説明

照明器具

【課題】照明器具の薄型化を図る。
【解決手段】回路基板221にLED222が実装されたLEDモジュール22を、外方に突出した凹部212が形成されたシャーシ21に設置する。凹部212に形成された取付孔213に、天井から垂下する吊りボルト11が挿通された状態で、凹部212内で吊りボルト11を保持してシャーシ21を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、例えば天井部に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具を天井構造物に取り付ける場合は、照明器具の器具本体に、長孔状の孔部を形成した被支持部を設け、天井から鉛直に支持された吊りボルトに器具本体をナットで取り付けるものが知られている。またこれとは別に、野縁材と称される天井構造物に取り付けるクリップを上記孔部に係止することで、野縁材に照明器具を取り付けたものが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−100234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
天井面からの吊りボルトに照明器具を取り付ける場合は、照明器具のシャーシ面よりも下方に向かって吊りボルトが突出してしまうことから、吊りボルトがLEDモジュール等の光源に干渉してしまう恐れがあった。そのため、照明器具を薄型化するには難があった。
【0005】
この実施形態は、薄型化が可能な照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この実施形態によれば、回路基板にLEDを実装したLEDモジュールと、前記LEDモジュールが設置されるとともに、外方に突出した凹部が形成されたシャーシと、前記凹部に形成された取付孔に天井から垂下する吊りボルトを挿通した状態で前記凹部内で前記吊りボルトを保持することにより前記シャーシを固定する固定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明の実施形態によれば、照明器具の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】照明器具に関する第1の実施形態について説明するための一部切欠して示す斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2のIa−Ib線断面図である。
【図4】図3の一部を拡大して示す断面図である。
【図5】図2のIIa−IIb線側断面図である。
【図6】照明器具に関する第2の実施形態について説明するための図3相当の断面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示す断面図である。
【図8】図6の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1〜図5は、照明器具に関する第1の実施形態について説明するためのものであり、図1は一部を切欠して示す斜視図、図2は正面図、図3は図2のIa−Ib線断面図、図4は図3の一部を拡大して示す断面図、図5は図2のIIa−IIb線側断面図である。
【0011】
図1において、11は、例えばオフィスビルの天井スラブなどの天井構造物に一端が埋設固定され鉛直に垂下する複数の吊りボルトである。各吊りボルト11には、ナット12などを用いて野縁材吊り金具であるハンガー13が取り付けられ、さらに、このハンガー13により、支持部材である野縁材14が複数支持されている。なお、各野縁材14は、断面略コの字状をなし、互いに平行に複数設置されている。
【0012】
さらに、野縁材14と交差する方向、例えば直交する方向には、シングル野縁受け材15がシングルクリップ16により、ダブル野縁受け材17がダブルクリップ18によりそれぞれ取り付けられている。シングル野縁受け材15およびダブル野縁受け材17には天井板19が取り付けられる。
【0013】
照明器具20は、金型で成形された例えば金属製で天井板19に埋め込まれる長方形型の箱状のシャーシ21と、このシャーシ21に取り付けられる図示しない電源ユニット、シャーシ21の開放部に配置されるLED(発光ダイオード)モジュール22、このLEDモジュール22の発光面を覆う拡散透光性のカバー23から構成される。カバー23は、拡散性を持たせるために、例えばアクリル樹脂の成形体の表面にフロスト加工が施されたものが使用される。
【0014】
シャーシ21の底部211の例えば長手方向の2ヵ所には、図3および図4に示すように、上方に突出する有底円筒状の凹部212を形成するとともに、吊りボルト11を挿通させることのできる大きさの取付孔213を形成する。シャーシ21の各開放端には、外側に一体的に延ばした縁部214が四方に形成される。これらはシャーシ21成形時のプレス加工等により任意の形状に仕上げられる。また、シャーシ21の開口215には金属製の基板24が載置される。
【0015】
LEDモジュール22は、放熱性および絶縁性を備えた回路基板221上に、複数のLED222が実装されたものである。この実施形態でのLEDモジュール22は、長手方向に沿って並設され、LED22が取着された側の回路基板221の面とは反対面を、基板24に固定している。LED22の発熱が回路基板221および基板24を介して効果的に放熱される。
【0016】
各LED22は、図示しない配線パターンなどを介して電気的に直列に接続されている。LED22は、所要の発光色(色温度)のものを選択することができ、例えば、昼白色や電球色に相当する発光色を選択することができる。
【0017】
照明器具20は、縁部214で規定された表面積よりも小さな開口として天井板19に形成された取付口191にシャーシ21を収容し、縁部214を天井板19に当接させる。取付孔213に吊りボルト11を通し、凹部212内に突出した吊りボルト11に対してナット216をねじ込むことにより、照明器具20を天井板19に固定することができる。吊りボルト11が凹部212内に突出する許容の長さは、凹部212の深さを任意に設計により決めることができるが、好ましくは50mm程度とする。
【0018】
また、シャーシ21内には、商用電源に接続された点灯回路を含む図示しない電源ユニットが設置され、この電源ユニットからLED22に直流電圧を供給し、LED22を点灯するようになっている。
【0019】
このように、天井構造物から垂下する吊りボルト11が天井板19から突出しないように保ちつつ、シャーシ21の凹部212内の取付孔213に挿通させる。そして、凹部212内の吊りボルト11にナット216をねじ込み保持することで、天井板19に埋め込んだ状態で照明器具20を固定することができる。
【0020】
この発明の実施形態によれば、シャーシから突出した凹部内で吊りボルトを保持するようにしたことから、照明器具の薄型化が可能となる。
【0021】
(第2の実施形態)
図6〜図8は、照明器具に関する第2の実施形態について説明するためのものであり、図6は断面図、図7は図6の一部を切欠して示す斜視図、図8は図6の側断面図である。上記した実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付して説明する。
【0022】
この実施形態は、天井板19に開ける取付口192の大きさを、凹部212が収容できる程度に小さくしたものである。すなわち、取付口192の直径は、白熱電球を用いたダウンライトを取り付ける場合の穴の大きさかそれ以下にすることができる。
【0023】
照明器具20を天井板19に取り付ける場合は、シャーシ21の上部に突出した凹部212を複数の取付口192それぞれに収容するとともに、凹部212内の取付孔213に吊りボルト11を挿通させる。そして、凹部212内で吊りボルト11にナット216をネジ止め保持することにより照明器具20が固定される。
【0024】
この発明の実施形態によれば、シャーシから突出した凹部のみを天井板の裏側まで突出させ、凹部内で吊りボルトを保持するようにしたことから、照明器具の薄型化が可能となる。
【0025】
また、天井板に開ける取付口の大きさも小さくて済むことから、取り付け作業が容易になる。さらに、照明器具を吊りボルトに直接取り付けていることから、野縁や野縁受けなどの天井構造物を切断することなく取り付けることが可能となる。
【0026】
なお、上記の説明では、光源としてLEDを用いた照明器具について説明したが、蛍光灯などの他の光源を用いた場合でも同様の効果が期待できる。
【0027】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0028】
11 吊りボルト
19 天井板
191,192 取付口
20 照明器具
21 シャーシ
211 底部
212 凹部
213 取付孔
214 縁部
215 開口
216 ナット
22 LEDモジュール
221 回路基板
222 LED
23 カバー
24 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板にLEDを実装したLEDモジュールと、
前記LEDモジュールが設置されるとともに、外方に突出した凹部が形成されたシャーシと、
前記凹部に形成された取付孔に天井から垂下する吊りボルトを挿通した状態で、前記凹部内で前記吊りボルトを保持することにより前記シャーシを固定する固定手段と、を有することを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−62061(P2013−62061A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198269(P2011−198269)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】