説明

熱可塑性ポリマー

【課題】透明性、耐熱性、光学等方性がいずれも高く、各種光学用途に応じた特性を十分に発揮できる、成形体を提供する。
【解決手段】本発明に係る成形体は、ラクトン環構造を有するポリマーを主成分として含む。本発明に係る成形体は、レンズ、フィルムまたはシート、好ましくは、光学用部材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンとメタクリル酸エステルを共重合した熱可塑性ポリマーおよび該ポリマーを用いた成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチック材料の光学用成形体への進出は著しく、液晶表示装置やプラズマディスプレイ、有機EL表示装置等のフラットディスプレイ、カラーフィルター用保護膜、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT(Thin Film Transistor)用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク用コーティング剤および接着剤、光ファイバー用コア材およびクラッド材、光ファイバー接続用接着剤、光導波路用コア材およびクラッド材等の様々な光学用成形体への検討が盛んに行われている。プラスチック材料は成形加工が容易なこと、軽いことなどの特徴から幅広い用途に用いられるようになっている。これら光学用成形体に要求される物性として、成形性、高度の透明性のみでなく光学等方性や耐熱性、耐衝撃性が求められるようになってきた。透明樹脂の中でも特にポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」と表す)に代表されるアクリル系樹脂は、光学性能に優れ、高い光線透過率や低複屈折率、低位相差の光学等方材料として従来より注目されてきたが、一般的にアクリル系樹脂は耐熱性に乏しく、高い耐熱性が要求されない用途に使用が限られていた。近年では透明樹脂材料の耐熱性に対する要請が高まっており、アクリル系樹脂に対しても、高い耐熱性が要求されるようになってきている。
【0003】
耐熱性を有するアクリル系樹脂(以下「耐熱アクリル系樹脂」と称する)としては、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体をラクトン環化縮合反応させることによって得られるラクトン環含有重合体(例えば、特許文献1、2、3、4参照)や、マレイミド類を共重合したマレイミド系共重合体(例えば、特許文献5参照)等が知られている。しかしながら耐熱アクリル系樹脂では、耐熱性は十分になりつつあるが、生産性や成形加工性に改善の余地があった。
【0004】
他方、透明性と耐熱性とを共に兼ね備えた熱可塑性樹脂として、α−メチレン−γ−ブチロラクトン(MBL)の単独重合体や、MBLと、メタクリル酸メチル、スチレン等との共重合体が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。しかし、光学等方性、耐光性、表面硬度が十分に発現できず、可とう性等の機械的強度も満足できるものではなかったので、光学用成形体材料とすることは従来はなされていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2000−230016号公報
【特許文献2】特開2001−151814号公報
【特許文献3】特開2002−120326号公報
【特許文献4】特開2002−254544号公報
【特許文献5】特開平09−324016号公報
【非特許文献1】Macromolecules 第12巻546頁(1979年)
【非特許文献2】Polymer 第20巻 1215頁(1979年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に述べた状況のもと、本発明にて解決すべき課題は、透明性、耐熱性、光学等方性がいずれも高く、各種光学用途に応じた特性を十分に発揮できるポリマーを提供することにある。前記各種光学用途に応じた特性としては、高い透明性、高い光学等方性に加えて、生産性、成形性、耐熱性、耐光性、機械的強度などの特性が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、α−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトン(MRBL)とメタクリル酸エステルを共重合した熱可塑性ポリマー(A)が上記課題を一気に解決し、各種用途に応じた光学特性、機械的特性を有する、透明性と耐熱性とを共に兼ね備えた成形体を提供できることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は下記式(1)のα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンとメタクリル酸エステルを共重合したポリマー(A)であることを特徴とする。また本発明はポリマー(A)がメタクリル酸メチル構造単位を有することを特徴する。
【0009】
【化1】

【0010】
(ただしRは炭素数1、2、または直鎖もしくは分岐の炭素数3から8のアルキル基である)
また本発明のポリマー(A)は下記一般式(2)および(3)からなる群より選ばれる少なくとも1以上の構造単位を有することが好ましい。
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、R22、R23、R24は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わし、有機基は酸素原子を含んでいても良い。)
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、R25、R26は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。)
また本発明のポリマー(A)は光学用途に用いることができる。
また本発明のポリマー(A)は
(a)試験温度240℃、荷重10kgで測定したメルトフローレートが1g/10分以上100g/10分以下であること、かつ
(b)ガラス転移温度が110℃以上250℃以下であること、
の物性を有することを特徴とする。
また本発明はポリマー(A)を成形し得られた成形体である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、透明性、耐熱性、光学等方性がいずれも良好であり、さらに生産性に優れたポリマーを提供することができる。さらに、本発明者らは上記ポリマー(A)が無置換のα−メチレン−γ−ブチロラクトンとメタクリル酸エステルを共重合したポリマーとくらべ、同一分子量における流動性が異なることを発見した。すなわちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法における同一分子量でのメルトフローレートが同種のポリマーと比べ非常に高くなり、高流動性を有することを見出した。流動が向上したポリマー(A)は成形性に優れる。すなわち射出成形を行う際にはサイクル時間の短縮、フィルムやシート等の面状成形体を成形する際には膜厚の制御や表面平滑性などの成形体の性質の制御が容易となる。また同一粘度に調整した際には分子量が高く、すなわち繰り返し単位の多い、分子長の長いポリマーを製造でき、機械強度や靭性、耐溶剤性などの物性の向上が可能となった。
また本発明のポリマー(A)は高い透明性、高い光学等方性に加えて、低い光学弾性率、耐熱性、耐光性、高い表面硬度、高い機械的強度にきわめて優れ、例えば光学ディスク、光学レンズ、光導波路、光学フィルムに好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。なお、本明細書において「主成分」とは、50重量%以上含有していることが意図される。また、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。
〔ポリマー(A)〕
本発明は下記式(1)のα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンとメタクリル酸エステルを共重合したポリマー(A)である。
【0017】
【化4】

【0018】
(ただしRは炭素数1、2、または直鎖もしくは分岐の炭素数3から8のアルキル基である)
一般式(1)で表わされるα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンのR基は炭素数1、2、または直鎖もしくは分岐の炭素数3から8のアルキル基である。好ましい炭素数は6以下、さらに好ましくは4以下であり、最も好ましくは2以下である。
【0019】
ポリマー(A)中のα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンのモノマー含有割合は特に限定されないが、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜60重量%である。ポリマー(A)構造中のα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンの含有割合が5重量%よりも少ないと、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が不十分になることがあり、好ましくない。ポリマー(A)構造中のα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンの含有割合が90重量%よりも多いと、ガラス転移点が高くなりすぎ、成形加工性に乏しくなることがあり、好ましくない。
【0020】
ポリマー(A)構造中のメタクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも特に、耐熱性、透明性、光学等方性に優れる点、および、低い光学弾性率の点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
メタクリル酸エステルを重合して構築されるモノマー含有割合は好ましくは10〜95重量%、より好ましくは40〜90重量%、さらに好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは60〜85重量%である。ポリマー(A)構造中のMMA構造単位の含有割合が10重量%よりも少ないと、透明性、光学等方性が不十分になることがあり、好ましくない。ポリマー(A)構造中のMMA構造単位の含有割合が95重量%よりも多いと、相対的にα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンの含有量が減少し、耐熱性に乏しくなることがあり、好ましくない。
【0021】
ポリマー(A)は下記一般式(2)および(3)からなる群より選ばれる少なくとも1以上の構造単位を有することが好ましい。一般式(2)で表わされる構造単位を有する場合その含有量は好ましくは0.5〜60重量%、より好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。また、一般式(3)で表わされる構造単位を有する場合その含有量は好ましくは0.5〜60重量%、より好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。
【0022】
【化5】

【0023】
(式中、R22、R23、R24は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わし、有機基は酸素原子を含んでいても良い。)
【0024】
【化6】

【0025】
(式中、R25、R26は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。)
ポリマー(A)に上記式(2)の導入は水酸基含有モノマーを共重合することで可能である。水酸基含有モノマーとしては特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシアルキル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルなどの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキル、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸;などが挙げられ、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。水酸基含有モノマーを含有することで、例えば特許公開公報2006−96960に記載された方法にて上記式(2)の構造単位を導入できるため好ましい。これら水酸基含有モノマーは2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキルが特に好ましい。
【0026】
水酸基含有単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
【0027】
ポリマー(A)に上記式(3)の導入は不飽和カルボン酸を共重合することで可能である。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸などが挙げられ、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。不飽和カルボン酸を含有することで、例えば特許公開公報2002−284816に記載された方法にて上記式(3)の構造単位を導入できるため好ましい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0028】
不飽和カルボン酸を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
【0029】
ポリマー(A)は共重合可能な他のモノマーをモノマー成分として含有してよい。共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。共重合可能な他のモノマーを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
【0030】
単量体成分を重合してポリマー(A)を得るための重合反応の形態としては、特に限定されず、例えば塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等を挙げることができる。中でも、溶剤を用いた重合形態であることが好ましく、溶液重合が特に好ましい。
【0031】
反応器への単量体各成分の投入方法としては、特に限定されず、開始剤投入前に単量体全量を投入する方法、開始剤投入と同時に単量体全量を連続的に滴下して投入する方法、初めに単量体の一部を投入して重合開始後に単量体の残りを滴下して投入する方法、初めに投入する単量体組成中の特定成分の含有割合と重合開始後に投入する単量体組成中の特定成分の含有割合を変えて投入する方法等を挙げることができる。モノマーの重合速度に差がある場合では生成するポリマーの組成に分布ができる場合があるが、生成するポリマーの組成を比較的均一にする点において、初めに単量体の一部を投入して重合開始後に単量体の残りを滴下して投入する方法が好ましい。
【0032】
重合温度、重合時間は、使用する単量体の種類、使用比率等によって異なるが、好ましくは、重合温度が0〜150℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは60〜140℃である。また、重合時間が0.5〜20時間であり、より好ましくは、1〜10時間である。
【0033】
溶剤を用いた重合形態の場合、重合溶剤は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、クロロホルム、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、これらの1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、使用する溶剤の沸点が高すぎると、最終的に得られるポリマーAの残存揮発分が多くなることから、沸点が50〜200℃のものが好ましい。
また、モノマー濃度は好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。モノマー濃度が20重量%より低い場合には生産性が低く、さらに成形用材料として脱溶媒する際に大量の熱量が必要となる場合がある。さらに得られた成形用材料に残存揮発分が多くなる場合があり、好ましくない。またモノマー濃度が80重量%より高い場合には、重合の進行に伴いポリマー溶液の粘度が上昇し、攪拌や抜き出し、移送等が困難となる場合があり、好ましくない。
【0034】
重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加する形態としては、特に限定されず、連続的に重合溶剤を添加しても良いし、間欠的に重合溶剤を添加しても良い。添加する重合溶剤としては、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤であっても良いし、異なる種類の溶剤であっても良いが、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤を用いることが好ましい。また、添加する重合溶剤は、1種のみの溶剤であっても良いし、2種以上の混合溶剤であっても良い。
【0035】
重合反応時には、必要に応じて、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;などが挙げられ、これらは1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
【0036】
また重合反応時には、必要に応じて、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては特に限定されないが、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、好ましくは、連鎖移動効果が高く、残存モノマーを低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸がよい。連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、着色や分子量数万以上のポリマーがえられる点から全単量体成分に対して5重量%以下、より好ましくは1重量%以下とするのが好ましい。
【0037】
以上の重合工程を終了した時点で得られる重合反応混合物中には、通常、得られたポリマー以外に溶剤が含まれているが、溶剤を除去してポリマーを固体状態で取り出す方法としては、特に限定されず、再沈殿法、熱交換器と脱揮槽からなる脱揮装置やベント付き押出機用いて脱溶媒する方法等が挙げられる。
【0038】
ポリマー(A)は、重量平均分子量が、好ましくは1,000〜2,000,000、より好ましくは10,000〜1,000,000、さらに好ましくは20,000〜500,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。
【0039】
ポリマー(A)は、試験温度240℃、荷重10kgで測定したメルトフローレートが、好ましくは1〜100g/10分、より好ましくは3〜100g/10分、さらに好ましくは5〜50g/10分、特に好ましくは10〜50g/10分であることが好ましい。1g/10分よりも少ないと、成形加工性が乏しくなることがあり、好ましくない。また、100g/10分よりも多いと、得られた面状成形体の機械的特性、可とう性、表面硬度等が低下することがあり、好ましくない。
【0040】
ポリマー(A)は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110℃以上、より好ましくは115℃以上、さらに好ましくは125℃以上である。
【0041】
詳細な理由は不明ながらポリマー(A)はα−メチレン−γ−ブチロラクトンとメタクリル酸エステルを共重合したポリマーやラクトン環含有ポリマーとくらべ、同一分子量における流動性が良好であった。すなわちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法における同一分子量でのメルトフローレートが同種のポリマーと比べ非常に高まり、良好な流動性を有することを見出した。流動が向上したポリマー(A)は非常に良好な成形性を有する。すなわち例えば射出成形を行う際にはサイクル時間の短縮、フィルムやシート等の面状成形体を成形する際には膜厚の制御や表面平滑性などの成形体の性質の制御が容易となり、さらに成形装置や成形条件の選択の幅が広がる。特に成形温度はポリマーの劣化やきょう雑物の発生などの成形物の物性に致命的な影響を及ぼすが、本発明の流動性が向上したポリマー(A)では従来よりも低温での成形が可能となり、より要求物性の高い光学用途への応用や歩留まりの向上といった効果がえられる。
また同一粘度に調整した際には分子量が高く、すなわち繰り返し単位の多い、長いポリマーを使用することでき、機械強度や靭性、耐溶剤性などの物性の向上が可能となった。
【0042】
ポリマー(A)は、GPC測定での重量平均分子量が120,000に換算した際のメルトフローレイトが10以上が好ましく、さらに好ましくは11以上であり、12以上がさらに好ましい。最も好ましくは13以上である。なおGPC測定での重量平均分子量が120,000に換算方法は2点以上のポリマーの重量平均分子量およびメルトフローレイトを測定し、1次式にて内挿または外挿し重量平均分子量が120,000でのメルトフローレイトを概算した値である。
【0043】
〔成形体〕
本発明に係る成形体は、ポリマー(A)を主成分として含むものであれば特に限定されない。成形体中のポリマー(A)の含有割合は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは60〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは80〜100重量%である。成形体中のポリマー(A)の含有割合が50重量%よりも少ないと、本発明の効果を十分に発揮できないおそれがある。
本発明にかかる成形体は、ポリマー(A)以外のポリマー(その他のポリマー)を含んでいてもよい。
【0044】
その他のポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム等の弾性有機微粒子;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂等のゴム質重合体;などが挙げられる。成形体中のその他のポリマーの含有割合は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
【0045】
本発明に係る成形体は、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;フェニルサリチレート、(2,2´−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;難燃剤;流動化剤;などが挙げられる。成形体中のその他の添加剤の含有割合は、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは0〜0.5重量%である。
【0046】
成形体の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは、ポリマー(A)と、必要により、その他のポリマーやその他の添加剤などを、従来公知の混合方法にて混合し、成形することで得られる。
成形体の形態としては、特に限定はされないが、レンズ形状、ファイバー形状、フィルム状やシート状が挙げられる。
【0047】
例えば、レンズ形状に成形する際には、プレス法や射出成形法が一般的に用いられる。
【0048】
例えばフィルム状に成形する方法としては、特に限定されず、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法など、公知のフィルム成形方法が挙げられる。これらの中でも、本発明のポリマー(A)は溶融時の粘度が低いため、溶融押出法が好ましい。
【0049】
溶融押出法としては、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられ、その際の、フィルムの成形温度は、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。
【0050】
また、フィルム状に成形した後、延伸することによって延伸フィルムとしてもよい。可とう性が優れる点で延伸フィルムが好ましい。
【0051】
延伸を行う方法としては、従来公知の延伸方法が適用でき、例えば、自由幅一軸延伸、定幅一軸延伸等の一軸延伸;逐次二軸延伸、同時二軸延伸等の二軸延伸などを用いることができる。フィルム面内の任意の直交する二方向に対する耐折れ曲げ性が向上するという点で、二軸延伸が好ましい。
【0052】
フィルムの光学等方性や力学特性を安定化させるため、延伸処理後に熱処理(アニーリング)などを行うこともできる。
【0053】
発明に係る成形体は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110〜250℃、より好ましくは115〜250℃、さらに好ましくは120〜200℃、最も好ましくは125〜180℃である。110℃未満であると、使用環境によっては耐熱性が不足し、成形体が変形し、さらには光学性能のムラが発生しやすくなることがあるため好ましくない。また、250℃を超えると、該成形体を得るための成形加工性が悪くなる場合があるため好ましくない。
【0054】
本発明に係る成形体は、高透明性を有するので、全光線透過率が、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは92%以上である。全光線透過率は、透明性の目安であり、85%未満であると透明性が低下し、使用できない場合があるため好ましくない。
【0055】
本発明に係る成形体には、目的に応じて、帯電防止層、粘接着剤層、接着層、易接着層、防眩(ノングレア)層、光触媒層などの防汚層、反射防止層、ハードコート層、紫外線遮蔽層、熱線遮蔽層、電磁波遮蔽層、ガスバリヤー性等の種々の機能性コーティング層を各々積層塗工したり、本発明にかかる光学用成形体に各々の単独の機能性コーティング層が塗工された部材を粘着剤や接着剤を介して積層した積層体であってもよい。なお、各層の積層順序は特に限定されるものではなく、積層方法も特に限定されない。
【0056】
本発明に係る成形体は、光学用途に用いることが好適であり、例えば光学ディスク、光学レンズ、光導波路、光学用保護フィルム、光学フィルム、光学シート、透明電極基材などが挙げられる。光学用保護フィルムとしては、光学部品を保護するフィルムであれば特に限定されないが、例えば各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)基板の保護フィルム、液晶表示装置用の偏光板に用いる偏光子保護フィルム等が挙げられる。光学フィルムは、光学特性に優れたフィルムであれば特に限定されないが、好ましくは、位相差フィルム、視野角補償フィルム、光拡散フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、タッチパネル用導電フィルム等が挙げられる。光学シートとしては、拡散板、導光体、位相差板、プリズムシート等が挙げられる。また、光学レンズとしては、例えばフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムシート、カメラ用レンズ、マイクロレンズアレイ等が挙げられる。
【実施例】
【0057】
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、「リットル」を単に「L」と記すことがある。

<重合反応率、重合体組成分析>
重合反応時の反応率は、得られた重合反応混合物中の未反応単量体の量をガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、装置名:GC17A)を用いて測定して求めた。また、得られた重合体中の特定単量体単位の含有率は、H−NMR(Varian社製、装置名:FT−NMR UNITY plus400、溶媒:重クロロホルム)を用いて測定した。

<重量平均分子量>
重合体の重量平均分子量は、GPC(東ソー社製GPCシステム、クロロホルム溶媒)のポリスチレン換算により求めた。

<メルトフローレート>
メルトフローレート(MFR)は、JIS K6874に基づき、試験温度240℃、荷重10kgで測定した。

<樹脂の熱分析>
樹脂の熱分析は、試料約10mg、昇温速度20℃/min、窒素フロー50cc/minの条件で、DSC((株)リガク社製、装置名:DSC−8230)を用いて行った。なお、ガラス転移温度(Tg)は、ASTM−D−3418に従い、始点法で求めた。5%重量減少温度は、昇温速度10℃/min、窒素フロー100cc/minの条件で、TG((株)リガク社製、装置名:TG−8120)を用いて行った。軟化点の測定はフィルム片(膜厚:120μm)を用い、昇温速度5℃/min、窒素下の条件で(株)ブルカー・エイエックスエス社製TMA4000SAを用い針入モードにて行なった。
<フィルムの厚さ>
デジマチックマイクロメーター((株)ミツトヨ製)を用いて測定した。
〔実施例1〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した反応釜に、α−メチレン−γ−バレロラクトン(MVL)9部、メタクリル酸メチル(MMA)41部、トルエン50部、n−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温した。次いで、開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(ルパゾール570、アトフィナ吉富(株)製)0.1部を添加し重合を開始した。その後、約100〜110℃で6時間かけて熟成を行った。その後、得られた重合体溶液を真空乾燥(1mmHg(1.33hPa)、200℃、30min)することにより揮発成分を除去し、白色固形状の重合体を得た。この重合体の重量平均分子量は168,000、ガラス転移温度は128℃、5%重量減少温度は326.0℃、MFRは4.8、軟化点は184℃であった。また、H−NMRから求めた重合体中のMVL単位の含有率(モル比)は24.8%、MMA単位の含有率(モル比)は75.2%であった。

〔実施例2〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した反応釜に、α−メチレン−γ−バレロラクトン(MVL)9.0部、メタクリル酸メチル(MMA)41.0部、トルエン50部、n−ドデシルメルカプタン0.2部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温した。次いで、開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(ルパゾール570、アトフィナ吉富(株)製)0.1部を添加し重合を開始した。その後、約100〜110℃で6時間かけて熟成を行った。その後、得られた重合体溶液を真空乾燥(1mmHg(1.33hPa)、200℃、30min)することにより揮発成分を除去し、白色固形状の重合体を得た。この重合体の重量平均分子量は94,000、ガラス転移温度は128℃、MFRは19.9、軟化点は186℃であった。

〔実施例3〕
実施例2で得られた白色固形状の重合体を、223℃の成形温度でプレス成形機を用い、プレス成形を行い、115μmの厚みのフィルム(A)を作製した。得られたフィルムの全光線透過率は92.1%、ヘイズは4.5%であった。また、吸水率は2.1%であった。

〔比較例1〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した反応釜に、α−メチレン−γ−ブチロラクトン(MBL)9.8部、メタクリル酸メチル(MMA)40.2部、トルエン50部、n−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温した。次いで、開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(ルパゾール570、アトフィナ吉富(株)製)0.1部を添加し重合を開始した。その後、約100〜110℃で6時間かけて熟成を行った。その後、得られた重合体溶液を真空乾燥(1mmHg(1.33hPa)、200℃、30min)することにより揮発成分を除去し、白色固形状の重合体を得た。この重合体の重量平均分子量は156,000、ガラス転移温度は125℃、5%重量減少温度は323.7℃、MFRは3.3であった。

〔比較例2〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した反応釜に、α−メチレン−γ−ブチロラクトン(MBL)9.8部、メタクリル酸メチル(MMA)40.2部、トルエン50部、n−ドデシルメルカプタン0.2部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温した。次いで、開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(ルパゾール570、アトフィナ吉富(株)製)0.1部を添加し重合を開始した。その後、約100〜110℃で6時間かけて熟成を行った。その後、得られた重合体溶液を真空乾燥(1mmHg(1.33hPa)、200℃、30min)することにより揮発成分を除去し、白色固形状の重合体を得た。この重合体の重量平均分子量は106,000、ガラス転移温度は127℃、MFRは9.4であった。また、H−NMRから求めた重合体中のMBL単位の含有率(モル比)は24.4%、MMA単位の含有率(モル比)は75.6%であった。
〔比較例3〕
比較例2で得られた白色固形状の重合体を、235℃の成形温度でプレス成形機を用い、プレス成形を行い、109μmの厚みのフィルム(B)を作製した。得られたフィルムの全光線透過率は91.5%、ヘイズは5.0%であった。また、吸水率は2.7%であった。
〔比較例4〕
ポリメチルメタクリレート(PMMA)として、スミペックスEX(住友化学株式会社製、MMA構造単位約95重量%、アクリル酸エチル(EA)構造単位約5%からなる重合体、重量平均分子量151,000)を、205℃の成形温度でプレス成形機を用い、プレス成形を行い、170μmの厚みのフィルムを作製した。得られたフィルムの全光線透過率は93%、ガラス転移温度は104℃、軟化点は158℃であった。透明性は良好であるがガラス転移温度・軟化点が低く、耐熱性を要求される用途には不適である。
〔実施例4〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル8重量部、メタクリル酸メチル128重量部、γ−バレロラクトン20重量部、トルエン145重量部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら、85℃まで昇温し、重合開始剤として、2,2‘−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)0.15重量部を添加し6時間反応させた。
【0058】
得られた重合体溶液に、リン酸ステアリル/ジステアリル混合物0.14重量部を添加し、還流下で2時間環化縮合反応を行った。次いで、得られた重合体溶液を、減圧下、240℃で乾燥し重合物を得た。5%重量減少温度を測定したところ、349℃であった。Tgは、122℃であった。上記重合物をプレス成形機にて成形し厚さ620μmの成形板を得た。
〔実施例5〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、メタクリル酸5重量部、メタクリル酸メチル75重量部、γ−バレロラクトン20重量部、トルエン100重量部を仕込んだ。この反応容器に窒素ガスを導入しながら、85℃まで昇温し、重合開始剤として、2,2‘−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)0.2重量部を添加し6時間反応させた。得られた重合体溶液を、減圧下、240℃で乾燥し重合物を得た。5%重量減少温度を測定したところ、358℃であった。Tgは138℃であった。上記重合物をプレス成形機にて成形し厚さ2000μmの成形板を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表わされるα−メチレン−γ−アルキル−γ−ブチロラクトンとメタクリル酸エステルを共重合したポリマー(A)。
【化1】

(ただしRは炭素数1、2、または直鎖もしくは分岐の炭素数3から8のアルキル基である)
【請求項2】
前記ポリマー(A)が(メタ)アクリレートを共重合することを特徴する請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
前記ポリマー(A)が下記一般式(2)および(3)からなる群より選ばれる少なくとも1以上の構造単位を有することを特徴とする請求項1または2記載のポリマー。
【化2】

(式中、R22、R23、R24は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わし、有機基は酸素原子を含んでいても良い。)
【化3】

(式中、R25、R26は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。)
【請求項4】
光学用途に用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項5】
(a)前記ポリマー(A)の試験温度240℃、荷重10kgで測定したメルトフローレートが1g/10分以上100g/10分以下であること、かつ
(b)ガラス転移温度が110℃以上250℃以下であること、
の物性を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項6】
請求項1から5いづれかに記載のポリマー(A)を成形した成形体。

【公開番号】特開2009−161583(P2009−161583A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339549(P2007−339549)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】