説明

熱プレス用クッション材および積層板の製造方法

【課題】板厚精度が良好であり、残留歪み、反りが少なく、内層回路が設けられていない箇所における製品品質にも優れた積層板が製造可能な熱プレス用クッション材および積層板の製造方法を提供する。
【解決手段】熱プレス用クッション材11aは、初期の厚み寸法(H)から所定のプレス形成圧力を負荷した際の圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた圧縮厚み変形量(a)と、プレス成形圧力を除去した際の除圧時厚み寸法(H)から圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた反発厚み変形量(b)との比(a:b)が、1:1〜1:0.8である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱プレス用クッション材および積層板の製造方法に関するものであり、特に、銅張り積層板、フレキシブルプリント基板、リジットフレックス基板、多層板、多層フレキシブルプリント基板等のプリント基板や、絶縁板、クレジットカード、ICカード、液晶表示板、セラミックス積層板等の精密機器部品、メラミン化粧板等(以下、この発明において、「積層板」と称する)を製造する工程で、対象製品をプレス成形や熱圧着する際の製造方法およびこれに使用される熱プレス用クッション材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層板を製造するには、まず、材料となる積層板素材を重ね合わせて被圧縮体を作る。そして、これを熱盤の間に投入した後、加熱加圧を行い、積層板素材に含まれる熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を、流動状態を経て硬化させ、一体化させる。
【0003】
この加熱加圧を行う工程において、熱盤や投入部材に厚みムラ、熱による歪み、温度ムラ等があると、後に製品となる被圧縮体に均一な温度、圧力が加えられない。その結果、製品に板厚不良、クラック、反り等の欠陥が発生する。そこで、製品の板厚不良等を解消するため、プレス成形の際にクッション材が用いられる。クッション材の材質としては、クラフト紙やリンター紙等の紙、織布、ニードルパンチ不織布、ゴム、織布や不織布とゴムとの積層体等が用いられている。
【0004】
近年、プリント基板等の積層板は、回路の精密化、高多層化および高耐熱化の傾向にある。このため、積層板には高い板厚精度が要求される。また、積層板の製造面では、高耐熱素材の使用によりプレス成形温度がますます高くなる傾向にある。また、生産効率改善のため、成形品のサイズが大型化するとともに、昇温および冷却のサイクルが高速化する傾向にある。このような状況にあって、上記した従来のクッション材では、以下の点で対応できなくなっている。
【0005】
まず、積層板面内の板厚精度の劣化が挙げられる。板厚精度の劣化とは、得られた製品の中央部から端部にかけて厚みが徐々に薄くなり、得られた製品が凸レンズ状となってしまうことを指す。特に、厚みの薄い端部では、カスレ等の製品不具合も発生する。これは、加熱加圧時に積層板素材の端部側で樹脂が外側に流れ出し、端部の厚みが薄くなってしまうことによるものである。
【0006】
次に、MLB等の内層回路が設けられる積層板では、内層回路が設けられていない箇所が凹んだ製品形状となるが、この凹み部でボイドやカスレおよび銅箔のシワ等の不具合が発生するという問題が挙げられる。
【0007】
更に、積層板を成形する際に生じる樹脂の硬化収縮や熱収縮に起因して、製品に残留歪みや反りが発生するという問題が挙げられる。特に、熱硬化性樹脂を使用した積層板の場合、積層板中に残留歪みがあると、プリント基板の穴開け加工等の製品加工時にミーズリングといわれるクラックが発生しやすくなる。
【0008】
このような諸問題に対し、特開平6−126855号公報(特許文献1)では、積層板の板厚精度を向上させ、またミーズリングの発生を防ぐため、加熱加圧時に流動性を示すフィルムをクッション材とともに用いている。また、特開平9−29773号公報(特許文献2)では、ミーズリングの発生を防ぐため、特定の貯蔵弾性率を示すゴムをクッション材として用いている。
【0009】
しかし、従来のクッション材では、近年の要求特性に対応するには、不十分であった。
【特許文献1】特開平6−126855号公報
【特許文献2】特開平9−29773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明の目的は、板厚精度が良好であり、残留歪み、反りが少なく、内層回路が設けられていない箇所における製品品質にも優れた積層板を製造することが可能な熱プレス用クッション材を提供することである。
【0011】
この発明の他の目的は、板厚精度が良好であり、残留歪み、反りが少なく、内層回路が設けられていない箇所における製品品質にも優れた積層板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の発明者は、従来のクッション材を用いた場合に発生する上記した問題に対してその原因分析を行なった。
【0013】
まず、積層板面内の板厚精度の劣化については、以下の原因により発生すると考えられる。
【0014】
図16は、加熱加圧成形時における被圧縮体101と、クラフト紙等から構成される従来のクッション材102とを示す模式図である。図16を参照して、まず、クッション材102を用いて、被圧縮体101を面内均一に加圧する(図16(A))。樹脂の流動が開始すると(図16(B))、被圧縮体101の端部103の樹脂は、外側、すなわち、図16(B)中の黒矢印で示す方向に流れ出し、被圧縮体101の端部103の厚みが薄くなる。そして、樹脂の流動が進むと(図16(C))、クッション材102は、端部103の薄くなった箇所において、白抜き矢印で示す圧力のかかり方が悪くなり、さらに内側の樹脂が外側に向かって流動してしまう。このようにして、面内の板厚精度が劣化する。
【0015】
これを具体的に説明すると、従来のクッション材102では、加圧時においては、十分なクッション性を有する。しかし、樹脂が流動し、厚みが薄くなった部分においては、クッション材102の厚み復元力が不十分であって、被圧縮体101の端部103の加圧力が低くなる。端部103の加圧力が低くなるために、そのやや内側の樹脂が端部側に流動してくる。さらに、その内側からも中央部104の樹脂が端部103側に流動する。その結果、被圧縮体101の厚みは、端部103が一番薄く、中央部104にかけて厚くなる凸レンズ状の厚み分布となる。また、これにより、クッション材102は、この製品形状の転写および端部103の圧力低下と中央部104の圧力上昇の影響により、凹状に変形し、繰り返しの使用においてさらに製品厚み精度を悪化させることになる。
【0016】
次に、内層回路が設けられる積層板において、内層回路が設けられていない箇所の凹み部におけるボイドやカスレおよび銅箔のシワについては、以下の原因により発生すると考えられる。
【0017】
プレス加圧時には、内層回路が設けられていない箇所の凹み部も加圧される。そして、樹脂の流動が開始すると、凹み部はさらに薄くなるが、従来のクッション材では、その箇所を押し返す力が弱く、加圧力が低くなる。これにより、凹み部の加圧が低いため、ボイドやカスレが発生する。また、凹み部の周囲より過剰な樹脂の流動が発生し、表面にラミネートされた銅箔等にシワ等の変形が発生する。
【0018】
最後に、製品の残留歪みや反りについては、以下の原因により発生すると考えられる。
【0019】
上記したように、成形時、樹脂の流動により製品端部の厚みは薄くなり、従来のクッション材では加圧されにくくなる。ここで、熱硬化性樹脂の場合は硬化収縮が発生するが、加圧ムラがあると、面内で収縮量にばらつきが生じるため、残留歪みが発生する。また、冷却時にも被圧縮体に熱収縮が発生するが、加圧ムラがあると収縮量に差が発生し、製品に反りや歪みが発生する。特に、大サイズの成形品は、冷却時、熱盤および投入部材の全てに熱収縮が発生するが、熱盤に温度ムラがあるため、収縮が均一ではなく、厚み差が発生する。従来のクッション材では、その厚み差に追従できず、加圧ムラが発生し、積層板に歪みが発生する。
【0020】
この発明に係る熱プレス用クッション材は、積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体を加熱加圧して積層板のプレス成形を行う際、前記被圧縮体と熱盤との間に使用される熱プレス用クッション材であって、初期の厚み寸法(H)から所定のプレス成形圧力を負荷した際の圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた圧縮厚み変形量(a:以下、「圧縮クッション量」という)と、所定のプレス成形圧力を除去した際の除圧時厚み寸法(H)から前記圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた反発厚み変形量(b:以下、「反発クッション量」という)との比(a:b)が、1:1〜1:0.8である。
【0021】
このような熱プレス用クッション材によると、圧縮クッション量と反発クッション量との比が、上記範囲であるため、積層板の製造工程において、被圧縮体に均一な圧力をかけることができる。それと共に、樹脂の流動により厚みの薄い箇所が発生した場合や、樹脂の硬化収縮、熱盤や投入部材の熱収縮等によって各部材に厚みの変動が発生した場合でも、クッション材は当該厚みの変動に追従して反発変形し、積層板の全面に亘って均一な圧力をかけることができる。したがって、板厚精度が良好であり、残留歪み、反りが少なく、内層回路が設けられていない箇所における製品品質にも優れた積層板を製造することができる。
【0022】
また、熱プレス用クッション材は、製品の板厚が凸レンズ状にならずにフラットにできるため、従来における熱プレス用クッション材のように凹状に経時変化することがなく、クッション材自体もフラットな形状を維持できる。したがって、クッション材のライフサイクルを長くすることができる。
【0023】
ここで、熱プレス用クッション材に要求される圧縮クッション量としては、プレス精度、成形品、投入部材の厚み精度等により異なるが、一般的には、50μm/MPa以上が必要である。また、MLB等で回路の凹凸が大きい場合には、さらなる圧縮クッション量が必要となる。
【0024】
好ましくは、熱プレス用クッション材は、ウェブと、ウェブに含浸されたゴムとからなる繊維―ゴム複合材料層を備え、繊維―ゴム複合材料層の内部に空隙を有するよう構成される。
【0025】
このような繊維―ゴム複合材料層を有する熱プレス用クッション材によれば、ウェブに含浸されたゴムがウェブの持つ空隙に適度に入り込み、しかも空隙を完全には塞がずにある程度の空隙性を維持することができるので、良好なクッション性を発揮する。また、繊維がゴムで被覆されているので、繊維の破損を防止でき、かつゴム弾性によって空隙の復元力を発揮する。
【0026】
繊維―ゴム複合材料層に用いるウェブの好ましい一例としては、嵩高糸を用いた織布を挙げることができる。嵩高糸(Texturized yarn)は、ガラス糸を構成する短繊維同士が平衡状態ではなく、絡み合い、乱れた状態で引き揃えられた占有面積の大きな糸である。言い換えれば、嵩高糸は、毛糸のような膨らみを持つので、嵩高糸を用いた織布は、通常の織布とは異なり、内部に多くの空隙を含んでいる。
【0027】
嵩高糸を用いた織布にゴムを含浸した繊維―ゴム複合材料層を有する熱プレス用クッション材によれば、織布に含浸されたゴムが嵩高糸の持つ空隙および織り目の空隙に適度に入り込み、しかも空隙を完全には塞がずにある程度の空隙性を維持することができるので、良好なクッション性を発揮する。さらに、嵩高糸が織られており、織布の形状をとるので、不織布よりも厚みを小さくでき、熱伝導性にも優れたものとすることができる。
【0028】
ガラス繊維は耐熱性があり、熱による寸法変化も少ないため、熱プレス用クッション材は複数回の熱プレスに反復使用した場合でも寸法安定性が良好である。織布に含浸されたゴムは、ガラス繊維を保護するとともに繊維の接点を結合している。このため、このような繊維―ゴム複合材料層を有する熱プレス用クッション材は、複数回の熱プレスに反復使用した場合でもガラス繊維の破損が生じることがなく、耐久性が良好である。また、繊維の接点がゴムによって結合されているので、ゴム弾性とも相まって、織布のいわゆるヘタリを防止することができ、複数回の熱プレスに反復使用した場合でも内部の空隙正を持続し、良好なクッション性が維持できる。
【0029】
なお、本明細書中に用いる「嵩高糸」の種類として、バルキーヤーン(bulked yarn)、ステープルヤーン(staple yarn)、スライバヤーン(sliver yarn)等を挙げることができる。バルキーヤーンは、エアージェットなどで嵩高に加工した糸である。ステープルヤーンは、綿状のガラス短繊維を紡績して糸状にしたものである。スライバヤーンは、撚りのない嵩高の短繊維(スライバ:sliver)に撚りをかけて作る糸である。
【0030】
繊維―ゴム複合材料層中の織布を構成する繊維に対するゴムの体積比率は、5〜50%であるのが好ましい。織布の構成繊維に対するゴムの体積比率がこの範囲にある場合、織布に含浸されたゴムが嵩高糸の持つ空隙および織り目の空隙に適度に入り込み、しかも空隙を完全に塞がずにある程度の空隙性を維持している状態とすることができる。ゴムの体積比率が5%よりも小さいと、複数回の熱プレスに反復使用した場合、ヘタリが生じてクッション性が低下するおそれがあり、またガラス繊維が破損して耐久性がなくなるおそれがある。一方、織布構成繊維に対するゴムの体積比率が50%よりも大きい場合は、嵩高糸の空隙にゴムが入り過ぎて空隙率が低い状態となり、クッション材自体のクッション性が低下するおそれがある。より好ましくは、織布の構成繊維に対するゴムの体積比率は、5〜35%である。
【0031】
熱プレス用クッション材が良好なクッション性を維持するためには、好ましくは、繊維―ゴム複合材料層の空隙率を20〜65%の範囲にする。より好ましい空隙率の範囲は、25〜65%である。
【0032】
繊維―ゴム複合材料層に用いるウェブの他の好ましい例としては、紙を挙げることができる。紙にゴムを含浸した繊維―ゴム複合材料層を有する熱プレス用クッション材は、紙と、紙に含浸されたゴムとの複合体となっているので、紙を構成する繊維の表面がゴムで被覆され、しかも繊維間の空隙に適度にゴムが介在し、いわゆる繊維補強ゴム(FRR:Fiber Reinforced Rubber)としての強度もある程度有している。クッション材は、空隙の存在によって、プレス時には良好なクッション性を発揮する。一方、クッション材は、繊維とゴムとの複合構造となっているので、ゴムの存在によって、繊維の破損を防止でき、かつプレス後には空隙の復元力を発揮する。このため、クッション材は、複数回の熱プレスに反復使用することができる。また、基材が紙の形態であるため、繊維が面方向に配向しており、また、1枚当たりの厚みも薄くでき、従来用いられていたクラフト紙等の紙製クッション材と同等の面内均一性や熱伝達性が得られる。
【0033】
ウェブとして紙を用いる場合、紙を構成する繊維に対するゴムの体積比率は、10〜60%であるのが好ましい。また、繊維―ゴム複合材料層の空隙率を60〜90%の範囲にするのが好ましい。
【0034】
紙を構成する好ましい繊維材料としては、ガラス、ロックウール、炭素、セラミックス、金属、ポリベンザゾール、ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリアミド等を挙げることができる。
【0035】
繊維―ゴム複合材料層に用いるウェブの更に他の好ましい他の例としては、不織布を挙げることができる。不織布にゴムを含浸した繊維―ゴム複合材料層を有する熱プレス用クッション材の場合も、不織布に含浸されたゴムが不織布の持つ空隙に適度に入り込み、しかも空隙を完全には塞がずにある程度の空隙性を維持することができるので、クッション性と厚みの復元性が良好である。
【0036】
ウェブに含浸するゴムとしては、好ましくは、フッ素ゴム、EPM、EPDM、水素化ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムおよびブチルゴムからなる群から選ばれる1種のゴムまたは2種以上の混合物を使用する。これらのゴムは、いずれも耐熱性に優れている。この中でもフッ素ゴムが、耐熱性、強度等の物性に特に優れているため最も好ましい。
【0037】
このような繊維―ゴム複合材料層を有する熱プレス用クッション材は、繊維―ゴム複合材料層からなる1層以上と、織布、不織布、紙、フィルム、箔、シートおよび板の中から選ばれた1種以上からなる1層以上とを積層一体化して構成することができる。もちろん、繊維―ゴム複合材料層の単体で構成することもできる。
【0038】
この発明の他の局面においては、積層板の製造方法は、積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体と熱盤との間に、熱プレス用クッション材を介在させ、前記被圧縮体を加熱加圧して成形を行う。ここで、熱プレス用クッション材は、初期の厚み寸法(H)から所定のプレス成形圧力を負荷した際の圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた圧縮厚み変形量(a)と、前記プレス成形圧力を除去した際の除圧時厚み寸法(H)から前記圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた反発厚み変形量(b)との比(a:b)が、1:1〜1:0.8であるものを用いる。
【0039】
この発明のさらに他の局面においては、積層板の製造方法は、積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体を複数準備し、これらを多段に積み重ねて熱盤間に配置し、前記被圧縮体と前記熱盤との間および/または前記被圧縮体どおしの間に熱プレス用クッション材を介在させ、前記被圧縮体を加熱加圧してプレス成形を行い、複数の積層板を製造する。ここで、前記熱プレス用クッション材は、初期の厚み寸法(H)から所定のプレス成形圧力を負荷した際の圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた圧縮厚み変形量(a)と、前記プレス成形圧力を除去した際の除圧時厚み寸法(H)から前記圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた反発厚み変形量(b)との比(a:b)が、1:1〜1:0.8であるものを用いる。
【0040】
この発明による積層板の製造方法によれば、プレスの加圧時に熱プレス用クッション材を圧縮変形させて、積層板を均一に加圧することができる。この場合、積層板の樹脂が流動して厚みの薄い箇所が発生した場合や、樹脂の硬化収縮、熱盤や投入部材の熱収縮等によって各部材に厚みの変動が発生した場合でも、熱プレス用クッション材は、厚みの変動に追従して反発変形し、積層板の全面に亘って均一な圧力をかけることができる。したがって、このような製造方法で製造された積層板は、板厚精度が良好であり、残留歪み、反りが少なく、内層回路のない箇所の製品品質にも優れた積層板を製造可能な熱プレス用クッション材を提供することができる。
【0041】
また、この発明により、複数の被圧縮体を多段に積み重ねてプレス成形する積層板の製造方法によると、積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体を複数同時に加熱加圧成形して積層板を製造する際に、より適切に製造することができる。
【0042】
本発明において、クッション材は、積層板の種類、要求品質、プレス精度、サイズ、投入部材の厚み精度等により、最適な状態で配置させるようにする。
【発明の効果】
【0043】
この発明による熱プレス用クッション材および積層板の製造方法によれば、クッション材の圧縮クッション量と反発クッション量との比が、上記範囲であるため、積層板の製造工程において、被圧縮体に均一な圧力をかけることができる。それと共に、樹脂の流動により厚みの薄い箇所が発生した場合や、樹脂の硬化収縮、熱盤や投入部材の熱収縮等によって各部材に厚みの変動が発生した場合でも、クッション材は当該厚みの変動に追従して反発変形し、積層板に対して均一な圧力をかけることができる。したがって、板厚精度が良好であり、残留歪み、反りが少なく、内層回路が設けられていない箇所における製品品質にも優れた積層板を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る熱プレス用クッション材の一部を示す概略断面図である。図1を参照して、熱プレス用クッション材(以下、単に「クッション材」という)11aは、織布としてのバルキーヤーン12と、バルキーヤーン12に含浸されたフッ素ゴム13とからなる繊維―ゴム複合材料層15を備え、繊維―ゴム複合材料層15の内部に空隙14を有する構成である。ここで、ウェブは、バルキーヤーン12を用いた織布である。また、クッション材11aは、圧縮クッション量と、反発クッション量との比が、1:1〜1:0.8であるよう構成されている。
【0045】
図2は、積層板を製造する際に使用されるプレス装置を示す概略断面図である。図2を参照して、プレス装置19は、上下方向に配置され、対面する2つの熱盤17a、17bを有する。次に、この発明の一実施形態に係る積層板の製造方法について説明する。まず、材料となる積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体16を準備する。次に、同じ構成を有する2枚のクッション材11a、11bの間に被圧縮体16を挟み込む。これを上下方向に配置された熱盤17a、17bの間に配置する。すなわち、被圧縮体16と熱盤17a、17bの間に、それぞれクッション材11a、11bが配置された状態とする。そして、熱盤17a、17bによって被圧縮体16を加熱加圧し、プレス成形を行う。このようにして、製品としての積層板が製造される。
【0046】
ここで、クッション材11aの圧縮クッション量および反発クッション量について説明する。図3は、クッション材11aの圧縮クッション量および反発クッション量の関係を示す図である。図3を参照して、まず、未使用である初期の状態、すなわち、クッション材11aに加圧していない状態(図3(A))のクッション材11aの厚み寸法をHとする。クッション材11aは加圧されると圧縮されるが(図3(B))、図3中の矢印Aの方向に所定のプレス成形圧力を負荷した際のクッション材11aの厚み寸法を、圧縮時厚み寸法Hとする。ここで、クッション材11aの圧縮厚み変形量、すなわち、圧縮クッション量は、初期のクッション材11aの厚み寸法Hから所定のプレス成形圧力を負荷した際のクッション材11aの圧縮時厚み寸法Hを差し引いた量となる。ここでは、圧縮クッション量aは、H−Hとなる。
【0047】
また、所定のプレス成形圧力を除去すると、クッション材11aは、矢印Bの方向に反発して元の形状に戻ろうとする(図3(C))。この除圧した際のクッション材11aの厚み寸法を、除圧時厚み寸法Hとする。ここで、クッション材11aの反発厚み変形量、すなわち、反発クッション量は、所定のプレス成形圧力を除去した際のクッション材11aの厚み寸法Hから所定のプレス成形圧力を負荷した際のクッション材11aの厚み寸法Hを差し引いた量となる。ここでは、反発クッション量bは、H−Hとなる。本明細書における圧縮クッション量と反発クッション量との比は、a:bで表されるものである。なお、以下の表やグラフに示す復元率とは、b/aの値を100分率で表したものである。
【0048】
次に、この発明に係る積層板の製造方法のメカニズムについて説明する。図4は、この発明に係る積層板の製造方法のメカニズムを示す模式図であり、図16に対応する。図1〜図4を参照して、被圧縮体16は、クッション材11aにより、フラットで面内均一に加圧される(図4(A))。樹脂の流動が開始すると(図4(B))、被圧縮体16の端部18の樹脂は外側、すなわち、図4(B)中の黒矢印で示す方向に流れ出す。ここで、上記したクッション材11a、すなわち、圧縮クッション量と反発クッション量との比が1:1〜1:0.8であるクッション材11aを用いているので、白抜き矢印で示すように被圧縮体16の端部18の薄くなった箇所においてもクッション材11aは十分な厚み復元力を有し、面内を均一に加圧する(図4(C))。したがって、内側から外側への樹脂の流動が発生しない。このようなメカニズムに基づくものであると推定する。
【実施例】
【0049】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、同じ材料には同じ符号を用いている。
【0050】
実施例1
熱プレス用クッション材として、図5に示すクッション材21aを使用した。図5を参照して、クッション材21aは、4層の繊維―ゴム複合材料層22を接着材層23で接着し、表面に表層24を貼り合わせ、積層一体化したものである。繊維―ゴム複合材料層22は、バルキーヤーンを用いたガラス織布「T860」(ユニチカ株式会社製)にフッ素ゴムを含浸したものを用いた。表層24は、熱プレス用クッション材に主として離型性を付与するために設けられる。表層24は、織布からなる基材の裏面側にフッ素ゴム系接着剤を塗布し、表面側にポリイミド樹脂を塗布したものを用いた。また、接着材層23としては、織布からなる基材の上下両面にフッ素ゴム系接着剤を塗布したものを用いた。クッション材21aの初期厚みは、4.04mmである。
【0051】
実施例2
熱プレス用クッション材として、図6に示すクッション材21bを使用した。図6を参照して、クッション材21bは、3層の繊維―ゴム複合材料層22を接着材層23で接着し、表面に表層24を貼り合わせ、積層一体化したものである。クッション材21bの初期厚みは、3.10mmである。
【0052】
実施例3
熱プレス用クッション材として、図7に示すクッション材21cを使用した。図7を参照して、クッション材21cは、片面をフッ素コートした4層の繊維―ゴム複合材料層22と、その中間に配置されたフッ素ゴム層25とを接着材層23で接着し、表面に表層24を貼り合わせ、積層一体化したものである。クッション材21cの初期厚みは、3.55mmである。
【0053】
実施例4
熱プレス用クッション材として、図8に示すクッション材21dを使用した。図8を参照して、クッション材21dは、5層の繊維―ゴム複合材料層26を貼り合わせたものである。繊維―ゴム複合材料層26は、Eガラス繊維(繊維径9μm、繊維長13mm)を湿式抄紙法によりシート化したガラスペーパー「グラベスト」(オリベスト株式会社製)に、フッ素ゴムを含浸したものを用いた。クッション材21dの初期厚みは、3.20mmである。
【0054】
実施例5
熱プレス用クッション材として、芳香族ポリアミド繊維「コーネックス」(帝人株式会社製)を、ニードルパンチで絡めた不織布(450g/m)に、フッ素ゴム(500g/m)を溶剤化したものを含浸し、乾燥させ、空隙率の77%の繊維―ゴム複合材料としたものを作成し、使用した。クッション材の初期厚みは、2.55mmである。
【0055】
比較例1
熱プレス用クッション材として、クラフト紙(190g/m)8枚を使用した。クッション材の初期厚みは、2.51mmである。
【0056】
比較例2
熱プレス用クッション材として、図9に示すクッション材「トップボードSE20FGK」(ヤマウチ株式会社製)21eを使用した。図9を参照して、クッション材21eは、2層の芳香族ポリアミド不織布(450g/m)27を接着材層23で接着し、表面に表層24を貼り合わせ、積層一体化したものである。クッション材21eの初期厚みは、2.4mmである。
【0057】
比較例3
熱プレス用クッション材として、図10に示すクッション材「トップボードK2−20MK」(ヤマウチ株式会社製)21fを使用した。図10を参照して、クッション材21fは、2層のフッ素ゴム層(厚み0.5mm)28を接着材層23で接着し、さらにこれを2層の芳香族ポリアミド不織布(650g/m)29で挟み込み、その表面に芳香族ポリアミドクロスの表層30を貼り合わせ、積層一体化したものである。クッション材21fの初期厚みは、4.4mmである。
【0058】
評価については、各サンプルを図11に示すサイクルにてプレスして物性測定を行なった。サンプルの物性は、プレス前の未使用品(0回品)については全てのサンプルについて測定し、実施例1〜3、5および比較例2、3は200回プレス後、実施例4は100回プレス後についても測定した。なお、比較例1は未使用品のみとした。
【0059】
クッション量については、図11に示すプレスサイクルにて、圧縮クッション量および反発クッション量を測定した。図11において、縦軸はプレスによる加圧力(MPa)であり、横軸は時間(min)である。プレスサイクルは、圧縮寸法1mm/minの速度で0MPaから0.3MPaに昇圧し、0.3MPaで10分間保持した後、圧縮寸法0.1mm/minの速度で0.3MPaから3.0MPaまで昇圧し、3.0MPaで30分間保持し、その後除圧寸法1mm/minの速度で3.0MPaから0MPaまで除圧した。なお、加熱温度は、210℃で一定である。圧縮クッション量は、クッション材の初期の厚み寸法Hから3.0MPaの圧力負荷を除圧する直前の圧縮時厚み寸法Hを差し引いた厚み変形量H−Hとした。また、反発クッション量は、0MPaに除圧した際のクッション材の除圧時厚み寸法Hから、3.0MPaの圧力負荷を除圧する直前のクッション材の圧縮時厚み寸法Hを差し引いた厚み変形量H−Hとした。
【0060】
測定結果を図12、図13、図14、図15、表1および表2に示す。図12は、未使用のクッション材について、厚み変形量の推移を圧縮区間別に示したグラフであり、縦軸は厚み変形量を示し、横軸は加圧範囲を示している。図13は、所定回数プレス後のクッション材について、厚み変形量の推移を圧縮区間別に示したグラフであり、縦軸および横軸は、図12と同様である。なお、図13において、比較例1は、未使用品のデータを示している。図14は、未使用の各サンプルについて、圧縮クッション量、反発クッション量および復元率を比較したグラフであり、縦軸は、クッション量および復元率を示し、横軸はサンプルを示す。図15は、所定回数プレス後の各サンプルについて、圧縮クッション量、反発クッション量および復元率を比較したグラフであり、縦軸および横軸は、図14と同様である。なお、単位は図中に示している。また、図12〜図15に示すグラフのデータを、表1および表2に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
このように、実施例1〜5に示すクッション材については、圧縮クッション量と反発クッション量との比が、1:1〜1:0.8の範囲にあった。一方、比較例1〜3については、いずれも圧縮クッション量1に対しての反発クッション量の比が、0.8よりも大幅に小さかった。
【0064】
また、上記したサンプルを用いて、成形テストを行った。成形テストは、以下の要領で行った。まず、熱硬化性エポキシ樹脂をBステージ(半硬化)の状態でガラスクロスに含浸した厚み0.1mmのプリプレグを4枚重ね、その両側に離型フィルムを積層したものを金属プレートに挟み、これらを熱盤間に投入した後、温度180℃、圧力4MPaで2時間加熱加圧し、同圧力下で冷却して積層板を製造した。この時、片側の熱盤と熱プレス用クッション材との間に、直径30mmの穴が開いた厚み0.2mmのアルミ板スペーサをセットし、凹凸がある場合の積層板への影響も確認した。結果を表3に示す。
【0065】
【表3】

【0066】
各評価項目の判断基準は以下のとおりとした。
【0067】
成形品板厚精度:
コーナー端部4箇所+中央部4箇所の8点での厚みのばらつきを測定した。ただし、アルミ板スペーサの穴部は除く。(最大値―最小値)/平均値×100が10%以下の場合、“○”とし、10%よりも大きいものを“△”とした。
【0068】
板厚状態:
成形品板厚精度と同じ測定で、コーナー端部と中央部の厚み差が厚み平均値の10%以下で、なおかつ成形品断面の厚みをグラフ化したときに凸形状や凹形状が確認されない場合、“フラット”とし、凸形状または凹形状が確認された場合には、その形状を示した。
【0069】
成形品の歪み、反り:
成形品をフラットな定盤の上に置いたときに浮きが無く、ドリルで成形品に穴を開けたときにその穴周辺にクラックが発生しない場合、“○”とし、クラックが発生した場合には、“△”とした。
【0070】
凹み部状態:
アルミ板スペーサの穴部に当たる部分で、製品にカスレ、ボイド等外観異常が確認されない場合、“○”とし、確認された場合には、”△”とした。
【0071】
以上より、上記した構成、すなわち、繊維とゴムと空隙が一体化し、圧縮クッション量と反発クッション量との比が上記範囲にあるFRRを用いると、面内板厚精度が優れ、歪み、反りもなく凹み部分の品質も良好な積層板を製造することができる。
【0072】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明に係る熱プレス用クッション材および積層板の製造方法は、高い板厚精度や高品質が要求される積層板を製造する場合や、クッション材の長寿命化が要求される場合に、有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】この発明の一実施形態に係る熱プレス用クッション材の一部を示す概略断面図である。
【図2】積層板を製造する際に使用されるプレス装置を示す概略断面図である。
【図3】クッション材の圧縮クッション量および反発クッション量の関係を示す図である。
【図4】この発明に係る積層板の製造方法のメカニズムを示す模式図である。
【図5】実施例1に係るクッション材の構成を示す図である。
【図6】実施例2に係るクッション材の構成を示す図である。
【図7】実施例3に係るクッション材の構成を示す図である。
【図8】実施例4に係るクッション材の構成を示す図である。
【図9】比較例2に係るクッション材の構成を示す図である。
【図10】比較例3に係るクッション材の構成を示す図である。
【図11】圧縮クッション量および反発クッション量を測定したプレスサイクルを示す図である。
【図12】未使用のクッション材について、厚み変形量の推移を示したグラフである。
【図13】プレス劣化後のクッション材について、厚み変形量の推移を示したグラフである。
【図14】未使用のクッション材について、圧縮クッション量と反発クッション量とを比較したグラフである。
【図15】所定回数プレス後の圧縮クッション量と反発クッション量とを比較したグラフである。
【図16】従来における積層板の製造方法のメカニズムを示す模式図である。
【符号の説明】
【0075】
11a,11b,21a,21b,21c,21d,21e,21f 熱プレス用クッション材、12 バルキーヤーン、13 フッ素ゴム、14 空隙、15,22 繊維―ゴム複合材料層、16 被圧縮体、17a,17b 熱盤、18 端部、19 プレス装置、23 接着材層、24,30 表層、25,28 フッ素ゴム層、26 繊維―ゴム複合材料層、27,29 芳香族ポリアミド不織布。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体を加熱加圧して積層板のプレス成形を行う際、前記被圧縮体と熱盤との間に使用される熱プレス用クッション材であって、
初期の厚み寸法(H)から所定のプレス成形圧力を負荷した際の圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた圧縮厚み変形量(a)と、前記プレス成形圧力を除去した際の除圧時厚み寸法(H)から前記圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた反発厚み変形量(b)との比(a:b)が、1:1〜1:0.8である、熱プレス用クッション材。
【請求項2】
ウェブと、前記ウェブに含浸されたゴムとからなる繊維―ゴム複合材料層を備え、
前記繊維―ゴム複合材料層の内部に空隙を有する、請求項1に記載の熱プレス用クッション材。
【請求項3】
前記ウェブは、嵩高糸を用いた織布である、請求項2に記載の熱プレス用クッション材。
【請求項4】
前記ウェブは、紙である、請求項2に記載の熱プレス用クッション材。
【請求項5】
前記ウェブは、不織布である、請求項2に記載の熱プレス用クッション材。
【請求項6】
積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体と熱盤との間に熱プレス用クッション材を介在させ、前記被圧縮体を加熱加圧して成形を行う積層板の製造方法であって、
熱プレス用クッション材は、初期の厚み寸法(H)から所定のプレス成形圧力を負荷した際の圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた圧縮厚み変形量(a)と、前記プレス成形圧力を除去した際の除圧時厚み寸法(H)から前記圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた反発厚み変形量(b)との比(a:b)が、1:1〜1:0.8である、積層板の製造方法。
【請求項7】
積層板素材を複数枚重ね合わせた被圧縮体を複数準備し、これらを多段に積み重ねて熱盤間に配置し、前記被圧縮体と前記熱盤との間および/または前記被圧縮対どうしの間に熱プレス用クッション材を介在させ、前記被圧縮体を加熱加圧して複数の積層板を製造する積層板の製造方法であって、
熱プレス用クッション材は、初期の厚み寸法(H)から所定のプレス成形圧力を負荷した際の圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた圧縮厚み変形量(a)と、前記プレス成形圧力を除去した際の除圧時厚み寸法(H)から前記圧縮時厚み寸法(H)を差し引いた反発厚み変形量(b)との比(a:b)が、1:1〜1:0.8である、積層板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−137208(P2009−137208A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317351(P2007−317351)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000114710)ヤマウチ株式会社 (82)
【Fターム(参考)】