説明

熱伝導性コンプライアント・シート

【課題】 熱伝導性が高く加工性と成形性が優れた微粒子充填熱硬化性ポリオルガノシロキサンを基材とする熱伝導性材料を提供する。
【解決手段】 末端にビニル基を持つ第1のポリオルガノシロキサン、末端にビニル基を持つ第2のポリオルガノシロキサン、及び末端にシランを持つシロキサンの反応生成物である材料の組成物が記載される。この反応生成物はビニル基を介して架橋され、架橋生成物を形成する。この架橋生成物全体にわたって熱伝導性粒子、補強粒子などの粒子を分散させることにより、プリント回路板に有用な熱伝導性コンプライアント・シートを形成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導率とコンプライアンスが改善された微粒子充填ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積化の向上、チップの高密度実装、駆動電力の増大が進展する中で、パッケージの完全さと信頼性を保つため、電子デバイスの動作温度を許容可能なレベル以下に制御する必要がある。これは積層電源構造物、磁気電力素子、変圧器等の発熱性電子部品において特に決定的である。そのための候補材料は、前記電子デバイスの通常の動作温度以上において、高熱伝導性であるとともにその物理的性質、化学的性質、機械的性質が安定であり、寸法安定性を持たなければならない。後者はエポキシ樹脂の熱硬化性材料にとっては問題である。それは高密度の回路部品、ダイ取付け用接着剤、コールド・プレート取付け用接着剤、集積コネクタ、ウェーハ試験装置、電力変圧器、モジュール電力配電系統内の誘電体等を含む今後のコンピュータ・システムとその応用例に必要な、厳しい要件を満たしていないからである。その他の応用例にはシングルチップ・モジュール、マルチチップ・モジュール、熱伝導モジュールが含まれる。
【0003】これらの応用例は、基板への接続または接合を達成するために特定のメタラジ階層を必要とする。接合中に、脆いコントロール・コラプス・チップ接続(C4)に損傷を与えないために、低い接点圧力が必要なので、柔軟でしなやかなペーストが用いられてきた。ペーストは、充填剤濃度が高い、熱伝導性と再加工性が高いなど、多くの特長を持つ。ペーストは取扱いや洗浄の点で装填とその後の熱伝導性に関して利点をもたらすが、ペーストと同等の界面抵抗を持つ熱伝導性コンプライアント・シートを使用するのがより望ましい。熱伝導性シートは、非常に脆い、ダスト・ハザード、塗布が不均一など、ペーストに伴う問題を解消しながら、それと対等な性能とコストを提供する。いくつかある市販の熱伝導性シートには前述の応用例の必要を満たすものはなく、ほとんどがそのかたさやコンプライアンスの無さという点で落第である。このシートの主な問題点は、必要な熱伝導性に必要とされる組成中の高い固形物含有量が、性質を保持するための臨界体積濃度(CVC)を超えることである。普通なら柔軟でしなやかな材料も、この場合はかたくて非常に脆くなる。
【0004】本発明では前述の応用例の要求を満たすために必要な熱伝導性とコンプライアンスを有する独特の熱伝導性シートが開発された。このシートは酸化アルミニウムや酸化亜鉛等の微粒子充填剤を含む架橋したポリオルガノシロキサンを基材とする。ポリオルガノシロキサンは、その高い温度安定性、低い誘電特性、低い温度特性、低い吸湿性、硬化時の化学的性質によりこの応用例に特によく適している。
【0005】従来の技術では、通常の低い熱伝導性を高めるためにポリオルガノシロキサン組成物に種々の充填剤を添加することを教示している。ストロイサント(Streusand)らの米国特許第4585822号は、組成物重量に対して30〜95重量%の充填剤を含み、充填剤の少なくとも10重量%が窒化ケイ素粒子である、室温で硬化可能なオルガノシロキサン組成物を教示する。ブロック(Block)らの米国特許第5194480号は、窒化ホウ素またはアルミナで充填した成形可能な熱可塑性エラストマー組成物を開示する。ナカノ(Nakano)らの米国特許第5352731号は、酸化アルミニウム粉末で充填したシリコーンゴム組成物で高い重合度(6,000〜12,000)と低い重合度(200〜2,000)のポリオルガノシロキサンを含む組成物を教示する。この重合度はそれぞれ近似分子量が450,000〜1,000,000g/mol及び15,000〜150,000g/molに相当する。ピーターソン(Peterson)らの米国特許第5011870号は10〜100ミクロン及び1ミクロン未満の窒化アルミニウム粒子の混合物を含む充填オルガノシロキサン組成物を開示する。
【0006】前述の特許に記述されている材料は本発明の独特の特徴を有しない。本明細書で提起され、あるいは下記に示される教示から認識できる特徴を有するコンプライアントな熱伝導性シートは当技術分野における顕著な進歩をもたらすと思われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、熱伝導性コンプライアント材料の技術を改善することである。
【0008】本発明の他の目的は、熱伝導性が高く、加工性と成形性が優れた微粒子充填熱硬化性ポリオルガノシロキサンを基材とする熱伝導性材料を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、末端にビニル基を持つ低分子量ポリオルガノシロキサン・オリゴマーと高分子量ポリオルガノシロキサン高分子との混合による微粒子充填剤の充填濃度を最大にすることによって熱伝導性の改善を達成することである。この手法を利用することによって、加工性(たとえば成形性)と機械的性質(たとえばコンプライアンス)とを共に維持しながら、高い(たとえば臨界体積率(CVC)を超える)充填濃度が可能となった。
【0010】本発明の他の目的は、金属触媒の存在下でのヒドロシリル化反応により末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサン・オリゴマーを化学反応させて架橋した網目構造を形成し、また架橋密度と機械的性質とを調整するために種々の濃度の架橋剤(たとえば末端にシランを持つ低分子量ポリオルガノシロキサン・オリゴマー)を用いて前記のヒドロシリル化反応を制御することである。
【0011】本発明のさらに他の目的は、半補強性または非補強性微粒子(酸化亜鉛等)と混合した熱伝導性微粒子(たとえば酸化アルミニウム粉末、窒化ホウ素等)を含む組成物を提供することである。この組成物は、充填剤全体の約85〜95重量%の熱伝導性微粒子充填剤を含有し、半補強性または非補強性微粒子を5〜15重量%含む。半補強性または非補強性微粒子は少なくとも加工を可能にする組成物の粘性に寄与するので、その存在は組成物にとって決定的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明でバインダーとして使用されるポリオルガノシロキサンは、架橋を可能にする反応性官能基、好ましくは次の一般式に示すようにビニル官能基を末端基として有する。
【化4】


上式でn1とn2はそれぞれ高分子量ポリオルガノシロキサン及び低分子量ポリオルガノシロキサンの重合度であり、ここでRとR1は炭素原子数が1〜18の1価の炭化水素基または1価のハロゲン化炭化水素基である。さらにRとR1は同じでも異なっていてもよい。上記にRとR1で表した1価の炭化水素基はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等のアルケニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基等のアルカリール基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基である。前記の基のハロゲン化誘導体は例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基である。
【0013】微粒子充填組成物を調製するために、前記のポリオルガノシロキサンを分散媒として使用した。微粒子充填濃度を最大にしてコンプライアンスを保持しながら熱伝導性を与えるために、二つの異なる分子量のポリオルガノシロキサン材料を利用した。その一つは分子量が約10,000〜30,000g/molの高分子量ポリオルガノシロキサンであった。この成分はバインダーの約1〜8重量%で含まれ、機械的性質を強化する役に立った。もう一つはバインダーの約92〜99重量%で含まれ、分子量が約400〜5,000g/molの低分子量ポリオルガノシロキサン・オリゴマーであった。このポリオルガノシロキサン・オリゴマーは分散媒として用いられ、前記組成物に混合される微粒子の非常に高濃度の充填を可能にした。これは本発明を現在の技術から際立たせる独特な特徴である。
【0014】末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンをヒドロシリル化反応によって架橋させた。この反応は、末端にシランを持つ低分子量ポリオルガノシロキサン・オリゴマーを架橋剤として添加することによって促進された。このシランを持つ低分子量ポリオルガノシロキサン・オリゴマーは次の一般式を有していた。
【化5】


上式でR2は前にRとR1について定義した化学基であるが、少なくとも一つのR2は陽子(H)または−OSi(R22H基である。かつ、n3は分子量が2000g/mol以下、好ましくは1000g/mol以下となるような重合度である。
【0015】ヒドロシリル化反応は第VIII族貴金属錯体(白金、ロジウム、ルテニウム)等の金属触媒の存在下で行った。この触媒はポリオルガノシロキサンに可溶で、通常は約20ppmの濃度で使用した。好ましくは約100℃〜300℃で1〜3時間、より好ましくは200℃で2時間加熱を行って架橋を開始させる。金属触媒による重合経路の利用は、二つの理由で他のヒドロシリル化経路よりもずっと好ましかった。第一の理由は、この金属触媒による重合は、縮重合や過酸化物硬化とは対照的に揮発性の副産物を生成しない付加重合機構によって進むことであり、第二の理由は、光、放射線または過酸化物によって開始するヒドロシリル化機構は本質上フリー・ラジカル機構であり、そのため使用が限られていることである。ヒドロシリル化反応による一般的な架橋反応生成物の一例を次に示す。
【化6】


上式で、R、R1、R2及びn1、n2、n3は前に定義した。
【0016】架橋密度と機械的性質は共に、反応化学量論比(たとえば末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサン・オリゴマーと末端にシランを持つ架橋剤の比)の制御によって調節した。デュロメータの測定値が示すように、架橋剤の量が増加するにつれて組成物は実質的に柔軟でコンプライアントになった。これは、添加したポリオルガノシロキサン含有量による架橋密度の減少と一致する。
【0017】組成物の硬化を促進するのに用いられる第VIII族貴金属錯体(白金、ロジウム、ルテニウム)等の金属触媒の量は、バインダーの総重量に対して約2〜500重量ppmであり、約5〜25ppmがより好ましい。第VIII族貴金属錯体の一例はH2PtCl6である。
【0018】熱伝導性を向上させるために前述のポリオルガノシロキサン組成物に混合される微粒子は、酸化アルミニウム粉末、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、ダイアモンド、グラファイト等の多結晶性及び非晶質の有機物及び無機物を含む補強充填剤である。補強充填剤は少なくとも50m2/g、好ましくは300〜1100m2/gの表面積を持つ。この充填剤は加工粘度及び極限弾性率に強く影響し、バインダーとの物理的または化学的相互作用をもたらす。微粒子充填剤はバインダーを含む組成物の重量に対して約60〜90重量%、好ましくは80〜85重量%の濃度で添加した。微粒子充填剤の粒径は1〜20ミクロン、好ましくは2〜10ミクロンの範囲であった。粒径の異なる微粒子を混合するのが有利なことがあった。これによって充填が改善され、より充填率の高い組成物がより良い加工性を持つことが可能となった。
【0019】充填剤の一部は半補強充填剤または非補強充填剤であってよい。非補強(または半補強)充填剤は表面積が50m2/g未満である。これらの充填剤は粘度と極限弾性率に最小限の影響しか与えない。半補強充填剤または非補強充填剤の例は、金属酸化物、金属窒化物、ガラス・ビーズ、繊維、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属片、金属粉末、金属繊維、ケイ藻土、破砕石英、雲母、及びそれらの混合物である。金属酸化物充填剤の好ましい例は、酸化亜鉛、酸化第二鉄、アルミナ、酸化チタンである。充填剤はまた、表面をオルガノシロキシ基で被覆するために、接着促進剤、例えばトリメチルエトキシシラン等のトリオルガノアルコキシシランで処理することもできる。
【0020】本発明の組成物に混合できる他の添加剤としては、色素、圧縮ひずみ添加剤、酸化防止剤、可塑剤、接着促進剤、塩基安定剤、及びシリコーンゴム技術において通常添加剤として使用されるその他の物質が含まれる。これら添加剤の量は組成物重量に対して約15重量%未満であることが好ましい。
【0021】本発明の好ましい充填剤は、酸化アルミニウム粉末と、非補強充填剤として酸化亜鉛とを組成物の重量に対してそれぞれ約65〜95重量%及び約1〜20重量%、好ましくは約70〜90重量%及び約5〜15重量%の濃度で含む組合せであった。
【0022】ポリオルガノシロキサン組成物は、2重ローラ・ミル、ニーダ、バンバリー・ミキサ等、通常のポリオルガノシロキサン・エラストマーを調製するための溶液加工技術及び溶融物加工技術によって通常の方法で混合する。さらに、調製したポリオルガノシロキサン組成物は、圧縮成形、押出成形、射出成形、カレンダ処理、被覆その他の成形技術を用いてシートを含む種々の形に成形することができる。
【0023】本発明の組成物は、熱を熱源から遠くに伝導することが必要または望ましい多くの応用例で使用できる。この組成物が用いられる具体的応用例としては熱伝導性接着剤と電子部品のカプセル化剤がある。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施例1組成物の機械的諸特性を最大にするために、樹脂(たとえばポリオルガノシロキサンを基材とする高分子または末端にビニル基を持つオリゴマー)と架橋剤(たとえば末端にシランを持つ低分子量ポリオルガノシロキサン・オリゴマー)の化学量論比を最適化するため一連の実験を行った。この実施例ではもっぱら酸化亜鉛を唯一の充填剤として75重量%の組成で利用した。ポリジメチルシロキサン樹脂(VTS−100、Sillicone Resourcesから市販)(50g)、架橋剤(Sylgard 182CA、ダウ・コーニングから市販)(3〜15重量%)、白金触媒(反応性シリコーン流体中のプロパルギルアルコールで抑制、Micro-Siから市販のMSX057)(25ppm)、酸化亜鉛(150g)を混合機に仕込み、最高2時間混合した。この架橋剤の量を3〜15重量%の間で変化させ、この物質のコンプライアンスをデュロメータの測定値によって評価した。架橋剤の量が増大するにつれて熱伝導性シートは実質的により柔軟になり、デュロメータ値が60〜27に増加した。この結果は添加ポリオルガノシロキサンの含有量による架橋密度の低下と一致する。さらに重要なことに、このデュロメータ値が低いほどシートがコンプライアントになり、したがって熱表面との接触が改善される。
【0025】実施例2他の一連の実験において、酸化アルミニウム粉末及び酸化アルミニウム粉末/酸化亜鉛混合物をポリオルガノシロキサン組成物の充填剤として評価した。
組成A:酸化アルミニウム粉末=90g低分子量ポリオルガノシロキサン=60g架橋剤(末端にシランを持つポリオルガノシロキサン)=10.5g(7%)
金属触媒=20ppmデュロメータ測定値=ショアA硬さ72組成B:酸化アルミニウム粉末=187g酸化亜鉛粉末=25g低分子量ポリオルガノシロキサン=37g金属触媒=20ppmデュロメータ測定値=ショアA硬さ68組成C:酸化アルミニウム粉末=150g酸化亜鉛粉末=37g低分子量ポリオルガノシロキサン=60g金属触媒=20ppmデュロメータ測定値=ショアA硬さ63組成D:酸化アルミニウム粉末=150g酸化亜鉛粉末=37g低分子量ポリオルガノシロキサン=54g高分子量ポリオルガノシロキサン=6g金属触媒=20ppmデュロメータ測定値=ショアA硬さ60
【0026】この組成物の重量に対して70重量%の酸化アルミニウム粉末(粒径2〜5ミクロン)を単独で使用すると、不十分な特性をもつ、即ち成形性が不十分でフィルムを形成しない複合材料が得られた。逆に酸化アルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末との混合物は、大幅に特性が改善された材料をもたらした。微粒子充填剤濃度が非常に高い成形可能な組成物(85%−組成物B)が得られた。大きな粒径と小さな粒径の混合物(即ち2〜15ミクロン)を使用することによって充填剤濃度をさらに高めることが可能であった。生成されたシートは、コンプライアントで熱伝導率が2.5W/mKの範囲であった。
【0027】実施例3グラファイトを熱伝導性充填剤として使用することについても調べた。
組成A:グラファイト=120g低分子量ポリオルガノシロキサン=120g金属触媒=20ppm組成B:グラファイト=21g酸化亜鉛=59g低分子量ポリオルガノシロキサン=71g架橋剤=3.1g金属触媒=20ppm
【0028】7重量%の架橋剤を用いて、充填剤濃度が組成物総重量に対して60重量%にも及ぶ組成物を調製した。測定された熱伝導率は約1.6W/mKであり、この試料は依然コンプライアントであった(デュロメータ測定値<ショアA硬さ50)。前の実施例と同様に酸化亜鉛を添加して充填剤総濃度を約70重量%とした。得られたフィルムは良好な機械的特性を示し、コンプライアント(デュロメータ測定値<ショアA硬さ40)で成形可能であった。
【0029】実施例4もう一つの実験で窒化ホウ素、それに窒化ホウ素と酸化亜鉛の混合物を熱伝導性を強化するための充填剤として評価した。
組成A:窒化ホウ素=90g低分子量ポリオルガノシロキサン=41g高分子量ポリオルガノシロキサン=13g金属触媒=20ppmデュロメータ測定値=ショアA硬さ62組成B:窒化ホウ素=15g酸化亜鉛=60g低分子量ポリオルガノシロキサン=30g金属触媒=20ppmデュロメータ測定値=ショアA硬さ68
【0030】上の組成では熱伝導性が中程度でデュロメータ測定値が60〜70のシートが生成された。この材料は成形可能でコンプライアントであった。
【0031】上記すべての実施例において、最適な粘性、加工性、熱伝導性、及び機械的特性を得るために独自の充填剤の組合せと組成を調べた。充填材の臨界体積濃度(CVC)を超えたのにもかかわらず優れた特性が達成された。この低分子量ポリオルガノシロキサン材料と高分子量ポリオルガノシロキサン材料の混合物は他に類を見ず、充填材のCVCを超えても組成物の成形性が維持されるように低加工粘性を可能にするために発明された。前記材料で製作したコンプライアント・シートは再使用可能であり、熱伝導性ペーストと比較して多くの利益をもたらす。
【0032】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0033】(1)構造式
【化7】


を有する末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと、構造式
【化8】


を有する末端にシランを持つシロキサンとの反応生成物である合成物を含む製造物。
(2)前記合成物が構造式
【化9】


を有し、式中、RとR1は1価の炭化水素基と1価のハロゲン化炭化水素基からなるグループから選択され、n≧1、n3≧1であることを特徴とする上記(1)に記載の製造物。
(3)さらに微粒子を含むことを特徴とする上記(1)に記載の製造物。
(4)前記微粒子が、熱伝導性微粒子、半補強または非補強微粒子及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする上記(3)に記載の製造物。
(5)前記熱伝導性微粒子が、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ベリリウム、ダイアモンド、及びグラファイトからなる群から選択された材料からなることを特徴とする上記(4)に記載の製造物。
(6)前記半補強または非補強微粒子が酸化亜鉛、酸化ケイ素、ガラス、石英、酸化第二鉄、二酸化チタン、雲母、及びケイ藻土からなる群から選択された材料を含むことを特徴とする上記(4)に記載の製造物。
(7)前記微粒子が熱伝導性微粒子と半補強または非補強微粒子との組合せであり、前記微粒子の約85重量%ないし約95重量%が熱伝導性微粒子であり、前記微粒子の約5重量%ないし約15重量%が半補強または非補強微粒子であることを特徴とする上記(3)に記載の製造物。
(8)RとR1がアルキル基、アリール基、アルケニル基、及びシクロアルキル基からなる群から選択されることを特徴とする上記(1)に記載の製造物。
(9)前記ポリオルガノシロキサンが複数の分子量を有することを特徴とする上記(1)に記載の製造物。
(10)前記ポリオルガノシロキサンが、分子量約10,000g/molないし約30,000g/molの第1のポリオルガノシロキサン成分と、分子量約400g/molないし約5,000g/molの第2のポリオルガノシロキサン成分とを有することを特徴とする上記(9)に記載の製造物。
(11)前記ポリオルガノシロキサンが前記第1のポリオルガノシロキサン成分を前記ポリオルガノシロキサン全体の約1%ないし約8%含み、第2のポリオルガノシロキサン成分が約92重量%ないし約99重量%含むことを特徴とする上記(10)に記載の製造物。
(12)前記微粒子が前記製造物の約60重量%ないし約90重量%含まれることを特徴とする上記(3)に記載の製造物。
(13)前記微粒子が前記製造物の約80重量%ないし約85重量%含まれることを特徴とする上記(3)に記載の製造物。
(14)前記微粒子が約1ミクロンないし約20ミクロンの粒径を持つことを特徴とする上記(3)に記載の製造物。
(15)前記微粒子が酸化金属、窒化金属、ガラス・ビーズ、繊維、金属薄片、石英、雲母、及びそれらの混合物からなるグループから選択されることを特徴とする上記(3)に記載の製造物。
(16)酸化アルミニウム粉末を前記製造物の約65重量%ないし約95重量%含み、非補強充填剤を前記製造物の約1重量%ないし約20重量%さらに含むことを特徴とする上記(2)に記載の製造物。
(17)色素、圧縮永久ひずみ添加剤、酸化防止剤、可塑剤、接着増進剤、及び塩基安定剤からなる群から選択される材料をさらに含むことを特徴とする上記(1)に記載の製造物。
(18)前記製造物が熱伝導性コンプライアント・シートであることを特徴とする上記(1)に記載の製造物。
(19)さらに触媒を含むことを特徴とする上記(1)に記載の製造物。
(20)材料を作成する方法であって、末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと末端にシランを持つシロキサンの混合物を形成する段階と、前記末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと前記末端にシランを持つシロキサンを架橋させる段階とを含む方法。
(21)前記架橋がヒドロシリル化反応によって行われることを特徴とする上記(20)に記載の方法。
(22)前記架橋が触媒の存在下で行われることを特徴とする上記(21)に記載の方法。
(23)前記触媒が金属触媒であることを特徴とする上記(22)に記載の方法。
(24)前記金属触媒が第VIII族金属錯体であることを特徴とする上記(23)に記載の方法。
(25)前記触媒が前記混合物重量に対して約2ないし約500ppmであることを特徴とする上記(22)に記載の方法。
(26)前記触媒が前記混合物重量に対して約5ないし約25ppmであることを特徴とする上記(22)に記載の方法。
(27)前記末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンが複数の分子量を有することを特徴とする上記(20)に記載の方法。
(28)第1の分子量が約10,000g/molないし約30,000g/molであり、第2の分子量が約400g/molないし約5,000g/molである末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンが存在することを特徴とする上記(27)に記載の方法。
(29)末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンは、前記第1の分子量のポリオルガノシロキサンを約1重量%ないし約8重量%の量で含み、前記第2の分子量のポリオルガノシロキサンを約92重量%ないし約99重量%の量で含むことを特徴とする上記(28)に記載の方法。
(30)前記架橋段階が、前記末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと前記末端にシランを持つシロキサンを架橋させるためのエネルギーを提供する段階を含むことを特徴とする上記(29)に記載の方法。
(31)エネルギーが加熱によって供給されることを特徴とする上記(30)に記載の方法。
(32)前記混合物に粒子を添加する段階をさらに含むことを特徴とする上記(20)に記載の方法。
(33)前記粒子が熱伝導性微粒子、半補強または非補強微粒子及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする上記(32)に記載の方法。
(34)前記熱伝導性微粒子が酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ベリリウム、ダイアモンド、及びグラファイトからなる群から選択された材料からなることを特徴とする上記(33)に記載の方法。
(35)前記非熱伝導性粒子が酸化亜鉛、酸化ケイ素、ガラス、石英、酸化第二鉄、二酸化チタン、雲母、及びケイ藻土からなる群から選択された材料を含むことを特徴とする上記(33)に記載の方法。
(36)前記粒子が熱伝導性粒子と半補強性または非補強性微粒子との組合せであって、前記粒子の約85重量%ないし約95重量%が熱伝導性であり、前記粒子の約5重量%ないし約15重量%が非熱伝導性であることを特徴とする上記(32)に記載の方法。
(37)RとR1がアルキル基、アリール基、アルケニル基、及びシクロアルキル基からなる群から選択されることを特徴とする上記(20)に記載の方法。
(38)前記微粒子が前記混合物の約60重量%ないし約90重量%であることを特徴とする上記(32)に記載の方法。
(39)前記微粒子が前記混合物の約80重量%ないし約85重量%であることを特徴とする上記(32)に記載の方法。
(40)前記微粒子が約1ミクロンないし約20ミクロンの粒径を持つことを特徴とする上記(32)に記載の方法。
(41)前記微粒子が酸化金属、窒化金属、ガラス・ビーズ、繊維、金属薄片、石英、雲母、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする上記(32)に記載の方法。
(42)酸化アルミニウム粉末を前記混合物の約65重量%ないし約95重量%、非補強充填剤を前記混合物の約1重量%ないし約20重量%の濃度でさらに含むことを特徴とする上記(20)に記載の方法。
(43)色素、圧永久ひずみ添加剤、酸化防止剤、可塑剤、接着増進剤、及び塩基安定剤からなる群から選択された材料をさらに含むことを特徴とする上記(20)に記載の方法。
(44)前記材料が熱伝導性コンプライアント・シートに成形されることを特徴とする上記(20)に記載の方法。
(45)前記シートが熱によって所定の形状に成形されることを特徴とする上記(44)に記載の方法。
(46)分子量が2000g/mol未満の低分子量ポリオルガノシロキサン材料中に粉末粒子を混合して第1の混合物を形成する段階と、前記第1の混合物に分子量が約400g/molより大きい高分子量ポリオルガノシロキサンを添加して第2の混合物を形成する段階と、前記第2の混合物を混合して前記粒子を前記低分子量ポリオルガノシロキサンと前記高分子量ポリオルガノシロキサンの混合物中に分布させる段階と、前記混合物を架橋させるエネルギーを供給して、前記硬化混合物中に前記粒子を固定する段階とを含む方法。
(47)前記粉末が第1の粒径と第2の粒径を含み、前記第2の粒径が前記第1の粒径の1/4未満であり、前記硬化混合物において前記第2の粒径の前記粒子が前記第1の粒径の前記粒子間の間隙部位に配列されることを特徴とする上記(46)に記載の方法。
(48)前記低分子量ポリオルガノシロキサンが前記粒子を被覆することを特徴とする上記(46)に記載の方法。
(49)前記粒子が熱伝導性であって、前記硬化混合物が前記高分子量ポリオルガノシロキサンと前記低分子量ポリオルガノシロキサンとの架橋した混合物と、前記架橋混合物中に埋め込まれた粒子とを含み、前記粒子が、前記架橋混合物によって隔てられている構造を有することを特徴とする、上記(46)に記載の方法。
(50)前記ポリオルガノシロキサンがメチル基を含むことを特徴とする上記(46)に記載の方法。
(51)前記ポリオルガノシロキサンが炭素−炭素二重結合を架橋剤として含むことを特徴とする上記(46)に記載の方法。
(52)架橋剤及び触媒を含む、分子量が2000g/mol未満の低分子量ポリオルガノシロキサン材料中に、粉末粒子を混合して第1の混合物を形成する段階と、前記第1の混合物に分子量が約10,000g/molより大きい高分子量ポリオルガノシロキサンを添加して第2の混合物を形成する段階と、前記第2の混合物を混合して、前記粉末粒子を前記低分子量ポリオルガノシロキサンと前記高分子量ポリオルガノシロキサンの混合物中に分布させる段階と、前記混合物を架橋させるエネルギーを供給して、前記硬化混合物中に前記粒子を固定する段階とを含む方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】構造式
【化1】


を有する末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと、構造式
【化2】


を有する末端にシランを持つシロキサンとの反応生成物である合成物を含む製造物。
【請求項2】前記合成物が構造式
【化3】


を有し、式中、RとR1は1価の炭化水素基と1価のハロゲン化炭化水素基からなるグループから選択され、n≧1、n3≧1であることを特徴とする請求項1に記載の製造物。
【請求項3】さらに微粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造物。
【請求項4】前記微粒子が、熱伝導性微粒子、半補強または非補強微粒子及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の製造物。
【請求項5】前記熱伝導性微粒子が、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ベリリウム、ダイアモンド、及びグラファイトからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項4に記載の製造物。
【請求項6】前記半補強または非補強微粒子が酸化亜鉛、酸化ケイ素、ガラス、石英、酸化第二鉄、二酸化チタン、雲母、及びケイ藻土からなる群から選択された材料を含むことを特徴とする請求項4に記載の製造物。
【請求項7】前記微粒子が熱伝導性微粒子と半補強または非補強微粒子との組合せであり、前記微粒子の約85重量%ないし約95重量%が熱伝導性微粒子であり、前記微粒子の約5重量%ないし約15重量%が半補強または非補強微粒子であることを特徴とする請求項3に記載の製造物。
【請求項8】RとR1がアルキル基、アリール基、アルケニル基、及びシクロアルキル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の製造物。
【請求項9】前記ポリオルガノシロキサンが複数の分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の製造物。
【請求項10】前記ポリオルガノシロキサンが、分子量約10,000g/molないし約30,000g/molの第1のポリオルガノシロキサン成分と、分子量約400g/molないし約5,000g/molの第2のポリオルガノシロキサン成分とを有することを特徴とする請求項9に記載の製造物。
【請求項11】前記ポリオルガノシロキサンが前記第1のポリオルガノシロキサン成分を前記ポリオルガノシロキサン全体の約1%ないし約8%含み、第2のポリオルガノシロキサン成分が約92重量%ないし約99重量%含むことを特徴とする請求項10に記載の製造物。
【請求項12】前記微粒子が前記製造物の約60重量%ないし約90重量%含まれることを特徴とする請求項3に記載の製造物。
【請求項13】前記微粒子が前記製造物の約80重量%ないし約85重量%含まれることを特徴とする請求項3に記載の製造物。
【請求項14】前記微粒子が約1ミクロンないし約20ミクロンの粒径を持つことを特徴とする請求項3に記載の製造物。
【請求項15】前記微粒子が酸化金属、窒化金属、ガラス・ビーズ、繊維、金属薄片、石英、雲母、及びそれらの混合物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項3に記載の製造物。
【請求項16】酸化アルミニウム粉末を前記製造物の約65重量%ないし約95重量%含み、非補強充填剤を前記製造物の約1重量%ないし約20重量%さらに含むことを特徴とする請求項2に記載の製造物。
【請求項17】色素、圧縮永久ひずみ添加剤、酸化防止剤、可塑剤、接着増進剤、及び塩基安定剤からなる群から選択される材料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製造物。
【請求項18】前記製造物が熱伝導性コンプライアント・シートであることを特徴とする請求項1に記載の製造物。
【請求項19】さらに触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造物。
【請求項20】材料を作成する方法であって、末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと末端にシランを持つシロキサンの混合物を形成する段階と、前記末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと前記末端にシランを持つシロキサンを架橋させる段階とを含む方法。
【請求項21】前記架橋がヒドロシリル化反応によって行われることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】前記架橋が触媒の存在下で行われることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】前記触媒が金属触媒であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】前記金属触媒が第VIII族金属錯体であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】前記触媒が前記混合物重量に対して約2ないし約500ppmであることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】前記触媒が前記混合物重量に対して約5ないし約25ppmであることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】前記末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンが複数の分子量を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項28】第1の分子量が約10,000g/molないし約30,000g/molであり、第2の分子量が約400g/molないし約5,000g/molである末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンが存在することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンは、前記第1の分子量のポリオルガノシロキサンを約1重量%ないし約8重量%の量で含み、前記第2の分子量のポリオルガノシロキサンを約92重量%ないし約99重量%の量で含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】前記架橋段階が、前記末端にビニル基を持つポリオルガノシロキサンと前記末端にシランを持つシロキサンを架橋させるためのエネルギーを提供する段階を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】エネルギーが加熱によって供給されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】前記混合物に粒子を添加する段階をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項33】前記粒子が熱伝導性微粒子、半補強または非補強微粒子及びそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】前記熱伝導性微粒子が酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ベリリウム、ダイアモンド、及びグラファイトからなる群から選択された材料からなることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】前記非熱伝導性粒子が酸化亜鉛、酸化ケイ素、ガラス、石英、酸化第二鉄、二酸化チタン、雲母、及びケイ藻土からなる群から選択された材料を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】前記粒子が熱伝導性粒子と半補強性または非補強性微粒子との組合せであって、前記粒子の約85重量%ないし約95重量%が熱伝導性であり、前記粒子の約5重量%ないし約15重量%が非熱伝導性であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項37】RとR1がアルキル基、アリール基、アルケニル基、及びシクロアルキル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項38】前記微粒子が前記混合物の約60重量%ないし約90重量%であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項39】前記微粒子が前記混合物の約80重量%ないし約85重量%であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項40】前記微粒子が約1ミクロンないし約20ミクロンの粒径を持つことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項41】前記微粒子が酸化金属、窒化金属、ガラス・ビーズ、繊維、金属薄片、石英、雲母、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項42】酸化アルミニウム粉末を前記混合物の約65重量%ないし約95重量%、非補強充填剤を前記混合物の約1重量%ないし約20重量%の濃度でさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項43】色素、圧永久ひずみ添加剤、酸化防止剤、可塑剤、接着増進剤、及び塩基安定剤からなる群から選択された材料をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項44】前記材料が熱伝導性コンプライアント・シートに成形されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項45】前記シートが熱によって所定の形状に成形されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】分子量が2000g/mol未満の低分子量ポリオルガノシロキサン材料中に粉末粒子を混合して第1の混合物を形成する段階と、前記第1の混合物に分子量が約400g/molより大きい高分子量ポリオルガノシロキサンを添加して第2の混合物を形成する段階と、前記第2の混合物を混合して前記粒子を前記低分子量ポリオルガノシロキサンと前記高分子量ポリオルガノシロキサンの混合物中に分布させる段階と、前記混合物を架橋させるエネルギーを供給して、前記硬化混合物中に前記粒子を固定する段階とを含む方法。
【請求項47】前記粉末が第1の粒径と第2の粒径を含み、前記第2の粒径が前記第1の粒径の1/4未満であり、前記硬化混合物において前記第2の粒径の前記粒子が前記第1の粒径の前記粒子間の間隙部位に配列されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】前記低分子量ポリオルガノシロキサンが前記粒子を被覆することを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項49】前記粒子が熱伝導性であって、前記硬化混合物が前記高分子量ポリオルガノシロキサンと前記低分子量ポリオルガノシロキサンとの架橋した混合物と、前記架橋混合物中に埋め込まれた粒子とを含み、前記粒子が、前記架橋混合物によって隔てられている構造を有することを特徴とする、請求項46に記載の方法。
【請求項50】前記ポリオルガノシロキサンがメチル基を含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項51】前記ポリオルガノシロキサンが炭素−炭素二重結合を架橋剤として含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項52】架橋剤及び触媒を含む、分子量が2000g/mol未満の低分子量ポリオルガノシロキサン材料中に、粉末粒子を混合して第1の混合物を形成する段階と、前記第1の混合物に分子量が約10,000g/molより大きい高分子量ポリオルガノシロキサンを添加して第2の混合物を形成する段階と、前記第2の混合物を混合して、前記粉末粒子を前記低分子量ポリオルガノシロキサンと前記高分子量ポリオルガノシロキサンの混合物中に分布させる段階と、前記混合物を架橋させるエネルギーを供給して、前記硬化混合物中に前記粒子を固定する段階とを含む方法。

【公開番号】特開平8−295737
【公開日】平成8年(1996)11月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−96660
【出願日】平成8年(1996)4月18日
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION