説明

照度検出装置、照明装置、照度検出方法及び照明方法

【課題】従来は、照度センサが固定されているために、検出方向を変更して照度検出位置を様々な位置に対して設定することができなかった。
【解決手段】照度を局所的に検出する照度センサと、該照度センサにより局所的に検出する検出位置を可変とすべく前記照度センサを可動する可動機構とを備える構成であるため、様々な位置に対して照度検出位置を設定することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照度を局所的に検出する照度検出装置及び照度検出方法に関し、特に、様々な位置に対して照度検出位置を設定することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出するために用いて好適な照度検出装置及び照度検出方法に関する。
【0002】
さらに本発明は、前記照度検出装置若しくは前記照度検出方法にて検出された照度に基づいて最適な照度が得られるべく光源を制御して照明する照明装置及び照明方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の照度検出装置、照明装置、照度検出方法及び照明方法には、例えば、配設された照度センサを用いて、特定位置の検出された照度に基づいて光源の明るさを制御するものがある(特許文献1参照)。
【0004】
以下、図19により、従来の照度検出装置及び照度検出方法について説明する。図19において、器具本体90の外面に設けられた小開口91に臨んで器具本体90内に配設された照度センサ92の検出結果に基づいて光源の明るさを制御するもので、前記小開口91の検出開口面積、及び/又は前記照度センサ92との相対位置を変化させ前記照度センサ92の検出範囲を調整する遮光手段93を設けて、該遮光手段93を再調整自在となるよう装着させてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−243828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような構成において、前記照度センサ92は器具本体90に対して固定されており、該照度センサ92の検出方向に設けられた前記小開口91も固定された位置にあるため、前記照度センサの検出範囲S9は、前記照度センサ92と前記小開口91との位置関係によって固定され、また、制限される。
【0007】
そして、前記照度センサ92の検出範囲S9を調整すべく設けられた遮光手段93は、前記小開口91の検出開口面積や前記照度センサ92との相対位置を変化させ、前記検出範囲S9をさらに制限することによって、照度センサ92の検出範囲を前記検出範囲S9より狭められた範囲にて再調整するものである。
【0008】
つまり、照明装置9の照度センサ92にて照度を検出することが可能な範囲は、まず、前記小開口91にて検出範囲S9に制限された後、前記遮光手段93によってさらに制限されることによって決定される。
【0009】
しかし、前記照度センサ92及び前記小開口91が固定されているために、前記検出範囲S9もまた固定されている。そして、該検出範囲S9が固定されていることにより、前記遮光手段93を用いて検出範囲を再調整したとしても、前記照度センサ92の検出範囲は前記検出範囲S9内の一部の範囲となるのみであった。
【0010】
つまり、上記のような検出範囲の調整では、前記照明装置9の使用者が所望する位置で、局所的な領域における照度を検出することが満足に行えない場合があり、例えば、前記検出範囲S9にて検出できる領域と全く重なることのない他の領域における照度を検出することはできなかった。
【0011】
また、前記照明装置9は前記遮光手段93のような検出範囲を再調整する手段を有してはいるものの、あくまで固定された前記検出範囲S9内のさらに一部の範囲における照度の検出を行うものであるため、調整可能な検出範囲が非常に限られている。
【0012】
さらに、前記照度センサ92が固定されていることで、前記照度センサ92の検出軸92aもまた固定されているために、検出軸92aを動かして照度センサ92の検出方向を変更することもできず、照度検出位置を様々な位置に対して設定することができない。
【0013】
本発明は、このような従来の構成が有していた課題を解決しようとするものであり、様々な位置に対して照度検出位置を設定することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出することを可能とする照度検出装置、照明装置、照度検出方法及び照明方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の照度検出装置は、照度を局所的に検出する照度センサと、該照度センサにより局所的に検出する検出位置を可変とすべく前記照度センサを可動する可動機構とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の照度検出装置にあっては、様々な位置に対して照度検出位置を設定することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出することを可能とする照度検出装置を実現できる。
【0016】
本発明の照明装置は、前記照度検出装置にて検出された照度に基づいて光源を制御する制御部を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明の照明装置にあっては、前記照度検出装置にて検出された局所的な照度に基づいて、検出位置付近の領域で最適な照度が得られるべく光源を制御して照明することを可能とする照明装置を実現できる。
【0018】
本発明の照度検出方法は、照度を局所的に検出する照度センサを可動機構を用いて可動し、照度を検出する照度検出位置を設定し、該設定された照度検出位置の照度を検出することを特徴とする。
【0019】
本発明の照度検出方法にあっては、様々な位置に対して照度検出位置を設定することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出することが可能となる。
【0020】
本発明の照明方法は、照度を局所的に検出する照度センサを可動機構を用いて可動し、照度を検出する照度検出位置を設定し、該設定された照度検出位置の照度を検出し、前記検出された照度に基づいて光源を制御することを特徴とする。
【0021】
本発明の照明方法にあっては、検出された局所的な照度に基づいて、検出位置付近の領域で最適な照度が得られるべく光源を制御して照明することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の照度検出装置、照明装置、照度検出方法及び照明方法によれば、照度を局所的に検出する照度センサと、該照度センサにより局所的に検出する照度検出位置を可変とすべく照度センサを可動する可動機構とを備える構成であるため、様々な位置に対して照度検出位置を設定することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出することを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1を示す照明装置の斜視図である。
【図2】図1の領域Aの要部拡大図である。
【図3】本発明の実施例1における照度検出装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の実施例1における照度検出装置の回動部の斜視図である。
【図5】図4の照度検出装置のI−I線における断面図である。
【図6】本発明の実施例1における照度検出装置の回動動作の説明図である。
【図7】本発明の実施例1を示す照明装置を室内の天井面に設置した場合の概略説明図である。
【図8】図7の室内の照明環境を変更した場合の概略説明図である。
【図9】本発明の実施例1の照度検出装置を備えた照明装置の調光動作を説明するための動作フロー図である。
【図10】本発明の実施例1の照度検出装置のレーザーポインタの動作を説明するための動作フロー図である。
【図11a】本発明の実施例1における照度検出装置の遮光筒の他の形態を示す断面図である。
【図11b】本発明の実施例1における前記遮光筒のもう一つの他の形態を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例2の照度検出装置の回動部の断面図である。
【図13】本発明の実施例3の照度検出装置の回動部の断面図である。
【図14】本発明の実施例4の照度検出装置の回動部の断面図である。
【図15】本発明の実施例5の照度検出装置の回動部の断面図である。
【図16】遠隔操作端末を用いて検出位置を設定する際の動作フロー図である。
【図17a】回動動作時の検出方向が移動する際の軌跡の一例を示す説明図である。
【図17b】回動動作時の検出方向が移動する際の軌跡の他の例を示す説明図である。
【図18】本発明の照度検出装置を備えた照明装置の他の例を示す説明図である。
【図19】従来の照度検出装置及び照明装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の実施例1を示す照明装置及び照度検出装置について、図1から図5を参照して説明する。図1は本発明の実施例1を示す照明装置の斜視図、図2は図1の破線にて示す領域Aの要部拡大図、図3は本発明の実施例1を示す照度検出装置の分解斜視図、図4は本発明の実施例1を示す照度検出装置の回動部の斜視図、図5は図4の照度検出装置の回動部のI−I線における断面図である。
【0025】
本発明の照明装置1は、図1及び図2に示すように、照明装置外装部11と、該照明装置外装部11内側に配設された光源(図示せず)と、該光源の照明方向d1に設けられた光源カバー12と、前記照明装置外装部11と該照明装置外装部11の一方の端部に設けられた光源カバー固定手段110aとの間に設けられた照度検出装置2とからなる。
【0026】
上述の構成において、本発明の照明装置1に用いる照明装置外装部11は、アルミニウム等の熱伝導性(放熱性)の高く軽い金属にて樋形状に形成され、設置側主面11aには凸状段差が設けられ、前記光源を駆動するための回路や、配線等が収納されている。
【0027】
なお、前記照明装置外装部11の両端には、光源カバー固定手段110a,110bが設けられ、一方の光源カバー固定手段110aには後述する照度検出装置2の一部を露出させるためのカバー側孔111が設けられている。
【0028】
また、前記光源は、LED等の指向性の高い発光素子が多数用いられてなり、照明装置外装部11の設置側主面11a全面に渡って配設されている。
【0029】
さらに、前記光源カバー12は、透明若しくは半透明の樹脂材料からなる板状部材であり、前記照明装置外装部11に装着され、該照明装置外装部11とともに前記照明装置1に内蔵される前記光源、回路、配線等を収納するものである。
【0030】
次に、本発明の照度検出装置2について説明する。本発明の照度検出装置2は、図3から図5に示す通り、様々な位置での照度を検出するために検出方向を調整すべく照度検出装置2内で回動し、指定された位置の照度を局所的に検出する検出部である回動部21と、該回動部21を擦り接触により回動可能に支持する支持機構である支持部22からなる。
【0031】
上述の構成において、前記回動部21は、様々な位置での照度を検出すべく回動し、照度を検出する検出方向21aから入射する光を検出することで、照度を出力する。
【0032】
また、前記支持部22は、検出方向21a前方側の前方支持部23と検出方向21a後方側の後方支持部24とからなり、前記前方支持部23と後方支持部24との間に前記回動部21を狭持して支持するものである。
【0033】
ここで、前記前方支持部23は、前記照明装置1の一方の端部に設けられた光源カバー固定手段110aに沿った形状を有し、前記回動部21と接触する中央部分には、該回動部21の内部に設けられた照度センサ25へ光を入射させるための、また、前記回動部21に擦り接触可能に外接するための検出用孔23aを備えている。
【0034】
そして、前記後方支持部24は、前記回動部21に擦り接触可能に外接し、また、前記回動部21内部に配設する照度センサ25等の電子部品に電力を供給するための配線が通る配線用孔24aを前記後方支持部24の中央付近に備えている。
【0035】
さらに、前記前方支持部23の端部4箇所には、前記前方支持部23と後方支持部24とを固定するための固定用ネジ41aが挿通するネジ挿通孔41bが設けられ、また、後方支持部24の端部4箇所、前記前方支持部23の端部4箇所に対応する位置には前記固定用ネジ41aと螺合する雌ネジ41cが設けられており、前記固定用ネジ41a、ネジ挿通孔41b及び雌ネジ41cにより螺合機構41が構成されている。
【0036】
そして、前記螺合機構41により、前記前方支持部23と後方支持部24の間に前記回動部21を挟持して固定することで、前記回動部21は擦り接触による固定及び回動が可能となる。
【0037】
次に、本発明の照度検出装置2の検出部である回動部21の詳細について説明する。本発明の照度検出装置2の回動部21は、図4に示す通り、照度を検出する照度センサ25と、前記照度センサ25の周囲を囲むように備えられ、前記照度センサ25の光軸であり検出軸でもある検出方向21aに対して所定の角度以上で入射する光を遮光して検出角を制限する検出角制限手段である円筒形状の遮光筒26と、前記照度センサ25の検出方向を使用者へ報知するための検出位置報知手段である報知用照明としてのレーザーポインタ27とが配設された配設基板28と、該配設基板28を固定する略球状の回動部外装210とからなる。
【0038】
上述の構成において、前記照度センサ25は、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトレジスタ等のセンサ素子からなり、前記照度センサ25に入射する光の量を電気信号に変換して出力することで、照度を検出する。
【0039】
また、前記照度センサ25の周囲に設けられた前記遮光筒26は、前記照度センサ25よりやや大きな直径の円筒形状を有し、該円筒の外壁面に当たる光を円筒内部に透過しない程度の遮光性を有する素材にて形成されている。
【0040】
なお、前記照度センサ25の照度を検出する方向である検出方向21aは、前記照度センサ25の検出軸と同一方向であり、前記配設基板28に対して略垂直な方向に設定されるものである。
【0041】
そして、前記遮光筒26の一方の端部は、前記照度センサ25の周囲を囲むように前記配設基板28に配設され、前記遮光筒26の他方の端部は外部からの光が入射可能にすべく開口している。なお、該開口から入射する光は前記照度センサ25にて検出される。
【0042】
ここで、前記遮光筒26の円筒中心と前記照度センサ25の検出軸である検出方向21aは略一致すべく設けられることが望ましい。本実施例1にて用いる照度センサ25は、検出軸上の感度が最も良好なセンサであり、前記遮光筒26の円筒の中心と前記照度センサ25の検出軸である検出方向21aとを略一致するよう設けることで、良好な感度を得ることができる。
【0043】
なお、前記照度センサ25が照度を検出できる角度である検出角θは、図5に示す通り、前記照度センサ25の中央の点から前記遮光筒26の他方の端部の開口の内側の点へと結ぶ直線と、前記照度センサ25の検出軸である検出方向21aとがなす角度によって定義される。
【0044】
さらに、前記遮光筒26の内壁面は、できるだけ反射率の少ない素材や色であることが望ましい。反射率の低い素材や色を選択することにより、前記角度θを超える角度で入射した光が、前記遮光筒26の内壁面で反射を繰り返して前記照度センサ25に入射する可能性が低くなることで、前記検出方向21aと為す角度が検出角θ以内の光を前記照度センサ25に入射させることが可能になり、適切な検出角の制限及び局所的な照度の検出ができるようになる。
【0045】
また、検出位置報知手段である前記レーザーポインタ27は、半導体レーザーを用いた極めて指向性の高い発光素子であり、前記遮光筒26付近に配設されて略一直線に延びる光線を発して使用者に前記照度センサ25の検出位置を報知することで検出方向を報知する。
【0046】
なお、前記レーザーポインタ27の発する光線、若しくは、前記レーザーポインタ27の光軸27aは、前記照度センサ25の検出方向21aと略並行であることが望ましい。
【0047】
なぜなら、前記光軸27aと検出方向21aが平行であれば、前記レーザーポインタ27が示す位置と前記照度センサ25の検出位置の差が前記レーザーポインタ27と前記照度センサ25間の距離で一定に保たれるため、前記照度検出装置2から照度を検出する対象までの距離によらず、正確な検出位置の報知ができるためである。
【0048】
そして、前記配設基板28は、四角形状のプリント基板であり、前記照度センサ25と、前記遮光筒26と、前記レーザーポインタ27が配設されてなるものである。
【0049】
さらに、前記配設基板28の四隅には、該配設基板28を前記回動部外装210に配設するための雄ネジが挿通するためのネジ挿通穴が設けられている。
【0050】
また、前記回動部外装210は、略球殻状の外観を有し、内部に前記配設基板28を配設するための配設台211を備えており、該配設台211には、前記雄ネジと共に螺合することで前記配設基板28を配設して固定するための雌ネジが設けられている。
【0051】
さらに、前記回動部外装210は、前記配設基板28を固定する前記配設台211の中央付近に配線28aを通すための配線用孔211aを設けている。
【0052】
そして、前記回動部外装210は、前記照度センサ25の照度の検出を妨げぬよう、また、前記レーザーポインタ27の発する光線を遮らぬよう、少なくとも前記照度センサ25及びレーザーポインタ27を含む領域以上の大きさを有する開口210aを前記照度センサ25の検出方向21a前方に有している。
【0053】
なお、前記回動部外装210の開口210a付近には、前記検出方向21aを可変に調整するための調整用つまみ212が設けられており、前記回動部外装210を可動するとともに、該回動部外装210に固定された前記配設基板28、該配設基板28に配設された前記照度センサ25等を可動し、前記検出方向21aを調整することができる。
【0054】
次に、上述の照度検出装置2の回動部21の回動動作について、図6を参照して説明する。なお、図6は本発明の実施例1における照度検出装置2の回動動作を説明する説明図である。
【0055】
本発明の照度検出装置2は、回動動作を行うことにより前記検出方向21aを調整する前記回動部21と該回動部を支持する前記支持部22からなる可動機構を有し、さらに、該可動機構の一部として、前記前方支持部23の検出用孔23aと、前記後方支持部24の配線用孔24aと、前記回動部21とからなる回動機構を有する。
【0056】
ここで、前記回動部21の回動動作は、該回動部21の回動部外装210の球殻形状の中心を回動の中心とした回動方向d2に回動することで、前記前方支持部23の検出用孔23aと前記後方支持部24の配線用孔24aとの擦り接触状態を保ちながら、照度を検出する検出部でもある前記回動部21の検出方向21aを変更し調整するものである。
【0057】
そして、前記回動部21は、前記回動部外装210の球殻形状の中心を回動の中心として任意の方向に回動することが可能であり、前記回動方向d2は、図6に示す方向や、その垂直な方向(紙面に対して垂直な方向)、前記2つの方向を組合せた方向、若しくは、検出軸21aを中心に360度回転するような方向など、様々な方向を含んでなるものである。
【0058】
なお、前記前方支持部23と後方支持部24とを用いて、前記前方支持部23と後方支持部24との間に前記回動部21を狭持する際、前記回動部21が回動可能となる程度に固定することが必要である。前記前方支持部23と後方支持部24との固定が極端に強固であった場合、前記支持部22と回動部21との間の擦り接触部分におけるが摩擦抵抗力が強いために、前記回動部21及び該回動部21の検出方向21aを様々な位置での照度を検出すべく回動しようとしても、回動すること自体が不可能となり前記検出方向21aを様々な位置に調整できなくなることとなる。
【0059】
また、前記回動部21の固定が十分でない場合は、前記支持部22と回動部21との間の擦り接触部分における摩擦抵抗力が低いために、検出方向21aを異なる方向に変更しても、前記回動部21の重心位置によって最も安定する方向に回動しようとする力を抑えられず、自動的に最も安定する方向へと回動することとなる。
【0060】
つまり、前記螺合機構41は、前記回動部21が回動不能にならない程度の強固な螺合にて擦り接触可能となるように固定する必要があり、また、自動的に回動しない程度の確実な固定がなされることで、さらに、使用者の指定した検出方向21aを保つよう、前記螺合機構41を調整する必要がある。前記螺合機構41を用いて、前記固定用ネジ41aと雌ネジ41cとの螺合の程度を適切に調整することで、前記回動部21の良好な動作が実現できる。
【0061】
さらに、前記回動部21の重心位置は、前記回動部外装210の球殻形状の中心と略一致することが望ましい。前記回動部21の重心位置と前記回動部外装210の球殻形状の中心とが略一致していることで、前記回動部21の重心位置と前記回動部外装210の球殻形状の中心との間にモーメントが発生せず、どの方向に検出方向21aが向いていても常に重心が安定する。
【0062】
もしも前記回動部21の重心位置が前記回動部外装210の球殻形状の中心と一致せず、前記回動部21の重心位置と前記回動部外装210の球殻形状の中心との間に極端なモーメントが発生する場合、前記回動部21は自動的に重心位置の安定する方向へと回動しようするため、前記回動部21の検出方向21aを所望の方向に調整しても、自動的に重心位置の安定する方向へと回動してしまい、調整が不能となってしまう。
【0063】
上述のように、本発明の実施例1において、照度検出装置2及び該照度検出装置2を備えた照明装置1は、前記照度検出位置を可変とすべく照度センサを動かす可動機構とを備える構成であるため、様々な位置に対して照度検出位置を設定することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出することが可能となる。
【0064】
次に、前記照明装置1及び前記照度検出装置2の動作について、室内の天井面に設置した場合を例に、図7及び図8を用いて説明する。図7は本発明の実施例1を示す照明装置を室内の天井面に設置した場合の概略説明図、図8は図7の室内の照明環境を変更した場合の概略説明図である。
【0065】
ここで、前記照明装置1は、図7で示す通り、天井面51に設置され、鉛直下向き方向を照明方向d1とし、対向する床面52に対して照明する。
【0066】
なお、照度検出装置2の検出領域A1は、前記照度センサ25の検出軸である前記照明方向21aと被照明物で照度検出対象物でもある床面52との交点の位置(検出位置)P1を中心として、検出方向21aに対して角度が0°から検出角θとなるまでの範囲における照度検出対象物の領域によって定義されるものである。
【0067】
このように、照度検出装置2及び該照度検出装置2を備えた照明装置1は、検出位置P1を中心とする局所的な検出領域A1の照度を検出するものである。
【0068】
なお、検出位置の調整は前記調整用つまみ212を動かすことで、前記回動部外装210の球殻中心を回動中心として回動方向d2へと回動させることにより、検出方向21aを変化させ、所望の位置に検出位置を調整することが可能である。
【0069】
また、前記照度検出装置2及び該照度検出装置2を備えた照明装置1は、図8に示すような照明環境においても所望の検出位置での照度の検出が可能である。図8に示す照明環境は、図7にて示した室内において、外光L1の差し込む窓53と、机54と、該机54の上に載置されたパソコン等の載置物55が設けられたものである。
【0070】
なお、図8において、前記載地物55は前記机54の窓側に載置され、前記机54の窓53に対して逆側に作業スペースが設けられている。
【0071】
上述のような照明環境においても、前記照度検出装置2及び該照度検出装置2を備えた照明装置1は、使用者の所望する照度の検出位置P2における照度の検出が可能である。
【0072】
例えば、前記作業スペースの中心付近の位置で、前記検出位置P2は照明装置1に比較的近い地点であるにも関わらず、前記窓53から差し込む外光L1が前記載置物55に遮られるために前記検出位置P2で前記載置物55の影が発生して照度が暗くなるような場合、前記検出位置P2の照度を検出すべく前記検出方向21aを調整することが可能である。
【0073】
そして、検出方向21aを調整して局所的に照度を検出し、該照度を検出した局所的な位置で最適な照度が得られるべく照明することが可能となる。
【0074】
また、机54を別の位置に移動するなど、使用者の所望する検出位置が変わった際には、前記調整用つまみ212を動かすことで、前記回動部外装210の球殻形状の中心を回動の中心として回動方向d2へと回動させることにより、検出方向21aを変化させ、所望の位置に検出位置を調整することが可能である。
【0075】
次に、本発明の実施例1における照度検出装置2及び該照度検出装置2を備えた照明装置1の調光動作について、図9を用いて説明する。図9は本発明の実施例1の照度検出装置2を備えた照明装置1の調光動作を説明するための動作フロー図である。
【0076】
まず、ステップS1で照度の検出を行うべく、照度検出を支持する照度検出コマンドが入力される。なお、該照度検出コマンドはリモコンなどの遠隔操作端末を用いて、検出コマンド受信部(図示せず)によって入力される。該検出コマンド受信部は、前記照度検出装置2に設けられても良いし、前記照明装置1に設けられ、受信した信号を前記照度検出装置に送信しても良い。また、前記照度検出装置2に電力が供給された後は、該照度検出装置2は常に照度を検出するものとしても良い。
【0077】
そして、ステップS2では、前記照度検出コマンドによって得られた照度の検出値と予め設定している基準値とを比較する。比較の結果、検出値と基準値が略同じであれば、フローは終了し、略同じでなかった場合、ステップS3に移る。
【0078】
なお、ステップS2では、基準値に対して±10%以内の範囲に入っていれば、略同じであると判断するものとする。
【0079】
そして、ステップS3では、検出値と基準値の値を比較し、検出値が基準値以下の場合、照明を明るくすべく、増光コマンドを出力し(ステップS4)、検出値が基準値より大きい場合、照明を暗くすべく、減光コマンドを出力する(ステップS5)。
【0080】
さらに、ステップS4又はステップS5の後は、再びS1に戻り、照度を検出し、検出値と基準値が略同じになるまで、ステップS1からステップS5までの照度検出−調光動作を繰り返すこととなる。
【0081】
なお、上記の調光動作は、個々の光源の出力を増減することで調光しても良いし、光源の数を増減することで調光しても良い。また、本実施例のようにLED等の指向性のある光源を用いた照明装置であれば、光源の向きを変更することにより、検出位置において検出される照度を増減させるべく調光することも可能である。
【0082】
上述のように、検出値と基準値と比較して調光し、検出値が基準値になるよう調光することで、設定された検出位置周辺の局所的な領域における照度に基づいて、該検出位置周辺において最適の照度が得られるべく照明することが可能になる。
【0083】
次に、本発明の実施例1の検出位置報知手段であるレーザーポインタ27の動作フローについて、図10を用いて説明する。図10は本発明の実施例1の照度検出装置2のレーザーポインタ27の動作を説明するための動作フロー図である。
【0084】
まず、ステップS11で前記照度検出装置2が前記レーザーポインタ27を点灯させるための点灯コマンドを受信したか否かを判断する。
【0085】
なお、前記レーザーポインタ27を点灯させるための点灯コマンドは、リモコン等の遠隔操作端末から送信され、前記照度検出装置2又は該照度検出装置2を備えた照明装置1に設けられたレーザーポイント用信号受信部(図示せず)にて受信する。前記レーザーポイント用信号受信部は上述した照明装置1の照明動作のために、遠隔操作端末から送信された信号を受信すべく設けられた検出コマンド受信部と兼用しても良いし、別途新たな信号受信部として設けても良い。
【0086】
そして、点灯コマンドを受信したか否かの判断の結果、点灯コマンドを受信しなかった場合は動作フローを終了し、点灯コマンドを受信した場合はステップS12へ進み、前記レーザーポインタ27を点灯させる。
【0087】
さらに、ステップS12にて、前記レーザーポインタ27を点灯させた後は、ステップS13に進み、前記レーザーポインタ27を消灯させるための消灯コマンドを受信したか否かを判断する。前記消灯コマンドは、前記点灯コマンドと同様に、リモコン等の遠隔操作端末から送信され、前記照度検出装置2又は該照度検出装置2を備えた照明装置1に設けられた前記レーザーポイント用信号受信部にて受信する。
【0088】
そして、ステップS13にて消灯コマンドを受信した場合はステップS14に進み、受信しなかった場合は再びステップS13へ戻り、消灯コマンドを受信するまでステップS13を繰り返し行う。
【0089】
さらに、ステップS14では、前記ステップS13において前記レーザーポインタ27を消灯させるための消灯コマンドを受信したことに基づいて前記レーザーポインタ27を消灯し動作フローを終了する。
【0090】
なお、前記レーザーポインタ27を点灯させるための点灯コマンド及び消灯コマンドは、リモコン等の遠隔操作端末から送信され、前記照度検出装置2又は該照度検出装置2を備えた照明装置1に設けられた前記レーザーポイント用信号受信部にて受信し、受信した信号に基づいて点灯/消灯の制御をするものとしたが、これに限るものではなく、例えば、前記照度検出装置2にスイッチを設けて、手動で前記スイッチがONになったら点灯コマンドを送信し、OFFになったら消灯コマンドを送信するようにしても良い。
【0091】
上述のように、本発明の実施例1において、照度検出装置2及び該照度検出装置2を備えた照明装置1は、前記照度検出位置を可変とすべく照度センサを動かす可動機構とを備える構成であるため、様々な位置に対して検出方向を調整して局所的に照度検出位置を設定し、該局所的な検出位置における照度を検出することが可能で、所望の領域における照度を局所的に検出することが可能となる。
【0092】
また、従来のように、照度の検出方向が固定された照度検出装置照明装置を使用すると、決まった位置の照度に対応した照明制御しかできず、特に、図8に示すような外光L1の差し込む窓53があったり、机54の窓側にパソコン等の載置物55が載置されていたりする場合は、局所的に作業スペースが暗くなるため、該作業スペースにおいての最適な照度となるべく照明することができなかった。
【0093】
それに対し本発明の照度検出装置2及び該照度検出装置2を備えた照明装置は、照度の検出を局所的に行うべく、該照度センサの検出角を制限する検出角制限部材を備えており、さらに、前記照度センサの検出位置を可変とすべく前記照度センサを動かす可動機構を有しているため、図8における前記作業スペースのような様々な局所的な領域に対しても検出方向を調整して局所的に検出位置を設定し、該局所的な検出位置における照度を検出することが可能である。また、設定した検出位置における照度に基づいて、該検出位置における最適な照度で照明すべく調光することが可能となる。
【0094】
なお、上記の例において、前記照度センサ25が照度を検出できる角度である検出角θは、実施例1の説明の中で図5を用いて示したのと同様に、照度センサ25の中央から前記遮光筒26の一方の端部の開口の内周へと結ぶ直線と、前記照度センサ25の検出軸である検出方向21aとがなす角度によって定義されるが、検出角の大きさは前記遮光筒の形状によって円筒の径や円筒の軸方向の長さが変化するため、例えば、図11aに示す遮光筒26aのように細長い形状のもの使用すれば小さな検出角θaになり、検出角がθの場合よりも狭い領域における照度を検出することができるようになる。狭い領域における照度を検出することができる遮光筒26aを用いることで、より局所的に照度を検出することができるようになる。
【0095】
また、図11bに示す遮光筒26bのように、円筒の径が大きく長さの短い形状のものを使用すれば大きな検出角θbとなって、検出角がθの場合より広い領域における照度を検出することができるようになる。広い領域における照度を検出することができる遮光筒26bを用いることで、より広域的に照度を検出することができるようになる。
【0096】
上述のように、遮光筒の形状は様々であり、その形状によって照度を検出できる角度である検出角が変化する。即ち、遮光筒の形状を調整すれば、使用者の所望する大きさの領域における照度の検出が可能となる。
【0097】
なお、本発明の照度検出装置の実施例1においては、前記照度検出装置2は前記照明装置1に備えられる場合を例に挙げて説明したが、それに限られるものではなく、前記照度検出装置2は、前記照明装置1と別体で設けられても良い。その場合は、前記照度検出装置2によって照度の検出された照度検出位置と前記照明装置1との位置関係が予め設定される、若しくは、検出した際に前記照度検出位置と前記照明装置1との位置関係の情報を前記照明装置1に送信することが望ましい。また、前記照度検出位置と前記照明装置1との位置関係の情報は、配線等の電気的接続手段、若しくは、無線等の通信手段を用いて送信されるものである。
【0098】
また、本発明の照度検出装置の実施例1においては、前記照度センサ25は、検出角制限部材である前記遮光筒26によって検出角が制限されることによって局所的な位置における照度を検出するものとしたが、それに限られるものではなく、前記照度センサ25が指向性の強いセンサで、前記遮光筒26のような検出角制限部材を用いることなく局所的な位置における照度を検出することが可能なセンサである場合は、前記照度センサ25単体で照度を検出する構成としても良い。
【実施例2】
【0099】
次に、本発明の照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置における、回動部の他の実施例について、図12を用いて説明する。図12は、本発明の実施例2の照度検出装置の回動部の断面図である。なお、上述した実施例1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0100】
本発明の照度検出装置の回動部21Cは、実施例1と同様に、照度を検出する照度センサ25と、前記照度センサ25の検出方向を使用者へ放置するための検出方向放置手段であるレーザーポインタ27とが配設された配設基板28と、該配設基板28を固定する略球状の回動部外装210とからなるものである。
【0101】
また、本発明の照度検出装置の回動部21Cは、実施例1では設けていた、前記照度センサ25の光軸である検出方向21aに対して所定の角度以上で入射する光を遮光して検出角を制限する検出角制限手段である遮光筒26を除いた構成となっている。そして、該遮光筒26に代わる検出角制限手段として前記回動部外装210の開口210aを用い、前記検出方向21aに対して検出角θcを超える角度で開口210aに入射する光が前記照度センサ25に入射するのを制限するものである。
【0102】
上述のように、本発明の回動部21Cを備える照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置は、検出角制限手段を設けることによって局所的な照度の検出が可能となり、さらに、前記照度センサの検出位置を可変とすべく前記照度センサを動かす可動機構を有する点は本発明の実施例1と同様であるため、様々な位置に対して検出方向を調整して局所的に検出位置を設定し、該局所的な検出位置照度を検出することが可能である。また、設定した検出位置における照度に基づいて、該検出位置における最適な照度で照明すべく調光することが可能となる。
【実施例3】
【0103】
次に、本発明の照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置における、回動部の他の実施例について、図13を用いて説明する。図13は、本発明の実施例3の照度検出装置の回動部の断面図である。なお、上述した実施例1又は実施例2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0104】
本発明の照度検出装置の回動部21Dは、実施例1及び実施例2と同様に、照度を検出する照度センサ25と、前記照度センサ25の検出方向を使用者へ報知するための検出位置報知手段であるレーザーポインタ27とが配設された配設基板28と、該配設基板28を固定する略球状の回動部外装210とからなるものである。
【0105】
また、実施例1では設けていた、遮光筒26に代わって、複数の遮光筒からなり、該各遮光筒が検出角を調整可能な調整機構としての螺合機構を有することで、前記複数の遮光筒の組合せからなる遮光部の全体の長さを調整することにより検出角を調整する螺合遮光部26dを設けている。
【0106】
上記の構成において、前記螺合遮光部26dは、配設基板28に配設された内側円筒261と該内側円筒261に螺合して円筒軸方向d3に沿って動く外側円筒262とからなる。
【0107】
ここで前記内側円筒261の外壁面及び前記外側円筒262の内壁面には螺旋状の凹凸筋からなる螺合機構が設けられており、前記外側円筒262が円筒軸を中心として回転することにより、円筒軸方向d3に沿って動くこととなる。
【0108】
上記の構成に置いて、前記照度センサ25に入射する光は、前記照度センサの中心点から前記外側円筒262の検出方向前方の端部の内側の点とを結ぶ直線と前記検出方向21aとが為す角(検出角)θdよりも小さな角度で入射してくる光であり、前記外側円筒262が動くことにより、検出角θdも変化する。
【0109】
なお、前記外側円筒262が前記照度センサ25から最も離れる位置にある場合に検出角θdは最も小さく、前記外側円筒262が前記照度センサ25に最も近い位置にある場合に検出角は最も大きい。
【0110】
上述のように、本発明の回動部21Dを備える照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置は、様々な位置に対して検出方向を調整して局所的に検出位置を設定することに加えて、検出角θdの調整が可能となることで、所望の検出領域の大きさに応じて最適な検出角で照度の検出が可能となる。
【実施例4】
【0111】
次に、本発明の照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置における、回動部の他の実施例について、図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施例4の照度検出装置の回動部の断面図である。なお、上述した実施例1から実施例3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0112】
本発明の照度検出装置の回動部21Eは、実施例1と同様に、照度を検出する照度センサ25と、前記照度センサ25の検出方向を使用者へ報知するための検出位置報知手段が配設された配設基板28と、該配設基板28を固定する略球状の回動部外装210とからなるものである。
【0113】
本発明の実施例4において、前記回動部21Eの配設基板28には、前記照度センサ25の周囲に配設されて該照度センサ25に入射する光を遮光することで照度の検出角を制限する検出角制限部材である遮光筒263が配設されている。遮光筒263の円筒軸は前記照度センサ25の光軸である検出方向21eと略同一である。
【0114】
また、前記検出位置報知手段は補助スポット照明29であり、該補助スポット照明29は、発光素子270と、該発光素子270から出射される光の指向性を制限する指向性制限筒264とからなり、前記回動部21Eを備える照度検出装置及び該照度検出装置を備える照明装置の補助的な照明手段として用いられる報知用照明である。
【0115】
なお、前記スポット照明29が照明することが可能な補助照明角φeは、前記発光素子270の中心の点から指向性制限筒264の前方端部の内側の点を結ぶ直線と前記照射方向29eとがなす角で定義される。
【0116】
上記構成に置いて、前記発光素子270はLED素子等の小型で指向性の高い光源であり、また、前記発光素子270周辺に配設された指向性制限筒264は、前記遮光筒263と略同一の円筒形状を有しており、その光軸29eは、前記照度センサ25の光軸である検出方向21eと略平行である。
【0117】
そして、前記遮光筒263及び前記指向性制限筒264は大きさも略同一であり、前記照度センサ25と前記遮光筒263にて定義される検出角θeの大きさと、前記補助スポット照明29の前記補助照明角φeの大きさは略同一である。前記検出角θeと前記補助照明角φeを略同一の大きさにすることで、照度検出を行う際、照度検出が行われている領域がどのくらいの大きさなのか、補助照明が照明する領域を参考に知ることができる。
【0118】
また、前記補助スポット照明の光軸29eは、前記照度センサ25の光軸である検出方向21eと略平行であるため、検出対象までの距離が近い場合であっても、遠い場合であっても、前記光軸29eの示す照明の中心位置と前記検出方向21eの示す検出領域の中心位置がずれないため、距離によって前記二つの中心位置が変わらず、安定した検出位置の報知、及び、補助的な照明が可能となる。
【0119】
上述のように、本発明の回動部21Eを備える照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置は、様々な位置に対して検出方向を調整して局所的に検出位置を設定することに加えて、検出角θeと略同一の補助照明角φeを有する補助スポット照明29を備えることで、照度検出が行われている領域が照明されることから、回動部21Eの検出方向21eだけでなく、照度検出が行われている領域がどのくらいの大きさなのか把握することが可能となる。
【実施例5】
【0120】
次に、本発明の照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置の他の実施例について、図15を用いて説明する。図15は、本発明の実施例5の照度検出装置の回動部の断面図である。なお、上述した実施例1から実施例4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0121】
本発明の照度検出装置の回動部21Fは、実施例1と同様に、照度を検出する照度センサ25と、前記照度センサ25の検出方向を使用者へ報知するための検出位置報知手段が配設された配設基板28と、該配設基板28を固定する略球状の回動部外装210とからなるものである。
【0122】
本発明の実施例5において、前記回動部21Fの配設基板28には、前記照度センサ25の周囲に配設されて該照度センサ25に入射する光を遮光することで照度の検出角を制限する検出角制限部材である遮光筒265が配設されている。遮光筒265の円筒軸は前記照度センサ25の光軸である検出軸の示す検出方向21fと略同一である。
【0123】
また、前記回動部21Fには、前記検出位置報知手段として、リモコン等の遠隔操作端末からの信号を受信して照度を検出すべき位置を特定する位置情報受信部31が配設されている。前記信号は赤外線による信号光であり、前記位置情報受信部31は、前記遠隔操作端末より送信される赤外線の信号光を受けて、回動部21Fが所望の位置の照度が図れる方向に検出方向21fを調整できているかいなか判断する。
【0124】
なお、前記位置情報受信部31の周囲には円筒形状の遮光筒266が設けられており、前記位置情報受信部31は、該位置情報受信部31の中心の点から前記遮光筒266の前方端部内側の点を結ぶ直線と、前記位置情報受信部31の光軸である検出軸の示す検出方向31fとが為す角(検出角)φfよりも小さな角度で入射する赤外線からなる信号光を受信する。
【0125】
ここで、前記位置情報受信部31の検出角φfは、前記照度センサ25の検出角θfと同一もしくは、前記検出角φfが検出角θfよりも小さいことが望ましい。前記照度センサの検出角θfと比較して略同一もしくは小さな領域を検出対象とすることで、前記位置情報受信部31が前記遠隔操作端末からの信号を受信した方向と所望の照度の検出方向とが略同一方向にすることができる。
【0126】
また、前記位置情報受信部31が前記遠隔操作端末からの信号を受信する際、前記遠隔操作端末は、使用者が所望する検出位置の中央付近で、該所望の検出位置から前記回動部21F及び該回動部21Fが備えられた照度検出装置に向かって信号を送信すべく配設されるものである。
【0127】
そして、前記照度検出装置は、前記位置情報受信部31にて受信した信号に基づき、検出位置報知手段であるブザー(図示せず)を鳴動させて、前記照度センサ25の検出方向21fが所望の位置にあることを報知するものである。
【0128】
次に、図16を用いて、検出方向21fの調整動作について説明する。図16は、前記遠隔操作端末を用いて検出位置を設定する際の動作フロー図である。
【0129】
まず、ステップS21にて、照度検出装置の検出位置を設定するための検出位置調整動作開始信号を受信したか否か判断する。該検出位置調整動作開始信号を受信した場合はステップS22に進み、受信しなかった場合は動作フローを終了する。
【0130】
そして、ステップS22にて回動部21Fは検出位置を設定するために回動動作を開始する。
【0131】
さらに、ステップS22の後にステップS23へと進み、該ステップS23で、前記回動部21Fに設けた位置情報受信部31にて位置設定用信号を受信したか否かを判断する。該設定用信号を受信した場合はステップS24へと進み、受信しなかった場合は、設定用信号を受信するまでステップS23を繰り返す。
【0132】
その後、ステップS24では、前記位置情報受信部31が前記位置設定用信号を受信したことに基づき、前記回動部21Fの動作を停止し、検出位置報知手段である報知ブザーを鳴動させる。
【0133】
そして、ステップS24にて前記回動部21Fの動作を停止し、検出位置報知手段である報知ブザーを鳴動させた後はステップS25に進み、検出位置の設定を終了するための検出位置調整動作終了信号を受信したか否か判断する。該検出位置調整動作終了信号を受信した場合は、ステップS26に進みブザーを停止させ動作フローを終了する。また、該検出位置調整動作終了信号を受信しなかった場合は、受信しなかった場合は、検出位置調整動作終了信号を受信するまでステップS25を繰り返す。
【0134】
なお、前記検出位置調整動作開始信号及び検出位置調整動作終了信号は、前記回動部21Fを備えた照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置に別途設けられた動作信号受信部(図示せず)にて受信する。また、前記動作信号受信部は、前記位置情報受信部31とは異なり、広範囲からの信号を受信することが望ましく、どの方向から信号が来ても受信できるような、指向性の弱い受信部であることが望ましい。
【0135】
また、前記検出位置調整動作終了信号は、前記位置情報受信部31で受信しても良い。該検出位置調整動作終了信号を受信する際、前記回動部21F所望の検出位置を向いているため、前期位置情報受信部31でも前記遠隔操作端末からの信号を受信することができるためである。
【0136】
次に、前記図16の動作フロー図におけるステップS22にて行う回動動作について、図17a及び図17bを用いて説明する。図17aは回動動作時の検出方向が移動する際の軌跡の一例を示す説明図である。図17bは回動動作時の検出方向が移動する際の軌跡の他の例を示す説明図である。
【0137】
まず、回動動作時の検出方向が移動する際の軌跡の一例は、図17aに示す通り、検出可能範囲A0の中心付近の点P21を始点として、渦状に径を広げながら検出方向を変化させていくものである。
【0138】
また、他の一例としては、図17bに示す通り、検出可能範囲A0の四隅のうち1つの隅P31を選択し、選択した前記1つの隅付近の点P31から他の隅に向かうべく、前記検出可能範囲A0の一辺に沿って点P32まで検出方向を移動(走査)させた後、垂直に検出範囲の直径分移動させて点P33まで移動し、最初の検出方向と逆の方向に移動(走査)させて点P34まで移動し、再び垂直に検出範囲の直径分移動するという動作を繰り返すことで検出可能範囲A0全体を走査する。
【0139】
上述のように、本発明の回動部21Fを備える照度検出装置及び該照度検出装置を備えた照明装置は、様々な位置に対して検出方向を調整して局所的に検出位置を設定することに加えて、前記遠隔操作端末及び位置情報受信部31によって所望の検出位置で前記検出報知手段が鳴動することで、所望の検出位置になっていることを知ることができる。
【0140】
また、前記回動部21Fは、実施例1にて説明したものと同様の回動機構を備えており、回動部外装の球殻形状の中心を回動の中心として、任意の方向に回動することが可能となる。そして、前記回動部21Fが、任意の方向に回動することが可能であるため、図17a及び図17bに示すような複雑な軌跡に沿って、照度検出位置を動かすことが可能となる
なお、本発明の実施例1から実施例5にて開示した照度検出装置を備えた照明装置はあくまで一例であり、様々な態様の照明装置に適用することが可能である。例えば、図18(a)に示すような蛍光灯を用いた照明装置1Aや、図18(b)に示す正方形形状の照明装置1B、図18(c)のような円形のシーリングライトのような照明装置1Cに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 照明装置
2 照度検出装置
11 照明装置外装部
11a 設置側主面
12 光源カバー
21,21A,21B21C,21D,21E,21F 回動部
21a,21e,21f,31f 検出方向(検出軸)
22 支持部
23 前方支持部
23a 検出用孔
24 後方支持部
24a 配線用孔
25 照度センサ
26,263,265,266 遮光筒
26d 遮光部
27 レーザーポインタ(検出位置報知手段)
27a,29e 光軸
28 配設基板
29 補助スポット照明(検出位置報知手段,報知用照明)
31 位置情報受信部
110a,110b 光源カバー固定手段
210 回動部外装
210a 開口
211 配設台
211a 配線用孔
212 調整用つまみ
261 内側円筒
262 外側円筒
264 指向性制限筒
270 発光素子
θa,θb,θc,θd,θe,θf,φf 検出角
φe 補助照明角
A0 検出可能範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照度を局所的に検出する照度センサと、
該照度センサにより局所的に検出する検出位置を可変とすべく前記照度センサを可動する可動機構とを備えることを特徴とする照度検出装置。
【請求項2】
前記照度センサは、該照度センサの検出角を制限する検出角制限部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の照度検出装置。
【請求項3】
前記可動機構は、前記照度センサとともに回動する回動機構であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照度検出装置。
【請求項4】
前記回動機構は、球殻形の回動部と該回動部に接して支持する支持部とからなることを特徴とする請求項3に記載の照度検出装置。
【請求項5】
検出位置をユーザーに知らせるための検出位置報知手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の照度検出装置。
【請求項6】
前記検出位置報知手段は、位置情報受信部により信号光が受信されたことを出力することによって検出位置を報知することを特徴とする請求項5に記載の照度検出装置。
【請求項7】
前記検出位置報知手段は、報知用照明であることを特徴とする請求項5に記載の照度検出装置。
【請求項8】
前記報知用照明の光軸と前記照度センサの検出方向が略平行であることを特徴とする請求項7に記載の照度検出装置。
【請求項9】
前記報知用照明は補助スポット照明として用いられることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の照度検出装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の照度検出装置を備えた照明装置であって、
前記照度検出装置にて検出された照度に基づいて光源を制御する制御部を備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項11】
遠隔操作端末と該遠隔操作端末から前記可動機構を動作するための信号光を受信する動作信号受信部をさらに備え、
前記制御部は、前記可動機構を動作するための信号光に含まれる制御信号に基づいて前記照度検出装置の検出方向制御機構を制御することを特徴とする請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
照度を局所的に検出する照度センサを可動機構を用いて可動し、
照度を検出する照度検出位置を設定し、
該設定された照度検出位置の照度を検出することを特徴とする照度検出方法。
【請求項13】
照度を局所的に検出する照度センサを可動機構を用いて可動し、
照度を検出する照度検出位置を設定し、
該設定された照度検出位置の照度を検出し、
前記検出された照度に基づいて光源を制御することを特徴とする照明方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−223924(P2010−223924A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74671(P2009−74671)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】