説明

照明装置およびその製造方法

【課題】低消費電力かつ偏光面の揃えられた光を照射する照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10Aは、透明な第2基板101上に形成された第1ワイヤグリッド106Aおよび106Bと、第1電極103と第2電極105とを備えた有機EL素子102と、第1電極103と第2電極105とを区分けする絶縁性の隔壁110と、導電部107とを備え、第2電極105は第1ワイヤグリッド106Aの上に形成され、第1電極103は導電部107を介して第1ワイヤグリッド106Bと電気的と接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(Electroluminescence Led)素子などの発光素子を備える照明装置、その製造方法およびこれを備える表示装置などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを照らす光源として外部からの自然光を活用する反射型液晶装置が存在する。
反射型液晶装置は、低消費電力化を図ることができるという利点を有する一方、暗い場所での表示が困難である。
【0003】
他方、補助光源としての照明装置を備えた液晶表示装置の開発が多く行われている。
これは、外部からの自然光を活用しつつ、使用場所の明るさに応じて照明装置からの光を液晶パネルに照射することで、暗い場所でも鮮明な表示を可能とするものである。
このような照明装置として、携帯電話などの小型化が要求される液晶装置においては、有機EL素子などの自発光素子が用いられている。
【0004】
これら有機EL素子から照射される光は、従来、無偏光であり、何らかの手段で照射光の偏光面を揃える必要がある。
特許文献1では、有機EL素子が発する光を、偏光素子であるワイヤグリッドを透過させることで、偏光面の揃った照射光を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2008−65004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、有機EL素子は、発光機能層と、発光機能層を両側から挟む陽極、陰極の両電極と、により構成される。
このような有機EL素子を照明装置として用いるためには、発光機能層が発する光を、発光機能層を挟む陽極か陰極かのいずれかの電極を透過させ、さらに、ワイヤグリッドを透過させることで偏光面を揃えることが必要となる。
すなわち、発光機能層を挟む両電極のうち、少なくとも一方は透明電極であることが必要であることになる。
【0007】
有機EL素子の透明電極としては、陽極としてITO(indium tin oxide)などの透明導電材料が用いられるが、これら透明導電材料はAgやAl等の金属材料に比べ抵抗率が高く、低消費電力化を実現することは難しい。
他方、陰極として用いられるAgやAl等の金属材料は、材料自体の抵抗率は低いが、これらを透明電極として用いる場合には、光を透過させるために膜厚を極めて薄くすることが必要となり、結果として抵抗値が上昇することとなり、低消費電力化は難しい。
【0008】
このように、従来の方法では、ワイヤグリッドを用いることで有機EL素子から偏光面の揃えられた照射光を得ることは可能ではあるが、有機EL素子の構成上、透明電極が必須の構成要素となるため、前記の理由により発光装置の低消費電力化が困難であった。
【0009】
そこで、本発明では、上述した事情を鑑み、低消費電力を実現しつつ、偏光面の揃えられた光を照射することが可能な照明装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る照明装置は、上述した課題を解決するため、
第1基板と、透明な第2基板と、
第1電極、透明な第2電極、および発光機能層を備えた発光素子と、
前記第2基板上に形成された第1ワイヤグリッドと、
前記第2基板上に形成され、前記第1電極と前記第2電極を区分けする絶縁性の隔壁と、
を備える。
【0011】
この照明装置によれば、
前記第2電極は、前記第2基板および前記第1ワイヤグリッド上に形成される。
第1ワイヤグリッドは、一定ピッチで平行に配置された微細な直線状の導電部材より構成される。従って、第1ワイヤグリッドに入射する光のうち、導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光を通過し、導電部材に平行な電場ベクトル成分の光を反射する。照明装置は、偏光面の揃えられた光を照射することが可能となる。
また、第1ワイヤグリッドは、導電部材で構成されているので、第1ワイヤグリッドを第2電極に接続すると、第1ワイヤグリッドと第2電極の合成抵抗値が低下する。このため、電源インピーダンスを下げて、照明装置の消費電力を低減させることが可能となる。
即ち、偏光された光を得るための第1ワイヤグリッドを、電源インピーダンスの低下にも活用することができる。
【0012】
また、上述した照明装置において、
前記第1電極は、前記第1ワイヤグリッドに導電部を介して電気的に接続されることが好ましい。
この場合には、第1ワイヤグリッドと第1電極との合成抵抗値が低下する。このため、電源インピーダンスを下げて、照明装置の消費電力を低減させることが可能となる。
即ち、偏光された光を得るための第1ワイヤグリッドを、電源インピーダンスの低下にも活用することができる。
【0013】
また、上述した照明装置において、前記第1基板上に形成された遮蔽材を備え、前記第1基板と直交する方向から前記遮蔽材を見たとき、前記発光機能層の全部が前記遮蔽材と重なることが好ましい。
上述した照明装置を反射型の液晶装置のフロントライトとして用いる場合、発光機能層から見て第2基板側に液晶装置を配置する。観察者は発光機能層から見て第1基板側に位置する。発光機能層から照射される光のうち、第2基板側に向かう光は液晶装置の内部で反射されるとともに光変調されて観察者に向かう。この光は表示に寄与する。一方、発光機能層から照射される光のうち、第1基板側に向かう光は表示に寄与しない。この発明によれば、発光機能層より第1基板側に照射された光は前記遮蔽材により吸収されるため、観察者に届く光の大部分は、前記液晶装置により反射された光とすることができる。よって、表示装置の視認性とコントラストとを向上させることができる。
【0014】
また、上述した照明装置において、
前記遮蔽材上の前記第2基板側に反射性のPS変換素子を備えることが好ましい。
発光機能層から照射される光のうち、第1ワイヤグリッドに垂直な電場ベクトル成分の光は第1ワイヤグリッドを透過する。一方、第1ワイヤグリッドに平行な電場ベクトル成分の光は第1ワイヤグリッドで反射され、PS変換素子に至る。PS変換素子には、入射光の電場の向きを90度ずらして反射する機能がある。このため、第1ワイヤグリッドで反射された光がPS変換素子で再反射されると、第1ワイヤグリッドに垂直な電場ベクトル成分の光に変換される。この光は、第1ワイヤグリッドを透過するので、光の有効利用が可能となる。
【0015】
また、上述した照明装置において、
前記第1電極上に形成された複数の線状の導電部材からなる第2ワイヤグリッドを備え、
前記第2ワイヤグリッドの導電部材は、前記第1ワイヤグリッドの導電部材と直交する、ことが好ましい。
この場合には、発光機能層より第1基板側に照射され、第2ワイヤグリッドに入射した光のうち、第2ワイヤグリッドを構成する導電部材に平行な電場ベクトル成分の光は反射される。この反射光は、第1ワイヤグリッドを構成する導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光である。従って、反射光は第1ワイヤグリッドを透過することができ、光の有効利用が可能となる。
【0016】
本発明に係る電子機器は、上述した照明装置を備える。このような電子機器として、本発明に係る照明装置を備えた表示装置を適用したパーソナルコンピュータ、携帯電話機、および携帯情報端末などが該当する。
【0017】
本発明に係る照明装置を製造する方法は、前記第2基板上に、前記隔壁を形成し、前記第2基板上に、前記第1ワイヤグリッドを形成し、前記第2基板と前記第1ワイヤグリッドとの上に、前記隔壁に接するように、前記第2電極を形成し、前記第2電極上に、前記隔壁に接するように前記発光機能層を形成し、前記第2基板、前記隔壁、および前記発光機能層の上に前記第1電極を形成し、前記第2基板と、前記第1電極とを覆うように第2充填層を形成し、前記第1基板上に、第1充填層を形成し、前記第1充填層と前記第2充填層とを接着する、ことを特徴とする。
この製造方法によれば、第1ワイヤグリッドに偏光された光を得る機能と、電源インピーダンスを低下させる機能とを併せ持たせた照明装置を製造することができる。
【0018】
本発明に係る他の照明装置を製造する方法は、前記第2基板上の第1領域と第2領域に、前記第1ワイヤグリッドを形成し、前記第1領域に形成された第1ワイヤグリッドの上に、前記第2電極を形成し、前記第2領域に形成された第1ワイヤグリッドの上に、前記導電部を形成し、前記第2基板、前記第2電極、および前記導電部の上に、前記第2電極と前記導電部とを区分けするように前記隔壁を形成し、前記第2電極上に、前記隔壁上に接するように前記発光機能層を形成し、前記発光機能層、前記隔壁、および前記導電部の上に、前記第1電極を形成し、前記第1電極を覆うように、第2充填層を形成し、前記第1基板上に、第1充填層を形成し、前記第1充填層と前記第2充填層とを接着する、ことを特徴とする。
この製造方法によれば、第1ワイヤグリッドの上に第2電極だけでなく導電部を形成するから、電源インピーダンスをより一層低減することができる照明装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る表示装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る図1の表示装置のうち照明装置の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る照明装置に備えられた有機EL素子の有する電気的特性を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る図1の表示装置のうち照明装置の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る図1の表示装置のうち照明装置の構造を示す断面図である。
【図6】本発明の変形例2に係る図1の表示装置のうち照明装置の構造を示す断面図である。
【図7】本発明の変形例3に係る図1の表示装置のうち照明装置の構造を示す断面図である。
【図8】図2の発光装置を製造する手順の一工程を示す図である。
【図9】図8の次の工程を示す図である。
【図10】図9の次の工程を示す図である。
【図11】図10の次の工程を示す図である。
【図12】図11の次の工程を示す図である。
【図13】図12の次の工程を示す図である。
【図14】図13の次の工程を示す図である。
【図15】図14の次の工程を示す図である。
【図16】本発明に係る表示装置を有するパーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る表示装置を有する携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図18】本発明に係る表示装置を有する携帯情報端末の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<A:第1実施形態>
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置1を示す断面図である。
表示装置1は、照明装置10Aと、液晶装置20とから構成される。照明装置10Aは、液晶装置20の光源として用いられる。
液晶装置20は、例えば、素子基板、対向基板、素子基板と対向基板とに挟持される液晶とを備える。素子基板には、複数の走査線と、複数のデータ線とが形成され、さらに、走査線とデータ線との交差に対応して複数の画素回路がマトリクス状に形成される。複数の画素回路の各々は、選択トランジスタ、画素電極、および保持容量を備える。走査線を介して供給される走査信号がアクティブになると、選択トランジスタがオンしてデータ線を介して供給されるデータ信号が画素電極に印加される。一方、対向基板には、複数の画素回路に共通の対向電極が形成されている。そして、画素電極、対向電極、およびこれらに挟持される液晶によって、液晶容量が構成される。走査信号が非アクティブとなり、選択トランジスタがオフしても画素電極に書き込まれたデータ信号は、液晶容量および保持容量によって保持される。なお、素子基板にデータ線や走査線を駆動する駆動回路を形成してもよい。
本実施形態の液晶装置20は、反射型であり、画素電極は反射性の金属で構成される。この場合、照明装置10Aはフロントライトとして機能する。すなわち、本実施形態では、照明装置10Aより照射された光が液晶装置20の画素電極により反射され、反射された光は再び照明装置10Aを透過したのち、図の上部に位置する観察者に至ることになる。
【0022】
図2に照明装置10Aの断面を示す。
照明装置10Aは、光を発光する発光部100Aと、遮光部100Bとから構成される。
発光部100Aは、第1ワイヤグリッド106Aおよび106Bが形成された第2基板101と、導電部107と、複数の有機EL素子102と、複数の有機EL素子102を電気的に分離する隔壁(セパレータ)110と、第2充填層111と、を備える。
遮光部100Bは、第1基板121と、遮蔽材122と、第1充填層123とを備える。図示はしないが、発光部100Aと遮光部100Bは透明な接着剤により接着される。
【0023】
第2基板101は透明なガラス基板である。第2基板101上には、第1ワイヤグリッド106Aおよび106Bが形成される。
なお、以下の説明において、第1ワイヤグリッド106Aと、106Bとを区別しない場合には、両者を纏めて第1ワイヤグリッド106と称する。
第1ワイヤグリッド106は、アルミニウム等の導電部材を微細な直線状の形状にして、それらを一定のピッチ(例えば、200nm以下)で平行に(ストライプ状に)配置したものである。
第1ワイヤグリッドを構成する導電部材のピッチが入射光の波長(可視光の場合、波長400nmから800nm)に比べて小さい(例えば可視光の場合、ピッチが200nm以下)場合、入射光のうち導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光は通過するが、導電部材に平行な電場ベクトル成分に光は反射する。
この例では、第1ワイヤグリッド106と第2基板101とは接しているが、第1ワイヤグリッド106は、偏光した光を得るために用いられるので、第2基板101と第1ワイヤグリッド106の間に絶縁性の透明材料で構成された層(透明層)を設けてもよい。なお、第2基板101上に透明層を有する場合、これらを一体として一個の基板として観念できることは言うまでもない。
【0024】
有機EL素子102は、第1電極103と、発光機能層104と、第2電極105と、を備える。第2基板101上には、有機EL素子102に給電して発光させるための配線が形成されているが、配線の図示は省略する。この例では、発光部100Aに複数の有機EL素子102が形成される。
第2電極105は、陽極であり、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、またはZnOのような透明酸化物導電材料から形成される。第2電極105は、図2に示すように、第2基板101と、第1ワイヤグリッド106Aとの上に(第1ワイヤグリッド106Aと一体となるよう)形成される。
【0025】
発光機能層104は、少なくとも発光層を含み、発光層は正孔と電子が結合して発光する有機EL物質を材料とする。この実施の形態では、有機EL物質は低分子材料である。発光機能層104を構成する他の層として、電子ブロック層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層および正孔ブロック層の一部または全部を備えていてもよい。発光機能層104は、第2電極105の上に、隔壁110に接するように形成される。
【0026】
第1電極103は、陰極であり、アルミニウムや銀のような金属薄膜から形成された透明電極である。第1電極103は、全ての発光機能層104、隔壁110、および全ての導電部107を覆うように形成される。
【0027】
導電部107は、第2電極105と同様、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、またはZnOのような透明酸化物導電材料から形成される。導電部107は、第2基板101と、第1ワイヤグリッド106Bとの上に(第1ワイヤグリッド106Bと一体として)形成される。なお、本実施形態では、発光部100Aに複数の導電部107が形成される。
【0028】
隔壁110は、絶縁性の透明材料、例えばアクリル、ポリイミドなどを材料とする。隔壁110は、第2基板101、第2電極105、および導電部107の上に形成される。
隔壁110により、第1電極103および第2電極105、並びに、導電部107および第2電極105が、それぞれ区分され短絡することを防止している。
【0029】
第2充填層111の材料は、透明な無機化合物である。第2充填層111は、第1電極103上に、第1電極103の全面に接触するよう形成される。第2充填層111は、接着剤により遮光部100Bの第1充填層123と接着される。図示は省略するが、接着剤は透明な樹脂、例えばエポキシ系の樹脂から形成される。
【0030】
第1基板121は透明なガラス基板である。第1基板121上には、光を遮蔽する遮蔽材122が形成される。遮蔽材122は、酸化クロムなどの低反射素材で構成される。
当該遮蔽材により外光を吸収するため、外光が有機EL素子102を構成する電極などによって反射されることを防ぎ、コントラストが向上する。
また、第1基板121上には、透明な無機化合物から形成された第1充填層123が配置される。第1充填層123は、前記接着剤により発光部100Aの第2充填層111と接着される。
【0031】
本実施形態では、照明装置10Aは、単一の第1電極103、複数の発光機能層104、および、複数の第2電極105を備える。第1電極103と、個々の第2電極105との間で電流が流れたときには、電流が流れた第2電極105に直接接続する発光機能層104のみが発光する。
発光機能層104からは、図2の下方向104a(すなわち、発光機能層104からみて第2基板101側)と、図2の上方向104b(すなわち、発光機能層104からみて第1基板121側)との、双方に向かって光が照射される。
【0032】
発光機能層104から上方向104bに向けて照射された光は、遮蔽材122によって吸収される。一方、発光機能層104から下方向104aに向けて照射され、第2電極105、第1ワイヤグリッド106A、および第2基板101を透過した光は、液晶装置20を照明する。
なお、前述の通り、ワイヤグリッドは、入射光のうち、ワイヤグリッドを構成する導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光のみを透過させ、ワイヤグリッドを構成する導電部材に平行な電場ベクトル成分の光を反射する。
すなわち、第1ワイヤグリッド106Aを透過した照射光は、電場の向きが第1ワイヤグリッドを構成する導電部材に垂直な方向に揃えられ、直線偏光された光として、液晶装置20を照明することになる。
また、発光機能層104から下方向104aに向けて照射された光のうち、第1ワイヤグリッド106Aの導電部材に平行な電場ベクトル成分の光は、第1ワイヤグリッド106Aにより上方向104bに向けて反射される。この反射光のうち多くの割合の光は、遮蔽材122によって吸収される。
【0033】
図3に、有機EL素子102および電源ラインの等価回路を示す。発光素子Eは、有機EL素子102のうち、発光機能層104を示す。抵抗Raは、有機EL素子102の陽極の分布抵抗を示す。具体的には、第2電極105、第1ワイヤグリッド106A、およびこれらに電気的に接続される第2基板101上の配線により抵抗Raが構成される。
抵抗Rbは、有機EL素子102の陰極の分布抵抗を示し、具体的には、第1電極103、導電部107、第1ワイヤグリッド106B、およびこれらに電気的に接続される第2基板101上の配線により抵抗Rbが構成される。
【0034】
抵抗Raを構成する第2電極105は、ITOなどの透明導電材料で構成されており、AgやAlなどの金属に比べて高い抵抗値を有する。しかし、抵抗Raには導電部材である第1ワイヤグリッド106Aが含まれているため、抵抗Raの抵抗値は低く抑えられる。
また、抵抗Rbを構成する第1電極103は、MgAg等の抵抗値の低い金属膜から形成されているが、光が透過できるように膜厚を極めて薄くしているため高い抵抗値を有する。しかし、抵抗Rbには導電部材である第1ワイヤグリッド106Bが含まれているため、抵抗Rbの抵抗値は低く抑えられる。
【0035】
このように、本実施形態は、第1ワイヤグリッド106を具備し、これらが、有機EL素子102の陽極および陰極と電気的に接続されている。このため、有機EL素子102の電源ラインの抵抗値を低く抑えることが可能となる。
すなわち、本実施形態は、照明装置10Aの低消費電力化が可能になるという利点を有している。
【0036】
また、本実施形態は、照明装置10に第1ワイヤグリッド106を有することで、照明装置10Aからは偏光面の揃えられた光を得ることができるという利点を有している。
さらに、本実施形態は、第1ワイヤグリッド106が、有機EL素子102の陽極または陰極と一体として形成された構造を有するものであり、有機EL素子102とは別に偏光板等を介在させる必要が無い。
すなわち、本実施形態は、照明装置10Aの薄型化、軽量化を実現可能であるという利点を有している。
【0037】
また、本実施形態は、観察者からみて、発光機能層104を覆うように遮蔽材122が形成されている。
これによって、発光機能層104から上方向104bに照射された光と、下方向104aに照射され第1ワイヤグリッド106により上方向104bに反射された光との双方を、遮蔽材122が吸収し、直接観察者に届くことを防止している。
すなわち、本実施形態の照明装置10Aは、表示装置1の視認性とコントラストとを向上させるという利点を有している。
【0038】
次に、第1実施形態に係る照明装置10Aを製造する方法を説明する。
まず、無アルカリガラスなどのガラスまたはプラスチックで形成された第2基板101を準備する。続いて、図8に示すように第2基板101上の第1領域X1に第1ワイヤグリッド106Aを形成し、第2基板101上の第2領域X2に第1ワイヤグリッド106Bを形成する。
例えば、スパッタリングによってアルミニウムの膜を30nmの一様な厚さに第2基板101の全面に形成した後にオーブンで焼結する。そして、そのアルミニウム膜上にフォトリソグラフィーの手法で露光によりピッチ200nmのラインアンドスペースのストライプ状にレジストを形成し、このレジストパターン状からエッチングすることで、図示の第1ワイヤグリッド106A、106Bのパターニングを行い、レジストを剥離する。また、ナノインプリンティング法を用いてもよい。
【0039】
さらに、図9に示すように、第2基板101の第1領域X1上と、第1ワイヤグリッド106Aとの上に、第2電極105を形成する。
例えば、スパッタリングによってITOの膜を50nmの一様な厚さに第2基板101の全面に形成した後にオーブンで焼結する。そして、そのITO膜上にフォトリソグラフィーの手法で露光により所要の部分にレジストを形成し、このレジストパターン状からエッチングすることで、図示の第2電極105のパターニングを行い、レジストを剥離する。
また、同様の方法により、第2基板101の第2領域X2上と、第1ワイヤグリッド106Bとの上に導電部107を形成する。
【0040】
次に、図10に示すように、第2基板101、第2電極105、および導電部107上に、隔壁110を形成する。
例えば隔壁110の材料となるアクリルまたはポリイミドに感光性材料を混合して、フォトリソグラフィーの手法で露光により隔壁110をパターニングし、さらにキュアベークする。
【0041】
続いて、この状態のパネルを脱水処理のためにベークする。
その後、図11に示すように、第2電極105上に、隔壁110に接するように、発光機能層104を形成する。発光機能層104は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層を有する。陽極である第2電極105に近い方から遠い方に向けて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層は並んでいる。これらの層の形成には蒸着が使用される。
【0042】
このようにしてすべての発光機能層104を形成した後、図12に示すように、第1電極103を形成する。
例えば、蒸着によってAlまたはMgAg等を、例えば10nmの一様な厚さに、発光機能層104、導電部107、および隔壁110の上に、全面に形成する。
さらに、図13に示すように、第1電極103を覆うように、蒸着によって第2充填層111を形成する。
以上により、発光部100Aが形成される。
【0043】
次に、無アルカリガラスなどのガラスまたはプラスチックで形成された第1基板121を準備する。そして、図14に示すように、第1基板121の上に、遮蔽材122を形成する。
例えば、スパッタリングによって酸化クロムなどの低反射素材の膜を50nmの一様な厚さに第1基板121の全面に形成した後にオーブンで焼結する。そして、その低反射素材の膜上にフォトリソグラフィーの手法で露光により所要の部分にレジストを形成し、このレジストパターン状からエッチングすることで、図示の遮蔽材122のパターニングを行い、レジストを剥離する。
さらに、図15に示すように、第1基板121と、遮蔽材122とを覆うように第1充填層123を形成する。
以上により、遮光部100Bが形成される。
【0044】
最後に、第2充填層111と、第1充填層123とを、接着剤により接着する。これにより、発光部100Aと、遮光部100Bとが、接着され、照明装置10Aが形成される。
【0045】
<B.第2実施形態>
図4に、第2実施形態にかかる照明装置10Bの断面図を示す。
第2実施形態の照明装置10Bは、PS変換素子124を備える点を除いて、図2に示す第1実施形態の照明装置10Aと同様に構成されている。
PS変換素子124は、例えば、1/4波長板124aと、ミラー124bとを備える。
1/4波長板124aはミラー124bの反射面側に固着され、ミラー124bの他方の面は、遮蔽材122の下面122aに固着される。
【0046】
1/4波長板124aに入射する上方向104bの光は、1/4波長板124aにより、入射光を構成する二つの直交する電場ベクトル成分の光の間に位相差π/2を与えられ、ミラー124bで反射された後に、再び1/4波長板124aにより、位相差π/2を与えられたうえで、下方向104aへと出射する。
すなわち、PS変換素子124は、入射光を構成する二つの直交する電場ベクトル成分の光のうち一方に対して合計180度の位相差(1/2波長の光路差)を与えて反射するため、反射光の電場の向きは入射光と90度ずれることになる。
例えば、PS変換素子124に対して、直線偏光が入射した場合には、入射光とは直交する向きの電場ベクトル成分の直線偏光を反射する。(但し、円偏光が入射した場合には、入射光とは逆向きの軌跡を描く電場ベクトル成分の円偏光を反射する。)
【0047】
次に、照明装置10Bの動作について説明する。
まず、発光機能層104より下方向104aに向けて照射された光のうち、第1ワイヤグリッド106の導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光は、第1ワイヤグリッド106を透過する。
また、発光機能層104より下方向104aに向けて照射された光のうち、第1ワイヤグリッド106に平行な電場ベクトル成分の光は、第1ワイヤグリッド106で上方向104bに反射され、PS変換素子124に至る。この反射光は、PS変換素子124により電場の向きを90度ずらされたうえで、下方向104aへと再反射され、再び第1ワイヤグリッド106に至る。この再反射光は第1ワイヤグリッド106に垂直な電場ベクトル成分の光であるので、第1ワイヤグリッド106を透過する。
【0048】
一方、発光機能層104より上方向104bに向けて照射された光は、PS変換素子124のミラー124bで下方向104aに反射され、第1ワイヤグリッド106に至る。
この反射光のうち、第1ワイヤグリッド106に垂直な電場ベクトル成分の光は、第1ワイヤグリッド106を透過する。
また、この反射光のうち、第1ワイヤグリッド106に水平な電場ベクトル成分の光は、第1ワイヤグリッド106により上方向104bに再反射され、PS変換素子124に至る。この再反射光は、PS変換素子124により、第1ワイヤグリッド106に垂直な電場ベクトル成分の光に変換されて下方向104aに再々反射されるため、第1ワイヤグリッド106を透過する。
【0049】
このように、本実施形態では、照明装置10BにPS変換素子124を具備することで、第1ワイヤグリッド106を透過できずに反射され光を、第1ワイヤグリッド106を透過可能な光に変換して再反射し、第1ワイヤグリッド106を透過させることができる。
つまり、発光機能層104から照射された光は、上方向104bに照射された光も、下方向104aに照射された光も、(PS変換素子124に反射されることなく、照明装置10Bより上方向104bに発散しまう光を除き)、理論上は全ての光が第1ワイヤグリッド106を透過することになる。
すなわち、本実施形態の照明装置10Bは、光の利用効率を高めることができ、それによって低消費電力化が可能になるという利点を有している。
【0050】
<C.第3実施形態>
図5に、第3実施形態にかかる照明装置10Cを示す。第3実施形態の照明装置10Cは、第2ワイヤグリッド125を備える点を除いて、図2に示す第1実施形態の照明装置10Aと同様に構成されている。
第2ワイヤグリッド125は、第1電極103上の、遮蔽材122から見て発光機能層104を覆う位置に形成される。第2ワイヤグリッド125は、第1ワイヤグリッド106と同様に、アルミニウム等の導電部材を微細な直線状の形状にして、それらを入射光の波長に比べて小さいピッチ(例えば、200nm以下)で平行にストライプ状に配置したものである。
ただし、第2ワイヤグリッド125を構成する導電部材は、第1ワイヤグリッド106を構成する導電部材と垂直な向きに配置される。
【0051】
第2ワイヤグリッド125は、第2ワイヤグリッド125への入射光のうち、第2ワイヤグリッド125を構成する導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光を透過し、平行な電場ベクトル成分の光を反射する。
したがって、発光機能層104から上方向104bに向けて照射された光のうち、第2ワイヤグリッド125を構成する導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光は、第2ワイヤグリッド125を透過した後、遮蔽材122により吸収される。
【0052】
また、発光機能層104から上方向104bに向けて照射された光のうち、第2ワイヤグリッド125を構成する導電部材に平行な電場ベクトル成分の光は、第2ワイヤグリッド125により下方向104aに反射される。この反射光は、第1ワイヤグリッド106を構成する導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光であるため、第1ワイヤグリッド106を透過する。
【0053】
一方、発光機能層104から下方向104aに向けて照射された光のうち、第1ワイヤグリッド106を構成する導電部材に平行な電場ベクトル成分の光は、第1ワイヤグリッド106により上方向104bに反射される。この反射光は、第2ワイヤグリッド125を構成する導電部材に垂直な電場ベクトル成分の光であるため、第2ワイヤグリッド125を透過した後、遮蔽材122により吸収される。
【0054】
このように、本実施形態に係る照明装置10Cは第2ワイヤグリッド125を具備するので、発光機能層104より上方向104bに照射された光のうち、第2ワイヤグリッド125により反射された光は、第1ワイヤグリッド106を透過可能となる。
すなわち、本実施形態の照明装置10Cは、光の利用効率を高めることができ、それによって低消費電力化が可能になるという利点を有している。
【0055】
<D.変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の変形が可能である。
(1)変形例1
上述した第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態においては、照明装置10A、10B、および10Cを、フロントライトとして適用した。すなわち、発光機能層104から見て第2基板側に反射型の液晶装置20を配置し、観察者は発光機能層104から見て第1基板121側に位置する。
しかし、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、照明装置10をバックライトとして適用することも可能である。
照明装置10をバックライトとして適用する場合、観察者は、発光機能層104から見て、第2基板101側(図1において、液晶装置20の下側)に位置する。発光機能層104より照射された光は、液晶装置20の内部で光変調されたうえで透過し、観察者に届く。
【0056】
この場合、液晶装置20は、透過型、または半透過反射型として構成される。第1基板121、第1充填層123、第2充填層111を構成する材料は、透明材料ではなく、光を吸収もしくは反射する材料で構成する。また、遮蔽材122を具備する必要は無い。
また、第1電極103は、反射性金属材料により形成され、発光機能層104から上方向104bに向けて照射された光を、下方向104aに向けて反射させる。すなわち、第1電極103は、MgAg等の金属薄膜からなる透明電極ではなく、十分な厚さを持つことが許される。したがって、第1電極103の抵抗値を低く抑えることが可能であり、低消費電力を実現することができる。
【0057】
(2)変形例2
上述した第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態においては、第1電極103は、導電部107を介して第1ワイヤグリッド106Bに電気的に接続している。
しかし、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、図6に示す照明装置10Dのように、導電部107を具備せず、第1電極103と第1ワイヤグリッド106とが電気的に接続されない構成とすることもできる。
【0058】
(3)変形例3
上述した第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態においては、照明装置10A、10B、および10Cは、それぞれ複数の有機EL素子102を備えている。
しかし、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、図7に示す照明装置10Eのように、単一の有機EL素子102のみ備える構成とすることも可能である。
【0059】
変形例3は、変形例2と同様、照明装置10Eは、導電部107を具備しない構成となる。照明装置10Eは、バックライトとして適用され、液晶装置20は透過型または半透過反射型で構成される。第1電極103として、一定の厚さを持った反射性金属材料を用いる。
なお、照明装置10Eをフロントライトとして適用することはできない。発光機能層104は面光源であるため、第1基板121上に発光機能層104を覆うように遮蔽材122を設けると照明装置10Eが上方向104b側に光を照射出来なくなり、逆に、遮蔽材122を設けないと、発光機能層104より上方向104bに照射される表示に寄与しない光が、全て観察者に届くことになり、表示装置の視認性、コントラストを著しく低下させることになるためである。
【0060】
以下に、変形例3に係る、照明装置10Eを製造する方法を説明する。
まず、無アルカリガラスなどのガラスまたはプラスチックで形成された第2基板101を準備する。続いて、基板101上に第1ワイヤグリッド106を形成する。例えば、スパッタリングによってアルミニウムの膜を30nmの一様な厚さに第2基板101の全面に形成した後にオーブンで焼結する。そして、そのアルミニウム膜上にフォトリソグラフィーの手法で露光によりピッチ200nmのラインアンドスペースのストライプ状にレジストを形成し、このレジストパターン状からエッチングすることで、第1ワイヤグリッド106のパターニングを行い、レジストを剥離する。また、ナノインプリンティング法を用いてもよい。
【0061】
次に、第2基板101上に、隔壁110を形成する。例えば、隔壁110の材料となるアクリルまたはポリイミドに感光性材料を混合して、フォトリソグラフィーの手法で露光により隔壁110をパターニングし、さらにキュアベークする。
【0062】
さらに、基板101と第1ワイヤグリッド106との上に第2電極105を形成する。この場合、第1実施形態などと異なり、第2電極のパターニングは不要であるため、蒸着により形成することができる。
【0063】
続いて、この状態のパネルを脱水処理のためにベークする。その後、第2電極105上の、隔壁110に区切られた領域に、発光機能層104を形成する。
発光機能層104は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層を有する。陽極である第2電極105に近い方から遠い方に向けて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層は並んでいる。これらの層の形成には蒸着が使用される。
このようにしてすべての発光機能層104を形成した後に、第1電極103を形成する。
例えば、蒸着によってAlまたはMgAg等の膜を、反射性を有する程度の一様な厚さで、発光機能層104、隔壁110、および第2基板101の上に、全面に形成する。
さらに、第1電極103を覆うように、蒸着によって第2充填層111を形成する。以上により、発光部100Aが形成される。
【0064】
一方、無アルカリガラスなどのガラスまたはプラスチックで形成された第1基板121を準備する。そして、第1基板121を覆うように第1充填層123を形成する。以上により、遮光部100Bが形成される。
最後に、第2充填層111と、第1充填層123とを、接着剤により接着する。これにより、発光部100Aと遮光部100Bとが、接着され、照明装置10Eが形成される。
【0065】
<E.応用例>
次に、以上の各態様に係る表示装置1を利用した電子機器について説明する。図16ないし図18には、表示装置1を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
図16は、表示装置1を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する表示装置1と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。
【0066】
図17は、表示装置1を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する表示装置1とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、表示装置1に表示される画面がスクロールされる。
【0067】
図18は、表示装置1を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する表示装置1とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が表示装置1に表示される。
【0068】
なお、本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図18から図20に例示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
【符号の説明】
【0069】
10A……照明装置、100A……発光部、100B……遮光部、101……第2基板、102……有機EL素子、103……第1電極、104……発光機能層、104a……下方向、104b……上方向、105……第2電極、106……第1ワイヤグリッド、106A……第1ワイヤグリッド、106B……第1ワイヤグリッド、107……導電部、110……隔壁、111……第2充填層、121……第1基板、122……遮蔽材、122a……遮蔽材下面、123……第1充填層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
透明な第2基板と、
第1電極、透明な第2電極、および発光機能層を備えた発光素子と、
第1ワイヤグリッドと、
前記第2基板上に形成され、前記第1電極と前記第2電極を区分けする絶縁性の隔壁と、
を備え、
前記第1ワイヤグリッドは、前記第2基板上に形成され、
前記第2電極は、前記第2基板および前記第1ワイヤグリッド上に形成される、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第1電極が前記第1ワイヤグリッドに導電部を介して電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1基板上に形成された遮蔽材を備え、
前記第1基板と直交する方向から前記遮蔽材を見たとき、前記発光機能層の全部が前記遮蔽材と重なる、
ことを特徴とする請求項1乃至2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記遮蔽材上の前記第2基板側に反射性のPS変換素子を備えることを特徴とする、請求項3に記載の偏光機能付き照明装置。
【請求項5】
前記第1電極上に、前記第1ワイヤグリッドを構成する線状の導電部材と直交する方向に並べられた複数の線状の導電部材より形成された第2ワイヤグリッドを備えることを特徴とする、請求項3に記載の偏光機能付き照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれかの1項に記載の照明装置を備える表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1に記載の照明装置を製造する方法であって、
前記第2基板上に、前記隔壁を形成し、
前記第2基板上に、前記第1ワイヤグリッドを形成し、
前記第2基板と前記第1ワイヤグリッドとの上に、前記隔壁に接するように、前記第2電極を形成し、
前記第2電極上に、前記隔壁に接するように前記発光機能層を形成し、
前記第2基板、前記隔壁、および前記発光機能層の上に前記第1電極を形成し、
前記第2基板と、前記第1電極とを覆うように第2充填層を形成し、
前記第1基板上に、第1充填層を形成し、
前記第1充填層と前記第2充填層とを接着する、
ことを特徴とする、照明装置の製造方法。
【請求項9】
請求項2に記載の照明装置を製造する方法であって、
前記第2基板上の第1領域と第2領域に、前記第1ワイヤグリッドを形成し、
前記第1領域に形成された第1ワイヤグリッドの上に、前記第2電極を形成し、
前記第2領域に形成された第1ワイヤグリッドの上に、前記導電部を形成し、
前記第2基板、前記第2電極、および前記導電部の上に、前記第2電極と前記導電部とを区分けするように前記隔壁を形成し、
前記第2電極上に、前記隔壁上に接するように前記発光機能層を形成し、
前記発光機能層、前記隔壁、および前記導電部の上に、前記第1電極を形成し、
前記第1電極を覆うように、第2充填層を形成し、
前記第1基板上に、第1充填層を形成し、
前記第1充填層と前記第2充填層とを接着する、
ことを特徴とする、照明装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−18867(P2012−18867A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156580(P2010−156580)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】