説明

照明装置

【課題】光源の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を容易かつ確実に行なうことが可能な照明装置を得る。
【解決手段】照明装置は、操作部20を備える。操作部20は、光源の点灯指示および光源の消灯指示を出力する第1スイッチ部21と、光源の復帰指示を出力する第2スイッチ部22とを含む。第1スイッチ部21の操作方法と第2スイッチ部22の操作方法とは、互いに異なるように構成される。第1スイッチ部21が操作されることによって、光源は一旦点灯し、その後、光源の輝度は所定の値に到達するように自動的に減少される。第2スイッチ部22が操作されることによって、光源の輝度は高くなるように調光が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を備えた照明装置に関し、特に、光源の点灯後に光源の輝度を所定の値にまで徐々に低減させる機能を有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー等の観点から、光源の点灯後に光源の輝度を所定の値にまで徐々に低減させる機能を有する照明装置が知られている。このような照明装置においては、たとえば、人感センサーが用いられる。人感センサーは、人の存在および人の不在を検知する。人の存在時には、照明装置は調光率を下げない(若しくは上げる)ように制御される。一方、人の不在時には、照明装置は調光率を自動的に下げるように制御される。
【0003】
人感センサーの代わりに、外光の明るさを検知するセンサーが用いられる場合もある。センサーが検知した外光の明るさに応じて、照明装置の調光(調光率)が制御される。外光が暗い場合には、照明装置は調光率を下げない(若しくは上げる)ように制御される。一方、外光が明るい場合には、照明装置は調光率を自動的に下げるように制御される。
【0004】
ここで、人は、輝度(照度範囲)が比較的高い場合には、輝度の変化を感じにくい。一方、人は、輝度(照度範囲)が比較的低い場合には、輝度の変化を強く感じる傾向にある。このような輝度変化に対する人間の感覚を利用した照明装置も知られている。
【0005】
特開2005−293853号公報(特許文献1)には、輝度変化に対する人間の感覚を利用した照明装置が開示される。この照明装置は、人の動きが比較的少ない場所(たとえばオフィスのフロア等)に用いられる。この照明装置は、光源の点灯後、光源の輝度が所定の目標値(たとえば最大輝度の70%程度)になるように、光源の輝度を徐々に低減させている。
【0006】
一般的なオフィスでは、快適性が重視される。点灯時における照明装置の光源は、作業に必要な輝度よりも高い輝度に設定される。光源の点灯後、70%程度の輝度にまでゆっくりと光源の輝度を低減(フェードアウト)させたとしても、人は、輝度が変化したことには気付かない。照明装置の使用者が不快に感じることは、ほとんどない。照明装置の光源がこのように制御されることによって、省エネルギー性と快適性との両立を得ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−293853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光源の点灯後に光源の輝度が自動的に低減され、光源の輝度が所定の低い値に設定されているとする。この場合において、計画的に若しくは来客などの偶発的な要因によって、光源の輝度を所望の高い値にまで復帰(フェードイン)させる必要が生じることがある。この場合、照明装置の使用者によって、光源の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作が行なわれる。
【0009】
本発明は、光源の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を容易かつ確実に行なうことが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に基づく照明装置は、光源を含む照明器具と、上記光源の点灯指示および上記光源の消灯指示を出力する第1スイッチ部、ならびに上記光源の復帰指示を出力する第2スイッチ部を含み、上記第1スイッチ部の操作方法と上記第2スイッチ部の操作方法とが互いに異なるように構成された操作部と、上記操作部からの指示を受けて、上記光源を点灯若しくは消灯させ、または上記光源の調光を制御する制御部と、を備え、上記第1スイッチ部が操作されることによって上記制御部が上記点灯指示を受けた際には、上記制御部は上記光源を一旦点灯させた後、上記光源の輝度が所定の値に到達するように上記光源の輝度を自動的に減少させ、上記第2スイッチ部が操作されることによって上記制御部が上記復帰指示を受けた際には、上記制御部は、上記制御部が上記復帰指示を受けた際よりも上記光源の輝度が高くなるように上記光源の調光を制御する。
【0011】
好ましくは、上記第2スイッチ部は、上記第1スイッチ部よりも物理的形状が小さくなるように構成される。好ましくは、上記第2スイッチ部を操作するために必要な力は、上記第1スイッチ部を操作するために必要な力よりも小さくなるように構成される。好ましくは、上記第1スイッチ部はメカニカルスイッチから構成され、上記第2スイッチ部はタッチパネルから構成される。
【0012】
好ましくは、上記第2スイッチ部は、上記第1スイッチ部の表面に設けられている。好ましくは、上記第1スイッチ部および上記第2スイッチ部は、双方ともにタッチパネルから構成される。好ましくは、上記照明器具の上記光源は、有機ELである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光源の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を容易かつ確実に行なうことが可能な照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1における照明装置を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1における照明装置に用いられる操作部を示す正面図である。
【図3】実施の形態1における照明装置に用いられる操作部を示す斜視図である。
【図4】実施の形態1における照明装置の回路構成を示す図である。
【図5】実施の形態1における照明装置の動作を示す図である。
【図6】実施の形態2における照明装置に用いられる操作部を示す正面図である。
【図7】実施の形態2における照明装置に用いられる操作部を示す斜視図である。
【図8】実施の形態2における照明装置に用いられる操作部を示す第1断面図である。
【図9】実施の形態2における照明装置に用いられる操作部を示す第2断面図である。
【図10】実施の形態3における照明装置に用いられる操作部を示す正面図である。
【図11】実施の形態3における照明装置に用いられる操作部を示す斜視図である。
【図12】実施の形態3における照明装置に用いられる操作部を示す第1断面図である。
【図13】図12中に示される第1スイッチ部および第2スイッチ部の回路構成を示す図である。
【図14】実施の形態3における照明装置に用いられる操作部を示す第2断面図である。
【図15】図14中に示される第1スイッチ部および第2スイッチ部の回路構成を示す図である。
【図16】実施の形態3における照明装置に用いられる操作部を示す第3断面図である。
【図17】図16中に示される第1スイッチ部および第2スイッチ部の回路構成を示す図である。
【図18】実施の形態4における照明装置に用いられる操作部を示す正面図である。
【図19】実施の形態4における照明装置に用いられる操作部を示す第1断面図である。
【図20】実施の形態4における照明装置に用いられる操作部を示す第2断面図である。
【図21】実施の形態5における照明装置に用いられる操作部を示す正面図である。
【図22】実施の形態5における照明装置に用いられる操作部を示す斜視図である。
【図23】実施の形態6における照明装置の回路構成を示す図である。
【図24】実施の形態7における照明装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、各実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
【0016】
[実施の形態1]
(照明装置100)
図1は、本実施の形態における照明装置100を示す斜視図である。図1に示すように、照明装置100は、照明器具10、操作部20、制御部30、および記憶部40を備える。
【0017】
照明器具10は、部屋60の天井62に取り付けられる。天井62には、複数の照明器具10が取り付けられる。天井62には、1つの照明器具10のみが取り付けられていてもよい。照明器具10は、部屋60の壁面61に取り付けられてもよい。照明器具10は、部屋60の出入口63付近に設けられた操作部20とは分離して配置される。
【0018】
照明器具10は、光源12を含む。光源12は、有機EL(Organic Electro-Luminescence)から構成される。光源12は、蛍光灯、またはLED(Light Emitting Diode)などから構成されてもよい。光源12は、制御部30に接続される。光源12は、制御部30からの指示を受けることにより、点灯、消灯、または調光される。光源12が有機ELまたはLEDから構成される場合、光源12は、PWM(Pulse Width Modulation)またはPHM(Pulse Height Modulation)などの調光信号によって、容易に調光されることが可能である。
【0019】
操作部20は、上述のとおり、出入口63付近の壁面61に取り付けられる。操作部20は、照明装置100の使用者70によって操作される。操作部20は、壁面61に取り付けられた状態で有線操作を行なうものに限られず、いわゆるリモートコントローラーのように、無線操作を行なうことが可能なように構成されていてもよい。
【0020】
操作部20は、使用者70に操作されることによって、照明器具10の光源12を制御(点灯、消灯、または調光)するための信号を出力する。操作部20から出力された信号は、制御部30に入力される。操作部20の更なる詳細については、図2を参照して後述する。
【0021】
制御部30は、操作部20からの信号を受けて、受け取った信号に応じた指示信号を生成する。生成される指示信号に関する情報は、制御部30に接続された記憶部40に予め記憶されている。記憶部40には、光源12を調光するための各種の調光率に関する情報も記憶されている。制御部30によって生成された指示信号は、照明器具10の光源12に送信される。光源12は、制御部30からの指示信号を受けることにより、点灯、消灯、または調光される。
【0022】
(操作部20)
図2は、操作部20を示す正面図である。図3は、操作部20を示す斜視図である。図2および図3に示すように、操作部20は、第1スイッチ部21、第2スイッチ部22、取付パネル23、および取付具24を含む。取付パネル23は、取付具24によって壁面61に固定される。第1スイッチ部21および第2スイッチ部22は、取付パネル23によって、壁面61に取り付けられる。
【0023】
第1スイッチ部21は、いわゆるトグル動作を行なうスイッチである。第1スイッチ部21は、押下された後、押下される前の位置に戻るモーメンタリ型のスイッチでるとよい。第1スイッチ部21は、押下される度に、光源12を点灯させるための点灯指示、および、光源12を消灯させるための消灯指示を交互に出力する。
【0024】
第1スイッチ部21は、押下される度にクリック感が発生するメカニカルスイッチから構成されるとよい。使用者がクリック感を得ることによって、点灯の操作または消灯の操作が行なわれたことを、使用者は確実に認識することが可能となる。押下される度にクリック感が発生するメカニカルスイッチとしては、たとえば特開平06−111683号公報における図16、および特開2009−230972号公報における図1に記載のものを使用することができる。
【0025】
第2スイッチ部22は、押下される度に、光源12の調光率を所定の高い値に復帰させるための復帰指示を出力する。第2スイッチ部22は、押下される度にクリック感が発生するメカニカルスイッチから構成されてもよく、押下された後に押下される前の位置に戻るモーメンタリ型のスイッチから構成されていてもよい。
【0026】
第2スイッチ部22は、軽い接触によって操作されることが可能なタッチパネルから構成されていてもよい。第2スイッチ部22がタッチパネルから構成される場合、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、または静電容量方式などのいずれのタイプであってもよい。
【0027】
ここで、第1スイッチ部21の操作方法および第2スイッチ部22の操作方法は、互いに異なるように構成される。本実施の形態においては、第2スイッチ部22が第1スイッチ部21とは物理的に分離した位置に配置されるとともに、第2スイッチ部22が第1スイッチ部21よりも物理的形状(ここでは表面積)が小さくなるように構成される。
【0028】
(照明装置100の回路構成)
図4は、照明装置100(図1参照)の回路構成を示す図である。図4に示すように、照明装置100は、回路構成として、照明器具10、操作部20、制御部30、記憶部40、および電源部50を含む。
【0029】
照明器具10は、光源12と、光源12を駆動させるためのドライバー14と、ACDCコンバーター16とを含む。操作部20は、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22を含む。第1スイッチ部21および第2スイッチ部22は、物理的に分離するように構成される。制御部30は、マイコン32およびACDCコンバーター34を含む。記憶部40は、メモリー42を含む。電源部50は、交流電源52を含む。
【0030】
点灯指示および消灯指示を出力する第1スイッチ部21は、電源部50における交流電源52からのラインを直接的にON/OFFするように構成される。第2スイッチ部22は、マイコン32の入力ポートに接続されている。この入力ポートは、マイコン32の内部においてプルアップされている。
【0031】
第2スイッチ部22が押されない場合(第2スイッチ部22がOFFの場合)には、H(High)がマイコン32側で検出される。第2スイッチ部22が押された場合(第2スイッチ部22がONの場合)には、L(Low)がマイコン32側で検出される。マイコン32によってHまたはLが処理された後、調光信号(復帰信号)が調光インターフェース36に送信される。
【0032】
調光インターフェース36は、信号線およびグランドからなる2線式である。調光インターフェース36は、照明器具10の光源12に対してPWM信号を送信する。光源12における調光率は、PWM信号のデューティー比によって指定される。
【0033】
(照明装置100の動作)
図5は、照明装置100の動作を示す図である。図5中の横軸は、照明装置100における時間の経過を示している。図5中の縦軸は、照明装置100における光源12の輝度(調光率)を示している。
【0034】
図1,図4および図5を参照して、照明装置100においては、第1スイッチ部21が操作されることによって、操作部20から制御部30に点灯指示が送信される。制御部30のACDCコンバーター34が起動し、これに伴って制御部30のマイコン32が起動する。制御部30のマイコン32からは、光源12を点灯させるための信号が出力される。照明器具10におけるACDCコンバーター16が起動し、光源12は発光可能な状態となる。
【0035】
制御部30のマイコン32が起動された際には、調光インターフェース36に100%のデューティー比を有するPWM信号が出力される。PWM信号は、光源12のドライバー14に入力される。光源12は、ドライバー14によって駆動され、点灯する。第1スイッチ部21が時間T1(図5参照)に操作されたとすると、光源12は、調光率が100%となるように点灯する。
【0036】
光源12が点灯した後、光源12は、制御部30によってさらに制御される。制御部30のマイコン32内にはタイマーが内蔵されており、タイマーによって点灯時からの時間がカウントされる。制御部30は、記憶部40に記憶されているフェードアウト時間Tf(図5参照)と比較しながら、調光インターフェース36に出力するPWM信号のデューティー比を変化させる。光源12の輝度(調光率)は、フェードアウト時間Tfの間にたとえば70%の値(目標調光率)となるように徐々に自動的に減少する。光源12の輝度が70%の値に到達した後、光源12の輝度は70%の値で維持される。
【0037】
光源12の目標調光率は、省エネルギーおよび快適性の両立に鑑みて、70%以外の値に設定されてもよい。光源12の目標設定値は、照明装置100の使用者が予め自由に設定できるように構成されてもよい。フェードアウト時間Tfは、人間が照度変化を感じにくい程度に長く設定されるとよい。フェードアウト時間Tfは、たとえば10秒から10分である。
【0038】
次に、時間T2において第2スイッチ部22が操作されたとする。操作部20から制御部30に復帰指示が送信される。制御部30のマイコン32は、この復帰指示を検出する。制御部30のマイコン32から、100%のデューティー比を有するPWM信号が調光インターフェース36に出力される。
【0039】
PWM信号は、光源12のドライバー14に入力される。光源12は、輝度(調光率)が100%となるように調光される。その後、光源12の輝度は、制御部30が点灯指示を受けた場合と同様に、フェードアウト時間Tfの間に70%に到達するまで徐々に自動的に減少する。光源12の輝度が70%の値に到達した後、光源12の輝度は70%の値で維持される。
【0040】
第2スイッチ部22が操作された際の光源12の輝度は、省エネルギーおよび快適性の両立に鑑みて、100%以外の値に設定されてもよい。100%以外の値に設定される場合であっても、第2スイッチ部22が操作された際の光源12の輝度は、第2スイッチ部22が操作された際(制御部30が復帰指示を受けた際)よりも光源12の輝度が高くなるように設定される。
【0041】
必要に応じて、時間T3において第2スイッチ部22が再び操作される。時間T2の場合と同様に、光源12は、輝度(調光率)が100%となるように調光される。その後、光源12の輝度は、フェードアウト時間Tfの間に70%に到達するまで徐々に自動的に減少する。光源12の輝度が70%の値に到達した後、光源12の輝度は70%の値で維持される。
【0042】
最後に、時間T4において第1スイッチ部21が操作されることによって、操作部20から制御部30に消灯指示が送信される。制御部30のACDCコンバーター34への電源が切られるとともに、制御部30は、光源12を消灯させるための信号を出力する。これにより、照明器具10のACDCコンバーター16への電源が切られる。光源12の輝度(調光率)は0%となり、光源12は消灯する。照明装置100は、以上のように動作する。
【0043】
(作用・効果)
上述のとおり、点灯および消灯に使用される第1スイッチ部21の操作方法、ならびに復帰に使用される第2スイッチ部22の操作方法は、互いに異なるように構成される。本実施の形態においては、第2スイッチ部22が第1スイッチ部21とは物理的に分離した位置に配置されるとともに、第2スイッチ部22が第1スイッチ部21よりも物理的な形状(ここでは表面積)が小さくなるように構成される。
【0044】
当該構成により、照明装置100の使用者70は、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22を容易に識別することができ、光源12の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、間違うことなく容易かつ確実に行なうことができる。
【0045】
上述のとおり、第1スイッチ部21は、押下される度にクリック感が発生するメカニカルスイッチから構成され、且つ、第2スイッチ部22は、タッチパネルから構成されてもよい。この場合、第2スイッチ部22を操作するために必要な力は、第1スイッチ部21を操作するために必要な力よりも小さくなる。第1スイッチ部21の操作方法および第2スイッチ部22の操作方法はより明確に異なることとなる。使用者は、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22の機能の違いを感覚的にも識別することができる。使用者は、光源12の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、よりいっそう間違うことなく容易かつ確実に行なうことが可能となる
[実施の形態2]
図6は、本実施の形態における照明装置に用いられる操作部20Aを示す正面図である。図7は、操作部20Aを示す斜視図である。
【0046】
図6および図7に示すように、操作部20Aは、第1スイッチ部21Aおよび第2スイッチ部22Aを含む。本実施の形態においても、第1スイッチ部21Aの操作方法および第2スイッチ部22Aの操作方法は、互いに異なるように構成される。
【0047】
第1スイッチ部21Aは、メカニカルスイッチから構成される。第2スイッチ部22Aは、タッチパネルから構成される。第2スイッチ部22Aは、第1スイッチ部21Aに重ねて配置され、第1スイッチ部21Aの表面に設けられる。
【0048】
図8は、操作部20Aを示す第1断面図である。図8においては、第1スイッチ部21Aおよび第2スイッチ部22Aが、筐体25に対して押し込まれている状態が図示されている。図9は、操作部20Aを示す第2断面図である。図9においては、第1スイッチ部21Aおよび第2スイッチ部22Aが、筐体25に対して押し込まれていない状態が図示されている。
【0049】
図8および図9に示すように、第1スイッチ部21Aは、筐体25によって支持される。第1スイッチ部21Aには、可動接点21Tが設けられる。筐体25には、固定接点25Tが設けられる。第1スイッチ部21Aは、バネなどの弾性部材(図示せず)によって、所定の突出量で筐体25から外方に向かって突出するように付勢されている(図9に示す状態)。
【0050】
図8に示すように、操作部20Aが、使用者の手指72によって矢印DR方向に押し込まれた際には、可動接点21Tが固定接点25Tに接触することによって、第1スイッチ部21Aが作動する。操作部20Aは、可動接点21Tおよび固定接点25T同士の接触または非接触に応じて、制御部30(図1参照)に対して点灯指示および消灯指示を交互に出力する。
【0051】
操作部20Aからの指示を受けて、光源12(図1参照)は点灯または消灯する。光源12の点灯後には、上述の実施の形態1と同様に、光源12の輝度(調光率)は、たとえば70%の値となるように徐々に自動的に減少する。
【0052】
一方、図9に示すように、操作部20Aが使用者の手指72によって軽く触れられた際には、第2スイッチ部22Aが作動する。操作部20Aは、制御部30(図1参照)に対して復帰指示を出力する。操作部20Aからの指示を受けて、光源12は、輝度(調光率)がたとえば100%となるように調光される。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態においては、操作部20Aが軽く触れられた場合には復帰動作が行なわれる。操作部20Aが強く押された場合には、点灯動作または消灯動作が行なわれる。第2スイッチ部22Aが第1スイッチ部21Aの表面に設けられていることによって、復帰動作が優先的に作動されることとなる。使用者は、第1スイッチ部21Aおよび第2スイッチ部22Aを容易に識別することができる。使用者は、光源12の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、間違うことなく容易かつ確実に行なうことが可能となる。
【0054】
本実施の形態においては、第2スイッチ部22Aが第1スイッチ部21Aに重ねて配置される。使用者は、第2スイッチ部22Aおよび第1スイッチ部21Aを、一つのスイッチとして視覚的に認識する。第1スイッチ部21Aおよび第2スイッチ部22Aの操作方法の違いによって、点灯、消灯、および調光(復帰)の各動作が行なわれる。使用者は、光源12(図1参照)の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、より直感的な操作によって間違うことなく容易かつ確実に行なうことができる。
【0055】
[実施の形態3]
図10は、本実施の形態における照明装置に用いられる操作部20Bを示す正面図である。図11は、操作部20Bを示す斜視図である。
【0056】
図10および図11に示すように、操作部20Bは、第1スイッチ部21Bおよび第2スイッチ部22Bを含む。本実施の形態においても、第1スイッチ部21Bの操作方法および第2スイッチ部22Bの操作方法は、互いに異なるように構成される。本実施の形態においては、第1スイッチ部21Bが操作されることによって、光源12(図1参照)は点灯または消灯される。第2スイッチ部22Bが操作されることによって光源12は調光(復帰)される。
【0057】
第1スイッチ部21Bおよび第2スイッチ部22Bは、1つのスイッチ28Bから構成されている。スイッチ28Bは、いわゆる2段式のスイッチである。スイッチ28Bは、押し込み量に応じて、点灯、消灯、または調光(復帰)の各動作に対応した指示を出力するように構成されている。2段式のスイッチとしては、たとえば特開2001−006488号公報における図14に記載のものを使用することができる。
【0058】
図12は、操作部20Bを示す第1断面図である。図12においては、スイッチ28B(第1スイッチ部22Bおよび第2スイッチ部22B)が、筐体25に対して押し込まれていない状態が図示されている。スイッチ28Bは、筐体25によって支持される。スイッチ28Bは、バネなどの弾性部材(図示せず)によって、所定の突出量で筐体25から外方に向かって突出するように付勢されている。スイッチ28Bには、可動接点21T,21Uが設けられる。筐体25には、固定接点25T,25Uが設けられる。
【0059】
図13に示すように、第1スイッチ部21Bおよび第2スイッチ部22Bは互いに直列に接続される。マイコン32側では、第1スイッチ部21Bおよび第2スイッチ部22Bの各々におけるON/OFFの状態が検出される。
【0060】
図14および図15に示すように、スイッチ28Bの押し込み量が小さい場合(図14中における矢印DR1参照)には、可動接点21Tが固定接点25Uに接触する。スイッチ28Bとしては、1段目がONの状態となり、2段目がOFFの状態となる。この状態は、マイコン32によって第2スイッチ部22Bが作動されたと認識される。光源12(図1参照)は、調光(復帰)される。
【0061】
一方、図16および図17に示すように、スイッチ28Bの押し込み量が大きい場合(図16中における矢印DR2参照)には、可動接点21Tが固定接点25Tに接触するとともに、可動接点21Uが固定接点25Uに接触する。スイッチ28Bとしては、1段目がONの状態となり、さらに2段目がONの状態となる。この状態は、マイコン32によって第1スイッチ部21Bが作動されたと認識される。光源12(図1参照)は、点灯または消灯される。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態においては、操作部20Bが軽く押し込まれた場合には復帰動作が行なわれる。操作部20Bが強く押された場合には、点灯動作または消灯動作が行なわれる。復帰動作が優先的に作動されることとなる。使用者は、第1スイッチ部21Bおよび第2スイッチ部22Bを容易に識別することができる。使用者は、光源12の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、間違うことなく容易かつ確実に行なうことが可能となる。
【0063】
上述の実施の形態2と同様に、本実施の形態においても、使用者は、第1スイッチ部21Bおよび第2スイッチ部22Bを一つのスイッチとして視覚的に認識する。第1スイッチ部21Bおよび第2スイッチ部22Bの操作方法の違いによって、点灯、消灯、および調光(復帰)の各動作が行なわれる。使用者は、光源12(図1参照)の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、より直感的な操作によって間違うことなく容易かつ確実に行なうことができる。
【0064】
[実施の形態4]
図18は、本実施の形態における照明装置に用いられる操作部20Cを示す正面図である。図18に示すように、操作部20Cは、第1スイッチ部21Cおよび第2スイッチ部22Cを含む。本実施の形態においても、第1スイッチ部21Cの操作方法および第2スイッチ部22Cの操作方法は、互いに異なるように構成される。本実施の形態においては、第1スイッチ部21Cが操作されることによって、光源12(図1参照)は点灯または消灯される。第2スイッチ部22Cが操作されることによって光源12は調光(復帰)される。
【0065】
第1スイッチ部21Cおよび第2スイッチ部22Cは、1つのスイッチ28Cから構成されている。スイッチ28Cは、タッチパネルである。スイッチ28Cは、タップ(触れられ方)の違いに応じて、点灯、消灯、または調光(復帰)の各動作に対応した指示を出力するように構成されている。
【0066】
図19は、操作部20Cを示す第1断面図である。図19においては、スイッチ28C(第1スイッチ部22Cおよび第2スイッチ部22C)に対して1回のタップ動作(いわゆるシングルタップ動作)が行なわれている際の様子が図示されている。スイッチ28Cに対して1回のタップ動作(矢印DR3参照)が行なわれた状態は、第2スイッチ部22Cが作動されたと認識される。光源12(図1参照)は、調光(復帰)される。
【0067】
図20は、操作部20Cを示す第2断面図である。図20においては、スイッチ28C(第1スイッチ部22Cおよび第2スイッチ部22C)に対して2回のタップ動作(いわゆるダブルタップ動作)が行なわれている際の様子が図示されている。スイッチ28Cに対して2回のタップ動作(矢印DR4,DR4参照)が行なわれた状態は、第1スイッチ部21Cが作動されたと認識される。光源12(図1参照)は、点灯または消灯される。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態においては、操作部20Cが1回触れられた場合には復帰動作が行なわれる。操作部20Cが2回連続的に触れられた場合には、点灯動作または消灯動作が行なわれる。復帰動作が優先的に作動されることとなる。使用者は、第1スイッチ部21Cおよび第2スイッチ部22Cを容易に識別することができる。使用者は、光源12の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、間違うことなく容易かつ確実に行なうことが可能となる。
【0069】
上述の実施の形態3と同様に、本実施の形態においても、使用者は、第1スイッチ部21Cおよび第2スイッチ部22Cを一つのスイッチとして視覚的に認識する。第1スイッチ部21Cおよび第2スイッチ部22Cの操作方法の違いに応じて、点灯、消灯、および調光(復帰)の各動作が行なわれる。使用者は、光源12(図1参照)の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、より直感的な操作によって間違うことなく容易かつ確実に行なうことができる。
【0070】
本実施の形態においては、タッチパネルに対して行なわれるシングルタップおよびダブルタップの違いに応じて、点灯、消灯、および調光(復帰)の各動作が行なわれる。この態様に限られず、タッチパネルに対して行なわれるいわゆる長押し動作および短押し動作の違いに応じて、点灯、消灯、および調光(復帰)の各動作が行なわれてもよい。長押し動作および短押し動作の違いは、使用者がタッチパネルに触れた時間の長短に応じて区別される。この場合、長押し動作によって点灯動作または消灯動作が行なわれる。短押し動作によって復帰動作が行なわれる。
【0071】
[実施の形態5]
図21は、本実施の形態における照明装置に用いられる操作部20Dを示す正面図である。図22は、本実施の形態における照明装置に用いられる操作部20Dを示す斜視図である。
【0072】
図21および図22に示すように、操作部20Dは、第1スイッチ部21Dおよび第2スイッチ部22Dを含む。本実施の形態においても、第1スイッチ部21Dの操作方法および第2スイッチ部22Dの操作方法は、互いに異なるように構成される。本実施の形態においては、第1スイッチ部21Dが操作されることによって、光源12(図1参照)は点灯または消灯される。第2スイッチ部22Dが操作されることによって光源12は調光(復帰)される。
【0073】
第1スイッチ部21Dおよび第2スイッチ部22Dは、タッチパネル28D上に設けられており、互いに独立した2つのソフトウェアキーから構成されている。第2スイッチ部22Dは、第1スイッチ部21Dよりも表面積(物理的形状)が小さくなるように構成される。
【0074】
当該構成によっても、上述の実施の形態1と同様に、使用者は、第1スイッチ部21Dおよび第2スイッチ部22Dを容易に識別することができる、使用者は、光源12の輝度を所望の高い値にまで復帰させるという操作を、間違うことなく容易かつ確実に行なうことが可能となる。
【0075】
[実施の形態6]
図23は、本実施の形態における照明装置の回路構成を示す図である。当該回路構成は、上述の実施の形態1〜5のいずれにも適用されることができる。
【0076】
図23に示すように、当該回路構成においては、第1スイッチ部21および第2スイッチ部22の双方がマイコン32に接続されている。照明器具10の光源12に対する点灯、消灯、および調光(復帰)のいずれの動作も、調光インターフェース36を通して行なわれる。
【0077】
操作部20の第1スイッチ部21が操作された際に光源12が消灯しているとする。マイコン32は、当該操作を検出し、調光インターフェース36に100%のデューティー比を有するPWM信号を出力する。光源12が点灯する。その後、光源12の輝度は、上述の各実施の形態と同様に、徐々に低減される。
【0078】
第2スイッチ部22が操作されることによって、復帰動作が行なわれる。復帰動作については、図4を参照して上述した場合と同様である。第1スイッチ部21が再び操作された場合、マイコン32は当該操作を検出し、調光インターフェース36に0%のデューティー比を有するPWM信号を出力する。光源12は消灯する。
【0079】
本実施の形態においては、制御部30側から照明器具10側への配線は、調光インターフェース36のみとなるため、配線を簡素化することが可能となる。マイコン32を通して点灯および消灯の指示が出力されるため、操作部20の第1スイッチ部21としては、マイコン32への指示を出す機能さえあれば、さまざまなものが利用できる。
【0080】
[実施の形態7]
図24は、本実施の形態における照明装置の動作を示す図である。当該動作は、照明装置に用いられる制御部30(図1参照)によって行なわれる。当該動作は、上述の実施の形態1〜6のいずれにも適用されることができる。
【0081】
図24に示すように、本実施の形態においては、光源12(図1参照)が点灯指示または復帰指示を受けた後、光源12は、すぐにはフェードアウト動作に入らない。光源12は、制御部30によって制御されることによって、ホールド時間Thの間は調光率を100%で保持する。ホールド時間Thの経過後、光源12はフェードアウト動作に入る。
【0082】
ホールド時間Thが長いほど、光源12の照度はより長い期間高い状態となるため、快適性が高くなる。ホールド時間Thは、たとえば10秒から10分の間で設定される。ホールド時間Thを設けることによって、使用者は照度変化をよりいっそう感じにくくなる。使用者の快適性を向上させることが可能となる。ホールド時間Thは、省エネルギーの観点から、快適性とのバランスを考慮しつつ最適化されるとよい。
【0083】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
10 照明器具、12 光源、14 ドライバー、16,34 コンバーター、20,20A,20B,20C,20D 操作部、21,21A,21B,21C,21D 第1スイッチ部、21T,21U 可動接点、22,22A,22B,22C,22D 第2スイッチ部、23 取付パネル、24 取付具、25 筐体、25T,25U 固定接点、28B,28C スイッチ、28D タッチパネル、30 制御部、32 マイコン、36 調光インターフェース、40 記憶部、42 メモリー、50 電源部、52 交流電源、60 部屋、61 壁面、62 天井、63 出入口、70 使用者、72 手指、100 照明装置、DR,DR1,DR2,DR3,DR4,DR4 矢印、T1,T2,T3,T4 時間、Tf フェードアウト時間、Th ホールド時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を含む照明器具と、
前記光源の点灯指示および前記光源の消灯指示を出力する第1スイッチ部、ならびに前記光源の復帰指示を出力する第2スイッチ部を含み、前記第1スイッチ部の操作方法と前記第2スイッチ部の操作方法とが互いに異なるように構成された操作部と、
前記操作部からの指示を受けて、前記光源を点灯若しくは消灯させ、または前記光源の調光を制御する制御部と、を備え、
前記第1スイッチ部が操作されることによって前記制御部が前記点灯指示を受けた際には、前記制御部は前記光源を一旦点灯させた後、前記光源の輝度が所定の値に到達するように前記光源の輝度を自動的に減少させ、
前記第2スイッチ部が操作されることによって前記制御部が前記復帰指示を受けた際には、前記制御部は、前記制御部が前記復帰指示を受けた際よりも前記光源の輝度が高くなるように前記光源の調光を制御する、
照明装置。
【請求項2】
前記第2スイッチ部は、前記第1スイッチ部よりも物理的形状が小さくなるように構成される、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2スイッチ部を操作するために必要な力は、前記第1スイッチ部を操作するために必要な力よりも小さくなるように構成される、
請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1スイッチ部はメカニカルスイッチから構成され、
前記第2スイッチ部はタッチパネルから構成される、
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第2スイッチ部は、前記第1スイッチ部の表面に設けられている、
請求項1から4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1スイッチ部および前記第2スイッチ部は、双方ともにタッチパネルから構成される、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記照明器具の前記光源は、有機ELである、
請求項1から6のいずれかに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−26073(P2013−26073A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160915(P2011−160915)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】