説明

照射装置

【課題】本発明の課題は、ランプの端子を制御基板に固定する際に回路パターンや回路部品への損傷を防止できると共に締め付け操作がし易い照射装置を提供することである。
【解決手段】光源ランプ(ランプ)7と、光源ランプ7の制御基板17と、一方及び他方の給電端子31、33と、トリガー端子41と、一方及び他方の給電端子の端子台37、38と、トリガー端子の端子台42とを備え、一方及び他方の給電端子の端子台37、38は制御基板17の隅部にそれぞれ設けており、トリガー端子の端子台42は一方の給電端子の端子台37と他方の給電端子の端子台38との間に設けており、一方及び他方の給電端子31、33は各給電端子の端子台37、38に制御基板17の上方から締め付けるねじ45、46で固定しており、トリガー端子41はトリガー端子の端子台42に制御基板17の水平方向から締め付けるねじ42dで固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ランプと、ランプに接続された一方及び他方の給電端子とトリガー端子とを備えた技術が開示されている。
【0003】
一方、特許文献2には、制御基板の上方からねじで締め付けて端子を制御基板に固定する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−323092号公報
【特許文献2】特開平9−180791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献2に記載の従来技術では、制御基板の上方からねじで締め付けて端子を制御基板に固定してあるので、ランプの端子を制御基板に固定する際、ドライバ等の工具の先端が制御基板に接触して、基板の回路パターンや回路部品の傷が付き易いという問題があった。
【0006】
本発明は、ランプの端子を制御基板に固定する際に回路パターンや回路部品への損傷を防止できると共に締め付け操作がし易い照射装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、ランプと、ランプの制御基板と、一方及び他方の給電端子と、トリガー端子と、一方及び他方の給電端子の端子台と、トリガー端子の端子台とを備え、一方及び他方の給電端子の端子台は制御基板の隅部にそれぞれ設けており、トリガー端子の端子台は一方の給電端子の端子台と他方の給電端子の端子台との間に設けており、一方及び他方の給電端子は各給電端子の端子台に制御基板の上方から下方に向けて締め付けるねじで固定しており、トリガー端子はトリガー端子の端子台に制御基板に沿う水平方向から締め付けるねじで固定していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、トリガー端子は制御基板の水平方向からのねじの締め付けにより端子台に固定しているので、ドライバ等の工具を用いてねじを締め付け操作すると、工具の先端が制御基板の回路パターンや回路部品に接触し難く、これらの損傷を防止できる。
【0009】
一方及び他方の給電端子の端子台は、回路パターンや回路部品から離れた制御基板の隅部にそれぞれ設けてあるので、制御基板の上方から工具を用いてねじを締め付けても、工具の先端が回路パターンや回路部品に接触しにくく、締め付け操作がし易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、図1は本発明に係る照射装置の平面図であり、端子台に端子をそれぞれ固定して示す図、図2は図1の二点鎖線Aで示す部分を抜き出して示す斜視図、図3は図2に示すトリガー端子の固定部分を示す横断面図、図4は本発明に係る照射装置の平面図であり、端子台から端子を外した状態を示す図、図5は本発明に係る照射装置の内部を示す斜視図、図6は本発明に係る照射装置の外観を示す斜視図である。
【0011】
本実施の形態に係る照射装置1は、レーザ光を発する光源ランプ(ランプ)7を収納したヘッド部3と、照射装置1の持ち部となるハンドル部5とを備えており、ヘッド部3を皮膚に当てて、レーザ光を皮膚に照射することにより脱毛を行うものである。
【0012】
ヘッド部3の先端には、ヘッド部3に脱着自在なランプユニット9が設けられており、このランプユニット9にはヘッド部3の内側に位置する光源ランプ7と、ヘッド部3の外側に位置する石英ガラス(フィルタ)11とが設けられており、光源ランプ7の交換が容易に行えるようになっている。また、石英ガラス11は、光源ランプ7から照射されたレーザ光のうち、メラニン吸収度の高い波長をカットし皮膚へのダメージを抑えるようにしている。
【0013】
ハンドル部5は、光源ランプ7、照射ボタン15、及び後述するファン13等の制御基板17を備えている。照射装置1は電源コード19から電源の供給を受けて駆動している。また、本実施の形態に係る照射装置1は、波長、パルス幅、パルスサイクル、パルス反復回数、エネルギー値を細かく可変できるよう設定されている。具体的には、波長は575nm〜1080nm,パルス幅は0.5ms〜8ms、パルスサイクルは10ms〜99ms、パルス反復回数は1Hz〜3Hz、照射エネルギーは1J〜25Jの範囲内で変更できる。
【0014】
ヘッド部3を覆うカバーの両側には、短柵状の通気孔21が形成されている。また、ヘッド部3内の通気孔21の近傍位置には、左右一対のファン13(流入側のファン13a、排出側のファン13b)が設けられており、ファン13の回転により、外気をヘッド部3内に導入し且つ反対側の通気孔21からヘッド部3内の空気を外部に放出している。尚、ファン13は回転数を変更することで風量の増減を行っている。
【0015】
また、ヘッド部3の内部は、一方の通気孔21から流入した空気が他方の通気孔21へと抜ける通風路23となっており、通風路23内の通風方向の中央付近に光源ランプ7が位置している。また、通風路23は、その背面側が略円弧形状の壁24となっており、通風路23内の熱がハンドル部5内に収納された制御基板17に影響を与えないようになっている。
【0016】
光源ランプ7は、ランプユニット9の基板25に取り付けられており、光源ランプ7の周りは円弧状に湾曲した形状のアルミニウム材等からなる第1放熱部材27で囲まれている。そして、第1放熱部材27が通風路23内に露出することにより、光源ランプ7から発した熱が、第1放熱部材27から通風路23内に向けて放熱されるようになっている。
【0017】
さらに、ランプユニット9の前面側に位置する石英ガラス11も、その周りがアルミニウム材等の第2放熱部材29で覆われており、石英ガラス11内に溜まった熱を外部に向けて放熱している。
【0018】
ヘッド部3の内壁面、特に通風路23内の上下の壁と背面側の壁24にはアルミニウム箔(熱反射部材)を設けており、通風路23に向けて熱を反射している。このように、熱反射部材によって熱が通風路23に向けて反射されるので、ヘッド部3の壁に熱が吸収されることを防止できると共に、ヘッド部3内の熱は通風路23から外部に放出され、ヘッド部3が高温になることを防止している。
【0019】
また、ヘッド部3の内面壁には電磁波吸収塗料が塗布されており、光源ランプ7から放出される電磁波が外部に漏れないようになっている。
【0020】
ランプユニット9には、光源ランプ7に給電を行う一方の給電部31と他方の給電部33と、光源ランプ7にトリガー信号を送信するトリガー送信部40とが設けられている。一方及び他方の給電部31、33は給電線32、34と、給電端子(一方の給電端子35、他方の給電端子36)とを備えている。トリガー送信部40には先端にトリガー端子41が設けられている。
【0021】
制御基板17は一方の給電端子35が接続される一方の端子台37と、他方の給電端子36が接続される他方の端子台38と、トリガー端子41の端子台42とを備えている。そして、一方及び他方の端子台37、38において、電源コード19から引き出された各ケーブル19a、19bの端部20a、20bと、一方の給電端子35及び他方の給電端子36をねじ45、46で固定してある。
【0022】
一方の端子台37と他方の端子台38との間には回路部品17aや回路パターン17bが設けられている。一方の端子台37と他方の端子台38との間の略中央にトリガー端子41の端子台42が設けられている。
【0023】
トリガー端子41の端子台42は、直方体状の基台42aと、基台42aの上面に固定されたホルダ部42bとを備えている。ホルダ部42bは円筒形状であり、円筒の略半分が中空部42eになっており、他方が中実部42fになっている。中空部42eにはネジ溝が形成されている。また、ホルダ部42bの略中央にはホルダを貫通する貫通孔42cが形成されており、係る貫通孔42cにトリガー端子41を通している。ホルダ部42bの一方の端面からねじ42dを締め付けており、ねじ42dの先端でトリガー端子41を押圧固定している。ホルダ部42bの中実部42f側の端部には、制御基板17からのトリガー信号を端子台42に送信するリード線42gが固定されている。尚、トリガー端子41を固定するねじ42dは、一方及び他方の給電端子を固定するねじ45、46の約半分の大きさである。
【0024】
次に、上記した構成に基づき、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態に係る照射装置1を使用する際には、照射装置1のハンドル部5を手に持ち、ヘッド部3のランプユニット9を皮膚に当てる。そして、ハンドル部5のスイッチボタン15aを押すことで、光源ランプ7からレーザ光が発し、ヘッド部3前面の石英ガラス11を通過したレーザ光が皮膚に照射される。
【0025】
光源ランプ7の照射が開始されると、ヘッド部3内のファン13が回転を開始し、これに伴い、一方の通気孔21から外気が取り込まれる。通気孔21から導入された空気は、ヘッド部3内の通風路23を通過しつつ、ヘッド部3内の光源ランプ7を冷却する。そして、光源ランプ7を冷却した空気は、他方側の通風孔21を通過して機外に排出される。
【0026】
次にランプユニットの交換について説明する。ランプユニット9の取り付け時において、ランプユニット9をヘッド部3の所定位置に固定する。そして、制御基板17の上方から下方に向けて、ドライバを使ってねじ45、46を締め付けて、制御基板17の各端子台37、38に一方及び他方の給電端子35、36を固定する。また、トリガー端子41をホルダ部42bの貫通孔42cに通し、精密ドライバを使って水平方向からねじ42dをホルダ部42bに締め付けて端子台42にトリガー端子41を固定する。
【0027】
一方、ランプユニット9の取り外し時において、制御基板17の上方からドライバを使ってねじ45、46を取り外し、制御基板17の各端子台37、38から一方及び他方の給電端子35、36を取り外す。また、水平方向から精密ドライバを使ってねじ42dをホルダ部42bから外して、トリガー端子41をホルダ部42bの貫通孔42cから取り外す。
【0028】
本発明では、制御基板17に沿う水平方向からのねじ42dの締め付け又は取り外しにより端子台42にトリガー端子41を固定又は取り外しているので、ドライバ等の工具を用いてねじ42dを締め付け又は取り外す場合、ドライバの先端が制御基板17に接触し難く、制御基板の回路部品17aや回路パターン17bの損傷を防止できる。
【0029】
特に、トリガー端子41を固定するねじ42dが小さく、ドライバでねじ42dを操作する際にドライバ先端がねじ頭からずれ易いが、制御基板17の水平方向からねじ42dを操作しているので、ドライバ先端がねじ頭からずれても制御基板17に接触し難い。
【0030】
一方及び他方の給電端子35、36の端子台37、38は、基板の回路部品17aや回路パターン17bから離れた制御基板17の隅部にそれぞれ設けてあるので、ドライバ等の工具を用いて制御基板17の上方からねじ45、46を締め付けたり取り外したりしても、ドライバの先端が制御基板17に接触し難く、締め付け操作がし易い。
【0031】
一方及び他方の給電端子35、36とトリガー端子41とを1つの制御基板17に一直線状に並べて配置しているので、各端子を集約して接続でき、スペースの省略化及び各端子の接続作業性の向上を図れる。
【0032】
上述のような実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形が可能である。
【0033】
本実施の形態では、照射装置1として皮膚に光源ランプ7の光を照射して脱毛を図る美容機器について説明したが、これに限定されず、光源ランプ7の波長、パルス幅、パルスサイクル等を細かく変更することで、脱毛以外の種々の用途に適用することができ、例えば皮膚の活性を図ることで、美肌効果等を得ることもできる。
【0034】
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0035】
トリガー端子の端子台42において、ホルダ部42bは基台42aに固定してあるが、これに限定されず、ホルダ部42bは基台42aに固定せずに、例えば、基台42aに溝を設けて、係る溝内にホルダ部42bを嵌めてあっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る照射装置の平面図であり、端子台に各端子を固定して示す図である。
【図2】図1の二点鎖線Aで示す部分を抜き出して示す斜視図である。
【図3】図2に示すトリガー端子の固定部分を示す横断面図である。
【図4】本発明に係る照射装置の平面図であり、端子台から各端子を外した状態を示す図である。
【図5】本発明に係る照射装置の内部を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る照射装置の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 照射装置
7 光源ランプ(ランプ)
17 制御基板
31 一方の給電端子
33 他方の給電端子
37 一方の給電端子の端子台
38 他方の給電端子の端子台
41 トリガー端子
42 トリガー端子の端子台
42d ねじ
45、46 ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプと、ランプの制御基板と、一方及び他方の給電端子と、トリガー端子と、一方及び他方の給電端子の端子台と、トリガー端子の端子台とを備え、一方及び他方の給電端子の端子台は制御基板の隅部にそれぞれ設けており、トリガー端子の端子台は一方の給電端子の端子台と他方の給電端子の端子台との間に設けており、一方及び他方の給電端子は各給電端子の端子台に制御基板の上方から下方に向けて締め付けるねじで固定しており、トリガー端子はトリガー端子の端子台に制御基板に沿う水平方向から締め付けるねじで固定していることを特徴とする照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−113984(P2008−113984A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302313(P2006−302313)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(502010136)株式会社フューテック (8)
【Fターム(参考)】