照明器具
【課題】複数の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくする。
【解決手段】第1の光源部4は、主光源1を装着可能とする器具本体2の外周縁部に設けられた枠3の一方の領域に、枠3の半径方向と軸部43との間の軸角度が115°になるように取り付けられている。このように軸部43が取り付けられることによって、第1の光源部4の第2の可動部42は、副光源としてLEDを収納する第1の可動部41とともに軸部43の回りに外側方向に60°、内側方向に10°揺動自在となる。また、第1の光源部4の第1の可動部41は、第2の可動部42に収納された状態で、全方向に48°回動自在となる。上記構成において、照射用開口面の法線は、枠3の中心軸の方向から見て、枠3の中心とLEDを結ぶ第1の直線に対して角度をなすように調整でき、照射用開口面から外部に出射した光は、上記照射用開口面の法線方向を中心に照射する。
【解決手段】第1の光源部4は、主光源1を装着可能とする器具本体2の外周縁部に設けられた枠3の一方の領域に、枠3の半径方向と軸部43との間の軸角度が115°になるように取り付けられている。このように軸部43が取り付けられることによって、第1の光源部4の第2の可動部42は、副光源としてLEDを収納する第1の可動部41とともに軸部43の回りに外側方向に60°、内側方向に10°揺動自在となる。また、第1の光源部4の第1の可動部41は、第2の可動部42に収納された状態で、全方向に48°回動自在となる。上記構成において、照射用開口面の法線は、枠3の中心軸の方向から見て、枠3の中心とLEDを結ぶ第1の直線に対して角度をなすように調整でき、照射用開口面から外部に出射した光は、上記照射用開口面の法線方向を中心に照射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明器具は、主光源とは別に複数の副光源を備え、例えば一般住宅の部屋の天井面などに取り付けられるものである。特許文献1には、従来の照明器具として、方形箱状の直接拡散照明ユニットと、この直接拡散照明ユニットの各角隅部に配設された複数のスポットライトとを備える多機能形照明器具が開示されている。各スポットライトは、小型モータによって直接拡散照明ユニットの対角線方向の直下となる範囲を照射する。これにより、特許文献1の多機能形照明器具は、各スポットライトの照射方向を直接拡散照明ユニットの下方に近づけることによって、その範囲のみを周囲より明るくすることができる。
【特許文献1】特開平5−67403号公報(第2,3頁及び第2,5,7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の照明器具は、各スポットライトの照射方向を直接拡散照明ユニットの対角線方向のみ調整可能とするので、照明器具の外側の範囲に対して各スポットライトの照射方向が放射状の方向に発散してしまい、各スポットライトの照射方向を近づけて明るくすることが難しいという問題があった。特に、照明器具を部屋の天井面に設置して壁面の一部の範囲のみを周囲より明るくしたい場合、照明器具から壁面までの距離が長くなると、各スポットライトの照射方向が発散し、上記壁面の一部の範囲のみを周囲より明るくすることが難しいものであった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、自己の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、周囲を照射する主光源を装着可能とする器具本体と、前記器具本体の外周縁部に設けられた枠とを備えるとともに、それぞれが、光を放射する第1の副光源と、前記第1の副光源を収納し、当該第1の副光源からの光が外部に出射するための第1の照射用開口面が形成された第1のケースとを有し、前記枠の中心を通る直線の境界線によって2つの領域に区切られた前記枠の一方の領域に取り付けられ、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記第1の副光源への第1の方向に対して、前記境界線と直交する第2の方向に傾いて角度をなす第3の方向を中心に、前記第1の照射用開口面から外部に出射した前記第1の副光源からの光が照射する複数の第1の光源部を備えることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、複数の第1の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる。これにより、例えば部屋の天井面に設置した場合に、所定の壁面のみを周囲よりも明るくすることができ、ユーザの希望や用途に応じた雰囲気を出すことを可能とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の照射用開口面が可動自在であることを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源による照射方向を調整することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1のケースが、前記第1の副光源を収納し、全方向に予め決められた角度の範囲内で回動自在の第1の可動部と、前記第1の可動部を収納し、当該第1の可動部とともに一の軸回りに揺動自在の第2の可動部とを有することを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源による照射方向を容易に調整することができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の照射用開口面が固定されていることを特徴とする。この構成によれば、複数の第1の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より確実に明るくすることができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、部屋の天井に設置され、複数の前記第1の副光源が、前記部屋の一の壁面を照射可能とすることを特徴とする。この構成によれば、複数の第1の副光源によって壁面の一部を周囲より明るくすることができる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、光を放射する第2の副光源と、前記第2の副光源を収納し、当該第2の副光源からの光が外部に出射するための第2の照射用開口面が形成された第2のケースとを有し、前記枠の他方の領域に取り付けられ、前記第2の照射用開口面から外部に出射した前記第2の副光源からの光が、前記枠の中心軸と略平行する方向を中心に照射する第2の光源部を備えることを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができるとともに、第2の副光源によって照明器具の直下の範囲も明るくすることができる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第1の光源部及び前記第2の光源部が、前記枠に等間隔に取り付けられて備えることを特徴とする。この構成によれば、第1の光源部及び第2の光源部を等間隔に取り付けることによって、デザイン性を向上させることができる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記器具本体が、部屋の天井面に密着して取り付けられて回動自在とすることを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源による照射方向を所定の範囲に容易に向けることができる。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、一対の前記第1の光源部が、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記境界線と直交する直線に関して線対称となるように前記枠の一方の領域に取り付けられることを特徴とする。この構成によれば、デザイン性を向上させることができるとともに、照明器具の外側となる所定の範囲を対称に明るくすることができる。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記枠の中心軸方向から見て、前記第1の方向と前記第3の方向とでなされた角度が、前記第1の方向と前記第2の方向とでなされた角度より小さいことを特徴とする。この構成によれば、照明器具の外側となる所定の範囲にある物体に対して中央部を薄暗くした状態で両側部を明るくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜6を用いて説明する。図1〜3,5は、実施形態1の照明器具を示す図である。図4は、実施形態1の第1の光源部を示す図である。図6は、実施形態1の照明器具を部屋に取り付けた状態を示す図である。
【0018】
まず、実施形態1の基本的な構成について説明する。実施形態1の照明器具は、図1に示すように、主光源1と、器具本体2と、枠3と、2つの第1の光源部4,4と、1つの第2の光源部5とを備え、住宅構造材である部屋6の天井面60(図6(a)参照)に取り付けられたものである。
【0019】
主光源1は、例えば2つの丸型蛍光灯などであり、リモコン送信器(図示せず)への操作によって点灯及び消灯を行って周囲を照射する。また、必要に応じて調光されて点灯する。なお、主光源1は丸型蛍光灯に限定されるものではなく、直管蛍光灯などの他の形状の蛍光灯や発光ダイオードなどであってもよい。
【0020】
器具本体2は、図2に示すように、例えば樹脂成形などによって有底筒状に形成されたものであり、底面部20と、底面部20の外周縁部から延設された側面部21とを備え、例えば引掛シーリング取り付け方式などによって部屋6の天井面60(図6(a)参照)に密着して取り付けられ、周方向の回動によって所定の向きに合わせられる。また、器具本体2には、透明又は白色(乳白色)の透光性材料によって形成されたカバー22(図1参照)が取り付けられる。底面部20は、円状に形成されたものであり、主光源1(図1参照)を装着するコネクタ(図示せず)を備えている。これにより、器具本体2は、主光源1を装着可能とする。また、底面部20には、電源と接続する接続線(図示せず)を天井面60から引き込むための貫通孔(図示せず)が形成されている。一方、側面部21は、先端部210の外径が基端部211の外径より長くなるように、段差部212を有して略筒状に形成されたものである。
【0021】
枠3は、例えば樹脂成形などによって円環状に形成され、器具本体2の先端部210の外周縁部に延設されたものである。この枠3は、図3に示すように、中心軸30と直交する境界線31によって第1の領域32と第2の領域33に区切られている。第1の領域32の外周部320には、2つの凹部321,321が120°離れて形成されている。一方、第2の領域33の外周部330には、1つの凹部331が各凹部321と120°離れて形成されている。
【0022】
各凹部321の近傍には、図2に示すように、上方向に突設する一対の突設部322,322が、枠3の半径方向との間の軸角度(図3参照)が115°になるように設けられている。また、凹部331の近傍にも、上方向に突設する一対の突設部(図示せず)が、枠3の半径方向との間の軸角度(図3参照)が90°になるように設けられる。各突設部322には、凹部323が形成されている。凹部331の近傍にある一対の突設部にも、凹部323と同様の凹部(図示せず)が形成されている。
【0023】
また、上記枠3には止め具35が取り付けられる。この止め具35は、例えば樹脂成形などによって器具本体2及び枠3の外壁面に沿った形状に形成されたものであり、第1の光源部4(第2の光源部5)を枠3に取り付けるときに用いられる。
【0024】
第1の光源部4のそれぞれは、図4(a)に示すように、光を放射する発光ダイオード(第1の副光源)(以下「LED」という)40と、第1の可動部41と、第2の可動部42と、軸部43とを備え、枠3の凹部321(図2参照)に取り付けられる。つまり、第1の光源部4は、第1の領域32に取り付けられることになる。
【0025】
LED40は、LED基板400と一体になって設けられている。このLED40は、リモコン送信器(図示せず)への操作によって点灯又は消灯を行う。また、必要に応じて調光されて点灯する。
【0026】
第1の可動部41は、上本体410と、下本体411とから構成されている。上本体410は、例えば樹脂成形などによって略半球状に形成されている。この上本体410は、上端の内壁面から下方向に突設された複数の突設部412,412を備えている。一方、下本体411は、例えば樹脂成形などによって略筒状に形成されている。この下本体411は、内壁面から上方向に突設された複数の突設部413を備えている。また、下本体411の下端には、略円状の照射用開口面(第1の照射用開口面)414が形成されている。この照射用開口面414には、レンズ415が取り付けられている(図4(b)参照)。このような第1の可動部41は、上本体410の突設部412,412と下本体411の突設部413によって、LED40及びLED基板400を挟持して収納し、LED40とともに光源ユニット部を構成する。
【0027】
第2の可動部42は、2つの外郭部材420,421とから構成されている。外郭部材420は、例えば樹脂成形などによって略半球状に形成されたものである。この外郭部材420には、上端に貫通孔422(図4(c)参照)が形成されている。また、外郭部材420は、上端の内壁面から下方向に突設された突設部423を備えている。この突設部423の先端には板ばね424が取り付けられている。この板ばね424は、第2の可動部42が第1の可動部41を収納したときに、第1の可動部41が上方に移動するのを防止するものである。一方、外郭部材421は、例えば樹脂成形などによって略筒状に形成されたものであり、下端において内側に屈曲して設けられた回転止め部425を備えている。上記第2の可動部42は、外郭部材420,421によって第1の可動部41を挟み込んで収納している。このとき、第2の可動部42は、回転止め部425によって第1の可動部41の落下を防止するとともに回動範囲を制御している。第2の可動部42に収納された第1の可動部41は、図5に示すように、手動によって、全方向に48°の範囲内で回動自在となる。
【0028】
軸部43は、図4(a)に示すように、例えば樹脂成形などによって形成されたものであり、円柱部430と、2つの突条部431,431とを備えている。この軸部43は、外郭部材420,421によって一端部が挟持されて固定されている。上記軸部43が枠3に取り付けられたときに、第2の可動部42は、図5に示すように、手動によって、第1の可動部41とともに軸部43の回りに外側方向に60°、内側方向に10°揺動自在となる。
【0029】
ここで、第1の光源部4の枠3への取り付け方法について説明する。まず、図2に示すように、軸部43を枠3の突設部322の凹部323に嵌合し、第2の可動部42を枠3の凹部321に嵌合する。続いて、止め具35を上方向から被せて枠3に嵌め合わせる。上記より、第1の光源部4を枠3に取り付けることができる。これにより、図6(b)に示すように、枠3の中心軸30(図3参照)の方向から見て、一対の第1の光源部4,4が、枠3の中心から境界線31と直交する直線に関して線対称となるように枠3の第1の領域32に取り付けられることになる。また、第1の光源部4を枠3に取り付けた状態において、照射用開口面414の法線(図6(b)の矢印)は、枠3の中心とLED40を結ぶ直線45に対して、境界線31と直交する直線46側に傾いて角度をなすように手動によって調整されることが可能となる。直線45と照射用開口面414の法線方向とでなされた角度は、直線45と直線46とでなされた角度より小さい。照射用開口面414から外側に出射したLED40からの光は、上記照射用開口面414の法線方向を中心に照射する。
【0030】
第2の光源部5は、図4(a)に示すように、第1の光源部4と同様に、光を放射するLED(第2の副光源)50と、第1の可動部51と、第2の可動部52と、軸部53とを備え、枠3の凹部331(図3参照)に取り付けられる。つまり、第2の光源部5は、図3に示すように、第2の領域33に取り付けられることになる。これにより、第2の光源部5と2つの第1の光源部4,4は、枠3の周方向に120°ごとに等間隔に取り付けられることになる。
【0031】
LED50は、図4(a)に示すように、第1の光源部4のLED40と同様に、リモコン送信器(図示せず)への操作によって点灯又は消灯を行う。また、必要に応じて調光されて点灯する。第1の可動部51には、第1の光源部4の第1の可動部41と同様に、照射用開口面(第2の照射用開口面)510が形成されている。この第1の可動部51は、第1の可動部41と同様に、LED50を挟持して収納し、LED50とともに光源ユニット部を構成する。第2の可動部52は、図3に示すように、軸部53と枠3の半径方向との間の軸角度が90°になるように取り付けられる。この第2の可動部52は、図5に示すように、手動によって、第1の可動部51と同様に、軸部53(図3参照)の回りを外側方向に60°、内側方向に10°揺動自在となる。
【0032】
ここで、第2の光源部5の枠3への取り付け方法は、第1の光源部4の枠3への取り付け方法と同様であり、まず、図3に示すように、軸部53を枠3の突設部の凹部(図示せず)に嵌合し、第2の可動部52を枠3の凹部331に嵌合する。続いて、止め具35(図2参照)を上方向(図3の奥から手前方向)から被せて枠3に嵌め合わせる。上記より、第2の光源部5を枠3に取り付けることができる。第2の光源部5を枠3に取り付けた状態において、図6(a)に示すように、照射用開口面510の法線(図6(a)の下方向の矢印)は、枠3の中心軸30(図3参照)と略平行に調整されることが可能となる。つまり、手動によって、第2の光源部5が可動して、上記照射用開口面510の法線を照明器具の直下方向にすることができる。照射用開口面510から外部に出射したLED50からの光は、上記照射用開口面510の法線方向を中心に照射する。
【0033】
次に、実施形態1の照明器具を部屋6に取り付けた場合について図6を用いて説明する。なお、部屋6は、図6(a)に示すような一般的なものであり、壁面61の近くにテレビ62が置かれ、テレビ62に対向する位置に、テレビ鑑賞者が座る椅子63及びテーブル64が置かれている。この部屋の大きさは、照明器具の中心から壁面61までが2.7メートルであり、高さが2.4メートルである。照明器具は、引掛シーリング取り付け方式によって天井面60に取り付けられ、テレビ62のサイズや設置場所に応じて自由に回動させて向きの調整が行われる。
【0034】
まず、テレビ62を鑑賞する以外の場合では、リモコン送信器(図示せず)への点灯操作によって主光源1のみが点灯したり、主光源1及びLED40,50(図4(a)参照)の両方が点灯したりする。必要に応じて、主光源1又はLED40,50が調光されて点灯する。また、外出時や就寝時には、リモコン送信器への消灯操作によって、主光源1及びLED40,50が消灯する。
【0035】
これに対して、テレビ62を鑑賞する場合、臨場感を出すためにテレビ62の周囲のみを明るくすることが多く、第1の光源部4のLED40(図4(a)参照)のそれぞれによって範囲65,65を明るくする。これらの範囲65は、部屋6の天井面60側から見ると、図6(b)に示すように、テレビ62の両側に位置している。第1の光源部4の軸部43が枠3の半径と直交する方向から25°傾いていること、及び第1の可動部41によって24°回動すること(図5参照)によって、上記範囲65を直線45から最大49°傾かせることができる。また、テレビ鑑賞者はテレビ62を鑑賞している間に手元を明るくしたいときがある。このような場合、図6(a)に示すように、第2の光源部5のLED50(図4(a)参照)によって、テレビ鑑賞者の手元となる範囲66が照射される。
【0036】
上記より、テレビ62を鑑賞する場合、基本的に部屋6を薄暗くして、第1の光源部4のLED40(図4(a)参照)によってテレビ62の周囲の壁面を含む範囲65のみを明るくすることができる。これにより、臨場感を出すことができる。また、テレビ鑑賞者の手元を明るくしたいときにも、第2の光源部5のLED50(図4(a)参照)によって照射することができる。
【0037】
以上、実施形態1によれば、部屋6を薄暗く保ちながら、2つの第1の光源部4のLED40によって照明器具の外側となる所定の範囲65を周囲より明るくすることができる。これにより、臨場感を出すなどのユーザの希望や用途に応じた雰囲気を出すことを可能とする。また、第2の光源部5のLED50によって照明器具の直下の範囲66を周囲より明るくすることができる。さらに、第1の光源部4の外郭部材40の揺動及び第1の可動部41の回動、及び器具本体2の回動によって、第1の光源部4のLED40による照射方向を容易に調整することができる。これにより、テレビ62のサイズや設置場所に関わらず、テレビ62の設置方向に照射されるように照明器具を取り付けることができる。
【0038】
上記に追加して、2つの第1の光源部4,4及び第2の光源部5を枠3に等間隔に取り付けることによって、デザイン性を向上させることができる。また、第1の光源部4及び第2の光源部5の副光源としてLED40,50を備えているので、より一層の小型化を図ることができるとともに、幅の薄い枠3に配置することができるので、薄型で器具本体2と一体感のあるすっきりとしたデザインとすることができる。
【0039】
さらに、一対の第1の光源部4,4が、枠3の中心軸30の方向から見て、枠3の中心から境界線と直交する直線46に関して線対称となるように枠3の第1の領域32に取り付けられているので、デザイン性を向上させることができるとともに、照明器具の外側となる所定の範囲を対称に明るくすることができる。また、枠3の中心軸30の方向から見て、直線45と照射用開口面414の法線方向とでなされた角度が、直線45と直線46とでなされた角度より小さいので、壁面61近傍にあるテレビ62などの物体に対して中央部を薄暗くした状態で両側部を明るくすることができる。
【0040】
なお、実施形態1の変形例として、器具本体が、角形など、円形以外の形状であってもよい。このような構成にしても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、実施形態1の他の変形例として、実施形態1の部屋より大きい部屋又は小さい部屋に照明器具を取り付けてもよい。このようにしても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図7,8を用いて説明する。図7,8は、実施形態2の照明器具の要部を示す図である。
【0043】
実施形態2の照明器具は、実施形態1の照明器具(図1参照)と同様に、主光源1と、器具本体2と、2つの第1の光源部4,4と、1つの第2の光源部5とを備えているが、実施形態1の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0044】
実施形態2の照明器具は、実施形態1の枠に代えて、図7,8に示すような枠3aを備えている。枠3aには、凹部ではなく、貫通孔34が第1の領域32(図3参照)に2つ形成され、第2の領域33(図3参照)に1つ形成されている。これら3つの貫通孔34は、それぞれ120°離れて形成されている。上記貫通孔34には、第1の光源部4又は第2の光源部5(図4(a)参照)が取り付けられている。なお、枠3aは、上記以外の点において、実施形態1の枠3(図1参照)と同様である。
【0045】
以上、実施形態2であっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0046】
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図9を用いて説明する。図9は、実施形態3の照明器具の要部を示す図である。
【0047】
実施形態3の照明器具は、実施形態1の照明器具(図1参照)と同様に、主光源1と、器具本体2とを備えているが、実施形態1の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0048】
実施形態3の照明器具は、実施形態1の枠、第1の光源部及び第2の光源部に代えて、図9に示すような枠3b、第1の光源部4a及び第2の光源部(図示せず)を備えている。枠3bには、凹部ではなく、貫通孔が第1の領域32(図3参照)に2つ形成され、第2の領域33(図3参照)に1つ形成されている。これら3つの貫通孔は、120°それぞれ離れて形成されている。なお、枠3bは、上記以外の点において、実施形態1の枠3(図1参照)と同様である。
【0049】
一方、第1の光源部4aは、上方で軸部43(図3参照)と接続する第2の可動部42aを備えている。なお、実施形態3の第2の光源部は、第1の光源部4aと同様の構成である。また、第1の光源部4a及び第2の光源部(図示せず)は、上記以外の点において、実施形態1の第1の光源部4及び第2の光源部5(図1参照)と同様である。
【0050】
以上、実施形態3であっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(実施形態4)
本発明の実施形態4について図10を用いて説明する。図10は、実施形態4の照明器具の要部を示す図である。
【0052】
実施形態4の照明器具は、実施形態3の照明器具(図1,9参照)と同様に、主光源1と、器具本体2と、枠3bとを備えているが、実施形態3の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0053】
実施形態4の照明器具は、実施形態3の第1の光源部及び第2の光源部に代えて、図10に示すような第1の光源部7及び第2の光源部(図示せず)を備えている。第1の光源部7は、実施形態3の第1の光源部のように可動するものではなく、照射用開口面(第1の照射用開口面)70が固定されたものである。つまり、第1の光源部7の照射範囲は常に一定である。上記より、第1の光源部7は、軸部などを設ける必要がなく安定に固定することができる。なお、実施形態4の第2の光源部は、第1の光源部7と同様の構成である。
【0054】
以上、実施形態4によれば、第1の光源部7が固定されることによって、照射用開口面70が固定されている場合であっても、実施形態1と同様に、第1の光源部7のLED(図示せず)によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より確実に明るくすることができる。
【0055】
(実施形態5)
本発明の実施形態5について図11を用いて説明する。図11は、実施形態5の第1の光源部を示す図である。
【0056】
実施形態5の照明器具は、実施形態1の照明器具(図1参照)と同様に、主光源1と、器具本体2と、枠3とを備えているが、実施形態1の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0057】
実施形態5の照明器具は、実施形態1の2つの第1の光源部及び第2の光源部に代えて、図11(a),(b)に示すような第1の光源部8を2つ、第2の光源部(図示せず)を1つ備えている。第1の光源部8のそれぞれは、光を放射するミニクリプトン電球(第1の副光源)80と、第2の可動部81と、反射鏡82と、軸部83とを備え、枠3の凹部321(図2参照)に取り付けられる。なお、実施形態5の第2の光源部は、第1の光源部8と同様の構成である。
【0058】
第2の可動部81は、例えば樹脂成形などによって有底筒状に形成されたものであり、底面部810にソケット811を備えている。このソケット811は、ミニクリプトン電球80を螺合によって取り付けるものである。また、第2の可動部81の下端には、略円状の照射用開口面(第1の照射用開口面)812が形成されている。
【0059】
反射鏡82は、アルミニウム板によって略半球状に形成されたものであり、内側が銀色の鏡面仕上げが施されている。この反射鏡82には、上部にソケット811と嵌合する嵌合孔820が形成されている。上記反射鏡82は、ミニクリプトン電球80の一部を覆うように設けられている。
【0060】
軸部83は、実施形態1の軸部43(図4(a)参照)と同様の構成であり、円柱部830と、2つの突条部831,831とを備えている。この軸部83は、第2の可動部81の側面部813の底面部810側(図11(a)の上側)に一端部が取り付けられて固定されている。上記軸部83が枠3の一対の突設部322,322(図2参照)に取り付けられたときに、第2の可動部81は、手動によって、軸部83の中心軸832の回りに揺動自在となる。また、実施形態1と同様に、一対の突設部322,322が、枠3の半径方向との間の角度が115°になるように設けられているので、軸部83の中心軸832は枠3の半径方向との軸角度が115°となる(図3参照)。一方、凹部331(図3参照)の近傍にある一対の突設部が、枠3の半径方向との間の角度が90°になるように設けられているので、実施形態5の第2の光源部における軸部の中心軸は枠3の半径方向との角度が90°となる(図3参照)。
【0061】
ここで、ミニクリプトン電球80からの光の光路について説明する。このミニクリプトン電球80からの光の一部は、直接、照射用開口面812から外部に出射する。一方、ミニクリプトン電球80からの光の残部は、まず反射鏡82に向かって出射し、この反射鏡82で反射されて照射用開口面812から外部に出射する。上記より、いずれの光も照射用開口面812から外部を照射することになる。
【0062】
以上、実施形態5によれば、第1の光源部8のようにミニクリプトン電球80の周囲に反射鏡82が設けられたものであっても、ミニクリプトン電球80からの光が照射用開口面81から外部を照射することができる。これにより、2つの第1の光源部8のミニクリプトン電球80によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる。
【0063】
なお、実施形態1〜5の変形例として、3つ以上の第1の光源部を備えるものであってもよい。このような構成にすると、照明器具の外側となる所定の範囲を周囲に対してより明るく照射することができる。
【0064】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、副光源としてLEDに代えて、白熱灯などを用いてもよい。このような構成にしても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【0065】
さらに、実施形態1〜5の他の変形例として、第1の光源部及び第2の光源部において、第1の照射用開口面及び第2の照射用開口面の可動範囲、並びに第1の副光源及び第2の副光源の色温度を、目的や用途に応じて適宜設定したものであってもよい。例えば、第1の照射用開口面の可動範囲を60°とし、第2の照射用開口面の可動範囲を10°としてもよい。また、第1の副光源を電球色とし、第2の副光源を白色としてもよい。このようにしても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、枠の第1の領域に、第1の光源部とは異なる別の光源部を第1の光源部とともに備えてもよい。この別の光源部は、例えば第2の光源部と同様の構成や、照射方向が直下方向に固定された構成などであり、目的や用途に応じて適宜設定されるものである。このような別の光源部を備えているとしても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、枠は円環状のものに限定されるものではなく、目的や用途に応じて、例えば三角形や四角形など他の形状のものであってもよい。このような枠の形状であっても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による実施形態1の照明器具の外観斜視図である。
【図2】同上の照明器具の要部を示す分解斜視図である。
【図3】同上の照明器具の下面図である。
【図4】同上の照明器具の第1の光源部であって、(a)は断面図、(b)は下面図、(c)は上面図である。
【図5】同上の照明器具の要部を示す側面図である。
【図6】同上の照明器具を部屋に取り付けた状態であって、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【図7】本発明による実施形態2の照明器具の要部を示す下面図である。
【図8】同上の照明器具の要部を示す側面図である。
【図9】本発明による実施形態3の照明器具の要部を示す側面図である。
【図10】本発明による実施形態4の照明器具の要部を示す側面図である。
【図11】本発明による実施形態5の照明器具の第1の光源部であって、(a)は断面図、(b)は外観斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1 主光源
2 器具本体
3 枠
4 第1の光源部
41 第1の可動部
42 第2の可動部
43 軸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明器具は、主光源とは別に複数の副光源を備え、例えば一般住宅の部屋の天井面などに取り付けられるものである。特許文献1には、従来の照明器具として、方形箱状の直接拡散照明ユニットと、この直接拡散照明ユニットの各角隅部に配設された複数のスポットライトとを備える多機能形照明器具が開示されている。各スポットライトは、小型モータによって直接拡散照明ユニットの対角線方向の直下となる範囲を照射する。これにより、特許文献1の多機能形照明器具は、各スポットライトの照射方向を直接拡散照明ユニットの下方に近づけることによって、その範囲のみを周囲より明るくすることができる。
【特許文献1】特開平5−67403号公報(第2,3頁及び第2,5,7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の照明器具は、各スポットライトの照射方向を直接拡散照明ユニットの対角線方向のみ調整可能とするので、照明器具の外側の範囲に対して各スポットライトの照射方向が放射状の方向に発散してしまい、各スポットライトの照射方向を近づけて明るくすることが難しいという問題があった。特に、照明器具を部屋の天井面に設置して壁面の一部の範囲のみを周囲より明るくしたい場合、照明器具から壁面までの距離が長くなると、各スポットライトの照射方向が発散し、上記壁面の一部の範囲のみを周囲より明るくすることが難しいものであった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、自己の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、周囲を照射する主光源を装着可能とする器具本体と、前記器具本体の外周縁部に設けられた枠とを備えるとともに、それぞれが、光を放射する第1の副光源と、前記第1の副光源を収納し、当該第1の副光源からの光が外部に出射するための第1の照射用開口面が形成された第1のケースとを有し、前記枠の中心を通る直線の境界線によって2つの領域に区切られた前記枠の一方の領域に取り付けられ、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記第1の副光源への第1の方向に対して、前記境界線と直交する第2の方向に傾いて角度をなす第3の方向を中心に、前記第1の照射用開口面から外部に出射した前記第1の副光源からの光が照射する複数の第1の光源部を備えることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、複数の第1の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる。これにより、例えば部屋の天井面に設置した場合に、所定の壁面のみを周囲よりも明るくすることができ、ユーザの希望や用途に応じた雰囲気を出すことを可能とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の照射用開口面が可動自在であることを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源による照射方向を調整することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1のケースが、前記第1の副光源を収納し、全方向に予め決められた角度の範囲内で回動自在の第1の可動部と、前記第1の可動部を収納し、当該第1の可動部とともに一の軸回りに揺動自在の第2の可動部とを有することを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源による照射方向を容易に調整することができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の照射用開口面が固定されていることを特徴とする。この構成によれば、複数の第1の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より確実に明るくすることができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、部屋の天井に設置され、複数の前記第1の副光源が、前記部屋の一の壁面を照射可能とすることを特徴とする。この構成によれば、複数の第1の副光源によって壁面の一部を周囲より明るくすることができる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、光を放射する第2の副光源と、前記第2の副光源を収納し、当該第2の副光源からの光が外部に出射するための第2の照射用開口面が形成された第2のケースとを有し、前記枠の他方の領域に取り付けられ、前記第2の照射用開口面から外部に出射した前記第2の副光源からの光が、前記枠の中心軸と略平行する方向を中心に照射する第2の光源部を備えることを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができるとともに、第2の副光源によって照明器具の直下の範囲も明るくすることができる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第1の光源部及び前記第2の光源部が、前記枠に等間隔に取り付けられて備えることを特徴とする。この構成によれば、第1の光源部及び第2の光源部を等間隔に取り付けることによって、デザイン性を向上させることができる。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記器具本体が、部屋の天井面に密着して取り付けられて回動自在とすることを特徴とする。この構成によれば、第1の副光源による照射方向を所定の範囲に容易に向けることができる。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、一対の前記第1の光源部が、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記境界線と直交する直線に関して線対称となるように前記枠の一方の領域に取り付けられることを特徴とする。この構成によれば、デザイン性を向上させることができるとともに、照明器具の外側となる所定の範囲を対称に明るくすることができる。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記枠の中心軸方向から見て、前記第1の方向と前記第3の方向とでなされた角度が、前記第1の方向と前記第2の方向とでなされた角度より小さいことを特徴とする。この構成によれば、照明器具の外側となる所定の範囲にある物体に対して中央部を薄暗くした状態で両側部を明るくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の副光源によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜6を用いて説明する。図1〜3,5は、実施形態1の照明器具を示す図である。図4は、実施形態1の第1の光源部を示す図である。図6は、実施形態1の照明器具を部屋に取り付けた状態を示す図である。
【0018】
まず、実施形態1の基本的な構成について説明する。実施形態1の照明器具は、図1に示すように、主光源1と、器具本体2と、枠3と、2つの第1の光源部4,4と、1つの第2の光源部5とを備え、住宅構造材である部屋6の天井面60(図6(a)参照)に取り付けられたものである。
【0019】
主光源1は、例えば2つの丸型蛍光灯などであり、リモコン送信器(図示せず)への操作によって点灯及び消灯を行って周囲を照射する。また、必要に応じて調光されて点灯する。なお、主光源1は丸型蛍光灯に限定されるものではなく、直管蛍光灯などの他の形状の蛍光灯や発光ダイオードなどであってもよい。
【0020】
器具本体2は、図2に示すように、例えば樹脂成形などによって有底筒状に形成されたものであり、底面部20と、底面部20の外周縁部から延設された側面部21とを備え、例えば引掛シーリング取り付け方式などによって部屋6の天井面60(図6(a)参照)に密着して取り付けられ、周方向の回動によって所定の向きに合わせられる。また、器具本体2には、透明又は白色(乳白色)の透光性材料によって形成されたカバー22(図1参照)が取り付けられる。底面部20は、円状に形成されたものであり、主光源1(図1参照)を装着するコネクタ(図示せず)を備えている。これにより、器具本体2は、主光源1を装着可能とする。また、底面部20には、電源と接続する接続線(図示せず)を天井面60から引き込むための貫通孔(図示せず)が形成されている。一方、側面部21は、先端部210の外径が基端部211の外径より長くなるように、段差部212を有して略筒状に形成されたものである。
【0021】
枠3は、例えば樹脂成形などによって円環状に形成され、器具本体2の先端部210の外周縁部に延設されたものである。この枠3は、図3に示すように、中心軸30と直交する境界線31によって第1の領域32と第2の領域33に区切られている。第1の領域32の外周部320には、2つの凹部321,321が120°離れて形成されている。一方、第2の領域33の外周部330には、1つの凹部331が各凹部321と120°離れて形成されている。
【0022】
各凹部321の近傍には、図2に示すように、上方向に突設する一対の突設部322,322が、枠3の半径方向との間の軸角度(図3参照)が115°になるように設けられている。また、凹部331の近傍にも、上方向に突設する一対の突設部(図示せず)が、枠3の半径方向との間の軸角度(図3参照)が90°になるように設けられる。各突設部322には、凹部323が形成されている。凹部331の近傍にある一対の突設部にも、凹部323と同様の凹部(図示せず)が形成されている。
【0023】
また、上記枠3には止め具35が取り付けられる。この止め具35は、例えば樹脂成形などによって器具本体2及び枠3の外壁面に沿った形状に形成されたものであり、第1の光源部4(第2の光源部5)を枠3に取り付けるときに用いられる。
【0024】
第1の光源部4のそれぞれは、図4(a)に示すように、光を放射する発光ダイオード(第1の副光源)(以下「LED」という)40と、第1の可動部41と、第2の可動部42と、軸部43とを備え、枠3の凹部321(図2参照)に取り付けられる。つまり、第1の光源部4は、第1の領域32に取り付けられることになる。
【0025】
LED40は、LED基板400と一体になって設けられている。このLED40は、リモコン送信器(図示せず)への操作によって点灯又は消灯を行う。また、必要に応じて調光されて点灯する。
【0026】
第1の可動部41は、上本体410と、下本体411とから構成されている。上本体410は、例えば樹脂成形などによって略半球状に形成されている。この上本体410は、上端の内壁面から下方向に突設された複数の突設部412,412を備えている。一方、下本体411は、例えば樹脂成形などによって略筒状に形成されている。この下本体411は、内壁面から上方向に突設された複数の突設部413を備えている。また、下本体411の下端には、略円状の照射用開口面(第1の照射用開口面)414が形成されている。この照射用開口面414には、レンズ415が取り付けられている(図4(b)参照)。このような第1の可動部41は、上本体410の突設部412,412と下本体411の突設部413によって、LED40及びLED基板400を挟持して収納し、LED40とともに光源ユニット部を構成する。
【0027】
第2の可動部42は、2つの外郭部材420,421とから構成されている。外郭部材420は、例えば樹脂成形などによって略半球状に形成されたものである。この外郭部材420には、上端に貫通孔422(図4(c)参照)が形成されている。また、外郭部材420は、上端の内壁面から下方向に突設された突設部423を備えている。この突設部423の先端には板ばね424が取り付けられている。この板ばね424は、第2の可動部42が第1の可動部41を収納したときに、第1の可動部41が上方に移動するのを防止するものである。一方、外郭部材421は、例えば樹脂成形などによって略筒状に形成されたものであり、下端において内側に屈曲して設けられた回転止め部425を備えている。上記第2の可動部42は、外郭部材420,421によって第1の可動部41を挟み込んで収納している。このとき、第2の可動部42は、回転止め部425によって第1の可動部41の落下を防止するとともに回動範囲を制御している。第2の可動部42に収納された第1の可動部41は、図5に示すように、手動によって、全方向に48°の範囲内で回動自在となる。
【0028】
軸部43は、図4(a)に示すように、例えば樹脂成形などによって形成されたものであり、円柱部430と、2つの突条部431,431とを備えている。この軸部43は、外郭部材420,421によって一端部が挟持されて固定されている。上記軸部43が枠3に取り付けられたときに、第2の可動部42は、図5に示すように、手動によって、第1の可動部41とともに軸部43の回りに外側方向に60°、内側方向に10°揺動自在となる。
【0029】
ここで、第1の光源部4の枠3への取り付け方法について説明する。まず、図2に示すように、軸部43を枠3の突設部322の凹部323に嵌合し、第2の可動部42を枠3の凹部321に嵌合する。続いて、止め具35を上方向から被せて枠3に嵌め合わせる。上記より、第1の光源部4を枠3に取り付けることができる。これにより、図6(b)に示すように、枠3の中心軸30(図3参照)の方向から見て、一対の第1の光源部4,4が、枠3の中心から境界線31と直交する直線に関して線対称となるように枠3の第1の領域32に取り付けられることになる。また、第1の光源部4を枠3に取り付けた状態において、照射用開口面414の法線(図6(b)の矢印)は、枠3の中心とLED40を結ぶ直線45に対して、境界線31と直交する直線46側に傾いて角度をなすように手動によって調整されることが可能となる。直線45と照射用開口面414の法線方向とでなされた角度は、直線45と直線46とでなされた角度より小さい。照射用開口面414から外側に出射したLED40からの光は、上記照射用開口面414の法線方向を中心に照射する。
【0030】
第2の光源部5は、図4(a)に示すように、第1の光源部4と同様に、光を放射するLED(第2の副光源)50と、第1の可動部51と、第2の可動部52と、軸部53とを備え、枠3の凹部331(図3参照)に取り付けられる。つまり、第2の光源部5は、図3に示すように、第2の領域33に取り付けられることになる。これにより、第2の光源部5と2つの第1の光源部4,4は、枠3の周方向に120°ごとに等間隔に取り付けられることになる。
【0031】
LED50は、図4(a)に示すように、第1の光源部4のLED40と同様に、リモコン送信器(図示せず)への操作によって点灯又は消灯を行う。また、必要に応じて調光されて点灯する。第1の可動部51には、第1の光源部4の第1の可動部41と同様に、照射用開口面(第2の照射用開口面)510が形成されている。この第1の可動部51は、第1の可動部41と同様に、LED50を挟持して収納し、LED50とともに光源ユニット部を構成する。第2の可動部52は、図3に示すように、軸部53と枠3の半径方向との間の軸角度が90°になるように取り付けられる。この第2の可動部52は、図5に示すように、手動によって、第1の可動部51と同様に、軸部53(図3参照)の回りを外側方向に60°、内側方向に10°揺動自在となる。
【0032】
ここで、第2の光源部5の枠3への取り付け方法は、第1の光源部4の枠3への取り付け方法と同様であり、まず、図3に示すように、軸部53を枠3の突設部の凹部(図示せず)に嵌合し、第2の可動部52を枠3の凹部331に嵌合する。続いて、止め具35(図2参照)を上方向(図3の奥から手前方向)から被せて枠3に嵌め合わせる。上記より、第2の光源部5を枠3に取り付けることができる。第2の光源部5を枠3に取り付けた状態において、図6(a)に示すように、照射用開口面510の法線(図6(a)の下方向の矢印)は、枠3の中心軸30(図3参照)と略平行に調整されることが可能となる。つまり、手動によって、第2の光源部5が可動して、上記照射用開口面510の法線を照明器具の直下方向にすることができる。照射用開口面510から外部に出射したLED50からの光は、上記照射用開口面510の法線方向を中心に照射する。
【0033】
次に、実施形態1の照明器具を部屋6に取り付けた場合について図6を用いて説明する。なお、部屋6は、図6(a)に示すような一般的なものであり、壁面61の近くにテレビ62が置かれ、テレビ62に対向する位置に、テレビ鑑賞者が座る椅子63及びテーブル64が置かれている。この部屋の大きさは、照明器具の中心から壁面61までが2.7メートルであり、高さが2.4メートルである。照明器具は、引掛シーリング取り付け方式によって天井面60に取り付けられ、テレビ62のサイズや設置場所に応じて自由に回動させて向きの調整が行われる。
【0034】
まず、テレビ62を鑑賞する以外の場合では、リモコン送信器(図示せず)への点灯操作によって主光源1のみが点灯したり、主光源1及びLED40,50(図4(a)参照)の両方が点灯したりする。必要に応じて、主光源1又はLED40,50が調光されて点灯する。また、外出時や就寝時には、リモコン送信器への消灯操作によって、主光源1及びLED40,50が消灯する。
【0035】
これに対して、テレビ62を鑑賞する場合、臨場感を出すためにテレビ62の周囲のみを明るくすることが多く、第1の光源部4のLED40(図4(a)参照)のそれぞれによって範囲65,65を明るくする。これらの範囲65は、部屋6の天井面60側から見ると、図6(b)に示すように、テレビ62の両側に位置している。第1の光源部4の軸部43が枠3の半径と直交する方向から25°傾いていること、及び第1の可動部41によって24°回動すること(図5参照)によって、上記範囲65を直線45から最大49°傾かせることができる。また、テレビ鑑賞者はテレビ62を鑑賞している間に手元を明るくしたいときがある。このような場合、図6(a)に示すように、第2の光源部5のLED50(図4(a)参照)によって、テレビ鑑賞者の手元となる範囲66が照射される。
【0036】
上記より、テレビ62を鑑賞する場合、基本的に部屋6を薄暗くして、第1の光源部4のLED40(図4(a)参照)によってテレビ62の周囲の壁面を含む範囲65のみを明るくすることができる。これにより、臨場感を出すことができる。また、テレビ鑑賞者の手元を明るくしたいときにも、第2の光源部5のLED50(図4(a)参照)によって照射することができる。
【0037】
以上、実施形態1によれば、部屋6を薄暗く保ちながら、2つの第1の光源部4のLED40によって照明器具の外側となる所定の範囲65を周囲より明るくすることができる。これにより、臨場感を出すなどのユーザの希望や用途に応じた雰囲気を出すことを可能とする。また、第2の光源部5のLED50によって照明器具の直下の範囲66を周囲より明るくすることができる。さらに、第1の光源部4の外郭部材40の揺動及び第1の可動部41の回動、及び器具本体2の回動によって、第1の光源部4のLED40による照射方向を容易に調整することができる。これにより、テレビ62のサイズや設置場所に関わらず、テレビ62の設置方向に照射されるように照明器具を取り付けることができる。
【0038】
上記に追加して、2つの第1の光源部4,4及び第2の光源部5を枠3に等間隔に取り付けることによって、デザイン性を向上させることができる。また、第1の光源部4及び第2の光源部5の副光源としてLED40,50を備えているので、より一層の小型化を図ることができるとともに、幅の薄い枠3に配置することができるので、薄型で器具本体2と一体感のあるすっきりとしたデザインとすることができる。
【0039】
さらに、一対の第1の光源部4,4が、枠3の中心軸30の方向から見て、枠3の中心から境界線と直交する直線46に関して線対称となるように枠3の第1の領域32に取り付けられているので、デザイン性を向上させることができるとともに、照明器具の外側となる所定の範囲を対称に明るくすることができる。また、枠3の中心軸30の方向から見て、直線45と照射用開口面414の法線方向とでなされた角度が、直線45と直線46とでなされた角度より小さいので、壁面61近傍にあるテレビ62などの物体に対して中央部を薄暗くした状態で両側部を明るくすることができる。
【0040】
なお、実施形態1の変形例として、器具本体が、角形など、円形以外の形状であってもよい。このような構成にしても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、実施形態1の他の変形例として、実施形態1の部屋より大きい部屋又は小さい部屋に照明器具を取り付けてもよい。このようにしても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図7,8を用いて説明する。図7,8は、実施形態2の照明器具の要部を示す図である。
【0043】
実施形態2の照明器具は、実施形態1の照明器具(図1参照)と同様に、主光源1と、器具本体2と、2つの第1の光源部4,4と、1つの第2の光源部5とを備えているが、実施形態1の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0044】
実施形態2の照明器具は、実施形態1の枠に代えて、図7,8に示すような枠3aを備えている。枠3aには、凹部ではなく、貫通孔34が第1の領域32(図3参照)に2つ形成され、第2の領域33(図3参照)に1つ形成されている。これら3つの貫通孔34は、それぞれ120°離れて形成されている。上記貫通孔34には、第1の光源部4又は第2の光源部5(図4(a)参照)が取り付けられている。なお、枠3aは、上記以外の点において、実施形態1の枠3(図1参照)と同様である。
【0045】
以上、実施形態2であっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0046】
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図9を用いて説明する。図9は、実施形態3の照明器具の要部を示す図である。
【0047】
実施形態3の照明器具は、実施形態1の照明器具(図1参照)と同様に、主光源1と、器具本体2とを備えているが、実施形態1の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0048】
実施形態3の照明器具は、実施形態1の枠、第1の光源部及び第2の光源部に代えて、図9に示すような枠3b、第1の光源部4a及び第2の光源部(図示せず)を備えている。枠3bには、凹部ではなく、貫通孔が第1の領域32(図3参照)に2つ形成され、第2の領域33(図3参照)に1つ形成されている。これら3つの貫通孔は、120°それぞれ離れて形成されている。なお、枠3bは、上記以外の点において、実施形態1の枠3(図1参照)と同様である。
【0049】
一方、第1の光源部4aは、上方で軸部43(図3参照)と接続する第2の可動部42aを備えている。なお、実施形態3の第2の光源部は、第1の光源部4aと同様の構成である。また、第1の光源部4a及び第2の光源部(図示せず)は、上記以外の点において、実施形態1の第1の光源部4及び第2の光源部5(図1参照)と同様である。
【0050】
以上、実施形態3であっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(実施形態4)
本発明の実施形態4について図10を用いて説明する。図10は、実施形態4の照明器具の要部を示す図である。
【0052】
実施形態4の照明器具は、実施形態3の照明器具(図1,9参照)と同様に、主光源1と、器具本体2と、枠3bとを備えているが、実施形態3の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0053】
実施形態4の照明器具は、実施形態3の第1の光源部及び第2の光源部に代えて、図10に示すような第1の光源部7及び第2の光源部(図示せず)を備えている。第1の光源部7は、実施形態3の第1の光源部のように可動するものではなく、照射用開口面(第1の照射用開口面)70が固定されたものである。つまり、第1の光源部7の照射範囲は常に一定である。上記より、第1の光源部7は、軸部などを設ける必要がなく安定に固定することができる。なお、実施形態4の第2の光源部は、第1の光源部7と同様の構成である。
【0054】
以上、実施形態4によれば、第1の光源部7が固定されることによって、照射用開口面70が固定されている場合であっても、実施形態1と同様に、第1の光源部7のLED(図示せず)によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より確実に明るくすることができる。
【0055】
(実施形態5)
本発明の実施形態5について図11を用いて説明する。図11は、実施形態5の第1の光源部を示す図である。
【0056】
実施形態5の照明器具は、実施形態1の照明器具(図1参照)と同様に、主光源1と、器具本体2と、枠3とを備えているが、実施形態1の照明器具にはない以下に記載の特徴部分がある。
【0057】
実施形態5の照明器具は、実施形態1の2つの第1の光源部及び第2の光源部に代えて、図11(a),(b)に示すような第1の光源部8を2つ、第2の光源部(図示せず)を1つ備えている。第1の光源部8のそれぞれは、光を放射するミニクリプトン電球(第1の副光源)80と、第2の可動部81と、反射鏡82と、軸部83とを備え、枠3の凹部321(図2参照)に取り付けられる。なお、実施形態5の第2の光源部は、第1の光源部8と同様の構成である。
【0058】
第2の可動部81は、例えば樹脂成形などによって有底筒状に形成されたものであり、底面部810にソケット811を備えている。このソケット811は、ミニクリプトン電球80を螺合によって取り付けるものである。また、第2の可動部81の下端には、略円状の照射用開口面(第1の照射用開口面)812が形成されている。
【0059】
反射鏡82は、アルミニウム板によって略半球状に形成されたものであり、内側が銀色の鏡面仕上げが施されている。この反射鏡82には、上部にソケット811と嵌合する嵌合孔820が形成されている。上記反射鏡82は、ミニクリプトン電球80の一部を覆うように設けられている。
【0060】
軸部83は、実施形態1の軸部43(図4(a)参照)と同様の構成であり、円柱部830と、2つの突条部831,831とを備えている。この軸部83は、第2の可動部81の側面部813の底面部810側(図11(a)の上側)に一端部が取り付けられて固定されている。上記軸部83が枠3の一対の突設部322,322(図2参照)に取り付けられたときに、第2の可動部81は、手動によって、軸部83の中心軸832の回りに揺動自在となる。また、実施形態1と同様に、一対の突設部322,322が、枠3の半径方向との間の角度が115°になるように設けられているので、軸部83の中心軸832は枠3の半径方向との軸角度が115°となる(図3参照)。一方、凹部331(図3参照)の近傍にある一対の突設部が、枠3の半径方向との間の角度が90°になるように設けられているので、実施形態5の第2の光源部における軸部の中心軸は枠3の半径方向との角度が90°となる(図3参照)。
【0061】
ここで、ミニクリプトン電球80からの光の光路について説明する。このミニクリプトン電球80からの光の一部は、直接、照射用開口面812から外部に出射する。一方、ミニクリプトン電球80からの光の残部は、まず反射鏡82に向かって出射し、この反射鏡82で反射されて照射用開口面812から外部に出射する。上記より、いずれの光も照射用開口面812から外部を照射することになる。
【0062】
以上、実施形態5によれば、第1の光源部8のようにミニクリプトン電球80の周囲に反射鏡82が設けられたものであっても、ミニクリプトン電球80からの光が照射用開口面81から外部を照射することができる。これにより、2つの第1の光源部8のミニクリプトン電球80によって照明器具の外側となる所定の範囲を周囲より明るくすることができる。
【0063】
なお、実施形態1〜5の変形例として、3つ以上の第1の光源部を備えるものであってもよい。このような構成にすると、照明器具の外側となる所定の範囲を周囲に対してより明るく照射することができる。
【0064】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、副光源としてLEDに代えて、白熱灯などを用いてもよい。このような構成にしても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【0065】
さらに、実施形態1〜5の他の変形例として、第1の光源部及び第2の光源部において、第1の照射用開口面及び第2の照射用開口面の可動範囲、並びに第1の副光源及び第2の副光源の色温度を、目的や用途に応じて適宜設定したものであってもよい。例えば、第1の照射用開口面の可動範囲を60°とし、第2の照射用開口面の可動範囲を10°としてもよい。また、第1の副光源を電球色とし、第2の副光源を白色としてもよい。このようにしても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、枠の第1の領域に、第1の光源部とは異なる別の光源部を第1の光源部とともに備えてもよい。この別の光源部は、例えば第2の光源部と同様の構成や、照射方向が直下方向に固定された構成などであり、目的や用途に応じて適宜設定されるものである。このような別の光源部を備えているとしても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、枠は円環状のものに限定されるものではなく、目的や用途に応じて、例えば三角形や四角形など他の形状のものであってもよい。このような枠の形状であっても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による実施形態1の照明器具の外観斜視図である。
【図2】同上の照明器具の要部を示す分解斜視図である。
【図3】同上の照明器具の下面図である。
【図4】同上の照明器具の第1の光源部であって、(a)は断面図、(b)は下面図、(c)は上面図である。
【図5】同上の照明器具の要部を示す側面図である。
【図6】同上の照明器具を部屋に取り付けた状態であって、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【図7】本発明による実施形態2の照明器具の要部を示す下面図である。
【図8】同上の照明器具の要部を示す側面図である。
【図9】本発明による実施形態3の照明器具の要部を示す側面図である。
【図10】本発明による実施形態4の照明器具の要部を示す側面図である。
【図11】本発明による実施形態5の照明器具の第1の光源部であって、(a)は断面図、(b)は外観斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1 主光源
2 器具本体
3 枠
4 第1の光源部
41 第1の可動部
42 第2の可動部
43 軸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲を照射する主光源を装着可能とする器具本体と、
前記器具本体の外周縁部に設けられた枠と
を備えるとともに、
それぞれが、光を放射する第1の副光源と、前記第1の副光源を収納し、当該第1の副光源からの光が外部に出射するための第1の照射用開口面が形成された第1のケースとを有し、前記枠の中心を通る直線の境界線によって2つの領域に区切られた前記枠の一方の領域に取り付けられ、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記第1の副光源への第1の方向に対して、前記境界線と直交する第2の方向に傾いて角度をなす第3の方向を中心に、前記第1の照射用開口面から外部に出射した前記第1の副光源からの光が照射する複数の第1の光源部を備える
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記第1の照射用開口面が可動自在であることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記第1のケースが、
前記第1の副光源を収納し、全方向に予め決められた角度の範囲内で回動自在の第1の可動部と、
前記第1の可動部を収納し、当該第1の可動部とともに一の軸回りに揺動自在の第2の可動部と
を有することを特徴とする請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記第1の照射用開口面が固定されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項5】
部屋の天井に設置され、
複数の前記第1の副光源が、前記部屋の一の壁面を照射可能とする
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の照明器具。
【請求項6】
光を放射する第2の副光源と、前記第2の副光源を収納し、当該第2の副光源からの光が外部に出射するための第2の照射用開口面が形成された第2のケースとを有し、前記枠の他方の領域に取り付けられ、前記第2の照射用開口面から外部に出射した前記第2の副光源からの光が、前記枠の中心軸と略平行する方向を中心に照射する第2の光源部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の照明器具。
【請求項7】
前記第1の光源部及び前記第2の光源部が、前記枠に等間隔に取り付けられて備えることを特徴とする請求項6記載の照明器具。
【請求項8】
前記器具本体が、部屋の天井面に密着して取り付けられて回動自在とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の照明器具。
【請求項9】
一対の前記第1の光源部が、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記境界線と直交する直線に関して線対称となるように前記枠の一方の領域に取り付けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の照明器具。
【請求項10】
前記枠の中心軸方向から見て、前記第1の方向と前記第3の方向とでなされた角度が、前記第1の方向と前記第2の方向とでなされた角度より小さいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の照明器具。
【請求項1】
周囲を照射する主光源を装着可能とする器具本体と、
前記器具本体の外周縁部に設けられた枠と
を備えるとともに、
それぞれが、光を放射する第1の副光源と、前記第1の副光源を収納し、当該第1の副光源からの光が外部に出射するための第1の照射用開口面が形成された第1のケースとを有し、前記枠の中心を通る直線の境界線によって2つの領域に区切られた前記枠の一方の領域に取り付けられ、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記第1の副光源への第1の方向に対して、前記境界線と直交する第2の方向に傾いて角度をなす第3の方向を中心に、前記第1の照射用開口面から外部に出射した前記第1の副光源からの光が照射する複数の第1の光源部を備える
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記第1の照射用開口面が可動自在であることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記第1のケースが、
前記第1の副光源を収納し、全方向に予め決められた角度の範囲内で回動自在の第1の可動部と、
前記第1の可動部を収納し、当該第1の可動部とともに一の軸回りに揺動自在の第2の可動部と
を有することを特徴とする請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記第1の照射用開口面が固定されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項5】
部屋の天井に設置され、
複数の前記第1の副光源が、前記部屋の一の壁面を照射可能とする
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の照明器具。
【請求項6】
光を放射する第2の副光源と、前記第2の副光源を収納し、当該第2の副光源からの光が外部に出射するための第2の照射用開口面が形成された第2のケースとを有し、前記枠の他方の領域に取り付けられ、前記第2の照射用開口面から外部に出射した前記第2の副光源からの光が、前記枠の中心軸と略平行する方向を中心に照射する第2の光源部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の照明器具。
【請求項7】
前記第1の光源部及び前記第2の光源部が、前記枠に等間隔に取り付けられて備えることを特徴とする請求項6記載の照明器具。
【請求項8】
前記器具本体が、部屋の天井面に密着して取り付けられて回動自在とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の照明器具。
【請求項9】
一対の前記第1の光源部が、前記枠の中心軸方向から見て、当該枠の中心から前記境界線と直交する直線に関して線対称となるように前記枠の一方の領域に取り付けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の照明器具。
【請求項10】
前記枠の中心軸方向から見て、前記第1の方向と前記第3の方向とでなされた角度が、前記第1の方向と前記第2の方向とでなされた角度より小さいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−214096(P2007−214096A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35692(P2006−35692)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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