説明

照明装置及びその製造方法

【課題】均一で明るく、生産性の高い照明装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】陽極10と、陽極よりも電気抵抗が低い金属層40と、陽極と金属層との間に設けられた陰極20と、陽極と陰極との間に設けられた有機電界発光部30と、陰極と金属層との間に設けられた第1絶縁層61と、陽極から金属層に向かう方向に沿って、有機電界発光部と、陰極と、第1絶縁層と、を貫通し、陽極と金属層とを電気的に接続し、金属層とは別体の複数の貫通導電層50と、有機電界発光部及び陰極と、複数の貫通導電層のそれぞれと、の間に設けられた第2絶縁層62と、を備えた照明装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平面光源などの用途として、有機電界発光素子が注目されている。有機電界発光素子においては、陰極と陽極との間に有機薄膜を設け、陰極と陽極との間に電圧を印加して励起子を生成し、この励起子が放射失活する際の発光を利用する。陽極には、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの比較的導電率が低い材料が用いられる。
【0003】
大面積の有機電界発光素子においては、素子に電圧を印加するためのコンタクト部分は発光部の周囲に設けられることが多い。このため、コンタクト部から遠い発光部では、主に陽極の抵抗に起因した電位降下により、素子に加わる電圧が低下し、輝度が低下し、明るさが不均一になる。
【0004】
これに対し、例えばメッシュ状の金属補助配線を陽極に付設する方策も考えられるが、この場合は、開口率が低下し、輝度が低下する。
【0005】
一方、特許文献1には、透明基板上に、順次、陽極、有機層、陰極が積層されており、この積層構造体が封止膜で覆われ、封止膜上に陽極端子が設けられ、封止膜には開口部が設けられており、開口部からは陰極が露出して陰極端子を形成し、封止膜の開口部が設けられていない部分には、封止膜、陰極および有機層を貫通する複数のスルーホールが設けられ、このスルーホールを通じて、陽極端子が陽極と電気的に接続される構成を有する有機EL素子が開示されている。
【0006】
このような従来技術を用いても、陽極での電位降下を十分には抑制できず、均一で明るく、生産性の高い、大面積の照明装置を実現するためには改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−158371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、均一で明るく、生産性の高い照明装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、陽極と、前記陽極よりも電気抵抗が低い金属層と、前記陽極と前記金属層との間に設けられた陰極と、前記陽極と前記陰極との間に設けられた有機電界発光部と、前記陰極と前記金属層との間に設けられた第1絶縁層と、前記陽極から前記金属層に向かう方向に沿って、前記有機電界発光部と、前記陰極と、前記第1絶縁層と、を貫通し、前記陽極と前記金属層とを電気的に接続し、前記金属層とは別体の複数の貫通導電層と、前記有機電界発光部及び前記陰極と、前記複数の貫通導電層のそれぞれと、の間に設けられた第2絶縁層と、を備えたことを特徴とする照明装置が提供される。
【0010】
本発明の別の一態様によれば、基板上に、陽極と、有機電界発光部と、陰極と、の順で形成し、前記陰極上に、複数の第1孔を有する金属層を、第1絶縁層を介して載置し、前記複数の第1孔をマスクとして、前記有機電界発光部と、前記陰極と、前記第1絶縁層と、を、それぞれ貫通する複数の第2孔を形成し、前記複数の第2孔内に絶縁材料を埋め込み、前記絶縁材料に前記陽極に達する第3孔を形成し、前記第3孔に導電性材料を埋め込んで前記金属層と前記陽極とを電気的に接続することを特徴とする照明装置の製造方法が提供される。
【0011】
本発明の別の一態様によれば、基板上に、陽極と、有機電界発光部と、陰極と、の順で形成し、前記有機電界発光部と、前記陰極と、を貫通する複数の第4孔を形成し、絶縁層及び複数の導電性の突起を主面に有する金属層の前記複数の突起を前記第4孔にはめ込みつつ、前記絶縁層を前記陰極に対向させ、前記陽極と、前記複数の突起と、前記金属層と、を電気的に接続した状態で、前記金属層を前記絶縁層を介して前記陰極に固定することを特徴とする照明装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、均一で明るく、生産性の高い照明装置及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
【図2】第2比較例の照明装置の構成を例示する模式図である。
【図3】照明装置の特性を例示する模式図である。
【図4】第1の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図6】第2の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図7】第2の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図8】第3の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【図9】第4の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1(a)及び図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図1(b)は模式的平面図であり、図1(a)は、図1(b)のA1−A2線断面図である。
図1(a)及び図1(b)に表したように、本実施形態に係る照明装置110は、陽極10と、陰極20と、陽極10と陰極20との間に設けられた有機電界発光部30と、を備える。すなわち、照明装置110は、有機電界発光材料を用いた照明装置である。
【0016】
そして、照明装置110は、陽極10に電気的に接続された金属層40をさらに備えており、これにより、照明装置110が大面積であっても、陽極10の抵抗による電位変動に起因した明るさの不均一を抑制できる。
【0017】
すなわち、照明装置110は、陽極10と、陽極10よりも電気抵抗が低い金属層40と、陽極10と金属層40との間に設けられた陰極20と、陽極10と陰極20との間に設けられた有機電界発光部30と、陰極20と金属層40との間に設けられた第1絶縁層61と、陽極10から金属層40に向かう方向(積層方向)に沿って、有機電界発光部30と、陰極20と、第1絶縁層61と、を貫通する複数の貫通導電層50と、有機電界発光部30及び陰極20と、複数の貫通導電層50のそれぞれと、の間に設けられた第2絶縁層62と、を備える。
【0018】
ここで、陽極10から金属層40に向かう方向(積層方向)をZ軸方向とする。そして、Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。ここでは、照明装置110の形状(Z軸方向からみたときの平面形状)は、X軸方向とY軸方向とに延在する長方形である。ただし、本実施形態はこれに限らず照明装置110の形状は任意である。
【0019】
複数の貫通導電層50は、陽極10と金属層40とを電気的に接続する。複数の貫通導電層50は、金属層40とは別体である。なお、複数の貫通導電層50は、陽極10とも別体である。
なお、本具体例では、陽極10の有機電界発光部30とは反対の側には基板70が設けられている。基板70は必要に応じて設けられれば良く、場合によっては省略可能である。基板70には、例えばガラス基板が用いられる。
【0020】
有機電界発光部30は、有機電界発光層を含む。有機電界発光層には、例えばAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム:(tris(8-hydroxyquinolinato)aluminium))などが用いられる。ただし、本実施形態はこれに限らず、有機電界発光層には、任意の材料を用いることができる。また、有機電界発光部30は、有機電界発光層以外に、電荷注入層や電荷輸送などの種々の有機膜をさらに含んでも良い。
陽極10には、例えばITOが用いられる。陽極10は、後述するように、有機電界発光部30で発光した光を透過させるために、透光性が高いことが求められる。このことから、陽極10の厚さは、例えば0.15μm程度とされる。すなわち、陽極10は、光の取り出し効率の点が重視され、導電率は比較的低く、すなわち、電気抵抗は比較的高い。
【0021】
一方、陰極20には、例えばアルミニウム(Al)などが用いられる。
ただし、本実施形態はこれに限らず、陽極10及び陰極20には、有機電界発光部30を発光させるために適した任意の材料を用いることができる。
【0022】
照明装置110においては、陰極20のうちの、他の部材によって覆われていない部分が陰極側コンタクト21となる。そして、金属層40が陽極側コンタクト41となる。陽極側コンタクト41は、金属層40のうちの任意の場所とすることができる。
【0023】
照明装置110においては、陽極10に電気的に接続された金属層40(陽極側コンタクト41)と、陰極20(陰極側コンタクト21)と、の間に電圧を印加することにより、陽極10と陰極20との間に設けられた有機電界発光部30に電圧が印加される。これにより、陰極20から有機電界発光部30に電子を注入し、陽極10から有機電界発光部30に正孔を注入し、有機電界発光部30において、電子と正孔とを再結合させることにより、励起子を生成し、この励起子が放射失活する際の発光が利用される。
【0024】
有機電界発光部30で発光した発光光は、透光性を有する陽極10を通過して、さらにこの場合には、基板70を通過して、照明装置110の外界へ出射する。すなわち、発光光の一部は、そのまま陽極10を通過し、発光光の別の一部は、陰極20で反射した後に陽極10を通過して外界へ出射する。
【0025】
金属層40には、AlやCuなどの金属が用いられる。金属層40の厚さ(積層方向に沿った厚さ)は、例えば10マイクロメートル(μm)以上である。具体的に、金属層40の厚さは、100μm以上であり、例えば、500μm程度である。このように、金属層40には、金属性のフィルム、金属性のシート、金属性の箔(ホイル)、金属板など、導電性の高い金属を用いた、厚さが長さと幅よりも小さい面状の金属を用いることができる。
【0026】
なお、金属層40は、平面状でも良く、また、曲面状でも良い。金属層40が曲面状である場合においては、陽極10、有機電界発光部30及び陰極20は、金属層40の曲面に沿った曲面状の構成を有する。また、基板70が設けられる場合には、基板70は金属層40に沿った形状を有する。
【0027】
第1絶縁層61は、陰極20と金属層40とを絶縁する機能を有する。第1絶縁層61には、例えば樹脂などが用いられる。第1絶縁層61には、陰極20と金属層40とを接着し、固定する機能をさらに有することもできる。
【0028】
第2絶縁層62は、貫通導電層50と陰極20とを絶縁し、貫通導電層50と有機電界発光部30とを絶縁する。なお、第2絶縁層62は、有機電界発光部30及び陰極20と、複数の貫通導電層50のそれぞれと、の間に設けられれば良く、例えば、第2絶縁層62は、第1絶縁層61と、複数の貫通導電層50と、の間にさらに設けられていても良い。また、第2絶縁層62の一部が、金属層40と、複数の貫通導電層50と、の間の一部に延在していても良い。ただし、この場合においても、金属層40と、複数の貫通導電層50と、の電気的な接続は維持される。
【0029】
第2絶縁層62には、例えば感光性樹脂を用いることができる。これにより、後述するように、照明装置110を高生産性で製造することができる。ただし、本実施形態はこれに限らず、第2絶縁層62には、貫通導電層50と陰極20とを絶縁し、貫通導電層50と有機電界発光部30とを絶縁する任意の材料を用いることができる。
【0030】
複数の貫通導電層50のそれぞれは、金属層40と陽極10とを電気的に接続する。複数の貫通導電層50のそれぞれには、例えば導電性樹脂を用いることができる。すなわち、貫通導電層50は、金属層40とは別体として設けられる。例えば、貫通導電層50には、例えば金属層40よりも形状加工性に優れた材料を用いることができる。これにより、後述するように、照明装置110を生産性高く製造することができる。
【0031】
金属層40は、陽極10よりも導電率が高く、陽極10の抵抗に起因した陽極10の電位降下を抑制する機能を有する。すなわち、金属層40は、複数の貫通導電層50によって陽極10と電気的に接続され、これにより、陽極10の電位の降下が抑制され、陽極10の電位は陽極10の面内において実質的に一定とされる。これにより、均一で明るい照明装置が実現できる。
【0032】
さらに、本実施形態に係る照明装置110においては、厚い金属層40が用いられるため、照明装置における温度の面内分布が均一化される。
すなわち、大面積の照明装置においては、面内方向にそって温度分布が生じると、有機電界発光部30の温度特性に応じて輝度が不均一になる場合がある。これに対し、本実施形態に係る照明装置110においては、厚い金属層40によって、均熱性が向上し、温度分布が小さくなる。これにより、温度分布に起因した明るさの変動を抑制できる。
【0033】
このように、照明装置110においては、陽極10の電位降下に起因した明るさの不均一だけでなく、温度の不均一に起因した明るさの不均一も同時に抑制できる。
【0034】
(第1比較例)
第1比較例は、照明装置において、陽極の電位降下を抑制するために、陽極上に、メッシュ状の絶縁層で被覆した金属補助配線を形成する構成を有している。この場合には、金属補助配線の電気抵抗を下げるために、金属補助配線の太さは一定以上に設定される。このような第1比較例においては、この金属補助配線に対応した部分では発光せず、また、光が遮蔽されるため、素子面積に対する発光面積の比である開口率が、例えば80%〜90%となる。なお、この場合には、さらにコンタクト部分も発光しないため、これも開口率をさらに低下させる原因となる。
【0035】
一方、本実施形態に係る照明装置110においては、上記のようなメッシュ状の金属補助配線を設けず、全面が導電体である金属層40を用いる。そして、金属層40を、有機電界発光部30の陰極20の側に設けるため、金属層40は、発光光を遮蔽することがない。そして、照明装置110においては、複数設けられる貫通導電層50の部分において、発光しないが、複数の貫通導電層50の面積(積層方向に直交する面で貫通導電層50を切断したときの面積)は、有機電界発光部30の面積に比べて十分に小さいため、開口率の低下は実質的に問題にならない。このように、照明装置110は、第1比較例に対し、開口率の低下がなく、明るく均一な光を生成できる。
【0036】
(第2比較例)
図2は、第2比較例の照明装置の構成を例示する模式図である。
図2に表したように、第2比較例の照明装置119は、基板91a上に、第1電極91b(陽極)と、発光層を含む有機層91cと、第2電極91d(陰極)とが順に積層されて形成された有機エレクトロルミネセンス素子である。第2電極91dの一部が封止部材91eによって覆われており、第2電極91dのうち封止部材91eによって覆われていない部分が第2端子として機能する。封止部材91eの第2電極91dとは反対側に第1端子91fが設けられる。第1電極91bと第1端子91fとが、封止部材91e、第2電極91dおよび有機層91cを貫通するスルーホール91gで接続されている。そして、第1電極91bと第2電極91dとに電源が接続される。スルーホール91gの部分には、第1電極91bと第1端子91fとを電気的に接続する導電部91hと、導電部91hと有機層91cや第2電極91dとを絶縁する絶縁部91iが設けられている。
【0037】
このような構成を有する第2比較例の照明装置119においては、導電部91hは、第1端子91fと一体的に形成されている。例えば、アルミニウムを蒸着させて第1端子91fを形成するときに、スルーホール91gの内部の第1電極91bに達するように、アルミニウムを蒸着させ、導電部91hが形成される。
【0038】
第2比較例の照明装置119においては、導電部91hは、第1端子91fと一体的に形成されているため、導電部91hを形成する材料(例えばアルミニウム)で第1端子91fの導電部91h以外の部分も形成される。このため、第1端子91fの電気抵抗を所望の値よりも下げるためには、第1端子91fの厚さを十分に厚くする必要がある。このように、厚い第1端子91fを形成することは実用的ではない。
すなわち、例えばアルミニウムの蒸着膜によって第1端子91fを10μm以上の厚さに形成することは非常に時間と手間がかかり実用的な照明装置を得ることはできない。
【0039】
一方、実用的な範囲内の厚さで第1端子91fを導電部91hと共に形成した場合には、第1端子91fの厚さが小さいため、第1端子91fの電気抵抗(シート抵抗)が高くなり、大面積の照明装置の場合には、電圧降下が大きくなり、均一な明るさを実現することは困難である。
【0040】
すなわち、第2比較例の照明装置119の技術は、面積が比較的小さい照明装置には対応できる可能性があると考えられる。しかしながら、面積が大きくなった場合における、陽極の電位降下に関しては考慮されておらず、第2比較例の照明装置119の技術では、大面積の照明装置において均一な明るさを得ることは困難であると考えられる。
【0041】
本実施形態においては、大面積の照明装置において初めて問題となる陽極の電位降下に起因する明るさの不均一性を克服するという新たな課題の解決を目指すものである。
【0042】
本実施形態に係る照明装置110においては、陽極10と金属層40とを電気的に接続する複数の貫通導電層50は、金属層40とは別体である。これにより、金属層40の厚さを十分に厚くでき、陽極10と金属層40とを電気的に接続する。これにより、陽極10の電位の降下が抑制され、陽極10の電位は陽極10の面内において実質的に一定となり、均一で明るく、生産性の高い照明装置を提供することができる。また、温度の不均一に起因した明るさの不均一も、同時に抑制できる。
【0043】
なお、複数の貫通導電層50の長さ(積層方向に沿った長さ)は、陽極10と金属層40との距離程度(すなわち、有機電界発光部30との厚さと、陰極20の厚さと、第1絶縁層61の厚さと、の合計の程度)の厚さである。このため、複数の貫通導電層50によって接続される陽極10と金属層40との電流経路の長さは、比較的短い。このため、複数の貫通導電層50の材料の導電率は、比較的高くても良い。例えば、貫通導電層50の導電率は、金属層40の導電率よりも低くすることができる。これにより、貫通導電層50に用いる材料の選択の幅が広がる。
【0044】
照明装置110においては、陽極10における電位降下を、高導電率で厚い金属層40によって抑制しつつ、貫通導電層50と金属層40とを別体とし、貫通導電層50には形状加工性に優れた材料を用い、金属層40と陽極10とを電気的に接続する。金属層40と陽極10との距離は、比較的短いので、貫通導電層50の導電率に対する要求が緩和され、貫通導電層50には、金属層40と陽極10とを電気的に接続するのに適した形状加工性に優れた材料を用いることができる。照明装置110により、均一で明るく、生産性の高い照明装置を提供することができる。
【0045】
以下、本実施形態に係る照明装置110と、金属層40の厚さを薄くした比較例(第3及び第4比較例)の照明装置と、の特性に関するシミュレーション結果について説明する。
図3(a)及び図3(b)は、照明装置の特性を例示する模式図である。
すなわち、図3(b)は照明装置のシミュレーションのモデルを示す平面図である。図3(b)に表したように、本シミュレーションでは、照明装置110の平面形状は長方形とされた。そして照明装置110のX軸方向に沿った両方の端が陰極側コンタクト21とされた。すなわち、X軸方向に沿って電流が供給される。X軸方向に沿った特性がシミュレーションされた。
【0046】
照明装置110のX軸方向に沿った長さ(実効的な発光部分の長さ)を、長さL1とする。
シミュレーションを簡単にするために、複数の貫通導電層50の断面形状(X−Y平面で切断したときの断面形状)は正方形とされた。そして、1つの貫通導電層50を取り囲む第2絶縁層62のX軸方向に沿った全体の幅を、長さL2とする。すなわち、長さL2は、1つの貫通導電層50のX軸方向に沿った幅と、一方の壁面における第2絶縁層62のX軸方向に沿った厚さと、他方の壁面における第2絶縁層62のX軸方向に沿った厚さと、の和である。
【0047】
また、複数の貫通導電層50のX軸方向に沿った配設ピッチを、長さL3とする。ここで、長さL2と長さL3との比率(L2/L3)は、0.1とした。このモデルにおいては、開口率は、(1−(L2/L3))=0.99となる。そして、長さL1を変え、すなわち、照明装置110のX軸方向における長さを変化させて、照明装置110の面内の明るさをシミュレーションした。
【0048】
照明装置110の面内において、陰極側コンタクト21の近傍である端部p1における明るさを、明るさLmaxとする。そして、両方の陰極側コンタクト21から最も遠い中央部p2における明るさを、明るさLminとする。明るさLminは、明るさLmaxよりも低くなる。明るさの面内分布の指標として、輝度比Lr1=Lmin/Lmaxを用いる。
【0049】
そして、照明装置110においては、金属層40としてアルミニウムを用い、金属層40の厚さが500μmであると想定した。
一方、第3比較例の照明装置119aにおいては、金属層40の厚さを0.5μmとした。また、第4比較例の照明装置119bにおいては、金属層40の厚さを0.15μmとした。照明装置119a及び119bにおいては、上記の金属層40の厚さを除いた構成は、照明装置110と同じとした。
【0050】
図3(a)は、照明装置のシミュレーション結果を示すグラフ図である。同図において、横軸は、長さL1の1/2であり、縦軸は、明るさの輝度比Lr1である。
【0051】
図3(a)に表したように、金属層40の厚さが0.5μmである第3比較例の照明装置119aにおいては、長さL1を長くすると、明るさの輝度比Lr1は小さくなる。すなわち、端部p1に比べて中央部p2の明るさが低い。例えば、長さL1が20cm(照明装置119bのX軸方向の長さが40cm)である場合には、中央部p2の明るさは端部p1の明るさに比べて0.7倍程度に低下する。
【0052】
また金属層40の厚さが0.15μmである第4比較例の照明装置119bにおいては、この減少はさらに著しくなる。例えば、長さL1が20cmである場合には、中央部p2の明るさは端部p1の明るさに比べて0.3倍程度に低下する。
【0053】
このように、第3比較例及び第4比較例の照明装置119a及び119bにおいては、長さL1が長くなると(照明装置が大きくなると)、明るさが不均一になる。これは、第3比較例及び第4比較例の照明装置119a及び119bにおいては、金属層40の厚さが薄いため、金属層40の抵抗が十分低くないためである。このため、長さL1が長くなるに従って、陽極10及び金属層40の抵抗に起因した電位降下が生じ、結果として中央部p2の明るさが低下する。
【0054】
これに対し、金属層40の厚さが500μmである本実施形態係る照明装置110においては、長さL1が長くなっても、明るさの輝度比Lr1は全く変化していない。これは、金属層40の厚さが十分に厚く、金属層40の抵抗が十分低いためである。これにより、長さL1が長くなっても、金属層40の抵抗が低い値を維持でき、陽極10の電位が変化しない。その結果、中央部p2の明るさは高い値を維持できる。
【0055】
本実施形態に係る照明装置110においては、金属層40の厚さは、例えば10μm程度以上とされる。これにより、長さL1が長くなっても、金属層40の抵抗が低い値を維持できる。
【0056】
一方、金属層40を蒸着などの方法によって形成する場合は、金属層40の実用的な厚さの最大は、数μm(すなわち、1μm〜3μm)である。例えば蒸着やスパッタなどの方法によって数μmよりも厚い金属層40を形成することは、実用的に困難である。従って、10μm程度以上の厚さの金属層40は、金属層40と貫通導電層50とを同じ材料で同時に形成するという従来技術の発想の範疇では想到できないと考えられる。
【0057】
本実施形態に係る照明装置110においては、金属層40と貫通導電層50とを互いに別体とすることで、金属層40の厚さを十分に厚くできると共に、貫通導電層50には形状加工性に優れた材料を用い、金属層40と陽極10とを電気的に接続することで、実用的な製造方法が適用可能となる。これにより、均一で明るく、生産性の高い照明装置を提供することができる。
【0058】
さらに、本実施形態に係る照明装置110においては、厚い金属層40が用いられるため、照明装置における温度の面内分布が均一化される。すなわち、厚い金属層40によって均熱性を向上することで、大面積の照明装置において発生し易い温度の面内分布を抑制できる。これにより、温度分布に起因した輝度の変動を抑制できる。特に、金属層40の厚さが100μm程度以上になると、均熱性が格段に向上する。
【0059】
また、厚い金属層40を用いることで、照明装置全体としての封止性が向上する。発明者の実験によると、金属層40として1μm程度のアルミニウム膜を用いた場合は封止に関する信頼性が低いが、金属層40の厚さを100μm程度以上にすると、信頼性が格段に向上する。さらに、金属層40の厚さを500μm程度以上にすると、さらに信頼性が格段に向上する。このように、厚さが100μm以上の金属層40によって、陽極10、有機電界発光部30及び陰極20の発光部を保護することで、照明装置の信頼性が向上する。
【0060】
また、金属層40を用いることで、傷付きにくく、扱いが容易になるという実用的な利点がある。すなわち、金属層40の厚さを、陽極10の厚さと、有機電界発光部30の厚さと、陰極20の厚さと、の合計の厚さよりも厚く設定することで、陽極10、有機電界発光部30及び陰極20に印加される応力を緩和し、照明装置の機械的な力に対する強度が格段に向上する。
【0061】
図4(a)、図4(b)及び図4(c)、並びに、図5(a)及び図5(b)は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1(b)のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0062】
図4(a)に表したように、例えば、ガラス等の基板70の主面上に、陽極10と、有機電界発光部30と、陰極20と、を積層して形成する。次いで、陰極20の上に、第1絶縁層61となる例えば熱硬化性樹脂層を形成し、その上に金属層40を載置する。
【0063】
金属層40は、例えば、直径が約2mmの複数の第1孔h1を有している。複数の第1孔h1のピッチは、例えば20mmである。そして、熱硬化性樹脂層を硬化させて、陰極20と金属層40と、を、熱硬化性樹脂層(第1絶縁層61)により接着する。
【0064】
次に、図4(b)に表したように、金属層40をマスクにして、金属層40の第1孔h1に対応する部分の第1絶縁層61と、陰極20と、有機電界発光部30と、をZ軸方向に貫通するスルーホールh2(第2孔)を形成する。スルーホールh2の形成には、例えば、レーザ加工やサンドブラスト加工を用いることができる。なお、場合によっては、スルーホールh2の形成における加工によって、第1孔h1の径は元の径よりも大きくなる。すなわち、スルーホールh2の径は、第1孔h1の元の径よりも大きくなる。
【0065】
次に、図4(c)に表したように、金属層40の第1孔h1(スルーホールh2の上部)に、フッ素樹脂などの板c1を載置する。この板c1には、第1孔h1の形成位置に対応した凸部が設けられており、この凸部が第1孔h1(すなわちスルーホールh2)にはめ込まれる。凸部には孔hc1が設けられている。そして、板c1の孔hc1を通して、スルーホールh2の内部に、第2絶縁層62となる感光性樹脂62fを充填する。
【0066】
次に、図5(a)に表したように、露光した後に、板c1を取り外し、現像及びポストベークを行う。これにより、スルーホールh2の側面に、感光性樹脂62fによる第2絶縁層62が形成される。すなわち、スルーホールh2の内部の第2絶縁層62の内部に第3孔h3が形成される。
【0067】
なお、図4(c)の工程において、感光性樹脂62fの代わりに、例えば熱硬化性樹脂を、板c1の孔hc1を通して、スルーホールh2の内部に充填しても良い。この場合には、例えば、サンドブラスト加工などの手法により、スルーホールh2の側面に、熱硬化性樹脂による第2絶縁層62を形成しても良い。
【0068】
次に、図5(b)に表したように、スルーホールh2の残余の空間(第3孔h3)に、導電性接着剤を埋め込み、硬化させて、貫通導電層50を形成する。
これにより、図1(a)及び図1(b)に例示した照明装置110が形成できる。
【0069】
なお、上記の製造方法においては、スルーホールh2を形成する時に、孔h1を有する金属層40(金属板)をマスクとして用い、スルーホールh2の側面に第2絶縁層62を形成する時に、孔h1にはめ込まれた凸部の孔hc1を有する板c1をマスクとして用いることにより、簡単に位置合わせが行われる。このため、均一で明るい照明装置を、作業性良く、効率的に製造することができる。
【0070】
なお、有機電界発光部30を用いた発光素子の加工においては、素子へのダメージが加わるため、ウエットエッチングやドライエッチングなどの加工方法は適さない。これに対し、上記の製造方法によれば、このようなダメージが生じることが抑制される。
【0071】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図は、図1(b)のA1−A2線断面に相当する断面図である。
図6に表したように、本実施形態に係る照明装置120も、第1実施形態に関して説明した、陽極10、金属層40、陰極20、有機電界発光部30、第1絶縁層61、複数の貫通導電層50、及び、第2絶縁層62を備える。ただし、照明装置120においては、第1絶縁層61と第2絶縁層62とが一体的に形成される。
【0072】
照明装置120においても、照明装置110と同様に、均一で明るく、生産性の高い照明装置を提供することができる。
【0073】
照明装置120の製造方法の一例について説明する。
図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1のA1−A2線断面に相当する断面図である。
図7(a)に表したように、例えば、ガラス等の基板70の主面上に、陽極10と、有機電界発光部30と、陰極20と、を積層して形成する。
【0074】
次に、図7(b)に表したように、有機電界発光部30と陰極20とを厚み方向に貫通するスルーホールh4(第4孔)を形成する。スルーホールh4の形成には、例えばレーザ加工法を用いることができる。
【0075】
次に、図7(c)に表したように、金属層40(金属板)を、陰極20の上方に配置する。金属層40の陰極20に対向する側の面には、導電性のバンプ50bと、例えば熱硬化性樹脂61fと、が設けられている。熱硬化性樹脂61fは、バンプ50bが設けられていない領域に設けられている。この際、バンプ50bは陽極10に対向させられ、熱硬化性樹脂61fは陰極20に対向させられる。この状態で、金属層40を、陰極20の上に配置する。そして、金属層40を基板70に向かって加圧し、加熱しつつ圧着し、バンプ50bを陽極10と接続し、また、熱硬化性樹脂61fによって陰極20と金属層40とを接着する。
【0076】
この時、バンプ50bの厚み(高さ)を熱硬化性樹脂61fの厚みよりも厚く(高く)設定することで、熱硬化性樹脂61fが陰極20に接触するよりも先に、バンプ50bが陽極10に接触する。そして、バンプ50bが陽極10に接触し、バンプ50bと陽極10とが接合した後に、熱硬化性樹脂61fは、陰極20に接触し、加熱されて流動性が高まった熱硬化性樹脂61fがスルーホールh4内へ流動する。そして、熱硬化性樹脂61fが硬化し、陰極20と金属層40との間の部分の熱硬化性樹脂61fが第1絶縁層61となる。そして、バンプ50bと、陰極20及び有機電界発光部30との間の部分の熱硬化性樹脂61fが、第2絶縁層62となる。そして、バンプ50bが、貫通導電層50となる。
このようにして、図6に例示した照明装置120が製造される。
【0077】
上記の製造方法においては、第1の実施形態に関して説明した製造方法に比べて、工程は簡単になるという利点がある。
【0078】
(第3の実施形態)
本実施形態に係る照明装置の製造方法は、第1の実施形態に係る照明装置110の製造方法である。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【0079】
図8に表したように、本実施形態に係る製造方法では、基板70(例えばガラス基板)上に、陽極10と、有機電界発光部30と、陰極20と、を、陽極10と、有機電界発光部30と、陰極20と、の順で形成する(ステップS110)。
【0080】
そして、陰極20上に、複数の第1孔h1を有する金属層40(例えば金属板)を、第1絶縁層61を介して載置する(ステップS120)。すなわち、例えば、図4(a)に関して説明した処理を実施する。
【0081】
そして、複数の第1孔h1をマスクとして、有機電界発光部30と、陰極20と、第1絶縁層61と、を、それぞれ貫通する複数の第2孔(スルーホールh2)を形成する(ステップS130)。すなわち、図4(b)に関して説明した処理を実施する。
【0082】
そして、複数の第2孔(スルーホールh2)内に絶縁材料(例えば感光性樹脂62f)を埋め込む(ステップS140)。すなわち、図4(c)に関して説明した処理を実施する。
【0083】
そして、上記の絶縁材料に、陽極10に達する第3孔h3を形成する(ステップS150)。すなわち、図5(a)に関して説明した処理を実施する。
【0084】
そして、第3孔h3に導電性材料を埋め込んで、金属層40と陽極10とを電気的に接続する(ステップS160)。すなわち、図5(b)に関して説明した処理を実施する。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、均一で明るい照明装置を、作業性良く、効率的に製造することができる。
【0085】
(第4の実施形態)
本実施形態に係る照明装置の製造方法は、第2の実施形態に係る照明装置120の製造方法である。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【0086】
図9に表したように、本実施形態に係る製造方法では、基板70(例えばガラス基板)上に、陽極10と、有機電界発光部30と、陰極20と、を、陽極10と、有機電界発光部30と、陰極20と、の順で形成する(ステップS210)。すなわち、図7(a)に関して説明した処理を実施する。
【0087】
そして、有機電界発光部30と、陰極20と、を貫通する複数の第4孔(スルーホールh4)を形成する(ステップS220)。すなわち、図7(b)に関して説明した処理を実施する。
【0088】
そして、絶縁層(例えば熱硬化性樹脂61f)及び複数の導電性の突起(例えばバンプ50b)を主面に有する金属層40の、複数の突起(バンプ50b)を第4孔にはめ込みつつ、上記の絶縁層を陰極20に対向させ、陽極10と、複数の突起(バンプ50b)と、金属層40と、を電気的に接続した状態で、金属層40を、絶縁層を介して陰極20に固定する(ステップS230)。すなわち、図7(c)に関して説明した処理を実施する。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によっても、均一で明るい照明装置を、作業性良く、効率的に製造することができる。
【0089】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、照明装置に含まれる陽極、陰極、有機電界発光部、有機電界発光層、金属層、絶縁層、貫通導電層、基板等の各要素の具体的な構成の、形状、サイズ、材質、配置関係などに関して当業者が各種の変更を加えたものであっても、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0090】
その他、本発明の実施の形態として上述した照明装置およびその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての照明装置およびその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0091】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0092】
10…陽極、 20…陰極、 21…陰極側コンタクト、 30…有機電界発光部、 40…金属層、 41…陽極側コンタクト、 50…貫通導電層、 50b…バンプ、 61…第1絶縁層、 61f…熱硬化性樹脂、 62…第2絶縁層、 62f…感光性樹脂、 70…基板、 91a…基板、 91b…第1電極、 91c…有機層、 91d…第2電極、 91e…封止部材、 91f…第1端子、 91g…スルーホール、 91h…導電部、 91i…絶縁部、 110、119、119a、119b、120…照明装置、 L1〜L3…長さ、 Lr1…輝度比、 c1…板、 h1…第1孔、 h2…スルーホール(第2孔)、 h3…第3孔、 h4…スルーホール(第4孔)、 hc1…孔、 p1…端部、 p2…中央部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極と、
前記陽極よりも電気抵抗が低い金属層と、
前記陽極と前記金属層との間に設けられた陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に設けられた有機電界発光部と、
前記陰極と前記金属層との間に設けられた第1絶縁層と、
前記陽極から前記金属層に向かう方向に沿って、前記有機電界発光部と、前記陰極と、前記第1絶縁層と、を貫通し、前記陽極と前記金属層とを電気的に接続し、前記金属層とは別体の複数の貫通導電層と、
前記有機電界発光部及び前記陰極と、前記複数の貫通導電層のそれぞれと、の間に設けられた第2絶縁層と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記金属層の厚さは、10マイクロメートル以上であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記金属層の厚さは、100マイクロメートル以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記金属層の厚さは、前記陽極の厚さと、前記有機電界発光部の厚さと、前記陰極の厚さと、の合計の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
基板上に、陽極と、有機電界発光部と、陰極と、の順で形成し、
前記陰極上に、複数の第1孔を有する金属層を、第1絶縁層を介して載置し、
前記複数の第1孔をマスクとして、前記有機電界発光部と、前記陰極と、前記第1絶縁層と、を、それぞれ貫通する複数の第2孔を形成し、
前記複数の第2孔内に絶縁材料を埋め込み、
前記絶縁材料に前記陽極に達する第3孔を形成し、
前記第3孔に導電性材料を埋め込んで前記金属層と前記陽極とを電気的に接続することを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項6】
基板上に、陽極と、有機電界発光部と、陰極と、の順で形成し、
前記有機電界発光部と、前記陰極と、を貫通する複数の第4孔を形成し、
絶縁層及び複数の導電性の突起を主面に有する金属層の前記複数の突起を前記第4孔にはめ込みつつ、前記絶縁層を前記陰極に対向させ、前記陽極と、前記複数の突起と、前記金属層と、を電気的に接続した状態で、前記金属層を前記絶縁層を介して前記陰極に固定することを特徴とする照明装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−181405(P2011−181405A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45705(P2010−45705)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】