説明

照明器具

【課題】無駄な電力消費を回避して省エネルギーを実現することができる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、交流電源ACから供給された交流を直流に変換する整流回路11と、整流回路11の出力を昇圧する昇圧回路13と、昇圧回路13から出力された直流を高周波交流に変換してランプLpに供給するインバータ回路16と、ランプLpに供給する第1定格電力または第2定格電力のいずれが選定されているかを示す定格電力選定信号Sg23を生成する定格電力選定回路23と、定格電力選定信号Sg23に基づいて第1定格電力または第2定格電力のいずれかを特定する定格電力特定回路25とを備え、定格電力特定回路25は、特定した第1定格電力または第2定格電力のいずれかに対応させて昇圧回路13およびインバータ回路16を制御する構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ回路を適用してランプに電力を供給する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具は、人類の生活に必要不可欠な製品であり、多種多用の場面で活用されている。また、使用状況に応じた光強度を確保するために調光機能を併せて持たせた照明器具が多く採用されるようになっている。
【0003】
図5は、従来の照明器具の概略構成を示す回路ブロック図である。
【0004】
従来例に係る照明器具は、交流電源ACから供給された交流を直流に変換する整流回路111と、整流回路111の出力を昇圧する昇圧回路113と、昇圧回路113から出力された直流を高周波交流に変換してランプLpに供給するインバータ回路116とを備える。整流回路111は、例えば全波整流回路で構成され、昇圧回路113は、例えばチョッパー昇圧回路で構成される。また、インバータ回路116は、周波数調整回路117によって出力される高周波交流の周波数を変更する構成とされ、周波数を変更してランプLpに供給する電力を変更することによって調光する形態とされている。
【0005】
従来例に係る照明器具は、リモコン端末器(不図示)からの調光用の光信号を受信するリモコン受光回路120と、リモコン受光回路120が受信した光信号に基づいてランプLpへ供給する電力を調整する調光回路122を備える。したがって、照明器具は、定格電力に対する比率を調整した調光電力(例えば100%出力〜0%出力)をランプLpへ供給する構成とされ、リモコン制御による光強度の調整(調光)を容易に実行することができる構成とされている。
【0006】
しかしながら、従来の照明器具では、定格電力は単一の設計とされていることから、単に調光制御によって調光電力を変更し、光強度を調整することができるだけであり、調光操作が煩雑になるという問題、使用環境に応じた適切な調光強度の設定が困難であり、また、設置場所によっては不要な電力を消費してしまうという問題が指摘されていた。つまり、調光制御に加えて省エネルギーモードでの動作を要求されるようになっている。
【0007】
なお、調光機能を備えた照明器具を開示した先行文献として、例えば、特許文献1ないし特許文献4が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−66879号公報
【特許文献2】特開平10−64684号公報
【特許文献3】特開2002−373794号公報
【特許文献4】実開昭62−94598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したとおり、従来の照明器具では、調光をすることはできても、定格電力自体を調整することはできないという問題があった。また、定格電力を調整することができないことから、調光の範囲も限られ省エネルギーモードとして十分に機能させることができないという問題があった。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、定格電力を切り替える定格電力選定回路を設けることによって、定格電力を切り替えて使用環境に対応させた光強度を確保し、無駄な電力消費を回避して省エネルギーを実現することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る照明器具は、交流を直流に変換する整流回路と、前記整流回路の出力を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路から出力された直流を高周波交流に変換してランプに供給するインバータ回路とを備えた照明器具であって、前記ランプに供給する第1定格電力または第2定格電力のいずれが選定されているかを示す定格電力選定信号を生成する定格電力選定回路と、前記定格電力選定信号に基づいて前記第1定格電力または前記第2定格電力のいずれかを特定する定格電力特定回路とを備え、前記定格電力特定回路は、特定した前記第1定格電力または前記第2定格電力のいずれかに対応させて前記昇圧回路および前記インバータ回路を制御する構成とされていることを特徴とする。
【0012】
したがって、本発明に係る照明器具は、定格電力選定回路によって第1定格電力および第2定格電力のいずれかを選定させ、選定された第1定格電力および第2定格電力のいずれかに対応させて定格電力特定回路が昇圧回路およびインバータ回路を制御する。つまり、本発明に係る照明器具は、全光状態(全灯状態)の光強度を第1定格電力または第2定格電力に対応させて容易に切り替えることができ、使用環境に応じた光強度を容易に選定することができる。本発明に係る照明器具は、環境に応じた光強度を選定することが可能であることから、無駄な電力消費を回避して省エネルギーを実現することができる。
【0013】
また、本発明に係る照明器具は、供給する定格電力を切り替えて全灯状態を切り替えることから、単一の照明器具で少なくとも2種類の光強度を設定することができるので、照明器具としての仕様内容を拡大して需要範囲(適用範囲)を広げ、汎用性を持たせることが可能となり、延いては製造コストを抑制することができる。
【0014】
また、本発明に係る照明器具では、前記定格電力選定回路は、前記第1定格電力または前記第2定格電力のいずれかの選定を受け付ける選定スイッチを備えることを特徴とする。
【0015】
したがって、本発明に係る照明器具は、定格電力選定信号を容易に生成して定格電力特定回路を正確に機能させ、第1定格電力または第2定格電力の切り替えを容易に、かつ高精度に実行することができる。
【0016】
また、本発明に係る照明器具では、リモコン端末器からの調光用の光信号を受信するリモコン受光回路と、前記リモコン受光回路を収納した受光器筐体とを備え、前記受光器筐体は、前記リモコン受光回路へ光信号を入射させる受光窓を備えて前記受光窓が構成する光軸を変位させるように回動する構成とされていることを特徴とする。
【0017】
したがって、本発明に係る照明器具は、リモコン制御による調光が可能となり、リモコン受光回路へ光信号を入射させる受光窓が構成する光軸を変位させることから、受光感度を容易に、かつ高精度に調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る照明器具は、交流を直流に変換する整流回路と、整流回路の出力を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路から出力された直流を高周波交流に変換してランプに供給するインバータ回路とを備えた照明器具であって、ランプに供給する第1定格電力または第2定格電力のいずれが選定されているかを示す定格電力選定信号を生成する定格電力選定回路と、定格電力選定信号に基づいて第1定格電力または第2定格電力のいずれかを特定する定格電力特定回路とを備え、定格電力特定回路は、特定した第1定格電力または第2定格電力のいずれかに対応させて昇圧回路およびインバータ回路を制御する構成とされていることを特徴とする。
【0019】
したがって、本発明に係る照明器具は、定格電力選定回路によって第1定格電力および第2定格電力のいずれかを選定させ、選定された第1定格電力および第2定格電力のいずれかに対応させて定格電力特定回路が昇圧回路およびインバータ回路を制御する。つまり、本発明に係る照明器具は、全光状態(全灯状態)の光強度を第1定格電力または第2定格電力に対応させて容易に切り替えることができ、使用環境に応じた光強度を容易に選定することができるという効果を奏する。本発明に係る照明器具は、環境に応じた光強度を選定することが可能であることから、無駄な電力消費を回避して省エネルギーを実現することができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明に係る照明器具は、供給する定格電力を切り替えて全灯状態を切り替えることから、単一の照明器具で少なくとも2種類の光強度を設定することができるので、照明器具としての仕様内容を拡大して需要範囲(適用範囲)を広げ、汎用性を持たせることが可能となり、延いては製造コストを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具の概略回路ブロックを示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示した照明器具の定格電力選定回路の詳細構成を示す回路ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る照明器具のランプ面の平面状態を概念的に示す平面図である。
【図4A】図3に示した照明器具の受光器筐体の詳細構成を示す斜視図である。
【図4B】図4Aに示した受光器筐体を分解して示す分解斜視図である。
【図5】従来の照明器具の概略構成を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<実施の形態1>
図1および図2に基づいて、本実施の形態に係る照明器具について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の概略回路ブロックを示す回路ブロック図である。
【0025】
図2は、図1に示した照明器具の定格電力選定回路の詳細構成を示す回路ブロック図である。
【0026】
本実施の形態に係る照明器具1は、交流電源ACから供給された交流を直流に変換する整流回路11と、整流回路11の出力を昇圧する昇圧回路13と、昇圧回路13から出力された直流を高周波交流に変換してランプLpに供給するインバータ回路16とを備える。整流回路11は、例えば全波整流回路で構成され、昇圧回路13は、例えばチョッパー昇圧回路で構成される。また、インバータ回路16は、周波数調整回路17によって出力される高周波交流の周波数を変更する構成とされ、周波数を変更してランプLpに供給する電力を変更することによって調光する形態とされている。
【0027】
また、照明器具1は、ランプLpに供給する第1定格電力または第2定格電力のいずれが選定されているかを示す定格電力選定信号Sg23を生成する定格電力選定回路23と、定格電力選定信号Sg23に基づいて第1定格電力または第2定格電力のいずれかを特定する定格電力特定回路25とを備え、定格電力特定回路25は、特定した第1定格電力または第2定格電力のいずれかに対応させて昇圧回路13およびインバータ回路16を制御する構成とされている。
【0028】
したがって、本発明に係る照明器具1は、定格電力選定回路23によって第1定格電力および第2定格電力のいずれかを選定させ、選定された第1定格電力および第2定格電力のいずれかに対応させて定格電力特定回路25が昇圧回路13およびインバータ回路16を制御する構成とされている。
【0029】
つまり、照明器具1は、全光状態(全灯状態)の光強度を第1定格電力または第2定格電力に対応させて容易に切り替えることができ、使用環境に応じた光強度を容易に選定することができる。したがって、照明器具1は、環境に応じた光強度を選定することが可能であることから、無駄な電力消費を回避して省エネルギーを実現することができる。
【0030】
また、照明器具1は、供給する定格電力(第1定格電力または第2定格電力)を切り替えて全灯状態を切り替えることから、単一の照明器具1で少なくとも2種類の光強度を設定することができるので、照明器具1としての仕様内容を拡大して需要範囲(適用範囲)を広げ、汎用性を持たせることが可能となり、延いては製造コストを抑制することができる。
【0031】
なお、第1定格電力とは、全灯状態(調光時の100%出力状態)とするときの出力が例えば86W(ワット)であることを示し、第2定格電力とは、全灯状態(調光時の100%出力状態)とするときの出力が例えば76W(ワット)であることを示す。
【0032】
したがって、同一のランプを使用した場合に、全灯状態として第1定格電力を供給した状態と、全灯状態として第2定格電力を供給した状態とに切り替えて使用することが可能となり、使用環境に応じた定格電力を供給する形態とするので、使用者が自由に定格電力を選定することが可能となる。つまり、使用者は容易に出力仕様を選定することができるので、使用環境に応じた低消費電力での使用が可能となり、容易に省エネルギーモードを実現することができる。なお、ランプLpの本数は、適宜設定することが可能である。
【0033】
照明器具1は、リモコン端末器(不図示)からの調光用の光信号を受信するリモコン受光回路21と、リモコン受光回路21が受信した光信号に基づいてランプLpへ供給する電力を調整する調光回路22とを備える。
【0034】
したがって、照明器具1は、第1定格電力または第2定格電力に対する比率を調整した調光電力(例えば100%出力〜0%出力)をランプLpへ供給することから、リモコン制御による光強度の調整(調光)を容易に実行することができる。なお、リモコン受光回路21は、リモコン端末器に対応してリモコン受光器20を構成する。
【0035】
照明器具1では、調光回路22からの調光信号を周波数調整回路17へ入力し、周波数調整回路17は、調光信号に応じてインバータ回路16が発生する高周波交流の周波数を調整する構成としてある。したがって、インバータ回路16は、調光回路22からの調光信号に応じてランプLpへ供給する電力を調整することによってランプLpの調光を実行する。
【0036】
定格電力選定回路23は、第1定格電力または第2定格電力のいずれかの選定を受け付ける選定スイッチ24を備える。したがって、定格電力選定信号Sg23を容易に生成して定格電力特定回路25を正確に機能させ、第1定格電力または第2定格電力の切り替えを容易に、かつ高精度に実行することができる。
【0037】
選定スイッチ24は、リモコン受光回路21に接続された電源を利用して、定格電力選定信号Sg23を生成する。したがって、照明器具1は、リモコン受光器20に収納されたリモコン受光回路21(リモコン受光回路21に電力を供給する電源)を利用して定格電力選定回路23を構成することが可能となるので、簡単な構成で定格電力の選定を実行することができる。
【0038】
本実施の形態では、定格電力選定回路23は、リモコン受光回路21に並置され、リモコン受光器20に収納した形態とされている。したがって、リモコン受光回路21に接続された電源のプラス側をハイレベルとして選定スイッチ24のハイ端子Hiを規定し、リモコン受光回路21に接続された電源の基準側をローレベルとして選定スイッチ24のロー端子Loを規定することができる。
【0039】
例えば、通常状態を第1定格電力86Wとし、選定スイッチ24をロー端子Loに対応させた場合は、リモコン受光回路21の電源での基準側の電位(ローレベル)が定格電力選定信号Sg23とされる。また、定格電力を切り替えて省エネルギーモードの第2定格電力76Wとし、選定スイッチ24をハイ端子Hiに対応させた場合は、リモコン受光回路21の電源でのプラス側の電位(ハイレベル)が定格電力選定信号Sg23となる。
【0040】
なお、定格電力としての第1定格電力、第2定格電力と、選定スイッチ24のハイ端子Hi、ロー端子Loとの関係は適宜設定することが可能であり、上述した例と逆に設定することも可能である。定格電力特定回路25は、CPU(中央処理装置)などの適宜の論理回路を組み込んで構成することが可能である。
【0041】
昇圧回路13は、出力レベルを調整する出力レベル調整回路14を備え、インバータ回路16は、出力する周波数を調整する周波数調整回路17を備えてあり、定格電力特定回路25は、定格電力選定信号Sg23(ハイレベル、ローレベル)に基づいて、出力レベル調整回路14に昇圧回路13の出力レベルを調整させ、周波数調整回路17にインバータ回路16の周波数を調整させる構成とされている。
【0042】
したがって、照明器具1は、第1定格電力または第2定格電力のいずれかを選定する定格電力選定信号Sg23に基づいて、第1定格電力または第2定格電力のいずれかを特定し、第1定格電力または第2定格電力のいずれかを負荷としてのランプLpへ容易に、かつ高精度に供給することができる。
【0043】
上述したとおり、定格電力選定信号Sg23がローレベルのときは、定格電力は例えば通常の第1定格電力86Wを供給する通常モードであり、定格電力選定信号Sg23がハイレベルのときは、定格電力は例えば省エネルギーモードの第2定格電力76Wを供給するモードである。通常モードのとき、定格電力特定回路25は、出力レベル調整回路14および周波数調整回路17へハイレベル信号を供給して、昇圧回路13およびインバータ回路16を通常の動作状態とする。
【0044】
また、選定スイッチ24がローレベル状態からハイレベル状態へ切り替えられたとき、定格電力特定回路25は、出力レベル調整回路14および周波数調整回路17へローレベル信号を供給する。したがって、昇圧回路13は、昇圧回路13の出力を低いレベルに変更し、インバータ回路16は、周波数を高い値の周波数に変更することになり、照明器具1は、ランプLpへ供給する定格電力を第2定格電力へ変更することができる。
【0045】
つまり、定格電力を大きい86W(第1定格電力)から小さい76W(第2定格電力)へ変更する場合は、昇圧回路13からの出力を相対的に低いレベルに変更し、さらに、インバータ回路16から出力する周波数を相対的に高い値とすることによって定格電力を容易に、かつ高精度に変更することができる。
【0046】
<実施の形態2>
図3ないし図4Bに基づいて、本実施の形態に係る照明器具について説明する。
【0047】
本実施の形態に係る照明器具1は、実施の形態1に係る照明器具1と同様であり、符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
【0048】
図3は、本発明の実施の形態2に係る照明器具のランプ面の平面状態を概念的に示す平面図である。
【0049】
図4Aは、図3に示した照明器具の受光器筐体の詳細構成を示す斜視図である。
【0050】
図4Bは、図4Aに示した受光器筐体を分解して示す分解斜視図である。
【0051】
本実施の形態に係る照明器具1は、例えば2本のランプLpを固定する照明器具筐体1cを備えている。また、照明器具筐体1cには、リモコン受光器20(リモコン受光回路21)を収納した受光器筐体30が配置され、受光器筐体30は、リモコン受光回路21へ光信号を導入する受光窓35を備えている。
【0052】
つまり、照明器具1は、リモコン受光回路21を収納する受光器筐体30を備え、受光器筐体30は、リモコン受光回路21へ光信号を入射させる受光窓35を備えて受光窓35が構成する光軸Laxを変位方向(例えば矢符Ds)で変位させるように回動する構成とされている。
【0053】
したがって、本発明に係る照明器具1は、受光窓35が構成する光軸Laxを変位させることから、受光感度を容易に、かつ高精度に調整することができる。
【0054】
また、受光器筐体30は、受光窓35が配置された筐体表面31と交差する筐体側面32を備え、筐体側面32に対向して両側に配置された案内板36は、受光器筐体30を回転させるように支持している。
【0055】
したがって、照明器具1は、筐体側面32に配置された案内板36によって受光器筐体30を安定した状態で回転させることが可能であるので、受光感度を容易に、かつ高精度に調整することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、回転軸34は、受光器筐体30の筐体側面32に配置され、案内板36が有する回転軸支持穴37へ挿入される形態としたが、案内板36に対して受光器筐体30が回転可能な形態となっていればどのような形態であっても良い。例えば、回転軸34は、案内板36、受光器筐体30の双方を貫通する形態、案内板36に設けられ受光器筐体30に挿入される形態などとすることも可能である。
【0057】
また、筐体側面32は突起部33を備え、案内板36は突起部33が嵌るように配置された複数の凹部38を備えている。したがって、照明器具1は、受光窓35の光軸Laxを容易に、かつ高精度に変位させて固定することが可能となり、受光感度を容易に、かつ高精度に調整することができる。また、受光感度を多段階に調整することが可能となり、使用環境に対応させた受光感度を設定できることから、精度および利便性を向上させることができる。
【0058】
突起部33は1つの筐体側面32に対して1つで構成され、凹部38は複数配置される。したがって、案内板36に対して受光器筐体30の回転位置を複数設定することができ、受光感度を複数レベルに変更することが可能となる。なお、凹部38は、例えば5〜10度程度の角度間隔で、例えば5〜10個程度配置することが可能である。凹部38は、案内板36を貫通する形態とされていても良い。また突起部33は、筐体側面32に対して適宜の滑動性を有することが望ましい。
【0059】
さらに、第1定格電力または第2定格電力のいずれかを選定することによって、ランプLpの光強度が変動し、影響がリモコン受光回路21に及ぶ場合でも、ランプLpの光強度の影響を抑制してリモコン受光器20を高精度に動作させることができる。
【0060】
なお、受光器筐体30の配置位置、受光器筐体30の配置方向、凹部38の配置ピッチ、凹部38の配置範囲などは、ランプLpの形状、配置状態に応じて影響が異なることから、照明器具筐体1cの形状などを考慮して適宜設定することが望ましい。
【0061】
上述したとおり、照明器具1は、ランプLpを固定する照明器具筐体1cを備える。また、案内板36は、照明器具筐体1cに固定されている。したがって、照明器具1は、受光器筐体30を安定して回転させることが可能となり、受光感度の調整を容易に、かつ高精度に実行することができる。
【0062】
また、選定スイッチ24は、受光器筐体30に配置されている。したがって、照明器具1は、受光感度の調整および定格電力の選定を併せて実行することが可能となり、設置性、操作性を向上させることができる。
【0063】
上述したとおり、本実施の形態に係る照明器具1は、リモコン端末器からの調光用の光信号を受信するリモコン受光回路21と、リモコン受光回路21を収納した受光器筐体30とを備え、受光器筐体30は、リモコン受光回路21へ光信号を入射させる受光窓35を備えて受光窓35が構成する光軸Laxを変位させるように回動する構成とされている。
【0064】
したがって、照明器具1は、リモコン制御による調光が可能となり、リモコン受光回路21へ光信号を入射させる受光窓35が構成する光軸Laxを変位させることから、受光感度を容易に、かつ高精度に調整することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 照明器具
1c 照明器具筐体
11 整流回路
13 昇圧回路
14 出力レベル調整回路
16 インバータ回路
17 周波数調整回路
20 リモコン受光器
21 リモコン受光回路
22 調光回路
23 定格電力選定回路
24 選定スイッチ
25 定格電力特定回路
30 受光器筐体
31 筐体表面
32 筐体側面
33 突起部
34 回転軸
35 受光窓
36 案内板
37 回転軸支持穴
38 凹部
AC 交流電源
Hi ハイ端子
Lax 光軸
Lo ロー端子
Lp ランプ
Sg23 定格電力選定信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流を直流に変換する整流回路と、前記整流回路の出力を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路から出力された直流を高周波交流に変換してランプに供給するインバータ回路とを備えた照明器具であって、
前記ランプに供給する第1定格電力または第2定格電力のいずれが選定されているかを示す定格電力選定信号を生成する定格電力選定回路と、
前記定格電力選定信号に基づいて前記第1定格電力または前記第2定格電力のいずれかを特定する定格電力特定回路とを備え、
前記定格電力特定回路は、特定した前記第1定格電力または前記第2定格電力のいずれかに対応させて前記昇圧回路および前記インバータ回路を制御する構成とされていること
を特徴とする照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具であって、
前記定格電力選定回路は、前記第1定格電力または前記第2定格電力のいずれかの選定を受け付ける選定スイッチを備えること
を特徴とする照明器具。
【請求項3】
請求項2に記載の照明器具であって、
リモコン端末器からの調光用の光信号を受信するリモコン受光回路と、前記リモコン受光回路を収納した受光器筐体とを備え、
前記受光器筐体は、前記リモコン受光回路へ光信号を入射させる受光窓を備えて前記受光窓が構成する光軸を変位させるように回動する構成とされていること
を特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−14470(P2011−14470A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159395(P2009−159395)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(505455945)コイズミ照明株式会社 (65)
【Fターム(参考)】