照明装置
【課題】複数のパネルを組み合わせて大面積で発光させる場合でも、つなぎ目が暗くならず違和感の少ない照明装置を提供する。
【解決手段】発光層11が発光すると、その出射光の殆どは、透明な陽極層13及び透明板14を通過して、発光面14aから発光する。このとき、最も強い光は発光層11の法線方向に出射するので、端面14bに近い発光層11から出射した光は、その真上にある端面14bの間を通って外部へと出射することとなり、これにより発光面14a側のつなぎ目(A)を目立たなくすることができる。
【解決手段】発光層11が発光すると、その出射光の殆どは、透明な陽極層13及び透明板14を通過して、発光面14aから発光する。このとき、最も強い光は発光層11の法線方向に出射するので、端面14bに近い発光層11から出射した光は、その真上にある端面14bの間を通って外部へと出射することとなり、これにより発光面14a側のつなぎ目(A)を目立たなくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のパネルを組み合わせて、大面積で発光できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明光源の多様化が進み、種々の照明装置が提案されている。ここで、インテリアデザインを向上する観点からは、例えば壁面等に取り付けて面発光させたいという要求がある。しかるに、例えば将来の光源として有望視されている有機EL等においては、現状では、大面積で発光するものは製造が難しいという問題がある。そこで、小サイズの有機EL等のパネルを組み合わせて、大面積の照明装置を構成しようとする試みがある。
【0003】
ここで、特許文献1には、上下両側にコ字状の固定部材を設け、サイドから複数の発光パネルをスライドさせて取り付けて、片側にある電極から給電する技術、或いは背面に凹みを設けて前面より取り付けて、片側にある電極から給電する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−172918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すようにすれば、小矩形状の発光パネルを並べて発光させることは可能であるが、これを用いて照明装置を構成するのには問題点がある。より具体的に問題点を説明すると、有機EL等は塵埃や、特に水分を嫌う性質があるので、透明な樹脂やガラス内に密封する必要がある。しかるに、このようにして形成した小サイズのパネルをつなぎ合わせて、大面積の照明装置を構成する場合、パネル同士のつなぎ目には発光部が位置しないことから、つなぎ目が暗くなり、インテリアデザインを損なう恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のパネルを組み合わせて大面積で発光させる場合でも、つなぎ目が暗くならず違和感の少ない照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の照明装置は、外部から給電されることで面状に発光する密封された発光部と、前記発光部から発光した光を外部に出射する発光面と、前記発光面に交差する端面とを備えた複数のパネルを有する照明装置であって、前記発光部の法線方向に、前記パネルの発光面のつなぎ目が位置するように、隣接する前記端面同士を重ねていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、前記パネルの端面形状を工夫することで、前記発光部の法線方向に、前記パネルの発光面のつなぎ目が位置するように、隣接する前記パネルの端面を重ねているので、前記発光部が密封されることにより、つなぎ目に露出していない場合でも、前記発光面のつなぎ目の奥側にある発光部から出射された光により、つなぎ目の照度を高め、これによりつなぎ目を視認しにくくなり違和感の少ない照明装置を提供できる。「面状に発光する発光部」とは、例えば有機ELをいうが、それに限られない。
【0009】
請求項2に記載の照明装置は、請求項1に記載の発明において、前記パネルは、配線を含むホルダに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。これにより、前記パネルの1つに不具合が生じたような場合、不具合が生じたパネルのみを交換することで、前記照明装置を継続して使用できる。
【0010】
請求項3に記載の照明装置は、請求項2に記載の発明において、3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、前記パネルの端面は前記法線方向に対して傾いており、この傾き方向に沿って、任意の位置の前記パネルを前記ホルダより着脱可能であることを特徴とする。これにより、前記パネル交換時の手間が省ける。
【0011】
請求項4に記載の照明装置は、請求項2に記載の発明において、3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、特定位置の前記パネルを取り外さなければ、それ以外の前記パネルを前記ホルダより着脱不可能であることを特徴とする。これにより、不用意に前記パネルが前記ホルダより脱落することを抑制できる。
【0012】
請求項5に記載の照明装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、隣接する前記パネルのうち一方の前記発光部が、他方の前記発光部に対して前記法線方向に重なっていることを特徴とする。これにより、更に前記パネルのつなぎ目が目立たなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数のパネルを組み合わせて大面積で発光させる場合でも、つなぎ目が暗くならず違和感の少ない照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態にかかる、パネル10をマトリクス状に並べて構成した照明装置の正面図である。
【図2】図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図である。
【図3】照明装置の組み立て態様を示す図である。
【図4】パネルの構造を模式的に示す斜視図である。
【図5】本実施の形態における端子の周辺を拡大して示す断面図である。
【図6】第2の実施の形態にかかる照明装置の図2と同様な断面図である。
【図7】変形例にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。
【図8】第3の実施の形態にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。
【図9】各種の変形例を示す図である。
【図10】変形例を示す図5と同様な断面図である。
【図11】別な変形例にかかる照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる、パネル10をマトリクス状に並べて構成した照明装置の正面図である。図2は、図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図である。図3は、照明装置の組み立て態様を示す図である。図4は、パネル10の構造を模式的に示す斜視図である。
【0016】
図4において、各パネル10は、共通の有機EL構造を有し、具体的にはパネル10全体にわたって延在する面状の発光層11と、発光層11を挟む陰極層12及び透明な陽極層13と、発光層11、陰極層12及び陽極層13の周囲を覆って密封するガラス又は樹脂の透明板14とを有する。
【0017】
本実施の形態では、図3に示すように、透明板14は、発光層11とは反対側に位置する発光面14aと、発光面14aと反対側の取り付け面14cと、発光面14a及び取り付け面14cに交差する端面14bとを有する。端面14bは、発光面14a側では斜めに傾いているが、取り付け面14c側では直交している。尚、端面14bの傾きは、1つのパネル10の両側で逆方向となっている。端面14に交差する別の端面14e(図1参照)は、発光面14aに直交する単一平面であるとする。
【0018】
各パネル10は、板状のホルダ20に取り付けられている。ここで、パネル10の取り付け態様を説明すると、図5に示すように、パネル10の取り付け面14c側には、陰極層12及び陽極層13からそれぞれ延在する金属製の端子15が、球状に露出している。一方、ホルダ20の上面には、球状の孔20aが形成され、その底部には金属製の端子21が設けられている。端子21は、ホルダ20内を延在し、外部からの給電を受ける配線22に接続されている。
【0019】
パネル10をホルダ20に取り付ける場合、球状の端子15を孔20aに向かって押圧すると、孔20aの入口が開くように弾性変形し、端子15が内部に収まると弾性変形が戻ることで、孔20aに端子15が嵌合するようになっている。これによりパネル10がホルダ20に保持されると共に、端子15は端子21を介して配線22に接続されるので、外部から陰極層12及び陽極層13に給電できることとなる。尚、パネル10をホルダ20から引き剥がすように力を付与すると、球状の端子15が孔20aから脱落するので、簡単にパネル10の着脱ができる。
【0020】
図10は、変形例を示す図5と同様な断面図である。本変形例においては、パネル10の取り付け面14c側には、陰極層12及び陽極層13からそれぞれ延在する金属製の端子15’が突出している。一方、ホルダ20の上面には、パネル10側から見て円形もしくは矩形状の孔20a’が形成され、その底部には、外部からの給電を受けるためにホルダ20内を延在している配線22が露出している。
【0021】
本変形例によれば、パネル10をホルダ20に取り付けたときに、孔20a’内に端子15’が進入し、配線22に接触するようになっているので、上述の実施の形態と同様に外部から陰極層12及び陽極層13に給電できる。又、端子15’は配線22に接触した状態で相対移動可能であり、これによりホルダ20に対するパネル10の相対変位が可能となる。但し、パネル10をホルダ20に固定するための嵌合部等は、別途必要である。
【0022】
隣接するパネル10同士を組み付ける場合、図3に示すように、発光面14aが外側に張り出したパネル10の端面14bと、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の端面14bとを突き合わせるようにして、ホルダ20に取り付ける。すると、発光面14a側のつなぎ目(A)は、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の発光層11の法線上に位置することとなる。
【0023】
外部から各パネル10に給電され、発光層11に陰極層12及び陽極層13から電圧を印加すると、それぞれプラスとマイナスの電荷を持つ正孔、電子が発生する。両層が発光層11で結合すると、発光物である有機物は一旦、励起と呼ばれる高エネルギー状態になり、これが元の安定状態に戻る際に発光が行われる。
【0024】
発光層11が発光すると、その出射光の殆どは、透明な陽極層13及び透明板14を通過して、発光面14aから発光する。このとき、最も強い光は発光層11の法線方向Vに沿って出射するので、端面14bに近い発光層11から出射した光は、その真上にある端面14bの間を通って外部へと出射することとなり、これにより発光面14a側のつなぎ目(A)を目立たなくすることができる。従って、本実施の形態の照明装置から出射される光束はほぼ一様となり、これにより小面積のパネル10を組み合わせて、違和感の少ない大面積の照明をおこなうことができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態にかかる照明装置の図2と同様な断面図である。本実施の形態においては、端面14b全体を一様な角度で傾けている。これにより、並んだパネル10のうち中央のパネル10のみを、端面14bに沿った方向(矢印で図示)に引き抜くことが出来、これにより不具合が生じたパネル10のみを容易に交換することができる。それ以外の構成は、上述の実施の形態と同様である。
【0026】
図7は、変形例にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。本変形例においては、図6の実施の形態に対し、発光面14aが外側に張り出したパネル10の端面14b側で、端面14bに沿うようにして、斜めに発光層11、陰極層12及び陽極層13を延在させている点が異なる。これにより、発光面14aが外側に張り出したパネル10の発光層11の内側に、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の発光層11が位置することとなり、つまり法線方向Vに沿って発光層11が2重に重なっている例である。
【0027】
本変形例では、2重に重なった発光層11により、パネル10のつなぎ目における発光面の切れ目がなくなるので、一層違和感の少ない大面積の照明をおこなうことができる。
【0028】
(第3の実施の形態)
図8は、第3の実施の形態にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。本実施の形態では、パネル10の一端側では、発光面14a側が平行に外側に張り出すようにし、他端側では、それに対応して、発光面14a側が平行に内側に引っ込むようにしている。これにより、パネル10のつなぎ目はクランク状になる。本実施の形態では、パネル10を並べて取り付けた後は、中央のパネル10のみ取り外すことはできず、最も端のパネル10から取り外す必要がある。
【0029】
更に、本実施の形態では、発光層11、陰極層12及び陽極層13は、平行に外側に張り出した部位までクランク状に延在させているので、発光面14aが外側に張り出したパネル10の発光層11の内側に、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の発光層11が位置することとなり、つまり法線方向Vに沿って発光層11が2重に重なっている例である。
【0030】
尚、パネル10の端面形状は、図9(a)に示すものの他、図9(b)に示すように、円弧状としたり、図9(c)に示すように、凹凸状としても良い。尚、図9(b)の例では、連結部を拡大して示す図9(d)に示すように、中央が突出した端面14b側で、その中央突出部まで発光層11を回り込ませるようにし、或いは図9(c)の例では、連結部を拡大して示す図9(e)に示すように、中央が突出した端面14b側で、その中央突出部までクランク状に発光層11を延在させると、発光面のつなぎ目が見えなくなるので好ましい。
【0031】
図11は、別な変形例にかかる照明装置の斜視図である。図11においては、パネル10の互いに交差する側面14c、14eが、それぞれ発光面14aに対して傾いている。よって、任意のパネル10を取り外すときは、矢印で示すように、側面14c、14eの双方に沿った方向に抜き出せばよい。
【0032】
尚、ホルダ20へのパネル10の取り付けは、以上に限らず、磁石、マジックテープ、粘着シート、吸盤、差し込みなど種々の態様がある。又、パネル10をホルダ20に固定する場合、つなぎ目などに接着剤を塗布しても良い。
【符号の説明】
【0033】
10 パネル
11 発光層
12 陰極層
13 陽極層
14 透明板
14a 発光面
14b 端面
14c 取り付け面
15 端子
20 ホルダ
20a 孔
21 端子
22 配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のパネルを組み合わせて、大面積で発光できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明光源の多様化が進み、種々の照明装置が提案されている。ここで、インテリアデザインを向上する観点からは、例えば壁面等に取り付けて面発光させたいという要求がある。しかるに、例えば将来の光源として有望視されている有機EL等においては、現状では、大面積で発光するものは製造が難しいという問題がある。そこで、小サイズの有機EL等のパネルを組み合わせて、大面積の照明装置を構成しようとする試みがある。
【0003】
ここで、特許文献1には、上下両側にコ字状の固定部材を設け、サイドから複数の発光パネルをスライドさせて取り付けて、片側にある電極から給電する技術、或いは背面に凹みを設けて前面より取り付けて、片側にある電極から給電する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−172918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すようにすれば、小矩形状の発光パネルを並べて発光させることは可能であるが、これを用いて照明装置を構成するのには問題点がある。より具体的に問題点を説明すると、有機EL等は塵埃や、特に水分を嫌う性質があるので、透明な樹脂やガラス内に密封する必要がある。しかるに、このようにして形成した小サイズのパネルをつなぎ合わせて、大面積の照明装置を構成する場合、パネル同士のつなぎ目には発光部が位置しないことから、つなぎ目が暗くなり、インテリアデザインを損なう恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のパネルを組み合わせて大面積で発光させる場合でも、つなぎ目が暗くならず違和感の少ない照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の照明装置は、外部から給電されることで面状に発光する密封された発光部と、前記発光部から発光した光を外部に出射する発光面と、前記発光面に交差する端面とを備えた複数のパネルを有する照明装置であって、前記発光部の法線方向に、前記パネルの発光面のつなぎ目が位置するように、隣接する前記端面同士を重ねていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、前記パネルの端面形状を工夫することで、前記発光部の法線方向に、前記パネルの発光面のつなぎ目が位置するように、隣接する前記パネルの端面を重ねているので、前記発光部が密封されることにより、つなぎ目に露出していない場合でも、前記発光面のつなぎ目の奥側にある発光部から出射された光により、つなぎ目の照度を高め、これによりつなぎ目を視認しにくくなり違和感の少ない照明装置を提供できる。「面状に発光する発光部」とは、例えば有機ELをいうが、それに限られない。
【0009】
請求項2に記載の照明装置は、請求項1に記載の発明において、前記パネルは、配線を含むホルダに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。これにより、前記パネルの1つに不具合が生じたような場合、不具合が生じたパネルのみを交換することで、前記照明装置を継続して使用できる。
【0010】
請求項3に記載の照明装置は、請求項2に記載の発明において、3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、前記パネルの端面は前記法線方向に対して傾いており、この傾き方向に沿って、任意の位置の前記パネルを前記ホルダより着脱可能であることを特徴とする。これにより、前記パネル交換時の手間が省ける。
【0011】
請求項4に記載の照明装置は、請求項2に記載の発明において、3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、特定位置の前記パネルを取り外さなければ、それ以外の前記パネルを前記ホルダより着脱不可能であることを特徴とする。これにより、不用意に前記パネルが前記ホルダより脱落することを抑制できる。
【0012】
請求項5に記載の照明装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、隣接する前記パネルのうち一方の前記発光部が、他方の前記発光部に対して前記法線方向に重なっていることを特徴とする。これにより、更に前記パネルのつなぎ目が目立たなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数のパネルを組み合わせて大面積で発光させる場合でも、つなぎ目が暗くならず違和感の少ない照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態にかかる、パネル10をマトリクス状に並べて構成した照明装置の正面図である。
【図2】図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図である。
【図3】照明装置の組み立て態様を示す図である。
【図4】パネルの構造を模式的に示す斜視図である。
【図5】本実施の形態における端子の周辺を拡大して示す断面図である。
【図6】第2の実施の形態にかかる照明装置の図2と同様な断面図である。
【図7】変形例にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。
【図8】第3の実施の形態にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。
【図9】各種の変形例を示す図である。
【図10】変形例を示す図5と同様な断面図である。
【図11】別な変形例にかかる照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる、パネル10をマトリクス状に並べて構成した照明装置の正面図である。図2は、図1の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図である。図3は、照明装置の組み立て態様を示す図である。図4は、パネル10の構造を模式的に示す斜視図である。
【0016】
図4において、各パネル10は、共通の有機EL構造を有し、具体的にはパネル10全体にわたって延在する面状の発光層11と、発光層11を挟む陰極層12及び透明な陽極層13と、発光層11、陰極層12及び陽極層13の周囲を覆って密封するガラス又は樹脂の透明板14とを有する。
【0017】
本実施の形態では、図3に示すように、透明板14は、発光層11とは反対側に位置する発光面14aと、発光面14aと反対側の取り付け面14cと、発光面14a及び取り付け面14cに交差する端面14bとを有する。端面14bは、発光面14a側では斜めに傾いているが、取り付け面14c側では直交している。尚、端面14bの傾きは、1つのパネル10の両側で逆方向となっている。端面14に交差する別の端面14e(図1参照)は、発光面14aに直交する単一平面であるとする。
【0018】
各パネル10は、板状のホルダ20に取り付けられている。ここで、パネル10の取り付け態様を説明すると、図5に示すように、パネル10の取り付け面14c側には、陰極層12及び陽極層13からそれぞれ延在する金属製の端子15が、球状に露出している。一方、ホルダ20の上面には、球状の孔20aが形成され、その底部には金属製の端子21が設けられている。端子21は、ホルダ20内を延在し、外部からの給電を受ける配線22に接続されている。
【0019】
パネル10をホルダ20に取り付ける場合、球状の端子15を孔20aに向かって押圧すると、孔20aの入口が開くように弾性変形し、端子15が内部に収まると弾性変形が戻ることで、孔20aに端子15が嵌合するようになっている。これによりパネル10がホルダ20に保持されると共に、端子15は端子21を介して配線22に接続されるので、外部から陰極層12及び陽極層13に給電できることとなる。尚、パネル10をホルダ20から引き剥がすように力を付与すると、球状の端子15が孔20aから脱落するので、簡単にパネル10の着脱ができる。
【0020】
図10は、変形例を示す図5と同様な断面図である。本変形例においては、パネル10の取り付け面14c側には、陰極層12及び陽極層13からそれぞれ延在する金属製の端子15’が突出している。一方、ホルダ20の上面には、パネル10側から見て円形もしくは矩形状の孔20a’が形成され、その底部には、外部からの給電を受けるためにホルダ20内を延在している配線22が露出している。
【0021】
本変形例によれば、パネル10をホルダ20に取り付けたときに、孔20a’内に端子15’が進入し、配線22に接触するようになっているので、上述の実施の形態と同様に外部から陰極層12及び陽極層13に給電できる。又、端子15’は配線22に接触した状態で相対移動可能であり、これによりホルダ20に対するパネル10の相対変位が可能となる。但し、パネル10をホルダ20に固定するための嵌合部等は、別途必要である。
【0022】
隣接するパネル10同士を組み付ける場合、図3に示すように、発光面14aが外側に張り出したパネル10の端面14bと、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の端面14bとを突き合わせるようにして、ホルダ20に取り付ける。すると、発光面14a側のつなぎ目(A)は、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の発光層11の法線上に位置することとなる。
【0023】
外部から各パネル10に給電され、発光層11に陰極層12及び陽極層13から電圧を印加すると、それぞれプラスとマイナスの電荷を持つ正孔、電子が発生する。両層が発光層11で結合すると、発光物である有機物は一旦、励起と呼ばれる高エネルギー状態になり、これが元の安定状態に戻る際に発光が行われる。
【0024】
発光層11が発光すると、その出射光の殆どは、透明な陽極層13及び透明板14を通過して、発光面14aから発光する。このとき、最も強い光は発光層11の法線方向Vに沿って出射するので、端面14bに近い発光層11から出射した光は、その真上にある端面14bの間を通って外部へと出射することとなり、これにより発光面14a側のつなぎ目(A)を目立たなくすることができる。従って、本実施の形態の照明装置から出射される光束はほぼ一様となり、これにより小面積のパネル10を組み合わせて、違和感の少ない大面積の照明をおこなうことができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態にかかる照明装置の図2と同様な断面図である。本実施の形態においては、端面14b全体を一様な角度で傾けている。これにより、並んだパネル10のうち中央のパネル10のみを、端面14bに沿った方向(矢印で図示)に引き抜くことが出来、これにより不具合が生じたパネル10のみを容易に交換することができる。それ以外の構成は、上述の実施の形態と同様である。
【0026】
図7は、変形例にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。本変形例においては、図6の実施の形態に対し、発光面14aが外側に張り出したパネル10の端面14b側で、端面14bに沿うようにして、斜めに発光層11、陰極層12及び陽極層13を延在させている点が異なる。これにより、発光面14aが外側に張り出したパネル10の発光層11の内側に、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の発光層11が位置することとなり、つまり法線方向Vに沿って発光層11が2重に重なっている例である。
【0027】
本変形例では、2重に重なった発光層11により、パネル10のつなぎ目における発光面の切れ目がなくなるので、一層違和感の少ない大面積の照明をおこなうことができる。
【0028】
(第3の実施の形態)
図8は、第3の実施の形態にかかる照明装置の図3(b)と同様な断面図である。本実施の形態では、パネル10の一端側では、発光面14a側が平行に外側に張り出すようにし、他端側では、それに対応して、発光面14a側が平行に内側に引っ込むようにしている。これにより、パネル10のつなぎ目はクランク状になる。本実施の形態では、パネル10を並べて取り付けた後は、中央のパネル10のみ取り外すことはできず、最も端のパネル10から取り外す必要がある。
【0029】
更に、本実施の形態では、発光層11、陰極層12及び陽極層13は、平行に外側に張り出した部位までクランク状に延在させているので、発光面14aが外側に張り出したパネル10の発光層11の内側に、発光面14aが内側に引っ込んだパネル10の発光層11が位置することとなり、つまり法線方向Vに沿って発光層11が2重に重なっている例である。
【0030】
尚、パネル10の端面形状は、図9(a)に示すものの他、図9(b)に示すように、円弧状としたり、図9(c)に示すように、凹凸状としても良い。尚、図9(b)の例では、連結部を拡大して示す図9(d)に示すように、中央が突出した端面14b側で、その中央突出部まで発光層11を回り込ませるようにし、或いは図9(c)の例では、連結部を拡大して示す図9(e)に示すように、中央が突出した端面14b側で、その中央突出部までクランク状に発光層11を延在させると、発光面のつなぎ目が見えなくなるので好ましい。
【0031】
図11は、別な変形例にかかる照明装置の斜視図である。図11においては、パネル10の互いに交差する側面14c、14eが、それぞれ発光面14aに対して傾いている。よって、任意のパネル10を取り外すときは、矢印で示すように、側面14c、14eの双方に沿った方向に抜き出せばよい。
【0032】
尚、ホルダ20へのパネル10の取り付けは、以上に限らず、磁石、マジックテープ、粘着シート、吸盤、差し込みなど種々の態様がある。又、パネル10をホルダ20に固定する場合、つなぎ目などに接着剤を塗布しても良い。
【符号の説明】
【0033】
10 パネル
11 発光層
12 陰極層
13 陽極層
14 透明板
14a 発光面
14b 端面
14c 取り付け面
15 端子
20 ホルダ
20a 孔
21 端子
22 配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から給電されることで面状に発光する密封された発光部と、前記発光部から発光した光を外部に出射する発光面と、前記発光面に交差する端面とを備えた複数のパネルを有する照明装置であって、
前記発光部の法線方向に、前記パネルの発光面のつなぎ目が位置するように、隣接する前記端面同士を重ねていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記パネルは、配線を含むホルダに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、前記パネルの端面は前記法線方向に対して傾いており、この傾き方向に沿って、任意の位置の前記パネルを前記ホルダより着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、特定位置の前記パネルを取り外さなければ、それ以外の前記パネルを前記ホルダより着脱不可能であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
隣接する前記パネルのうち一方の前記発光部が、他方の前記発光部に対して前記法線方向に重なっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項1】
外部から給電されることで面状に発光する密封された発光部と、前記発光部から発光した光を外部に出射する発光面と、前記発光面に交差する端面とを備えた複数のパネルを有する照明装置であって、
前記発光部の法線方向に、前記パネルの発光面のつなぎ目が位置するように、隣接する前記端面同士を重ねていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記パネルは、配線を含むホルダに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、前記パネルの端面は前記法線方向に対して傾いており、この傾き方向に沿って、任意の位置の前記パネルを前記ホルダより着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
3つ以上の前記パネルが並べて配置されており、特定位置の前記パネルを取り外さなければ、それ以外の前記パネルを前記ホルダより着脱不可能であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
隣接する前記パネルのうち一方の前記発光部が、他方の前記発光部に対して前記法線方向に重なっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−199067(P2012−199067A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62357(P2011−62357)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
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