説明

煤、細塵、及び排ガス微粒子の除去方法、この方法で使用する微粒子捕集装置、並びに静電場を発生させるための微粒子捕集装置の使用

本発明は、汚染空気から煤、細塵、及び排ガス微粒子を除去する方法であって、帯電面を有する、静電場を発生させるように構成された微粒子捕集装置を提供するステップを含み、電場が少なくとも0.2kV/mである方法を提供する。本発明は、帯電できる表面を備え、帯電できる表面に電荷を発生させ、少なくとも0.2kV/mの静電場を発生させるように構成された発電機をさらに備える微粒子捕集装置をさらに提供し、微粒子捕集装置は街路設備を備える対象物の一部分であるか、又はそれと一体化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煤、細塵、及び排ガス微粒子を汚染空気から除去する方法に関する。本発明はさらに、帯電できる表面を備える微粒子捕集装置に関する。本発明は、汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子を収集する静電場を発生させるように構成された帯電面を備える微粒子捕集装置の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
煤微粒子、細塵、及び交通の排ガス微粒子は、公衆衛生に望ましくない結果をもたらす汚染源である。そのような微粒子の排出を防止するために、又は排出された微粒子を除去するために、当技術分野で多くの方法が知られている。たとえば、そのような微粒子の排出を低減するために、煤フィルタ及び触媒が排気システムに使用できる。それにもかかわらず、それらの微粒子のいくらかの排出がある可能性がある。
【0003】
たとえば、その他の解決策が米国特許第6,511,258号明細書、特開2002−069943号公報に記載されている。米国特許第6,511,258号明細書は、道路、街路、空地などの上の空気中に浮遊する電離気体及び/又は微粒子の量を制御する方法を記載している。これは、道路、街路、空地などの最上層と、電離気体及び/又は微粒子との間に電場を確立することによって行われる。電場を制御することによって、引きつけられ又ははね返される電離気体及び/又は微粒子の量が制御できる。電場は、関連する表面の少なくとも最上層を導電性にし、それを地面又は電圧源の一方の極に接続することによって確立される。表面を帯電させるために、地面又は負の電圧源と接触して配置される最上層の下に導電性材料又は圧電性材料の網状組織が使用される。帯電された最上層は、たとえば路面標識などの形の表面全体又は一部の最上部に置かれた被覆からなることもできる。米国特許第6,511,258号明細書によって提供されるこの解決策は、正に帯電された微粒子のみが表面で捕集されるという欠点を有する、非常に複雑な解決策である。特許公開第2002−069943号公報は、排気ガスを防音壁の内側に導くことが可能な網目の内壁、道路の外側に配置された外壁、及び内壁と外壁の間に画成された空間に微粒子を収容し、微粒子の間に発生した静電気によって浮遊物質を吸着するために微粒子を振動させる振動デバイスから構成される道路の側方に配置された防音壁を記載している。これも、そこに存在するか、壁に移動した微粒子のみを除去でき、遠くの汚染微粒子は除去しないという、別の欠点を有する比較的複雑な解決策である。
【0004】
米国特許第6,106,592号明細書は、ガス流れに同伴する固体及び液体のエーロゾルを除去するガス浄化過程及び装置を記載している。扱われるガスは、湿った静電帯電ろ材を通される。ろ材の帯電の極性は、ろ材からの捕集された固体の微粒子の除去を促進するように選択される。装置は、モジュール方式のガス浄化システム構成に容易に適合可能であり、様々な数の装置が、任意の所望のガス流容量のガス浄化システムを提供するために並行して動作できる。80〜800kV/mの場が印加される。
【0005】
ドイツ特許第19648182号は、ガスの流れから埃様又はしずく形状の不純物を分離するフィルタ構造の2つの析出電極によって画成されるフィルタ流路の電場を同質化するために、コロナ電極が使用されることを記載している。これらは、たとえば中央のプレート、及び両側に突出し鈍角に前後を接合する縁部プレートを使用して設計され、前後の縁部に2〜5mmの曲率半径を有してビーディングによって生成される各場合での連続的な湾曲の領域を有する、プレートの形にされる。湾曲の領域は、その長手方向全体にわたって、ほぼ一様の湾曲を示し、側方に最も盛り上がった部分を構成する。湾曲の連続した領域の平均距離、及びその形成によって、静電浄化用の電荷担体の生産が制御でき、特にバックスプレー(back spray)に有利に働くその過剰生産が防止できる。コロナの形成は、電圧インパルスの間、及び湾曲の領域でのみ排他的に行われる。240kV/mの場が印加される。
【0006】
欧州特許第0808660号は、埃、特に細塵(極微粒子)を収集できる集塵装置を記載している。ガスに含まれる埃及び/又は霧を除去する集塵装置は、ガスに含まれる埃及び/又は霧を帯電させる帯電手段と、帯電された埃又は帯電された霧を噴霧し、或いは帯電された埃又を霧に誘電材料を噴射する噴射手段と、誘電材料を誘電分極にかける電場を形成する電場形成手段と、帯電された埃及び帯電された霧の少なくともどちらかを捕えた誘電材料を収集する収集手段とを備える。500kV/mの場が印加される。
【特許文献1】米国特許第6,511,258号明細書
【特許文献2】特開2002−069943号公報
【特許文献3】米国特許第6,106,592号明細書
【特許文献4】ドイツ特許第19648182号
【特許文献5】欧州特許第0808660号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、たとえば煤微粒子、細塵、及び排ガス微粒子などの汚染微粒子の除去の問題に対する別の、好ましくはより良い解決策を提供することである。特に、本発明の目的は、たとえば道路、空地、及び建築区域からなる群などから選択される地理的な対象物の上の空気中の煤微粒子、細塵、及び排ガス微粒子などの汚染微粒子の除去の問題に対する別の、好ましくはより良い解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、好ましくは負に帯電された帯電面を有し、静電場を発生させるように構成された、微粒子捕集装置を提供するステップを含む、汚染空気から煤、細塵、及び排ガス微粒子の除去のための方法が設けられ、電場は少なくとも0.2kV/mである。特定の実施形態では、帯電面を有する微粒子捕集装置を提供するステップを含む、汚染空気から煤、細塵、及び排ガス微粒子を除去する方法が提供され、微粒子捕集装置は静電場を発生させ、汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子の少なくとも一部分を原子化し(すなわち電離し)、煤、細塵、及び排ガス微粒子の少なくとも一部分を収集するように構成され、電場は少なくとも0.2kV/mである。
【0009】
特定の実施形態では、電場は好ましくは、0.2〜50kV/mの範囲にある。
【0010】
1つの実施形態では、微粒子捕集装置は第1の対象物を備え、方法は第1の対象物の表面に正の電荷を印加するステップを含み、それによって正の帯電面を提供する。正の帯電面の存在により、正に電離した微粒子は、地面又はその他の対象物、特に接地され、又は負に帯電された対象物に移動し、そこで収集される。電離されていない電場内の汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子の総数のうちの少なくとも一部分は、正の帯電によって電離され、したがって収集することもできる。したがって、このようにして、汚染空気から煤、細塵、及び排ガス微粒子を除去する方法が提供される。汚染微粒子はその「位置」から遠くに容易に移動できないが、電場の存在によって負に帯電された、又は接地された表面で収集される。
【0011】
好ましい実施形態では、微粒子捕集装置は第2の対象物をさらに備え、方法は負の電荷を第2の対象物の表面に印加するステップをさらに含み、それによって負の帯電面を提供する。場により、電離された微粒子は負の帯電面に引き寄せられ、それによって道路(空地など)の上の空気から収集され除去される。この方法(及び構成)の利点は、汚染物が第2の対象物の負の帯電面に意図して堆積できることである。第1の対象物及び/又は第2の対象物は(既存の)街路設備の一部分であってよく、又はそれと一体化できる。
【0012】
別の好ましい実施形態では、第1の対象物の表面は第2の対象物の表面よりも高い位置に配置される。好ましくは、正に帯電された第1の対象物の表面は、空気がその上で浄化される領域の十分上に、たとえばそのような領域の少なくとも4.5m、より好ましくは少なくとも5m上に配置される(高さは第1の対象物の帯電面の下の領域に対して計算される)。特性的な高さは4.5〜20m、より好ましくは5〜10mの範囲になる。このようにして、比較的危険な正の電極(すなわち第1の対象物の正の帯電面)が安全な位置にあり、実質的に危険でない対電極(すなわち第2の対象物の表面)が低いところにあることができる。電場は、汚染微粒子がその下に実質的に保持され、対電極に移送されるある種の「屋根」を提供する。言い換えれば、電場はある種の電離した微粒子の雲を提供し、汚染微粒子が実質的に保持され、対電極に移送される。対電極は中性であってよいが、好ましくは負に帯電される。
【0013】
本発明の方法は特別に適用され、すなわち静電場は特に、道路、空地、及び建築区域からなる群から選択される1又は複数の地理的な対象物の少なくとも一部分の上に印加できる。
【0014】
本発明の次の態様によれば、帯電できる表面を備え、帯電できる表面に電荷を発生させ、少なくとも0.2kV/mの静電場を発生させるように構成された発電機をさらに備える微粒子捕集装置が設けられ、微粒子捕集装置は街路設備を備える対象物の一部分であるか、又はそれと一体化される。動作中に、微粒子捕集装置が静電場を発生させる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、帯電できる表面を有する第1の対象物と、帯電できる表面を有する第2の対象物と、帯電できる第1の対象物の表面に正の電荷を発生させ、帯電できる第2の対象物の表面に負の電荷を発生させてもよく、表面の間に少なくとも0.2kV/mの静電場を発生させるように構成された発電機とを備える微粒子捕集装置が設けられ、微粒子捕集装置の少なくとも一部分は、たとえば防音壁、ガードレール、トンネルの壁、道路標識、交通情報システム、街灯、又は信号灯などの街路設備を備える対象物の一部分であり、又はそれと一体化される。動作中に、微粒子捕集装置は静電場を発生させ、第1の対象物の表面は正に帯電され、第2の対象物の表面は動作中に接地され、又は負に帯電できる。
【0016】
微粒子捕集装置は、たとえば防音壁、ガードレール、トンネルの壁、道路標識、交通情報システム、街灯、及び信号灯からなる群から選択される対象物などの街路設備の対象物の一部分であり、又はその一部分と一体化できる。しかし、その他の、又は特別に本発明のために設計された街路設備もここに適用できる。たとえば、表面は、街灯、又はたとえば街灯などの間のワイヤに配置できるが、本発明のために設計された柱、又はたとえばそのような柱の間のワイヤに配置することもでき、その柱は、動作中に帯電できる表面、特に正の帯電面が、道路などの上に配置できることを可能にするような機能のみを有する。
【0017】
本発明の別の態様によれば、本発明は汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子を収集する静電場を発生させるように構成された帯電面を備える微粒子捕集装置の使用を可能にし、電場は少なくとも0.2kV/mである。特定の実施形態では、本発明は汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子を原子化し(すなわち電離し)、また汚染空気中から少なくとも煤、細塵、及び排ガス微粒子を除去する静電場を発生させるように構成された、電場が少なくとも0.2kV/mである帯電面を備える微粒子捕集装置の使用を可能にする。
【0018】
本発明は特に、汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子を収集する静電場を発生させるように構成された(動作中の)帯電面を備える微粒子捕集装置の使用を可能にし、電場は少なくとも0.2kV/mである。
【0019】
1つの好ましい実施形態では、本発明は、道路、空地、及び建築区域からなる群から選択される地理的な対象物の上の汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子の1又は複数を収集するための、本発明による微粒子捕集装置の使用を提供する。
【0020】
本発明の別の態様によれば、本発明は、本発明による道路と微粒子捕集装置の組合せを提供し、微粒子捕集装置は、道路上の少なくとも一部分に電場を印加するように構成される。
【0021】
有利なことに、本発明は、従来技術の解決策と対照的に微粒子捕集装置から離れた汚染微粒子を除去する問題を解決できる。たとえば、本発明の方法及び微粒子捕集装置を使用して、たとえば0.5〜20メートルの距離にある汚染物質の微粒子を除去することが可能である。微粒子は原子化し(すなわち電離し)、電場により微粒子捕集装置、特に微粒子捕集装置の負の帯電面に引き寄せられる。これらの微粒子は表面に接触でき、収集(「回収(harvested)」)できる。
【0022】
本明細書では、用語「原子化」は、電気の双極子モーメントを伴う、又は中性の微粒子(細塵、煤など)の中に電気の双極子を誘導する微粒子を電離する過程を指す。両方の過程は距離を置いて行うことができ、すなわち原子化した微粒子が微粒子捕集装置の帯電面に付けられない。本発明では、正に帯電され、電離された微粒子、ラジカル、又は中性の原子化した微粒子が想定される。負に帯電された微粒子、又は負に電離した微粒子は、空気中のラジカル及び正に帯電された微粒子を捕捉する傾向にあり、それによって中性の微粒子を形成する。これらの中性化された微粒子は、ここでも同様に、本明細書で用いられる原子化する原理により原子化され、それによって固有の電荷及び方向(たとえば負の帯電面への)を得ることができる。汚染微粒子の少なくとも一部分は、電場がなくても正に帯電できる。電場の存在により、汚染微粒子の総数の少なくとも一部分は中性又は負の帯電面、好ましくは負の帯電面に移送される。電離されない汚染微粒子の少なくとも一部分は、電場によって電離でき、したがってこれらの電離された微粒子の総数の少なくとも一部分も中性又は負の帯電面、好ましくは負の帯電面に移送できる。
【0023】
本明細書では、用語「煤(smut)」は、特に、たとえばトラック、バス、飛行機、列車、及び自動車などによって、特に現行のディーゼルエンジンによって放出されたカーボンブラック又は煤煙を指す。用語「細塵」は、重力によって結果的に沈降し、(過剰な)吸引によって人や他の動物の呼吸器系に傷害を起こすおそれがある、風に吹かれた土、火、トラック、バス、飛行機、列車、及び自動車などの人為及び自然発生源から生じる、空気で運ばれる個体の微粒子を指す。それは煤も含む可能性がある。用語「排ガス微粒子」は、エンジン、たとえばトラック、バス、飛行機、列車、及び自動車からの排気によって放出された煤、細塵などの微粒子を指す。煤、細塵、及び排ガス微粒子は、本明細書で「汚染微粒子」としても示される。本明細書では、煤、「煤、細塵、及び排ガス微粒子」なる表現は、煤、細塵、及び排ガス微粒子からなる群から選択される1又は複数を含意する。
【0024】
本発明の1つの態様によれば、帯電面を有する微粒子捕集装置を提供するステップを含む汚染空気から煤、細塵、及び排ガス微粒子を除去する方法が提供され、微粒子捕集装置は静電場を発生させるように構成され、電場は少なくとも0.2kV/m、好ましくは0.2〜50kV/mの範囲にあり、さらに好ましくは0.5〜45kV/mの範囲にあり、さらにより好ましくは10〜40kV/mの範囲にある。発電機は、帯電面、及びそれによって電場が得られるように表面を帯電する。好ましくは、電場は約0.5〜2.5kV/mの範囲、さらにより好ましくは少なくとも約1.25kV/mなどの、0.2〜2.5kV/mの範囲にある。1つの実施形態によれば、1〜50kV、好ましくは1.5〜50kV、より好ましくは約1.5〜45kV、さらにより好ましくは約2〜45kV、またさらにより好ましくは2〜40kVの電圧が帯電面に印加される。これは、帯電面が生成され、少なくとも0.2kV/m、より好ましくは約0.5〜2.5kV/mの範囲、さらにより好ましくは少なくとも約1.25kV/mの範囲の電場が発生するように、1〜50kV、好ましくは1.5〜50kV、より好ましくは約1.5〜45kV、さらにより好ましくは約2〜40kVの電圧が表面に印加されることを意味する。微粒子捕集装置は静電場を発生させるために設計された発電機を備える。そのような発電機は、当業者に知られている。有利なことに、誘導された静電場を発生させることによって、距離を置いて微粒子が電離され、それに続いて帯電面(すなわち負の帯電面又は接地された表面であってもよい)に沈降する。好ましくは、帯電面は負に帯電されるが、この表面は1つの実施形態では接地する(グラウンドに接続する)こともできる。約0.5〜20mの距離が橋渡しでき、より好ましくは1〜20mの距離にわたって汚染微粒子の電離を行うことができる。好ましくは、微粒子捕集装置はそのように構成され、場は、少なくとも0.5m、より好ましくは少なくとも0.5m、より好ましくは少なくとも1m、さらにより好ましくは少なくとも1.5mの距離で汚染微粒子の総量の少なくとも一部分が電離され、負の帯電面に引き寄せられるように印加される。
【0025】
煤、塵微粒子、及び排ガス微粒子は、距離を置いて電離することにより能動的に帯電され、微粒子捕集装置によって引きつけられ、捕集される(すなわち帯電面によって引きつけられる)。本発明は、微粒子を電離することにより、煤、細塵、及び排気ガスを捕集するステップを有利に提供し、それらは高い電圧によって帯電され、電場に送出される。帯電及び送出は、この場の微粒子が移動し、微粒子の捕集又は浄化装置の帯電面に堆積するようなものである。このようにして微粒子が収集され、たとえば道路などの上の汚染された空気から除去される。本明細書では、用語「道路」は街路、空地なども含む(下記も参照されたい)。したがって、本発明では、発電機は、米国特許第6,511,258号明細書の場合に可能性のあるように、道路の表面を帯電させない。ここで、道路に沿った、又はその上の街路設備は微粒子捕集装置を備え、電場が道路、街路、空地などの上に発生する。
【0026】
微粒子を距離を置いて電離し、それによって煤、細塵、及び排気の微粒子を捕集するための方向を形成する原理は新しく、以前にそのように利用されたことは全くない。本発明者によって知られる限りでは、全ての知られている実際の及び準備されたシステムは、受動的な様式で示した微粒子を捕集した。たとえば、特許公開第2002−069943号公報は内部空洞を備えるサウンドキラー(sound killer)に関し、そこでは微粒子は内部の静電気によって吸収される。したがって、微粒子は防音壁それ自体の空洞の内側にある場合に電離でき、距離を置いている場合は電離できない。米国特許第6,511,258号明細書は、負の供給源として地面と接触する帯電された道路の表面に関する。したがって、正に帯電された塵の微粒子のみを引きつけることができる。このようにして電離が道路の表面でのみ行われ、距離を置いて行われないので、これは本質的に異なる。さらに、道路の表面は負又は0であり、したがってそれは原則的に正に帯電された微粒子のみを捕集でき、全ての微粒子は捕集できない。本発明では、実質的に全ての汚染微粒子が距離を置いて電離され、微粒子捕集装置によって一度に捕集される。NOは、水和された場合に距離を置いて電離でき、同じ様式で引きつけることができる。米国特許第6,511,258号明細書は、静電気を有し、比較的低い電圧を有する、接地された道路を伴うシステムを記載し、そのシステムでは距離を置いた電離が行われない。しかし、本発明の微粒子捕集装置は正の帯電面(「起動する」又は「発生させる」表面)、及び負に帯電され、又は接地された表面(「収集」又は「回収」表面を有して、距離を置いて微粒子を電離するように構成される。
【0027】
特定の実施形態では、電場は道路の少なくとも一部分にわたって印加される。このようにして、交通からの排気微粒子などが捕集され、それによって局部的な環境を改善する。帯電面を有する微粒子捕集装置は、道路の区画全体にわたって、汚染微粒子が微粒子捕集装置によって捕捉できるように、道路に沿って間隔を置いて配置できる。
【0028】
特定の実施形態では、本発明の方法は微粒子捕集装置の表面を洗浄するステップをさらに含む。帯電された微粒子捕集装置の表面(特に負の帯電面)をここでは言及する。この目的のために、微粒子捕集装置は噴射システムを備えることができるが、天然の雨水が使用されることが好ましい。この目的のために、表面は、地表面の法線に対して0°より大きく90°より小さい角度、好ましくは約10と80°の間の角度で配置される。したがって、雨水は重力によって(帯電された)表面の上を流れ、表面を洗浄する。このようにして、表面に収集された微粒子は、たとえば排水路内などの表面の下に集められる。排水路の代わりに又は排水路内で、(たとえば)重力によって下方に移動する微粒子の吸着のために、当技術分野で知られるようなたとえば木炭、ゼオライト、多孔性のアルミナなどの吸着剤を設けることができる。したがって、特定の実施形態では、煤、細塵、及び排ガス微粒子の少なくとも一部分を収集するために配置された、吸着剤が提供される。そのような吸着剤は吸着能力があまりにも低下した場合に新しい吸着剤と交換できる。これは、たとえば定期的に行うことができる。したがって、特定の実施形態では、排水路又は吸着剤、或いは排水路内の吸着剤が、それぞれ微粒子捕集装置内に備えられて配置され、帯電面の下に配置される。これは、特に動作中に接地され、又は負に帯電された対象物の表面に適用するのに特に有利である。
【0029】
1つの実施形態では、微粒子捕集装置は第1の対象物を備え、方法は第1の対象物の表面に正の電荷を印加するステップを含み、それによって正の帯電面を提供する。正の帯電面の存在により、正に電離した微粒子は、地面又はその他の対象物、特に接地され、又は負に帯電された対象物に移動し、そこで収集される。電離されていない電場内の微粒子の総数のうちの少なくとも一部分は、正の帯電によって電離され、したがって収集することもできる。したがって、このようにして、汚染空気から煤、細塵、及び排ガス微粒子を除去する方法が提供される。
【0030】
好ましい実施形態では、微粒子捕集装置は第2の対象物をさらに備え、方法は負の電荷を第2の対象物の表面に印加するステップをさらに含み、それによって負の帯電面を提供する。場により、電離された微粒子は負の帯電面に引き寄せられ、それによって収集され、道路(空地など)の上の空気から除去される。この方法(及び装置)の利点は、汚染物が第2の対象物の負の帯電面に意図して堆積できることである。
【0031】
したがって、本明細書では、第1の対象物の表面の電位は第2の対象物の表面の電位よりも高い。第1の対象物の表面は電場/電離を起動及び発生させるように構成され、第2の対象物の表面は汚染微粒子を収集又は回収するように構成される。第2の対象物の表面は対電極として示すこともできる。発生する表面と収集する表面の間の電位差は、特に表面の間の空間電荷の体積の増大を生じる。空間電荷は、所与の体積内の電子又はイオンの過剰分である。
【0032】
本明細書では、本発明は少なくとも帯電面を適用する。これは、正の帯電面又は負の帯電面であってよい。正の帯電面の場合には、反対面(対電極)が負又は接地でき、好ましくは負である。好ましくは、正及び負の帯電面が適用され、ある種の誘電体としての空気が少なくとも部分的に汚染微粒子から洗浄される配置が選択される。帯電面を受け止める対象物は、本明細書において理解する目的で、第1の対象物(正に帯電できる表面を有する)、及び第2の対象物(負に帯電できる表面を有する)としても示される。好ましくは、これらの対象物の少なくとも1つは街路設備、特に本明細書に示されるような街路設備と一体化され、又はその一部分である。帯電面、特に正の帯電面は、道路、空地、及び建築区域からなる群から選択されるような地理的な対象物の上に少なくとも5mの高さで配置されることが好ましい。
【0033】
用語「道路」は、当業者には明白なように、街路、道、大通り、自動車専用道路、高速自動車道路、小道、路地、通路、軌道、鉄道、歩道、遊歩道、走路、滑走路などを含む。用語、道路は、任意選択の中央分離帯(メディアンストリップ)及び道路沿い(路側帯)をさらに含む。用語、「空地」は、当業者には明らかになるように、買い物広場、町村の広場、市場、緑地、野原、運動広場などを含む。広場などのこれらの「空地」のある部分は、道路であることもできる。用語、「建築区域」は、当業者には明らかになるように、家屋、百貨店、共同住宅、工業化地域などの建築物を伴う任意の区域に関する。用語、「地理的な対象物(geographical object)」は、好ましくは、煤、細塵、及び/又は排気微粒子、又は他の煤、細塵、及び/又は排気微粒子の排出器(エンジン、工場など)によって空気を汚染する自動車両が駆動でき、又は見出すことができる領域に関する。
【0034】
特定の実施形態では、第2の対象物の表面を浄化するために、電荷が一時的に符号を変えられる。たとえば、符号は日に1度、又は週に1度約0.1〜10分間変えることができる。次に、収集された汚染物は、電離によって対電極から除去される。次いで、これらの汚染微粒子は、重力により、たとえば排水路に落ちることができる(下記を参照されたい)。この符号の変更は特に降雨中に適用できる。符号の変更は、たとえば日に1度と週に1度の間の頻度で適用できる。
【0035】
本発明の次の態様によれば、帯電できる表面を備える微粒子捕集装置が設けられ、帯電できる表面に電荷を発生させ、少なくとも0.2kV/mの静電場を発生させるように構成された発電機をさらに備え、微粒子捕集装置は街路設備を備える対象物の一部であり、又はそれと一体化される。1つの実施形態では、街路設備の対象物は、防音壁、ガードレール、トンネルの壁、道路標識、交通情報システム、街灯、及び信号灯からなる群から選択された。上記に示したように、帯電面は好ましくは(動作中に)負に帯電される。本明細書では、「トンネル」なる用語は、たとえばトンネル及び立体交差を含む。
【0036】
1つの実施形態では、表面は正に帯電される。その場合、微粒子捕集装置は、負に帯電、又は接地された対電極をさらに備える。本明細書に記載されるように、対電極はそれぞれ負に帯電、又は接地された表面を有する対象物である。別の実施形態では、微粒子捕集装置は第2の対象物をさらに備え、第2の対象物の表面は接地され、第2の対象物の表面は好ましくはワイヤ、ワイヤメッシュ、アンテナ、又は針の表面であることが好ましい。
【0037】
本発明の別の態様によれば、帯電できる表面を有する第1の対象物と、帯電できる表面を有する第2の対象物と、帯電できる第1の対象物の表面に正の電荷を発生させ、帯電できる第2の対象物の表面に負の電荷を発生させ、表面の間に少なくとも0.2kV/mの静電場を発生させるように構成された発電機とを備える微粒子捕集装置が設けられ、微粒子捕集装置の少なくとも一部分が、たとえば防音壁、ガードレール、トンネルの壁、道路標識、交通情報システム、街灯、又は信号灯などの街路設備を備える対象物の一部分であり、又はそれと一体化される。
【0038】
1つの実施形態では、微粒子捕集装置は風速、及び/又は風向き(及び他のパラメータであってもよい。下記を参照されたい)を測定するように構成された1又は複数の検出器をさらに備える。検出器の信号は、印加された場を制御するプロセッサによって使用できる。たとえば、風向きが帯電面から向けられる場合に、電圧が上昇でき、それに対して向きが帯電面に対する場合、より低い電圧で十分であってよい。したがって、特定の実施形態では、微粒子捕集装置は本発明による方法を制御し、風速及び/又は向きの関数として電場の値及び/又は方向を制御してもよいように構成されたコンピュータをさらに備える。したがって、別の特定の実施形態では、コンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラム製品が提供され、そのコードはコンピュータにロードされると、コンピュータに微粒子捕集装置の電場の値及び/又は方向を制御する機能をもたらし、特に風速及び/又は向きの関数として電場の値及び/又は方向を制御する機能をもたらす。本明細書では、「値及び/又は方向」などの用語は、「値及び方向からなる群から選択される1又は複数」などの用語と同一である。したがって、別の特定の実施形態では、コンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラム製品が提供され、そのコードはコンピュータにロードされると、コンピュータに本発明の方法を制御する機能をもたらし、特に風速及び/又は向きの関数として本発明の方法を制御する機能をもたらす。当業者には明らかになるように、これは微粒子捕集装置が、コンピュータ、風速及び風向きを検出する検出器などを備えることを含意でき、その検出器はコンピュータと接続し、そのコンピュータは表面を帯電するための発電機又は電源と接続し、電場強度を測定する検出器と接続してもよい。
【0039】
別の実施形態では、コンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラム製品が提供され、そのコードはコンピュータにロードされると、コンピュータに、風速及び向き、(空気の)湿度、汚染濃度、交通量、帯電面の汚染、並びに時間からなる群から選択される1又は複数の関数として、本発明による微粒子捕集装置の電場の値及び方向からなる群から選択される1又は複数を制御する機能を提供する。したがって、微粒子捕集装置は、それぞれ風速及び向き、湿度、汚染濃度、交通量、帯電面の汚染、並びに時間(又は任意選択でクロック)を感知するセンサからなる群から選択される1又は複数のセンサをさらに備えることができる。浄化方法は、これらのセンサの入力信号に応じて制御できる。たとえば、交通が全くない場合には、電圧は(0に)低下でき、又は交通が激しい場合には、電圧は上昇できる。
【0040】
微粒子捕集装置は、たとえばサウンドキラー(防音壁)又は道路に沿ったその他の街路設備などの対象物に取り付けられた、たとえば導電板又は針を備えることができる。1つの実施形態では、帯電面は円形又は放物形の表面、板の表面(すなわち平面又は実質的に平面である)、針の表面、又はワイヤメッシュの表面を備える。板、針、円形、又は放物形の品目、ワイヤメッシュ、又は当業者に知られたその他の形状は、金属、カーボン、又はその他の導電性材料などの帯電可能な材料を備える。そのような材料は、交通用設備の対象物の上、又は微粒子捕集装置の少なくとも一部分に被覆され、そうでなければ塗布できる。好ましくは、表面、特に負の帯電面はコロナ効果(corona effects)を防止するために急激な湾曲が全くなく、それはコロナ効果によって煤、微粒子、細塵、及び排気ガスが帯電材料に沿って旋回するからあまり望ましくない。したがって、針様の表面又はその他の湾曲した表面が使用される場合、その湾曲は好ましくは緩やかになっている。より大きな上面又は先鋭でない点を有する針はコロナ効果を全く生じず、電離された煤微粒子、細塵、及び排気ガスがサウンドキラー又は道路に沿ったその他の帯電された街路設備の帯電材料に堆積する。しかし、表面が接地された場合(すなわち第2の対象物の表面が接地された場合)、表面は好ましくは微粒子捕集装置の動作中にコロナ効果が可能になるように構成される。好ましくは、接地された表面は、ワイヤ、ワイヤメッシュ、(鋭い)針、アンテナなどからなる群から選択される1又は複数の対象物の表面である。用語、「アンテナ」は、本明細書では特にワイヤアンテナを指す。当業者には明らかなように、用語、「ワイヤ、ワイヤメッシュ、(鋭い)針、アンテナなど」はそれぞれ、複数のワイヤ、ワイヤメッシュ、(鋭い)針、アンテナなども指す。2つ以上のそのような表面の組合せが適用できる。ワイヤは、真っ直ぐ又は湾曲したワイヤであってよいが、円形又は放物形のワイヤであることもできる。
【0041】
特定の実施形態では、導電性材料は少なくとも0.01m、好ましくは少なくとも0.1mの表面を有するプレートを備える。好ましくは、(正又は負に)帯電される表面は、導電性である材料を備える。同様に、接地された表面(「対電極」)も導電性である。さらに、好ましくは、帯電される表面の材料は、1.10−10Ω.m(20℃で)以下の抵抗率を有する。好ましくは、材料は1.10−9Ω.m(20℃で)以下の抵抗率を有し、より好ましくは、材料は2.10−8Ω.m(20℃で)以下の抵抗率を有する。したがって、負の帯電面は好ましくは導電性である。
【0042】
したがって、帯電面、すなわち第1及び/又は第2の対象物の帯電面は、好ましくは、プレート、針、放物形又は円形のワイヤなどのワイヤ、(金網又は細目金網のような)ワイヤメッシュ、ケーブル、アンテナなどの表面を独立に備える。したがって、第1及び/又は第2の対象物は、プレート、針、放物形又は円形のワイヤなどのワイヤ、(金網又は細目金網のような)ワイヤメッシュ、ケーブル、アンテナなどの1又は複数の対象物を独立に有することができ、それらはそれぞれ第1及び/又は第2の対象物の一部分であり、又はそれと一体化される。
【0043】
さらに、1つの実施形態では、本発明は、本発明による微粒子捕集装置と道路の組合せを提供し、微粒子捕集装置は、道路の少なくとも一部分の上に電場を印加するように構成される。本明細書では、道路にはここでも同様に、たとえば空地などが含まれる。微粒子捕集装置は、負の帯電面の反対側で(道路沿いに配置された負の帯電面に対して反対側で)道路の上に配置できる、又は道路の中央に配置できる正の帯電面をさらに備えることができる。正及び負の帯電面は、それによって(誘電体として空気を有する)コンデンサを形成する。さらに、特定の実施形態では、そのような組合せが提供され、微粒子捕集装置の正の帯電面と負の帯電面の間に空気を有する誘電体が道路の少なくとも一部分の上に配置される。或いは、それほど好ましくないが、負の帯電面の代わりに、接地された表面が適用される。
【0044】
したがって、本発明は、たとえば道路に沿った防音壁(サウンドキラー)への高電圧によって誘導された静電場を有する、煤、及び排ガス微粒子などの捕集装置を提供する。煤、細塵、排ガス微粒子捕集装置は、既存の防音壁又はその他の街路設備に適用するものとして構築でき、或いは年数を経た又は新しい街路設備と一体化でき、装置の負の帯電面に汚染微粒子を引きつける。
【0045】
下記に、いくつかの実施形態が図を参照してより詳細に説明される。図は概略的なものであり、本発明を理解するために基本的な要素のみを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1は実験で使用される設定を示す。この実験は下記に説明される。
【0047】
図2a〜cは、本発明による微粒子捕集装置を備える防音壁の対象物の本発明によるいくつかの実施形態の側面図を概略的に示す。
【0048】
図2aは、道路25に隣接して配置された街路設備の対象物100としての防音壁200を概略的に示す。街路防壁200は、負の帯電面10を発生させるための発電機11を備える微粒子捕集装置30をさらに備える。ここで、帯電面10は、導電性であるプレート30cの表面であってよい(しかしワイヤ、複数のワイヤ、ワイヤメッシュなどの任意のその他の対象物も選択できる)。この帯電面10により、電場が生成される。好ましくは、平らな特徴を有する帯電面10を使用する場合、そのような表面10は、好ましくは地表面の法線に対して0°より大きく90°より小さい角度αで配置される。このようにして、雨水が自然に表面10を洗浄できる。表面10に収集された微粒子は、重力又は雨水によって下方に移動でき、排水路21に収集されてもよい。この排水路は、さらに吸着剤22を備えていてもよい。したがって、微粒子捕集装置30が配置されるこの端部の対象物200は、排水路21及び/又は吸着剤22をさらに備えることができる。本明細書では、用語、「配置された」は表面10(帯電された又は帯電される)が、街路の対象物に取り付けられ、又は一体化された構成を指す。たとえば、表面10としての鉄プレートを街路防壁200に取り付けることができる。この及びその他の実施形態では、微粒子捕集装置30は、帯電できる表面10に1〜50kV、好ましくは1.5〜50kVの電圧を印加するように構成される発電機11を備える。
【0049】
図2bは、同様の構成を概略的に示すが、微粒子捕集装置30の表面10が防音壁200(対象物20)の最上部に配置される点で異なる。好ましくは、微粒子捕集装置30は、吸着剤22を備える芯又は中央部に配置される。負に帯電された表面10は、プレート30c又は(先鋭でない)針30c(図示されるような)などの表面であってよい。発生した電場の電場線は参照符号12によって示され、道路25の上に延出し、それによって微粒子(煤、細塵、排気微粒子)を電離し、それらを帯電面10に引きつける。変形形態では、吸着剤22が飽和した場合に交換できる。
【0050】
図2cは、図2aに示されるような同様の構成を概略的に示す。ここで、(たとえばプレート30cなどの)表面10は、実質的に道路25に向けられた防音壁200の表面全体の上に延出する。
【0051】
図3a〜3dは、本発明による微粒子捕集装置30を備える対象物の本発明によるいくつかのその他の実施形態を概略的に示す。
【0052】
図3aでは、対象物20は街灯柱又は街路灯201を備える。微粒子捕集装置30は、負の帯電面10が街灯柱201の最上部に配置できるように、たとえば街灯柱201に構成できる。たとえば、帯電面10はプレートの表面、(参照符号30bで概略的に示されるような)針、(参照符号30aで概略的に示されるような)円形又は放物形に構成されたワイヤなどであってよい。当業者には明らかになるように、1又は複数の微粒子捕集装置30(すなわち30a、30bなど)が1つの街路設備の対象物100に構成できる。したがって、対象物20は街路設備100、ここでは街灯柱201であり、微粒子捕集装置30は、街路設備100と一体化された、又はその一部分であるプレート30c、ワイヤ30a、又は針30bなどの帯電可能な面10を有する対象物を備える。
【0053】
図3bでは、対象物20はガードレール202を備える。微粒子捕集装置30は、帯電面10が道路25に向けられて横向きに配置できるように、たとえばガードレール202に構成できる。たとえば、帯電面10は、プレート30cの表面であってよい。したがって、対象物20は街路設備100、ここではガードレール202であり、微粒子捕集装置30は、街路設備100と一体化された、又はその一部分であるプレート30cなどの帯電可能な面10を有する対象物を備える。
【0054】
図3cでは、対象物20は信号灯203を備える。微粒子捕集装置30は、帯電面10が針様形状30b、円形又は放物形30a(図3cには示されない)などを有するように、たとえば信号灯203に構成することができる。さらに、帯電面10は、(金網又は細目金網などの)ワイヤメッシュ30dの表面を備えることができる。したがって、対象物20は街路設備100、ここでは信号灯203であり、微粒子捕集装置30は、街路設備100と一体化された、又はその一部分である針30bなどの帯電可能な面10を有する対象物を備える。
【0055】
さらに、図3dは対象物20として交通情報システム204を概略的に示し、ここではたとえば交通情報、所定の速度などを表示するたとえばボードを備える、少なくとも部分的に道路25を橋渡しする橋型の装置を備える。対象物20は、針様形状30b、円形又は放物形30b、(金網又は細目金網のような)ワイヤメッシュ30dの表面などを有することができる。したがって、対象物20は街路設備100、ここでは交通情報システム204であり、微粒子捕集装置30は、街路設備100と一体化された、又はその一部分である針30b又はワイヤ30aなどの帯電可能な面10を有する対象物を備える。
【0056】
好ましくは、微粒子捕集装置30は配置30a及び30bとして図3a、3c、及び3dに特に示すように、対象物20(すなわちここではそれぞれ対象物201、203、及び204、並びに同等の対象物)の最上部に配置される。
【0057】
したがって、微粒子捕集装置30が道路25に隣接して、又は道路25の上に設けられた場合、(道路25の上の)存在する汚染空気は本発明の方法によって浄化される。煤、細塵、及び排気ガスは、それらが微粒子捕集装置30の負の帯電面10に引きつけられることにより、少なくとも部分的に除去される。帯電面10から少なくとも0.5mの距離にわたって、汚染微粒子は表面に引きつけられ、微粒子捕集装置30で「回収」される。有利なことには、汚染微粒子が重力により、たとえば表面10から微粒子を洗う降雨により表面10から落ちる場合、そのような排水路21又は吸着剤22の中に、又はそれによって汚染微粒子が収集できるように、排水路21又は吸着剤22、或いは吸着剤22を備える排水路21が帯電面10の下に配置できる。
【0058】
図4a〜4dは、上述の実施形態に類似しているが、帯電面110が正の帯電面110である本発明による微粒子捕集装置30を備える対象物の本発明によるいくつかの他の実施形態を概略的に示す。街路設備100の例が示される。図4aでは、対象物20は街路設備100、ここでは街灯柱201であり、微粒子捕集装置30は、街路設備100と一体化された、又はその一部分であるプレート30c、ワイヤ30a、又は針30bなどの帯電可能な面110を有する対象物を備える。図4bでは、対象物20は街路設備100、ここではガードレール202であり、微粒子捕集装置30は街路設備100と一体化された、又はその一部分であるプレート30cなどの帯電可能な表面110を有する対象物を備える。図4cでは、対象物20は街路設備100、ここでは信号灯203であり、微粒子捕集装置30は街路設備100と一体化された、又はその一部分である針30bなどの帯電可能な表面110を有する対象物を備える。図4dでは、対象物20は街路設備100、ここでは交通情報システム204であり、微粒子捕集装置30は街路設備100と一体化された、又はその一部分である針30b又はワイヤ30aなどの帯電可能な表面110を有する対象物を備える。
【0059】
好ましくは、微粒子捕集装置30は装置30a及び30bとして図4a、4c、及び4dに特に示すように、対象物20(すなわちここではそれぞれ対象物201、203、及び204、並びに同等の対象物)の最上部に配置される。
【0060】
したがって、微粒子捕集装置30が道路25に隣接して、又は道路25の上に設けられた場合、(道路25の上の)存在する汚染空気は本発明の方法によって浄化される。煤、細塵、及び排気ガスは、それらが微粒子捕集装置30の付近の負の帯電面又は接地された表面10(図示されない)に引きつけられることにより、少なくとも部分的に除去される。このようにして、微粒子は回収され、容易に移動するおそれはない。好ましくは、微粒子捕集装置は、負に帯電された面10(対電極)をさらに備える。特に、そのような表面10では、汚染微粒子が回収できる。したがって、特に図4a〜4dに概略的に示されるような正の帯電面110、及び図3a〜3dに概略的に示された接地された面又は負の帯電面10(1)の実施形態の組合せは、効率的な微粒子捕集装置30を提供する。これは、図5a〜5dを参照して、下記にさらに説明される。
【0061】
理解する目的で、以下の好ましい実施形態では、第1の対象物は参照符号120で示される。そのような対象物は正に帯電された表面110を有する。さらに、第2の対象物は参照符号20で示される。そのような対象物20は、負に帯電され、又はグラウンドに接続された(接地された)表面10を有する。
【0062】
図5aは、場12が参照符号25で示された道路、空地などに適用された実施形態を概略的に示す。道路25(又は空地など)の一方の側(図の右側)には、微粒子捕集装置30が設けられる。この実施形態では、防音壁200が示されるが、これはたとえばガードレール202、トンネルの壁(下記を参照されたい)、道路標識、交通情報システム204、街路灯201、又は信号灯203などの街路設備100の別の要素であってもよい。微粒子捕集装置30の表面10は負に帯電される。図の右部分の負の帯電面10の(道路又は空地25に対して)反対側に、正に帯電できる1又は複数の対象物がある。この図では、表面110を有する対象物120が、対象物30a、30b、30c、又は30dとして本明細書に示されるものとそれぞれ同じ対象物及び表面であってよいが、今度は正に帯電される。したがって、それらはこの実施形態では、正の帯電面110を発生させるように構成された微粒子捕集装置30の一部分を表す。これによって、場12は道路、空地など25の上に設けられ、それによって汚染微粒子が電離でき、それによってこれらの微粒子を(図の右側)道路又は空地25の一方の側に配置された微粒子捕集装置30の負の帯電面10に引き寄せ、したがってそれらを空気から除去する。
【0063】
したがって、特定の実施形態では、帯電できる(負に帯電された)表面10を備え、帯電できる表面10に電荷を発生させ、少なくとも0.2kV/mの静電場12を発生させるように構成された発電機11をさらに備える微粒子捕集装置30が設けられ、微粒子捕集装置30はたとえば防音壁、ガードレール、トンネルの壁、道路標識、交通情報システム、又は信号灯などの街路設備100を備える対象物の一部分であり、又はそれと一体化され、正に帯電された表面110を備える対象物130は、a)道路、空地25の上、b)道路、空地25の中間(たとえば中間のガードレール、或いはたとえば中央分離帯又はメディアンストリップに配置された街路灯としての)、又はc)微粒子捕集装置30と反対側の位置、からなる群から選択される位置に配置される。図5aでは、1又は複数の正の帯電面110(左)を有する1又は複数の対象物130が、道路25の上、及び微粒子捕集装置30(右)の反対側にも配置される。したがって、図5aの概略図では、道路25及び微粒子捕集装置30の組合せが示され、微粒子捕集装置30が道路25の少なくとも一部分の上に電場12を印加するように構成される。
【0064】
したがって、微粒子捕集装置30は好ましくは街路設備の一部分、又はそれと一体化された負の帯電面10、及び1つの実施形態では道路25の上、反対側、又は中間に配置できる正の帯電面110を有するコンデンサを有する。発電機11は、当業者には明らかになるように、表面10を負に、表面110を正に帯電させるために使用できる。
【0065】
正の帯電面110が道路25の中間に配置される(たとえば中央分離帯又はメディアンストリップに配置される)場合には、好ましくは第2の微粒子捕集装置30が(道路25に関して)第1の微粒子捕集装置30の反対側に配置される。当業者には明らかになるように、道路又は空地25の中間に配置された帯電面を使用した装置を使用する場合、本発明は道路又は空地25の中間の1又は複数の負の帯電面10、及び道路又は空地25の上又は側方の1又は複数の帯電面を備える実施形態も含む。
【0066】
したがって、特定の実施形態では、微粒子捕集装置30の正の帯電面110と負の帯電面10の間の空気の誘電体250が、道路の少なくとも一部分の上に配置される。これは、1対の負の帯電面10及び正の帯電面110それぞれによって橋渡しされた間隙は道路(又は空地)25の上の表面の少なくとも一部分を橋渡しすることを意味する。したがって、微粒子捕集装置30は、少なくとも使用中には、帯電面110を有する第1の対象物120と帯電又は接地された表面10を有する第2の対象物との間に地理的な対象物、ここでは道路25の少なくとも一部分を有するように配置される。
【0067】
好ましくは、1又は複数の対象物130は正の帯電面と交通の間の最も短い距離が少なくとも0.5m、好ましくは少なくとも1.0mであるように配置される。1つの実施形態では、正の帯電面110を有する1又は複数の対象物130が、対象物30(特に30a及び/又は30b)に関して図31、3c、及び3dに示されるのと同様に、より好ましくは正の帯電面130と(現地の法律により)許容可能な最大の高さを有する交通(トラック、バスなど、又は列車も含む)の最上部との間の最も短い距離が少なくとも0.5m、好ましくは少なくとも1.0mである高さで、信号灯203、案内標識204、及び街路灯201などの街路設備100の最上部に配置される。したがって、このようにして、交通の最上部(すなわち最大高さ)と正の帯電面110の間の最も短い距離が、少なくとも0.5m、好ましくは少なくとも1.0mである。
【0068】
当業者には明らかになるように、本発明による微粒子捕集装置30に備えられた正の帯電面110を有する1又は複数の対象物130(すなわち130a、130bなど)が使用でき、たとえば街路設備の対象物100に構成できる。
【0069】
負の帯電面10は好ましくは接地されない。しかし、1つの実施形態では表面10も接地できる。
【0070】
本発明では、本発明によって実質的に全ての汚染微粒子が距離を置いて電離され、微粒子捕集装置によって一度に捕集される。NOも、水和された場合に距離を置いて電離することができ、同じ様式で引きつけることができる。図5aの実施形態は、示されるように特定のワイヤ130a、針130b、及びプレート30cに限定されない。その他の対象物が、その代替として又はそれに加えて、それぞれ第1の対象物120及び第2の対象物20に配置され、又はそれらと一体化できる。
【0071】
図5bは、概略的に図5aに示されるように同様の概略の実施形態を示す。しかし、ここでは、第1の対象物120は、例としてアンテナ様の対象物130eである。さらに、対電極はここで、格子様のワイヤシステムを有する、好ましくは負に帯電されたフェンス様対象物30fである。負の帯電面10を備える対象物30fの下流側に、場12に対して、垣根50が設けられる。街路設備100としてのフェンス30f及び垣根50の組合せは、特に、本発明の方法の捕集機能を提供できる。図5bの実施形態は、示されるような特定のアンテナ130e及びワイヤメッシュ30fに限定されない。その他の対象物が、その代替として又はそれに加えて、それぞれ第1の対象物120及び第2の対象物20に配置され、又はそれらと一体化できる。第2の対象物20の表面10、すなわちワイヤメッシュ30fの表面10は、接地でき、又は負に帯電できる。
【0072】
図5cは概略的に、トンネルの壁64を有するトンネル60を側面図で示す。好ましくは負の帯電面10を有するガードレール202、及びワイヤシステム130gの正の帯電面110は、微粒子捕集装置30として使用される。ワイヤシステム130gは正の帯電面110を有する、いくつかの実質的に平行なワイヤ61を備えることができる。それらは、この実施形態では、負の帯電面10の高さh2よりも大きな高さh1に配置される。図5cの実施形態は、示されるような特定のワイヤシステム130g及びプレート30cに限定されない。その他の対象物が、その代替として又はそれに加えて、それぞれ第1の対象物120(すなわちトンネルの壁64)及び第2の対象物20に配置され、又はそれらと一体化できる。第2の対象物20の表面10、すなわちプレート30cの表面10は、接地でき、又は負に帯電できる。代替実施形態では、たとえばワイヤシステム、又はワイヤメッシュが1又は複数の第2の対象物20にも適用される。
【0073】
図5dは、開口62を有するトンネル60及び上述と同様のワイヤシステム130gを上面図で概略的に示し、それはトンネルの外側に(も)配置できる。さらに、上述のような対電極30f及び任意選択の垣根50が道路の片側又は両側に配置できる。図5dの実施形態は、示されるような特定のワイヤシステム130g及びプレート30c(及び1又は複数の垣根50)に限定されない。その他の対象物が、その代替として又はそれに加えて、それぞれ第1の対象物120(すなわちトンネルの壁64)及び第2の対象物20に配置され、又はそれらと一体化できる。第2の対象物20の表面10、すなわちプレート30cの表面10は、接地でき、又は負に帯電できる。代替実施形態では、たとえばワイヤシステム、又はワイヤメッシュが1又は複数の第2の対象物20にも適用される。
【0074】
ワイヤシステム130g、又はアンテナ130e及びワイヤメッシュ30fは、本明細書に概略的に示される特定の実施形態に限定されず、これらの対象物はそれぞれ第1の対象物120及び第2の対象物20に配置され、又はそれらと一体化されることに留意されたい。たとえば、第2の対象物120は接地された又は負の帯電面10を有するワイヤシステムも備えることができ、同様に第1の対象物120は正の帯電面110を有するワイヤメッシュ(金網)(本明細書には図示されない)も備えることができる。
【0075】
したがって、本発明は、1つの実施形態で、帯電可能な表面110を有する第1の対象物120、及び帯電可能な表面10(その表面10は接地されていてもよい)を有する第2の対象物20を備える微粒子捕集装置30を提供し、微粒子捕集装置は、第1の対象物の少なくとも表面110に電荷を発生させるように構成され、表面10、110の間に少なくとも0.2kV/mの静電場12を発生させるように構成された発電機11をさらに備える。本発明は、本明細書に述べられるような微粒子捕集装置30が道路、空地、及び建築区域からなる群から選択される地理的な対象物の少なくとも一部分にわたって電場を印加するのに使用される方法をさらに提供する。したがって、微粒子捕集装置30が使用されるとき、第1及び第2の対象物120、20が第1及び第2の対象物の間の地理的な対象物の少なくとも一部分を有するように配置される(図5a〜5dも参照されたい)。好ましくは、表面110より下の地表面の上の第1の対象物120の表面110の高さh1は、地表面の上の第2の対象物20の表面10の高さh2よりも大きい。これらの高さは、高さを意味することができるが、図に示されるように、それぞれ地表面の上の第1の対象物120の表面110の最も低い高さ、及び地表面の上の第2の対象物20の表面10の最も高い高さであることもできる。1つの実施形態では、(動作中の)正の帯電面110は、(表面110の下の地表面に対する)道路、空地、及び建築区域からなる群から選択されるような地理的な対象物の上に少なくとも5mの高さh1で配置される。
【0076】
システム全体を通した電流は微粒子捕集の効率の尺度であってよい。
【0077】
当業者に明らかになるように、好ましくは負の帯電面を有する対電極又は対象物30は中央分離帯(メディアンストリップ)に配置することもでき、正の帯電面を有する第2の対象物130は道路沿いに配置できる。
【0078】
さらに、本発明は道路の適用に限定されないが、空地及び建築区域などのその他の地理的な対象物に適用することもできる。
【0079】
本明細書では、用語、「帯電面」、「負の帯電面」、及び「正の帯電面」は、微粒子捕集装置のその使用中の、すなわち場が印加されたときの表面を指す。たとえば、表現「導電性材料の表面を備える帯電面」及び同様の表現は、動作中の表面、及び動作中でない微粒子捕集装置の両方を指し、それは装置の使用中の表面が帯電されることのみを示した。
[実施例]
【0080】
図1を参照して、以下の実験が行われた。エタノール混合物2内の20重量%のグリセロールが容器1に供給された。針3が1つずつ液滴を供給するように、混合物が中空の針3に送られた。中空の針3は、供給源4によって発生した電場内に配置された。電位は約4〜7kV(直流)であった。エーロゾル6がエーロゾル微粒子7を有する。これらの微粒子は、負に帯電されたプレートの開口5に送られる。針は正に帯電された。それによって、開口5を通って供給されたエーロゾル微粒子7は中性である。
【0081】
それに続いて、エーロゾル微粒子7は負に帯電されたプレート10(直流)によって発生した電場12に(開口5を通って)送られた。負の電荷は電位発生機11によって発生する。微粒子捕集装置30は負の帯電面10及び電場12の発電機11を備える。印加される電位は約10kVであった。エーロゾル微粒子7は表面に引き寄せられ、エーロゾルのおよそ100%が捕集された。好ましくは、表面10は平坦である。或いは、表面10は、わずかに曲げられ、又はたとえば(たとえば円形又は放物形のワイヤなどの形の)弓形の形状を有した。
【0082】
上記に示した実施形態は本発明を限定するのではなく例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱せずに多くの代替実施形態を設計できることに留意すべきである。特許請求の範囲では、括弧の間に置かれた参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞、「備える」及びその活用形の使用は、特許請求の範囲に明記される以外の要素又は段階の存在を排除しない。要素の前の形容詞、「1つの(a又はan)」はそのような複数の要素の存在を排除しない。本発明はいくつかの別個の要素を備えるハードウェアによって、また適切にプログラムされたコンピュータによって実施できる。いくつかの手段を列挙する装置の特許請求の範囲では、これらの手段のいくつかは同一品目のハードウェアによって実施できる。単に、いくつかの手段が、互いに異なる従属請求項に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0083】
なし
【図1】

【図2a】

【図2b】

【図2c】

【図3a】

【図3b】

【図3c】

【図3d】

【図4a】

【図4b】

【図4c】

【図4d】

【図5a】

【図5b】

【図5c】

【図5d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染空気から煤、細塵、及び排ガス微粒子を除去する方法であって、帯電面を有する、静電場(12)を発生させるように構成された微粒子捕集装置(30)を提供するステップを含み、前記電場(12)が少なくとも0.2kV/mである方法。
【請求項2】
電場(12)が0.2〜50kV/mの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
微粒子捕集装置(30)が第1の対象物(120)を備え、前記第1の対象物(120)の表面(110)に正の電荷を印加するステップを含み、それによって正の帯電面を提供する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
微粒子捕集装置(30)が第2の対象物(20)をさらに備え、前記第2の対象物(20)の表面(10)に負の電荷を印加するステップをさらに含み、それによって負の帯電面を提供する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
第1の対象物(120)の表面(110)が第2の対象物(20)の表面(10)よりも高い位置に配置された、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
第2の対象物(20)の表面(10)を浄化するために電荷の符号が一時的に変更される、請求項3及び4、又は5に記載の方法。
【請求項7】
静電場(12)が、道路(25)、空地、及び建築区域からなる群から選択される1又は複数の地理的な対象物の少なくとも一部分の上に印加される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
帯電面が、道路、空地、及び建築区域からなる群から選択される地理的な対象物から少なくとも5m上の高さに配置される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
微粒子捕集装置(30)が第2の対象物(20)をさらに備え、前記第2の対象物(20)の表面(10)が接地され、前記表面(10)がワイヤ、ワイヤメッシュ、アンテナ、又は針の表面である、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
1〜50kV、好ましくは1.5〜50kVの電圧が帯電面に印加される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
静電場(12)が、道路(25)上の少なくとも一部分に印加される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
表面を洗浄するステップをさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
微粒子捕集装置(30)に備えられた吸着剤(22)によって煤、細塵、及び排ガス微粒子の少なくとも一部分を収集する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
帯電できる表面(110)を有する第1の対象物(120)と、帯電できる表面(10)を有する第2の対象物(20)と、帯電できる前記第1の対象物の表面(110)に正の電荷を発生させ、帯電できる前記第2の対象物の表面(10)に負の電荷を発生させ、前記表面(110、10)の間に少なくとも0.2kV/mの静電場(12)を発生させるように構成された発電機(11)とを備える微粒子捕集装置(30)であって、前記微粒子捕集装置(30)の少なくとも一部分が、たとえば防音壁(200)、ガードレール(202)、トンネルの壁(64)、道路標識、交通情報システム(204)、街灯(201)、又は信号灯(203)などの街路設備(100)を備える対象物の一部分であるか、又はそれと一体化される微粒子捕集装置(30)。
【請求項15】
帯電できる表面(10)を備え、帯電できる前記表面(10)に電荷を発生させ、少なくとも0.2kV/mの静電場(12)を発生させるように構成された発電機(11)をさらに備える微粒子捕集装置(30)であって、たとえば防音壁(200)、ガードレール(202)、トンネルの壁(64)、道路標識、交通情報システム(204)、街灯(201)、又は信号灯(203)などの街路設備(100)を備える対象物(20)の一部分であるか、又はそれと一体化される微粒子捕集装置(30)。
【請求項16】
帯電された表面(10)が動作中に負に帯電される、請求項15に記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項17】
帯電できる表面(110)を備え、帯電できる前記表面(110)に電荷を発生させ、少なくとも0.2kV/mの静電場(12)を発生させるように構成された発電機(11)をさらに備える微粒子捕集装置(30)であって、たとえば防音壁(200)、ガードレール(202)、トンネルの壁(64)、道路標識、交通情報システム(204)、街灯(201)、又は信号灯(203)などの街路設備(100)を備える対象物(120)の一部分であり、又はそれと一体化される微粒子捕集装置(30)。
【請求項18】
第2の対象物(20)をさらに備え、前記第2の対象物(20)の表面(10)が接地され、前記表面(10)が好ましくは、ワイヤ、ワイヤメッシュ、アンテナ、又は針の表面である、請求項17に記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項19】
場が0.2〜50kV/mの範囲である、請求項14〜18のいずれかに記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項20】
帯電面が導電性材料の表面を備え、前記導電性材料が少なくとも0.01m、好ましくは少なくとも0.1mの表面を有するプレートを備える、請求項14〜19のいずれかに記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項21】
帯電面が1.10−9Ω.m(20℃で)以下の抵抗率を有する導電性材料の表面を備える、請求項14〜20のいずれかに記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項22】
煤、細塵、及び排ガス微粒子の少なくとも一部分を収集するように構成された吸着剤(22)をさらに備える、請求項14〜21のいずれかに記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項23】
表面(10)が、地表面の法線に対して0°より大きく90°より小さい角度で配置される、請求項14〜22のいずれかに記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項24】
発電機(11)が、1〜50kVの電圧を印加するように構成された、請求項14〜23のいずれかに記載の微粒子捕集装置(30)。
【請求項25】
汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子を収集するための、少なくとも0.2kV/mである静電場(12)を発生させるように構成された帯電面(10)を備える微粒子捕集装置(30)の使用。
【請求項26】
汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子を収集するための、少なくとも0.2kV/mである静電場(12)を発生させるように構成された帯電面(110)を備える微粒子捕集装置(30)の使用。
【請求項27】
場が0.2〜50kV/mの範囲である、請求項25又は26に記載の使用。
【請求項28】
道路、空地、及び建築区域からなる群から選択された地理的な対象物の上の汚染空気中の煤、細塵、及び排ガス微粒子のうちの1又は複数を収集するための、請求項14〜24のいずれかに記載の微粒子捕集装置(30)の使用。
【請求項29】
コンピュータにロードされると、前記コンピュータに、風速及び向き、湿度、汚染濃度、交通量、帯電面の汚染、並びに時間からなる群から選択される1又は複数の関数として、請求項14〜24のいずれかに記載の微粒子捕集装置の電場の値及び方向からなる群から選択される1又は複数を制御する機能を提供するコンピュータ実行可能コードを含む、コンピュータプログラム製品。

【公表番号】特表2009−528160(P2009−528160A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557228(P2008−557228)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050086
【国際公開番号】WO2007/100254
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(508262124)テクニシュ ユニベルシテイト デルフト (1)
【氏名又は名称原語表記】TECHNISCHE UNIVERSITEIT DELFT
【Fターム(参考)】