記第2の導電板の周縁の一部とにより所定のスリットが形成されるように、前記第1の導電板と前記第2の導電板との間を電気的に短絡する短絡部材とを備え、
前記第1の給電点と前記第2の給電点とは前記スリットの近傍に配置される
無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−70365(P2013−70365A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−191301(P2012−191301)
【出願日】平成24年8月31日(2012.8.31)
【出願人】(501431073)ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】