説明

照明器具

【課題】器具本体に対して発光パネルを着脱するための作業性を向上させることが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】エレクトロルミネッセンス素子3を有する発光パネル5と、発光パネル5を着脱自在に取り付け可能な器具本体1とを備える。発光パネル5は、器具本体1側となる裏面が第1の曲面に形成される。器具本体1は、発光パネル5側となる一面8が第1の曲面に対応する第2の曲面に形成される。発光パネル5の器具本体1側と器具本体1の発光パネル5側との一方に、発光パネル5を第1の曲面もしくは第2の曲面に沿って器具本体1にスライド自在に着脱するための取付部7が設けられ、他方に、取付部7をスライド可能とする溝部9が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、天井に配設される発光パネル式照明器具が提案されている(例えば、特許文献1)。この発光パネル式照明器具は、図12に示すように、表面61aから下方に光を放射する板状の発光パネル61と、発光パネル61を裏面61b側から覆って収容する筐体63と、筐体63内に配設され発光パネル61を保持する保持部材62とを備えている。
【0003】
発光パネル61は、基板(図示せず)と、この基板の上面に積層された第1電極層、有機発光層および第2電極層からなる有機EL層(図示せず)と、第1封止部材(図示せず)および第2封止部材(図示せず)とを備えている。第1封止部材および第2封止部材は、基板と有機発光層を気密に封止する。なお、基板の下面が、発光パネル61の表面61aを構成している。
【0004】
筐体63は、天井70に取り付けられるものであり、下方に開口する凹部64と、この凹部64の開口周縁部から外側に広がるつば部65とを有している。凹部64の底壁には、保持部材62を揺動可能に支持するための回動支持部66が設けられるとともに、保持部材62を凹部64内で着脱可能に固定するための被係合部67が設けられている。
【0005】
保持部材62は、筐体63の回動支持部66に回動自在に支持される被回動支持部68を有している。また、保持部材62は、筐体63の被係合部67に着脱可能に係合する係合部69を有している。なお、特許文献1には、係合部69と被係合部67との係合状態を解錠するために、保持部材62に対して図略の治具を引っ掛けて下方に無理引きする旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−250302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図12に示した構成の発光パネル式照明器具では、発光パネル61を交換するために、発光パネル61を保持する保持部材62の係合部69と筐体63の被係合部67との係合状態を解除するための治具が必要となる。また、この発光パネル式照明器具では、係合部69と被係合部67との係合状態を解除するために、保持部材62に対して上述の治具を引っ掛けて下方に無理引きする必要があるので、発光パネル61の交換が難しかった。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、器具本体に対して発光パネルを着脱するための作業性を向上させることが可能な照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の照明器具は、エレクトロルミネッセンス素子を有する発光パネルと、前記発光パネルを着脱自在に取り付け可能な器具本体とを備え、前記発光パネルは、前記器具本体側となる裏面が第1の曲面に形成され、前記器具本体は、前記発光パネル側となる一面が前記第1の曲面に対応する第2の曲面に形成されており、前記発光パネルの前記器具本体側と前記器具本体の前記発光パネル側との一方に、前記発光パネルを前記第1の曲面もしくは前記第2の曲面に沿って前記器具本体にスライド自在に着脱するための取付部が設けられ、他方に、前記取付部をスライド可能とする溝部が設けられてなることを特徴とする。
【0010】
この照明器具において、前記取付部と前記溝部との一方に、前記発光パネルへ給電するための第1端子が設けられ、他方に、前記第1端子と電気的に接続可能な第2端子が設けられてなり、前記第1端子は、前記発光パネルが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記第2端子と電気的に接続される位置に配置されることが好ましい。
【0011】
この照明器具において、前記発光パネルは、前記発光パネルのスライド方向の端部に、切欠き部が設けられてなることが好ましい。
【0012】
この照明器具において、前記発光パネルの前記第1の曲面側と前記器具本体の前記第2の曲面側との一方に凸部が設けられ、他方に、前記発光パネルが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記凸部が係合する凹部が設けられてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明器具においては、器具本体に対して発光パネルを着脱するための作業性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の照明器具の概略分解斜視図である。
【図2】同上の照明器具において、発光パネルの一部が器具本体に取り付けられた状態の概略分解斜視図である。
【図3】同上の照明器具の斜視図である。
【図4】同上の照明器具を示し、図3のA−A断面図である。
【図5】同上の照明器具を示し、(a)は図3のB−B断面図、(b)は凸部と凹部との係合を説明する説明図である。
【図6】同上の照明器具の発光パネルを示し、(a)は斜視図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図7】同上の照明器具の器具本体を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図8】同上の照明器具において、器具本体に対する発光パネルの着脱方法を説明する説明図である。
【図9】同上の照明器具の使用例に関し、(a)は斜視図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図10】同上の照明器具の使用例に関し、器具本体から発光パネルを取り外した状態を示す説明図である。
【図11】実施形態2の照明器具に関し、(a)は発光パネルの斜視図、(b)は器具本体の斜視図である。
【図12】従来例の発光パネル式照明器具に関し、(a)は保持部材を筐体内で固定した状態の断面図、(b)は保持部材から発光パネルを取り外した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、本実施形態の照明器具について、図1〜図10を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態の照明器具20は、エレクトロルミネッセンス素子3を有する発光パネル5と、発光パネル5を着脱自在に取り付け可能な箱状の器具本体1とを備えている。本実施形態の照明器具20では、エレクトロルミネッセンス素子3として、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いているが、これに限らず、無機エレクトロルミネッセンス素子を用いてもよい。また、本実施形態の照明器具20では、エレクトロルミネッセンス素子3の発光色を白色としているが、エレクトロルミネッセンス素子3の発光色は、これに限るものではない。
【0017】
エレクトロルミネッセンス素子3の外周形状は、矩形状に形成されている。
【0018】
また、エレクトロルミネッセンス素子3は、板状(本実施形態では、矩形板状)の回路基板3aと、回路基板3aの一表面側(図4では、上面側)に配置され発光層(図示せず)を含む板状(本実施形態では、矩形板状)の発光体3bと、発光体3bの一表面側(図4では、上面側)に配置された板状(本実施形態では、矩形板状)のガラス基板3cとを有している。なお、本実施形態の照明器具20では、発光体3bの一表面側に図示しない第1の電極(例えば、透明な導電膜からなる陽極)を設け、発光体3bの他表面側(図4では、下面側)に図示しない第2の電極(例えば、陰極)を設けている。また、発光体3bの外周形状は、ガラス基板3cの外周形状よりも小さな形状となっており、回路基板3aの外周形状は、発光体3bの外周形状よりも小さな形状となっている。
【0019】
回路基板3aの他表面側(図4では、下面側)には、発光体3bの第1の電極および第2の電極と電気的に接続された一対の電極部(図示せず)が配置されている。
【0020】
発光パネル5は、上述のエレクトロルミネッセンス素子3と、エレクトロルミネッセンス素子3を収納し器具本体1に着脱自在に取り付け可能なパネル本体2とを有している。また、発光パネル5は、パネル本体2に収納されたエレクトロルミネッセンス素子3の光取出し面側(図1では、上面側)を閉塞するようにパネル本体2に取り付けられるカバー4を有している。ここにおいて、カバー4は、透光性を有している。
【0021】
また、発光パネル5は、平面視における外周状が矩形状に形成されている。
【0022】
パネル本体2は、絶縁性材料(例えば、合成樹脂など)により形成されている。また、パネル本体2は、器具本体1側となる裏面15(図6および図9参照)が、器具本体1側へ凸となる曲面に形成されている。要するに、発光パネル5は、器具本体1側となる裏面15が、曲面に形成されている。なお、本実施形態の照明器具20では、パネル本体2の裏面15が、第1の曲面を構成している。
【0023】
また、パネル本体2は、カバー4側となる表面16側に、エレクトロルミネッセンス素子3を収納可能な凹所6が設けられている。凹所6は、平面視における内周形状が矩形状に開口されている。また、凹所6の深さ寸法は、エレクトロルミネッセンス素子3の厚み寸法よりも若干大きく設定されている(図2参照)。また、凹所6の内周部には、エレクトロルミネッセンス素子3を位置決めするための位置決め部6bが形成されている。ここにおいて、位置決め部6bの形状は、エレクトロルミネッセンス素子3の外周部の形状に対応するように形成されている(図2参照)。これにより、本実施形態の照明器具20では、エレクトロルミネッセンス素子3をパネル本体2の凹所6内に位置決めすることが可能となる。
【0024】
カバー4は、透光性材料(例えば、アクリル樹脂、ガラスなど)により板状(本実施形態では、矩形板状)に形成されている。また、カバー4は、パネル本体2の表面16側に配置される。本実施形態の照明器具20では、カバー4をパネル本体2に取り付ける手段として、例えば、接着剤や粘着テープを用いているが、カバー4をパネル本体2に取り付ける手段は、これに限るものではない。
【0025】
本実施形態の照明器具20では、パネル本体2の裏面15側に、発光パネル5をパネル本体2の裏面15に沿って器具本体1にスライド自在に着脱するための取付部7が設けられている。要するに、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5の器具本体1側に、発光パネル5を第1の曲面もしくは第2の曲面に沿って器具本体1にスライド自在に着脱するための取付部7が設けられている。
【0026】
取付部7は、パネル本体2の裏面15から器具本体1側へ突出するように形成されている。なお、本実施形態の照明器具20では、取付部7の突出寸法(厚み寸法)が、一定となっている。
【0027】
また、取付部7は、発光パネル5のスライド方向に直交する幅方向の両側面から突出した板状(本実施形態では、矩形板状)のスライド片7bを有している。本実施形態の照明器具20では、スライド片7bが、パネル本体2の裏面15から離れるように配置されている。
【0028】
器具本体1は、発光パネル5側となる一面8がパネル本体2の裏面15に対応する曲面に形成されている。本実施形態の照明器具20では、パネル本体2の裏面15が凸曲面に形成され、器具本体1の一面8が凹曲面に形成されている。なお、本実施形態の照明器具20では、器具本体1の一面8が第2の曲面を構成している。
【0029】
また、本実施形態の照明器具20では、器具本体1の一面8側に、パネル本体2の取付部7をスライド可能とする溝部9が設けられている。要するに、本実施形態の照明器具20では、器具本体1の発光パネル5側に、発光パネル5の取付部7をスライド可能とする溝部9が設けられている。
【0030】
溝部9は、器具本体1の一面8において発光パネル5の取付部7のスライド方向に沿って形成されている。また、溝部9は、発光パネル5のスライド方向の両端部が開放されており、パネル本体2の取付部7を挿抜可能となっている。具体的に説明すると、溝部9には、発光パネル5のスライド方向の両端部に、開口部9cが設けられている。また、溝部9には、パネル本体2の取付部7のスライド片7bをスライド自在に摺接可能な突片9bが溝部9の幅方向の両側面から内方へ突設されている。ここにおいて、本実施形態の照明器具20では、溝部9の深さ寸法が、取付部7の厚み寸法よりも若干大きく設定されている。したがって、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5の取付部7を器具本体1の一面8(第2の曲面)に沿って挿抜可能、且つ、スライド可能となる。また、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5の取付部7のスライド片7bを器具本体1の溝部9に挿入することができるので、溝部9の各突片9bが取付部7のスライド片7bを保持することが可能となり、発光パネル5を器具本体1に取り付けることが可能となる。さらに、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、発光パネル5の取付部7を第2の曲面に沿ってスライドさせることができるので、発光パネル5を器具本体1から取り外すことが可能となる。
【0031】
また、器具本体1は、溝部9の各突片9bにおいて発光パネル5側とは反対側の各々に、発光パネル5へ給電するための第1端子11(図4および図5など参照)が設けられている。要するに、本実施形態の照明器具20は、溝部9に発光パネル5へ給電するための第1端子11が設けられている。
【0032】
各第1端子11は、器具本体1の内部に配置され発光パネル5へ給電可能な電源ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。上記電源ユニットは、商用電源と電源線(図示せず)を介して電気的に接続されている。なお、上記電源ユニットは、商用電源からの交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換部(図示せず)を有している。
【0033】
また、パネル本体2は、器具本体1の一対の第1端子11,11と電気的に接続可能な一対の第2端子12,12を有している。
【0034】
各第2端子12は、エレクトロルミネッセンス素子3の回路基板3aの他表面側に配置された上記一対の電極部に電気的に接続可能な接続部12aと、器具本体1の第1端子11と電気的に接続可能な端子部12bと、接続部12aと端子部12bとを連結する連結片12cとを有している。
【0035】
各端子部12bは、パネル本体2の取付部7のスライド片7bにおいて器具本体1側とは反対側に設けられている(図4および図5など参照)。要するに、本実施形態の照明器具20は、取付部7に第1端子11と電気的に接続可能な第2端子12が設けられている。
【0036】
ここで、各第1端子11は、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、各第2端子12と電気的に接続される位置に配置される。本実施形態の照明器具20では、各第2端子12の端子部12bが、取付部7のスライド片7bの上記反対側において発光パネル5のスライド方向の中央部に各別に配置されている。また、本実施形態では、各第1端子11が、溝部9の各突片9bの上記反対側において発光パネル5のスライド方向の中央部に各別に配置されている。言い換えれば、各第1端子11は、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、各第2端子12の端子部12bに対応する位置の各々に配置されている。要するに、本実施形態の照明器具20では、各第1端子11を、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、各第2端子12と電気的に接続される位置に配置している。ここにおいて、パネル本体2の凹所6の内底部6aには、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において各第1端子11に対応する位置の各々に、各第2端子12の接続部12aを収納する凹部17が設けられている。各凹部17の内底部の各々には、各第2端子12の連結片12cを挿通する挿通孔10が貫設されている。
【0037】
したがって、本実施形態の照明器具20では、各第1端子11を、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において各第2端子12と電気的に接続される位置の各々に配置することによって、発光パネル5が器具本体1に取り付けられたときに、器具本体1の上記電源ユニットから発光パネル5へ給電可能となる。
【0038】
なお、本実施形態の照明器具20では、各第2端子12の端子部12bを、取付部7のスライド片7bの上記反対側において発光パネル5のスライド方向の中央部に各別に配置しているが、各第2端子12の端子部12bの位置は、これに限らず、発光パネル5が器具本体1に取り付けられたときに、各第1端子11と電気的に接続可能な位置に配置してあればよい。
【0039】
以下、本実施形態の照明器具20において、器具本体1に対する発光パネル5の着脱方法を、図8に基づいて説明する。
【0040】
本実施形態の照明器具20では、発光パネル5の取付部7を器具本体1の溝部9の開口部9cの一方から溝部9に挿入し(図8(a)参照)、発光パネル5の取付部7を第2の曲面に沿ってスライドさせることによって、発光パネル5を器具本体1に取り付けることが可能となる(図8(b)参照)。ここで、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5が器具本体1に取り付けられたときに、発光パネル5の各第2端子12の端子部12bが器具本体1の各第1端子11と電気的に接続されるので、器具本体1の上記電源ユニットから発光パネル5へ給電可能となる。
【0041】
また、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態で、発光パネル5におけるスライド方向の一端部(図8では、右端部)に、カバー4の他表面(図8では、上面)に対して垂直方向に力を加えることによって、発光パネル5が第2の曲面に沿ってスライドするので、作業者などが発光パネル5における他端部(図8では、左端部)を掴むことが可能となり、発光パネル5を器具本体1から取り外すことが可能となる。
【0042】
ところで、近年、次世代の照明器具の光源として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)が注目されている。有機EL素子の開発は、まだ発展途上の段階であり、住宅用や施設用の照明器具の光源として有機EL素子を使用する場合は、有機EL素子の発光面積が小さく、また、有機EL素子の寿命が1万時間ほどであるという課題がある。したがって、照明器具の光源として有機EL素子を有する発光パネル(以下、有機ELパネル)を使用する場合は、複数の有機ELパネルを隙間なく面一に並べて、有機EL素子の発光面積を増やして使用することが前提となる。
【0043】
しかしながら、複数の有機ELパネルを隙間なく面一に並べた照明器具では、これら複数の有機ELパネルのうち1つの有機ELパネルが故障や寿命などの原因により不点灯となった場合、この有機ELパネルのみを着脱するのが難しかった。
【0044】
この課題に対して、発光パネル5は、この発光パネル5のスライド方向の端部に、切欠き部5a(図3、図6および図9参照)が設けられることが好ましい。本実施形態の照明器具20におけるカバー4は、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において器具本体1の溝部9の各開口部9cに対応する位置の各々に、第1切欠き部4aが設けられている。また、パネル本体2は、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において溝部9の各開口部9cに対応する位置の各々に、第2切欠き部2aが設けられている。ここにおいて、パネル本体2の取付部7は、発光パネル5のスライド方向の端部の各々に、傾斜面7c(図2および図3など参照)が形成されている。なお、本実施形態の照明器具20では、第1切欠き部4aと第2切欠き部2aと傾斜面7cとが、切欠き部5aを構成している。
【0045】
したがって、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5におけるスライド方向の端部に切欠き部5aが設けられているので、複数個の照明器具20を隙間なく面一に並べて使用した場合、複数個の発光パネル5のうち1個の発光パネル5のみを着脱するときに、この発光パネル5が隣り合う照明器具20に干渉するのを防止することが可能となる(図10参照)。
【0046】
また、器具本体1の一面8側には、発光パネル5側へ突出する凸部13が設けられることが好ましい。また、パネル本体2の裏面15側には、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、器具本体1の凸部13が係合する凹部14(図5、図6および図8参照)が設けられることが好ましい。
【0047】
本実施形態の照明器具20では、凸部13が、溝部9の内底面に配置されている。ここで、本実施形態の照明器具20では、凸部13を、溝部9の内底面において発光パネル5のスライド方向の中央部に配置しているが、凸部13の位置は、これに限らず、発光パネル5が器具本体1に取り付けられたときに、発光パネル5の凹部14に係合可能な位置に配置してあればよい。
【0048】
また、本実施形態の照明器具20では、凹部14が、取付部7のスライド片7bにおいて器具本体1側に配置されている。ここで、本実施形態の照明器具20では、凹部14を、取付部7のスライド片7bの器具本体1側において発光パネル5のスライド方向の中央部に配置している。言い換えれば、本実施形態の照明器具20では、凹部14を、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、器具本体1の凸部13が係合する位置に配置している。なお、本実施形態の照明器具20では、一例として凸部13を溝部9の内底面に配置しているが、凸部13の配置は、これに限らず、器具本体1の一面8側に配置してあればよい。また、本実施形態の照明器具20では、一例として凹部14を取付部7のスライド片7bにおいて器具本体1側に配置しているが、凹部14の配置は、これに限らず、発光パネル5の裏面15側に配置してあればよい。
【0049】
したがって、本実施形態の照明器具20では、器具本体1の一面8側に凸部13が設けられ、パネル本体2の裏面15側に、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、器具本体1の凸部13が係合する凹部14が設けられているので、発光パネル5が器具本体1に取り付けられたときに、発光パネル5と器具本体1との位置ずれを防止することが可能となる。また、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5が器具本体1に取り付けられるときに、器具本体1の凸部13が発光パネル5の凹部14に係合して作業者などにクリック感を与えることができるので、作業者などが器具本体1に対して発光パネル5を正しく取り付けたことを認識することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態の照明器具20では、凸部13の高さ寸法が、凹部14の深さ寸法よりも大きく設定されることが好ましい。これにより、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5が器具本体1に取り付けられると、器具本体1の凸部13が、発光パネル5の凹部14により取付部7のスライド片7bを発光パネル5側へ押し上げる(図5(b)参照)ので、器具本体1の一対の第1端子11,11と発光パネル5の一対の第2端子12,12との接触圧を高めることが可能となり、各第1端子11と各第2端子12との電気的な接続性を向上させることが可能となる。
【0051】
なお、本実施形態の照明器具20では、凸部13を、器具本体1の一面8側に設けているが、発光パネル5の裏面15側に設けてもよい。また、本実施形態の照明器具20では、凹部14を、発光パネル5の裏面15側に設けているが、器具本体1の一面8側に設けてもよい。
【0052】
以上説明した本実施形態の照明器具20では、発光パネル5は、器具本体1側となる裏面15が第1の曲面に形成され、器具本体1は、発光パネル5側となる一面8が第1の曲面に対応する第2の曲面に形成されており、発光パネル5の器具本体1側に、発光パネル5を第1の曲面もしくは第2の曲面に沿って器具本体1にスライド自在に着脱するための取付部7が設けられ、器具本体1の発光パネル5側に取付部7をスライド可能とする溝部9が設けられているので、器具本体1に対して発光パネル5を着脱するための作業性を向上させることが可能となる。
【0053】
(実施形態2)
以下、本実施形態の照明器具20について、図11に基づいて説明する。
【0054】
本実施形態の照明器具20の基本構成は実施形態1と同じであり、取付部7が器具本体1に設けられ、溝部9が発光パネル5に設けられる点などが実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0055】
本実施形態の照明器具20は、器具本体1の一面8側に、取付部7が設けられている。要するに、本実施形態の照明器具20では、器具本体1の発光パネル5側に、発光パネル5を第1の曲面もしくは第2の曲面に沿って器具本体1にスライド自在に着脱するための取付部7が設けられている。取付部7は、器具本体1の一面8において発光パネル5のスライド方向に沿って形成されている。
【0056】
また、器具本体1は、取付部7のスライド片7bにおいて発光パネル5側とは反対側に、一対の第1端子11,11が設けられている。要するに、本実施形態の照明器具20は、取付部7に発光パネル5へ給電するための第1端子11が設けられている。
【0057】
各第1端子11は、取付部7のスライド片7bの上記反対側において取付部7の幅方向に沿った方向の端部の各々に設けられている。本実施形態の照明器具20では、各第1端子11が、取付部7のスライド片7bの上記反対側において発光パネル5のスライド方向の中央部に各別に配置されている。
【0058】
また、本実施形態の照明器具20では、凸部13が、器具本体1の取付部7のスライド片7bにおいて発光パネル5側へ突出するように設けられている。要するに、本実施形態では、器具本体1の一面8側に凸部13が設けられている。ここにおいて、本実施形態の照明器具20では、凸部13が、取付部7のスライド片7bの発光パネル5側において発光パネル5のスライド方向の中央部に配置されている。
【0059】
また、本実施形態の照明器具20は、パネル本体2の裏面15に、溝部9が設けられている。要するに、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5の器具本体1側に、器具本体1の取付部7をスライド可能とする溝部9が設けられている。この溝部9は、パネル本体2の裏面15において発光パネル5のスライド方向に沿って形成されている。
【0060】
また、パネル本体2は、溝部9の各突片9bにおいて器具本体1側とは反対側の各々に、器具本体1の各第1端子11と各別に電気的に接続可能な第2端子12の端子部12bが設けられている。要するに、本実施形態の照明器具20は、溝部9に器具本体1の第1端子11と電気的に接続可能な第2端子12が設けられている。
【0061】
各第2端子12の端子部12bは、溝部9の各突片9bの上記反対側において発光パネル5のスライド方向の中央部に各別に配置されている。言い換えれば、各第2端子12の端子部12bは、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、各第1端子11に対応する位置の各々に配置されている。要するに、本実施形態の照明器具20における第1端子11は、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、第2端子12と電気的に接続される位置に配置されている。
【0062】
また、カバー4は、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態においてパネル本体2の溝部9の各開口部9cに対応する位置の各々に、第1切欠き部4aが設けられている。なお、本実施形態の照明器具20では、第1切欠き部4aと開口部9cとが、切欠き部5aを構成している。
【0063】
また、本実施形態の照明器具20では、凹部14が、パネル本体2の溝部9の内底部に設けられている。また、本実施形態では、凹部14が、溝部9の内底部において発光パネル5のスライド方向の中央部に配置されている。言い換えれば、凹部14は、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、器具本体1の凸部13が係合する位置に配置されている。要するに、本実施形態でも、発光パネル5の裏面15側に、発光パネル5が器具本体1に取り付けられた状態において、器具本体1の凸部13が係合する凹部14が設けられている。
【0064】
ここにおいて、本実施形態の照明器具20では、各第2端子12の端子部12bを、溝部9の各突片9bの上記反対側において発光パネル5のスライド方向の中央部に各別に配置しているが、各第2端子12の端子部12bの位置は、これに限らず、発光パネル5が器具本体1に取り付けられたときに、各第1端子11と電気的に接続可能な位置に配置してあればよい。また、本実施形態の照明器具20では、凸部13を、取付部7のスライド片7bの発光パネル5側において発光パネル5のスライド方向の中央部に配置しているが、凸部13の位置は、これに限らず、発光パネル5が器具本体1に取り付けられたときに、発光パネル5の凹部14に係合可能な位置に配置してあればよい。また、本実施形態の照明器具20では、一例として凸部13を取付部7のスライド片7bにおいて発光パネル5側に配置しているが、凸部13の配置は、これに限らず、器具本体1の一面8側に配置してあればよい。また、本実施形態の照明器具20では、一例として凹部14を溝部9の内底部に配置しているが、凹部14の配置は、これに限らず、発光パネル5の裏面15側に配置してあればよい。
【0065】
したがって、本実施形態の照明器具20では、発光パネル5は、器具本体1側となる裏面15が第1の曲面に形成され、器具本体1は、発光パネル5側となる一面8が第1の曲面に対応する第2の曲面に形成されており、器具本体1の発光パネル5側に発光パネル5を第1の曲面もしくは第2の曲面に沿って器具本体1にスライド自在に着脱するための取付部7が設けられ、発光パネル5の器具本体1側に取付部7をスライド可能とする溝部9が設けられているので、器具本体1に対して発光パネル5を着脱するための作業性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1 器具本体
3 エレクトロルミネッセンス素子
5 発光パネル
5a 切欠き部
7 取付部
8 一面
9 溝部
11 第1端子
12 第2端子
13 凸部
14 凹部
15 裏面
20 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロルミネッセンス素子を有する発光パネルと、前記発光パネルを着脱自在に取り付け可能な器具本体とを備え、前記発光パネルは、前記器具本体側となる裏面が第1の曲面に形成され、前記器具本体は、前記発光パネル側となる一面が前記第1の曲面に対応する第2の曲面に形成されており、前記発光パネルの前記器具本体側と前記器具本体の前記発光パネル側との一方に、前記発光パネルを前記第1の曲面もしくは前記第2の曲面に沿って前記器具本体にスライド自在に着脱するための取付部が設けられ、他方に、前記取付部をスライド可能とする溝部が設けられてなることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記取付部と前記溝部との一方に、前記発光パネルへ給電するための第1端子が設けられ、他方に、前記第1端子と電気的に接続可能な第2端子が設けられてなり、前記第1端子は、前記発光パネルが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記第2端子と電気的に接続される位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記発光パネルは、前記発光パネルのスライド方向の端部に、切欠き部が設けられてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記発光パネルの前記第1の曲面側と前記器具本体の前記第2の曲面側との一方に凸部が設けられ、他方に、前記発光パネルが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記凸部が係合する凹部が設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−69461(P2013−69461A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205662(P2011−205662)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】