無線ICタグ付き包装部材とその製造方法
【課題】製造コストを大幅に軽減し、製品加工コストを増やすことなく、外観設計を損なわない無線ICタグ付き包装部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】凹版印刷技術により、表面材の裏面に印刷されたインキ層上に保護層を印刷して、保護層上に水溶性部材からなる溶解層を印刷し、溶解層の所定区域に水溶性部材が印刷されていない図案を形成する(ステップ100)。裏面に導電層を塗布又は蒸着する(ステップ101)。水溶液により表面材の裏面をすすぎ、水溶性部材とその上部に覆われている導電層とを保護層より剥離させ、所定区域上の水溶性部材が印刷されていない図案を覆った導電層は、受発信アンテナの図案に構成される(ステップ102)。チップを受発信アンテナの導入端に接続して、表面材の裏面に無線ICタグを作り出す(ステップ103)。接着剤で表面材の裏面と底材の裏面とを密着させる(ステップ104)。
【解決手段】凹版印刷技術により、表面材の裏面に印刷されたインキ層上に保護層を印刷して、保護層上に水溶性部材からなる溶解層を印刷し、溶解層の所定区域に水溶性部材が印刷されていない図案を形成する(ステップ100)。裏面に導電層を塗布又は蒸着する(ステップ101)。水溶液により表面材の裏面をすすぎ、水溶性部材とその上部に覆われている導電層とを保護層より剥離させ、所定区域上の水溶性部材が印刷されていない図案を覆った導電層は、受発信アンテナの図案に構成される(ステップ102)。チップを受発信アンテナの導入端に接続して、表面材の裏面に無線ICタグを作り出す(ステップ103)。接着剤で表面材の裏面と底材の裏面とを密着させる(ステップ104)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の包装袋にアンテナを製造する方法であって、特に一種の包装部材に無線ICタグを製造する方法とその製品に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ICタグ(Radio Frequency Identification,RFID)技術は、無線認識票ともいう。それは一種の通信技術であって、識別システムが無線通信信号を通じて、当該識別システムと特定目標との間に機械的又は光学的な接触を介さずに、特定目標の関連データを読み書きするものであって、通常の無線ICタグは、受発信アンテナとチップとからなる。
そのうち、チップは、受発信アンテナの入力端に接続される。使用の無線ICタグ技術は、その性質により、以下の3種類に分けられる。
【0003】
(イ)受動式:受動式無線ICタグの内部に供給電源がなく、該チップは受発信アンテナの受信電磁波によって駆動される。電磁波は、識別システムの無線ICタグリーダーより発信される。通常、受発信アンテナの役目は二つある。一つ目は、リーダーから発信された電磁波を受信してチップを駆動する。二つ目は、無線ICタグからの信号フィードバックに対して、受発信アンテナの抵抗を切り換えることによって、0と1のデータが生成される。受動式無線ICタグは、廉価、電源不要という長所があるため、無線ICタグ市場の主流となっている。
【0004】
(ロ)半受動式:半受動式無線ICタグは、受動式無線認識票に類似する。ただし、小型電池が取り付けられている点で受動式無線ICタグと異なっている。小型電池は、チップを駆動して稼働状態を維持する。その長所として、該受発信アンテナは電磁波を受信する必要がなく、信号フィードバックのみに使用される。よって、半受動式無線ICタグは受動式無線ICタグに比べて、より高速かつより良い応答が可能で、効率も高い。しかしながら、製造コストが高いほか、一定の使用寿命の制限を受ける。
(ハ)主動式:受動式及び半受動式無線ICタグと異なるところは、主動式無無線ICタグ内部自体に電源装置を取り付けて、チップ信号の発信電源とすることである。よって、一般に、主動式無線ICタグは、長距離の読み取り能力と大容量メモリとによって、リーダーから伝送された付属情報の格納ができる。
【0005】
無線ICタグ技術は、主に無線ICタグ市場主流である受動式無線ICタグに基づくものである。この種の無線ICタグは以下の長所を有するため、多くの産業の認識技術の主流となっている。
(イ)格納データ量が多い。
(ロ)通信距離が長い。
(ハ)コピーが困難である。
(ニ)環境変化耐性が良い。
(ホ)複数の無線ICタグを同時に読み込むことができる。
【0006】
しかしながら、受動式無線ICタグの欠点として、構築コストが高いため、2005年初期に1個当たりの無線ICタグは、ユーロ30セントが掛かっている。一方、大量生産技術が駆使された場合、そのコストは大幅に軽減される。大ロット生産、例えば、10億個以上単位、の無線ICタグであれば、2008年度にはユーロ10セント以下に引き下がる見込みである。
【0007】
無線ICタグの応用分野は極めて広い。その決定的な要素は無線ICタグの関連分野における経済効果にあり、具体的な応用分野として、以下のようなものがある。
(イ)紙幣と製品との偽造防止技術。
(ロ)身分証明書、通行パス(入場券を含む。)。
(ハ)電子料金収受システム(台湾のイージーカードと香港のオクトパスカード)。
(ニ)家畜又は野生動物の識別。
(ホ)患者の識別と電子カルテ。
【0008】
このほか、無線ICタグの応用分野は物流管理分野に繰り広がっており、商品設計、原材料調達、半製品と製品の生産、輸送、倉庫保管、配達、販売ないし返品処理ならびにアフターサービスなどすべてのサプライチェーンのリアルタイム監視制御を通じて、製品タイプ、生産者、製造時間、場所、カラー、寸法、数量、仕向け地、受取人など製品関連情報が正確に把握できる。
【0009】
従来、広く使用される無線ICタグの一例を図1に示す。無線ICタグ10の受発信アンテナ20とチップ30とは、ポリイミド(Polyimide)基材40上に敷設される。その作り方として、ポリイミド基材40の一表面に1層の銅箔41を貼り付けて、フレキ銅箔基板を形成した後、エッチング技術により銅箔41上に必要な受発信アンテナ20を食刻して作り出す。チップ30を受発信アンテナ20の入力端21に接続して、無線ICタグ10を作り出す。しかしながら、この種の無線ICタグは生産プロセスが複雑であることのみならず、コストも高い。また、前記の製品物流管理に応用するとき、包装袋を製造した後の加工手順として、無線ICタグを包装袋外表面への貼り付ける作業がある。このため、生産加工コストが増えるほか、包装袋の外観設計を損なってしまう。さらに、貼り付けの不備は無線ICタグの加工や輸送中の破損又は剥離を引き起こすおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、製品又はその包装袋を製造するときに、無線ICタグをその製品又は包装袋上に作ることによって、無線ICタグの製造コストを大幅に軽減し、製品加工コストを増やすことなく、包装袋の外観設計を損なわない無線ICタグ付き包装部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線ICタグ付き包装部材は、少なくとも表面材と底材とを備える。無線ICタグ付き包装部材の製造方法は、凹版印刷技術により、表面材の裏面にインキ層、例えば各種装飾又は広告図案あるいは画像、を印刷し、該インキ層上に保護層、例えば電気メッキ用のアンカーコート(anchorcoat)処理剤など、を印刷して、該保護層上に水溶性部材、例えば水溶性樹脂など、からなる溶解層を印刷し、該溶解層の所定区域に該水溶性部材が印刷されていない図案が形成される。引き続き、該裏面に導電層、例えばアルミ又は銅成分などを含む導電層、を塗布又は蒸着する。該表面材の裏面に該導電層が形成された後、水溶液により該表面材の裏面をすすぎ、該水溶液を該溶解層に浸透させて、該水溶液部材を溶解させて、該水溶性部材とその上部に覆われている該導電層とを該保護層より剥離させる。これによって、該所定区域上の該水溶性部材が印刷されていない図案を覆った該導電層は、必要な受発信アンテナの図案に構成される。チップを該受発信アンテナの導入端に接続して、該表面材の裏面に無線ICタグを作り出す。さらに、接着剤で該表面材の裏面と底材の裏面とを密着させ、装飾図案と無線ICタグとを備えた包装部材を作り出す。
【0012】
また、本発明に係る無線ICタグ付き包装部材の製造方法は、凹版印刷技術により、該表面材の裏面にインキ層、該表面材の外面に保護層、例えば電気メッキ用のアンカーコート処理剤など、をそれぞれ印刷する。さらに、該保護層に水溶性部材からなる溶解層を印刷した後、該溶解層の所定区域に該水溶性部材が印刷されていない図案が形成される。接着剤で該表面材の裏面と底材の裏面とを密着させる。引き続き該表面材の外面に導電層を塗布又は蒸着する。該表面材外面に該導電層が形成された後、水溶液により該表面材の外面をすすぎ、該水溶液を該溶解層に浸透させて、該水溶性部材を溶解させて、該水溶性部材とその上に覆われた該導電層とを該保護層より剥離させる。これによって、該所定区域上で該水溶性部材が印刷されていない図案に覆われた該導電層は、必要な受発信アンテナの図案に構成される。最後に、チップを該受発信アンテナの導入端に接続して、該表面材の外面に無線ICタグを作り出す。
【0013】
また、前記した方法によって作られた包装部材を、メーカの各種無線ICタグ付き商品、例えば包装袋など、の製造に提供することができる。
なお、該包装部材は、さらに機能部材を有する。該機能部材の二つの対応端部は、接着剤により、該表面材の裏面と底材の裏面とに接着される。該機能部材は、該包装部材の構造強度、気密性又は防水性を強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の目的、処理手順及びその効果のさらなる認識と理解を図るため、以下の通り実施形態を図面に基づいて、詳しく説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材とその製造方法について、説明する。本実施形態による製造方法は、主に包装部材に応用される。図2に示す通り、従来の包装部材50は、通常各種商品、例えば、包装袋など、を製造するプラスチック製透明フィルムの基材であり、少なくとも表面材51、底材52及び接着剤53を備える。そのうち、表面材51は、OPP又はPETなどのプラスチック製の透明又は不透明フィルムである。底材52は、PE又はPPなどのプラスチック製の透明又は不透明フィルムである。接着剤53は1層のグルーであって、表面材51と底材52とを密着させる。これにより、包装部材50が作り出される。
【0015】
本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法を示すフローチャートを図3に示す。該方法は以下の手順を含む。
まず、ステップ100において、図4に示す通り、凹版印刷技術により、表面材51の裏面511にインキ層60を印刷して、装飾図案(各種装飾、説明又は広告類の文字、符号、図案又は画像)を形成し、インキ層60上に保護層55(電気メッキ用のアンカーコート処理剤など)を印刷して、保護層55上に水溶性部材(水溶性樹脂など)からなる溶解層61を印刷する。溶解層61の所定区域611に水溶性部材が印刷されていない図案612が形成される。
【0016】
次に、ステップ101において、裏面511、すなわち溶解層61及び所定区域611の表面に、塗布、スパッタリング又は蒸着により、導電層62を形成する。図5に示す通り、導電層62は、アルミ又は銅成分を含む導電部材であっても良い。なお、保護層55は、表面材51又はインキ層60より高い耐熱機能を備える。従って、保護層55がインキ層60に塗布されることによって、表面材51又はインキ層60を保護することができ、また、スパッタリング又は蒸着処理の際に、高温による表面材51又はインキ層60の品質変化(黒変など)を防げる。
【0017】
次に、ステップ102において、表面材51の裏面511に導電層62が形成された後、水溶液により表面材51の裏面511をすすぎ、該水溶液を溶解層61に浸透させて、水溶性部材を溶解させて、水溶性部材とその上に覆われた導電層62とを保護層55より剥離させる。従って、所定区域611の水溶性部材が印刷されていない図案612上を覆った導電層62は、図6に示す通り、必要な受発信アンテナ70の図案に構成される。
【0018】
次に、ステップ103において、チップ80を受発信アンテナ70の入力端に接続して、図7に示す通り、表面材51の裏面511に無線ICタグが形成される。
最後に、ステップ104において、図2に示す通り、接着剤53により、表面材51の裏面511と底材52の裏面521とを密着させ、図8に示す装飾図案と無線ICタグ付き包装部材90を作り出す。
【0019】
従って、本実施形態によれば、包装部材90上に装飾図案を印刷すると同時に、包装部材90に無線ICタグを作ることにより、生産プロセスの簡素化が図られ、加工コストが軽減できる。なお、無線ICタグは包装部材90内部に覆われているため、製品又は包装袋の外観設計を損なわない。また、無線ICタグは包装部材90に保護されるため、製品加工や輸送途中に破損することがない。包装部材90によって、商品の設計と製造をする業者は、無線ICタグが必要な商品を作り出すことができる。商品についた無線ICタグの提供情報によって、商品の生産、輸送、倉庫保管、販売ないし返品処理、アフターサービスなど、すべての供給チェーンのリアルタイム監視管理を実現し、物流管理の効率を向上させ、物流管理の販売管理費を大幅に軽減できる。
【0020】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による包装部材90は、表面材51の裏面511と底材52の裏面521との間に、図9に示すように、必要に応じて機能部材54を追加する。機能部材54は、ポリアミド系合成繊維部材又はその他プラスチック製フィルムであり、包装部材91の構造強度、気密性又は防水性を強化できる。さらに、表面材51の裏面511にインキ層60、保護層55、溶解層61及び導電層62を順番に塗布して、保護層55上に受発信アンテナ70の図案を形成した上、チップ80を受発信アンテナ70の入力端に接続する。よって、表面材51の裏面511に無線ICタグが形成される。表面材51の裏面511に該無線ICタグが形成された後、接着剤53により機能部材54と表面材51の裏面511とを接着して、機能部材54と底材52の裏面521とを接着して、この三者を一体化させて密着させ、図9に示す装飾図案付きの無線ICタグ91を作り出す。
【0021】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法は、包装部材の加工プロセスのより高速化より簡素化を図るため、無線ICタグを、表面材51の外面512に形成する。図10に示す通り、該製造方法は以下の手順を含む。
まず、ステップ200において、図11に示す通り、凹版印刷技術により表面材51の裏面511にインキ層60を印刷して、装飾図案(各種装飾、説明又は広告類の文字、符号、図案又は画像)を形成し、表面材51の外面512に保護層55(電気メッキ用のアンカーコート処理剤など)を印刷し、保護層55上に水溶性部材からなる溶解層61を印刷する。溶解層61の所定区域611に水溶性部材が印刷されていない図案612が形成される。
【0022】
次に、ステップ201において、図12に示す通り、接着剤53により表面材51の裏面511と底材52の裏面521とを密着させる。
次に、ステップ202において、図13に示す通り、表面材51の外面512、すなわち、溶解層61と所定区域611との表面に、塗布、スパッタリング又は蒸着により導電層62を形成する。保護層55は、表面材51より高い耐熱温度を備える。保護層55が表面材51に塗布されることによって、表面材51を保護できる。従って、スパッタリング又は蒸着処理の際に、高温による表面材51の品質変化が防げる。
【0023】
次に、ステップ203において、表面材51の外面512に導電層62が形成された後、水溶液により表面材51の外面512をすすぎ、該水溶液を溶解層61に浸透させて、水溶性部材を溶解させて、水溶性部材とその上に覆われた導電層62とを保護層55より剥離させる。このように、所定区域611の水溶性部材が印刷されていない図案612上を覆った導電層62は、図14に示す通り、必要な受発信アンテナ70の図案に構成される。
最後に、ステップ204において、チップ80と受発信アンテナ70の導入端とを接続することにより、表面材51の外面512に無線ICタグが形成され、図14に示す装飾図案付き無線ICタグの包装部材92が作り出される。
【0024】
以上に述べた本発明の実施形態は好ましい実施形態の一部であり、本発明を実施するときはこれに限られることなく、当該技術に熟知する者は本発明の理念に基づいて、表面材又は底材の厚さの改変又は機能部材あるいは保護層を増減して、包装部材の構造を改変又は前記した手順を変更し、あるいは必要に応じて、前記した実施形態において、該表面材の装飾図案付きのインキ層の印刷を除くことができる。
上述したのは本発明にかかる実施形態である。ただし、本発明は前記の例に限られるものではない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本発明に基づいて、容易に完成することができるものはなお本発明の特許請求範疇に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の無線ICタグの生産プロセスを示す模式図である。
【図2】従来の包装部材の構造を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による無線ICタグ付き包装部材を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材を示す断面図である。
【符号の説明】
【0026】
50、90、91、92:包装部材、51:表面部材、52:底材、511、521:裏面、512:外面、53:接着剤、54:機能部材、55:保護層、60:インキ層、61:溶解層、611:所定区域、612:図案、62:導電層、70:受発信アンテナ、80:チップ
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の包装袋にアンテナを製造する方法であって、特に一種の包装部材に無線ICタグを製造する方法とその製品に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ICタグ(Radio Frequency Identification,RFID)技術は、無線認識票ともいう。それは一種の通信技術であって、識別システムが無線通信信号を通じて、当該識別システムと特定目標との間に機械的又は光学的な接触を介さずに、特定目標の関連データを読み書きするものであって、通常の無線ICタグは、受発信アンテナとチップとからなる。
そのうち、チップは、受発信アンテナの入力端に接続される。使用の無線ICタグ技術は、その性質により、以下の3種類に分けられる。
【0003】
(イ)受動式:受動式無線ICタグの内部に供給電源がなく、該チップは受発信アンテナの受信電磁波によって駆動される。電磁波は、識別システムの無線ICタグリーダーより発信される。通常、受発信アンテナの役目は二つある。一つ目は、リーダーから発信された電磁波を受信してチップを駆動する。二つ目は、無線ICタグからの信号フィードバックに対して、受発信アンテナの抵抗を切り換えることによって、0と1のデータが生成される。受動式無線ICタグは、廉価、電源不要という長所があるため、無線ICタグ市場の主流となっている。
【0004】
(ロ)半受動式:半受動式無線ICタグは、受動式無線認識票に類似する。ただし、小型電池が取り付けられている点で受動式無線ICタグと異なっている。小型電池は、チップを駆動して稼働状態を維持する。その長所として、該受発信アンテナは電磁波を受信する必要がなく、信号フィードバックのみに使用される。よって、半受動式無線ICタグは受動式無線ICタグに比べて、より高速かつより良い応答が可能で、効率も高い。しかしながら、製造コストが高いほか、一定の使用寿命の制限を受ける。
(ハ)主動式:受動式及び半受動式無線ICタグと異なるところは、主動式無無線ICタグ内部自体に電源装置を取り付けて、チップ信号の発信電源とすることである。よって、一般に、主動式無線ICタグは、長距離の読み取り能力と大容量メモリとによって、リーダーから伝送された付属情報の格納ができる。
【0005】
無線ICタグ技術は、主に無線ICタグ市場主流である受動式無線ICタグに基づくものである。この種の無線ICタグは以下の長所を有するため、多くの産業の認識技術の主流となっている。
(イ)格納データ量が多い。
(ロ)通信距離が長い。
(ハ)コピーが困難である。
(ニ)環境変化耐性が良い。
(ホ)複数の無線ICタグを同時に読み込むことができる。
【0006】
しかしながら、受動式無線ICタグの欠点として、構築コストが高いため、2005年初期に1個当たりの無線ICタグは、ユーロ30セントが掛かっている。一方、大量生産技術が駆使された場合、そのコストは大幅に軽減される。大ロット生産、例えば、10億個以上単位、の無線ICタグであれば、2008年度にはユーロ10セント以下に引き下がる見込みである。
【0007】
無線ICタグの応用分野は極めて広い。その決定的な要素は無線ICタグの関連分野における経済効果にあり、具体的な応用分野として、以下のようなものがある。
(イ)紙幣と製品との偽造防止技術。
(ロ)身分証明書、通行パス(入場券を含む。)。
(ハ)電子料金収受システム(台湾のイージーカードと香港のオクトパスカード)。
(ニ)家畜又は野生動物の識別。
(ホ)患者の識別と電子カルテ。
【0008】
このほか、無線ICタグの応用分野は物流管理分野に繰り広がっており、商品設計、原材料調達、半製品と製品の生産、輸送、倉庫保管、配達、販売ないし返品処理ならびにアフターサービスなどすべてのサプライチェーンのリアルタイム監視制御を通じて、製品タイプ、生産者、製造時間、場所、カラー、寸法、数量、仕向け地、受取人など製品関連情報が正確に把握できる。
【0009】
従来、広く使用される無線ICタグの一例を図1に示す。無線ICタグ10の受発信アンテナ20とチップ30とは、ポリイミド(Polyimide)基材40上に敷設される。その作り方として、ポリイミド基材40の一表面に1層の銅箔41を貼り付けて、フレキ銅箔基板を形成した後、エッチング技術により銅箔41上に必要な受発信アンテナ20を食刻して作り出す。チップ30を受発信アンテナ20の入力端21に接続して、無線ICタグ10を作り出す。しかしながら、この種の無線ICタグは生産プロセスが複雑であることのみならず、コストも高い。また、前記の製品物流管理に応用するとき、包装袋を製造した後の加工手順として、無線ICタグを包装袋外表面への貼り付ける作業がある。このため、生産加工コストが増えるほか、包装袋の外観設計を損なってしまう。さらに、貼り付けの不備は無線ICタグの加工や輸送中の破損又は剥離を引き起こすおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、製品又はその包装袋を製造するときに、無線ICタグをその製品又は包装袋上に作ることによって、無線ICタグの製造コストを大幅に軽減し、製品加工コストを増やすことなく、包装袋の外観設計を損なわない無線ICタグ付き包装部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線ICタグ付き包装部材は、少なくとも表面材と底材とを備える。無線ICタグ付き包装部材の製造方法は、凹版印刷技術により、表面材の裏面にインキ層、例えば各種装飾又は広告図案あるいは画像、を印刷し、該インキ層上に保護層、例えば電気メッキ用のアンカーコート(anchorcoat)処理剤など、を印刷して、該保護層上に水溶性部材、例えば水溶性樹脂など、からなる溶解層を印刷し、該溶解層の所定区域に該水溶性部材が印刷されていない図案が形成される。引き続き、該裏面に導電層、例えばアルミ又は銅成分などを含む導電層、を塗布又は蒸着する。該表面材の裏面に該導電層が形成された後、水溶液により該表面材の裏面をすすぎ、該水溶液を該溶解層に浸透させて、該水溶液部材を溶解させて、該水溶性部材とその上部に覆われている該導電層とを該保護層より剥離させる。これによって、該所定区域上の該水溶性部材が印刷されていない図案を覆った該導電層は、必要な受発信アンテナの図案に構成される。チップを該受発信アンテナの導入端に接続して、該表面材の裏面に無線ICタグを作り出す。さらに、接着剤で該表面材の裏面と底材の裏面とを密着させ、装飾図案と無線ICタグとを備えた包装部材を作り出す。
【0012】
また、本発明に係る無線ICタグ付き包装部材の製造方法は、凹版印刷技術により、該表面材の裏面にインキ層、該表面材の外面に保護層、例えば電気メッキ用のアンカーコート処理剤など、をそれぞれ印刷する。さらに、該保護層に水溶性部材からなる溶解層を印刷した後、該溶解層の所定区域に該水溶性部材が印刷されていない図案が形成される。接着剤で該表面材の裏面と底材の裏面とを密着させる。引き続き該表面材の外面に導電層を塗布又は蒸着する。該表面材外面に該導電層が形成された後、水溶液により該表面材の外面をすすぎ、該水溶液を該溶解層に浸透させて、該水溶性部材を溶解させて、該水溶性部材とその上に覆われた該導電層とを該保護層より剥離させる。これによって、該所定区域上で該水溶性部材が印刷されていない図案に覆われた該導電層は、必要な受発信アンテナの図案に構成される。最後に、チップを該受発信アンテナの導入端に接続して、該表面材の外面に無線ICタグを作り出す。
【0013】
また、前記した方法によって作られた包装部材を、メーカの各種無線ICタグ付き商品、例えば包装袋など、の製造に提供することができる。
なお、該包装部材は、さらに機能部材を有する。該機能部材の二つの対応端部は、接着剤により、該表面材の裏面と底材の裏面とに接着される。該機能部材は、該包装部材の構造強度、気密性又は防水性を強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の目的、処理手順及びその効果のさらなる認識と理解を図るため、以下の通り実施形態を図面に基づいて、詳しく説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材とその製造方法について、説明する。本実施形態による製造方法は、主に包装部材に応用される。図2に示す通り、従来の包装部材50は、通常各種商品、例えば、包装袋など、を製造するプラスチック製透明フィルムの基材であり、少なくとも表面材51、底材52及び接着剤53を備える。そのうち、表面材51は、OPP又はPETなどのプラスチック製の透明又は不透明フィルムである。底材52は、PE又はPPなどのプラスチック製の透明又は不透明フィルムである。接着剤53は1層のグルーであって、表面材51と底材52とを密着させる。これにより、包装部材50が作り出される。
【0015】
本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法を示すフローチャートを図3に示す。該方法は以下の手順を含む。
まず、ステップ100において、図4に示す通り、凹版印刷技術により、表面材51の裏面511にインキ層60を印刷して、装飾図案(各種装飾、説明又は広告類の文字、符号、図案又は画像)を形成し、インキ層60上に保護層55(電気メッキ用のアンカーコート処理剤など)を印刷して、保護層55上に水溶性部材(水溶性樹脂など)からなる溶解層61を印刷する。溶解層61の所定区域611に水溶性部材が印刷されていない図案612が形成される。
【0016】
次に、ステップ101において、裏面511、すなわち溶解層61及び所定区域611の表面に、塗布、スパッタリング又は蒸着により、導電層62を形成する。図5に示す通り、導電層62は、アルミ又は銅成分を含む導電部材であっても良い。なお、保護層55は、表面材51又はインキ層60より高い耐熱機能を備える。従って、保護層55がインキ層60に塗布されることによって、表面材51又はインキ層60を保護することができ、また、スパッタリング又は蒸着処理の際に、高温による表面材51又はインキ層60の品質変化(黒変など)を防げる。
【0017】
次に、ステップ102において、表面材51の裏面511に導電層62が形成された後、水溶液により表面材51の裏面511をすすぎ、該水溶液を溶解層61に浸透させて、水溶性部材を溶解させて、水溶性部材とその上に覆われた導電層62とを保護層55より剥離させる。従って、所定区域611の水溶性部材が印刷されていない図案612上を覆った導電層62は、図6に示す通り、必要な受発信アンテナ70の図案に構成される。
【0018】
次に、ステップ103において、チップ80を受発信アンテナ70の入力端に接続して、図7に示す通り、表面材51の裏面511に無線ICタグが形成される。
最後に、ステップ104において、図2に示す通り、接着剤53により、表面材51の裏面511と底材52の裏面521とを密着させ、図8に示す装飾図案と無線ICタグ付き包装部材90を作り出す。
【0019】
従って、本実施形態によれば、包装部材90上に装飾図案を印刷すると同時に、包装部材90に無線ICタグを作ることにより、生産プロセスの簡素化が図られ、加工コストが軽減できる。なお、無線ICタグは包装部材90内部に覆われているため、製品又は包装袋の外観設計を損なわない。また、無線ICタグは包装部材90に保護されるため、製品加工や輸送途中に破損することがない。包装部材90によって、商品の設計と製造をする業者は、無線ICタグが必要な商品を作り出すことができる。商品についた無線ICタグの提供情報によって、商品の生産、輸送、倉庫保管、販売ないし返品処理、アフターサービスなど、すべての供給チェーンのリアルタイム監視管理を実現し、物流管理の効率を向上させ、物流管理の販売管理費を大幅に軽減できる。
【0020】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による包装部材90は、表面材51の裏面511と底材52の裏面521との間に、図9に示すように、必要に応じて機能部材54を追加する。機能部材54は、ポリアミド系合成繊維部材又はその他プラスチック製フィルムであり、包装部材91の構造強度、気密性又は防水性を強化できる。さらに、表面材51の裏面511にインキ層60、保護層55、溶解層61及び導電層62を順番に塗布して、保護層55上に受発信アンテナ70の図案を形成した上、チップ80を受発信アンテナ70の入力端に接続する。よって、表面材51の裏面511に無線ICタグが形成される。表面材51の裏面511に該無線ICタグが形成された後、接着剤53により機能部材54と表面材51の裏面511とを接着して、機能部材54と底材52の裏面521とを接着して、この三者を一体化させて密着させ、図9に示す装飾図案付きの無線ICタグ91を作り出す。
【0021】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法は、包装部材の加工プロセスのより高速化より簡素化を図るため、無線ICタグを、表面材51の外面512に形成する。図10に示す通り、該製造方法は以下の手順を含む。
まず、ステップ200において、図11に示す通り、凹版印刷技術により表面材51の裏面511にインキ層60を印刷して、装飾図案(各種装飾、説明又は広告類の文字、符号、図案又は画像)を形成し、表面材51の外面512に保護層55(電気メッキ用のアンカーコート処理剤など)を印刷し、保護層55上に水溶性部材からなる溶解層61を印刷する。溶解層61の所定区域611に水溶性部材が印刷されていない図案612が形成される。
【0022】
次に、ステップ201において、図12に示す通り、接着剤53により表面材51の裏面511と底材52の裏面521とを密着させる。
次に、ステップ202において、図13に示す通り、表面材51の外面512、すなわち、溶解層61と所定区域611との表面に、塗布、スパッタリング又は蒸着により導電層62を形成する。保護層55は、表面材51より高い耐熱温度を備える。保護層55が表面材51に塗布されることによって、表面材51を保護できる。従って、スパッタリング又は蒸着処理の際に、高温による表面材51の品質変化が防げる。
【0023】
次に、ステップ203において、表面材51の外面512に導電層62が形成された後、水溶液により表面材51の外面512をすすぎ、該水溶液を溶解層61に浸透させて、水溶性部材を溶解させて、水溶性部材とその上に覆われた導電層62とを保護層55より剥離させる。このように、所定区域611の水溶性部材が印刷されていない図案612上を覆った導電層62は、図14に示す通り、必要な受発信アンテナ70の図案に構成される。
最後に、ステップ204において、チップ80と受発信アンテナ70の導入端とを接続することにより、表面材51の外面512に無線ICタグが形成され、図14に示す装飾図案付き無線ICタグの包装部材92が作り出される。
【0024】
以上に述べた本発明の実施形態は好ましい実施形態の一部であり、本発明を実施するときはこれに限られることなく、当該技術に熟知する者は本発明の理念に基づいて、表面材又は底材の厚さの改変又は機能部材あるいは保護層を増減して、包装部材の構造を改変又は前記した手順を変更し、あるいは必要に応じて、前記した実施形態において、該表面材の装飾図案付きのインキ層の印刷を除くことができる。
上述したのは本発明にかかる実施形態である。ただし、本発明は前記の例に限られるものではない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本発明に基づいて、容易に完成することができるものはなお本発明の特許請求範疇に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の無線ICタグの生産プロセスを示す模式図である。
【図2】従来の包装部材の構造を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による無線ICタグ付き包装部材を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による無線ICタグ付き包装部材を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材の製造過程を示す断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による無線ICタグ付き包装部材を示す断面図である。
【符号の説明】
【0026】
50、90、91、92:包装部材、51:表面部材、52:底材、511、521:裏面、512:外面、53:接着剤、54:機能部材、55:保護層、60:インキ層、61:溶解層、611:所定区域、612:図案、62:導電層、70:受発信アンテナ、80:チップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹版印刷技術により、表面材の裏面に保護層を印刷し、前記保護層上に水溶性部材からなる溶解層を印刷して、前記溶解層の所定区域に前記水溶性部材が印刷されていない図案を形成するステップと、
前記溶解層及び前記所定区域の表面に導電層を形成するステップと、
水溶液により前記表面材の裏面をすすぎ、前記水溶性部材とその上に覆われた前記導電層とを前記保護層より剥離させ、前記所定区域の前記水溶性部材が印刷されていない前記図案上を覆った前記導電層が受発信アンテナの図案に構成されるステップと、
チップを前記受発信アンテナの入力端に接続し、前記表面材の裏面に無線ICタグを形成するステップと、
接着剤で前記表面材の裏面と底材の裏面とを密着させるステップと、
を含むことを特徴とする無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項2】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項1に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項3】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を有し、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項2に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項4】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項3に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項5】
前記表面材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤により前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項1から4に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項6】
前記機能部材は、ポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項7】
前記表面材は、OPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項8】
前記表面材は、PE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項7に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項9】
凹版印刷技術により、表面材の外面に保護層を印刷し、前記保護層上に水溶性部材からなる溶解層を印刷し、前記溶解層の所定区域に前記水溶性部材が印刷されていない図案を形成するステップと、
接着剤により前記表面材の裏面と底材の裏面とを密着させるステップと、
前記溶解層及び前記所定区域の表面に導電層を形成するステップと、
水溶液により前記表面材の外面をすすぎ、前記水溶性部材とその上に覆われた前記導電層とを前記保護層より剥離させ、前記所定区域の前記水溶性部材が印刷されていない前記図案上を覆った前記導電層が受発信アンテナ図案に構成されるステップと、
チップを前記受発信アンテナの入力端に接続し、前記表面材の外面に無線ICタグを形成するステップと、
を含むことを特徴とする無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項10】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項9に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項11】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を備え、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項10に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項12】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項11に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項13】
前記底材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤により前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項9から12に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項14】
前記機能部材は、ポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項13に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項15】
前記表面材は、OPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項14に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項16】
前記表面材は、PE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項15に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項17】
表面材と、
前記表面材の裏面に印刷される保護層と、
前記保護層に印刷されて、受発信アンテナの図案に構成される導電層と、
前記受発信アンテナの入力端に接続されて、無線ICタグが形成されるチップと、
底材と、
前記表面材の裏面と前記底材の裏面とを密着させる接着剤と、
を備えることを特徴とする無線ICタグ付き包装部材。
【請求項18】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項17に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項19】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を有し、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項18に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項20】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項19に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項21】
前記底材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤により前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項17から20に記載の無線ICタグ付き方法。
【請求項22】
前記機能部材はポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項21に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項23】
前記表面材はOPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項22に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項24】
前記表面材はPE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項23に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項25】
表面材と、
前記表面材の外面に印刷される保護層と、
前記保護層上に形成され、受発信アンテナ図案に構成される導電層と、
前記受発信アンテナの入力端に接続され、無線ICタグが形成されるチップと、
底材と、
前記表面材の裏面と前記底材の裏面とを密着させる接着剤と、
を備えることを特徴とする無線ICタグ付き包装部材。
【請求項26】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項25に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項27】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を備え、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項26に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項28】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項27に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項29】
前記底材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤が前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項25から28に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項30】
前記機能部材は、ポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項29に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項31】
前記表面材はOPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項30に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項32】
前記表面材はPE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項31に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項1】
凹版印刷技術により、表面材の裏面に保護層を印刷し、前記保護層上に水溶性部材からなる溶解層を印刷して、前記溶解層の所定区域に前記水溶性部材が印刷されていない図案を形成するステップと、
前記溶解層及び前記所定区域の表面に導電層を形成するステップと、
水溶液により前記表面材の裏面をすすぎ、前記水溶性部材とその上に覆われた前記導電層とを前記保護層より剥離させ、前記所定区域の前記水溶性部材が印刷されていない前記図案上を覆った前記導電層が受発信アンテナの図案に構成されるステップと、
チップを前記受発信アンテナの入力端に接続し、前記表面材の裏面に無線ICタグを形成するステップと、
接着剤で前記表面材の裏面と底材の裏面とを密着させるステップと、
を含むことを特徴とする無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項2】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項1に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項3】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を有し、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項2に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項4】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項3に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項5】
前記表面材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤により前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項1から4に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項6】
前記機能部材は、ポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項7】
前記表面材は、OPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項8】
前記表面材は、PE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項7に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項9】
凹版印刷技術により、表面材の外面に保護層を印刷し、前記保護層上に水溶性部材からなる溶解層を印刷し、前記溶解層の所定区域に前記水溶性部材が印刷されていない図案を形成するステップと、
接着剤により前記表面材の裏面と底材の裏面とを密着させるステップと、
前記溶解層及び前記所定区域の表面に導電層を形成するステップと、
水溶液により前記表面材の外面をすすぎ、前記水溶性部材とその上に覆われた前記導電層とを前記保護層より剥離させ、前記所定区域の前記水溶性部材が印刷されていない前記図案上を覆った前記導電層が受発信アンテナ図案に構成されるステップと、
チップを前記受発信アンテナの入力端に接続し、前記表面材の外面に無線ICタグを形成するステップと、
を含むことを特徴とする無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項10】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項9に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項11】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を備え、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項10に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項12】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項11に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項13】
前記底材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤により前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項9から12に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項14】
前記機能部材は、ポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項13に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項15】
前記表面材は、OPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項14に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項16】
前記表面材は、PE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項15に記載の無線ICタグ付き包装部材の製造方法。
【請求項17】
表面材と、
前記表面材の裏面に印刷される保護層と、
前記保護層に印刷されて、受発信アンテナの図案に構成される導電層と、
前記受発信アンテナの入力端に接続されて、無線ICタグが形成されるチップと、
底材と、
前記表面材の裏面と前記底材の裏面とを密着させる接着剤と、
を備えることを特徴とする無線ICタグ付き包装部材。
【請求項18】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項17に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項19】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を有し、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項18に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項20】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項19に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項21】
前記底材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤により前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項17から20に記載の無線ICタグ付き方法。
【請求項22】
前記機能部材はポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項21に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項23】
前記表面材はOPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項22に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項24】
前記表面材はPE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項23に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項25】
表面材と、
前記表面材の外面に印刷される保護層と、
前記保護層上に形成され、受発信アンテナ図案に構成される導電層と、
前記受発信アンテナの入力端に接続され、無線ICタグが形成されるチップと、
底材と、
前記表面材の裏面と前記底材の裏面とを密着させる接着剤と、
を備えることを特徴とする無線ICタグ付き包装部材。
【請求項26】
前記保護層の耐熱温度は、前記表面材より高い部材からなることを特徴とする請求項25に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項27】
前記表面材の裏面はさらにインキ層を備え、前記保護層は前記インキ層に印刷されることを特徴とする請求項26に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項28】
前記保護層の耐熱温度は、前記インキ層より高い部材からなることを特徴とする請求項27に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項29】
前記底材の裏面はさらに機能部材を備え、前記接着剤が前記表面材の裏面と前記機能部材の裏面とを密着させることを特徴とする請求項25から28に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項30】
前記機能部材は、ポリアミド系合成繊維部材又はプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項29に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項31】
前記表面材はOPP又はPETを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項30に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【請求項32】
前記表面材はPE又はPPを含むプラスチック製フィルムであることを特徴とする請求項31に記載の無線ICタグ付き包装部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−96553(P2009−96553A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−257156(P2008−257156)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(508296716)台灣積▲層▼工業股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(508296716)台灣積▲層▼工業股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】
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