説明

照光式スイッチ構造

【課題】 キートップに立体感のある照明を照光することができ、キートップの過剰な押し下げを規制するストッパー手段をキートップの下方に配置しても、キートップに照光の陰として表れない照光式スイッチ構造を提供する。
【解決手段】操作部の下方の基板上に、照光用発光素子を囲う半球状の透明ドーム体を固定し、透明ドーム体の外側面を、粗面加工した光拡散面とするとともに、スイッチユニットがスイッチング動作した後に更に下降するキートップに当接し、キートップの下降を規制するストッパー面とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キートップの操作部を下方から照光する照光式スイッチ構造に関し、特に、照光用発光素子が点光源としてキートップを通して表れないように、照光用発光素子とキートップの間に照光用発光素子の光を拡散させる拡散手段を備えた照光式スイッチ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キートップの操作部の下方に照光用発光素子を配置し、半透明の操作部を下方から照光する照光機能を加えた照光式スイッチには、操作部を通して発光する照光用発光素子が点光源として表れないように、キートップの操作部との間に、照光する光を拡散させる拡散シートを配置した照光式スイッチ構造が知られている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載の従来の照光式スイッチ構造100は、図7に示すように、半透明のキートップ101とキートップ101に一体に取り付けられるランプハウス102の間に拡散シート103が挟持されて取り付けられる。ランプハウス102は、縦長の筒状に形成され、その下方の位置でプリント配線基板110上に実装された照光用LED104を囲うようにキートップ101の下方に固定される。ランプハウス102の筒状の周囲には、プリント配線基板110に当接し、ランプハウス102の下降を規制する複数のストッパー突起106が垂設されている。
【0004】
また、照光用LED104に隣接するプリント配線基板110上には、スイッチユニット105が実装され、スイッチユニット105のアクチュエータ105aがランプハウス102の側方に連設された嵌着部102aに結合し、ランプハウス102の上下動に連動している。
【0005】
このように構成された照光式スイッチ構造100は、キートップ101を押し下げると、キートップ101に固定されたランプハウス102によって、アクチュエータ105aが押し下げられ、スイッチユニット105がスイッチング動作する。スイッチング動作した後に更に下降するランプハウス102は、ストッパー突起106がプリント配線基板110に当接してその下降が規制されるで、キートップ101への押し下げ操作力が直接スイッチユニット105に加わらず、その内部機構の破損を防止できる。
【0006】
また、このスイッチユニット105のスイッチング動作に連動して、若しくはスイッチング動作と独立して、照光用LED104が点灯制御される。LED104から発光される光は、ランプハウス102内を通過して拡散シート103により拡散されて半透明のキートップ101を背面から照光するので、キートップ101の全体がむらなく光り、LED104による点光源がキートップ101の表面側に表れない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−165143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この従来の照光式スイッチ構造100によれば、キートップ101の底面に沿った拡散シート103の平面からLED104の光を拡散するので、キートップ101全体がむらなく均一に光るものの、光源を中心として明暗にグラデーションがあるような立体感のある照明をキートップ101の表面に表すことはできなかった。
【0009】
また、スイッチユニット105がスイッチング動作した後のキートップ101の押し下げを規制するストッパー突起106を、LED104の光路に配置すると、その影がキートップ101の表面に表れて美感を損なうので、筒状としたランプハウス102によりその光路を限ると共に、ストッパー突起106をランプハウス102の周囲に設けている。このような理由から、複雑形状のランプハウス102を別に設ける必要があるとともに、スイッチユニット105と干渉しないランプハウス102の外側にストッパー突起106を設けることとなり、照光式スイッチ構造100の全体が大型化し、高実装密度で各種部品をプリント配線基板110へ実装しなければならない機器のスイッチ構造として用いることはできなかった。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、キートップに立体感のある照明を照光することができ、キートップの過剰な押し下げを規制するストッパー手段をキートップの下方に配置しても、キートップに照光の陰として表れない照光式スイッチ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、請求項1の照光式スイッチ構造は、基板と、基板に固定され、基板の上方に窓孔が穿設されたケースと、半透明の操作部が窓孔に遊嵌し、ケース若しくは基板に支持されたキートップと、キートップの下方の基板上に固定され、操作部の押し下げによって下降するキートップに連動してスイッチング動作するスイッチユニットと、操作部の下方の基板上に固定され、操作部を下方から照光する照光用発光素子とを備えた照光式スイッチ構造であって、操作部の下方の基板上に、照光用発光素子を囲う半球状の透明ドーム体を固定し、透明ドーム体の外側面を、粗面加工した光拡散面とするとともに、スイッチユニットがスイッチング動作した後に更に下降するキートップに当接し、キートップの下降を規制するストッパー面としたことを特徴とする。
【0012】
照光用発光素子から発光される光は、球面の光拡散面を通過して拡散され、キートップの操作部の背面を照光するので、操作部の表面には、半球状のドーム体の頂部から周囲に向かって遠ざかる立体感のある照明が表れる。
【0013】
光拡散面となった透明ドーム体の外側面を、キートップの下降を規制するストッパー面とするので、操作部の下方にストッパー手段となる透明ドーム体を配置しても、操作部の表面にストッパー手段が照光の陰となって表れない。
【0014】
請求項2の照光式スイッチ構造は、基板が、照光用発光素子とスイッチユニットを実装するプリント配線基板であり、プリント配線基板に沿って透明ドーム体から放射状に複数の脚部が一体に突設され、各脚部の先端部に、プリント配線基板のスルーホールに係止する係止突起と、プリント配線基板に実装される送信用発光素子を位置決めするホルダー部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
スイッチユニット等の他の電子部品と干渉しないプリント配線基板上の任意の位置に、透明ドーム体から放射状に複数の脚部を突設し、その先端部の係止突起をプリント配線基板のスルーホールに係止させるので、照光用発光素子の周囲に充分な固定スペースが得られなくても透明ドーム体を固定できる。
【0016】
送信用発光素子は、各ホルダー部に位置決めした状態で、専用の治具を用いずにプリント配線基板へ実装できるので、実装作業が容易になる。
【0017】
請求項3の照光式スイッチ構造は、送信用発光素子が、操作部の周囲に配置された被制御機器の動作を制御するリモートコントロール信号を赤外信号として発信する赤外発光素子であり、少なくともいずれかの赤外発光素子から発信される赤外信号が被制御機器へ到達するように、複数の各ホルダー部は、各赤外発光素子を互いに異なる向きに位置決めすることを特徴とする。
【0018】
各赤外発光素子は、透明ドームから放射状に突設された脚部の先端部に形成されたホルダーに互いに異なる向きに位置決めされるので、互いの指向角が重ならない少数の赤外発光素子で、効率的に操作部の周囲の全体に赤外信号を発信することができる。
【0019】
各赤外発光素子は、ホルダーにより位置決めされるので、経年変化や衝撃を受けてもその向きが変化しない。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、キートップの操作部の表面に、透明ドーム体の頂部を中心として明暗にグラデーションがあるような立体感のある照明を表すことができ、照光時に特有の美感のある照光式スイッチとすることができる。
【0021】
また、キートップの押し下げを規制するストッパー手段を別に設けることなく、また、キートップの操作部の下方にストッパー手段を配置してもストッパー手段の陰が操作部に表れない。
【0022】
請求項2の発明によれば、透明ドーム体自体の固定手段や固定スペースを考慮することなく、照光用発光素子を囲うプリント配線基板上の位置に透明ドーム体を固定できる。
【0023】
また、専用の実装用治具を用いずに、送信用発光素子を容易にプリント配線基板上の任意の位置に実装できる。
【0024】
請求項3の発明によれば、照光式スイッチが取り付けられた機器の設置姿勢にかかわらず、少数の赤外発光素子で効率的にその周囲に配置された被制御機器に赤外信号を到達させて、その動作を制御できる。
【0025】
また、各赤外発光素子の赤外信号を発信する方向は、赤外発光素子がホルダーによって位置決めされて変化せず、機器を落下させたり、経年変化があっても、被制御機器に赤外信号が確実に到達する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態に係る照光式スイッチ構造1の分解斜視図である。
【図2】照光式スイッチ構造1の縦断面図である。
【図3】キートップ2の操作部2aを押し下げた状態の照光式スイッチ構造1の縦断面図である。
【図4】照光式スイッチ構造1を備えたリモートコントロール送信機10の斜視図である。
【図5】上ケース31を除いた照光式スイッチ構造1の平面図である。
【図6】透明ドーム体40を有するホルダーユニット4と赤外発光素子5を示す要部分解斜視図である。
【図7】従来の照光式スイッチ構造100の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態に係る照光式スイッチ構造1を、図1乃至図6を用いて説明する。本実施の形態の説明では、図2で図示する方向を上下方向として照光式スイッチ構造1の各部を説明する。
【0028】
この照光式スイッチ構造1は、被制御機器である家電機器の動作を遠隔制御するリモートコントロール送信機10に装備されるもので、このリモートコントロール送信機10は、音声による家電機器への制御命令を音声認識し、その制御命令を含むリモートコントロール信号を赤外信号として家電機器へ送信するものである。
【0029】
従って、リモートコントロール送信機10は、手に持たずに載置したまま使用でき、矩形枠部30の上下に上ケース31と下ケース32を組み合わせてなるケース3の外形を、図4に示すように、やや扁平な直方体状として、テーブル等に載置可能な形状としている。
【0030】
このうち、上ケース31は、周壁の下端が矩形枠部30の上方から係合する下向きの升状に形成され、矩形枠部30に沿って取り付けられるプリント配線基板8との間にプリント配線基板8に実装されるスイッチユニット6等の各部品を収容する収容スペースが形成される。また、下ケース32は、上方に開口する枡形に形成され、周壁の上端が矩形枠部30の内壁面に沿って嵌合して組み立てられ、矩形枠部30に取り付けられるプリント配線基板8との間には、リモートコントロール送信機10の電源となるバッテリー等が収容される。
【0031】
本実施の形態の照光式スイッチ構造1は、図1に示す上ケース31、キートップ2、透明ドーム体40を有するホルダーユニット4、スイッチユニット6、2種類の照光用発光素子7、赤外信号を発信する3個の赤外発光素子5及び矩形枠部30の内側面に沿って取り付けられたプリント配線基板8とから構成される。
【0032】
上ケース31は、3個の赤外発光素子5から発信される赤外信号がリモートコントロール送信機10の周囲に発信されるように赤外線透過性の合成樹脂で形成され、その平面には、後述するキートップ2の操作部2aが遊嵌する正方形の窓孔31aが穿設されている。
【0033】
キートップ2は、この上ケース31に形成された一対の回動孔31bへ、一端から両側に突出する回動軸21を遊挿させて上ケース31に回動自在に支持され、他端をプリント配線基板8上に実装されたスイッチユニット6のアクチュエータ6a上に当接させている。アクチュエータ6aは、図示しない付勢手段によってスイッチユニット6の本体に対して上方に付勢されているので、アクチュエータ6aに当接するキートップ2の他端は、上ケース31の内頂面に当接して位置決めされ、この位置決めされた状態で、キートップ2の中間の操作部2aが窓孔31aから上方に突出し、押し下げ操作自在となっている。
【0034】
これにより、操作部2aを押し下げ操作すると、アクチュエータ6aが下降して、スイッチユニット6は、閉じ動作し、操作部2aへの操作力を解くと、スイッチユニット6の付勢手段によってアクチュエータ6aが上方に復帰して、スイッチユニット6は、開動作し、操作部2aは窓孔31aから突出する原位置に復帰する。
【0035】
プリント配線基板8上のキートップ2の下方の位置には、透明合成樹脂で形成されたホルダーユニット4が取り付けられる。このホルダーユニット4は、図6に示すように、半球状の透明ドーム体40と透明ドーム体40の円周上の下端から放射状に突設された3本の脚部41と、各脚部41の先端に形成されたホルダー部42と、各脚部41の先端の底面から垂設された一対の係止爪片43とを一体に備えている。
【0036】
透明ドーム体40の球面となっている外側面は、粗面加工により照光用発光素子7から発光される光を拡散する光拡散面40aとなっている。ここで、粗面加工とは、透明ドーム体40の外側面に微細な凹凸を形成する加工であり、凹凸により通過する光を拡散する光拡散面とすることができれば、梨地面とする梨地加工、フロスト加工、エンボス加工等のいずれの加工方法も含まれるが、本実施の形態では、透明ドーム体40を成型する金型面に圧縮空気で砂を吹き付けて成型面を荒らすサンドブラスト法を用いたしぼり加工の粗面加工で、透明ドーム体40の外側面を光拡散面40aとしている。
【0037】
各脚部41の先端に形成されたホルダー部42は、脚部41の長手方向と直交方向で対向する一対の弾性挟持片からなり、図5、図6に示すように、一対の弾性挟持片の間に上方から装着した赤外発光素子5を、端子を下方側とした斜め上方に傾斜した状態で各脚部41の先端で位置決め保持する。
【0038】
3個の赤外発光素子5の実装位置に近接してプリント配線基板8には、各脚部41の先端から垂設された一対の係止爪片43が挿通して係止するスルーホール8aが穿設されている。一対の係止爪片43は、互いに外向きのフックがプリント配線基板8の背面に係止して抜け止めされ、脚部41の先端をプリント配線基板8へ固定する。
【0039】
脚部41がプリント配線基板8に固定されたホルダー部42に位置決めされた赤外発光素子5の端子は、その端子を半田接続するプリント配線基板8のパターン上に位置決めされ、従って、赤外発光素子5の半田接続作業は、赤外発光素子5を仮保持する専用の治具を用意することなく、ホルダー部42に位置決めされた赤外発光素子5の端子に対して容易に行うことができる。
【0040】
赤外発光素子5は、被制御機器の動作を制御する制御信号で変調したリモートコントロール信号を赤外信号として発信するもので、赤外発光素子5の向きに対して一定の指向角内に赤外信号を発信する。テーブルなどに載置されたリモートコントロール送信機10で制御する被制御機器は、リモートコントロール送信機10に対して高い位置にあるもののその方向が不明であるので、各赤外信号ができるだけ重ならず効率的に周囲全体に到達するように、各ホルダー部42に位置決めされる赤外発光素子5は、図6に示すように、プリント配線基板8から斜め上方で互いに異なる向きに向けて位置決めされる。一般に、赤外発光素子5の指向角を50度として、3個の赤外発光素子5では、リモートコントロール送信機10の周囲全体に直接赤外信号を到達させることはできないが、室内であれば壁などによって赤外信号が反射するので、3個の赤外発光素子5の指向角から外れた被制御機器であってもいずれかの赤外信号が到達する。
【0041】
また、3本の各脚部41の先端をプリント配線基板8へ固定した状態で、透明ドーム体40の頂部は、図2に示すように、キートップ2の操作部2aの中心の直下に位置するように、ホルダーユニット4の全体はプリント配線基板8に固定される。キートップ2の操作部2aと透明ドーム体40の頂部との間隔は、スイッチユニット6本体に対するアクチュエータ6aのストロークより短く、操作部2aを押し下げ操作し、スイッチユニット6が閉じ動作した後、更にアクチュエータ6aが下降自在の状態で操作部2aが透明ドーム体40に当接し、キートップ2の押し下げが規制される。これにより、スイッチユニット6が閉じ動作した後も、アクチュエータ6aが強制的に押し込まれて付勢手段や内部のスイッチ回路が破損することが防止される。
【0042】
ここで、透明ドーム体40の外側面は半球面であるので、キートップ2の操作部2aの下方で透明ドーム体40の頂部の位置が定まっていれば、各脚部41の固定位置を変えて透明ドーム体40を中心軸回りに回転させて固定しても、操作部2aとの距離は変化しない。特に、本実施の形態のように、回動軸21回りに回転して押し下げられるキートップ2の操作部2aに対しても、透明ドーム体40の外側面との距離が変化しないので、アクチュエータ6aのストロークが微小であっても、正確に押し下げストロークに到達する前に操作部2aを透明ドーム体40の外側面へ当接させることができる。
【0043】
上述のように複数の各脚部41は、スイッチユニット6他の電子部品と干渉せずにプリント配線基板8へ実装する赤外発光素子5の個数、その実装位置や位置決めする向きに合わせて形成されるもので、操作部2a直下の透明ドーム体40の中心から放射状に形成されるものであるので、脚部41の本数は、本実施の形態のように3本に限らず、また、各脚部41の長さや脚部41間の角度も赤外発光素子5の実装位置や向きにより異なるものとなる。
【0044】
2種類の照光用発光素子7は、それぞれ赤色と緑色の光を発光するLEDであり、透明ドーム体40の中心付近のプリント配線基板8上に上方に向けて実装される。これにより、照光用発光素子7は、透明ドーム体40で囲われ、照光用発光素子7から発光される赤色若しくは緑色の光は、透明ドーム体40の半球面である光拡散面40aを通過して拡散され、半透明の操作部2aの全体を下方から照光する。
【0045】
プリント配線基板8には、上述のスイッチユニット6、赤外発光素子5、照光用発光素子7の他、マイクロフォン、音声を認識して制御命令に変換するマイコン等リモートコントロール送信機10の動作に必要な各電子部品が搭載される。
【0046】
このように構成された照光式スイッチ構造1は、入力操作を行わない待機中に、図2に示すように、キートップ2の操作部2aがケース3の窓孔30aから突出し、スイッチユニット6は開動作となっている。
【0047】
この状態から操作部2aを押し下げると、アクチュエータ6aが下降してスイッチユニット6は閉じ動作し、その後、更に押し下げられる操作部2aは、図3に示すように、アクチュエータ6aの押し下げストロークに達する前に、透明ドーム体40に当接して押し下げが規制される。従って、操作部2aが異常な操作力や外力を受けても、スイッチユニット6に直接伝達されず、スイッチユニット6が破損することがない。このように、操作部2aの直下に配置された透明ドーム体40を押し下げのストッパーとして作用させるので、照光用発光素子7の点灯時にストッパーの陰が半透明の操作部2aに表れない。
【0048】
照光用発光素子である赤色LED7と緑色LED7は、上記スイッチユニット6の開閉動作に必ずしも連動して点灯(発光)制御する必要はないが、ここでは、スイッチユニット6がスイッチング動作に応答して点灯制御したり、正常動作完了や動作エラー、バッテリー不足などリモートコントロール送信機10の種々の動作状況に応じて、赤色LED7若しくは緑色LED7を点灯制御し、その状況を操作者に伝える。透明ドーム体40の中心で、緑色LED7と赤色LED7が点灯すると、半球面となった光拡散面40aによりその光が拡散され、半透明の操作部2aの表面に、輪郭がぼやけた半球状の光源が立体的に表れる。
【0049】
上述の実施の形態では、キートップ2は、回動軸21回りに回転して操作部2aが押し下げられるものであったが、キートップの全体がケース3に対して鉛直方向に押し下げられるものであってもよい。
【0050】
また、照光式スイッチ構造を搭載する機器は、スイッチユニットを押し下げ動作させる操作部を背面側から照光するスイッチ構造を搭載する機器であれば、必ずしも被制御機器を遠隔制御するリモートコントロール送信機に限らない。
【0051】
また、透明ドーム体内に固定する照光用発光素子は、1個でも3個以上の他種類の発光素子であってもよく、また、任意の発光色の発光素子をその用途に応じて選択できる。
【0052】
また、操作部の下方に透明ドーム体を固定する基板は、必ずしもプリント配線基板に限らない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、スイッチユニットを入力操作するキートップの操作部を背面側から照光する照光式スイッチ構造に適している。
【符号の説明】
【0054】
1 照光式スイッチ構造
2 キートップ
2a 操作部
5 赤外発光素子(送信用発光素子)
6 スイッチユニット
7 照光用発光素子
8 基板(プリント配線基板)
8a スルーホール
30a 窓孔
40 透明ドーム体
40a 光拡散面
41 脚部
42 ホルダー部
43 係止突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
基板に固定され、基板の上方に窓孔が穿設されたケースと、
半透明の操作部が窓孔に遊嵌し、ケース若しくは基板に支持されたキートップと、
キートップの下方の基板上に固定され、操作部の押し下げによって下降するキートップに連動してスイッチング動作するスイッチユニットと、
操作部の下方の基板上に固定され、操作部を下方から照光する照光用発光素子とを備えた照光式スイッチ構造であって、
操作部の下方の基板上に、照光用発光素子を囲う半球状の透明ドーム体を固定し、
透明ドーム体の外側面を、粗面加工した光拡散面とするとともに、スイッチユニットがスイッチング動作した後に更に下降するキートップに当接し、キートップの下降を規制するストッパー面としたことを特徴とする照光式スイッチ構造。
【請求項2】
基板は、照光用発光素子とスイッチユニットを実装するプリント配線基板であり、
プリント配線基板に沿って透明ドーム体から放射状に複数の脚部が一体に突設され、
各脚部の先端部に、プリント配線基板のスルーホールに係止する係止突起と、プリント配線基板に実装される送信用発光素子を位置決めするホルダー部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照光式スイッチ構造。
【請求項3】
送信用発光素子は、操作部の周囲に配置された被制御機器の動作を制御するリモートコントロール信号を赤外信号として発信する赤外発光素子であり、
少なくともいずれかの赤外発光素子から発信される赤外信号が被制御機器へ到達するように、複数の各ホルダー部は、各赤外発光素子を互いに異なる向きに位置決めすることを特徴とする請求項2に記載の照光式スイッチ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−98073(P2013−98073A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241032(P2011−241032)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】