説明

照明装置、表示装置および電子機器

【課題】より良好な映像が得られる表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置は、照明装置と、その照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを備える。照明装置は、互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、その導光板の端面からその内部へ照明光を入射する光源とを有する。複数の透明層のうちの1つは、各々照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置、ならびにそれを備えた表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の表示装置としては、例えばプラズマディスプレイや有機ELディスプレイなどの自発光型の表示装置のほか、例えば液晶ディスプレイなどの非発光型の表示装置が知られている。それらのうちの液晶ディスプレイは、例えば透過型の光変調素子としての液晶パネルと、その液晶パネルに照明光を照射するバックライト装置とを備える。液晶パネルでは、バックライト装置からの照明光の透過率を制御することにより、所定の映像を表示するようになっている。
【0003】
近年の表示装置に対する薄型化の要請に対応するため、液晶パネルの背後(表示面と反対側)に導光板を配置し、その導光板の端面と対向するようにバックライト装置の光源を配置する構造が既に提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
また、最近では、特殊な眼鏡を装着する必要がなく、裸眼で立体視が可能なパララックスバリア方式を採用した立体表示装置が開発されている。この立体表示装置は、2次元表示パネルの例えば前方(表示面と観察者との間)にパララックスバリアを対向配置したものである。パララックスバリアの一般的な構造は、2次元表示パネルからの表示画像光を遮蔽する遮蔽部と、表示画像光を透過するストライプ状の開口部(スリット部)とを水平方向に交互に設けたものである。
【0005】
パララックスバリア方式では、2次元表示パネルに立体視用の視差画像(2視点の場合には右眼用視点画像と左眼用視点画像)を空間分割して表示し、その視差画像をパララックスバリアによって水平方向に視差分離することで立体視が行われる。パララックスバリアにおけるスリット幅などを適切に設定することで、所定の位置、方向から観察者が立体表示装置を見た場合に、スリット部を介して観察者の左右の眼に異なる視差画像の光を別々に入射させることができる。
【0006】
なお、2次元表示パネルとして例えば透過型の液晶表示パネルを用いる場合、2次元表示パネルの背面側にパララックスバリアを配置する構成も可能である。この場合、パララックスバリアは、透過型の液晶表示パネルとバックライトとの間に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−110811号公報
【特許文献2】特開2009−32664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のようなパララックスバリア方式の立体表示装置では、パララックスバリアという3次元表示用の専用部品を必要とするため、部品点数と配置スペースが通常の2次元表示用の表示装置に比べて多く必要になってしまうという問題がある。
【0009】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、コンパクトでありながら表示性能を損なうことなく、より高い輝度を有する表示装置およびそれを備えた電子機器、ならびにそのような表示装置に好適な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の照明装置は、互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、その導光板の端面からその内部へ照明光を入射する光源とを有する。複数の透明層のうちの1つは、各々照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有するものである。
【0011】
本開示の表示装置は、上記の照明装置と、その照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを備えたものである。本開示の電子機器は、上記の照明装置および表示部を備えたものである。
【0012】
本開示の照明装置、表示装置および電子機器では、1つの透明層に設けられた散乱エリアによって照明光が散乱され、一部またはすべての光が導光板の外部に射出される。これにより、導光板自体にパララックスバリアとしての機能を持たせることが可能となる。すなわち、導光板が、等価的に、散乱エリアを開口部(スリット部)としたパララックスバリアとして機能を発揮することができる。ここで、導光板は屈折率の異なる2以上の透明層を含むようにしたので、光源からの照明光が効率的に散乱され、外部へ射出される。
【発明の効果】
【0013】
本開示の照明装置によれば、散乱エリアが設けられた導光板自体がパララックスバリアとしての機能を発揮することができる。したがって、別体としてパララックスバリアを設ける場合よりも部品点数を削減でき、薄型化が図れる。さらに、導光板が屈折率の異なる2以上の透明層を含むようにしたので、導光板からの射出光の輝度を向上させることができる。
【0014】
したがって、この照明装置を備えた表示装置および電子機器では、コンパクトでありながら表示性能を損なうことなく、より高い輝度を有する視差画像を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の一実施の形態に係る表示装置の一構成例を、第1の光源のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図2】図1に示した表示装置の一構成例を、第2の光源のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図3】図1に示した表示装置の一構成例を、第1の光源および第2の光源の双方をオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態と共に示す断面図である。
【図4】図1に示した導光板の詳細な構成を表す断面図である。
【図5】図1に示した表示装置における導光板表面の第1の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示した表示装置における導光板表面の第2の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図7】図1に示した表示装置における導光板表面の第3の構成例を示す断面図、および、その導光板表面での光線の散乱反射状態を模式的に示す説明図である。
【図8】表示部の画素構造の一例を示す平面図である。
【図9】図8の画素構造において、2つの視点画像を割り当てた場合の割り当てパターンと散乱エリアの配置パターンとの対応関係の一例を示す平面図および断面図である。
【図10】図1に示した導光板の第1の変形例を示す断面図である。
【図11】図1に示した導光板の第2の変形例を示す断面図である。
【図12】図1に示した導光板の第3の変形例を示す断面図である。
【図13】図1に示した導光板の第4の変形例を示す断面図である。
【図14】表示装置を用いた電子機器としてのテレビジョン装置の構成を表す斜視図である。
【図15】実施例としての2層構造の導光板を表す断面図である。
【図16】図1に示した導光板の第5および第6の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[表示装置の全体構成]
図1から図3は、本開示の一実施の形態に係る表示装置の一構成例を示している。この表示装置は、画像表示を行う表示部1と、表示部1の背面側に配置され、表示部1に向けて画像表示用の光を射出する照明装置とを備えている。照明装置は、第1の光源2(2D/3D表示用光源)と、導光板3と、第2の光源7(2D表示用光源)とを備えている。導光板3は、表示部1と対向して配置される第1の内部反射面3S1と、第2の光源7と対向して配置される第1の内部反射面3S2とを有している。表示部1と導光板3とは、相互に対向するように接着部材4によって固着されている(図1)。ここで、表示部1と導光板3との間には、微小な空間が生じている。但し、図1では、光線の経路を説明するため、その空間の厚さ(すなわち、表示部1と導光板3とのギャップ)を、表示部1や導光板3の厚さに対して相対的に大きく描いている。また、この表示装置は、その他にも、表示に必要な表示部1の制御を行う制御回路等を備えているが、その構成は一般的な表示用の制御回路等と同様であるので、その説明を省略する。また、光源デバイスは、図示しないが、第1の光源2および第2の光源7のオン(点灯)・オフ(非点灯)制御を行う制御回路を備えている。
【0018】
この表示装置は、全画面での2次元(2D)表示モードと、全画面での3次元(3D)表示モードとを任意に選択的に切り替えることが可能とされている。2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えは、表示部1に表示する画像データの切り替え制御と、第1の光源2および第2の光源7のオン・オフの切り替え制御とを行うことで可能となっている。図1は、第1の光源2のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これは3次元表示モードに対応している。図2は、第2の光源7のみをオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これは2次元表示モードに対応している。また、図3は、第1の光源2および第2の光源7の双方をオン(点灯)状態にした場合における光源デバイスからの光線の射出状態を模式的に示しているが、これも2次元表示モードに対応している。
【0019】
表示部1は、透過型の2次元表示パネル、例えば透過型の液晶表示パネルを用いて構成され、例えば図8に示したように、R(赤色)表示用画素11R、G(緑色)表示用画素11G、およびB(青色)表示用画素11Bからなる画素を複数有し、それら複数の画素がマトリクス状に配置されている。表示部1は、光源デバイスからの光を画像データに応じて画素ごとに変調させることで2次元的な画像表示を行うようになっている。表示部1には、3次元画像データに基づく複数の視点画像と2次元画像データに基づく画像とが任意に選択的に切り替え表示されるようになっている。なお、3次元画像データとは、例えば、3次元表示における複数の視野角方向に対応した複数の視点画像を含むデータである。例えば2眼式の3次元表示を行う場合、右眼表示用と左眼表示用の視点画像のデータである。3次元表示モードでの表示を行う場合には、例えば、1画面内にストライプ状の複数の視点画像が含まれる合成画像を生成して表示する。なお、表示部1の各画素に複数の視点画像を割り当てる、その割り当てパターンと散乱エリア31(後出)の配置パターンとの対応関係の具体例は後に詳述する。
【0020】
第1の光源2は、例えば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光ランプや、LED(Light Emitting Diode)を用いて構成されている。第1の光源2は、導光板3内部に向けて側面方向から第1の照明光L1(図1)を照射するようになっている。第1の光源2は、導光板3の側面に少なくとも1つ配置されている。例えば、導光板3の平面形状が四角形である場合、側面は4つとなるが、第1の光源2は、少なくともいずれか1つの側面に配置されていれば良い。図1では、導光板3における互いに対向する2つの側面に第1の光源2を配置した構成例を示している。第1の光源2は、2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えに応じて、オン(点灯)・オフ(非点灯)制御されるようになっている。具体的には第1の光源2は、表示部1に3次元画像データに基づく画像を表示する場合(3次元表示モードの場合)には点灯状態に制御されると共に、表示部1に2次元画像データに基づく画像を表示する場合(2次元表示モードの場合)には非点灯状態または点灯状態に制御されるようになっている。
【0021】
第2の光源7は、導光板3に対して第1の内部反射面3S2が形成された側に対向配置されている。第2の光源7は、第1の内部反射面3S2に向けて外側から第2の照明光L10を照射するようになっている(図2、図3参照)。第2の光源7は、一様な面内輝度の光を発する面状光源であれば良く、その構造自体は特定のものには限定されず、市販の面状バックライトを使用することが可能である。例えばCCFLやLED等の発光体と、面内輝度を均一化するための光拡散板とを用いた構造などが考えられる。第2の光源7は、2次元表示モードと3次元表示モードとの切り替えに応じて、オン(点灯)・オフ(非点灯)制御されるようになっている。具体的には第2の光源7は、表示部1に3次元画像データに基づく画像を表示する場合(3次元表示モードの場合)には非点灯状態に制御されると共に、表示部1に2次元画像データに基づく画像を表示する場合(2次元表示モードの場合)には点灯状態に制御されるようになっている。
【0022】
導光板3は、例えばガラスやアクリル樹脂などの透明なプラスチックからなる複数の透明層が互いに隙間無く積層されたものである。導光板3は、第1の内部反射面3S2以外の面は、全面に亘って透明とされている。例えば、導光板3の平面形状が四角形である場合、第1の内部反射面3S1と、4つの側面とが全面に亘って透明とされている。
【0023】
第1の内部反射面3S1は、全面に亘って鏡面加工がなされており、導光板3内部において全反射条件を満たす入射角で入射した光線を内部全反射させると共に、全反射条件から外れた光線を外部に射出するようになっている。
【0024】
第1の内部反射面3S2は、導光板3の最も外側に位置する面であり、散乱エリア31と全反射エリア32とを有している。散乱エリア31は、後述するように、導光板3の表面にレーザ加工、サンドブラスト加工、塗装加工、またはシート状の光散乱部材を貼り付けるなどすることで形成されている。第1の内部反射面3S2において、散乱エリア31は3次元表示モードにしたときに、第1の光源2からの第1の照明光L1に対してパララックスバリアとしての開口部(スリット部)として機能し、全反射エリア32は遮蔽部として機能するようになっている。第1の内部反射面3S2において、散乱エリア31と全反射エリア32は、パララックスバリアに相当する構造となるようなパターンで設けられている。すなわち、全反射エリア32はパララックスバリアにおける遮蔽部に相当するパターンで設けられ、散乱エリア31はパララックスバリアにおける開口部に相当するパターンで設けられている。なお、パララックスバリアのバリアパターンとしては例えば、縦長のスリット状の開口部が遮蔽部を介して水平方向に多数、並列配置されたようなストライプ状のパターン等、種々のタイプのものを用いることができ、特定のものには限定されない。
【0025】
第1の内部反射面3S1と第1の内部反射面3S2における全反射エリア32は、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した光線を内部全反射させる(所定の臨界角αよりも大きい入射角θ1で入射した光線を内部全反射させる)ようになっている。これにより、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L1は、第1の内部反射面3S1と第1の内部反射面3S2における全反射エリア32との間で、内部全反射により側面方向に導光されるようになっている。全反射エリア32はまた、図2または図3に示したように、第2の光源7からの第2の照明光L10を透過させ、第1の内部反射面3S1に向けて全反射条件を外れた光線として射出するようになっている。
【0026】
なお、導光板3の屈折率をn1、導光板3の外側の媒質(空気層)の屈折率をn0(<n1)とすると臨界角αは、以下で表される。α,θ1は、導光板表面の法線に対する角度とする。全反射条件を満たす入射角θ1は、θ1>αとなる。
sinα=n0/n1
【0027】
散乱エリア31は、図1に示したように、第1の光源2からの第1の照明光L1を散乱反射させ、第1の照明光L1の少なくとも一部の光を第1の内部反射面3S1に向けて全反射条件を外れた光線(散乱光線L20)として射出するようになっている。
【0028】
[導光板3の詳細な構成例]
図4(A)〜4(C)は、図1に示した導光板3の詳細な構成を表す断面図である。図4(A)〜4(C)では、導光板3の内部を伝播する第1の照明光L1の挙動(振る舞い)説明するために、その伝播経路のパターンをいくつか示している。図4(A)〜4(C)に示したように、導光板3は、互いに密接して順に積層された第1から第n番目(nは2以上の整数)の透明層を含んでいる。各透明層同士は例えば熱溶着などにより空気層を挟まないように接合されている。各透明層同士の界面は平坦面であり、導光板3内部において全反射条件を満たす入射角で入射した光線を内部全反射させると共に、全反射条件から外れた光線を外部に射出するようになっている。ここでは、導光板3が例えば表示部1から遠い位置から第1から第3の透明層3A〜3Cを順に含む(n=3)の場合を表している。
【0029】
第1の透明層3Aには、空気層との界面において複数の散乱エリア31が設けられている。この第1の透明層3Aは、可視光に対し、隣接する第2の透明層3Bと異なる屈折率を有する。より具体的には、本実施の形態では、第1の透明層3Aが最も高い屈折率を有し、第3の透明層3Cが最も低い屈折率を有している。但し、第3の透明層3Cは、第2の透明層3Bと同等の屈折率を有していてもよい。すなわち、第1から第3の透明層3A〜3Cにおける可視光(d線)に対する屈折率をそれぞれnA〜nCとすると、それらは以下の関係を有する。
nA>nB≧nC ……(1)
第1の透明層3Aは、例えば屈折率nA=1.49のPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)からなり、第3の透明層3Cは、例えば屈折率nC=1.59のポリカードネートからなり、第2の透明層3Bは、それらを接着する接着剤(例えば屈折率nB=1.51紫外線硬化樹脂)からなる。
【0030】
[散乱エリア31の構成例]
図5(A)は、導光板3における第1の内部反射面3S2の第1の構成例を示している。図5(B)は図5(A)に示した第1の構成例における第1の内部反射面3S2での光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。この第1の構成例は、散乱エリア31を、全反射エリア32に対して凹形状の散乱エリア31Aにした構成例である。このような凹形状の散乱エリア31Aは例えば、サンドブラスト加工やレーザ加工により形成することができる。例えば、導光板3の表面を鏡面加工した後、散乱エリア31Aに対応する部分をレーザ加工することで形成することができる。この第1の構成例の場合、第1の内部反射面3S2において、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、凹形状の散乱エリア31Aでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12の光線の一部が凹形状の側面部分33では全反射条件を満たさなくなり、一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線(散乱光線L20)の一部またはすべてが、図1に示したように、第1の内部反射面3S1に向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0031】
図6(A)は、導光板3における第1の内部反射面3S2の第2の構成例を示している。図6(B)は図6(A)に示した第2の構成例における第1の内部反射面3S2での光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。この第2の構成例は、散乱エリア31を、全反射エリア32に対して凸形状の散乱エリア31Bにした構成例である。このような凸形状の散乱エリア31Bは例えば、導光板3の表面を金型による成型加工することで形成することができる。この場合、金型の表面により全反射エリア32に対応する部分については鏡面加工を行う。この第2の構成例の場合、第1の内部反射面3S2において、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、凸形状の散乱エリア31Bでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12の光線の一部が凸形状の側面部分34では全反射条件を満たさなくなり、一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線(散乱光線L20)の一部またはすべてが、図1に示したように、第1の内部反射面3S1に向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0032】
図7(A)は、導光板3における第1の内部反射面3S2の第3の構成例を示している。図7(B)は図7(A)に示した第3の構成例における第1の内部反射面3S2での光線の反射状態および散乱状態を模式的に示している。図5(A)および図6(A)の構成例では、導光板3の表面を全反射エリア32とは異なる形状に表面加工することにより散乱エリア31を形成するようにした。これに対して図7(A)の構成例による散乱エリア31Cは、表面加工ではなく、第1の内部反射面3S2に対応する導光板3の表面に、導光板3の材料とは異なる材料による光散乱部材35を配置したものである。この場合、光散乱部材35として例えば白色塗料(例えば硫酸バリウム)をスクリーン印刷で導光板3の表面にパターニングすることで散乱エリア31Cを形成することができる。この第3の構成例の場合、第1の内部反射面3S2において、全反射条件を満たす入射角θ1で入射した第1の光源2からの第1の照明光L11は、全反射エリア32で内部全反射される。一方、光散乱部材35を配置した散乱エリア31Cでは、全反射エリア32と同じ入射角θ1で入射したとしても、入射した第1の照明光L12が光散乱部材35によって一部が散乱透過し、その他は散乱反射する。この散乱反射した光線の一部またはすべてが、第1の内部反射面3S1に向けて全反射条件を外れた光線として射出される。
【0033】
[導光板3の内部を伝播する第1の照明光L1の挙動の例]
次に、図4(A)〜4(C)を参照して、第1の光源2からの第1の照明光L1が導光板3に入射したのちの挙動について説明する。ここで、図4(A)〜4(C)は、それぞれ、第1の照明光L1が入射する位置が異なっている。図4(A)は、第1の照明光L1が第3の透明層3Cの端面から入射する場合の光線の経路を表している。同様に、図4(B)は第1の照明光L1が第2の透明層3Bの端面から入射する場合、図4(C)は第1の照明光L1が第1の透明層3Aの端面から入射する場合にそれぞれ対応している。なお、図4(A)〜4(C)では、煩雑さを回避するため、第1〜第3の透明層3A〜3Cの相互間における界面での屈折やフレネル反射については無視している。
【0034】
まず、図4(A)では、第3の透明層3Cの端面3CTから入射した第1の照明光L1のうち、空気層との界面(すなわち第1の内部反射面3S1)へ向かう成分光LL1は第1の内部反射面3S1において全反射し、第2の透明層3Bとの界面F1へ向かう。成分光LL1は界面F1を透過したのち、さらに第2の透明層3Bと第1の透明層3Aとの界面F2をも透過し、空気層との界面(第2の内部反射面3S2)に設けられた散乱エリア31へ入射する。一方、第3の透明層3Cの端面3CTから入射した第1の照明光L1のうち、界面F1へ直接向かう成分光LL2は、界面F1と界面F2とを順次透過し、散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1,LL2は第2の内部反射面3S2で全反射し、第1の内部反射面3S1へ向かう。その第1の内部反射面3S1へ向かう成分光LL1,LL2はその第1の内部反射面3S1で全反射し、散乱エリア31へ再度向かうこととなる。そののち、散乱エリア31に再度入射しなかった成分光LL1,LL2の一部は、散乱エリア31に入射するまで第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すこととなる。一方で、散乱エリア31に入射した成分光LL1,LL2から生じた一部の散乱光は、第1の透明層3Aの内部もしくは第1の透明層3Aおよび第2の透明層3Bの内部に閉じ込められる。このため、上記一部の散乱光は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなり、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返して導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、第1〜第3の透明層3A〜3Cが積層されてなる導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0035】
図4(B)では、第2の透明層3Bの端面3BTから入射した第1の照明光L1の挙動は、3つの成分光LL1〜LL3に分類して考えることができる。成分光LL1は、界面F1に対し全反射条件を満たさない入射角で入射するものであり、界面F1を透過したのち第1の内部反射面3S1へ向かうこととなる。成分光LL1は第1の内部反射面3S1において全反射したのち界面F1へ向かい、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。また、第2の透明層3Bの端面3BTから入射した第1の照明光L1のうち、界面F1で全反射したLL2は、界面F2を透過したのち散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2は、界面F1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。さらに、界面F2へ直接向かう成分光LL3は、界面F2を透過したのち散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL3は、界面F1もしくは第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。一方で、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL3から生じた一部の散乱光は、第1の透明層3Aの内部もしくは第1の透明層3Aおよび第2の透明層3Bの内部に閉じ込められる。したがって、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL3から生じた一部の散乱光や、成分光LL2,LL3の一部は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。よって、上記の一部の散乱光および成分光LL2,LL3は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すように導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、この例であっても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0036】
図4(C)では、第1の透明層3Aの端面3ATから入射した第1の照明光L1の挙動は、4つの成分光LL1〜LL4に分類して考えることができる。成分光LL1は、界面F2および界面F1の双方に対し全反射条件を満たさない入射角で入射するものである。成分光LL1は、界面F2と界面F1とを順次透過したのち第1の内部反射面3S1において全反射する。そののち、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL2は、界面F2を透過したのち界面F1において全反射するものである。界面F1での全反射ののち、界面F2を透過して散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2は、界面F1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL3は界面F2で全反射したのち散乱エリア31へ入射する。さらに、成分光LL4は第2の内部反射面3S2へ直接向かい、そのまま散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL3,LL4は、界面F2と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。一方で、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL4から生じた一部の散乱光は、第1の透明層3Aの内部もしくは第1の透明層3Aおよび第2の透明層3Bの内部に閉じ込められる。したがって、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL4から生じた一部の散乱光や、成分光LL2〜LL4は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。よって、上記の一部の散乱光および成分光LL2〜LL4は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すように導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、この例であっても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0037】
[表示装置の基本動作]
この表示装置において、3次元表示モードでの表示を行う場合、表示部1には3次元画像データに基づく画像表示を行うと共に、第1の光源2と第2の光源7とを3次元表示用にオン(点灯)・オフ(非点灯)制御する。具体的には、図1に示したように、第1の光源2をオン(点灯)状態にすると共に、第2の光源7をオフ(非点灯)状態に制御する。この状態では、第1の光源2からの第1の照明光L1は、導光板3において第1の内部反射面3S1と第1の内部反射面3S2の全反射エリア32との間で、繰り返し内部全反射されることにより、第1の光源2が配置された側の一方の側面から、対向する他方の側面へと導光され、他方の側面から射出される。その一方で、第1の光源2による第1の照明光L1の一部が、導光板3の散乱エリア31で散乱反射されることで、導光板3の第1の内部反射面3S1を透過し、導光板3の外部に射出される。これにより、導光板自体にパララックスバリアとしての機能を持たせることが可能となる。すなわち、第1の光源2による第1の照明光L1に対しては、等価的に、散乱エリア31を開口部(スリット部)とし、全反射エリア32を遮蔽部とするようなパララックスバリアとして機能させることができる。これにより、等価的に、表示部1の背面側にパララックスバリアを配置したパララックスバリア方式による3次元表示が行われる。
【0038】
一方、2次元表示モードでの表示を行う場合には、表示部1には2次元画像データに基づく画像表示を行うと共に、第1の光源2と第2の光源7とを2次元表示用にオン(点灯)・オフ(非点灯)制御する。具体的には、例えば図2に示したように、第1の光源2をオフ(非点灯)状態にすると共に、第2の光源7をオン(点灯)状態に制御する。この場合、第2の光源7による第2の照明光L10が、第1の内部反射面3S2における全反射エリア32を透過することで、第1の内部反射面3S1のほぼ全面から、全反射条件を外れた光線となって導光板3の外部に射出される。すなわち導光板3は、通常のバックライトと同様の面状光源として機能する。これにより、等価的に、表示部1の背面側に通常のバックライトを配置したバックライト方式による2次元表示が行われる。
【0039】
なお、第2の光源7のみを点灯させたとしても導光板3のほぼ全面から、第2の照明光L10が射出されるが、必要に応じて、図3のように第1の光源2を点灯するようにしても良い。これにより、例えば、第2の光源7のみを点灯しただけでは、散乱エリア31と全反射エリア32とに対応する部分で輝度分布に差が生じるような場合、第1の光源2の点灯状態を適宜調整する(オン・オフ制御、または点灯量の調整をする)ことで全面に亘って輝度分布を最適化することが可能である。ただし、2次元表示を行う場合において、例えば表示部1側で十分に輝度の補正を行える場合には、第2の光源7のみの点灯で構わない。
【0040】
[視点画像の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係]
この表示装置では、3次元表示モードでの表示を行う場合、表示部1には複数の視点画像を所定の割り当てパターンで各画素に割り当てて表示する。導光板3における複数の散乱エリア31は、その所定の割り当てパターンに対応した所定の配置パターンで設けられている。
【0041】
以下、視点画像の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の具体例を説明する。表示部1の画素構造は、図8に示したように、赤色用画素11R、緑色用画素11G、および青色用画素11Bからなる画素を複数有し、それら複数の画素が第1の方向(垂直方向)および第2の方向(水平方向)にマトリクス状に配置されているものとする。水平方向に3つの色の各画素11R,11G,11Bが周期的に交互に配列され、垂直方向には同一色の各画素11R,11G,11Bが配列されている。この画素構造の場合、表示部1に通常の2次元画像を表示する状態(2次元表示モード)では、水平方向に連続する3つの色の各画素11R,11G,11Bの組み合わせが、2次元のカラー表示を行うための1画素(2Dカラー表示の1単位画素)となる。図8では、2Dカラー表示の1単位画素を、水平方向に6画素分、垂直方向に3画素分、図示している。
【0042】
図9(A)は図8の画素構造において、表示部1の各画素に2つの視点画像(第1および第2の視点画像)を割り当てた場合の割り当てパターンと散乱エリア31の配置パターンとの対応関係の一例を示している。図9(B)は図9(A)のA−A’部分の断面に相当している。図9(B)では、2つの視点画像の分離状態を模式的に示している。この例では、2Dカラー表示の1単位画素を、1つの視点画像を表示するための1画素として割り当てている。そして、第1の視点画像と第2の視点画像とを水平方向に交互に表示するように画素を割り当てている。従って、2Dカラー表示の1単位画素を水平方向に2つ分、組み合わせたものが、3次元表示としての1単位画像(1立体画素)となる。図9(B)に示したように、第1の視点画像が観察者の右眼10Rのみに到達し、第2の視点画像が観察者の右眼10Rのみに到達する状態となることで、立体視が行われる。この例では、散乱エリア31の水平方向の配置位置が、3次元表示としての1単位画像の略中央部分に位置するように配置されている。
【0043】
ここで、散乱エリア31の水平方向の幅D1は、1つの視点画像を表示するための1画素の幅D2に対して所定の関係を有する大きさとされている。具体的には、散乱エリア31の幅D1は、幅D2に対して0.5倍以上1.5倍以下の大きさであることが好ましい。散乱エリア31の幅D1が大きくなるほど、散乱エリア31で散乱される光の量が多くなり、導光板3から射出する光の量が増加する。このため、輝度を増加させることができる。ただし、散乱エリア31の幅D1が、幅D2の1.5倍を超えると、複数の視点画像からの光が混じって観察されてしまう、いわゆるクロストークが生じるので好ましくない。逆に、散乱エリア31の幅D1が小さくなるほど、散乱エリア31で散乱される光の量が少なくなり、導光板3から射出する光の量が減少する。このため、輝度が低減する。散乱エリア31の幅D1が、幅D2の0.5倍を下回ると、輝度が低くなりすぎて画像表示として暗くなりすぎてしまうので、好ましくない。
【0044】
[効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る表示装置によれば、バックライトを構成する導光板3にパララックスバリアとしての機能を持たせるようにした。すなわち、導光板3の散乱エリア31によって第1の照明光L1を散乱させ、一部またはすべての光が第1の内部反射面3S1から表示部1へ向けて射出させるようにした。これにより、導光板3自体が等価的に、散乱エリア31を開口部(スリット部)としたパララックスバリアとして機能することとなる。したがって、別体としてパララックスバリアを設ける場合よりも部品点数を削減でき、薄型化を図ることができる。
【0045】
また、本実施の形態では、さらに、導光板3を第1〜第3の透明層3A〜3Cによって構成し、散乱エリア31が設けられた第1の透明層3Aの屈折率を、隣接する第2の透明層3Bの屈折率と異なるようにした。これにより、第1の透明層3Aにおいて第1の照明光L1を繰り返し全反射させ、第1の照明光L1が散乱エリア31に入射する確率を向上させることができる。その結果、第1の照明光L1から効率よく散乱光L20を生み出すことができる。したがって、コンパクトでありながら表示性能を損なうことなく、より高い輝度を有する視差画像を実現することができる。また、本実施の形態では、比較的大きな寸法を有する第1の光源2を配置することができる。図4(A)〜4(C)を参照して説明したように、第1,第2,第3の透明層3A,3B,3Cの端面3AT,3BT,3CTのいずれから第1の照明光L1を入射させても散乱光L20の輝度向上が望めるからである。したがって、第1の照明光L1を、例えば第1〜第3の透明層3A〜3Cの全ての端面から(導光板3の内部へ)同時に入射することもできる。
【0046】
なお、散乱光L20を効率よく取り出すための方策として、導光板3の厚さを薄くし、導光板3と表示部1との間に透明なスペーサを挿入することも考えられる。しかしながらそのようにした場合には、導光板3とスペーサとの間に空気界面が生じることとなる。そのため、立体表示の際のクロストーク(隣接する他の視点画像が本来の視点画像と混在して観察者に視認されること)の発生を招くという問題や、適用可能なLED光源の厚さに制約が生じるなどの問題が懸念される。本実施の形態では、導光板3において各透明層同士を熱溶着などにより隙間無く積層しているので、そのような問題は解消される。
【0047】
[変形例1]
図10(A)に、本実施の形態の第1の変形例(変形例1−1)としての導光板3の断面構成および第1の照明光L1の伝播経路のパターンを表す。本変形例では、第2の透明層3Bが最も高い屈折率を有し、第3の透明層3Cが最も低い屈折率を有している。第1の透明層3Aは、それらの中間の屈折率を有している。すなわち、第1から第3の透明層3A〜3Cにおける可視光(d線)に対する屈折率をそれぞれnA〜nCとすると、それらは以下の関係を有する。
nB>nA>nC ……(2)
【0048】
また、本変形例では、第1の光源2が第1の透明層3Aの端面3ATと対向するように配置され、第1の照明光L1は端面3ATからその内部へ入射されるようになっている。こうすることで、第1の照明光L1から効率よく散乱光L20を生み出すことができるからである。
【0049】
本変形例では、端面3ATから入射した第1の照明光L1の挙動は、3つの成分光LL1〜LL3に分類して考えることができる。成分光LL1は、界面F2および界面F1の双方に対し全反射条件を満たさない入射角で入射するものである。成分光LL1は、界面F2と界面F1とを順次透過したのち第1の内部反射面3S1において全反射する。そののち、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL2は、界面F2を透過したのち界面F1において全反射するものである。界面F1での全反射ののち、界面F2を透過して散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2は、界面F1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL3は第2の内部反射面3S2へ直接向かい、そのまま散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL3も、界面F1と第2の内部反射面3S2との間の全反射、および第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。一方で、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL3から生じた一部の散乱光は、界面F1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。したがって、上記の一部の散乱光や、成分光LL2、および成分光LL3の一部は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。よって、上記の一部の散乱光、成分光LL2、および成分光LL3の一部は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すように導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、本変形例であっても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0050】
なお、本変形例において、例えば図10(B),10(C)の参考例(参考例1−1,1−2)のように、第1の光源2を端面3BTもしくは端面3CTと対向するように配置した場合には、散乱光L20の発生効率が低下してしまう。入射した第1の照明光L1のうち、第1の透明層3Aに入射することなく導光板3を伝播する成分光が、導光板3と同じ厚さの均一な屈折率を有する単一層からなる導光板と比べ、より多く存在するからである。
【0051】
[変形例2]
図11(A),11(B)に、本実施の形態の第2の変形例(変形例2−1,2−2)としての導光板3の断面構成および第1の照明光L1の伝播経路のパターンを表す。本変形例では、第1の透明層3Aが最も高い屈折率を有し、第2の透明層3Bが最も低い屈折率を有している。第3の透明層3Cは、それらの中間の屈折率を有している。すなわち、第1から第3の透明層3A〜3Cにおける可視光(d線)に対する屈折率をそれぞれnA〜nCとすると、それらは以下の関係を有する。
nA>nC>nB ……(3)
【0052】
また、本変形例では、第1の光源2が第2の透明層3Bの端面3BT(図11(A))もしくは第1の透明層3Aの端面3AT(図11(B))と対向するように配置され、第1の照明光L1は端面3AT,3BTからその内部へ入射されるようになっている。こうすることで、第1の照明光L1から効率よく散乱光L20を生み出すことができるからである。
【0053】
図11(A)の変形例2−1では、端面3BTから入射した第1の照明光L1の挙動は、2つの成分光LL1,LL2に分類して考えることができる。成分光LL1は、第1の内部反射面3S1に対し全反射条件を満たす入射角で入射するものである。成分光LL1は、界面F1を透過したのち第1の内部反射面3S1において全反射する。そののち、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。また、成分光LL2は、界面F2を透過して散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。一方、散乱エリア31に入射した成分光LL1,LL2から生じた一部の散乱光は、第1の透明層3Aの内部もしくは第1の透明層3Aおよび第2の透明層3Bの内部に閉じ込められる。したがって、上記の一部の散乱光は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。よって、上記の一部の散乱光は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すように導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、本変形例においても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0054】
図11(B)の変形例2−2では、端面3ATから入射した第1の照明光L1の挙動は、3つの成分光LL1〜LL3に分類して考えることができる。成分光LL1は、界面F2および界面F1の双方に対し全反射条件を満たさない入射角で入射するものである。成分光LL1は、界面F2と界面F1とを順次透過したのち第1の内部反射面3S1において全反射する。そののち、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL2は、界面F2で全反射したのち散乱エリア31へ入射する。また、成分光LL3は、第2の内部反射面3S2へ直接向かい、そのまま散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2,LL3は、界面F2と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる(図示せず)。さらに、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL3から生じた一部の散乱光は、界面F2と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる(図示せず)。したがって、上記の一部の散乱光や成分光LL2,LL3は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。その結果、本変形例においても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0055】
なお、例えば図11(C)の参考例(参考例2−1)のように、第1の光源2を端面3CTと対向するように配置した場合には、散乱光L20の発生効率が低下してしまう。入射した第1の照明光L1のうち、第1の透明層3Aに入射せずに導光板3を伝播する成分光が、導光板3と同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、より多く存在するからである。
【0056】
[変形例3]
図12(A),12(B)に、本実施の形態の第3の変形例(変形例3−1,3−2)としての導光板3の断面構成および第1の照明光L1の伝播経路のパターンを表す。本変形例では、第3の透明層3Cが最も高い屈折率を有し、第2の透明層3Bが最も低い屈折率を有している。第1の透明層3Aは、それらの中間の屈折率を有している。すなわち、第1から第3の透明層3A〜3Cにおける可視光(d線)に対する屈折率をそれぞれnA〜nCとすると、それらは以下の関係を有する。
nC>nA>nB ……(4)
【0057】
また、本変形例では、第1の光源2が第1の透明層3Aの端面3AT(図12(A))もしくは第2の透明層3Bの端面3BT(図12(B))と対向するように配置され、第1の照明光L1は端面3AT,3BTからその内部へ入射されるようになっている。こうすることで、第1の照明光L1から効率よく散乱光L20を生み出すことができるからである。
【0058】
図12(A)の変形例3−1では、端面3ATから入射した第1の照明光L1の挙動は、3つの成分光LL1〜LL3に分類して考えることができる。成分光LL1は、界面F2および界面F1の双方に対し全反射条件を満たさない入射角で入射するものである。成分光LL1は、界面F2と界面F1とを順次透過したのち第1の内部反射面3S1において全反射する。そののち、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL2は、界面F2において全反射するものである。界面F2での全反射ののち散乱エリア31へ入射する。成分光LL3は第2の内部反射面3S2へ直接向かい、そのまま散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2,LL3は、界面F2と第2の内部反射面3S2との間の全反射、および第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。一方で、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL3から生じた一部の散乱光は、界面F2と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。したがって、上記の一部の散乱光や、成分光LL2、および成分光LL3は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。よって、上記の一部の散乱光および成分光LL2,LL3は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すように導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、本変形例においても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0059】
図12(B)の変形例3−2では、端面3BTから入射した第1の照明光L1の挙動は、2つの成分光LL1,LL2に分類して考えることができる。成分光LL1は、第1の内部反射面3S1に対し全反射条件を満たす入射角で入射するものである。成分光LL1は、界面F1を透過したのち第1の内部反射面3S1において全反射する。そののち、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL2は、界面F2を透過して散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。また、散乱エリア31に入射した成分光LL1,LL2から生じた一部の散乱光は、第1の透明層3Aの内部もしくは第1の透明層3Aおよび第2の透明層3Bの内部に閉じ込められる。したがって、上記一部の散乱光は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。よって、上記の一部の散乱光は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すように導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、本変形例においても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0060】
なお、本変形例において、例えば図12(C)の参考例3−1のように、第1の光源2を端面3BTと対向するように配置した場合には、散乱光L20の発生効率は導光板3が単一層からなる場合と変わらない。
【0061】
[変形例4]
図13(A)に、本実施の形態の第4の変形例(変形例4−1)としての導光板3の断面構成および第1の照明光L1の伝播経路のパターンを表す。本変形例では、第2の透明層3Bが最も高い屈折率を有し、第1の透明層3Aが最も低い屈折率を有している。第3の透明層3Cは、それらの中間の屈折率を有している。すなわち、第1から第3の透明層3A〜3Cにおける可視光(d線)に対する屈折率をそれぞれnA〜nCとすると、それらは以下の関係を有する。
nB>nC>nA ……(5)
【0062】
また、本変形例では、第1の光源2が第1の透明層3Aの端面3AT(図13(A))もしくは第2の透明層3Bの端面3BT(図13(B))と対向するように配置され、第1の照明光L1は端面3AT,3BTからその内部へ入射されるようになっている。こうすることで、第1の照明光L1から効率よく散乱光L20を生み出すことができるからである。
【0063】
図13(A)の変形例4−1では、端面3ATから入射した第1の照明光L1の挙動は、3つの成分光LL1〜LL3に分類して考えることができる。成分光LL1は、界面F2および界面F1の双方に対し全反射条件を満たさない入射角で入射するものである。成分光LL1は、界面F2と界面F1とを順次透過したのち第1の内部反射面3S1において全反射する。そののち、界面F1と界面F2とを順次透過し、第2の内部反射面3S2に設けられた散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL1は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL2は、界面F2を透過したのち界面F1において全反射するものである。界面F1での全反射ののち、界面F2を透過して散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL2は、界面F1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。成分光LL3は第2の内部反射面3S2へ直接向かい、そのまま散乱エリア31へ入射する。散乱エリア31に入射しなかった成分光LL3は、界面F1もしくは第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。また、散乱エリア31に入射した成分光LL1〜LL3から生じた一部の散乱光は、界面F1と第2の内部反射面3S2との間の全反射を繰り返すこととなる。したがって、上記の一部の散乱光や、成分光LL2、および成分光LL3の一部は、導光板3のうちの限定された厚さの範囲内のみを伝播することとなる。よって、上記の一部の散乱光、成分光LL2、および成分光LL3の一部は、第1の内部反射面3S1と第2の内部反射面3S2との間で全反射を繰り返すように導光板3の全体を伝播する光と比べ、より高い確率で再び散乱エリア31に入射する。その結果、本変形例であっても、導光板3は、それと同じ厚さを有する均一な屈折率の単一層からなる導光板と比べ、第1の照明光L1から、より多くの散乱光L20を生み出すことができる。
【0064】
なお、本変形例において、例えば図13(B),13(C)の参考例(参考例4−1,4−2)のように、第1の光源2を端面3BTもしくは端面3CTと対向するように配置した場合には、散乱光L20の発生効率が低下してしまう。入射した第1の照明光L1のうち、第1の透明層3Aに入射することなく導光板3を伝播する成分光が、導光板3と同じ厚さの均一な屈折率を有する単一層からなる導光板と比べ、より多く存在するからである。
【0065】
[適用例]
次に、上記した照明装置を有する表示装置の適用例について説明する。
【0066】
本技術の表示装置は、各種用途の電子機器に適用可能であり、その電子機器の種類は特に限定されない。この表示装置は、例えば、以下の電子機器に搭載可能である。ただし、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
【0067】
図14は、テレビジョン装置の外観構成を表している。このテレビジョン装置は、例えば、表示装置としての映像表示画面部200を備えている。映像表示画面部200は、フロントパネル210およびフィルターガラス220を含むものである。
【0068】
本技術の表示装置は、図14に示したテレビジョン装置のほか、例えばタブレット型パーソナルコンピュータ(PC)、ノート型PC、モバイルフォン、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラあるいはカーナビゲーションシステムにおける映像表示部分として用いることができる。
【実施例】
【0069】
続いて、本技術の実施例について説明する。ここでは、図15に示した、第1および第2の透明層3A,3Bの2層構造からなる導光板3を備えた照明装置(実施例)を作製し、光の取り出し効率について、導光板が単層構造であること以外は同じ構造の照明装置(参考例)との比較を行った。実施例としての導光板3では、第1の透明層3Aを、ポリカーボネート(nd=1.59)を用いて1mmの厚さとなるように構成し、第2の透明層3Bを、PMMA(nd=1.49)を用いて2mmの厚さとなるように構成した。第1の透明層3Aと第2の透明層3Bとは、例えば熱溶着により界面Fにおいて空間を有することなく接合されている。なお、この照明装置では、散乱エリア31および全反射エリア32を、第1の透明層3Aと空気層との界面である第2の内部反射面3S2に設け、散乱光L20を、反対側の第1の内部反射面3S1から外部へ射出させるようにした。一方、参考例の導光板については、PMMA(nd=1.49)を用いて3mmの厚さとなるように構成した。
【0070】
それらの実施例および参考例について第1の光源2としてのLED(発光ダイオード)から第1の照明光L1を入射し、散乱光L20を取り出したところ、第1の照明光L1の強度に対する散乱光L20の強度は、参考例に対し実施例が7.3%ほど高かった。
【0071】
この結果、本実施例のように多層構造の導光板を採用することで、光源光を効率的に取り出すことが可能なことが確認できた。
【0072】
以上、実施の形態、いくつかの変形例、および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態等では、導光板3が第1から第3の透明層3A〜3Cを順に有する3層構造としたが、本技術はこれに限定されず、透明層の数を適宜変更することができる。すなわち、導光板は、例えば図15に示したような2層構造をなすものであってもよいし、4層以上の透明層からなるものであってもよい。
【0073】
また、上記実施の形態等では、導光板3において、表示部1から最も遠い位置にある第1の透明層3Aの外側表面に散乱エリア31および全反射エリア32を設けるようにしたが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、図16(A)に示したように、導光板3の、表示部1と対向する面に散乱エリア31および全反射エリア32を設けるようにしてもよい。あるいは、図16(B)に示したように、導光板3における透明層同士の界面に散乱エリア31および全反射エリア32を設けることも可能である。
【0074】
また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、
前記導光板の端面からその内部へ照明光を入射する光源と
を有し、
前記複数の透明層のうちの1つは、各々前記照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有する
照明装置。
(2)
前記複数の散乱エリアは、前記導光板の最外表面に設けられている
上記(1)記載の照明装置。
(3)
前記光源からの前記照明光は、前記散乱エリアを含む透明層の端面からその内部へ入射される
上記(2)記載の照明装置。
(4)
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と2層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面および前記第2の透明層の端面のうちの少なくとも一方からその内部へ入射される
上記(2)記載の照明装置。
(5)
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と、前記第2の透明層と同等の屈折率もしくは前記第2の透明層よりも低い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有する
上記(2)記載の照明装置。
(6)
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも高い屈折率を有する第2の透明層と、前記第2の透明層よりも低い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面からその内部へ入射される
上記(2)記載の照明装置。
(7)
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と、前記第1の透明層よりも低く前記第2の透明層よりも高い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面および前記第2の透明層の端面の少なくとも一方からその内部へ入射される
上記(2)記載の照明装置。
(8)
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と、前記第1の透明層および第2の透明層よりも高い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面および前記第2の透明層の端面のうちの少なくとも一方からその内部へ入射される
上記(2)記載の照明装置。
(9)
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも高い屈折率を有する第2の透明層と、前記第2の透明層よりも低い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面からその内部へ入射される
上記(2)記載の照明装置。
(10)
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を備え、
前記照明装置は、
互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、
前記導光板の端面からその内部へ照明光を入射する光源と
を有し、
前記複数の透明層のうちの1つは、各々前記照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有する
表示装置。
(11)
前記導光板は、互いに対向する第1および第2の内部反射面を有し、
前記第1および第2の内部反射面のうちの少なくとも一方に、前記第1の照明光を散乱させて前記第1の内部反射面から前記表示部へ向かう散乱光を射出する前記散乱エリアが複数設けられており、
前記照明装置は、前記導光板の前記第2の内部反射面に向けて外側から第2の照明光を照射する第2の光源をさらに有し、
前記表示部は、3次元画像データに基づく画像と2次元画像データに基づく画像とを選択的に切り替え表示するものであり、
前記第1の光源は、前記表示部に3次元画像データに基づく画像を表示する場合には点灯状態に制御されると共に、前記表示部に2次元画像データに基づく画像を表示する場合には非点灯状態または点灯状態に制御され、
前記第2の光源は、前記表示部に3次元画像データに基づく画像を表示する場合には非点灯状態に制御されると共に、前記表示部に2次元画像データに基づく画像を表示する場合には点灯状態に制御される
上記(10)記載の表示装置。
(12)
照明装置と、前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを有する表示装置を備えた電子機器であって、
前記照明装置は、
互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、
前記導光板の端面からその内部へ照明光を入射する光源と
を有し、
前記複数の透明層のうちの1つは、各々前記照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有する
電子機器。
【符号の説明】
【0075】
1…表示部、1R…有効表示領域、2…第1の光源(2D/3D表示用光源)、3…導光板、3A〜3C…第1〜第3の透明層、3S1…第1の内部反射面、3S2…第2の内部反射面、7…第2の光源(2D表示用光源)、10L…左眼、10R…右眼、11R…赤色表示用画素、11G…緑色表示用画素、11B…青色表示用画素、31…散乱エリア、32…全反射エリア、33…凹形状の側面部分、34…凸形状の側面部分、35…光散乱部材、200…映像表示画面部、210…フロントパネル、220…フィルターガラス、L1,L11,L12…第1の照明光、L10…第2の照明光,L20…散乱光線、θ1…入射角。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、
前記導光板の端面からその内部へ照明光を入射する光源と
を有し、
前記複数の透明層のうちの1つは、各々前記照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有する
照明装置。
【請求項2】
前記複数の散乱エリアは、前記導光板の最外表面に設けられている
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の光源からの前記第1の照明光は、前記散乱エリアを含む透明層の端面からその内部へ入射される
請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と2層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面および前記第2の透明層の端面のうちの少なくとも一方からその内部へ入射される
請求項2記載の照明装置。
【請求項5】
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と、前記第2の透明層と同等の屈折率もしくは前記第2の透明層よりも低い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有する
請求項2記載の照明装置。
【請求項6】
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも高い屈折率を有する第2の透明層と、前記第2の透明層よりも低い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面からその内部へ入射される
請求項2記載の照明装置。
【請求項7】
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と、前記第1の透明層よりも低く前記第2の透明層よりも高い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面および前記第2の透明層の端面の少なくとも一方からその内部へ入射される
請求項2記載の照明装置。
【請求項8】
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも低い屈折率を有する第2の透明層と、前記第1の透明層および第2の透明層よりも高い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面および前記第2の透明層の端面のうちの少なくとも一方からその内部へ入射される
請求項2記載の照明装置。
【請求項9】
前記導光板は、前記複数の散乱エリアを含む第1の透明層と、前記第1の透明層よりも高い屈折率を有する第2の透明層と、前記第2の透明層よりも低い屈折率を有する第3の透明層とが順に積層された3層構造を有し、
前記光源からの前記照明光は、前記第1の透明層の端面からその内部へ入射される
請求項2記載の照明装置。
【請求項10】
照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部と
を備え、
前記照明装置は、
互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、
前記導光板の端面からその内部へ第1の照明光を入射する第1の光源と
を有し、
前記複数の透明層のうちの1つは、各々前記第1の照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有する
表示装置。
【請求項11】
前記導光板は、互いに対向する第1および第2の内部反射面を有し、
前記第1および第2の内部反射面のうちの少なくとも一方に、前記第1の照明光を散乱させて前記第1の内部反射面から前記表示部へ向かう散乱光を射出する前記散乱エリアが複数設けられており、
前記照明装置は、前記導光板の前記第2の内部反射面に向けて外側から第2の照明光を照射する第2の光源をさらに有し、
前記表示部は、3次元画像データに基づく画像と2次元画像データに基づく画像とを選択的に切り替え表示するものであり、
前記第1の光源は、前記表示部に3次元画像データに基づく画像を表示する場合には点灯状態に制御されると共に、前記表示部に2次元画像データに基づく画像を表示する場合には非点灯状態または点灯状態に制御され、
前記第2の光源は、前記表示部に3次元画像データに基づく画像を表示する場合には非点灯状態に制御されると共に、前記表示部に2次元画像データに基づく画像を表示する場合には点灯状態に制御される
請求項10記載の表示装置。
【請求項12】
照明装置と、前記照明装置からの光を利用して映像表示を行う表示部とを有する表示装置を備えた電子機器であって、
前記照明装置は、
互いに密接して積層された複数の透明層を含む導光板と、
前記導光板の端面からその内部へ照明光を入射する光源と
を有し、
前記複数の透明層のうちの1つは、各々前記照明光を散乱させる散乱エリアを複数含み、かつ、隣接する他の透明層と異なる屈折率を有する
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−105675(P2013−105675A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250029(P2011−250029)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】