説明

照明電力の制御方法、照明装置

【課題】太陽電池が発電した電力によって二次電池の充電及び周囲の照明を行う場合に、周囲の照度の低下を回避して二次電池の充電を効率的に行うことが可能な照明電力の制御方法及び照明装置を提供する。
【解決手段】ソーラーパネルの発電電圧が所定の電圧閾値より高くなる時刻t4から時刻t5までの間と、二次電池の充電電流が所定の電流閾値より多くなる時刻t3から時刻t6までの間とに共通する期間である時刻t4から時刻t5までの間について、LEDが「強」又は「弱」で点灯している場合は、LEDの駆動電流を制限して、その分の電流を二次電池の充電に振り向ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーパネルが発電した電力及び/又は該電力で充電される二次電池が放電した電力によって駆動する光源に供給する電力を制御する照明電力の制御方法、並びにこの制御方法を実行する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池のエネルギー密度及び充放電可能なサイクル数が増大し、各種特性の改善が進んだことと相まって、二次電池が活用される場が広まっている。二次電池は、放電が終了しても廃棄せずに充電して繰り返し使用できるため、特に省資源化及びランニングコストの低減が重視される場合に、自然エネルギーを利用する太陽電池(ソーラーパネル)と併用することによる相乗効果が期待される。
【0003】
例えば、特許文献1及び2では、内蔵する二次電池を充電する太陽電池と、充電された二次電池で点灯されるLEDとを備える照明装置が開示されている。この種の照明装置は、日中は太陽電池からの電力によって専ら二次電池に充電し、夜間(又は周囲の照度が低下した場合)は二次電池からの電力によって照明するものであり、太陽電池からの電力にて二次電池を充電しつつLEDにも電力を供給できるものではない。特許文献1及び2に開示された照明装置では、ニッケルカドミウム電池のような耐過充電特性に優れた二次電池を用いる場合を除いて、二次電池が満充電となった場合は、過充電を防止するために充電が停止される。
【0004】
一方、例えば日中の補助光としても使用される照明装置では、日中は太陽電池からの電力で二次電池に充電すると共に照明も行い、夜間は専ら二次電池からの電力で照明することとなる。このように、太陽電池からの電力によって二次電池への充電と、周囲を照明する光源への電力の供給とを同時に行い得る装置では、太陽電池、二次電池及び光源が、スイッチを介して並列的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−259521号公報
【特許文献2】特開2010−55789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、二次電池への充電中に照明を行う場合、太陽電池が発電した電力のうちの少なからぬ割合が光源に供給されることとなり、日中に十分な光量があるにも関わらず、二次電池への充電が効率的に行えないという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、太陽電池が発電した電力によって二次電池の充電及び周囲の照明を行う場合に、周囲の照度の低下を回避して二次電池の充電を効率的に行うことが可能な照明電力の制御方法及び照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明電力の制御方法は、ソーラーパネルが発電した電力で充電される二次電池と、該二次電池が放電した電力及び/又は前記ソーラーパネルが発電した電力の供給によって駆動される光源とを備える照明装置で前記光源に供給する電力を制御する方法において、前記ソーラーパネルの発電電圧又は出力電流と、前記二次電池の充電電流とを検出し、検出した発電電圧又は出力電流と、充電電流との何れか一方又は両方に基づいて、前記光源に供給する電力を制限することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る照明電力の制御方法は、検出した発電電圧又は出力電流の大きさが所定の大きさより大きく、且つ、充電電流を検出した場合、前記光源に供給する電力を制限することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る照明電力の制御方法は、前記ソーラーパネルが発電した電力をPWM制御して前記二次電池及び前記光源に供給するPWM制御部を備え、前記二次電池の電池電圧を検出し、検出した発電電圧及び電池電圧の差分に基づいてデューティ比を決定してPWM制御することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る照明電力の制御方法は、前記ソーラーパネルから前記二次電池及び光源への電力の供給路にスイッチを介装してあり、検出した充電電流に基づいて前記二次電池が満充電状態にあるか否かを検出し、満充電状態にあることを検出した場合、前記スイッチをオフすることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る照明装置は、ソーラーパネルが発電した電力で充電される二次電池と、該二次電池が放電した電力及び/又は前記ソーラーパネルが発電した電力の供給によって駆動される光源とを備える照明装置において、前記ソーラーパネルの発電電圧又は出力電流を検出する発電検出部と、前記二次電池の充電電流を検出する電流検出部とを備え、前記発電検出部が検出した発電電圧又は出力電流と、前記電流検出部が検出した充電電流との何れか一方又は両方に基づいて、前記光源に供給する電力を制限するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る照明装置は、前記発電検出部が検出した発電電圧又は出力電流の大きさが所定の大きさより大きく、且つ、前記電流検出部が充電電流を検出した場合、前記光源に供給する電力を制限するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る照明装置は、前記ソーラーパネルが発電した電力をPWM制御して前記二次電池及び前記光源に供給するPWM制御部と、前記二次電池の電池電圧を検出する電圧検出部とを備え、前記PWM制御部は、前記発電検出部が検出した発電電圧及び前記電圧検出部が検出した電池電圧の差分に基づいてデューティ比を決定してPWM制御するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る照明装置は、前記ソーラーパネルから前記二次電池及び光源への電力の供給路にスイッチを介装してあり、前記電流検出部が検出した充電電流に基づいて前記二次電池が満充電状態にあるか否かを検出する検出手段を備え、該検出手段が満充電状態にあることを検出した場合、前記スイッチをオフするようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、ソーラーパネル(太陽電池)の発電電圧又は出力電流と、二次電池の充電電流との何れか一方又は両方に基づいて光源に供給する電力を制限する。
ここで、ソーラーパネルの発電電圧又は出力電流が適当に検出される場合は、太陽光によって周囲が適当に照らされていることが想定され、二次電池の充放電電流が充電側に振れている場合は、ソーラーパネルが発電した電力の余剰分が充電に振り向けられるほどの照度で太陽光が入射していることが想定される。上記何れかの場合又はこれらを組み合わせた場合は、太陽光が入射する室内において光源の照度を落としたとしても、ユーザーの利便性が損なわれる可能性は小さいため、光源に供給する電力を制限することにより、二次電池の充電に振り向けられる電力が増大し、しかも、照明不足による周囲の光量の低下の影響が小さく抑えられる。そして、夜間における長時間の照明が可能となる。
尚、照明装置の実装形態によっては、太陽電池の発電中に光源を点灯しないようにすると、スイッチをオンしても点灯しないので、ユーザーが故障と考える虞がある。これを防止するには、昼間の太陽電池の発電中に、光源の点灯が必要ないほど周囲が明るい場合であっても、光源を点灯させる必要がある。
【0017】
本発明にあっては、ソーラーパネルの発電電圧又は出力電流の大きさが所定の大きさより大きく、且つ、二次電池の充電電流を検出した場合、光源に供給する電力を制限する。
これにより、ソーラーパネルの発電電圧が一定の電圧より高い状態又はソーラーパネルからの出力電流が一定の電流より大きい状態にある場合、且つ、ソーラーパネルからの出力電流のうち、少なくとも一部の電流が二次電池の充電に振り向けられている場合は、太陽光によって周囲が明るく照らされていることが想定されるため、光源に供給する電力を制限して二次電池の充電に振り向ける。
【0018】
本発明にあっては、ソーラーパネルが発電した電力をPWM制御して二次電池及び光源に供給する際に、ソーラーパネルが発電した発電電圧及び二次電池の電池電圧の差分に基づいてPWM制御のデューティ比を決定する。
これにより、発電電圧及び電池電圧の差分の大/小に応じてデューティ比が小/大となるように制御する場合は、二次電池が過充電状態となることが防止される。また、二次電池及び光源への電力供給経路において、例えば、定電流回路又はドロッパ回路での発熱が抑えられる。
【0019】
本発明にあっては、ソーラーパネルが発電した電力によって充電される二次電池が満充電状態になった場合、二次電池が過充電となるのを防止するために、ソーラーパネルから二次電池及び光源に供給する電力を遮断する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ソーラーパネル(太陽電池)の発電電圧が高いか若しくは出力電流が大きい場合、又は二次電池の充放電電流が充電側に振れている場合の何れか一方又は両方に該当する場合に、光源に供給する電力を制限することにより、二次電池の充電に振り向けられる電力が増大し、しかも、照明不足による周囲の光量の低下の影響が小さく抑えられる。
従って、太陽電池が発電した電力によって二次電池の充電及び周囲の照明を行う場合に、周囲の照度の低下を回避して二次電池の充電を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る照明装置の外観を略示する斜視図である。
【図2】照明装置の接続構成を略示する回路図である。
【図3】Aはソーラーパネルの発電電圧の時間変化を示す説明図、Bは二次電池の充放電電流の時間変化を示す説明図、Cはソーラーパネルによる発電中の期間を示す説明図、DはLEDの駆動電流を制限する期間を示す説明図である。
【図4】定電流回路から出力される電流をPWM制御するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】二次電池の残量を算出するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】二次電池の放電終止状態を監視するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】LEDの駆動電流を制限するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明に係る照明装置の外観を略示する斜視図である。図中1は合成樹脂からなるケースであり、ケース1は、正面視が略矩形状をなし、側面視がL字形状をなしている。ケース1の正面には、8個のソーラーセル21,22,・・28からなるソーラーパネル2が、碁盤の目状の格子模様をなすように配されている。ケース1の背面には、周囲を照明するLED82,86(図2参照)が高さ方向の中央部に横並びに設けられており、該LED82,86の点灯及び消灯を切り替えるためのプッシュスイッチ961(図2参照)が一側方の上部に設けられている。
【0023】
ソーラーパネル2が発電した電力は、後述する二次電池6に充電され、該二次電池6が放電した電力及び/又はソーラーパネル2が発電した電力によってLED82,86が発光し、それにより周囲が照明される。LED82,86の発光強度は、プッシュスイッチ961による切り替えが可能であり、プッシュスイッチ961が押下される都度、LED82,86が点灯「弱」、点灯「強」及び消灯へと巡回的に切り替わるようになっている。
【0024】
図2は、照明装置の接続構成を略示する回路図である。図2では、回路の要部におけるノイズを適宜低減するための抵抗及びコンデンサを図示せずに省略してある。適宜用いられるプルアップ抵抗についても、その図示及び説明を省略する。図に示すMOSFETは全てPチャネル型であり、ベース接地のトランジスタは全てNPN型である。また、NPN型の各トランジスタのベース及び接地電位間に接続された抵抗器は、夫々のトランジスタのオン及びオフを確実に行うためのものであり、その説明を省略する。
【0025】
照明装置は、ソーラーセル21,22,・・28を直列に接続してなるソーラーパネル2を備える。ソーラーパネル2が発電した電圧は、抵抗器31を介してベース接地のトランジスタ32のベースに与えられると共に、逆流防止用のダイオード33を介して定電流回路4の入力端子と、一端が接地電位に接続された抵抗器34,35の直列回路の他端とに与えられる。
尚、図2に示す回路では、ソーラーパネル2による発電電流を検出する回路が含まれていないが、ソーラーパネル2が発電する電力の指標とするために、例えばダイオード33を順方向に流れる電流を検出するようにしてもよい。
【0026】
定電流回路4は、入力端子に一端が接続された抵抗器41と、出力端子にコレクタが接続されたPNP型のトランジスタ42とを有し、制御端子40がトランジスタ42のベースに接続されている。トランジスタ42のエミッタは、抵抗器41の他端に接続されている。抵抗器41の両端には、抵抗器41に生じる電圧降下が順方向となるように、PNP型のトランジスタ43のエミッタ及びベースが接続されている。トランジスタ43のコレクタは、順方向のダイオード44を介してトランジスタ42のベースに接続されている。
【0027】
定電流回路4の制御端子40は、抵抗器45を介してベース接地のトランジスタ46のコレクタに接続されている。定電流回路4の出力端子は、抵抗器48を介して充電用のMOSFET50のソース及び抵抗器51の一端に接続されている。抵抗器51の他端は、MOSFET50のゲートと、一端がベース接地のトランジスタ53のコレクタに接続された抵抗器52の他端とに接続されている。
【0028】
充電用のMOSFET50のドレインは、ニッケル水素電池からなる単電池61,62を直列に接続してなる二次電池6のプラス端子と、一端が接地電位に接続された抵抗器64,65の直列回路の他端とに接続されている。二次電池6のマイナス端子は、抵抗器63を介して接地電位に接続されている。単電池61,62の接続点は、一端が接地電位に接続された抵抗器66,67の直列回路の他端に接続されている。
【0029】
充電用のMOSFET50のドレイン及び二次電池6のプラス端子は、放電用のMOSFET55のソース及び抵抗器55の一端に接続されている。抵抗器55の他端は、MOSFET55のゲートと、一端がベース接地のトランジスタ58のコレクタに接続された抵抗器57の他端とに接続されている。放電用のMOSFET55のドレインは、スイッチング電源部7の入力端子に接続されている。
【0030】
スイッチング電源部7は、Vcc(+5V)を出力するものであり、出力端子が、抵抗器81,85の夫々を介してLED82,86のアノードに接続されている。LED82,86夫々のカソードは、ベース接地のトランジスタ83,87のコレクタに接続されている。
【0031】
照明装置は、また、マイクロコンピュータからなる制御部9を備える。制御部9はCPU91を有し、CPU91は、プログラム等の情報を記憶するROM92、一時的に発生した情報を記憶するRAM93、各種時間を並列的に計時するタイマ94、及び照明装置内の各部に対して入出力を行うI/Oポート96と互いにバス接続されている。I/Oポート96の入力端子には、トランジスタ32のコレクタと、一端が接地電位に接続されたプッシュスイッチ961の他端とが接続されている。I/Oポート96の出力端子は、抵抗器54,59の夫々を介してトランジスタ53,58のベースに接続されている。
【0032】
CPU91には、また、アナログの電圧をデジタルの電圧に変換するA/D変換回路97と、出力する制御信号のデューティ比が任意に制御されるPWM制御回路95,98とがバス接続されている。A/D変換回路97には、抵抗器34,35の接続点、抵抗器64,65の接続点及び抵抗器66,67の接続点と、抵抗器63の両端とが接続されている。PWM制御回路95は、抵抗器47を介してトランジスタ46のベースに接続されている。PWM制御回路98は、抵抗器84,88の夫々を介してトランジスタ83,87のベースに接続されている。
【0033】
ROM92は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM )又はフラッシュメモリからなる不揮発性メモリである。ROM92には、プログラムの他に、二次電池6の残量の初期値等の固定データが記憶される。CPU91は、ROM92に予め格納されている制御プログラムに従って、本発明に係る照明装置としての機能を実現するための各種処理を実行する。以下では、図2の回路の動作及びCPU91の処理内容の概要について説明する。
【0034】
太陽光が照射されてソーラーパネル2が発電を開始した場合、抵抗器31を介してトランジスタ32にベース電流が流れ、トランジスタ32がオンしてコレクタがL(ロウ)レベルとなる。CPU91は、I/Oポート96を介してトランジスタ32のコレクタのLレベルを取り込むことにより、ソーラーパネル2が発電中であることを検出する。
【0035】
ソーラーパネル2が発電した電圧は、抵抗器34,35の直列回路で分圧されており、分圧された電圧がA/D変換回路97に取り込まれてデジタルの電圧値に変換される。CPU91は、変換されたデジタルの電圧値を取り込み、抵抗器34,35による分圧比を逆算してソーラーパネル2の発電電圧を検出する。
【0036】
定電流回路4は、入力端子及び出力端子間に流れるトランジスタ42のコレクタ電流が一定となるようにする回路である。抵抗器41を流れるトランジスタ42のコレクタ電流によって抵抗器41に生じる電圧降下が、トランジスタ43のエミッタ・ベース間のオン電圧まで上昇した場合、トランジスタ43が導通し始める。その後、トランジスタ43のエミッタ・コレクタ間電圧及びダイオード44のオン電圧を加算した電圧と、トランジスタ43のエミッタ・ベース間電圧及びトランジスタ42のエミッタ・ベース間電圧を加算した電圧とが等しくなる状態で、トランジスタ42,43夫々のコレクタ電流がバランスする。この状態において抵抗器41に生じる電圧降下は、トランジスタ43のエミッタ・ベース間のオン電圧とほぼ等しいから、トランジスタ42のコレクタ電流が一定(本実施の形態では250mA)に保たれる。
【0037】
ところで、トランジスタ42にコレクタ電流を流すには、制御端子40、抵抗器45及びトランジスタ46を介してトランジスタ42のベース電流が接地電位に流れるようにする必要がある。ここで、トランジスタ46がオンするのは、PWM制御回路95から抵抗器47を介してトランジスタ46のベースに与えられる制御信号がオンする場合である。従って、CPU91がPWM制御回路95に出力させる制御信号に応じたデューティ比で、定電流回路4の入力端子及び出力端子間に定電流が流れる。つまり、上記制御信号に応じたデューティ比で、定電流回路4に流れる定電流が低減される。CPU91は、ソーラーパネル2による発電電圧と二次電池6の電池電圧との差分の大/小に応じて、上記制御信号のデューティ比が小/大となるように制御する。これにより、二次電池6の過充電が防止される。また、二次電池及び光源への電力供給経路において、例えば、定電流回路又はドロッパ回路での発熱が抑えられる。
【0038】
充電用のMOSFET50は、I/Oポート96の出力端子から抵抗器54を介してベースにオン信号が与えられるトランジスタ53がオンすることによってゲートがLレベルとなり、ソース・ドレイン間が導通する。このようにしてMOSFET50は通常オンしており、ソーラーパネル2が発電中である間に定電流回路4から抵抗器48を介して供給される電流のうち、LED82,86の点灯に消費される電流を除いた余剰電流によって二次電池6が充電される。
【0039】
二次電池6の両端電圧は、抵抗器64,65の直列回路によって分圧されており、分圧された電圧がA/D変換回路97に取り込まれてデジタルの電圧値に変換される。同様に、二次電池6のうち、接地電位側の単電池62の両端電圧は、抵抗器66,67の直列回路によって分圧されており、分圧された電圧がA/D変換回路97に取り込まれてデジタルの電圧値に変換される。CPU91は、変換されたこれらの電圧値を取り込み、抵抗器64,65及び抵抗器66,67による分圧比を夫々逆算して二次電池6及び単電池62の電池電圧を検出する。単電池61の電池電圧は、二次電池6の電池電圧から単電池62の電池電圧を減算して算出される。
【0040】
二次電池6の充放電電流(充電電流を正の電流とし、放電電流を負の電流とするもの)によって抵抗器63に生じた電圧降下は、A/D変換回路97に取り込まれてデジタルの電流値に変換される。CPU91は、変換されたデジタルの電流値を取り込んで二次電池6の充放電電流を検出する。CPU91は、二次電池6の充放電電流を250ms周期で検出して1分間の平均値を算出し、算出した充放電電流を積算して二次電池6の残量を算出する。
【0041】
算出した残量が2000mAh以上となった場合、CPU91は、I/Oポート96の出力端子から抵抗器54を介してトランジスタ53のベースに与えているオン信号をオフすることにより、充電用のMOSFET50をオフして二次電池6の充電を停止させる。残量を算出中に単電池61又は62の電池電圧が1.45V以上となった場合、CPU91は、二次電池6の残量を強制的に1500mAh(=75%)に補正する。また、残量を算出中に単電池61又は62の電池電圧が1.15V未満となった場合、CPU91は、二次電池6の残量を強制的に100mAh(=5%)に補正する。
【0042】
放電用のMOSFET55は、I/Oポート96の出力端子から抵抗器59を介してベースにオン信号が与えられるトランジスタ58がオンすることによってゲートがLレベルとなり、ソース・ドレイン間が導通する。このようにしてオン状態にあるMOSFET55は、ソーラーパネル2が発電中である間に定電流回路4から充電用のMOSFET50を介して供給される電流、及び/又は二次電池6から放電された電流をスイッチング電源部7の入力端子に導通させる。
【0043】
二次電池6の放電中に、250ms周期で検出している二次電池6の電池電圧が、(例えば8回)連続して2V未満(=1V未満/単電池61,62)となった場合、CPU91は、二次電池6の過放電を防止するために、I/Oポート96の出力端子から抵抗器59を介してトランジスタ58のベースに与えているオン信号をオフすることによって放電用のMOSFET55をオフする。この場合、CPU91は、更に、二次電池6の残量を強制的に0mAhに補正すると共に、LED82,86を強制的に消灯させる。
【0044】
LED82,86は、トランジスタ83,87がオンしたときに、Vcc(+5V)から抵抗器81,85を介して流れる電流によって駆動されて発光する。トランジスタ83,87がオンするのは、PWM制御回路98から抵抗器84,88を介してトランジスタ83,87のベースに与えられる制御信号がオンする場合である。従って、CPU91がPWM制御回路98に出力させる制御信号に応じたデューティ比で、LED82,86がPWM調光される。トランジスタ83,87がオンしている間にLED82,86に供給される電流及び電力は一定であるから、LED82,86を駆動する電流をPWM制御することは、LED82,86に供給する電力をPWM制御することと同意である。
【0045】
以上のように構成された照明装置で、ソーラーパネル2の発電電圧及び二次電池6の充放電電流に基づいてLED82,86に供給する電力を制限する具体例について説明する。
図3のAはソーラーパネル2の発電電圧の時間変化を示す説明図、Bは二次電池6の充放電電流の時間変化を示す説明図、Cはソーラーパネル2による発電中の期間を示す説明図、DはLED82,86の駆動電流を制限する期間を示す説明図である。図中横軸は時間を表し、AからD夫々の縦軸は、発電電圧、充放電電流、発電中検出信号及びLED駆動電流を表す。
【0046】
図3Aから図3Dでは、時刻t1より前から時刻t4を過ぎる頃までソーラーパネル2に照射される太陽光の光量が増加し、時刻t4から時刻t5に至る間に光量が増加から減少に転じ、その後、時刻t8より後まで光量が減少し続ける。
時刻t1から時刻t8までの間、トランジスタ32がオンし続けることにより、ソーラーパネル2が発電中であることが検出される。時刻t1では、ソーラーパネル2が発電した電力は二次電池6の充電に寄与しておらず、二次電池6はLED82,86を駆動するために放電している。
【0047】
時刻t1から時刻t2に至る間に、ソーラーパネル2が発電した電力が二次電池6の充電に寄与し始め、時刻t2から時刻t7までの間、ソーラーパネル2が発電した電力によってLED82,86を駆動する電力が賄われると共に、余剰電力によって二次電池6が充電される。
【0048】
時刻t3から時刻t6までの間は、二次電池6の充放電電流が所定の電流閾値を超えている。太陽光の光量が更に増加する時刻t4から時刻t5までの間は、ソーラーパネル2の発電電圧が所定の電圧閾値を超えている。本実施の形態では、二次電池6の充放電電流が所定の電流閾値を超えており、且つ、ソーラーパネル2の発電電圧が所定の電圧閾値を超えている期間、即ち時刻t4から時刻t5までの間、太陽光によって周囲が明るく照らされていることを想定してLED82,86の駆動電流を制限する。
【0049】
以下では、上述した照明装置の制御部9の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。以下に示す処理は、ROM92に予め格納された制御プログラムに従ってCPU91により実行される。
図4は、定電流回路4から出力される電流をPWM制御するCPU91の処理手順を示すフローチャートであり、図5は、二次電池6の残量を算出するCPU91の処理手順を示すフローチャートであり、図6は、二次電池6の放電終止状態を監視するCPU91の処理手順を示すフローチャートである。また、図7は、LED82,86の駆動電流を制限するCPU91の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
図4の処理は、ソーラーパネル2が発電した電圧によってトランジスタ32がオンすることにより発電中検出信号(図3C参照)がオンとなっている間、250ms周期で起動されるが、これに限定されるものではない。
図4の処理が起動された場合、CPU91は、抵抗器34,35の直列回路及びA/D変換回路97を介してソーラーパネル2の発電電圧を検出し(S11)、更に、抵抗器64,65の直列回路及びA/D変換回路97を介して、単電池61,62を直列に接続した二次電池6の電池電圧を検出する(S12)。
【0051】
次いで、CPU91は、検出した発電電圧及び電池電圧の差分を算出し(S13)、算出した差分が6Vより大きいか否かを判定する(S14)。6Vより大きい場合(S14:YES)、CPU91は、PWM制御回路95に設定するデューティ比を0%にして(S15)図4の処理を終了する。
【0052】
算出した差分が6Vより大きくない場合(S14:NO)、CPU91は、差分が3Vより小さいか否かを判定し(S16)、3Vより小さい場合(S16:YES)、PWM制御回路95に設定するデューティ比を100%にして(S17)図4の処理を終了する。一方、差分が3Vから6Vまでの場合(S16:NO)、CPU91は、PWM制御回路95に設定するデューティ比を、[(6V−差分)/0.3V]×10によって算出([x]はガウス記号)される百分率にして(S18)図4の処理を終了する。このように、差分が6Vから3Vまで低下する間に、デューティ比が0.3V毎に10%ずつ増加するように制御される。
【0053】
次に、図5の処理は、二次電池6の充放電電流の平均値が算出される都度起動される。二次電池6の充放電電流は、図5の処理とは異なる別処理にて250ms周期で検出されており、240回分の検出値の平均値が1分毎に算出される。図5の処理で用いられる残量はRAM93に記憶されており、電源投入に伴う初期化時、及び二次電池6の脱着検出時に、二次電池6又は単電池61若しくは単電池62の電池電圧を検出して適当な値に設定される。
【0054】
図5の処理が起動された場合、CPU91は、単電池61,62を直列に接続した二次電池6の電池電圧を検出し、検出した電池電圧が、放電終止電圧とされる2V以下であるか否かを判定する(S21)。2V以下ではない場合(S21:NO)、CPU91は、RAM93に記憶した残量に、上述した充放電電流の平均値を加算して残量を更新する(S22)。電池電圧が2V以下の場合(S21:YES)、CPU91は、残量を更新することなくステップS23に処理を進める。
【0055】
次いで、CPU91は、残量が2000mAh以上であるか否かを判定し(S23)、2000mAh以上の場合(S23:YES)、I/Oポート96及び抵抗器54を介してトランジスタ53のベースにオフ信号を与えることにより、充電用のMOSFET50をオフして(S24)図5の処理を終了する。その後の処理は図示を省略するが、二次電池6の残量が1800mAh(90%に相当)まで低下したときに、MOSFET50をオンして二次電池6の充電を可能とする。
【0056】
残量が2000mAh以上ではない場合(S23:NO)、CPU91は、二次電池6が充電中であるか否かを判定する(S25)。ここで、充電中であることの判定は、上述した充放電電流の平均値が正の電流であることを判定してもよいし、トランジスタ32及びI/Oポート96を介して検出される発電中信号がオンであることを判定するようにしてもよい。
【0057】
二次電池6が充電中の場合(S25:YES)、CPU91は、単電池61,62の電池電圧を検出し、高い方の電池電圧が1.45V以上であるか否かを判定する(S26)。1.45以上ではない場合(S26:NO)、CPU91は、残量を補正することなく図5の処理を終了する。
【0058】
高い方の電池電圧が1.45V以上の場合(S26:YES)、CPU91は、RAM93に記憶した残量が1500mAh未満であるか否かを判定し(S27)、1500mAh未満ではない場合(S27:NO)、残量を補正することなく図5の処理を終了する。一方、残量が1500mAh未満の場合(S27:YES)、CPU91は、残量を強制的に1500mAhに補正して(S28)図5の処理を終了する。
【0059】
ステップS25で二次電池6が充電中ではない場合(S25:NO)、即ち二次電池6が放電中の場合、CPU91は、単電池61,62の電池電圧を検出し、低い方の電池電圧が1.15V未満であるか否かを判定する(S29)。1.15未満ではない場合(S29:NO)、CPU91は、残量を補正することなく図5の処理を終了する。
【0060】
低い方の電池電圧が1.15V未満の場合(S29:YES)、CPU91は、RAM93に記憶した残量が100mAhより多いか否かを判定し(S30)、100mAhより多くない場合(S30:NO)、残量を補正することなく図5の処理を終了する。一方、残量が100mAhより多い場合(S30:YES)、CPU91は、残量を強制的に100mAhに補正して(S31)図5の処理を終了する。
【0061】
次に、図6の処理は250ms周期で起動されるが、これに限定されるものではない。この処理で用いられるCNTは、回数をカウントするための変数であり、RAM93に記憶される。
図6の処理が起動された場合、CPU91は、単電池61,62を直列に接続した二次電池6の電池電圧を検出し(S41)、検出した電池電圧が、2V未満であるか否かを判定する(S42)。
【0062】
電池電圧が2V未満ではない場合(S42:NO)、CPU91は、CNTをゼロクリアして(S43)図6の処理を終了する。電池電圧が2V未満の場合(S42:YES)、CPU91は、CNTを1だけインクリメントし(S44)、CNTが8になったか否かを判定する(S45)、8になっていない場合(S45:NO)、即ち、電池電圧が2V未満と連続して判定した回数が8回未満の場合、CPU91は、そのまま図6の処理を終了する。
【0063】
CNTが8になった場合(S45:YES)、即ち、二次電池6が放電終止状態にあると判定される場合、CPU91は、I/Oポート96及び抵抗器59を介してトランジスタ58のベースにオフ信号を与えることによって放電用のMOSFET55をオフする(S46)。その後の処理は図示を省略するが、ソーラーパネル2が発電した電力によって二次電池6が充電され、プッシュスイッチ961が押下されてLED82,86の点灯が指示されたときに、MOSFET55をオンして二次電池6の放電を可能とする。
【0064】
次いで、CPU91は、RAM93に記憶した残量を強制的に0mAhに補正し(S47)、更に、PWM制御回路98から抵抗器84,88を介してトランジスタ83,87に与える制御信号のデューティ比を0%に設定することにより、LED82,86を消灯させて(S48)図6の処理を終了する。
【0065】
最後に、図7の処理は、例えば1秒周期で起動されるが、これに限定されるものではない。
図7の処理が起動された場合、CPU91は、LED82,86が点灯しているか否かを判定し(S51)、点灯していない場合(S51:NO)、LED82,86が駆動されていないため、そのまま図7の処理を終了する。LED82,86が点灯しているか否かは、プッシュスイッチ961の押下を受け付けてLED82,86を点灯させたときに記憶した状態情報に基づいて判定してもよいし、PWM制御回路98に設定するデューティ比に基づいて判定してもよい。
【0066】
LED82,86が点灯している場合(S51:YES)、CPU91は、二次電池6が満充電状態にあるか否かを判定し(S52)、満充電状態にある場合(S52:YES)、LED82,86の駆動電流を制限して二次電池6の充電に振り向ける必要がないため、そのまま図7の処理を終了する。二次電池6が満充電状態にあるか否かは、充電用のMOSFET50をオフしたときに記憶した状態情報に基づいて判定してもよいし、RAM93に記憶した残量が、例えば1800mAh(90%に相当)より多いか否かに基づいて判定してもよい。
【0067】
二次電池6が満充電状態にない場合(S52:NO)、CPU91は、二次電池6が放電終止状態にあるか否かを判定し、放電終止状態にある場合(S53:YES)、LED82,86が駆動されていないため、そのまま図7の処理を終了する。二次電池6が放電終止電状態にあるか否かは、放電用のMOSFET55をオフしたときに記憶した状態情報に基づいて判定してもよいし、その他の情報によって適宜判定するようにしてもよい。
【0068】
二次電池6が放電終止電状態にない場合(S53:NO)、CPU91は、抵抗器34,35の直列回路及びA/D変換回路97を介して検出したソーラーパネル2の発電電圧が、閾値電圧としての5Vより高いか否かを判定する(S54)。閾値電圧は5Vに限定されない。発電電圧が5Vより高くない場合(S54:NO)、ソーラーパネル2に照射される太陽光の光量が十分とはいえないため、CPU91は、LED82,86の駆動電流を制限することなく図7の処理を終了する。
尚、ステップS54では、発電電圧に基づく判定に替えて、ソーラーパネル2の出力電流が所定の電流より大きい否かを判定し、大きくない場合は、ソーラーパネル2に照射される太陽光の光量が十分とはいえないものとして、図7の処理を終了するようにしてもよい。
【0069】
発電電圧が、5Vより高い場合(S54:YES)、CPU91は、抵抗器63及びA/D変換回路97を介して検出した二次電池6の充放電電流(ここでは充電電流)が、閾値電流としての50mAより多いか否かを判定する(S55)。閾値電流は50mAに限定されず、充電電流が検出できるどうかを判定してもよい。充電電流が50mAより多くない場合(S55:NO)、ソーラーパネル2に照射される太陽光の光量が十分とはいえないため、CPU91は、LED82,86の駆動電流を制限することなく図7の処理を終了する。
【0070】
充電電流が50mAより多い場合(S55:YES)、CPU91は、LED82,86が「強」で点灯しているか否かを判定し(S56)、「強」で点灯している場合(S56:YES)、PWM制御回路98から抵抗器84,88を介してトランジスタ83,87に与える制御信号のデューティ比を制限することにより、例えばLED82,86を「弱」での点灯に切り替え(S57)た後、図7の処理を終了する。このようにデューティ比を制限することにより、LED82,86に供給すべき電力が削減されて二次電池6の充電に振り向けられる。
【0071】
一方、LED82,86が「強」では点灯していない場合(S56:NO)、即ち「弱」で点灯している場合、CPU91は、PWM制御回路98から抵抗器84,88を介してトランジスタ83,87に与える制御信号のデューティ比を0%にすることにより、例えばLED82,86を消灯に切り替え(S58)た後、図7の処理を終了する。ここで制御信号のデューティ比は、LED82,86の「弱」での点灯時より小さい値にすればよく、0%には限定されない。このようにデューティ比を制限してLED82,86の発光強度を下げた場合であっても、ソーラーパネル2には十分な光量の太陽光が照射していると想定されるため、周囲の照度が低下する割合が小さく抑えられる。
【0072】
尚、本実施の形態にあっては、図7に示す処理において、ソーラーパネル2の発電電圧が閾値電圧より高いか又は出力電流が所定の電流より大きく、且つ充電電流が閾値電流より多い場合に、LED82,86の点灯強度(「強」又は「弱」)に応じてLED82,86の駆動電流を制限したが、発電電圧が閾値電圧より高いか若しくは出力電流が所定の電流より大きい場合、又は充電電流が閾値電流より多い場合の何れかに該当する場合に、LED82,86の駆動電流を制限するようにしてもよい。
【0073】
以上のように本実施の形態によれば、ソーラーパネル(太陽電池)の発電電圧又は出力電流と、二次電池の充電電流との何れか一方又は両方に基づいてLEDを駆動する電流を制限する。これにより、二次電池の充電に振り向けられる電流が増大し、しかも、照明不足による周囲の光量の低下の影響が小さく抑えられる。
従って、太陽電池が発電した電力によって二次電池の充電及び周囲の照明を行う場合に、周囲の照度の低下を回避して二次電池の充電を効率的に行うことが可能となる。
例えば、太陽電池を屋外に設置し、光源を屋内に設置する場合、昼間に太陽光が入射する室内において光源の照度を落としたとしても、ユーザーの利便性が損なわれる可能性は小さいため、昼間に光源の照度を落とした分だけ充電を十分に行うことにより、夜間における長時間の照明が可能となる。
また、図1に示す照明装置では、背面に光源が設置されているので、昼間に光源を点灯する必要性に乏しいが、仮に、誤って点灯のスイッチをオンしたままの状態であっても、光源への電力を制限して充電を行うことが可能となる。また、図1に示すような一体型の照明装置では、太陽電池の発電中に光源を点灯しないようにすると、スイッチをオンしても点灯しないので、ユーザーが故障と考える虞がある。これを防止するには、昼間の太陽電池の発電中に、光源の点灯が必要ないほど周囲が明るい場合であっても、光源を点灯させる必要がある。
【0074】
また、ソーラーパネルの発電電圧又は出力電流の大きさが所定の閾値より大きく、且つ、二次電池の充電電流を検出した場合、LEDを駆動する電流を制限する。
従って、ソーラーパネルの発電電圧が一定の電圧より高い状態又はソーラーパネルからの出力電流が一定の電流より大きい状態であり、且つ、ソーラーパネルからの出力電流のうち、少なくとも一部の電流が二次電池の充電に振り向けられているにも場合は、太陽光によって周囲が明るく照らされていることが想定されるため、LEDに供給する電力を制限して二次電池の充電に振り向けることが可能となる。
【0075】
更に、ソーラーパネルが発電した電力に基づく電流をPWM制御して二次電池及びLEDに供給する際に、ソーラーパネルが発電した発電電圧及び二次電池の電池電圧の差分の大/小に応じてデューティ比が小/大となるように制御する。従って、二次電池が過充電状態となるのを防止することが可能となる。
【0076】
更にまた、ソーラーパネルが発電した電力によって充電される二次電池が満充電状態になった場合、ソーラーパネルから二次電池及びLEDに供給する電流を遮断して、二次電池が過充電となるのを防止することが可能となる。
【0077】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
2 ソーラーパネル
6 二次電池
61,62 単電池
82,86 LED(光源)
34,35 抵抗器(発電検出部の一部)
50 MOSFET(スイッチ)
63 抵抗器(電流検出部の一部)
64,65 抵抗器(電圧検出部の一部)
91 CPU
92 ROM
93 RAM
95 PWM制御回路(PWM制御部)
96 I/Oポート
97 A/D変換回路(発電検出部、電流検出部及び電圧検出部の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネルが発電した電力で充電される二次電池と、該二次電池が放電した電力及び/又は前記ソーラーパネルが発電した電力の供給によって駆動される光源とを備える照明装置で前記光源に供給する電力を制御する方法において、
前記ソーラーパネルの発電電圧又は出力電流と、前記二次電池の充電電流とを検出し、
検出した発電電圧又は出力電流と、充電電流との何れか一方又は両方に基づいて、前記光源に供給する電力を制限すること
を特徴とする照明電力の制御方法。
【請求項2】
検出した発電電圧又は出力電流の大きさが所定の大きさより大きく、且つ、充電電流を検出した場合、前記光源に供給する電力を制限すること
を特徴とする請求項1に記載の照明電力の制御方法。
【請求項3】
前記ソーラーパネルが発電した電力をPWM制御して前記二次電池及び前記光源に供給するPWM制御部を備え、
前記二次電池の電池電圧を検出し、
検出した発電電圧及び電池電圧の差分に基づいてデューティ比を決定してPWM制御すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の照明電力の制御方法。
【請求項4】
前記ソーラーパネルから前記二次電池及び光源への電力の供給路にスイッチを介装してあり、
検出した充電電流に基づいて前記二次電池が満充電状態にあるか否かを検出し、
満充電状態にあることを検出した場合、前記スイッチをオフすること
を特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明電力の制御方法。
【請求項5】
ソーラーパネルが発電した電力で充電される二次電池と、該二次電池が放電した電力及び/又は前記ソーラーパネルが発電した電力の供給によって駆動される光源とを備える照明装置において、
前記ソーラーパネルの発電電圧又は出力電流を検出する発電検出部と、
前記二次電池の充電電流を検出する電流検出部とを備え、
前記発電検出部が検出した発電電圧又は出力電流と、前記電流検出部が検出した充電電流との何れか一方又は両方に基づいて、前記光源に供給する電力を制限するようにしてあること
を特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記発電検出部が検出した発電電圧又は出力電流の大きさが所定の大きさより大きく、且つ、前記電流検出部が充電電流を検出した場合、前記光源に供給する電力を制限するようにしてあること
を特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記ソーラーパネルが発電した電力をPWM制御して前記二次電池及び前記光源に供給するPWM制御部と、
前記二次電池の電池電圧を検出する電圧検出部とを備え、
前記PWM制御部は、前記発電検出部が検出した発電電圧及び前記電圧検出部が検出した電池電圧の差分に基づいてデューティ比を決定してPWM制御するようにしてあること
を特徴とする請求項5又は6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記ソーラーパネルから前記二次電池及び光源への電力の供給路にスイッチを介装してあり、
前記電流検出部が検出した充電電流に基づいて前記二次電池が満充電状態にあるか否かを検出する検出手段を備え、
該検出手段が満充電状態にあることを検出した場合、前記スイッチをオフするようにしてあること
を特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−48528(P2013−48528A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186344(P2011−186344)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】