照明システム
【課題】照明システムにおいて、配線スペースを少なくし、施工及び光源の交換が容易なものとする。
【解決手段】照明システム1は、発光部20を有するELユニット2と、ELユニット2を保持する保持枠3と、ELユニット2を点灯制御する制御ユニット4と、を備え、保持枠3は、レール状の導電部材30を備え、導電部材30を通して制御ユニット4とELユニット2との間で電力及び通信信号が伝達される。この構成によれば、制御ユニット4とELユニット2との接続が、ELユニット2を保持する保持枠3に設けられた導電部材30によって成されるので、居住空間における配線のためのスペースを小さくすることができる。また、保持枠3を施工面に設けて、この保持枠3にELユニット2及び制御ユニット4を連結するだけでそれらの接続が成されるので、特殊な技能等を要さず、居住者が適宜に照明システム1を施工することができ、ELユニット2の交換も容易に行なうことができる。
【解決手段】照明システム1は、発光部20を有するELユニット2と、ELユニット2を保持する保持枠3と、ELユニット2を点灯制御する制御ユニット4と、を備え、保持枠3は、レール状の導電部材30を備え、導電部材30を通して制御ユニット4とELユニット2との間で電力及び通信信号が伝達される。この構成によれば、制御ユニット4とELユニット2との接続が、ELユニット2を保持する保持枠3に設けられた導電部材30によって成されるので、居住空間における配線のためのスペースを小さくすることができる。また、保持枠3を施工面に設けて、この保持枠3にELユニット2及び制御ユニット4を連結するだけでそれらの接続が成されるので、特殊な技能等を要さず、居住者が適宜に照明システム1を施工することができ、ELユニット2の交換も容易に行なうことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源にEL素子を用いた照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、正電極及び負電極間に発光層を配置して構成された発光部が透明基板上に形成されたものである。EL素子は、上記電極間に電圧印加されたとき、発光層にキャリアとして注入された電子及びホールの再結合により生成された励起子によって発光する。
【0003】
EL素子は、発光層を有機化合物で形成した有機EL素子と、無機化合物で形成した無機EL素子に大別される。特に、有機EL素子は、低電圧で高輝度の発光が可能であり、有機化合物の種類によって様々な発光色が得られ、また、平面状の発光パネルとしての製造が容易であることから、近年、照明器具の光源に用いることが注目されている。
【0004】
この種のEL素子を用いた発光装置として、EL素子を用いた発光パネルと、この発光パネルを点灯制御する回路基板とがケース内に組み込まれてモジュール化されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−189239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発光装置においては、これを壁面等の施工面に施工する際に、給電用の配線を設ける必要があり、見栄えが悪くなる。一方、空間の美観を損ねないように、これら配線を建材等で覆うと、居住空間を圧迫する虞がある。また、複数のELユニットを用いた照明システムにおいては、ELユニットに対して電力を供給する電源部と、ELユニットに御情報等の通信信号を送受信する制御部とが個別に設けられ、それらが異なる経路で各ELユニットに接続されていた。この場合、壁や天井の内部に電源ライン及び情報ラインの双方の配線のためのスペースが必要となり、そのスペース確保のために居住空間に制約を与えることがあった。また、配線が複雑になるので、施工に際して特殊な技能や工数を要し、エンドユーザには施工及び維持が容易でなく、この主の照明システムを一般居住等に導入され難い原因となっていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、居住空間における配線スペースを小さくすることができ、施工及び光源の交換が容易な照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、発光部を有するELユニットと、前記ELユニットを保持する保持枠と、前記ELユニットを点灯制御する制御ユニットと、を備え、前記保持枠は、レール状の導電部材を備え、前記導電部材を通して前記制御ユニットと前記ELユニットとの間で電力及び通信信号を伝達することを特徴とする。
【0009】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットは、前記制御ユニットからの通信信号を受けて前記発光部の発光状態を制御する制御部を有することが好ましい。
【0010】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニットは、前記導電部材に電力を送電する電源部を有することが好ましい。
【0011】
上記照明システムにおいて、前記保持枠の両端部に配設され、前記導電部材を保護する一対の保護ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記保護ユニットの一方に内装されていることが好ましい。
【0012】
上記照明システムにおいて、前記保持枠に保持されるケースユニットを備え、前記制御ユニットは、前記ケースユニットに内装されていることが好ましい。
【0013】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は、前記導電部材を覆い、且つ移動自在なカバー部材を備え、前記カバー部材を移動させることにより、前記導電部材が前記ELユニットに対して露出することが好ましい。
【0014】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って形成された一対の凹条を備え、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹条と係合する一対の凸部を備え、該凸部を前記凹条に係合させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0015】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う一方の縁部に形成されたフック部と、他方の縁部に形成された凹部と、を備え、前記フック部は、前記長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記フック部と係合する被フック部と、前記凹部に係止される凸部と、を備え、前記凸部を前記凹部に係止させると共に、前記被フック部を前記フック部に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0016】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う両縁部に形成された一対の凹部を備え、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹部と係止される一対の凸部を備え、該一対の凸部の一方が前記保持枠の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、該一方の凸部を前記凹部に係止させると共に、他方の凸部を前記凹部に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0017】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に該保持枠に向けて突出した固定部を備え、前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、前記保持枠は、前記固定部と対向する位置に前記爪部が係止される受け部を有し、前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け部に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0018】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、該保持枠に向けて突出した固定部を備え、前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って前記爪部が係止される受け条を有し、前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け条に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0019】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットと前記保持枠とが、ワイヤにより結線されていることが好ましい。
【0020】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニット及び前記ELユニットは相互認証を行い、前記制御ユニットは、前記ELユニットが認証されたものであるときに、該ELユニットに対して電力を供給することが好ましい。
【0021】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニットは、前記ELユニットが前記保持枠から取り外されたときに警告信号を出力することが好ましい。
【0022】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニットは、管理者によって管理情報が入力されたときに、前記警告信号を出力しないことが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、制御ユニットとELユニットとの接続が、ELユニットを保持する保持枠に設けられた導電部材によって成されるので、居住空間における配線のためのスペースを小さくすることができる。また、施工面に施工された保持枠に、ELユニット及び制御ユニットを連結するだけでそれらの接続が成されるので、特殊な技能等を要さず、居住者が適宜に照明システムを施工することができ、ELユニットの交換も容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明システムの斜視図。
【図2】同照明システムのブロック構成図。
【図3】同照明システムの分解斜視図。
【図4】同照明システムに用いられる保護ユニット(フロントキャップ)の斜視図。
【図5】同照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図6】同ELユニットのサイズを説明するための斜視図。
【図7】同照明システムの端部側から見た側面図。
【図8】同照明システムの変形例の分解斜視図。
【図9】同照明システムの動作フローを示す図。
【図10】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図11】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図12】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図13】(a)は従来の照明システムの配線経路を示す模式図、(b)は上記実施形態に係る照明システムの配線経路を示す模式図。
【図14】同照明システムの変形例の分解斜視図。
【図15】同変形例のブロック構成図。
【図16】同照明システムの別の変形例の一部分解斜視図。
【図17】同変形例に用いられる保持枠の上面図。
【図18】(a)(b)は同変形例の端部側から見た側面図。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図20】同照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図21】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図22】本発明の第3の実施形態に係る照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図23】同照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図24】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図25】同照明システムの変形例の分解斜視図。
【図26】同変形例に用いられる保持枠の上面図。
【図27】(a)(b)は同変形例の端部側から見た側面図。
【図28】本発明の第4の実施形態に係る照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図29】同照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図30】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図31】同照明システムの変形例に用いられる保持枠の斜視図。
【図32】(a)(b)は同保持枠の部分拡大図。
【図33】同変形例の導電部材及び給電端子の端部側から見た拡大側面図。
【図34】本発明の第5の実施形態に係る照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図35】同照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図36】同照明システムに用いられる固定部及び受け条の拡大斜視図。
【図37】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図38】本発明の第6の実施形態に係る照明システムの端部側から見た側面図。
【図39】本発明の第7の実施形態に係る照明システムの動作フローを示す図。
【図40】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図41】同照明システムの変形例における詳細な動作フローを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1の実施形態に係る照明システムについて、図1乃至図13を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の照明システム1は、有機EL素子を用いた発光部20を有するELユニット2と、ELユニット2を保持する保持枠3と、ELユニット2を点灯制御する制御ユニット4と、を備える。保持枠3は、レール状の導電部材30を備える。導電部材30は、制御ユニット4と前記ELユニット2との間で電力及び通信信号を伝達するものである。また、保持枠3の両端部には、導電部材30の端部を保護する一対の保護ユニット5が配設される。保護ユニット5は、保持枠3の一方の側端部に取り付けられるフロントキャップ51と、他方の側端部に取り付けられるエンドキャップ52とから構成される。図例では、1つの保持枠3に対して1つのELユニット2が設けられた構成を示すが、本実施形態の照明システム1は、1つの保持枠3に対して複数のELユニット2を設けることができ、各ELユニット2に対して所定のアドレスが設定される。また、制御ユニット4は、それら複数のELユニット2を個別に点灯制御することができる。なお、同図において、保持枠3としてELユニット2の2倍程度の長さのものを示しているが、実際にはより長尺のものが用いられ、複数の保持枠3が連結されて用いられてもよい。
【0026】
図2に示すように、制御ユニット4は、商用電源を所定の直流電流に変換する電源部41と、発光部20への電力及び通信情報を制御する主制御部42と、主制御部42の制御を受けて、導電部材30に電力及び通信情報を送信する主送受信部43と、を備える。本実施形態において、制御ユニット4は、フロントキャップ51(保護ユニット5の一方)に内装されている。フロントキャップ51が保持枠3の端部に配設されたとき、主送受信部43が導電部材30に接触し、これらが電気的に接続される。電源部41は、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ、変圧器等から構成され、導電部材30へ送電される電流を生成する。なお、電源部41には、商用電源から供給された交流電流を直流電流を変換してこれを貯える2次電池が別途設けられてもよく、また、商用電源に接続されず、適宜に交換される汎用で電池が用いられてもよい。電源部41が、制御ユニット4内に設けられることにより、システム構成が簡易になり、照明システム1をエンドユーザにも施工し易いものとすることができる。主制御部42は、汎用のCPU及びメモリ等の制御及び記憶デバイス等から構成される。この主制御部42は、保持枠3に保持されたELユニット2を認識し、このELユニット2に対して所定の電力を供給するように主送受信部43を制御する。このとき、直流電圧に高周波の搬送波によりデータを伝送する通信信号を重畳する、いわゆる電力線搬送通信が行われる。この電力線通信に基づいて、ELユニット2の消費電力や使用時間等の電力使用状態を含む通信情報が送信され、ELユニット2の制御が行われる。主送受信部43は、電圧制御回路及びインバータ回路等を有し、主制御部42の制御により、上述したように、通信情報が重畳された直流電流を導電部材30へ送電する。また、制御ユニット4は、管理者がシステムに用いられるELユニット2のアドレス情報や調光情報等の管理情報を入力するためのインターフェース部(不図示)を備える。
【0027】
保持枠3は、フロントキャップ51及びエンドキャップ52が設けられる両端部間に亘ってレール状の導電部材30が配されている。導電部材30には、銅箔板等の導電性金属板が用いられる。導電部材30の一面の一部又は全部が、ELユニット2に向けて露出しており、この露出部分がELユニット2との給電ポイントとなる。なお、図例では、導電部材30が一片の板状部材として示されているが、正電極線及び負電極線の双方が互いに絶縁されて併設されている。
【0028】
ELユニット2は、発光部20に加えて、発光部20の発光状態を制御するパネル制御部21と、導電部材30と電気的に接続されるパネル送受信部22と、を備える。発光部20は、透光性を有する矩形の基板上に、透明導電膜から成る正電極、発光機能を有する発光層、光反射性を有する負電極を、順に積層した発光部(不図示)が形成され、発光部の外側が封止材で被覆されたものである。本実施形態においては、発光層に有機発光材料を用いた有機EL素子が好適に用いられる。発光部20は、発光面とは反対側の面に、補助電極等介して、上記正電極及び負電極の夫々に対応する電極取り出し端子20a(後述する図5参照)が設けられている。パネル制御部21は、汎用のマイコン、メモリ及び変圧回路等の各種素子が配線基板上に実装されたものであり、導電部材30からの電力及び制御ユニット4からの通信信号を受けて発光部20の発光状態を直接的に制御する。また、ELユニット2(発光部20)のアドレスや構成等の情報を制御ユニット4の主制御部42へ送信する。パネル送受信部22は、導電部材30と接触する接続端子等を含み、導電部材30とパネル制御部21とを電気的に接続する。
【0029】
次に、照明システム1を成す保持枠3、保護ユニット5(フロントキャップ51及びエンドキャップ52)及びELユニット2等の構造的な特徴を説明する。図3に示すように、保持枠3は、長尺状の部材であり、室内壁や建材等の施工面に固定される固定面31の一方の面の中央部に、一対の凸条部32が長手方向に沿って形成されており、これら一対の凸条部32に挟まれた凹条部の底面に導電部材30が配されている。導電部材30は、上述したように、銅箔板が用いられ、好ましくは、この表面に溶着防止のための銀メッキ等が施される。固定面31のうち導電部材30が配されていない面は、平滑な面として形成される。固定面31の縁部は、保持枠3の短手方向に鍔状に突出している(後述する図7も参照)。こうすれば、施工時に保持枠3の表裏を区別し易くなり、また、固定面31と施工面との接触面積が大きくなるので施工安定性を良くすることができる。
【0030】
保持枠3の両縁部33は、固定面31から垂直に立設され、凸条部32の突出高さよりも高くなるように、また所定の幅を有するように肉厚に形成されている。これら両縁部33は、外縁側が高くなるように段違いに形成されており、その外縁がELユニット2の裏面縁部と当接する。一方、両縁部33の内縁には、保持枠3の長手方向両端部間に亘って夫々凹条33aが形成されている。これら一対の凹条33aは、保持枠3の両縁部33に、導電部材30に対して対称に配置される。また、両縁部33の側端面には、フロントキャップ51及びエンドキャップ52を固定するネジを挿通させるためのネジ孔34が夫々形成されている。保持枠3の固定面31には、導電部材30、凸条部32及び両縁部33以外の場所に、所定間隔で保持枠3を施工面に固定するためのネジ等を挿通させるための孔部(不図示)が形成されている。保持枠3の構成材料としては、例えば、ABS樹脂やアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチック材料、又は表面に絶縁処理が施されたアルミニウム等の金属材料が用いられる。
【0031】
フロントキャップ51及びエンドキャップ52は、保持枠3と当接する端面が保持枠3の両端部に夫々対応した形状に形成されている。これらの厚み(施工面からの高さ)は、保持枠3の両縁部33の最も厚い部分と略等しい厚みとされる。また、フロントキャップ51及びエンドキャップ52の縁部には、保持枠3のネジ孔34と連続するように、貫通孔53,54が形成されている。これら貫通孔53,54に挿通されたネジ(不図示)が、ネジ孔34にネジ止めされることによって、フロントキャップ51及びエンドキャップ52が保持枠3の両端部に夫々連結される。なお、これらの連結方法として、例えば、バネ片等によってそれらを連結させてもよく、フロントキャップ51及びエンドキャップ52を保持枠3に適宜に着脱できるものであれば、上述したネジ固定に限られない。フロントキャップ51及びエンドキャップ52の施工面側の縁部は、保持枠3の両縁部と連続するように鍔状に突出している。こうすれば、保持枠3への連結に際してフロントキャップ51及びエンドキャップ52の表裏を区別し易くすることができる。
【0032】
本実施形態のフロントキャップ51は、保持枠3が連結される方向に所定の幅を有するケース状の部材であり、図4に示すように、制御ユニット4を内装するための収納部55を有する。フロントキャップ51は、収納部55内から保持枠3と連結される端部に向けて、信号入出力用の接点部44が設けられる。接点部44は、収納部55に内装された制御ユニット4の主送受信部43(図2参照)と接触し、また、フロントキャップ51の端部から僅かに突出するように形成され、フロントキャップ51が保持枠3に連結されたときに、保持枠3の導電部材30に接触する。これにより、制御ユニット4の主送受信部43(図2参照)は、接点部44を介して保持枠3の導電部材30に電気的に接続される。この接点部44も、導電部材30同様に、溶着防止のための銀メッキ等が施される。フロントキャップ51の保持枠3と連結される端部には、接点部44を挟むように、2つの位置決め穴56が形成されている。保持枠3の端部には、凸条部32と連続するように位置決めピン(不図示)が設けられており、この位置決めピンが位置決め穴56に嵌め込まれて、保持枠3とフロントキャップ51との位置決めがなされる。貫通孔53には、保持枠3と連結される端部と反対側の端部において、孔径が大きな皿穴57が形成され、この皿穴57にネジのネジ等が収納される。こうすれば、ネジ頭が露出せず、外観を良くすることができる。
【0033】
図5に示すように、ELユニット2は、発光部20を収容するケース23を有する。ケース23の前面は、透光性を有し、発光部20からの光を導出する面として形成される。ケース23の後面(保持枠3と対向する面)には、パネル制御部21(図2参照)を収容する凹部24と、パネル送受信部22に設けられた給電端子22aを覆うガイドブロック25と、発光部20の電極取り出し端子20aを露出させる開口部26とが形成される。また、本実施形態においては、ケース23の後面に、保持枠3の凹条33aと係合する一対の凸部27が形成されている。ガイドブロック25と凹部24との間、及び凹部24と開口部26との間は、夫々配線溝が形成される。ガイドブロック25は、保持枠3の一対の凸条部32間に嵌まる大きさに形成される。給電端子22aは、その先端がガイドブロック25から僅かに突出するように配置され、この突出方向に付勢されている。給電端子22aも、接点部44及び導電部材30同様に、溶着防止のための銀メッキ等が施される。ケース23の構成材料としては、保持枠3と同様のプラスチック材料又は金属材料等が用いられる。
【0034】
図6に示すように、ELユニット2は、例えば、150mm角の正方形状とされる。こすれば、2行2列となるように4枚のELユニット2を格子状に配置したときに、建材の標準パネルサイズである300mm角となる。すなわち、このサイズであれば、照明システム1を建材に溶け込んだ形で構成することができ、居住者等に対して、照明器具が存在せず、壁や天井が光るような視覚的効果を与えることができる。
【0035】
本実施形態においては、上述した図3及び図7に示すように、ELユニット2を保持枠3の端部からスライドさせて挿入させて、ELユニット2の凸部27を保持枠3の凹条33aに係止させることにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。このとき、ELユニット2の給電端子22aが保持枠3の導電部材30に当接して、これらが電気的に接合される。ELユニット2の凸部27及びガイドブロック25が、夫々保持枠3の凹条33a及び凸条部32にガイドされることによって、ELユニット2は、保持枠3の長手方向に沿ってスライド自在に保持される。このように、ELユニット2が保持枠3の所定位置に保持された状態で、保持枠3の一方の端部にフロントキャップ51が配設されてることにより、フロントキャップ51内の制御ユニット4とELユニット2とが導電部材30によって電気的に接続される。また、保持枠3の他方の端部にエンドキャップ52が設けられることにより、導電部材30の端部が保護される。これにより、照明システム1の施工がなされる。この構成によれば、長尺状の保持枠3が施工された任意の位置にELユニット2を配置することができ、照明システム1によって実現される照明空間を、居住者が自由に設定することができる。なお、ELユニット2の交換に際しては、フロントキャップ51又はエンドキャップ52のいずれかを外して、保持枠3に沿ってELユニット2をスライドさせて、保持枠3の端部から取り外せばよい。
【0036】
壁や天井を構成する建材の標準パネルには、12mm厚のものがある。保持枠3及びELユニット2は、ELユニット2が保持枠3に保持された状態における厚みが12mm以下となるように形成される。従って、保持枠3及びELユニット2の厚みを12mm以下とすれば、これらを建材に組み込んだ際に、ELユニット2が突出せず、空間の広がり感を向上させることができ、また、居住者に対して建材(壁)自体が光るような視覚的効果を与えることができる。
【0037】
保持枠3においてELユニット2が保持されていない箇所には、図8に示すように、ELユニット2と略同形状に形成されたケースユニット58が保持されていてもよい。このケースユニット58は、保持枠3の導電部材30等を隠す、いわゆるダミーケースであり、これを設けることにより、照明システム1の見栄えを良くすることができる。また、ケースユニット58には、例えば、人感センサ等のELユニット2以外のデバイスが内装されてもよい。この種のデバイスも、ELユニット2と同様に、保持枠3の導電部材30を介して制御ユニット4に接続され、照明システム1に組み込まれる。
【0038】
次に、本実施形態の照明システム1の動作パターンについて、上述した図2に加えて図9乃至図12を参照して説明する。照明システム1は、図9に示すように、制御ユニット4とELユニット2との間で、(1)監視(検出)フェーズ、(2)認証・構成フェーズ、(3)給電フェーズを定期的且つ定常的に繰り返すことにより、通信及び給電を行なう。ここで、(1)監視(検出)フェーズは、制御ユニット4が導電部材30に接続されたELユニット2の接続状態を監視し、その接続を検出するフェーズである。このフェーズにおいて、制御ユニット4は、導電部材30を通じて検出信号を出力する。この検出信号には、制御ユニット4から送信される通信信号における周波数変調、電力の容量、電流変化等の情報が含まれる。ELユニット2は、導電部材30を通じて上記検出信号を受信すると、制御ユニット4へ確認信号を出力する。制御ユニット4がこの確認信号を受信すると、照明システム1は(2)認証・構成フェーズへ移行する。なお、これらの信号の送受信は、制御ユニット4においては、主制御部42の制御を受けて主送受信部43によって行われ、ELユニット2においては、パネル制御部21の制御を受けてパネル送受信部22によって行われるが、ここでは、制御ユニット4及びELユニット2が行っているものとして説明する。
【0039】
ところで、保持枠3にELユニット2が保持されていないとき、又はELユニット2が導電部材30に適切に接続されていないとき等は、ELユニット2からの確認信号が送信されない。そこで、制御ユニット4は、図10に示すように、検出信号の送信後の所定時間内に確認信号の受信が無かった場合には、導電部材30へ給電できないものと判断し、確認信号を受信したときに(2)認証・構成フェーズへ移行する。
【0040】
(2)認証・構成フェーズは、制御ユニット4が、上記(1)監視(検出)フェーズにおいて接続状態が確認されたELユニット2のアドレス及びその構成を確認するフェーズである。このフェーズにおいても、まず、制御ユニット4から、導電部材30を介して、ELユニット2に対して確認信号が出力される。ELユニット2は、この確認信号を受けて、自身に割り当てられたアドレス情報や、ELユニット2に組み込まれた発光部20の定格電流等の情報を制御ユニット4へ出力する。これらの情報(パケット)は、制御ユニット4のメモリ(主制御部42)に書き込まれる。制御ユニット4は、これらの情報を受けると、ELユニット2を照明システム1に適合したものであると認証する。そして、照明システム1は(3)給電フェーズへ移行する。一方、導電部材30に接続された媒体が存在したとしても、これが照明システム1に適合しないものである場合、上述した情報の送受信が行われない。このとき、ELユニット2の認証が行われず、制御ユニット4は、図11に示すように、導電部材30へ給電できないものと判断する。
【0041】
(3)給電フェーズは、実際に制御ユニット4から所定の直流電流が供給され、ELユニット2が点灯されるモードである。このフェーズにおいて、ELユニット2からこのELユニット2に組み込まれた発光部20の運転(点灯)時間等に関する情報が制御ユニット4に提供される。制御ユニット4は、図12に示すように、発光部20の運転時間が、定格駆動時間(寿命時間)を越えているかを判断し、超えている場合は、ELユニット2の交換を推奨する通知を行なう。この通知は、例えば、所定周期で交換対象のELユニット2を点滅させること等により行われる。一般に、有機EL素子の発光寿命は、発光層に用いられる有機材料の経時劣化に依存し、発光輝度が次第に低下するので、居住者(管理者)が気付き難いことがある。そこで、照明システム1においては、寿命時間を越えたELユニット2を、従来の蛍光灯がランプ切れするかのように点滅させることにより、ELユニット2の交換時期を居住者に通知する。そして、ELユニット2が取り外されたときに、上記通知は解除され、取り外されないときは、再び所定周期で上記通知が行なわれる。また、ELユニット2が取り外されない場合であっても、管理者が制御ユニット4に設けれられたインターフェース部を操作することにより、上記通知を適宜に解除することができ、またその通知周期を任意に設定することができる。
【0042】
従来の照明システムにおいては、図13(a)に示すように、ELユニット等の照明負荷(△)に対して電力を供給する電源部(○)と、照明負荷の制御情報等の通信信号を送受信する制御部(□)とが個別に設けられ、それらが異なる経路で各照明負荷に接続されている。この場合、壁や天井の内部に電源ライン及び情報ラインの双方の配線のためのスペースが必要となり、そのスペース確保のために居住空間に制約を与えることがあった。また、配線が複雑になるので、施工に際して特殊な技能や工数を要した。これに対して、本実施形態の照明システム1は、制御ユニット4とELユニット2とが、ELユニット2を保持する保持枠3に設けれらた導電部材30によって電気的に接続され、導電部材30によってこれらの間の電力及び通信情報の伝送が行われる(図1及び図2参照)。つまり、図13(b)に示すように、ELユニット等の照明負荷(△)に対して電力を供給する電源部(○)と、照明負荷の制御情報等の通信信号を送受信する制御部(□)とが一体化されている。また、それらが同じ経路で各照明負荷に接続されている。しかも、この配線が、ELユニット2を保持する保持枠3に設けられた導電部材30によって成されるので、従来のような配線のためのスペースが不要となり、開放感ある居住空間を実現することができる。また、保持枠3を施工面に固定し、この保持枠3にELユニット2及び制御ユニット4を連結するだけで配線が成されるので、特殊な技能等を要さず、居住者が適宜に照明システム1を施工することができ、ELユニット2の交換も容易に行なうことができる。
【0043】
また、従来の電源ラインは、照明負荷に一定電圧をかけ続けるだけであり、情報ラインは、電気のON/OFFや調光等に対して、単純な命令を与えるのみであった。そのため、複数の照明負荷を用いて空間の照明演出等を実現できるような高い機能性を有する照明システムにおいては、照明負荷毎の個別具体的な設定は、施工時に行なわれる必用があった。この設定には、施工に一定のノウハウやスキルが必要であり、この種の照明システムを一般的な住宅やオフィス等に採用することが容易でなかった。これに対して、本実施形態の照明システム1は、電源ラインと情報ラインを一つの制御ユニット4からの信号に集約され、各ELユニット2の詳細な調光制御は、端末側のELユニット2に設けられたパネル制御部21(図2参照)によってなされる。従って、個々のELユニット2には特別な設定を施す必要がなく、ノウハウ等の無いエンドユーザであっても、ELユニット2の施工及び取り換えを容易に行なうことができる。
【0044】
更に、本実施形態の照明システム1においては、導電部材30が、保持枠3の中央部に、その長手方向に沿って形成されている。この構成によれば、導電部材30(正電極線及び負電極線)が保持枠3の両縁部33に形成された構成に比べて、各電極線の距離が短くなるので、ノイズを発生し難くすることができる。また、施工面に複数の保持枠3が一定間隔で併設された場合であっても、隣り合う保持枠3に設けられた導電部材30との距離が近接せず、一定の間隔を確保することができる。そのため、電力及び通信情報の伝送に際して、他の導電部材30のノイズに影響され難くなり、制御ユニット4がELユニット2を安定的に点灯制御することができる。
【0045】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図14及び図15を参照して説明する。図14に示すように、この変形性に係る照明システム1は、上記図8で示した構成と同様に、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所にケースユニット58が設けられ、このケースユニット58に制御ユニット4が内装されているものである。フロンドキャップ51は、保持枠3の端部に配置されて、導電部材30の端部を絶縁保護するものであり、上述したエンドキャップ52と同様のものが用いられる。また、図15に示すように、電源部41が制御ユニット4外に設けられている。他の構成は、上記実施形態と同様である。
【0046】
この変形例は、保持枠3に保持されるケースユニット58に制御ユニット4が内装されるので、施工面において保持枠3の端部方向に、上記実施形態で示したサイズのフロントキャップ51を配設するスペースが無い場合に好適に用いられる。また、この変形例においては、電源部41を保持枠3及びELユニット2から離れた位置に設けているので、これら保持枠3及びELユニット2における電源部41からの熱による影響を受け難くすることができる。
【0047】
本実施形態の別の変形例に係る照明システムについて、図16乃至図18を参照して説明する。図16及び図17に示すように、この変形性に係る照明システム1は、保持枠3は、導電部材30を覆い、且つ移動自在なカバー部材35aを備えたものである。この変形例においては、一対の凸条部32の一方にヒンジ機構36aが設けられ、このヒンジ機構36aを介して、導電部材30だけでなく一対の凸条部32の上面を覆うようにカバー部材35aが設けられている。ヒンジ機構36aは、カバー部材35aを保持枠3の長手方向方向と直交する方向に回転自在とするものであり、内蔵されたバネ部材(不図示)によって、導電部材30を覆う位置で静止するように付勢されている。この付勢方向に逆らってカバー部材35aを回転移動させることにより、導電部材30がELユニット2に対して露出する。
【0048】
この変形例においては、ELユニット2が保持枠3に保持されていないとき、図18(a)に示すように、カバー部材35aは導電部材30を覆う位置に存在する。そして、施工者が指でカバー部材35aを回転させた状態で、保持枠3の端部からELユニット2をスライド挿入することにより、図18(b)に示すように、ELユニット2が保持枠3に保持されると共に、ELユニット2の給電端子22aと導電部材30とが電気的に接続される。なお、ヒンジ機構36aに換えて、カバー部材35aを水平に移動させるスライド機構が設けられてもよい。
【0049】
この構成によれば、上記図16で示したように、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所において、導電部材30がカバー部材35aによって覆われるので、導電部材30を埃等から保護することができる。また、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所には、上記図8で示したようなダミーのケースユニット58が設けられてもよく、本変形例のカバー部材35aと併用することで、導電部材30を埃等からより確実に保護することができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態に係る照明システムについて、図19乃至図21を参照して説明する。図19に示すように、本実施形態の照明システム1は、保持枠3は長尺状であり、その長手方向に沿う一方の縁部33bに形成されたフック部38と、他方の縁部33cに形成された凹部33dと、を備えるものである。フック部38は、その一部が縁部33bに埋め込まれており、保持枠3の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能に構成されている。また、フック部38は、縁部33bの内側に露出した鉤部38aと、この鉤部38aを保持枠3の縁部33bの方向へ付勢する付勢バネ38bと、縁部33bの外側に露出したプッシュボタン38cとを備える。また、導電部材30は、固定面31内に埋め込まれており、ELユニット2の取付箇所に対応する部分のみが露出している。また、この導電部材30の露出箇所に近接する部分には、保持枠3の凸条部32が部分的に形成されていない。
【0051】
また、図20に示すように、本実施形態の照明システム1は、上記保持枠3に対応して、ELユニット2が、保持枠3と対向する面に、フック部38と係合する被フック部27aを備える。他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0052】
次に、本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、図21(a)に示すように、保持枠3の縁部33bにあるプッシュボタン38cを押し込んで、鉤部38aを導電部材30の方向へスライド移動させる。この状態で、ELユニット2の凸部27を保持枠3の凹部33dに押し込んで係止させると共に、被フック部27aをフック部38の鉤部38aに係止させる。そして、プッシュボタン38cの押し込みを解除すれば、付勢バネ38bによって鉤部38aが縁部33b方向へ引張されて、図21(b)に示すように、ELユニット2の被フック部27aとフック部38の鉤部38aとが連結される。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。保持枠3の凸条部32は、ELユニット2のガイドブロック25に近接する部分に形成されていないので(図19参照)、ELユニット2の取り付けに際して、ガイドブロック25が凸条部32に当接することがなく、ELユニット2の凸部27を保持枠3の凹部33dにスムーズに押し込むことができる。凹部33dには、がたつき防止用の弾性部材(不図示)が配されていてもよい。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、上記取付手順と同様に、プッシュボタン38cを押し込めば、フック部38の鉤部38aと被フック部27aとの連結が解除される。この状態で、ELユニット2の被フック部27aが設けられた端部を持ち上げれば、ELユニット2を保持枠3から容易に取り外すことができる。
【0053】
この構成によれば、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。
【0054】
次に、本発明の第3の実施形態に係る照明システムについて、図22乃至図24を参照して説明する。図22に示すように、本実施形態の照明システム1は、保持枠3は長尺状であり、その長手方向に沿う両縁部33に形成された一対の凹部33eを備える。これらの凹部33eには、夫々押し冶具33fが埋め込まれている。この押し冶具33fは、保持枠3の縁部33より内側方向へのみスライド移動できるように形成されている。
【0055】
また、ELユニット2は、前記保持枠と対向する面に、保持枠3の凹部33eと係止される一対の凸部27を備え、これら一対の凸部27の一方が、保持枠3の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能に構成されている。具体的には、この一方の凸部27には、保持枠3の凹部33eに向けて突出した突出部27bが設けられ、この突出部27bが、その突出方向にバネ付勢された状態でスライドする。他の構成は、上記第2の実施形態と同様である。
【0056】
次に、本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、図24(a)に示すように、ELユニット2を僅かに傾けながら、ELユニット2の突出部27bを保持枠3の凹部33eに挿入する。そして、図24(b)に示すように、突出部27bを付勢方向と反する方向に押し込みながら、他方の凸部27を、対峙する保持枠3の凹部33eに係止させる。そして、施工者がELユニット2から手を離すと、バネ付勢によって突出部27bと凹部33eとの間に反発力が生じる。この反発力は、ELユニット2の凸部27が対向する保持枠の凹部33e間を押し広げる方向に作用する。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、押し冶具33fを押し込めば、ELユニット2の凸部27(突出部27b)と凹部33eとの係合が解除される。この状態で、押し込まれた押し冶具33fと対向する凸部27(突出部27b)が設けられた端部を持ち上げれば、ELユニット2を保持枠3から容易に取り外すことができる。
【0057】
この構成によれば、上記第2の実施形態と同様に、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。
【0058】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図25乃至図27を参照して説明する。図25及び図26に示すように、この変形性に係る照明システム1は、導電部材30が観音開き式のカバー部材35bによってカバーされているものである。この変形例においては、導電部材30の露出箇所の両縁方向に、一対の凸条部32の間隔よりも僅かに広い間隔となる一対の支持凸条32aが設けられ、これらの支持凸条32aの夫々の上面に設けられたヒンジ機構36bによって一対のカバー部材35bが回転自在に支持されている。このヒンジ機構36bは、カバー部材35bが閉鎖状態となるようにバネ付勢するように構成されている。他の構成は、上記第3の実施形態と同様である。
【0059】
この変形例においては、図27(a)に示すように、保持枠3にELユニット2が取り付けられていない状態では、ヒンジ機構36bのバネ付勢によって、カバー部材35bが導電部材30を覆った状態となる。そして、保持枠3にELユニット2が取り付けられるとき、図27(b)に示すように、ELユニット2のガイドブロック25によってカバー部材35bが押し込まれ、カバー部材35bは、支持凸条32aの内側面と平行に配置される。
【0060】
この構成によれば、上記図16で示した変形例と同様に、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所において、導電部材30がカバー部材35bによって覆われるので、導電部材30を埃等から保護することができる。
【0061】
次に、本発明の第4の実施形態に係る照明システムについて、図28乃至図30を参照して説明する。図28に示すように、本実施形態の照明システム1は、ELユニット2が、保持枠3と対向する面に、この保持枠3に向けて突出した固定部28を備えたものである。この固定部28は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部28aを有する。固定部28は円柱状に形成されており、固定部28の先端側の外側面に、一対の爪部28aが夫々対称に突出するように配置され、これら一対の爪部28aは、互いに反対方向に付勢されている。爪部28aは突出方向に次第に先細りとなるよう形成される。ELユニット2の両縁には、保持枠3の固定面31と当接して、保持枠3及びELユニット2の厚さ方向の位置関係を一定に保持するための支持ブロック27cが形成されている。
【0062】
一方、保持枠3は、図29に示すように、ELユニット2の固定部28と対向する位置に、爪部28aが係止される受け部39を有する。受け部39は、固定部28の外径よりも大きく、付勢された一対の爪部28aの先端の間隔よりも小さな内径を有する筒状部材である。また、受け部39の内周面には、爪部28aが引っ掛かる凹部39aが形成されている(図30も参照)。この凹部39aは爪部28aの形状に対応するように、先細り形状とされる。また、受け部39の固定面31と接する部分にもバネ39b(図30(b))が設けられている。なお、本実施形態においては、保持枠3の両縁部33に凹条33aは形成されていない。他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0063】
次に、本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、図30(a)に示すように、ELユニット2の裏面を保持枠3の取付箇所の正面に対向させる。そして、ELユニット2を保持枠3に対して垂直方向に押し込む。爪部28aは先細り形状に形成されているので、筒状の受け部39の開口に当接したときに、固定部28内に押し込まれる。そして、ELユニット2が保持枠3側へ更に押し込まれて、爪部28aが凹部39aに達したときに、バネ付勢によって一対が爪部28aが凹部39a内を押し広げる方向に反発力を生じる。この反発力によって、図30(b)に示すように、固定部28の爪部28aが受け部39内の凹部39aと連結される。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。本実施形態において、固定部28及び受け部39は、平面状のELユニット2を安定的に保持するため、夫々3組設けられることが好ましい。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、一度、ELユニット2を保持枠3側へ更に押し込めば、受け部39に設けられたバネ39bの反動によって、爪部28aと凹部39aとの連結が解除され、固定部28が受け部39から外れる。
【0064】
この構成によれば、上記第2,3の実施形態と同様に、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。
【0065】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図31乃至図33を参照して説明する。図31に示すように、この変形性に係る照明システム1は、一対の凸条部32の向かい合う内側面に導電部材30が埋め込まれるように設けられ、導電部材30の一部が凸条部32の内側面から露出し、この露出箇所にカバー部材35cが設けられているものである。ELユニット2を保持枠3に保持する構成は、上記第4の実施形態と同様である。カバー部材35cは、図32(a)(b)に示すように、凸条部32の内側面と平行で、固定面31に対して垂直な方向に付勢された状態でスライド可能なように構成されている。また、カバー部材35cの上端部は、鍔状に屈曲されている。
【0066】
図33に示すように、ELユニット2の給電端子22aは、ガイドブロック25の側方に向けてL字形状に屈曲され、その先端が、ガイドブロック25の側面から突出している。この変形例においては、上記第4の実施形態のように、ELユニット2が保持枠3に対して垂直に押し込まれる際、給電端子22aがカバー部材35cの上端部に接触して、カバー部材35cをスライドさせ、露出した導電部材30と給電端子22aが電気的に接続される。
【0067】
この構成によれば、上記図16及び図25で示した変形例と同様に、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所において、導電部材30がカバー部材35cによって覆われるので、導電部材30を埃等から保護することができる。
【0068】
次に、本発明の第5の実施形態に係る照明システムについて、図34乃至図37を参照して説明する。図34に示すように、本実施形態の照明システム1においては、ELユニット2は、保持枠3と対向する面に、保持枠3に向けて突出した固定部28を備える。この固定部28は、上記第4の実施形態と同様に、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部28aを有する。
【0069】
図35に示すように、保持枠3は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘ってELユニット2の爪部28aが係止される受け条39cを有する。受け条39cは、一方の側面に複数の凹部39d及び凸部39eが連続的に形成されている。凹部39d及び凸部39eは、それらを連続する面が傾斜面とされ、また、各面を接続する角部が緩やかな丸みを帯びるように形成されている。そして、これら凹部39d及び凸部39eが形成された面が互いに向かう合うように配置された一組の受け条39cが、導電部材30と両縁部33との間に夫々形成されている。
【0070】
図36に示すように、一組の受け条39cの互いの位置関係は、向かい合う凹部39dの間隔が、付勢された一対の爪部28aの先端の間隔よりも僅かに広くなるように、且つ向かい合う凸部39eの間隔が、固定部28の外形より僅かに広くなるように設定される。また、凸部39eには、爪部28aが引掛けられる溝部39fが形成されている。
【0071】
本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、固定部28が、一組の受け条39cの向かい合う凹部39dの間に位置するように、ELユニット2を保持枠3に対向させる。なお、図37(a)に示す例では、ELユニット2が保持枠3の端部よりも奥方に存在しており、凸部39eと爪部28aとが対向しない位置関係にあるものとする。そして、向かい合う凹部39dの間に固定部28を嵌め入れるようにELユニット2を保持枠3側へ移動させる。そして、ELユニット2を保持枠3の長手方向に沿ってスライドさせる。このとき、固定部28の爪部28aが凸部39eに乗り上げ、更にELユニット2がスライドさせると、爪部28aが凸部39eに形成された溝部39fにバネ付勢によって嵌まり込み、図37(b)に示すように、爪部28aを溝部39eに係止させることができる。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、ELユニット2を更に保持枠3の長手方向に沿ってスライドさせれば、爪部28aが溝部39fから外れる。そして、凸部39eを再び凹部39dの間に移動させ、ELユニット2を保持枠3から垂直方向に引き抜けば、ELユニット2を保持枠3から取り外すことができる。
【0072】
この構成によれば、上記第2〜4の実施形態と同様に、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。また、上記第2〜4の実施形態と同様に、ELユニット2を保持枠3の長手方向にスライドさせて、凸部39e及び溝部39fが形成された適宜の位置でELユニット2を保持することができる。
【0073】
次に、本発明の第6の実施形態に係る照明システムについて、図38を参照して説明する。本実施形態の照明システム1は、ELユニット2と保持枠3とが、ワイヤ6により結線されているものである。ELユニット2及び保持枠3の夫々両縁部には、ELユニット2を保持枠3に取り付ける際に干渉されない位置に、ワイヤ通し孔(不図示)が形成されている。ワイヤ6は、このワイヤ通し孔に挿通され、鍵等によってロックされる。他の構成は上記第1〜5の実施形態と同様である。なお、図例では、第5の実施形態で説明した構成を示すが、これに限られない。この構成によれば、ELユニット2を保持枠3から容易に取り外すことができ、且つ簡易な構成でELユニット2の盗難を防止することができる。
【0074】
次に、本発明の第7の実施形態に係る照明システムについて、上述した図2に加えて、図39及び図40を参照して説明する。本実施形態の照明システム1は、制御ユニット4及びELユニット2は相互認証を行い、制御ユニット4は、ELユニット2が認証されたものであるときに、このELユニット2に対して電力を供給するように構成されている。ここでは、照明システム1の具体的な動作を説明する。図39に示すように、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、制御ユニット4とELユニット2との間で、(1)監視(検出)フェーズ、(2)認証・構成フェーズ、(3)給電フェーズを定期的且つ定常的に繰り返して通信及び給電を行なう。上記第1の実施形態においては、制御ユニット4は、ELユニット2がこの照明システム1に適合するものであるかを確認していた。これに対して、本実施形態の照明システム1は、制御ユニット4及びELユニット2が相互認証を行い、互いに予め管理者によって設定されたものであることを確認した後に給電を行なう。すなわち、本実施形態の照明システム1は、(2)認証・構成フェーズが上記第1の実施形態と異なる。なお、(1)監視(検出)フェーズ及び(2)認証・構成フェーズは上記第1の実施形態と同様である。
【0075】
本実施形態では、(2)認証・構成フェーズにおいて、まず、制御ユニット4からELユニット2に対して確認信号が出力される。ELユニット2は、この確認信号を受けて、自身に割り当てられたアドレス情報や、ELユニット2に組み込まれた発光部20の定格電流等の情報を制御ユニット4へ出力する。これらの情報(パケット)は、制御ユニット4のメモリ(主制御部42)に書き込まれる。制御ユニット4は、これらの情報を受けると、ELユニット2を照明システム1に適合したものであると認証する(1次認証)。一方、上述した情報の送受信が行われないとき、ELユニット2の認証が行われず、制御ユニット4は、図40に示すように、導電部材30へ給電できないものと判断する。続いて、制御ユニット4は、ELユニット2が制御ユニット4のアドレス情報を有しているか否かを確認するための通信信号をELユニット2に送信する。ELユニット2は、この通信信号を受けると、制御ユニット4のアドレス情報を有しているとき、そのアドレス情報を制御ユニット4に送信する(2次認証)。制御ユニット4は、ELユニット2から制御ユニット4のアドレス情報が送信されると、このアドレス情報が自身のアドレス情報と一致しているかを確認する(3次認証)。そして、制御ユニット4は、そのアドレス情報が一致する場合に(3)給電フェーズへ移行する。一方、アドレス情報が一致しない場合には、そのELユニット2へは給電できないものと判断する。また、ELユニット2は、制御ユニット4のアドレス情報を有していないときは、制御ユニット4のアドレス情報を自身のメモリに書き込む。
【0076】
ELユニット2が制御ユニット4のアドレス情報を有していないケースとは、ELユニット2が新品である、又は初期化されている場合であり、一度、いずれかの照明システム1に施工されたELユニット2は、何らかの制御ユニット4のアドレス情報を有している。従って、例えば、別の照明システム1から盗んだELユニット2を自らの照明システム1に用いようとした場合であっても、そのELユニット2には、元の制御ユニット4のアドレス情報が記録されている。従って、自らの照明システム1の制御ユニット4のアドレス情報とは一致せず、そのELユニット2には給電がなされない。
【0077】
本実施形態によれば、上述したように、制御ユニット4及びELユニット2の間で相互認証された場合にのみ給電を行い、相互認証が行われなかった場合には、そのELユニット2には給電されない。つまり、他人の照明システム1からELユニット2を盗んだとしても、それを自身の照明システム1に適用することはできない。こうすれば、制御システムとして、少なくとも照明システム1のユーザによる他人のELユニット2の盗難を抑制することができる。なお、ELユニット2は、それ単体では機能しないが、照明システム1を認識していない者がELユニット2を盗難する虞がある。従って、照明システム1が、商業施設等の不特定多数が集まる場所に施工される場合には、上記第6の実施形態で示したワイヤ6のように、物理的な盗難防止手段を設けることが好ましい。
【0078】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図41を参照して説明する。この変形性に係る照明システム1は、制御ユニット4は、ELユニット2が保持枠3から取り外されたときに警告信号を出力するものである。警告信号としては、例えば、警報アラーム等が用いられる。また、制御ユニット4は、管理者によって管理情報が入力されたときに、警告信号を出力しないように構成される。ここでいう管理情報とは、例えば、制御ユニット4に設けられたインターフェース部から入力される暗証番号等である。この場合の動作フローを、図41に示す。制御ユニット4では、3回以内に正しい暗証番号が入力された場合にのみ、ELユニット2が取り外されたときに警告信号を出力しない。こうすれば、システム的にELユニット2の盗難防止を図ることができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。上述した実施形態においては、制御ユニと4が内装されたフロントキャップ51の片端部にのみ保持枠3が連結された構成を示したが、例えば、フロントキャップ51の両端部に2本の保持枠3が連結されてもよい。この場合、フロントキャップ51の両端部に接点部44が設けられると共に、夫々に保持枠3の導電部材30が接続され、これら2系統の導電部材30に接続されたELユニット2を1つの制御ユニット4で制御するように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 照明システム
2 ELユニット
20 発光部
21 パネル制御部
27 凸条
27a 被フック部
27b 凸部
28 固定部
28a 爪部
3 保持枠
30 導電部材
33 縁部
33a 凹条
35a カバー部材
35b カバー部材
35c カバー部材
38 フック部
39 受け部
39c 受け条
4 制御ユニット
41 電源部
5 保護ユニット
58 ケースユニット
6 ワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源にEL素子を用いた照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、正電極及び負電極間に発光層を配置して構成された発光部が透明基板上に形成されたものである。EL素子は、上記電極間に電圧印加されたとき、発光層にキャリアとして注入された電子及びホールの再結合により生成された励起子によって発光する。
【0003】
EL素子は、発光層を有機化合物で形成した有機EL素子と、無機化合物で形成した無機EL素子に大別される。特に、有機EL素子は、低電圧で高輝度の発光が可能であり、有機化合物の種類によって様々な発光色が得られ、また、平面状の発光パネルとしての製造が容易であることから、近年、照明器具の光源に用いることが注目されている。
【0004】
この種のEL素子を用いた発光装置として、EL素子を用いた発光パネルと、この発光パネルを点灯制御する回路基板とがケース内に組み込まれてモジュール化されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−189239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発光装置においては、これを壁面等の施工面に施工する際に、給電用の配線を設ける必要があり、見栄えが悪くなる。一方、空間の美観を損ねないように、これら配線を建材等で覆うと、居住空間を圧迫する虞がある。また、複数のELユニットを用いた照明システムにおいては、ELユニットに対して電力を供給する電源部と、ELユニットに御情報等の通信信号を送受信する制御部とが個別に設けられ、それらが異なる経路で各ELユニットに接続されていた。この場合、壁や天井の内部に電源ライン及び情報ラインの双方の配線のためのスペースが必要となり、そのスペース確保のために居住空間に制約を与えることがあった。また、配線が複雑になるので、施工に際して特殊な技能や工数を要し、エンドユーザには施工及び維持が容易でなく、この主の照明システムを一般居住等に導入され難い原因となっていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、居住空間における配線スペースを小さくすることができ、施工及び光源の交換が容易な照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、発光部を有するELユニットと、前記ELユニットを保持する保持枠と、前記ELユニットを点灯制御する制御ユニットと、を備え、前記保持枠は、レール状の導電部材を備え、前記導電部材を通して前記制御ユニットと前記ELユニットとの間で電力及び通信信号を伝達することを特徴とする。
【0009】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットは、前記制御ユニットからの通信信号を受けて前記発光部の発光状態を制御する制御部を有することが好ましい。
【0010】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニットは、前記導電部材に電力を送電する電源部を有することが好ましい。
【0011】
上記照明システムにおいて、前記保持枠の両端部に配設され、前記導電部材を保護する一対の保護ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記保護ユニットの一方に内装されていることが好ましい。
【0012】
上記照明システムにおいて、前記保持枠に保持されるケースユニットを備え、前記制御ユニットは、前記ケースユニットに内装されていることが好ましい。
【0013】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は、前記導電部材を覆い、且つ移動自在なカバー部材を備え、前記カバー部材を移動させることにより、前記導電部材が前記ELユニットに対して露出することが好ましい。
【0014】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って形成された一対の凹条を備え、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹条と係合する一対の凸部を備え、該凸部を前記凹条に係合させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0015】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う一方の縁部に形成されたフック部と、他方の縁部に形成された凹部と、を備え、前記フック部は、前記長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記フック部と係合する被フック部と、前記凹部に係止される凸部と、を備え、前記凸部を前記凹部に係止させると共に、前記被フック部を前記フック部に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0016】
上記照明システムにおいて、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う両縁部に形成された一対の凹部を備え、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹部と係止される一対の凸部を備え、該一対の凸部の一方が前記保持枠の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、該一方の凸部を前記凹部に係止させると共に、他方の凸部を前記凹部に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0017】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に該保持枠に向けて突出した固定部を備え、前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、前記保持枠は、前記固定部と対向する位置に前記爪部が係止される受け部を有し、前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け部に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0018】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、該保持枠に向けて突出した固定部を備え、前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って前記爪部が係止される受け条を有し、前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け条に係止させることにより前記保持枠に保持されることが好ましい。
【0019】
上記照明システムにおいて、前記ELユニットと前記保持枠とが、ワイヤにより結線されていることが好ましい。
【0020】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニット及び前記ELユニットは相互認証を行い、前記制御ユニットは、前記ELユニットが認証されたものであるときに、該ELユニットに対して電力を供給することが好ましい。
【0021】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニットは、前記ELユニットが前記保持枠から取り外されたときに警告信号を出力することが好ましい。
【0022】
上記照明システムにおいて、前記制御ユニットは、管理者によって管理情報が入力されたときに、前記警告信号を出力しないことが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、制御ユニットとELユニットとの接続が、ELユニットを保持する保持枠に設けられた導電部材によって成されるので、居住空間における配線のためのスペースを小さくすることができる。また、施工面に施工された保持枠に、ELユニット及び制御ユニットを連結するだけでそれらの接続が成されるので、特殊な技能等を要さず、居住者が適宜に照明システムを施工することができ、ELユニットの交換も容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明システムの斜視図。
【図2】同照明システムのブロック構成図。
【図3】同照明システムの分解斜視図。
【図4】同照明システムに用いられる保護ユニット(フロントキャップ)の斜視図。
【図5】同照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図6】同ELユニットのサイズを説明するための斜視図。
【図7】同照明システムの端部側から見た側面図。
【図8】同照明システムの変形例の分解斜視図。
【図9】同照明システムの動作フローを示す図。
【図10】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図11】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図12】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図13】(a)は従来の照明システムの配線経路を示す模式図、(b)は上記実施形態に係る照明システムの配線経路を示す模式図。
【図14】同照明システムの変形例の分解斜視図。
【図15】同変形例のブロック構成図。
【図16】同照明システムの別の変形例の一部分解斜視図。
【図17】同変形例に用いられる保持枠の上面図。
【図18】(a)(b)は同変形例の端部側から見た側面図。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図20】同照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図21】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図22】本発明の第3の実施形態に係る照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図23】同照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図24】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図25】同照明システムの変形例の分解斜視図。
【図26】同変形例に用いられる保持枠の上面図。
【図27】(a)(b)は同変形例の端部側から見た側面図。
【図28】本発明の第4の実施形態に係る照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図29】同照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図30】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図31】同照明システムの変形例に用いられる保持枠の斜視図。
【図32】(a)(b)は同保持枠の部分拡大図。
【図33】同変形例の導電部材及び給電端子の端部側から見た拡大側面図。
【図34】本発明の第5の実施形態に係る照明システムに用いられるELユニットの斜視図。
【図35】同照明システムに用いられる保持枠の斜視図。
【図36】同照明システムに用いられる固定部及び受け条の拡大斜視図。
【図37】(a)(b)は同照明システムの端部側から見た側面図。
【図38】本発明の第6の実施形態に係る照明システムの端部側から見た側面図。
【図39】本発明の第7の実施形態に係る照明システムの動作フローを示す図。
【図40】同照明システムの詳細な動作フローを示すフローチャート。
【図41】同照明システムの変形例における詳細な動作フローを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1の実施形態に係る照明システムについて、図1乃至図13を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の照明システム1は、有機EL素子を用いた発光部20を有するELユニット2と、ELユニット2を保持する保持枠3と、ELユニット2を点灯制御する制御ユニット4と、を備える。保持枠3は、レール状の導電部材30を備える。導電部材30は、制御ユニット4と前記ELユニット2との間で電力及び通信信号を伝達するものである。また、保持枠3の両端部には、導電部材30の端部を保護する一対の保護ユニット5が配設される。保護ユニット5は、保持枠3の一方の側端部に取り付けられるフロントキャップ51と、他方の側端部に取り付けられるエンドキャップ52とから構成される。図例では、1つの保持枠3に対して1つのELユニット2が設けられた構成を示すが、本実施形態の照明システム1は、1つの保持枠3に対して複数のELユニット2を設けることができ、各ELユニット2に対して所定のアドレスが設定される。また、制御ユニット4は、それら複数のELユニット2を個別に点灯制御することができる。なお、同図において、保持枠3としてELユニット2の2倍程度の長さのものを示しているが、実際にはより長尺のものが用いられ、複数の保持枠3が連結されて用いられてもよい。
【0026】
図2に示すように、制御ユニット4は、商用電源を所定の直流電流に変換する電源部41と、発光部20への電力及び通信情報を制御する主制御部42と、主制御部42の制御を受けて、導電部材30に電力及び通信情報を送信する主送受信部43と、を備える。本実施形態において、制御ユニット4は、フロントキャップ51(保護ユニット5の一方)に内装されている。フロントキャップ51が保持枠3の端部に配設されたとき、主送受信部43が導電部材30に接触し、これらが電気的に接続される。電源部41は、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ、変圧器等から構成され、導電部材30へ送電される電流を生成する。なお、電源部41には、商用電源から供給された交流電流を直流電流を変換してこれを貯える2次電池が別途設けられてもよく、また、商用電源に接続されず、適宜に交換される汎用で電池が用いられてもよい。電源部41が、制御ユニット4内に設けられることにより、システム構成が簡易になり、照明システム1をエンドユーザにも施工し易いものとすることができる。主制御部42は、汎用のCPU及びメモリ等の制御及び記憶デバイス等から構成される。この主制御部42は、保持枠3に保持されたELユニット2を認識し、このELユニット2に対して所定の電力を供給するように主送受信部43を制御する。このとき、直流電圧に高周波の搬送波によりデータを伝送する通信信号を重畳する、いわゆる電力線搬送通信が行われる。この電力線通信に基づいて、ELユニット2の消費電力や使用時間等の電力使用状態を含む通信情報が送信され、ELユニット2の制御が行われる。主送受信部43は、電圧制御回路及びインバータ回路等を有し、主制御部42の制御により、上述したように、通信情報が重畳された直流電流を導電部材30へ送電する。また、制御ユニット4は、管理者がシステムに用いられるELユニット2のアドレス情報や調光情報等の管理情報を入力するためのインターフェース部(不図示)を備える。
【0027】
保持枠3は、フロントキャップ51及びエンドキャップ52が設けられる両端部間に亘ってレール状の導電部材30が配されている。導電部材30には、銅箔板等の導電性金属板が用いられる。導電部材30の一面の一部又は全部が、ELユニット2に向けて露出しており、この露出部分がELユニット2との給電ポイントとなる。なお、図例では、導電部材30が一片の板状部材として示されているが、正電極線及び負電極線の双方が互いに絶縁されて併設されている。
【0028】
ELユニット2は、発光部20に加えて、発光部20の発光状態を制御するパネル制御部21と、導電部材30と電気的に接続されるパネル送受信部22と、を備える。発光部20は、透光性を有する矩形の基板上に、透明導電膜から成る正電極、発光機能を有する発光層、光反射性を有する負電極を、順に積層した発光部(不図示)が形成され、発光部の外側が封止材で被覆されたものである。本実施形態においては、発光層に有機発光材料を用いた有機EL素子が好適に用いられる。発光部20は、発光面とは反対側の面に、補助電極等介して、上記正電極及び負電極の夫々に対応する電極取り出し端子20a(後述する図5参照)が設けられている。パネル制御部21は、汎用のマイコン、メモリ及び変圧回路等の各種素子が配線基板上に実装されたものであり、導電部材30からの電力及び制御ユニット4からの通信信号を受けて発光部20の発光状態を直接的に制御する。また、ELユニット2(発光部20)のアドレスや構成等の情報を制御ユニット4の主制御部42へ送信する。パネル送受信部22は、導電部材30と接触する接続端子等を含み、導電部材30とパネル制御部21とを電気的に接続する。
【0029】
次に、照明システム1を成す保持枠3、保護ユニット5(フロントキャップ51及びエンドキャップ52)及びELユニット2等の構造的な特徴を説明する。図3に示すように、保持枠3は、長尺状の部材であり、室内壁や建材等の施工面に固定される固定面31の一方の面の中央部に、一対の凸条部32が長手方向に沿って形成されており、これら一対の凸条部32に挟まれた凹条部の底面に導電部材30が配されている。導電部材30は、上述したように、銅箔板が用いられ、好ましくは、この表面に溶着防止のための銀メッキ等が施される。固定面31のうち導電部材30が配されていない面は、平滑な面として形成される。固定面31の縁部は、保持枠3の短手方向に鍔状に突出している(後述する図7も参照)。こうすれば、施工時に保持枠3の表裏を区別し易くなり、また、固定面31と施工面との接触面積が大きくなるので施工安定性を良くすることができる。
【0030】
保持枠3の両縁部33は、固定面31から垂直に立設され、凸条部32の突出高さよりも高くなるように、また所定の幅を有するように肉厚に形成されている。これら両縁部33は、外縁側が高くなるように段違いに形成されており、その外縁がELユニット2の裏面縁部と当接する。一方、両縁部33の内縁には、保持枠3の長手方向両端部間に亘って夫々凹条33aが形成されている。これら一対の凹条33aは、保持枠3の両縁部33に、導電部材30に対して対称に配置される。また、両縁部33の側端面には、フロントキャップ51及びエンドキャップ52を固定するネジを挿通させるためのネジ孔34が夫々形成されている。保持枠3の固定面31には、導電部材30、凸条部32及び両縁部33以外の場所に、所定間隔で保持枠3を施工面に固定するためのネジ等を挿通させるための孔部(不図示)が形成されている。保持枠3の構成材料としては、例えば、ABS樹脂やアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチック材料、又は表面に絶縁処理が施されたアルミニウム等の金属材料が用いられる。
【0031】
フロントキャップ51及びエンドキャップ52は、保持枠3と当接する端面が保持枠3の両端部に夫々対応した形状に形成されている。これらの厚み(施工面からの高さ)は、保持枠3の両縁部33の最も厚い部分と略等しい厚みとされる。また、フロントキャップ51及びエンドキャップ52の縁部には、保持枠3のネジ孔34と連続するように、貫通孔53,54が形成されている。これら貫通孔53,54に挿通されたネジ(不図示)が、ネジ孔34にネジ止めされることによって、フロントキャップ51及びエンドキャップ52が保持枠3の両端部に夫々連結される。なお、これらの連結方法として、例えば、バネ片等によってそれらを連結させてもよく、フロントキャップ51及びエンドキャップ52を保持枠3に適宜に着脱できるものであれば、上述したネジ固定に限られない。フロントキャップ51及びエンドキャップ52の施工面側の縁部は、保持枠3の両縁部と連続するように鍔状に突出している。こうすれば、保持枠3への連結に際してフロントキャップ51及びエンドキャップ52の表裏を区別し易くすることができる。
【0032】
本実施形態のフロントキャップ51は、保持枠3が連結される方向に所定の幅を有するケース状の部材であり、図4に示すように、制御ユニット4を内装するための収納部55を有する。フロントキャップ51は、収納部55内から保持枠3と連結される端部に向けて、信号入出力用の接点部44が設けられる。接点部44は、収納部55に内装された制御ユニット4の主送受信部43(図2参照)と接触し、また、フロントキャップ51の端部から僅かに突出するように形成され、フロントキャップ51が保持枠3に連結されたときに、保持枠3の導電部材30に接触する。これにより、制御ユニット4の主送受信部43(図2参照)は、接点部44を介して保持枠3の導電部材30に電気的に接続される。この接点部44も、導電部材30同様に、溶着防止のための銀メッキ等が施される。フロントキャップ51の保持枠3と連結される端部には、接点部44を挟むように、2つの位置決め穴56が形成されている。保持枠3の端部には、凸条部32と連続するように位置決めピン(不図示)が設けられており、この位置決めピンが位置決め穴56に嵌め込まれて、保持枠3とフロントキャップ51との位置決めがなされる。貫通孔53には、保持枠3と連結される端部と反対側の端部において、孔径が大きな皿穴57が形成され、この皿穴57にネジのネジ等が収納される。こうすれば、ネジ頭が露出せず、外観を良くすることができる。
【0033】
図5に示すように、ELユニット2は、発光部20を収容するケース23を有する。ケース23の前面は、透光性を有し、発光部20からの光を導出する面として形成される。ケース23の後面(保持枠3と対向する面)には、パネル制御部21(図2参照)を収容する凹部24と、パネル送受信部22に設けられた給電端子22aを覆うガイドブロック25と、発光部20の電極取り出し端子20aを露出させる開口部26とが形成される。また、本実施形態においては、ケース23の後面に、保持枠3の凹条33aと係合する一対の凸部27が形成されている。ガイドブロック25と凹部24との間、及び凹部24と開口部26との間は、夫々配線溝が形成される。ガイドブロック25は、保持枠3の一対の凸条部32間に嵌まる大きさに形成される。給電端子22aは、その先端がガイドブロック25から僅かに突出するように配置され、この突出方向に付勢されている。給電端子22aも、接点部44及び導電部材30同様に、溶着防止のための銀メッキ等が施される。ケース23の構成材料としては、保持枠3と同様のプラスチック材料又は金属材料等が用いられる。
【0034】
図6に示すように、ELユニット2は、例えば、150mm角の正方形状とされる。こすれば、2行2列となるように4枚のELユニット2を格子状に配置したときに、建材の標準パネルサイズである300mm角となる。すなわち、このサイズであれば、照明システム1を建材に溶け込んだ形で構成することができ、居住者等に対して、照明器具が存在せず、壁や天井が光るような視覚的効果を与えることができる。
【0035】
本実施形態においては、上述した図3及び図7に示すように、ELユニット2を保持枠3の端部からスライドさせて挿入させて、ELユニット2の凸部27を保持枠3の凹条33aに係止させることにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。このとき、ELユニット2の給電端子22aが保持枠3の導電部材30に当接して、これらが電気的に接合される。ELユニット2の凸部27及びガイドブロック25が、夫々保持枠3の凹条33a及び凸条部32にガイドされることによって、ELユニット2は、保持枠3の長手方向に沿ってスライド自在に保持される。このように、ELユニット2が保持枠3の所定位置に保持された状態で、保持枠3の一方の端部にフロントキャップ51が配設されてることにより、フロントキャップ51内の制御ユニット4とELユニット2とが導電部材30によって電気的に接続される。また、保持枠3の他方の端部にエンドキャップ52が設けられることにより、導電部材30の端部が保護される。これにより、照明システム1の施工がなされる。この構成によれば、長尺状の保持枠3が施工された任意の位置にELユニット2を配置することができ、照明システム1によって実現される照明空間を、居住者が自由に設定することができる。なお、ELユニット2の交換に際しては、フロントキャップ51又はエンドキャップ52のいずれかを外して、保持枠3に沿ってELユニット2をスライドさせて、保持枠3の端部から取り外せばよい。
【0036】
壁や天井を構成する建材の標準パネルには、12mm厚のものがある。保持枠3及びELユニット2は、ELユニット2が保持枠3に保持された状態における厚みが12mm以下となるように形成される。従って、保持枠3及びELユニット2の厚みを12mm以下とすれば、これらを建材に組み込んだ際に、ELユニット2が突出せず、空間の広がり感を向上させることができ、また、居住者に対して建材(壁)自体が光るような視覚的効果を与えることができる。
【0037】
保持枠3においてELユニット2が保持されていない箇所には、図8に示すように、ELユニット2と略同形状に形成されたケースユニット58が保持されていてもよい。このケースユニット58は、保持枠3の導電部材30等を隠す、いわゆるダミーケースであり、これを設けることにより、照明システム1の見栄えを良くすることができる。また、ケースユニット58には、例えば、人感センサ等のELユニット2以外のデバイスが内装されてもよい。この種のデバイスも、ELユニット2と同様に、保持枠3の導電部材30を介して制御ユニット4に接続され、照明システム1に組み込まれる。
【0038】
次に、本実施形態の照明システム1の動作パターンについて、上述した図2に加えて図9乃至図12を参照して説明する。照明システム1は、図9に示すように、制御ユニット4とELユニット2との間で、(1)監視(検出)フェーズ、(2)認証・構成フェーズ、(3)給電フェーズを定期的且つ定常的に繰り返すことにより、通信及び給電を行なう。ここで、(1)監視(検出)フェーズは、制御ユニット4が導電部材30に接続されたELユニット2の接続状態を監視し、その接続を検出するフェーズである。このフェーズにおいて、制御ユニット4は、導電部材30を通じて検出信号を出力する。この検出信号には、制御ユニット4から送信される通信信号における周波数変調、電力の容量、電流変化等の情報が含まれる。ELユニット2は、導電部材30を通じて上記検出信号を受信すると、制御ユニット4へ確認信号を出力する。制御ユニット4がこの確認信号を受信すると、照明システム1は(2)認証・構成フェーズへ移行する。なお、これらの信号の送受信は、制御ユニット4においては、主制御部42の制御を受けて主送受信部43によって行われ、ELユニット2においては、パネル制御部21の制御を受けてパネル送受信部22によって行われるが、ここでは、制御ユニット4及びELユニット2が行っているものとして説明する。
【0039】
ところで、保持枠3にELユニット2が保持されていないとき、又はELユニット2が導電部材30に適切に接続されていないとき等は、ELユニット2からの確認信号が送信されない。そこで、制御ユニット4は、図10に示すように、検出信号の送信後の所定時間内に確認信号の受信が無かった場合には、導電部材30へ給電できないものと判断し、確認信号を受信したときに(2)認証・構成フェーズへ移行する。
【0040】
(2)認証・構成フェーズは、制御ユニット4が、上記(1)監視(検出)フェーズにおいて接続状態が確認されたELユニット2のアドレス及びその構成を確認するフェーズである。このフェーズにおいても、まず、制御ユニット4から、導電部材30を介して、ELユニット2に対して確認信号が出力される。ELユニット2は、この確認信号を受けて、自身に割り当てられたアドレス情報や、ELユニット2に組み込まれた発光部20の定格電流等の情報を制御ユニット4へ出力する。これらの情報(パケット)は、制御ユニット4のメモリ(主制御部42)に書き込まれる。制御ユニット4は、これらの情報を受けると、ELユニット2を照明システム1に適合したものであると認証する。そして、照明システム1は(3)給電フェーズへ移行する。一方、導電部材30に接続された媒体が存在したとしても、これが照明システム1に適合しないものである場合、上述した情報の送受信が行われない。このとき、ELユニット2の認証が行われず、制御ユニット4は、図11に示すように、導電部材30へ給電できないものと判断する。
【0041】
(3)給電フェーズは、実際に制御ユニット4から所定の直流電流が供給され、ELユニット2が点灯されるモードである。このフェーズにおいて、ELユニット2からこのELユニット2に組み込まれた発光部20の運転(点灯)時間等に関する情報が制御ユニット4に提供される。制御ユニット4は、図12に示すように、発光部20の運転時間が、定格駆動時間(寿命時間)を越えているかを判断し、超えている場合は、ELユニット2の交換を推奨する通知を行なう。この通知は、例えば、所定周期で交換対象のELユニット2を点滅させること等により行われる。一般に、有機EL素子の発光寿命は、発光層に用いられる有機材料の経時劣化に依存し、発光輝度が次第に低下するので、居住者(管理者)が気付き難いことがある。そこで、照明システム1においては、寿命時間を越えたELユニット2を、従来の蛍光灯がランプ切れするかのように点滅させることにより、ELユニット2の交換時期を居住者に通知する。そして、ELユニット2が取り外されたときに、上記通知は解除され、取り外されないときは、再び所定周期で上記通知が行なわれる。また、ELユニット2が取り外されない場合であっても、管理者が制御ユニット4に設けれられたインターフェース部を操作することにより、上記通知を適宜に解除することができ、またその通知周期を任意に設定することができる。
【0042】
従来の照明システムにおいては、図13(a)に示すように、ELユニット等の照明負荷(△)に対して電力を供給する電源部(○)と、照明負荷の制御情報等の通信信号を送受信する制御部(□)とが個別に設けられ、それらが異なる経路で各照明負荷に接続されている。この場合、壁や天井の内部に電源ライン及び情報ラインの双方の配線のためのスペースが必要となり、そのスペース確保のために居住空間に制約を与えることがあった。また、配線が複雑になるので、施工に際して特殊な技能や工数を要した。これに対して、本実施形態の照明システム1は、制御ユニット4とELユニット2とが、ELユニット2を保持する保持枠3に設けれらた導電部材30によって電気的に接続され、導電部材30によってこれらの間の電力及び通信情報の伝送が行われる(図1及び図2参照)。つまり、図13(b)に示すように、ELユニット等の照明負荷(△)に対して電力を供給する電源部(○)と、照明負荷の制御情報等の通信信号を送受信する制御部(□)とが一体化されている。また、それらが同じ経路で各照明負荷に接続されている。しかも、この配線が、ELユニット2を保持する保持枠3に設けられた導電部材30によって成されるので、従来のような配線のためのスペースが不要となり、開放感ある居住空間を実現することができる。また、保持枠3を施工面に固定し、この保持枠3にELユニット2及び制御ユニット4を連結するだけで配線が成されるので、特殊な技能等を要さず、居住者が適宜に照明システム1を施工することができ、ELユニット2の交換も容易に行なうことができる。
【0043】
また、従来の電源ラインは、照明負荷に一定電圧をかけ続けるだけであり、情報ラインは、電気のON/OFFや調光等に対して、単純な命令を与えるのみであった。そのため、複数の照明負荷を用いて空間の照明演出等を実現できるような高い機能性を有する照明システムにおいては、照明負荷毎の個別具体的な設定は、施工時に行なわれる必用があった。この設定には、施工に一定のノウハウやスキルが必要であり、この種の照明システムを一般的な住宅やオフィス等に採用することが容易でなかった。これに対して、本実施形態の照明システム1は、電源ラインと情報ラインを一つの制御ユニット4からの信号に集約され、各ELユニット2の詳細な調光制御は、端末側のELユニット2に設けられたパネル制御部21(図2参照)によってなされる。従って、個々のELユニット2には特別な設定を施す必要がなく、ノウハウ等の無いエンドユーザであっても、ELユニット2の施工及び取り換えを容易に行なうことができる。
【0044】
更に、本実施形態の照明システム1においては、導電部材30が、保持枠3の中央部に、その長手方向に沿って形成されている。この構成によれば、導電部材30(正電極線及び負電極線)が保持枠3の両縁部33に形成された構成に比べて、各電極線の距離が短くなるので、ノイズを発生し難くすることができる。また、施工面に複数の保持枠3が一定間隔で併設された場合であっても、隣り合う保持枠3に設けられた導電部材30との距離が近接せず、一定の間隔を確保することができる。そのため、電力及び通信情報の伝送に際して、他の導電部材30のノイズに影響され難くなり、制御ユニット4がELユニット2を安定的に点灯制御することができる。
【0045】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図14及び図15を参照して説明する。図14に示すように、この変形性に係る照明システム1は、上記図8で示した構成と同様に、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所にケースユニット58が設けられ、このケースユニット58に制御ユニット4が内装されているものである。フロンドキャップ51は、保持枠3の端部に配置されて、導電部材30の端部を絶縁保護するものであり、上述したエンドキャップ52と同様のものが用いられる。また、図15に示すように、電源部41が制御ユニット4外に設けられている。他の構成は、上記実施形態と同様である。
【0046】
この変形例は、保持枠3に保持されるケースユニット58に制御ユニット4が内装されるので、施工面において保持枠3の端部方向に、上記実施形態で示したサイズのフロントキャップ51を配設するスペースが無い場合に好適に用いられる。また、この変形例においては、電源部41を保持枠3及びELユニット2から離れた位置に設けているので、これら保持枠3及びELユニット2における電源部41からの熱による影響を受け難くすることができる。
【0047】
本実施形態の別の変形例に係る照明システムについて、図16乃至図18を参照して説明する。図16及び図17に示すように、この変形性に係る照明システム1は、保持枠3は、導電部材30を覆い、且つ移動自在なカバー部材35aを備えたものである。この変形例においては、一対の凸条部32の一方にヒンジ機構36aが設けられ、このヒンジ機構36aを介して、導電部材30だけでなく一対の凸条部32の上面を覆うようにカバー部材35aが設けられている。ヒンジ機構36aは、カバー部材35aを保持枠3の長手方向方向と直交する方向に回転自在とするものであり、内蔵されたバネ部材(不図示)によって、導電部材30を覆う位置で静止するように付勢されている。この付勢方向に逆らってカバー部材35aを回転移動させることにより、導電部材30がELユニット2に対して露出する。
【0048】
この変形例においては、ELユニット2が保持枠3に保持されていないとき、図18(a)に示すように、カバー部材35aは導電部材30を覆う位置に存在する。そして、施工者が指でカバー部材35aを回転させた状態で、保持枠3の端部からELユニット2をスライド挿入することにより、図18(b)に示すように、ELユニット2が保持枠3に保持されると共に、ELユニット2の給電端子22aと導電部材30とが電気的に接続される。なお、ヒンジ機構36aに換えて、カバー部材35aを水平に移動させるスライド機構が設けられてもよい。
【0049】
この構成によれば、上記図16で示したように、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所において、導電部材30がカバー部材35aによって覆われるので、導電部材30を埃等から保護することができる。また、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所には、上記図8で示したようなダミーのケースユニット58が設けられてもよく、本変形例のカバー部材35aと併用することで、導電部材30を埃等からより確実に保護することができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態に係る照明システムについて、図19乃至図21を参照して説明する。図19に示すように、本実施形態の照明システム1は、保持枠3は長尺状であり、その長手方向に沿う一方の縁部33bに形成されたフック部38と、他方の縁部33cに形成された凹部33dと、を備えるものである。フック部38は、その一部が縁部33bに埋め込まれており、保持枠3の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能に構成されている。また、フック部38は、縁部33bの内側に露出した鉤部38aと、この鉤部38aを保持枠3の縁部33bの方向へ付勢する付勢バネ38bと、縁部33bの外側に露出したプッシュボタン38cとを備える。また、導電部材30は、固定面31内に埋め込まれており、ELユニット2の取付箇所に対応する部分のみが露出している。また、この導電部材30の露出箇所に近接する部分には、保持枠3の凸条部32が部分的に形成されていない。
【0051】
また、図20に示すように、本実施形態の照明システム1は、上記保持枠3に対応して、ELユニット2が、保持枠3と対向する面に、フック部38と係合する被フック部27aを備える。他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0052】
次に、本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、図21(a)に示すように、保持枠3の縁部33bにあるプッシュボタン38cを押し込んで、鉤部38aを導電部材30の方向へスライド移動させる。この状態で、ELユニット2の凸部27を保持枠3の凹部33dに押し込んで係止させると共に、被フック部27aをフック部38の鉤部38aに係止させる。そして、プッシュボタン38cの押し込みを解除すれば、付勢バネ38bによって鉤部38aが縁部33b方向へ引張されて、図21(b)に示すように、ELユニット2の被フック部27aとフック部38の鉤部38aとが連結される。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。保持枠3の凸条部32は、ELユニット2のガイドブロック25に近接する部分に形成されていないので(図19参照)、ELユニット2の取り付けに際して、ガイドブロック25が凸条部32に当接することがなく、ELユニット2の凸部27を保持枠3の凹部33dにスムーズに押し込むことができる。凹部33dには、がたつき防止用の弾性部材(不図示)が配されていてもよい。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、上記取付手順と同様に、プッシュボタン38cを押し込めば、フック部38の鉤部38aと被フック部27aとの連結が解除される。この状態で、ELユニット2の被フック部27aが設けられた端部を持ち上げれば、ELユニット2を保持枠3から容易に取り外すことができる。
【0053】
この構成によれば、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。
【0054】
次に、本発明の第3の実施形態に係る照明システムについて、図22乃至図24を参照して説明する。図22に示すように、本実施形態の照明システム1は、保持枠3は長尺状であり、その長手方向に沿う両縁部33に形成された一対の凹部33eを備える。これらの凹部33eには、夫々押し冶具33fが埋め込まれている。この押し冶具33fは、保持枠3の縁部33より内側方向へのみスライド移動できるように形成されている。
【0055】
また、ELユニット2は、前記保持枠と対向する面に、保持枠3の凹部33eと係止される一対の凸部27を備え、これら一対の凸部27の一方が、保持枠3の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能に構成されている。具体的には、この一方の凸部27には、保持枠3の凹部33eに向けて突出した突出部27bが設けられ、この突出部27bが、その突出方向にバネ付勢された状態でスライドする。他の構成は、上記第2の実施形態と同様である。
【0056】
次に、本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、図24(a)に示すように、ELユニット2を僅かに傾けながら、ELユニット2の突出部27bを保持枠3の凹部33eに挿入する。そして、図24(b)に示すように、突出部27bを付勢方向と反する方向に押し込みながら、他方の凸部27を、対峙する保持枠3の凹部33eに係止させる。そして、施工者がELユニット2から手を離すと、バネ付勢によって突出部27bと凹部33eとの間に反発力が生じる。この反発力は、ELユニット2の凸部27が対向する保持枠の凹部33e間を押し広げる方向に作用する。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、押し冶具33fを押し込めば、ELユニット2の凸部27(突出部27b)と凹部33eとの係合が解除される。この状態で、押し込まれた押し冶具33fと対向する凸部27(突出部27b)が設けられた端部を持ち上げれば、ELユニット2を保持枠3から容易に取り外すことができる。
【0057】
この構成によれば、上記第2の実施形態と同様に、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。
【0058】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図25乃至図27を参照して説明する。図25及び図26に示すように、この変形性に係る照明システム1は、導電部材30が観音開き式のカバー部材35bによってカバーされているものである。この変形例においては、導電部材30の露出箇所の両縁方向に、一対の凸条部32の間隔よりも僅かに広い間隔となる一対の支持凸条32aが設けられ、これらの支持凸条32aの夫々の上面に設けられたヒンジ機構36bによって一対のカバー部材35bが回転自在に支持されている。このヒンジ機構36bは、カバー部材35bが閉鎖状態となるようにバネ付勢するように構成されている。他の構成は、上記第3の実施形態と同様である。
【0059】
この変形例においては、図27(a)に示すように、保持枠3にELユニット2が取り付けられていない状態では、ヒンジ機構36bのバネ付勢によって、カバー部材35bが導電部材30を覆った状態となる。そして、保持枠3にELユニット2が取り付けられるとき、図27(b)に示すように、ELユニット2のガイドブロック25によってカバー部材35bが押し込まれ、カバー部材35bは、支持凸条32aの内側面と平行に配置される。
【0060】
この構成によれば、上記図16で示した変形例と同様に、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所において、導電部材30がカバー部材35bによって覆われるので、導電部材30を埃等から保護することができる。
【0061】
次に、本発明の第4の実施形態に係る照明システムについて、図28乃至図30を参照して説明する。図28に示すように、本実施形態の照明システム1は、ELユニット2が、保持枠3と対向する面に、この保持枠3に向けて突出した固定部28を備えたものである。この固定部28は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部28aを有する。固定部28は円柱状に形成されており、固定部28の先端側の外側面に、一対の爪部28aが夫々対称に突出するように配置され、これら一対の爪部28aは、互いに反対方向に付勢されている。爪部28aは突出方向に次第に先細りとなるよう形成される。ELユニット2の両縁には、保持枠3の固定面31と当接して、保持枠3及びELユニット2の厚さ方向の位置関係を一定に保持するための支持ブロック27cが形成されている。
【0062】
一方、保持枠3は、図29に示すように、ELユニット2の固定部28と対向する位置に、爪部28aが係止される受け部39を有する。受け部39は、固定部28の外径よりも大きく、付勢された一対の爪部28aの先端の間隔よりも小さな内径を有する筒状部材である。また、受け部39の内周面には、爪部28aが引っ掛かる凹部39aが形成されている(図30も参照)。この凹部39aは爪部28aの形状に対応するように、先細り形状とされる。また、受け部39の固定面31と接する部分にもバネ39b(図30(b))が設けられている。なお、本実施形態においては、保持枠3の両縁部33に凹条33aは形成されていない。他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0063】
次に、本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、図30(a)に示すように、ELユニット2の裏面を保持枠3の取付箇所の正面に対向させる。そして、ELユニット2を保持枠3に対して垂直方向に押し込む。爪部28aは先細り形状に形成されているので、筒状の受け部39の開口に当接したときに、固定部28内に押し込まれる。そして、ELユニット2が保持枠3側へ更に押し込まれて、爪部28aが凹部39aに達したときに、バネ付勢によって一対が爪部28aが凹部39a内を押し広げる方向に反発力を生じる。この反発力によって、図30(b)に示すように、固定部28の爪部28aが受け部39内の凹部39aと連結される。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。本実施形態において、固定部28及び受け部39は、平面状のELユニット2を安定的に保持するため、夫々3組設けられることが好ましい。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、一度、ELユニット2を保持枠3側へ更に押し込めば、受け部39に設けられたバネ39bの反動によって、爪部28aと凹部39aとの連結が解除され、固定部28が受け部39から外れる。
【0064】
この構成によれば、上記第2,3の実施形態と同様に、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。
【0065】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図31乃至図33を参照して説明する。図31に示すように、この変形性に係る照明システム1は、一対の凸条部32の向かい合う内側面に導電部材30が埋め込まれるように設けられ、導電部材30の一部が凸条部32の内側面から露出し、この露出箇所にカバー部材35cが設けられているものである。ELユニット2を保持枠3に保持する構成は、上記第4の実施形態と同様である。カバー部材35cは、図32(a)(b)に示すように、凸条部32の内側面と平行で、固定面31に対して垂直な方向に付勢された状態でスライド可能なように構成されている。また、カバー部材35cの上端部は、鍔状に屈曲されている。
【0066】
図33に示すように、ELユニット2の給電端子22aは、ガイドブロック25の側方に向けてL字形状に屈曲され、その先端が、ガイドブロック25の側面から突出している。この変形例においては、上記第4の実施形態のように、ELユニット2が保持枠3に対して垂直に押し込まれる際、給電端子22aがカバー部材35cの上端部に接触して、カバー部材35cをスライドさせ、露出した導電部材30と給電端子22aが電気的に接続される。
【0067】
この構成によれば、上記図16及び図25で示した変形例と同様に、保持枠3のELユニット2が保持されていない箇所において、導電部材30がカバー部材35cによって覆われるので、導電部材30を埃等から保護することができる。
【0068】
次に、本発明の第5の実施形態に係る照明システムについて、図34乃至図37を参照して説明する。図34に示すように、本実施形態の照明システム1においては、ELユニット2は、保持枠3と対向する面に、保持枠3に向けて突出した固定部28を備える。この固定部28は、上記第4の実施形態と同様に、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部28aを有する。
【0069】
図35に示すように、保持枠3は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘ってELユニット2の爪部28aが係止される受け条39cを有する。受け条39cは、一方の側面に複数の凹部39d及び凸部39eが連続的に形成されている。凹部39d及び凸部39eは、それらを連続する面が傾斜面とされ、また、各面を接続する角部が緩やかな丸みを帯びるように形成されている。そして、これら凹部39d及び凸部39eが形成された面が互いに向かう合うように配置された一組の受け条39cが、導電部材30と両縁部33との間に夫々形成されている。
【0070】
図36に示すように、一組の受け条39cの互いの位置関係は、向かい合う凹部39dの間隔が、付勢された一対の爪部28aの先端の間隔よりも僅かに広くなるように、且つ向かい合う凸部39eの間隔が、固定部28の外形より僅かに広くなるように設定される。また、凸部39eには、爪部28aが引掛けられる溝部39fが形成されている。
【0071】
本実施形態における保持枠3へのELユニット2の取付手順を説明する。まず、固定部28が、一組の受け条39cの向かい合う凹部39dの間に位置するように、ELユニット2を保持枠3に対向させる。なお、図37(a)に示す例では、ELユニット2が保持枠3の端部よりも奥方に存在しており、凸部39eと爪部28aとが対向しない位置関係にあるものとする。そして、向かい合う凹部39dの間に固定部28を嵌め入れるようにELユニット2を保持枠3側へ移動させる。そして、ELユニット2を保持枠3の長手方向に沿ってスライドさせる。このとき、固定部28の爪部28aが凸部39eに乗り上げ、更にELユニット2がスライドさせると、爪部28aが凸部39eに形成された溝部39fにバネ付勢によって嵌まり込み、図37(b)に示すように、爪部28aを溝部39eに係止させることができる。これにより、ELユニット2が保持枠3に保持される。ELユニット2を保持枠3から取り外すときには、ELユニット2を更に保持枠3の長手方向に沿ってスライドさせれば、爪部28aが溝部39fから外れる。そして、凸部39eを再び凹部39dの間に移動させ、ELユニット2を保持枠3から垂直方向に引き抜けば、ELユニット2を保持枠3から取り外すことができる。
【0072】
この構成によれば、上記第2〜4の実施形態と同様に、フロントキャップ51又はエンドキャップ52(図1参照)を保持枠3から取り外すことなく、ELユニット2を保持枠3から容易に着脱することができる。また、上記第2〜4の実施形態と同様に、ELユニット2を保持枠3の長手方向にスライドさせて、凸部39e及び溝部39fが形成された適宜の位置でELユニット2を保持することができる。
【0073】
次に、本発明の第6の実施形態に係る照明システムについて、図38を参照して説明する。本実施形態の照明システム1は、ELユニット2と保持枠3とが、ワイヤ6により結線されているものである。ELユニット2及び保持枠3の夫々両縁部には、ELユニット2を保持枠3に取り付ける際に干渉されない位置に、ワイヤ通し孔(不図示)が形成されている。ワイヤ6は、このワイヤ通し孔に挿通され、鍵等によってロックされる。他の構成は上記第1〜5の実施形態と同様である。なお、図例では、第5の実施形態で説明した構成を示すが、これに限られない。この構成によれば、ELユニット2を保持枠3から容易に取り外すことができ、且つ簡易な構成でELユニット2の盗難を防止することができる。
【0074】
次に、本発明の第7の実施形態に係る照明システムについて、上述した図2に加えて、図39及び図40を参照して説明する。本実施形態の照明システム1は、制御ユニット4及びELユニット2は相互認証を行い、制御ユニット4は、ELユニット2が認証されたものであるときに、このELユニット2に対して電力を供給するように構成されている。ここでは、照明システム1の具体的な動作を説明する。図39に示すように、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、制御ユニット4とELユニット2との間で、(1)監視(検出)フェーズ、(2)認証・構成フェーズ、(3)給電フェーズを定期的且つ定常的に繰り返して通信及び給電を行なう。上記第1の実施形態においては、制御ユニット4は、ELユニット2がこの照明システム1に適合するものであるかを確認していた。これに対して、本実施形態の照明システム1は、制御ユニット4及びELユニット2が相互認証を行い、互いに予め管理者によって設定されたものであることを確認した後に給電を行なう。すなわち、本実施形態の照明システム1は、(2)認証・構成フェーズが上記第1の実施形態と異なる。なお、(1)監視(検出)フェーズ及び(2)認証・構成フェーズは上記第1の実施形態と同様である。
【0075】
本実施形態では、(2)認証・構成フェーズにおいて、まず、制御ユニット4からELユニット2に対して確認信号が出力される。ELユニット2は、この確認信号を受けて、自身に割り当てられたアドレス情報や、ELユニット2に組み込まれた発光部20の定格電流等の情報を制御ユニット4へ出力する。これらの情報(パケット)は、制御ユニット4のメモリ(主制御部42)に書き込まれる。制御ユニット4は、これらの情報を受けると、ELユニット2を照明システム1に適合したものであると認証する(1次認証)。一方、上述した情報の送受信が行われないとき、ELユニット2の認証が行われず、制御ユニット4は、図40に示すように、導電部材30へ給電できないものと判断する。続いて、制御ユニット4は、ELユニット2が制御ユニット4のアドレス情報を有しているか否かを確認するための通信信号をELユニット2に送信する。ELユニット2は、この通信信号を受けると、制御ユニット4のアドレス情報を有しているとき、そのアドレス情報を制御ユニット4に送信する(2次認証)。制御ユニット4は、ELユニット2から制御ユニット4のアドレス情報が送信されると、このアドレス情報が自身のアドレス情報と一致しているかを確認する(3次認証)。そして、制御ユニット4は、そのアドレス情報が一致する場合に(3)給電フェーズへ移行する。一方、アドレス情報が一致しない場合には、そのELユニット2へは給電できないものと判断する。また、ELユニット2は、制御ユニット4のアドレス情報を有していないときは、制御ユニット4のアドレス情報を自身のメモリに書き込む。
【0076】
ELユニット2が制御ユニット4のアドレス情報を有していないケースとは、ELユニット2が新品である、又は初期化されている場合であり、一度、いずれかの照明システム1に施工されたELユニット2は、何らかの制御ユニット4のアドレス情報を有している。従って、例えば、別の照明システム1から盗んだELユニット2を自らの照明システム1に用いようとした場合であっても、そのELユニット2には、元の制御ユニット4のアドレス情報が記録されている。従って、自らの照明システム1の制御ユニット4のアドレス情報とは一致せず、そのELユニット2には給電がなされない。
【0077】
本実施形態によれば、上述したように、制御ユニット4及びELユニット2の間で相互認証された場合にのみ給電を行い、相互認証が行われなかった場合には、そのELユニット2には給電されない。つまり、他人の照明システム1からELユニット2を盗んだとしても、それを自身の照明システム1に適用することはできない。こうすれば、制御システムとして、少なくとも照明システム1のユーザによる他人のELユニット2の盗難を抑制することができる。なお、ELユニット2は、それ単体では機能しないが、照明システム1を認識していない者がELユニット2を盗難する虞がある。従って、照明システム1が、商業施設等の不特定多数が集まる場所に施工される場合には、上記第6の実施形態で示したワイヤ6のように、物理的な盗難防止手段を設けることが好ましい。
【0078】
本実施形態の変形例に係る照明システムについて、図41を参照して説明する。この変形性に係る照明システム1は、制御ユニット4は、ELユニット2が保持枠3から取り外されたときに警告信号を出力するものである。警告信号としては、例えば、警報アラーム等が用いられる。また、制御ユニット4は、管理者によって管理情報が入力されたときに、警告信号を出力しないように構成される。ここでいう管理情報とは、例えば、制御ユニット4に設けられたインターフェース部から入力される暗証番号等である。この場合の動作フローを、図41に示す。制御ユニット4では、3回以内に正しい暗証番号が入力された場合にのみ、ELユニット2が取り外されたときに警告信号を出力しない。こうすれば、システム的にELユニット2の盗難防止を図ることができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。上述した実施形態においては、制御ユニと4が内装されたフロントキャップ51の片端部にのみ保持枠3が連結された構成を示したが、例えば、フロントキャップ51の両端部に2本の保持枠3が連結されてもよい。この場合、フロントキャップ51の両端部に接点部44が設けられると共に、夫々に保持枠3の導電部材30が接続され、これら2系統の導電部材30に接続されたELユニット2を1つの制御ユニット4で制御するように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 照明システム
2 ELユニット
20 発光部
21 パネル制御部
27 凸条
27a 被フック部
27b 凸部
28 固定部
28a 爪部
3 保持枠
30 導電部材
33 縁部
33a 凹条
35a カバー部材
35b カバー部材
35c カバー部材
38 フック部
39 受け部
39c 受け条
4 制御ユニット
41 電源部
5 保護ユニット
58 ケースユニット
6 ワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を有するELユニットと、前記ELユニットを保持する保持枠と、前記ELユニットを点灯制御する制御ユニットと、を備え、
前記保持枠は、レール状の導電部材を備え、前記導電部材を通して前記制御ユニットと前記ELユニットとの間で電力及び通信信号を伝達することを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記ELユニットは、前記制御ユニットからの通信信号を受けて前記発光部の発光状態を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記導電部材に電力を送電する電源部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の照明システム。
【請求項4】
前記保持枠の両端部に配設され、前記導電部材を保護する一対の保護ユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記保護ユニットの一方に内装されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記保持枠に保持されるケースユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記ケースユニットに内装されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記保持枠は、前記導電部材を覆い、且つ移動自在なカバー部材を備え、
前記カバー部材を移動させることにより、前記導電部材が前記ELユニットに対して露出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項7】
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って形成された一対の凹条を備え、
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹条と係合する一対の凸部を備え、該凸部を前記凹条に係合させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う一方の縁部に形成されたフック部と、他方の縁部に形成された凹部と、を備え、
前記フック部は、前記長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記フック部と係合する被フック部と、前記凹部に係止される凸部と、を備え、前記凸部を前記凹部に係止させると共に、前記被フック部を前記フック部に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う両縁部に形成された一対の凹部を備え、
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹部と係止される一対の凸部を備え、該一対の凸部の一方が前記保持枠の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、該一方の凸部を前記凹部に係止させると共に、他方の凸部を前記凹部に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に該保持枠に向けて突出した固定部を備え、
前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、
前記保持枠は、前記固定部と対向する位置に前記爪部が係止される受け部を有し、
前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け部に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、該保持枠に向けて突出した固定部を備え、
前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って前記爪部が係止される受け条を有し、
前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け条に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項12】
前記ELユニットと前記保持枠とが、ワイヤにより結線されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項13】
前記制御ユニット及び前記ELユニットは相互認証を行い、
前記制御ユニットは、前記ELユニットが認証されたものであるときに、該ELユニットに対して電力を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記ELユニットが前記保持枠から取り外されたときに警告信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、管理者によって管理情報が入力されたときに、前記警告信号を出力しないことを特徴とする請求項14に記載の照明システム。
【請求項1】
発光部を有するELユニットと、前記ELユニットを保持する保持枠と、前記ELユニットを点灯制御する制御ユニットと、を備え、
前記保持枠は、レール状の導電部材を備え、前記導電部材を通して前記制御ユニットと前記ELユニットとの間で電力及び通信信号を伝達することを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記ELユニットは、前記制御ユニットからの通信信号を受けて前記発光部の発光状態を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記導電部材に電力を送電する電源部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の照明システム。
【請求項4】
前記保持枠の両端部に配設され、前記導電部材を保護する一対の保護ユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記保護ユニットの一方に内装されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記保持枠に保持されるケースユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記ケースユニットに内装されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記保持枠は、前記導電部材を覆い、且つ移動自在なカバー部材を備え、
前記カバー部材を移動させることにより、前記導電部材が前記ELユニットに対して露出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項7】
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って形成された一対の凹条を備え、
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹条と係合する一対の凸部を備え、該凸部を前記凹条に係合させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う一方の縁部に形成されたフック部と、他方の縁部に形成された凹部と、を備え、
前記フック部は、前記長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記フック部と係合する被フック部と、前記凹部に係止される凸部と、を備え、前記凸部を前記凹部に係止させると共に、前記被フック部を前記フック部に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向に沿う両縁部に形成された一対の凹部を備え、
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、前記凹部と係止される一対の凸部を備え、該一対の凸部の一方が前記保持枠の長手方向に直交する方向に付勢された状態でスライド可能であり、該一方の凸部を前記凹部に係止させると共に、他方の凸部を前記凹部に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に該保持枠に向けて突出した固定部を備え、
前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、
前記保持枠は、前記固定部と対向する位置に前記爪部が係止される受け部を有し、
前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け部に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記ELユニットは、前記保持枠と対向する面に、該保持枠に向けて突出した固定部を備え、
前記固定部は、その突出方向と直交する方向に付勢された状態でスライド可能な一対の爪部を有し、
前記保持枠は長尺状であり、その長手方向両端部間に亘って前記爪部が係止される受け条を有し、
前記ELユニットは、前記一対の爪部を前記受け条に係止させることにより前記保持枠に保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項12】
前記ELユニットと前記保持枠とが、ワイヤにより結線されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項13】
前記制御ユニット及び前記ELユニットは相互認証を行い、
前記制御ユニットは、前記ELユニットが認証されたものであるときに、該ELユニットに対して電力を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記ELユニットが前記保持枠から取り外されたときに警告信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、管理者によって管理情報が入力されたときに、前記警告信号を出力しないことを特徴とする請求項14に記載の照明システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2012−252982(P2012−252982A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127095(P2011−127095)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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