説明

焼成絵柄画像形成用転写用紙及びその製造方法、並びに焼成画像形成方法

【課題】焼成後に有色であるトナー未定着画像を乱すことなく定着でき、かつ転写紙基材の糊層の機能を阻害することなく焼成絵柄画像形成用転写用紙を製造する方法及び焼成絵柄画像形成用転写用紙、並びに焼成画像形成方法の提供。
【解決手段】焼成後に有色であるトナーの樹脂を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を軟化させる軟化剤と、溶媒とを含む泡状定着液により、基体上に水溶性糊剤を含有する糊層を有する転写紙基材上に現像されたトナー画像を定着する定着工程と、トナー定着画像を含む転写紙基材上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを含む焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法及び焼成絵柄画像形成用転写用紙である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法によって、焼成後に有色であるトナーにより静電潜像を現像して得られたトナー画像を、窯業製品等の耐熱性固体表面に転写して焼き付けするのに有用なトナー画像上に樹脂層を形成した焼成絵柄画像形成用転写用紙、及び該焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法、並びに焼成画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、窯業製品等の耐熱性固体表面に絵柄を形成する方法としては、無機顔料及び釉薬成分からなる絵の具を用いて、筆などにより耐熱性固体表面上に絵柄を直接手書きし、それを通常750℃〜1,300℃で焼き付ける方法が行われている。この方法によれば、焼き付けにより、絵の具中の灰化する成分が灰化し、絵の具中の釉薬成分が溶解し、次いで、室温まで冷却される際に無機顔料が釉薬成分により耐熱性固体表面上に固定化され、該耐熱性固体表面上に手書きされた絵柄が形成される。この方法によれば、同一の絵柄を有する複数の窯業製品を得るために、簡単な絵柄においても熟練した作業員が必要になる。そこで、同一の絵柄を有する多数の窯業製品を作製する場合には、スクリーン印刷法により転写紙上に絵柄を形成した後、転写紙から絵柄を剥離して窯業製品表面に貼り付け、それを焼き付ける方法が一般に行われている。
【0003】
この方法は、例えば、特許文献1及び2には、基体上に水溶性の糊層を有する転写紙基材上にスクリーン印刷法により無機顔料等を含有するインクで画像を形成し、次いで、このインク画像上にビニル系又はセルロース系の非水溶性樹脂皮膜を形成した後、この転写紙を水に浸すことにより転写紙の糊層を溶解させてインク画像を保持した樹脂皮膜を転写紙から剥離し、インク画像を保持した樹脂皮膜を窯業製品の表面、例えば皿等の表面に貼り付け、それを焼き付ける方法が提案されている。
この提案のスクリーン印刷法によれば、同一絵柄のインク画像を有する多数の転写紙を作製し、そのインク画像を多数の窯業製品表面に貼り付け、それを焼き付けることにより、同一絵柄を有する多数の窯業製品を得ることができる。
しかし、前記提案のスクリーン印刷法では、絵柄用のインク画像を形成するための版を作製する工程が複数あり、膨大な時間と労力が必要となり、即時性に欠けるばかりでなく、少ロットで多品種の製品を作製する場合には製品1個あたりの単価が高くなるという難点がある。また、印刷の際には有機溶剤を大量に使用するので、作業環境が悪くなるという不具合もある。
【0004】
このようなスクリーン印刷法による問題点を解決する方法として、例えば電子写真法を用いて、基体上に水溶性糊剤を含有する糊層を有する転写紙基材上に絵柄形成用のトナー(有機重合体、無機顔料、及びガラス成分からなる複合粉体と、結着樹脂と、窯業用顔料とを含有する焼成後に有色である絵柄用のトナー等)による絵柄用の画像を形成し、該絵柄用画像を保持した樹脂皮膜を窯業製品の表面に貼り付け、それを焼き付ける方法が提案されている(特許文献3〜5参照)。
この方法によれば、絵柄用トナー画像を容易に形成することができ、スクリーン印刷法に比べて工程が飛躍的に簡易化され、即時性に優れていると共に、少ロット多品種の製品を容易に作製することができる。また、前記提案では、電子写真法によって基体上に水溶性の糊層を有する転写紙基材上に絵柄用トナー画像を形成させる際には熱定着方式が採用されている。
しかし、熱定着方式の場合、基体上に水溶性の糊層を有する転写紙への絵柄形成用トナーの定着性が悪く、歩留まりが悪いという課題がある。
また、原紙上に水溶性の糊層を持たない通常の一般紙へのオフィス使用トナーの定着方式において熱定着方式は広く用いられている方式であるが、電子写真方式の画像形成装置における消費電力の半分以上が熱定着方式の加熱に費やされており、昨今の環境問題の観点から加熱温度を下げるか全く加熱しないで定着させる非加熱定着方式が種々提案されている。
例えば特許文献6には、シリコーンオイルに溶解する溶媒にてトナーを溶解させる方法が提案されている。
また、特許文献7には、トナーを溶解乃至膨潤可能で、水に不溶又は難溶である有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着液剤として調合した液体を、未定着のトナーが所定位置に配設された紙等の被定着物の表面から噴霧又は滴下してトナーを溶解乃至膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が提案されている。
これらの提案の方法によれば、トナーを非加熱で定着させることができる。しかし、これらの提案方法では、定着液を塗布又は噴霧する際や、塗布後の液体の表面張力の影響により未定着トナーが移動してしまい画像が大幅に乱れてしまうという不具合があり、更に水分除去が必要となり実用的なものではない。
【0005】
また、特許文献8には、トナーの樹脂を溶解乃至膨潤させる軟化剤を含有した泡状定着液を調合し、泡状定着液を均一塗布することによりトナー画像を乱すことなく非加熱定着させる方法が提案されている。この提案の方法によれば、トナー画像を乱すことなく紙等の被定着物に熱をかけることなくトナーを定着させることが可能になる。
被定着物として原紙上に水溶性の糊層を有する転写紙基材上に絵柄形成用のトナー画像を形成する場合には、糊層の機能低下が懸念されるが、詳細な検討はなされていないものの、絵柄用トナー画像形成後に樹脂層を形成し、この絵柄用トナー画像層を保持した樹脂層を有する絵柄形成用転写紙を水に浸すことにより、基体上の糊層が溶解して、絵柄用トナー画像を転写紙から剥離させることが可能となり、絵柄用トナー画像を保持した樹脂層を窯業製品の表面に貼り付けた後、それを焼き付けることが可能であると考えられる。
【0006】
しかしながら、非加熱定着用の定着液又は泡状定着液には水分が多く含まれており、それによる糊層の変質や機能低下を考慮した非加熱定着方式については、未だ十分な検討がなされていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、焼成後に有色であるトナー未定着画像を乱すことなく定着でき、かつ転写紙基材の糊層の機能を阻害することなく焼成絵柄画像形成用転写用紙を製造する方法及び焼成絵柄画像形成用転写用紙、並びに焼成画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 焼成後に有色であるトナーの樹脂を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を軟化させる軟化剤と、溶媒とを含む泡状定着液により、基体上に水溶性糊剤を含有する糊層を有する転写紙基材上に現像されたトナー画像を定着する定着工程と、
トナー定着画像を含む転写紙基材上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を含むことを特徴とする焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法である。
<2> 定着工程において定着部を加温しない前記<1>に記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法である。
<3> 定着工程における定着温度が、定着液における溶媒の沸点以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法である。
<4> 定着工程において加圧を行う前記<1>から<3>のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法である。
<5> 定着液が、転写紙基材の糊層と相互作用しない表面張力調整剤を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法である。
<6> 定着液が、転写紙基材の糊層と相互作用しない増粘剤を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法である。
<7> 定着液が、転写紙基材の糊層と相互作用しない起泡剤を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法により製造されたことを特徴とする焼成絵柄画像形成用転写用紙である。
<9> 前記<8>に記載の焼成絵柄画像形成用転写紙を水に浸し、転写紙基材の糊層を溶解させて焼成後に有色であるトナー定着画像を保持した樹脂層を耐熱性固体表面に貼り付けた後、焼き付けることを特徴とする焼成画像形成方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、焼成後に有色であるトナー未定着画像を乱すことなく定着でき、かつ転写紙基材の糊層の機能を阻害することなく焼成絵柄画像形成用転写用紙を製造する方法及び焼成絵柄画像形成用転写用紙、並びに焼成画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、転写紙基材の一例を示す概略断面図である。
【図3A】図3Aは、図2に示す転写紙基材と普通紙の吸水量を測定した結果を示すグラフである。
【図3B】図3Bは、図3Aで測定した転写紙基材の3時間後の吸水量0.13gが100℃以上になった時、全て気化したと仮定した場合の体積変化を算出した結果を示すグラフである。
【図4】図4は、定着装置における泡状定着液生成手段の構成を示す概略図である。
【図5A】図5Aは、定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。
【図5B】図5Bは、定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(焼成絵柄画像形成用転写用紙及び焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法)
本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法は、定着工程と、樹脂層形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙は、本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法により製造される。
以下、本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法の説明を通じて、本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の詳細についても明らかにする。
【0012】
ここで、本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙は、図2に示す基体上に水溶性の糊層を有する転写紙基材8上に、図1に示す後述する焼成後に有色であるトナー画像層6と、該トナー画像層6を含む該転写紙基材8上に樹脂層7を有する。
図1に示す焼成絵柄画像形成用転写用紙を水に浸すと、糊層の水溶性糊剤が溶けて樹脂層7で保持された焼成後に有色であるトナー画像層6が図1の第一コート層3から分離するので、これを窯業製品等の耐熱性固体表面に貼り付け、焼き付けることにより、耐熱性固体表面に焼成画像を形成することができる。
【0013】
図2は、本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙に用いる転写紙基材8の概略図である。この転写紙基材8は、基体としての原紙2上に、三種のコート層3,4,5を有する。
前記原紙2は、広葉樹等から抄造したノーサイズ原紙であり、該原紙2上にピグメントを有する第一コート層用塗工液を塗工することにより第一コート層3を形成する。前記第一コート層用塗工液にはクレー、軽質炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム等のピグメント他、各種ラテックス、潤滑剤、保水剤を含有させることもできる。
【0014】
前記第一コート層3上の第二コート層4及び第三コート層5は、それぞれ遅水性再湿糊層及び速水溶性再湿糊層からなる。
前記遅水性再湿糊層である第二コート層4の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば吸水性を抑制するための可溶性デンプン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、デキストリン、アラビアゴム等の水溶性樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
前記速水溶性再湿糊層である第三コート層5の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば黄色デキストリン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の合成系水溶性接着剤、酸化デンプン、エステル化澱粉、酵素変性澱粉、又はこれらをフラッシュ乾燥して得られる冷水可溶性澱粉等の天然系水溶性接着剤、スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体等の疎水性樹脂エマルジョンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
図1に示す本発明の焼成絵柄画像形成用転写紙を水に浸すと、転写紙基材8の第二コート層4と第三コート層5は、水に溶解する。その結果、焼成後に有色であるトナー画像層6は樹脂層7に保持された状態で第一コート層3から分離する。
電子写真方式によりトナー画像を形成する本発明の場合には、転写紙基材8をカット紙として使用することになるが、原紙2の裏面にカール防止などのためにエチレングルコール等からなる吸水性が十分に良好なバックコート層1を有していてもよい。
【0017】
<定着工程>
前記定着工程は、焼成後に有色であるトナーの樹脂を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を軟化させる軟化剤と、溶媒とを含む泡状定着液により、基体上に水溶性糊剤を含有する糊層を有する転写紙基材上に現像されたトナー画像を定着する工程である。
【0018】
電子写真方式でトナー画像を定着する場合には、通常120℃〜160℃程度の定着ローラの熱にてトナーを可塑化させ定着させる方式が一般的である。しかし、図2に示すような水溶性の糊層を有する転写紙基材を用いた場合には、定着したトナー画像層が脱離するという不具合を有する。この現象は通常のオフィス用紙では全く観測されない現象であるため、トナー画像層の脱離は、転写紙基材に原因があると考えられる。
【0019】
ここで、図3Aは、A4サイズに裁断した原紙2の裏面にカール防止のためのバックコート層を持たない図2に示す転写紙基材8(SK−120、日東紙工業株式会社製)及び普通紙(タイプ6000−70W、株式会社リコー製)の吸水量を測定した結果を示す。製造直後の転写紙基材と普通紙のそれぞれを温度及び湿度が28℃で75%RHの環境中に3時間放置し、経過時間における質量増加分を測定した。質量増加分は吸水量を示すが、転写紙基材の吸水量は普通紙の2倍以上であることが分かった。次に、吸水量を測定したそれぞれの紙を40℃で60%RHの室温環境下に一昼夜放置した後、それぞれの質量変化量を測定した。その結果、転写紙基材の質量変化量は殆どなく、一方、普通紙の質量変化量は製造直後程度まで減量していた。これらの結果から、転写紙基材は、製造後に高湿環境下にさらされると水分を吸収し、一旦吸収した水分は普通紙の場合とは異なり、40℃程度の環境下では放出されないことが分かった。
【0020】
また、電子写真方式の熱定着において、定着温度は100℃以上であるが、水は通常の圧力下において100℃を超えると液体から気化することは広く知られている。
図3Bは、図3Aにて測定した転写紙基材の3時間後の吸水量0.13gが100℃以上になった時、全て気化したと仮定した場合の体積変化を算出した結果である。水の気化による体積膨張変化からcmあたりの高さ方向変化量は、例えば100℃の場合7.1mm、200℃の場合には7.6mm程度であり、転写紙基材表面とトナー画像層表面に空間が生ずることが分かる。
したがって、図2に示す水溶性の糊層を有する転写紙基材におけるトナー画像層の脱離現象には、100℃以上のトナー定着工程にて転写紙基材の吸水成分の気化による体積膨張が関与していること推定される。
一方、100℃未満におけるトナーの定着方法としては、各種非加熱定着方式を単独又は併用して採用することができ、例えば、光照射によりトナーを可塑化させる方法も有効であるが、光照射により発生した熱が局所的に吸水成分の気化を促進することも確認されていることから、トナーの樹脂を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を軟化させる軟化剤を含む定着液を用いる方法が特に好ましい。
【0021】
−定着液−
前記定着液は、トナーの樹脂を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を軟化させる軟化剤と、溶媒を含有し、表面張力調整剤、増粘剤、起泡剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0022】
−−軟化剤−−
前記軟化剤は、トナーの樹脂を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を軟化させる機能を有し、脂肪族エステルが好適である。
前記脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させることで軟化させる機能に優れている。また、転写紙基材の水溶性糊剤を含有する糊層を変質させることがないものが好ましく、脂肪族モノカルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステルなどが挙げられる。
前記脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。前記脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって糊層への影響は無い。
前記脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、これらも脂肪族モノカルボン酸エステル同様に、糊層への悪影響はない。
【0023】
前記軟化剤の前記定着液における含有量は、6質量%〜20質量%が好ましく、8質量%〜16質量%がより好ましい。
【0024】
−−溶媒−−
前記希釈溶媒としては、水、水にアルコール類等を添加した水性溶媒、などが挙げられる。これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水としては、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
【0025】
前記定着液は、泡状にした後、トナー未定着画像に付与することで、トナー画像を乱すことなく未定着トナーを定着させることができる。しかし、本発明で用いられる転写紙基材上には水溶性の糊層があり、該糊層の変質は軟化剤を含む泡状の定着液の媒体が水であることから、泡状定着液のかさ密度に留意する必要がある。
前記泡状定着液のかさ密度は、0.04g/cm〜0.1g/cmであることが好ましい。前記かさ密度が、0.04g/cm未満であると、泡状定着液の媒体である水成分が多いために糊層を溶解してしまい、定着後の樹脂層の分離に支障をきたすことがあり、0.1g/cmを超えると、未定着画像を定着する際に画像が乱れることがある。
【0026】
前記かさ密度は、軟化剤を含む泡状定着液に増粘剤、起泡剤、表面張力調整剤を定量調合することで調節することができる。
前記表面張力調整剤としては、転写紙基材の糊層と相互作用しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアクリル系、シリコーン系、ビニル系、フッ素系、アルコール類、グリコール類などが挙げられる。表面張力が40mN/m以下であり、25℃における粘度が100mPa・s以下のアルコール類としては、例えば、1−ブタノール、1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、n−ブチルカルビトール、などが挙げられる。これらの中でも、2−n−ブトキシエタノール、1−ブタノールが、糊層の水溶性特性を維持させるという機能の観点から特に好ましい。
【0027】
前記増粘剤としては、転写紙基材の糊層と相互作用しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0028】
前記起泡剤としては、転写紙基材の糊層と相互作用しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の合成界面活性剤;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、などが挙げられる。
【0029】
−焼成後に有色であるトナー−
前記焼成後に有色であるトナーは、着色剤、及び樹脂を含有し、釉薬フリット、帯電制御剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0030】
前記焼成後に有色であるトナーとは、450℃以上の温度に加熱したときに灰化しない着色剤を含有するトナーを意味する。
【0031】
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周期律表の1族のCu、Ag、Au、2族のCd、4族のTi、5族のV、Sb、6族のSe、Cr、Mo、W、U、7族のMn、8族のFe、Co、Ni、Ir、Pt等の元素の酸化物などを、1種単独あるいは配合(混合)した窯業用顔料などが挙げられる。
従来の窯業用顔料は、一般に顔料自身の吸光係数が低くいため、着色剤としてこれら窯業用顔料を含有するトナーを用いて画像濃度の高いフルカラー画像を形成させるには、トナー付着量を多くすることが必要となる。
【0032】
前記焼成後に有色であるトナーにおける着色剤としては、前記金属又はその酸化物を複数配合(混合)し、これを1,000℃〜1,200℃に加熱して溶融し、複数金属の合金化処理を施した合金顔料が好ましい。
前記合金顔料は、吸光係数が高く、着色剤としてこの合金顔料を含有するトナーを用いることにより、少ないトナー付着量で画像濃度の高いフルカラー画像を形成することができる。複数金属の合金化により着色度が高くなる理由としては、単体の金属のときには縮重していた金属元素のd軌道が複合金属の影響でスプリットすることにより、電子遷移可能な軌道数が増加し、見かけ上の振動子強度が増加するためであると推定される。
前記着色剤のトナーにおける含有量は、60質量%〜90質量%が好ましく、70質量%〜85質量%がより好ましい。
【0033】
−−樹脂−−
前記樹脂としては、特に制限はなく、従来公知のトナーに使用されている樹脂成分を用いることができ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシポリオール系樹脂、テルペン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−n−ブチル共重合体、などが挙げられる。
前記樹脂の灰化温度は、280℃〜360℃であることが好ましい。
前記樹脂のトナーにおける含有量は、10質量%〜40質量%が好ましく、15質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、軟化剤でのトナー定着が困難になることがあり、40質量%を超えると、顔料含有率が低くなるためトナーの着色度が低くなることがある。
【0034】
−−釉薬フリット−−
本発明において用いる焼成後に有色であるトナーは、前記着色剤及び前記樹脂と共に釉薬フリットを添加することが好ましい。
【0035】
前記釉薬フリットは、耐熱固体表面上に転写されたトナー定着画像層を焼き付ける際に、耐熱性固体表面にトナー中の着色剤を焼結する役割を果たすものであり、焼き付け時に溶解あるいは半溶解状態となり、室温に冷却されると完全に固化し、着色剤を耐熱固体表面上に焼結させるものである。
前記釉薬フリットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば水酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物、塩化アルミニウム、ほう酸、アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物のほう酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物のメタほう酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属のりん酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属のピロりん酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属の珪酸塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属のメタ珪酸塩、珪酸ジルコニウム、骨灰、棚砂;メタバナジン酸アンモニウム、酸化タングステン、五酸化バナジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化モリブデン等の金属酸化物;フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物;ガラスレット、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
前記釉薬フリットの結合を強める方法としては、例えば石灰長石、カリ長石、ソーダ長石、ベタライト(リチウム長石)等の長石類;カオリン、珪石、アルミナ、シリカ、石英、酸化チタン、酸化鉛、シャモット、土灰類、石灰石、マグネサイト、タルク、ドロマイト等の天然鉱物;炭酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸ストロンチウム、などが挙げられる。これら予め混合した後溶解させ、それをトナーに含有させてもよい。
【0037】
トナー中に釉薬フリットを含有させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)着色剤と釉薬フリットとの混合物を用いる方法、(2)着色剤と釉薬フリットとの混合物を加熱溶融した後冷却し、それを粉砕して着色剤として用いる方法、などがある。これらの中でも、複数金属の合金化処理した合金顔料と釉薬フリットとを所定量で混合し、それを例えば650℃〜800℃で加熱溶融した後冷却し、それを粉砕し着色剤として用いることが特に好ましい。
このような釉薬フリット及び着色剤を含有するトナーを用いることにより、少ないトナー付着量で画像濃度が高く鮮明なフルカラー画像を転写シート上に形成することができ、そのトナー画像層を窯業製品などの耐熱固体表面上に転写し、それを焼き付けることにより、耐熱性固体表面上に画像濃度が高く鮮明な焼き付け絵柄を形成することができる。
前記釉薬フリットのトナーにおける含有量は、前記着色剤と前記釉薬フリットとの質量割合で2/8〜6/4が好ましく、3/7〜5/5がより好ましい。2/8よりも釉薬フリット成分を増やすと、トナーの着色度が低くなることがあり、6/4よりも釉薬フリットを減らすと、トナー画像層を耐熱性固体表面上に焼き付けた際に、焼き付け絵柄が耐熱性固体表面から脱離する場合が生じることがある。
【0038】
−−帯電制御剤−−
本発明において用いる焼成後に有色であるトナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有させてもよい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、従来公知のものが使用可能であり、例えばニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、Cr含金染料、Zn含金染料、Fe含金染料、モリブデン酸キレート染料、フッ素変成4級アンモニウム塩等が帯電極性に応じて適宜選択して用いられる。
前記帯電制御剤の含有量は、樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、及びトナー中の分散方法を含めたトナー製造方法により異なるが、前記樹脂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部が好ましく、2質量部〜6質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、トナーの帯電量が不足し、トナー飛散、地肌汚れ等の不具合が発生することがあり、10質量部を超えると、キャリアとの静電的付着力が強くなるため現像剤の流動性が低下したり、現像量が少なくなる等の不具合の原因となる。
【0039】
前記その他の成分として、トナーの流動性を向上させるために必要に応じて、疎水性シリカ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、酸化チタンなどの従来公知の添加剤を添加してもよい。
【0040】
−現像剤−
本発明において用いる焼成後に有色であるトナーは、トナー単独の現像剤として静電潜像を顕像化する、いわゆる一成分現像剤として用いることができる。また、トナーとキャリアを混合してなる二成分現像剤として用いることができる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等の従来公知のキャリアを用いることができる。前記キャリアは、ポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコーン樹脂等で被覆されたものでもよい。
前記トナーと前記キャリアの混合割合は、キャリア100質量部に対してトナー1質量部〜30質量部が好ましく、8質量部〜16質量部がより好ましい。
【0041】
本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙は、電子写真方式により未定着トナー画像を形成した後、前記泡状定着液にて定着させることにより得られる。
ここで、図4に示すように、定着液容器31内の液状定着液32を搬送ポンプ33及び液搬送パイプ34等の液輸送手段を用いて気体・液体混合部35へ供給する。
気体・液体混合部35には、空気口36が設けられ、液の流れとともに、空気口36に負圧が発生し、空気口36から気体が気体・液体混合部35に導入され、液体と気体が混合し、更に微小孔シート37を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。孔径は、30μm〜100μmが好ましい。図4に示す微小孔シート37に限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径が30μm〜100μmである焼結セラミックス板、不織布、発泡樹脂シートであってもよい。また、別の大きな泡の生成方法としては、前記搬送ポンプより供給された液状定着液と空気口からの空気を羽根状攪拌子で攪拌しながら、液に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、前記の搬送ポンプより供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成も好ましい。
【0042】
次に、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、図4に示す泡状定着液生成手段30における微小な泡生成部38として、閉じた二重円筒で、内側円筒が回可能な構成とし、外部円筒の一部より、大きな泡状定着液を供給し、内部の回転する円筒と外部円筒の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転円筒によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有する泡状定着液を得ることができる。また、内側円筒にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送能力を高くしてもよい。
【0043】
このように、液状定着液を大きな泡径を有する液へと変化させる大きな泡生成部と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小な泡生成部を組み合わせることで、液状定着液を極めて短時間に5μm〜50μmの微小な泡径を有する泡状定着液を生成させることができる。
【0044】
図5A及び図5Bは、本発明で用いる定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。図5Aに示す定着装置40は、前記泡状定着液生成手段30によって生成された所望の微小な泡の泡状定着液をトナー粒子層へ付与するための塗布ローラ41と、塗布ローラ面に所望の微小な泡の泡状定着液の膜厚を、記録媒体上の未定着トナー層の厚さに応じて制御し、泡状定着液の最適な膜厚の制御を行う泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42と、塗布ローラ41と対峙する位置に加圧ローラ43とを具備している。
図5Bに示すように、塗布ローラ41上には泡状定着液の層が記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じて泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42を通して形成されており、この泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42によって泡状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じた泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間に対して最適化した定着液層の厚みとなる。所望の微小な泡の泡状定着液は、前記のように、大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されている泡状定着液生成手段30で生成され、液供給口より塗布ローラ41と泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42との間に滴下される。
【0045】
<樹脂層形成工程>
前記樹脂層形成工程は、トナー定着画像を含む転写紙基材上に樹脂層を形成する工程である。
【0046】
前記樹脂層における樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、又はこれらの共重合体樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、又はこれらの混合樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂液は、前記樹脂をソルベントナフサ、ベンゼン、トルエン、キシレン、エーテル類、工業用ガソリンなどに溶解して調合される。該樹脂液は支持体サイズに合わせスクリーン印刷、ワイヤーバー、ドクターブレードなどにてトナー画像層上に樹脂層を形成することができる。
【0047】
前記樹脂層の厚みは、10μm〜3,000μmが好ましく、12μm〜2,500μmがより好ましい。前記厚みが、10μm未満であると、転写紙を窯業製品等の耐熱性固体表面に貼り付ける際、破れたり伸びたりすることがあり、3,000μmを超えると、膜の可塑性が損なわれ、曲面への張り付けが困難となることがある。
このような平滑性及び厚みを有するための前記樹脂液の粘度としては、25℃で、70mPa・s〜10,000mPa・sであることが好ましく、75mPa・s〜9,500mPa・sであることがより好ましい。前記粘度が、70mPa・s未満であると、樹脂液の粘性が低すぎて、トナー面の裏に樹脂液が回り込み、本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の分離に支障をきたすことがあり、10,000mPa・sを超えると、粘度が高いため、スクリーンメッシュの目詰まりを発生させ、平滑性のよい樹脂層を得ることが困難になることがある。
【0048】
前記樹脂液中に焼成後に灰化する着色剤を添加することが好ましい。
前記着色剤としては基本構造が有機物質からなる顔料及び染料が用いられ、樹脂液中への溶解性を考慮すると染料が好ましい。
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染料は、耐熱固体表面上への本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の水転写工程において、染料が水中に溶け出し、作業性を劣化させるため、バット染料、分散染料、油溶性染料が好ましく、油溶性染料がより好ましい。
【0049】
前記染料としては、例えば、C.I.SOLVENT YELLOW(6,16,17,31,35,100,102,103,105);C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66);C.I.SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,149,150,151,157,158);C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,33,37);C.I.SOLVENT BULE(22,63,78,83,84,85,86,91,94,95,104);C.I.SOLVENT GREEN(24,25);C.I.SOLVENT BROWN(3,9)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
また、前記染料の市販品としては、例えば保土ヶ谷化学工業株式会社製の愛染SOT染料Yellow−1.3,4、Orange−1.2,3、Scarlet−1、Red−1.2,3、Brown−2、Blue−2、Violet−1、Green−1.2,3、BASF社製のSudan染料、Yellow−14.0,150、Orange−220、Red−290,380、Blue−670、三菱化成株式会社製のダイシアン、Yellow−3G,F,H2G,HC,HL、Orange−HSBlue−J,G,N,K,P,H3G,4G、オリエント化学株式会社製のオイルカラー、住友化学工業株式会社製のスミプラスト ブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬株式会社製のカヤロン、カヤセットRed−Bなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0051】
前記着色剤を樹脂液に含有させることにより、目視にて樹脂層の有無、平滑性、膜厚を確認することが可能になる。
前記樹脂層形成用樹脂液は、吸収スペクトルが、360nm〜830nmの範囲に吸収ピークを有し、石英1cmセルにおける該吸収ピークの吸光度が0.1以上であることが好ましい。
【0052】
(焼成画像形成方法)
本発明の焼成画像形成方法は、本発明の前記焼成絵柄画像形成用転写紙を水に浸し、転写紙基材の糊層を溶解させて焼成後に有色であるトナー定着画像を保持した樹脂層を耐熱性固体表面に貼り付けた後、焼き付けるものである。
【0053】
本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙を用いて、窯業製品等の耐熱性固体表面に絵付けするには、前記図2に示す転写紙基材を用い前記泡状定着液にて焼成後に有色であるトナー画像を定着させた後、該トナー定着画像を含む該転写紙基材上にアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等の樹脂層形成用樹脂液を塗布して樹脂層を形成した後、該焼成絵柄画像形成用転写用紙を水に浸すことにより、転写紙基材の水溶性の糊層を溶解させてトナー定着画像を保持した樹脂層を図2に示す第一コート層3から剥離し、該トナー定着画像を保持した樹脂層を耐熱性固体表面に貼り付け、それを焼き付けすればよい。
前記樹脂層における樹脂の灰化温度は、トナー中の熱可塑性樹脂より低い方が好ましい。
【0054】
耐熱性固体表面への焼き付け方法は、特に制限はなく、耐熱性固体の表面近傍に焼き付けるか、表面からより深く焼き付けるかによって適宜選定することができ、いずれの場合も電気炉又はガス炉を用いて行うことができる。
前記耐熱性固体表面の表面近傍に焼き付けを行う場合には、例えば室温〜200℃/1時間程度の昇温条件で徐々に温度を上げ、750℃〜850℃で約30分〜1時間この温度に保ち、その後室温まで温度を下げて電気炉又はガス炉から取り出すことにより行われる。これにより、トナー中の着色剤が釉薬フリットで耐熱性固体表面に焼結され、絵付けされた窯業製品等の耐熱性固体製品が得られる。
【0055】
前記耐熱性固体表面の奥深くに焼き付けを行いたい場合には、室温から200℃/1時間程度の昇温条件で1,100℃〜1,300℃まで徐々に温度を上げ、その後室温まで温度を下げる方法が採用される。この時、昇温開始温度は室温に限定されるものではないが、昇温時及び冷却時において急激な温度変化を与えると、耐熱性固体によっては、耐熱性固体の厚さや材質により若干の差はあるものの、割れ、形状変化が発生する場合があるので、焼き付けを行う場合の温度変化は50℃/1時間〜500℃/1時間が好ましい。
前記温度変化が、50℃/1時間より昇温時あるいは冷却時の温度変化を遅くすると、焼き付け時間が遅くなり効率が悪くなることがあり、500℃/1時間より昇温時あるいは冷却時の温度変化を早くすると、焼きムラの発生や耐熱性固体の形状変化が発生する場合がある。昇温時あるいは冷却時の温度変化の条件としては、100℃/1時間〜300℃/1時間が特に好ましい。
【0056】
−耐熱性固体表面−
前記耐熱性固体表面としては、窯業製品、石、タイル、ブロックなどが挙げられる。これらの中でも、窯業製品が特に好ましい。
前記窯業製品としては、例えば陶磁器、ガラス、ほうろう、石膏、セメントなどが挙げられる。これらの中でも、表面に絵柄等の装飾がよく施されるのは、陶磁器、ガラス、ほうろうであり、本発明においては、陶磁器、ガラス、ほうろうに対してより効果的に作用し好ましい。前記陶磁器としては、石器、陶器、磁器等のすべてを含み,電子材料や機能材料という機能に左右されない。前記ガラスは、素材としては、ソーダガラス、結晶化ガラスや石英ガラス等があるが,すべての素材について、本発明は有効である。
【実施例】
【0057】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0058】
(製造例1)
<焼成後に有色であるトナーを製造するための釉薬フリット及び着色剤の作製>
焼成後に有色であるトナーを製造するための釉薬フリット、及び各色の着色剤を以下のようにして作製した。
【0059】
−釉薬フリットの作製−
Al(80g)、SiO(370g)、NaO(50g)、及びPbO(500g)を配合し、スタンプミルで粉砕したのち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1,200℃で焼成し、粉砕して釉薬フリットを製造した。
【0060】
−ブラック着色剤の作製−
Cr(110g)、MnO(270g)、Fe(112g)、及びCo(508g)を配合し、スタンプミルで粉砕したのち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1,100℃で焼成して粉砕した。その300gと前記釉薬フリット500gをヘンシェルミキサーで混合した後、750℃で焼成し、粉砕して合金顔料を含有するブラック着色剤(A)を製造した。
【0061】
−イエロー着色剤の作製−
CuO(10g)、ZnO(190g)、及びSb(800g)を配合し、スタンプミルで粉砕したのち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1,100℃で焼成して粉砕した。その300gと前記釉薬フリット500gをヘンシェルミキサーで混合した後、750℃で焼成し、粉砕して合金顔料を含有するイエロー着色剤を製造した。
【0062】
−マゼンタ着色剤の作製−
Fe(160g)、NiO(40g)、CuO(40g)、及びAuO(760g)を配合し、スタンプミルで粉砕したのち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1100℃で焼成して粉砕した。その300gと前記釉薬フリット500gをヘンシェルミキサーで混合した後、750℃で焼成し、粉砕して合金顔料を含有するマゼンタ着色剤を製造した。
【0063】
−シアン着色剤の作製−
Cr(170g)、Fe(10g)、Co(690g)、及びZnO(130g)を配合し、スタンプミルで粉砕したのち、ヘンシェルミキサーで混合し、それを1100℃で焼成して粉砕した。その300gと前記釉薬フリット500gをヘンシェルミキサーで混合した後、750℃で焼成し、粉砕して合金顔料を含有するシアン着色剤を製造した。
【0064】
(製造例2)
<焼成後に有色であるトナーを含む現像剤の作製>
前記各色の着色剤を用い、以下のようにして、焼成後に有色であるトナーを含有する現像剤を作製した。
−焼成後に有色であるブラックトナーを含有するブラック現像剤(A)の作製−
ポリエステル樹脂(Tg=60℃)100質量部、サリチル酸亜鉛誘導体(ボントロンE84、オリエント化学株式会社製)4質量部、及び前記ブラック着色剤(A)230質量部をミキサーで混合したのち、2本ロールで溶融混練した。得られた溶融混練物を圧延冷却した後、粉砕し、分級を行って、体積平均粒子径9.5μmのブラックトナーを製造した。更に、疎水性シリカ(R972、日本アエロジェル株式会社製)をブラックトナーに0.5質量%添加し、ミキサーで攪拌した。以上により、ブラックトナー(A)を作製した。
【0065】
−キャリアの作製−
シリコーン樹脂溶液(KR50、信越化学工業株式会社製)100質量部、カーボンブラック(BP2000、キャボット社製)3質量部、及びトルエン100質量部をホモミキサーで30分間分散させて被覆層形成液を調製した。
得られた被覆層形成液、及び平均粒子径70μmの球状フェライトキャリア1,000質量部を用い、流動床型塗布装置により、球状フェライトキャリア表面に被覆層を形成したキャリアを作製した。
【0066】
次に、前記トナー90g及び前記キャリア910gをボールミルに入れ、30分間攪拌して、ブラック現像剤(A)を製造した。
【0067】
−焼成後に有色であるイエロートナーを含有するイエロー現像剤の製造−
前記ブラック現像剤(A)の製造におけるブラック着色剤(A)の代わりに、前記イエロー着色剤を用いて体積平均粒子径9.4μmのイエロートナーを製造し、該イエロートナーを用いた以外は、前記ブラック現像剤(A)の製造と同様にして、イエロー現像剤を製造した。
【0068】
−焼成後に有色であるマゼンタトナーを含有するマゼンタ現像剤の製造−
前記ブラック現像剤(A)の製造におけるブラック着色剤(A)の代わりに、前記マゼンタ着色剤を用いて体積平均粒子径9.6μmのマゼンタトナーを製造し、該マゼンタトナーを用いた以外は、前記ブラック現像剤(A)の製造と同様にして、マゼンタ現像剤を製造した。
【0069】
−焼成後に有色であるシアントナーを含有するシアン現像剤の製造−
前記ブラック現像剤(A)の製造におけるブラック着色剤(A)の代わりに、前記シアン着色剤を用いて体積平均粒子径9.5μmのシアントナーを製造し、該シアントナーを用いた以外は、前記ブラック現像剤(A)の製造と同様にして、シアン現像剤を製造した。
【0070】
(製造例3)
−樹脂層形成用樹脂液の調合−
1gの染料(C.I.SOLVENT BULE94)を、伊勢久株式会社のスクリーン印刷用品カバーコート(83454−ID)500gに添加し、樹脂層形成用樹脂液を作製した。
【0071】
(実施例1)
<定着液の処方と調合>
・溶媒:イオン交換水・・・65質量%
・軟化剤:コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社製、クローダDES)・・・10質量%
・増粘剤:プロピレングリコール・・・10質量%
・増泡剤:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(川研ファインケミカル株式会社製、アミゾールFDE)・・・2質量%
・起泡剤:パルミチン酸カリウム・・・5質量%
・ミリスチン酸カリウム・・・3質量%
・ステアリン酸カリウム・・・2質量%
・分散剤:POE(20)ラウリルソルビタン(花王株式会社製、レオドールTW−S120V)・・・2質量%
・ポリエチレングリコールモノステアレート(花王株式会社製、エマノーン3199)・・・1質量%
なお、分散剤は、軟化剤の希釈溶媒への溶解性を助長するために用いた。
まず、前記成分比で、液温120℃にて軟化剤を除いて混合攪拌し、溶液を作製した。
次に、軟化剤を混合し、超音波ホモジナイザーを用いて軟化剤が溶解した定着液(泡化する前の原液)を作製した。
【0072】
<泡状定着液塗布手段>
−大きな泡状の定着液を生成するための泡状定着液生成手段−
図4を基に作製した。
・前記液状定着液の保存容器:ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなるボトル
・液搬送ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)
・搬送流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ
・大きな泡を作るための微細孔シート:#400のステンレス製メッシュシート(開口部約40μm)
【0073】
−大きな泡から微細な泡を生成するせん断力付与手段−
図4を基に作製した。
・2重円筒の内側円筒は、回転軸に固定され、図示していない回転駆動モータにより回転する。
・2重円筒の材質:PET樹脂
・外側円筒の内径:10mm、外側円筒の長さ:120mm
・内側円筒の外径:8mm、内側円筒の長さ:100mm
・回転数:1,000rpm〜2,000rpmの範囲で可変とした。
【0074】
<未定着画像の作成>
電子写真方式のプリンタ(株式会社リコー製、IpsioColorCX8800)に前記各色の現像剤を装着し、転写紙基材(SK−120、日東紙工業株式会社製)上に未定着トナー画像を形成した。
なお、前記転写紙基材(SK−120、日東紙工業株式会社製)は、図2に示す転写紙基材8において、バックコート層1を有しない構成である。
【0075】
<定着液塗布手段>
図5Aに示す泡状定着液生成手段30、及びせん断力付与手段を用いて所望の泡径の泡状定着液を作製し、液膜厚制御用ブレード42に供給する構成とした。液膜厚制御用ブレード42と塗布ローラ41とのギャップは40μmにて実施した。
前記未定着トナー画像を、図5Aに示す定着装置40にて、以下の定着条件にて定着したところ、トナー層よりも厚い泡状定着層の塗布にて良好な定着が行えることを確認できた。
【0076】
<定着条件>
・加圧ローラ:アルミニウム製ローラ(直径30mm)
・塗布ローラ:PFA樹脂を焼付け塗装したSUS製ローラ(直径30mm)
・液膜厚制御用ブレード:SUS製シート
・紙搬送速度:150mm/s
・加圧ローラと塗布ローラ間の加重:片側10N
・定着時の温度:27℃(加温なし)
【0077】
次に、得られたトナー定着画像を前記樹脂層形成用樹脂液上にスクリーン印刷(70メッシュ使用)し、一昼夜乾燥させた。これを水槽に入れ、樹脂層に保持されたトナー定着画像層を剥離したところ、良好な剥離が確認された。このことから、未定着トナー画像を乱すことなく定着させることが可能であり、かつ転写紙基材の糊層の機能も失われていないことが確認できた。
【0078】
(実施例2)
実施例1において、定着液を以下の処方の定着液に代えた以外は、実施例1と同様にして、定着トナー画像上に樹脂層を形成した。この場合も、樹脂層に保持されたトナー定着画像層を良好に剥離できることが確認できた。
<定着液の処方と調合>
・溶媒:イオン交換水・・・53質量%
・軟化剤:コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社製、クローダDES)・・・10質量%
・炭酸プロピレン・・・20質量%
・増粘剤:プロピレングリコール・・・10質量%
・増泡剤:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)・・・0.5質量%
・起泡剤:パルミチン酸アミン・・・2.5質量%
・ミリスチン酸アミン・・・1.5質量%
・ステアリン酸アミン・・・0.5質量%
・分散剤:POE(20)ラウリルソルビタン(花王株式会社製、レオドールTW−S120V)・・・1質量%
・ポリエチレングリコールモノステアレート(花王株式会社製、エマノーン3199)・・・1質量%
【0079】
(比較例1)
実施例1において、定着液を泡状定着液とせず塗布ローラ全面に定着液0.9gをそのまま塗布した以外は、実施例1の定着条件と同様にして、転写紙基材(SK−120、日東紙工業株式会社製)のみを定着装置に通した。
次に、実施例1と同様にして、前記樹脂層形成用樹脂液上にスクリーン印刷(70メッシュ使用)し、一昼夜乾燥させた。これを水槽に入れ、樹脂層のみを剥離しようとしたところ、樹脂層は転写紙基材から剥離できなかった。
【0080】
(比較例2)
比較例1において、定着液の塗布量を0.9gから0.1gに減らし、かつ塗布ローラの中心のみに塗布した以外は、比較例1と同様にして、定着した後、樹脂層の剥離を試みたところ、転写紙基材の先端中央部以外は剥離したが、先端中央部は剥離できなかった。
【0081】
以上により、実施例1及び2では、良好な樹脂層の剥離が行え、比較例1及び2では、樹脂層が剥離できなかった。この結果から、比較例1及び2の液状定着液の場合には、転写紙基材の糊層が液状定着液に溶解し、回転するローラ表面に糊層が移行するため、樹脂層の剥離が阻害されるのに対して、実施例1及び2のように泡状定着液を用いると定着液の塗布量が減るため、ローラ表面への糊層の移行が少ないためであると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法により製造された焼成絵柄画像形成用転写用紙は、陶磁器、ガラス、ほうろう、石膏、セメント等の耐熱性固体表面に絵柄を形成するのに好適である。
【符号の説明】
【0083】
1 バックコート層
2 原紙
3 第一コート層
4 第二コート層
5 第三コート層
6 トナー画像層
7 樹脂層
8 転写紙基材
30 泡状定着液生成手段
32 液状定着液
40 定着装置
41 塗布ローラ
42 膜厚制御ローラ
43 加圧ローラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開昭49−35407号公報
【特許文献2】特開2002−166699号公報
【特許文献3】特開平8−011496号公報
【特許文献4】特許第3849355号公報
【特許文献5】特開2008−284882号公報
【特許文献6】特公昭59−119364号公報
【特許文献7】特許第3290513号公報
【特許文献8】特開2009−008967号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成後に有色であるトナーの樹脂を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を軟化させる軟化剤と、溶媒とを含む泡状定着液により、基体上に水溶性糊剤を含有する糊層を有する転写紙基材上に現像されたトナー画像を定着する定着工程と、
トナー定着画像を含む転写紙基材上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を含むことを特徴とする焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法。
【請求項2】
定着工程において定着部を加温しない請求項1に記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法。
【請求項3】
定着工程における定着温度が、定着液における溶媒の沸点以下である請求項1から2のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法。
【請求項4】
定着工程において加圧を行う請求項1から3のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法。
【請求項5】
定着液が、転写紙基材の糊層と相互作用しない表面張力調整剤を含有する請求項1から4のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法。
【請求項6】
定着液が、転写紙基材の糊層と相互作用しない増粘剤を含有する請求項1から5のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法。
【請求項7】
定着液が、転写紙基材の糊層と相互作用しない起泡剤を含有する請求項1から6のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の焼成絵柄画像形成用転写用紙の製造方法により製造されたことを特徴とする焼成絵柄画像形成用転写用紙。
【請求項9】
請求項8に記載の焼成絵柄画像形成用転写紙を水に浸し、転写紙基材の糊層を溶解させて焼成後に有色であるトナー定着画像を保持した樹脂層を耐熱性固体表面に貼り付けた後、焼き付けることを特徴とする焼成画像形成方法。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2010−260228(P2010−260228A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111912(P2009−111912)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】