説明

照明器具

【課題】容易に調光可能な照明器具を提供する。
【解決手段】両方向に回転可能なダイヤル部10と、ダイヤル部10にかけ回され、ダイヤル部10を回転させるための輪状の操作紐20と、ダイヤル部10の回転に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を有し、その可変抵抗に応じて制御回路は蛍光灯30a,30bの明るさを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、特に、調光技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、照明器具は、一般家庭に限らず、会社、企業団体、店舗等を含めた社会全体において必要不可欠なものである。このような照明器具としては、蛍光灯や白熱灯等が用いられており、また、可変抵抗を用いたり、点灯する蛍光灯や白熱灯の数を変えたりすることにより調光することも行われている。
【0003】
このような照明器具においては、ON/OFFや、上述した調光を引き紐を用いて行うものがあり、引き紐を引く度に、ON/OFFが切り替わったり、光の明るさが変わったりする(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−340617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように引き紐を有する照明器具においては、引き紐を引くという動作のみによってON/OFFが切り替わったり、光の明るさが変わったりするものであるため、光の明るさは一方向のみに変化していくことになる。そのため、例えば、10段の調光を有する照明器具の10段目の明るさを設定する場合、引き紐を9回引かなければならず、手間がかかってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、容易に調光可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
両方向に回転可能なダイヤル部と、
前記ダイヤル部にかけ回され、該ダイヤル部を回転させるための輪状の操作紐と、
前記ダイヤル部の回転に応じて明るさが変化する照明部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明においては、ダイヤル部にかけ回された操作紐を、ダイヤル部が所望の明るさに応じた方向に回転するように引くことにより調光することになるため、調光が容易なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の照明器具の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は(a)に示したダイヤル部10と操作紐20との関係を示す図である。
【0010】
本形態は図1(a)に示すように、照明部を構成する2つの蛍光灯30a,30bと、蛍光灯30a,30bのON/OFF及び明るさを設定するための操作紐20と、操作紐20がかけ回されたダイヤル部10とを有している。
【0011】
ダイヤル部10は図1(b)に示すように、周囲に等間隔で凸部11を有し、両方向に回転可能となっている。操作紐20は、輪状となっており、図1(b)に示すように、等間隔で係合部21が設けられている。この係合部21は、ダイヤル部10の凸部11間に係合する形状となっており、そのため、凸部11のピッチと係合部21のピッチとが同一となっている。この操作紐20の係合部21がダイヤル部10の凸部11間に係合することにより、輪状となった操作紐20の左右いずれか一方を下方に引くことによって、ダイヤル部10がそれに応じた方向に回転するようになっている。
【0012】
図2は、図1に示した照明器具の機能ブロック図である。
【0013】
図1に示した照明器具は図2に示すように、可変抵抗40及び制御回路50を有している。可変抵抗40は、ダイヤル部10の回転と連動しており、ダイヤル部10の回転によって抵抗値が変化する。制御回路50は、可変抵抗40の抵抗値に応じて2つの蛍光灯30a,30bの明るさをそれぞれ制御する。
【0014】
以下に、上記のように構成された照明器具の動作について説明する。
【0015】
上記のように構成された照明器具において、輪状となった操作紐20の左右いずれか一方を下方に引くと、ダイヤル部10がそれに応じた方向に回転する。すると、可変抵抗40の抵抗値がダイヤル部10の回転に連動して変化し、制御回路50における制御によって、蛍光灯30a,30bのそれぞれが可変抵抗40の抵抗値に応じた明るさに点灯する。例えば、蛍光灯30a,30bの明るさが可変抵抗40の抵抗値に応じてそれぞれ4段階に変化するものとする。ダイヤル部10がある状態では、蛍光灯30a,30bが消灯しており、その状態からダイヤル部10が時計回りに回転すると、ダイヤル部10の回転に伴って可変抵抗40の抵抗値が変化し、まず、蛍光灯30a,30bがそれぞれ最も明るい明るさに点灯する。その後、ダイヤル部10が時計回りに回転していくと、蛍光灯30a,30bの明るさがそれぞれ4段階に暗くなっていき、最終的には蛍光灯30a,30bがそれぞれ消灯した状態に戻る。また、蛍光灯30a,30bが消灯した状態からダイヤル部10が反時計回りに回転すると、ダイヤル部10の回転に伴って可変抵抗40の抵抗値が変化し、まず、蛍光灯30a,30bがそれぞれ最も暗い明るさに点灯する。その後、ダイヤル部10が反時計回りに回転していくと、蛍光灯30a,30bの明るさがそれぞれ4段階に明るくなっていき、最終的には蛍光灯30a,30bの明るさがそれぞれ最も明るくなり、さらにダイヤル部10が反時計回りに回転すると、蛍光灯30a,30bがそれぞれ消灯した状態に戻る。
【0016】
このように、本形態における照明器具においては、ダイヤル部10が両方向に回転可能となっており、操作紐20の左右いずれか一方を下方に引くことによるダイヤル部10の回転に応じて蛍光灯30a,30bの明るさが変化していくため、蛍光灯30a,30bの明るさの調整が連続調光となり、所望の明るさに設定する際に操作紐20を引く回数を削減することができる。
【0017】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の照明器具の第2の実施の形態を示す外観図である。
【0018】
本形態は図3に示すように、照明部を構成する照明部材である4つの白熱灯60a〜60dと、白熱灯60a〜60dのON/OFFを設定するための操作紐20と、操作紐20がかけ回されたダイヤル部10とを有している。
【0019】
ダイヤル部10と操作紐20の構造は図1に示したものと同様であり、ダイヤル部10と操作紐20の関係も図1に示したものと同様である。
【0020】
図4は、図3に示した照明器具の機能ブロック図である。
【0021】
図3に示した照明器具は図4に示すように、白熱灯60a〜60dのON/OFFをそれぞれ切り替えるための4つのスイッチ71a〜71dを具備するスイッチ部70を有している。この4つのスイッチ71a〜71dはそれぞれ、ダイヤル部10の回転によってON/OFFが切り替えられる。
【0022】
以下に、上記のように構成された照明器具の動作について説明する。
【0023】
上記のように構成された照明器具において、輪状となった操作紐20の左右いずれか一方を下方に引くと、ダイヤル部10がそれに応じた方向に回転する。すると、スイッチ部70を構成するスイッチ71a〜71dのON/OFFがダイヤル部10の回転に連動して切り替わり、白熱灯60a〜60dがスイッチ71a〜71dのON/OFF状態に応じて点灯する。例えば、ダイヤル部10がある状態では、スイッチ71a〜71dの全てがOFFとなっており、白熱灯60a〜60dが全て消灯している。この状態からダイヤル部10が時計回りに回転すると、ダイヤル部10の回転に伴ってスイッチ71a〜71dの全てがONとなり、それにより、白熱灯60a〜60dが全て点灯する。その後、ダイヤル部10が時計回りに回転していくと、スイッチ71a〜71dが順次OFFになっていき、それにより、白熱灯60a〜60dが順次消灯していく。そして、最終的にはスイッチ71a〜71dの全てがOFFとなり、それにより、白熱灯60a〜60dが全て消灯した状態に戻る。また、白熱灯60a〜60dが全て消灯した状態からダイヤル部10が反時計回りに回転すると、まず、スイッチ71dのみがONとなり、それにより、白熱灯60dのみが点灯する。その後、ダイヤル部10が反時計回りに回転していくと、スイッチ71c,71b,71aが順次ONになっていき、それにより、白熱灯60c,60b,60aが順次点灯していき、最終的にはスイッチ71a〜71dの全てがONとなり、それにより、白熱灯60a〜60dが全て点灯した状態となる。そして、さらにダイヤル部10が反時計回りに回転すると、スイッチ71a〜71dの全てがOFFとなり、それにより、白熱灯60a〜60dが全て消灯した状態に戻る。
【0024】
このように、本形態における照明器具においては、ダイヤル部10が両方向に回転可能となっており、操作紐20の左右いずれか一方を下方に引くことによるダイヤル部10の回転に応じて白熱灯60a〜60dのうち点灯する白熱灯の数が変化するため、白熱灯60a〜60dを用いた明るさの調整が連続調光となり、所望の明るさに設定する際に操作紐20を引く回数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の照明器具の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は外観図、(b)は(a)に示したダイヤル部と操作紐との関係を示す図である。
【図2】図1に示した照明器具の機能ブロック図である。
【図3】本発明の照明器具の第2の実施の形態を示す外観図である。
【図4】図3に示した照明器具の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0026】
10 ダイヤル部
11 凸部
20 操作紐
21 係合部
30a,30b 蛍光灯
40 可変抵抗
50 制御回路
60a〜60d 白熱灯
70 スイッチ部
71a〜71d スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両方向に回転可能なダイヤル部と、
前記ダイヤル部にかけ回され、該ダイヤル部を回転させるための輪状の操作紐と、
前記ダイヤル部の回転に応じて明るさが変化する照明部とを有する照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記ダイヤル部の回転によって抵抗値が変化する可変抵抗を有し、
前記照明部は、前記可変抵抗の抵抗値に応じて明るさが変化する照明器具。
【請求項3】
請求項1に記載の照明器具において、
前記照明部は、複数の照明部材からなり、
前記ダイヤルの回転に応じて前記複数の照明部材のうち点灯する照明部材の数を設定するスイッチ部を有する照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−205838(P2009−205838A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44384(P2008−44384)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】