説明

熱い液体繊維製品

本発明は、食事応答症状(diet response condition)の治療又は予防のために有利に使用できる熱い液体繊維製品の調製方法に関する。本発明に従うその方法は、(a)(i)0.1〜75gの繊維及び(ii)発泡システムを含む再構成可能な組成物の1人分と(b)35℃を超える温度を有する液体と、を混合することからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食事応答症状(diet response condition)、例えば体重超過(太りすぎ)の治療及び/又は予防のための方法において適当に使用できる熱い液体繊維製品の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化飲料は幾つかの目的のために、例えば下痢の治療のために、肥満の治療のために、そして医薬担体として使用されてきた。
【0003】
米国特許第6,248,390号においてスチルマン(Stillman)は、安全水及び有意量の1種以上の水溶性食物繊維からなるヒト/動物のための貯蔵安定な、直ちに使用できる、本質的に味がない、そして無臭の水のような液体を記載している。繊維−水は、飲むことにより又は経腸補給だけにより、そして/又は組み合わせて消費されるように意図されている。その液体は、熱いまま又は冷たいまま直接に消費することができるか、又は飲料又は液体食物製品(例えばコーヒー、茶、“ハワイアンパンチ(商標)”のような濃縮飲料、レモネード/オレンジジュースのような凍結濃縮飲料、スープ及びペットフード)の調製/再構成(reconstitution)において任意の必要とされる温度で、使用後に消費されることができる。
【0004】
WO 02/096219(ウォルフ(Wolf)等)は、酸制御された、誘導粘度繊維システムを摂取することによる、食事への食後血糖反応を弱める方法を記載している。該誘導粘度繊維システムの第1成分は陰イオン可溶性繊維である。該誘導粘度繊維システムの第2成分は水不溶性、酸可溶性多価陽イオンである。
【0005】
タラル(Tarral)、等(WO 96/33694)は、第1に水中にペクチンを容易に分散させ、それを水和し、そして懸濁液のために使用する水の硬度とは無関係にゲル化処理を調節する発泡ペアを含み、そして第2にカルシウム利用の速度(kinetics)を調節するマグネシウムイオンと一緒に、酸媒体中のゲルの形成のために必要なカルシウムイオンを提供する化合物類の混合物を含む、複合組成物と会合している(associated)少なくとも1種のペクチンを含むペクチン製剤を記載している。
【0006】
WO 99/59542においてタラル(Tarral)、等は、6より高いpHを有するゲル化処理抑制剤を含有する、15%より高いメトキシル化度を有する少なくとも1種のペクチン及びカルシウムイオンを含む、経口的に投与されるべき、そして酸媒体中でゲルを形成することができる医薬担体として有用なペクチン製剤を記載している。
【0007】
上記先行技術刊行物に記載された液体繊維製品は共通して、それらは満足できる美味性(おいしさ)(palatability)を味えないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当業界に知られている高繊維飲料は、適当な液体、例えば水中に繊維含有粉末を入れて再構成することにより消費者により調製することができる。しかしながら、繊維含有粉末を単に混合することは、しばしば問題、例えば凝集物(固まり)の形成を生ずる。凝集物の形成は激しく振り混ぜるか又はかき混ぜることにより減少させることができる。しかしながら、これはかわって次に飲料の望ましくない泡立ちを生ずる可能性がある。さらに、水を用いて再構成することにより調製された繊維飲料は、これらの繊維含有飲料における高粘度及び/又は凝集により少なくとも部分的に生ずる可能性があるまずさを、しばしば伴う。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明者等は、繊維含有再構成可能な(reconstitutable)粉末において、発泡システムを包含させることにより美味性(おいしさ)を改良することができることを見い出した。しかしながら、それらはまた、美味性を十分には改良しなかったことを観察した。再構成可能な繊維−発泡剤混合物を、熱水で再構成する場合、繊維飲料の美味性(口内感触)を有意義に改良したことを、本発明者等は驚くべきことに見い出した。
【0010】
詳細な記載
1つの面において、本発明は、
a.(i)0.1〜75gの繊維、及び
(ii)発泡システム、
を含む再構成可能な組成物の1人分(a serving)、及び
b.35℃を超える温度を有する液体、
を混合することからなる、経腸投与のための熱い液体繊維製品を調製するための方法に関する。
【0011】
別の面において、本発明は、1人分当たり:
(i)0.1〜75gの繊維;及び
(ii)発泡システム、
を含む組成物であって、その含有分を35℃より高い温度を有する液体と混合するようにとの使用説明書を付けている、包装された再構成可能な組成物に関する。
【0012】
用語
本発明において使用するものとして、“繊維”又は“非消化性繊維”と言う用語は、ヒトの腸管(消化管)に存在するヒトの酵素及び酸類によって消化不可能である炭水化物を称する。
【0013】
“可溶性繊維”と言う用語は、水溶液において可溶性である繊維、特に水溶性繊維を称する。
【0014】
“再構成可能な組成物(reconstitutable composition)”と言う用語は、以後、これをRCと省略する。好ましい態様においてRCは包装され、そしてRCを35℃より高い温度を有する液体と混合する旨の使用説明書を伴っている。好ましくはその包装には、RCを、35℃より高い温度を有する液体と混合する旨、使用方法が説明されている。
【0015】
繊維
本方法において適当に使用できるRCは1人分当たり(per serving)0.1〜75gの繊維を含有するのが好ましい。繊維の量が、0.25〜35gの範囲にある場合、特に前記範囲が1人分当たり0.5〜15g、なおさらに好ましくは0.75〜10g、最も好ましくは1〜7gにある場合に美味性(おいしさ)と機能性との間の特に良好なバランスが達成されることが分かった。
【0016】
好ましくは繊維は、可溶性繊維、さらに好ましくは水溶性繊維である。好ましくは繊維はペクチン、アルギネート、キサンタンガム、カラゲナン、マンナン(イナゴマメガム、コンニャクマンナン、グアルガム、タラガム(tara gum))、アラビナン、キシラン、ガラクタン、β−グルカン、キトサン、ゲラン(gellan)ガム、アラビヤガム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トラガカントガム、低及び高メトキシル化ペクチン、アメリカオオバコ及びフルクタンからなる群から選ばれ、さらに好ましくは、低及び高メトキシル化ペクチン、キサンタンガム、イナゴマメガム、コンニャクマンナン、グアルガム、β−グルカン及びアルギネートからなる群から選ばれる。最も好ましくはペクチンが使用され、低メトキシル化ペクチンが最も好ましい。好ましくは繊維は、pH7の水性液に溶解した場合に、前記液体を酸性化したときに増大した粘度を示す繊維の群から選ばれる。
【0017】
低及び高メトキシル化ペクチン、キサンタンガム、イナゴマメガム、コンニャクマンナン、グアルガム、β−グルカン及びアルギネートからなる群から選ばれる1種以上の繊維を使用する場合、本液体又は再構成可能な組成物の1人分は、これらの繊維の1種、又はこれらの繊維の2種以上の組み合わせを、好ましくは、0.1〜25g、さらに好ましくは0.25〜7g、最も好ましくは0.5〜4gを含有する。好ましくはRCは、低及び高メトキシル化ペクチン、キサンタンガム、イナゴマメガム、コンニャクマンナン、グアルガム、β−グルカン及びアルギネートからなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維、好ましくは低メトキシル化ペクチンの0.1〜10g、さらに好ましくは0.25〜5g、最も好ましくは0.5〜4gを含有する。
【0018】
好ましくはRCは、1人分当たり0.1〜10g、さらに好ましくは0.2〜7g、なおさらに好ましくは0.25〜5gの低メトキシル化ペクチン及び/又はアルギネートを含有する。
【0019】
好ましくは、繊維は、少なくとも400Da、さらに好ましくは、少なくとも5000Da、なおさらに好ましくは少なくとも12000Da、最も好ましくは少なくとも15000Daの平均分子量を有する。
【0020】
発泡システム
凝集物の重大な形成を起こすことなしに、熱い液体中への繊維の適当な分散を確実にするために、本再構成可能な組成物は発泡システムを含有する。RC中の発泡システムの量は、好ましくは過剰な発泡作用を防止するように制限される。
【0021】
発泡システムは、二酸化炭素を遊離する塩基及び/又は酸素を遊離する塩基の少なくとも1種を含む。好ましくは発泡システムは、それが添加熱水と接触したときに二酸化炭素を遊離する塩基を含む。発泡システムは二酸化炭素を遊離する1種の塩基であってもよい。二酸化炭素を遊離する塩基は、好ましくは、カリウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、アンモニウムの、炭酸塩類、セスキ炭酸塩類及び炭酸水素塩類、L−リシン炭酸塩類、アルギニン炭酸塩類、グリシン炭酸ナトリウム、アミノ酸炭酸ナトリウム類及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる。好ましくは発泡システムは、炭酸塩、さらに好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウム、グリシン炭酸ナトリウム及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれた炭酸塩を含有する。炭酸カルシウムだけの使用は、熱水中の成分の十分な分散を提供しないだろう。
【0022】
したがって、特に好ましい態様において、本再構成可能な組成物は、随意的に炭酸カルシウムと組み合わせて、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウム及びグリシン炭酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の塩を含む。最も好ましくは二酸化炭素を遊離する塩基は、重炭酸カルシウム、重炭酸カリウム及び重炭酸ナトリウムからなる群から好ましくは選ばれる、少なくとも1種の重炭酸塩を含む。
【0023】
本RCは、好ましくは1人分当たり0.05〜10g、さらに好ましくは1人分当たり0.1〜5g、なおさらに好ましくは1人分当たり少なくとも0.2g、最も好ましくは1人分当たり0.25〜3gの、二酸化炭素を遊離する塩基(好ましくは炭酸塩)を含有する。
【0024】
RCにおける、二酸化炭素を遊離する塩基の濃度は、好ましくは0.5〜80重量%、さらに好ましくは1〜50重量%、なおさらに好ましくは2〜40重量%である。
【0025】
繊維:二酸化炭素を遊離する塩基、の重量比の最適化は、泡立ち及び固まりの両方を避けるために重要である。好ましい態様において本RCは約100:1〜1:10、さらに好ましくは約10:1〜1:2、なおさらに好ましくは約10:1〜1:1の、繊維:塩基の重量比を有する。
【0026】
分散を容易にし、そして凝集物の形成をさらに減少させるために、本組成物は好ましくは、繊維がゲルマトリックスを形成するのを防止する担体物質を含む。したがって、本再構成可能な組成物の繊維含有量は、好ましくはRCの総乾燥重量に基づいて90重量%より低く、さらに好ましくは75重量%より低い。
【0027】
好ましくは、発泡システムは、二酸化炭素を遊離する塩基ならびに酸成分からなる発泡ペアを含む。“酸成分(acidic component)”と言う用語はプロトン源として働くことができ、そして塩基と反応して二酸化炭素を遊離させることができる任意の化合物又は物質を称する。
【0028】
酸成分は、1より多くの酸解離定数を有することができる、即ち1つより多くの酸官能基を含むことができる。酸成分は、遊離酸での任意の有機酸又は無機酸、酸無水物又は酸塩形であることができる。好ましい態様に従えば、酸成分は室温で固体であり、そして酸成分の飽和溶液は、室温で4.5以下のpHを示す。酸成分はまた、適当には室温で固体である後者の酸成分の酸アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、等)であることができる。酸成分として、ヒトを含む動物に対して有害でない化合物を使用するのが望ましい。
【0029】
酸成分は、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、りんご酸、アジピン酸、こはく酸、乳酸、グリコール酸、アルファヒドロキシ酸、アスコルビン酸、アミノ酸類、それらのアルカリ水素酸塩であることができる。燐酸、ピロ燐酸、あるいは室温で液体である他の無機酸のような酸物質の場合において、室温で固体である酸アルカリ金属塩を適当に使用することができる。
【0030】
発泡ペアの酸成分は、好ましくはくえん酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、りんご酸、乳酸、酢酸及び安息香酸、及び燐酸塩からなる群から選ばれた、さらに好ましくはくえん酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸又はりんご酸からなる群から選ばれた固体の生理学的に許容できる酸からなる。
【0031】
本方法において泡立ちが起こるのを減少させるために、そして熱水と混合している間に液体繊維製品が高い粘度を発現するのを防止するために、発泡ペアは好ましくは、酸成分の制限された量、例えば1人分当たり10g未満、さらに好ましくは5g未満、なおさらに好ましくは2g未満、最も好ましくは1g未満の酸成分を含有する。好ましくは、本RCは少なくとも0.025gの酸成分を含有する。酸成分と、二酸化炭素を遊離する塩基との好ましい水準は、1人分当たり約0.05〜10g、好ましくは0.1〜5g、なおさらに好ましくは0.25〜3gの、二酸化炭素を遊離する塩基(例えば重炭酸塩)であり、そして1人分当たり0.05〜10g、さらに好ましくは0.1〜5g、なおさらに好ましくは0.5〜3gの(くえん酸のような)酸成分である。
【0032】
カルシウム
本発明の特に好ましい態様において、本RCはカルシウム塩を含有する。カルシウムの存在下にゲル化する繊維(例えば低メトキシル化ペクチン及び/又はアルギネート)とのカルシウムの組み合わせは良好な満腹感を与えて、体重超過(太りすぎ)のような食事応答症状の治療及び/又は予防のための方法において液体繊維製品を特に有用なものにする。
【0033】
一般にそのような繊維製品は、カルシウムと繊維との間のゲル形成反応に起因して比較的に高い粘度を示す。繊維製品の粘度を減少させる既知の手段は中性又は高いpHの液体においての不溶性カルシウム塩を使用することである。不溶性カルシウム塩は、pH減少及び/又は温度増大の結果として溶解する。しかしながら、そのような製品は満足できる口内感触を示さず、そして一般に高い粘度を有する。また、これらの繊維/カルシウムシステムを溶解することは一般に困難である。溶解性を改良するための熱水の使用は、これが恐らくはCa−誘導ゲル化に起因して固まりを形成するので、一般に避けられるべきである。
【0034】
本RCにおいてカルシウム/繊維システムを適当に使用できること、そしてその結果として得られた液体繊維製品が優れた口内感触及び美味性(おいしさ)を有することを、本発明者等は驚くべきことに見い出した。RCにおける発泡システムは、たとえ非常に熱い水をRCを溶解するために使用したとしても、驚くべき有効な方法で固まりの形成を防止することが分かった。好ましい態様において、本発明は、低メトキシル化ペクチン及び/又はアルギネート、カルシウム塩及び発泡ペアを含むRCに関する。熱水との、これらの繊維、カルシウム及び発泡ペアの混合物は驚くべきほどに低い粘度を有する液体繊維製品を生ずる。恐らくは二酸化炭素を遊離する塩基が、水が室温である場合よりも、酸成分をいっそう迅速に中和し、そしていっそう速やかに繊維を分散させるためである。
【0035】
本RCは、好ましくは37℃の水中で、そして37℃以外の本組成物のpHの水中で、そして5より低いpHでの水中で、実質的により低い溶解性であるカルシウム塩を含有する。そのようなカルシウム塩は、その最大の溶解度を超える量で組成物中に存在する場合、pH減少及び/又は温度上昇の影響下に胃の中で溶解するだろう。したがって、胃中のカルシウムイオン濃度が増大し、これはペクチン及び/又はアルギネートのゲル化を自動的に刺激するだろう。
【0036】
カルシウムイオンのゲル化誘導作用の故に、(中性に近いpHでの)本液体組成物中のそのようなイオンの濃度は比較的に低いのが好ましい。およそ中性のpHでの(溶解した)カルシウムイオンの限定された存在は、許容できないほどに高い粘度を与えるゲルマトリックスの形成を防止する。したがって、好ましい態様において、本組成物において使用するカルシウム塩(1種又は複数種)は20℃及びpH7で(脱イオン)水100ml当たり0.15グラムより低い、さらに好ましくは0.1gより低い、なおさらに好ましくは0.06gより低い溶解度を有する。
【0037】
好ましくは、カルシウム塩(1種又は複数種)は、4より低いpHおよび37℃の温度で水の100ml当たり0.05gより多い溶解カルシウムを提供し、さらに好ましくはそれはこれらの条件下に水の100ml当たり0.1gより多い溶解カルシウムを提供する。4より低いpH及び37℃でのカルシウム塩の溶解度は、上限に束縛されないが、しかしながら典型的には水100ml当たりその塩の50gより低い。
【0038】
好ましくはカルシウム塩は、りん酸カルシウム(例えば三塩基性、二塩基性、一塩基性のりん酸カルシウム、又は三りん酸5カルシウム)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、くえん酸カルシウム(例えばくえん酸モノカルシウム又はくえん酸トリカルシウム)、pH7で水中に限られた溶解度を有し、そして約5より低いpHで溶解性である物質でコーティングされたカルシウム塩(以後、コーティングされたカルシウム塩と称する)及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。コーティング類の例及びコーティングされたカルシウム塩の調製方法は、WO 0038829(この全体の内容を参照することにより本明細書に組み入れる)に示されている。
【0039】
さらに好ましくはカルシウム塩はコーティングされたカルシウム塩、炭酸カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。なおさらに好ましくはカルシウム塩の50重量%〜100重量%は炭酸カルシウムとして提供される。
【0040】
液体繊維製品の美味性に重大に影響することなしに、最適なゲル化特性を提供するために、RCは、RCの総重量に基づいて、好ましくは10重量%未満のカルシウム塩、さらに好ましくは5重量%未満のカルシウム塩、なおさらに好ましくは2.5重量%未満のカルシウム塩、最も好ましくは1重量%未満のカルシウム塩を含有する。
【0041】
RCは好ましくは1人分当たり10mg〜5g、好ましくは25mg〜2.5g、なおさらに好ましくは0.5g〜1gのカルシウムを含む。
【0042】
本方法を用いて調製された液体組成物は、好ましくは1リットル当たり少なくとも25mgのCaを含有する。好ましくはカルシウム濃度は1リットル当たり50mgを超えるCaであり、さらに好ましくはそれは1リットル当たり100mgを超えるCaであり、最も好ましくは1リットル当たり150mgを超えるCaである。さらにその組成物中のカルシウム濃度は好ましくは1リットル当たり15gを超えないCaであり、さらに好ましくは1リットル当たり5gを超えないCaであり、なおさらに好ましくは1リットル当たり3gを超えないCaである。
【0043】
液体繊維製品
有利には、本方法用いて、そして/又は本RCから得ることができ、そして食事応答症状(例えば体重超過(太りすぎ))の治療及び/又は予防のための方法において有利に使用される液体製品の粘度は、100/秒の剪断速度で、100mPasより低い粘度、さらに好ましくは50mPasより低い粘度、なおさらに好ましくは25mPasより低い粘度、なおその上に好ましくは10mPasより低い粘度、最も好ましくは、5mPasより低い粘度を有する。pH3及び37℃で、その製品(の少なくとも1部分)は、好ましくは100/秒の剪断速度で200mPasを超える粘度、さらに好ましくは500mPasを超える粘度、最も好ましくは1000mPasを超える粘度を有する。好ましくは、pH3及び37℃でのその組成物の粘度は100/秒の剪断速度で100,000mPasを超えない。
【0044】
本明細書において粘度と言う用語が使用される場合はいつでも、これはCarri−Med CSL流度計を用いて測定することができる物理的パラメーターを称する。使用される幾何形状は円錐形(6cm2度のアクリル円錐)のものであり、プレートと幾何形状との間の隙間は55μmに設定される。線型連続傾斜剪断速度は30秒において0〜200/秒が使用される。流動計恒温槽は適当な温度に設定される。
【0045】
酸性pH(pH3)中の粘度を測定するために、先ず十分な量の1MのHClを、液体組成物のpHをpH3に調節するために、(ゲルの破壊を防止するように、約20秒間、非常に穏やかにかき混ぜながら、滴下して)液体組成物に均質に混合する。その後に、その組成物を約10分間37℃で放置する。次にこのようにして得られた組成物を、上記方法に従って、pH3での粘度を測定するために使用する。
【0046】
好ましくは、本RCを用いて適当に調製される液体繊維製品は、35℃を超える温度で、なおさらに好ましくは約37℃以上の温度(例えば約37℃)で経口摂取される。
【0047】
液体繊維製品は好ましくは3を超えるpH、さらに好ましくは4を超えるpH、なおさらに好ましくは5を超えるpH、最も好ましくは6を超えるpHを有する。
【0048】
再構成液体
本発明は粉末を熱い液体と混合することからなる方法に関する。熱いと言う用語が使用される場合はいつでも、これは約35℃より高い温度を有する液体、好ましくは約37℃以上の温度を有する液体に言及している。その液体の温度は、好ましくはその沸騰温度を超えなく、即ち水について液体の温度は100℃を超えないのが好ましい。
【0049】
好ましくは、本RCを、35℃〜100℃の温度を有する水、さらに好ましくは50℃〜100℃の温度を有する水と混合する。内容物を、35℃より高い温度を有する液体と混合するようにとの使用説明書を添付している本包装再構成可能な組成物は、文字どおりの温度表示を開示する必要がないが、しかし温かい液体、調理用水、湯気が立っている熱い(スチーミング)液体、等にまた言及することが出来る。そのような用語は、一般に約35℃以上の温度を有する液体として解釈される。
【0050】
好ましくはRCと混合する液体は、約3より高いpH、さらに好ましくは4より高いpH、なおさらに好ましくは6より高いpHを有する。発泡システムが液体の酸性度を減少させることができるので、その液体はわずかに酸性であるだろう。再構成液体は、好ましくは約10より低いpH、なおさらに好ましくは約8より低いpHを有する。
【0051】
オリゴ糖
RCが上記繊維の1種、特に低及び高メトキシル化ペクチン、キサンタンガム、イナゴマメガム、コンニャクマンナン、グアルガム、β−グルカン及びアルギネートからなる群から選ばれる繊維を有する場合、それはさらに非消化性オリゴ糖を含有するのが好ましい。
【0052】
本発明において使用するものとして“非消化性オリゴ糖”と言う用語は、ヒトの上部消化管(小腸及び胃)において存在する酸類又は消化酵素の作用により腸において消化されないか、又はほんの部分的にしか消化されないが、しかしヒトの腸内微生物叢によって発酵する、2を超える、さらに好ましくは3を超える、最も好ましくは4を超える単糖(モノース)単位、の重合度を有する糖類を称する。
【0053】
オリゴ糖の重合度は、60単糖(モノース)単位より低い、好ましくは40より低い、なおさらに好ましくは20より低い、最も好ましくは10より低い。適当なオリゴ糖類は、好ましくは消化管微生物叢により発酵する。本発明に従う組成物において使用するオリゴ糖は好ましくは、総盲腸及び/又は結腸SCFA含有量を有意義に増大させることができる。
【0054】
好ましくは、オリゴ糖は、セロビオース(4−O−β−D−グルコピラノシル−D−グルコース)、セロデキストリン((4−O−β−D−グルコピラノシル)−D−グルコース)、β−シクロデキストリン(α−1−4−結合D−グルコースの環状分子;α−シクロデキストリン−ヘキサマー、β−シクロデキストリン−ヘプタマー及びγ−シクロデキストリン−オクタマー)、非消化性デキストリン、ゲンチオオリゴ糖類(幾つかの1−4結合を有するβ−1−6結合グルコース残基の混合物)、グルコオリゴ糖類(α−D−グルコースの混合物)、イソマルトオリゴ糖類(幾つかの1−4結合を有する線状α−1−6結合グルコース残基)、イソマルトース(6−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコース);
【0055】
イソマルトリオース(isomaltriose)(6−O−α−D−グルコピラノシル−(1−6)−α−D−グルコピラノシル−D−グルコ−ス)、パノース(6−O−α−D−グルコピラノシル−(1−6)−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−D−グルコース)、ロイクロース(5−O−α−D−グルコピラノシル−D−フルクトピラノシド)、パラチノース又はイソマルチュロース(isomaltulose)(6−O−α−D−グルコピラノシル−D−フルクトース)、テァンデロース(theanderose)(O−α−D−グルコピラノシル−(1−6)−O−α−D−グルコピラノシル−(1−2)−β−D−フルクトフラノシド)、D−アガトース(D-agatose)、D−リクソヘクスロース(D-lyxo-hexulose)、ラクトスクロース(O−β−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−α−D−グルコピラノシル−(1−2)−β−D−フルクトフラノシド)、ラフィノース、スタキオース及び他の大豆オリゴ糖類を包含するα−ガラクトオリゴ糖類(O−α−D−ガラクトピラノシル−(1−6)−α−D−グルコピラノシル−β−D−フルクトフラノシド)、ガラクトオリゴ糖類又はトランスガラクト−オリゴ糖類(β−D−ガラクトピラノシル−(1−6)−〔β−D−グルコピラノシル〕−(1−4)−α−D−グルコース)、
【0056】
ラクチュロース(lactulose)(4−O−β−D−ガラクトピラノシル−D−フルクトース)、4’−ガラクトシルラクトース(O−D−ガラクトピラノシル−(1−4)−O−β−D−グルコピラノシル−(1−4)−D−グルコピラノース)、合成ガラクトオリゴ糖類(ネオガラクトビオース(neogalactobiose)、イソガラクトビオース(isogalactobiose)、ガルスクロース(galsucrose)、イソラクトースI、II及びIII)、フルクタン類−レバン型(β−D−((2−>6)−フルクトフラノシル)α−D−グルクトピラノシド)、フルクタン類−イヌリン型(β−D−((2−>1)−フルクトフラノシル)α−D−グルコピラノシド)、l f−β−フルクトフラノシルニストース(l f-β-fructofuranosylnystose)(β−D−((2−>1)−フルクトフラノシル)β−D−フルクトフラノシド)、キシロオリゴ糖類(β−D−((1−>4)−キシロース))、ラフィノース、ラクトスクロース、アラビノオリゴ糖類及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0057】
さらに好ましい態様に従えば、オリゴ糖は、フルクタン類、フルクトオリゴ糖類、非消化性デキストリン類、(トランスガラクトオリゴ糖類を包含する)ガラクトオリゴ糖類、キシロオリゴ糖類、大豆オリゴ糖類、アラビノオリゴ糖類、グルコオリゴ糖類、マンノオリゴ糖類、フコオリゴ糖類及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0058】
RCは、好ましくは1人分当たり0.1〜100g、さらに好ましくは0.5〜50g、なおさらに好ましくは1〜25gのオリゴ糖類を含有する。
【0059】
好ましくは、本液体繊維製品は、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.2重量%、さらに好ましくは少なくとも0.5重量%、そしてなおさらに好ましくは少なくとも0.9重量%の非消化性オリゴ糖類を含む。かなりの量のオリゴ糖類の投与は望ましくない副作用に一般に導かないけれども、本組成物は、好ましくは20重量%より低い、さらに好ましくは10重量%よりも低い、なおさらに好ましくは5重量%よりも低いオリゴ糖含有量を有する。
【0060】
美味性(おいしさ)
香味剤、着色剤、甘味剤、酸化防止剤、安定剤及び/又は加工助剤のようり追加の成分を配合物に加えることができる。
【0061】
1人分
本明細書において用いられるものとして“1人分(serving)”と言う用語は、再構成後に提供される本RCの一部分を称するか、又は一回の投与事象で対象者(患者)に提供されることを意味する。特に好ましい態様において、本RCは、1人分ロットを複数一緒にして包装することができる。そのRCは1人分を多数一緒にして含有する容器に包装することができ、それにおいて前記容器はその集合物から1人分単位をどのようにして分離するかの仕方についての使用説明書を保持している。本方法において、RCは適当な1人分を調製するために、好ましくは50〜1000mlの容量、さらに好ましくは100〜500mlの容量、なおさらに好ましくは、120〜400mlの容量、最も好ましくは150〜350mlの容量を有する液体と混合する。
【0062】
低カロリー液体繊維製品
好ましい態様において、本発明は熱水との混合後に、熱い低カロリーの液体繊維製品を生ずる低カロリーRCに関する。本低カロリーRCにおける繊維は、好ましくは低及び高メトキシル化ペクチン及びアルギネートからなる群から選ばれる。最も好ましくは低メトキシル化ペクチンを使用する。
【0063】
本低カロリーRCの1人分は、好ましくは0〜200キロカロリー、さらに好ましくは0〜100キロカロリー、なおさらに好ましくは0〜50キロカロリー、そして最も好ましくは0〜25キロカロリー、特に0〜10キロカロリーを含有する。
【0064】
本方法を用いて調製された低カロリー熱い繊維液体は、1リットル当たりに0〜500キロカロリーを含有するのが好ましい。有利には、その液体組成物は、400キロカロリー/リットルより低い、なおさらに好ましくは250キロカロリー/リットルより低い、最も好ましくは50キロカロリー/リットルより低い、特に25キロカロリー/リットルより低いカロリー密度を有する。
【0065】
本低カロリーRCは、カロリー成分の限られた量以下を含むのが好ましい、したがって、好ましくは本組成物は:
−−RCの総重量に基づいて5重量%未満、好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.1重量%未満のタンパク質;及び/又は
−−RCの総重量に基づいて10重量%未満、好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.1重量%未満のグリセリド類(即ちトリ−、ジ−及び/又はモノ−グリセリド);及び/又は
−−RCの総重量に基づいて50重量%未満、好ましくは5重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満の消化性炭水化物類;
を含有する。
【0066】
熱い飲料
本RCは、茶、ココア及びコーヒーのような高められた温度で通常消費される飲み物の調製において適当に使用することができることが分かった。したがって、RCは、ココア、再構成可能なコーヒー、及び再構成可能な茶の群から選ばれた1種の成分をさらに含むことができる。RCは好ましくはカフェイン、テオブロミン及びカテキンから選ばれた成分を含む。
【0067】
完全栄養食
本RCはまた、例えば随意的に脂肪と組み合わせて、炭水化物及び/又はタンパク質を含む完全栄養食、例えば幼児配合食及び臨床食を提供する粉末化再構成可能な製剤の形を有利にとることができる。好ましくは、そのような適用において、RCを、好ましくは約35℃〜約75℃、なおさらに好ましくは35℃〜40℃の温度を有する再構成(戻し)液体と混合する。
【0068】
したがってさらに好ましい態様において、本発明は、1人分当たり1〜25g、好ましくは1人分当たり2〜15g、さらに好ましくは1人分当たり3〜7gの量でタンパク質;1人分当たり2〜100gの量で、好ましくは1人分当たり5〜50gの量で、なおさらに好ましくは1人分当たり10〜25gの量で消化性炭水化物;1人分当たり1〜25gの量で、好ましくは1人分当たり2〜20gの量で、なおさらに好ましくは1人分当たり5〜10gの量で脂肪;繊維及び発泡システムを含む組成物に関する。
【0069】
本組成物の1人分は、好ましくは50〜750キロカロリ−、さらに好ましくは75〜500キロカロリー、なおさらに好ましくは少なくとも100キロカロリー、その上にさらに好ましくは100〜250キロカロリーを提供する。
【0070】
味のよい風味製品
しばしば、繊維に関しての飲み物の強化、特に繊維を含む飽満性は、その飲み物の美味性(おいしさ)を改良しない。さらに本発明者等は、発泡塩の或るものが塩辛い後味を有することが分かった。この問題の少なくとも一部分は、本発明により解決される。製品が“塩”味を有する場合、例えば繊維−発泡システムをスープ又はブイヨンにおいて組み合わせるならば、製品の味をなおさらに改良することができたことが見い出された。したがって、本発明はまた、繊維、発泡システム、例えば低メトキシル化ペクチン及び/又はアルギネート;カルシウム及び発泡対を含有する(包装された)再構成可能な塩味のある製品を提供する。
【0071】
好ましい態様において、本発明は、本発泡剤−繊維システムを含有する再構成可能な(例えば低カロリー)スープ又はブイヨン製品を提供する。したがって、追加の面において、本発明は塩化ナトリウム及び/又はグルタミン酸塩をさらに含有する本RCに関する。好ましくはその組成物は1人分当たり0.05〜25gの量、さらに好ましくは0.1〜10gの量の塩化ナトリウム、なおさらに好ましくは0.4〜5gの量の塩化ナトリウム;そして/又は1人分当たり0.05〜5g、好ましくは0.1〜2gの量のグルタミン酸塩を含有する。
【0072】
塩味の組成物は、さらに好ましくは食肉フレーバー(香味)(例えばチキン、ビーフ、ポーク)、魚フレーバー(香味)、野菜フレーバー(香味)(例えば、トマト、きのこ、人参、たまねぎスープフレーバー)及びイーストエキスからなる群から選ばれた少なくとも1種を含む。また、これらの塩味製品は体重超過(太りすぎ)のような食事応答症状の減少又は予防のための方法において有利に使用することができる。
【0073】
治療
本発明はまた、哺乳動物における食事応答症状の治療又は予防のための方法を提供する。本明細書に用いられるものとして“食事応答症状(diet response condition)”と言う用語は、タンパク質類、炭水化物類又は脂肪類の経口摂取により引き起こされるか、又は悪くなる可能性があるいずれかの病気又は身体の状態を称する。本RCは、糖尿病、体重超過(太りすぎ)、高コレステロール水準(例えば高コレステロール血症)、下痢及び冠状動脈性心疾患からなる群から選ばれる症状の治療及び/又は予防のための方法において適当に使用できる熱い液体製品の調製のために使用できる。
【0074】
本調製法を用いて調製された液体繊維製品の食欲減少効果が、体重の減少、体重増加の減少又は体脂肪の生成の減少に通常導くので、本方法は肥満を(予防的に)治療するために特に適している。
【0075】
その方法の他の有利な適用は、糖尿病に対して特に有益である血液グルコース水準における変動を抑制するためのその使用である。血液グルコース変動の抑制、特に血液グルコース“ピーク”の抑制はまた、炭水化物類の結果として得られる徐々にの吸収が、同じ量の炭水化物類の迅速な吸収について観察されるよりも低い体脂肪形成に通常導くので、肥満した人々にとっては有益なものである。
【0076】
したがって、低メトキシル化ペクチン及び/又はアルギネート;カルシウム及び発泡ペアを含有する熱い液体繊維製品、特に低カロリー繊維強化組成物は、体重超過(太りすぎ)及び/又は糖尿病の治療及び/又は予防の方法であって、本再構成可能な粉末から、そして/又は本調製法を用いて適当に調製される該液体繊維製品を、単胃哺乳動物に投与することからなる方法において、有利に使用することができる。
【0077】
本発明において用いられるものとして“体重超過(ふとりすぎ)”と言う用語は、所望の体重より高いそして/又は所望の脂肪組織質量より高い、体重及び/又は脂肪組織質量を称する。肥満した単胃哺乳動物は体重超過と考えられる。25より高い体質量指数(body mass index)を有するヒト対象者は、本方法を最も有利に使用する。したがって、本方法は脂肪組織質量を減少させるか、又は脂肪組織質量における増大を予防するために適当に使用することができ、そして細い体(lean)質量の、脂肪組織質量に対する比、及び/又は筋肉質量の、脂肪組織質量に対する比を増大させるために適当に使用できる。本方法は、医療法における体重超過の治療又は予防のために及び/又は体重超過の美容上の治療又は予防のために、両方に、即ち体重減量のために使用することができる。
【0078】
本方法を用いて、そして/又は本RCの再構成により適当に調製された液体繊維製品は、ヒトにおける食欲を減少させる方法であって、前記ヒトに上記組成物の食欲を減少させる量を投与することからなる方法において有利に使用することができる。本方法は、好ましくはヒト、なおさらに好ましくは青年及び子供たちにおける体重超過(太りすぎ)を予防又は治療するために使用し、本方法は例えば小児期肥満の治療及び/又は予防のための方法である。本液体繊維製品はまた、飽満(十分な満足感)を誘導させるための方法であって、ヒトに上記組成物を投与することからなる方法において有利に使用することができる。
【0079】
さらに、本液体繊維製品は、その製品を食事のすぐ前に、又はその食事中に消費したときには、その同じ食事のカロリー摂取を減少させる。したがって、本発明はまた、食事を経口摂取し、そして/又は毎日のカロリー摂取を制御する場合の食事のカロリー摂取を減少させるための、過剰のカロリー摂取を防止するための方法であって、食事(即ち、朝食、朝食昼食兼用食事(ブランチ)、昼食、軽夕食(ハイティー)、又は夕食)のすぐ前に、又はその食事中に上記のような液体繊維製品の有効量をヒトに投与することからなる方法を提供する。
【0080】
さらに好ましい態様において、RCは食事応答症状に関連しての液体組成物の使用を教示する使用説明書及び/又は表示が付けられる。その表示又は使用説明書は、使用者を意図された用途に向けさせる言葉のような任意の形であることができる。体重減量の目的のために、その製品は、消費者に意図した用途、例えば“スリムウオーター”、“低カロリー飲料”、“スリムスープ”、“温かい&スリム”、“ホット(熱い)&細身(hot&lean)”、“細身化用飲料(leandrink)”、等を指し示す名称を持っていることができる。また、消費者を、“スリム”、“容姿”又は“バランス”のような意図した用途に向けさせるために絵画又は図画を使用することができる。その表示は、好ましくはアルファベット表示、数表示、色表示、グラフ表示及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【実施例】
【0081】
例 1
低カロリーペクチンカルシウム飲料の粘度
(フレーバー及び色を有する)表Iに示されたような成分を有する再構成可能な粉末を、70℃又は20℃の温度を有する約300mlの水と混合した。次にその粘度を測定した。前記熱い飲料は低い粘度を有し、そして良好な美味性を有する(表II)。
【0082】
表 I
再構成可能な粉末の1人分の成分
―――――――――――――――――――――――――――――
成分 重量
ペクチンゲヌLM 2.0g
(pectin Genu LM)
CaCO 0.25g
デキストロース 4.0g
りんご酸 0.4g
くえん酸 0.30g
NaHCO 1.25g
KHCO 1.49g
アセスルファム−K 0.015g
スクラロース(Sucralose) 0.04g
―――――――――――――――――――――――――――――
【0083】
表 II
表Iの再構成可能な粉末を用いて調製した液体製品の粘度及びpH
―――――――――――――――――――――――――――――――
温度 粘度 pH
20℃ 16.5mPas 6.9
70℃ 3.1mPas 7.8
―――――――――――――――――――――――――――――――
【0084】
例 2
低カロリーペクチン飲料の粘度
(フレーバ−及び色を加えて有する)表IIIに示されるとおりの組成を有する再構成可能な粉末を、約70℃又は20℃の温度を有する約300mlの水と混合した。その熱い飲料は低い粘度及び良好な美味性を有する(表IV)。
【0085】
表 III
再構成可能な粉末の1人分の成分
――――――――――――――――――――――――――――
成分 重量
ペクチンゲヌ LM 2.0g
(pectin Genu LM)
CaCO 0.25g
デキストロース 4.0g
りんご酸 0.4g
くえん酸 0.30g
NaHCO 0.68g
KHCO 0.98g
アセスルファム−K 0.015g
スクラロース(sucralose) 0.04g
――――――――――――――――――――――――――――――
【0086】
表 IV
表IIIの再構成可能な粉末を用いて調製した液体の粘度及びpH
―――――――――――――――――――――――――――――――
温度 粘度 pH
20℃ 40mPas 6.7
70℃ 3mPas 7.2
―――――――――――――――――――――――――――――――
【0087】
例 3
低カロリーペクチン飲料の粘度
さらに2gのファイバーゾル2TM(日本のマツタニ化学工業株式会社製)をさらに含む、例2に従う発泡配合物。
【0088】
例 4
発泡性幼児配合食
約37℃の1リットルの温かい水と混合すべき再構成可能な幼児栄養粉末。
100〜250mlの1人分を再構成液体から得ることができる。
【0089】
表 V
配合食の栄養分のリットル当たりの本発明の濃度に従う配合食
――――――――――――――――――――――――――――――
成分 量/リットル
タンパク質 13.0〜20.3g
脂肪 24.0〜38.2g
炭水化物 70.0〜110g
カルシウム 510〜910mg
りん 390〜600mg
マグネシウム 50〜100mg
塩化物 420〜575mg
鉄 8〜16mg
亜鉛 5〜8mg
銅 500〜1000μg
ヨウ素 100〜510μg
マンガン 34〜500μg
――――――――――――――――――――――――――――――
表 V(続き)
――――――――――――――――――――――――――――――
成分 量/リットル
ビタミン A 2000〜3800IU
ビタミン D 400〜500IU
ビタミン E 20〜26IU
ビタミン K 55〜200μg
ビタミン C 60〜200mg
チアミン 405〜4100μg
リボフラビン 610〜2000μg
ピリドキシン 400〜800μg
ビタミンB−12 1.7〜6μg
ナイアシン 7〜15mg
葉酸 100〜275μg
パントテン酸 3〜7.5mg
ビオチン 30〜150μg
タウリン 45〜75mg
カルニチン 35〜60mg
コリン 50〜202mg
イノシトール 30〜100mg
低メトキシル化ペクチン 0.5〜10g
NaHCO 1〜5g
くえん酸 1〜6g
KHCO 1〜5g
――――――――――――――――――――――――――――――
【0090】
例 5
発泡性幼児配合食
低メトキシル化ペクチンを1〜10gのキサンタンガムと置き換えた、例3に従う発泡性幼児配合食。
【0091】
例 6
発泡性幼児配合食
0.5〜5gの炭酸カルシウムをさらに含む、例4に従う発泡性幼児配合食。
【0092】
例 7
低カロリー体重減量ブイヨン(1人分)
2gのペクチンゲヌ LM(Genu LM)、0.25gのCaCO、0.5gのくえん酸、1.25gのNaHCO及び1.49gのKHCOと一緒にした、塩、グルタミン酸一ナトリウム、再構成食牛肉原料、加水分解植物タンパク質、カラメル、砂糖、変性とうもろこしでんぷん、イーストエキス、スパイス類、フレーバー、モノ−及びジ−グリセリド類を含有する、その内容物を沸騰水と混合するようにとの使用説明書を添付している、ボブリル(商標)(Bovril(商標))インスタントブイヨン粉末の小袋。
【0093】
例 8
低カロリー体重減量インスタント茶(1人分)
炭酸カルシウム(125mg)、低メトキシル化ペクチン(1000mg)、オリゴ糖類(2000mg)、水溶性イレックスパラグァリエンシス(Ilex paraguariensis)エキス(400mg)、水溶性紅茶エキス(300mg)、水溶性レッドブッシュ(Red Bush)エキス(400mg)、くえん酸(50mg)、りんご酸(350mg)、NaHCO(0.11g)及びKHCO(0.17g)を含有する、その内容物を湯気を立てている熱い水(スチーミング水)の200mlと混合するようにとの説明書を添付している、インスタント茶粉末小袋。
【0094】
例 9
繊維強化食品
10gのスチミュランス(商標)(Stimulance(商標))
(オランダ国、Nutricia製)、
0.30gのくえん酸、
1.25gのNaHCO
1.49gのKHCO
を含んで含有する、その内容物を200mlの熱水と混合するようにとの使用説明書を添付している、粉末組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(i)0.1〜75gの繊維、及び
(ii)発泡システム、
を含む再構成可能な組成物の1人分と、
(b)35℃を超える温度を有する液体と、
を混合することからなる、経腸投与のための熱い液体繊維製品を調製するための方法。
【請求項2】
繊維が少なくとも400Da、好ましくは少なくとも5000Daの平均分子量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
再構成可能な組成物が、さらにカルシウム塩を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
液体が50〜1000mlの容量を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
繊維が低メトキシル化ペクチン及びアルギネートからなる群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
発泡システムが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウム及びグリシン炭酸ナトリウムからなる群から選ばれた、二酸化炭素を遊離する少なくとも1種の塩基を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
くえん酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、りんご酸、乳酸、酢酸、マレイン酸及び安息香酸、及びりん酸塩類からなる群から選ばれた酸成分をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
再構成可能な組成物がNaCl及び/又はグルタミン酸塩をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
得られた液体繊維製品が4より高いpHを有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
得られた液体製品が約100mPasより低い粘度を有し、そしてそれをpH3に酸性化したときに約250mPasより高い粘度を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法を用いて調製された、100mPasより低い粘度、4を超えるpH及び少なくとも35℃の温度を有する、熱い液体繊維製品。
【請求項12】
100mPasより低い粘度、少なくとも35℃の温度を有し、そしてそれをpH3に酸性化したときに少なくとも250mPasの粘度を有し、しかも前記組成物が1人分当たり0.1〜75gの繊維を含む、熱い液体繊維製品。
【請求項13】
単胃哺乳動物における食事応答症状の治療及び/又は予防のための方法であって、請求項11又は12の組成物を哺乳動物に経腸的に投与することからなる方法において使用するための組成物の製造においての繊維の使用。
【請求項14】
食事応答症状が体重超過(太りすぎ)である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
1人分以上の再構成可能な組成物を35℃より高い温度を有する液体と混合するようにとの使用説明書を添付している、包装された前記再構成可能な組成物であって、1人分当たり:
(i)0.1〜75gの繊維、及び
(ii)発泡システム、
を含む、前記包装された再構成可能な組成物。
【請求項16】
組成物が1人分当たり:
(i)低メトキシル化ペクチン及び/又はアルギネートの0.5〜15g;
(ii)好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウム、及びグリシン炭酸ナトリウムからなる群から選ばれた、二酸化炭素を遊離する塩基の0.01〜25g;
(iii)好ましくはくえん酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、りんご酸、乳酸、酢酸、マレイン酸及び安息香酸;及びりん酸塩からなる群から選ばれた酸成分の0.025〜5g;及び
(iv)カルシウムの0.05〜5g;
を含む、請求項15に記載の包装された組成物。
【請求項17】
非消化性オリゴ糖をさらに含む、請求項15又は16に記載の組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(i)0.1〜75gのペクチン、
(ii)2単糖単位を超え、そして60単糖単位より低い重合度を有する非消化
性オリゴ糖、及び
(iii)発泡システム、
を含む再構成可能な組成物の1人分と、
(b)35℃を超える温度を有する液体と、
を混合することからなる、経腸投与のための熱い液体繊維製品を調製するための方法。
【請求項2】
非消化性オリゴ糖が、フルクタン類、フルクトオリゴ糖類、非消化性デトストリン類、(トランスガラクトオリゴ糖を含む)ガラクトオリゴ糖類、キシロオリゴ糖類、大豆オリゴ糖類、アラビノオリゴ糖類、グルコオリゴ糖類、マンノオリゴ糖類、フコオリゴ糖類及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法
【請求項3】
再構成可能な組成物が、さらにカルシウム塩を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
液体が50〜1000mlの容量を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
繊維が低メトキシル化ペクチンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
発泡システムが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウム及びグリシン炭酸ナトリウムからなる群から選ばれた、二酸化炭素を遊離する少なくとも1種の塩基を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
くえん酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、りんご酸、乳酸、酢酸、マレイン酸及び安息香酸、及びりん酸塩類からなる群から選ばれた酸成分をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
再構成可能な組成物がNaCl及び/又はグルタミン酸塩をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
得られた液体繊維製品が4より高いpHを有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
再構成可能な組成物が、4より低いpH及び37℃の温度で100mlの水当たり0.05gより多い溶解したカルシウムを提供する、20℃及びpH7で100mlの水当たり0.15gより低い溶解度を有するカルシウム塩を含有し、そして得られた液体製品が(i)約100mPasより低い粘度を有し、そして(ii)それをpH3に酸性化したときに約250mPasより高い粘度を示す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法を用いて調製された、100mPasより低い粘度、4を超えるpH及び少なくとも35℃の温度を有する、熱い液体繊維製品。
【請求項12】
100mPasより低い粘度、少なくとも35℃の温度を有し、そしてそれをpH3に酸性化したときに少なくとも250mPasの粘度を有する熱い液体製品であって、しかも前記組成物が(i)4より低いpH及び37℃の温度で100mlの水当たり0.05gより多い溶解したカルシウムを提供する、20℃及びpH7で100mlの水当たり0.15gより低い溶解度を有するカルシウム塩、(ii)1人分当たり0.1〜75gの繊維、(iii)2単糖単位を超え、そして60単糖単位より低い重合度を有する非消化性オリゴ糖を含む、前記熱い液体繊維製品。
【請求項13】
単胃哺乳動物における食事応答症状の治療及び/又は予防のための方法であって、請求項11又は12の組成物を哺乳動物に経腸的に投与することからなる方法において使用するための組成物の製造においての繊維の使用。
【請求項14】
食事応答症状が体重超過(太りすぎ)である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
1人分以上の再構成可能な組成物を35℃より高い温度を有する液体と混合するようにとの使用説明書を添付している、包装された前記再構成可能な組成物であって、1人分当たり:
(i)0.1〜75gのペクチン
(ii)2単糖単位を超え、そして60単糖単位より低い重合度を有する非消化性オ
リゴ糖類;及び
(iii)発泡システム、
を含む、前記包装された再構成可能な組成物。
【請求項16】
組成物が1人分当たり:
(i)低メトキシル化ペクチン及び/又はアルギネートの0.5〜15g;
(ii)好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウム、及びグリシン炭酸ナトリウムからなる群から選ばれた、二酸化炭素を遊離する塩基の0.01〜25g;
(iii)好ましくはくえん酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、りんご酸、乳酸、酢酸、マレイン酸及び安息香酸;及びりん酸塩からなる群から選ばれた酸成分の0.025〜5g;及び
(iv)カルシウムの0.05〜5g;
を含む、請求項15に記載の包装された組成物。

【公表番号】特表2006−527700(P2006−527700A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500799(P2005−500799)
【出願日】平成15年6月18日(2003.6.18)
【国際出願番号】PCT/NL2003/000445
【国際公開番号】WO2004/110178
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(502290912)ナムローゼ フェンノートシャップ ニュートリシア (4)
【Fターム(参考)】