説明

熱可塑性成形材料

A)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー(a1)および少なくとも1種のコポリマー(a2)をベースとする、ヒドロキシル基、酸基、アミノ基または無水物基が存在しない、少なくとも1種のゴム不含コポリマー、
B)少なくとも1個のヒドロキシル基、酸基またはアミノ基が存在する、少なくとも1種のゴム不含ポリマー、
C)少なくとも1種のゴム、成形材料の全質量に対して3〜50質量%、
D)d1)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー
d2)少なくとも1種のC〜C−アルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリロニトリル、および
d3)1個のα、β−不飽和無水物が存在する少なくとも1種のモノマー、ターポリマーの全質量に対して0.4〜4質量%
から得られる少なくとも1種のターポリマー、および
E)少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物
からなる熱可塑性成形材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
A)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー(a1)および少なくとも1種のコポリマー(a2)をベースとする、ヒドロキシル基、酸基、アミノ基または無水物基が存在しない、少なくとも1種のゴム不含コポリマー、
B)少なくとも1個のヒドロキシル基、酸基またはアミノ基が存在する、少なくとも1種のゴム不含ポリマー、
C)少なくとも1種のゴム、成分A〜Eの全質量に対して3〜50質量%、
D)d1)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー
d2)少なくとも1種のC〜C−アルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリロニトリル、および
d3)1個のα、β−不飽和無水物が存在する少なくとも1種のモノマー、成分d1)〜d3)の全質量に対して0.4〜4質量%
から得られる少なくとも1種のターポリマー、および
E)少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物
からなる熱可塑性成形材料に関する。
【0002】
本発明は更に成形品、フィルムまたは繊維を製造するための熱可塑性成形材料の使用および熱可塑性成形材料を使用して得られる成形品、フィルムまたは繊維に関する。本発明は成形材料の相溶性を改良する方法、および成形材料の相溶性を改良する手段に関する。有利な実施態様は従属請求項および発明の詳細な説明に見出される。有利な実施態様が任意の成分の任意の有利な実施態様と任意の他の成分の任意の有利な実施態様の任意の組み合わせであると理解されることは言うまでもない。
【0003】
互いに混合できないかまたは部分的にのみ混合できる種々のポリマーを組み合わせることにより特別な特性を有する材料を製造できることは知られている。相の相溶性、従って成形材料の機械的特性を、混合物に存在する1つまたはすべての相のポリマーと反応できる化合物の添加により改良できることも知られている。
【0004】
ここでしばしば使用される方法は、活性相の1つ、例えばゴムを官能化し、他の相および相溶化剤に対して反応性にすることであった。例えば特開平11−166116号は官能基を有するグラフトゴムを製造し、これを2個のポリエステル、ポリブチレンテレフタレートおよびポリカプロラクトンの混合物を、同時に使用するイソシアネートと混合する。
【0005】
しかしこれらの成形材料の欠点はまずゴムを製造するために固有の複雑な合成を使用しなければならないことである。
【0006】
米国特許第4902749号はヒドロキシル基またはアミノ基と反応できる官能基を有する変性スチレンポリマーをポリアミドおよびゴムからなる成形材料に同時に使用できることを記載し、この場合にこれらの官能基は無水物基またはイソシアネート基を含む、
ポリアミドおよびゴムからなり、相溶化剤として、例えばスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸からなる官能化ターポリマーを含有する成形材料は公知であり、欧州特許第784080号に記載されている。これらの成形材料は良好な衝撃強さを有するが、破断時の引っ張り歪みに関するその値は若干の用途に適さない。
【0007】
Ju and Chang(Polymer41(2000)1719−1730)はポリエチレンテレフタレートおよびポリスチレンおよびスチレン−無水マレイン酸コポリマーおよび相溶化剤としてポリ[メチレン(フェニレンイソシアネート)](PMPI)をベースとするゴム不含成形材料を記載する。これらの成形材料も多くの適用に脆すぎる。更にスチレン−無水マレイン酸コポリマーと多くのポリマーの混合性が特性の決定的な改良を生じるためには不十分である。
【0008】
北川友紀の論文、東京工業大学、日本、2002年(これは技術水準でない)はポリブチレンテレフタレートおよびスチレン−アクリロニトリルコポリマーと相溶化剤としてPMPIからなるゴム不含の成形材料を研究した。研究した他の課題領域はポリブチレンテレフタレートとPMPIおよびスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸からなるターポリマーとの混合物であった。
【0009】
本発明の課題は、相溶化により機械的特性が更に改良されたゴム含有熱可塑性成形材料を見出すことである。前記熱可塑性成形材料は特に改良された靱性を有し、特に最適な流動性と一緒に改良された極限引っ張り強さを有するべきである。
【0010】
前記課題は、冒頭に記載された熱可塑性成形材料により解決される。
【0011】
成分A
本発明の成形材料は成分Aとして、ヒドロキシル基、酸基、アミノ基、無水物基が存在しない少なくとも1個のゴム不含コポリマーを含有する。しかし本発明の成形材料は異なるモノマーまたは構造の組成のこれらのコポリマーの2個以上、例えば3〜5個の混合物を含有することもできる。
【0012】
これらのコポリマーは少なくとも1個のビニル芳香族モノマー、例えば2個以上、例えば3〜5個の異なるビニル芳香族モノマー(a1)の混合物をベースとする。使用されるビニル芳香族モノマーa1)の例はスチレン、置換されたスチレン、例えばC〜C−アルキル−環アルキル化スチレン、例えばp−メチルスチレンまたはt−ブチルスチレンである。これらの中でスチレン、α−メチルスチレンまたはこれらの混合物が特に有利である。
【0013】
使用することができるコモノマー(a2)は少なくとも1個のエチレン系不飽和モノマー、例えば2個以上、例えば3〜5個の異なるエチレン系不飽和モノマーa2)である。1つのタイプの1個のみのコポリマーa2)の使用が特に有利である。これらのコモノマーa2)の例はN−置換マレイイミド、例えばN−メチル、N−フェニル、またはN−シクロヘキシルマレイイミド、アルキルアクリレート、またはアルキルアルキルアクリレート、特にC〜C−アルキルアクリレートまたはC〜C−アルキルメタクリレート、例えばメチルメタクリレート、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルである。
【0014】
この場合に1つの実施態様において、少なくとも1個のビニル芳香族モノマー、成分a1)およびa2)に対して60〜99質量%、有利に65〜95質量%および少なくとも1個のエチレン系不飽和モノマー1〜40質量%、有利に5〜35質量%から形成され、全部で100質量%であるコポリマーAが有利である。
【0015】
コポリマーAは直鎖状または分枝状であってもよく、またはブロックコポリマーまたはランダムコポリマーであってもよい。コポリマーAは低い分子量を有してもよく、または高分子量であってもよい。コポリマーAは広いまたは狭い分子量分布を有してもよい。
【0016】
成分Aは特に有利にスチレン−アクリロニトリルコポリマーまたはα−メチルスチレン−アクリロニトリルコポリマーである。質量平均分子量は一般に40000〜2000000g/モル、有利に60000〜150000g/モルの範囲内である。その多分散指数(PDI=質量平均分子量/数平均分子量)は有利に2.5より小さく、有利に2.3より小さい(ポリスチレン標準に対しておよび溶離剤としてテトラヒドロフランを使用してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した、M.Lechner et al.Makromolekulare Chemie、2nd Edn.Birkhauser Verlag.Basel1996、295〜299頁参照)。
【0017】
コポリマーAは自体公知であり、または塊状重合、溶液重合、懸濁重合、沈殿重合、または乳化重合、または制御されたラジカル重合のような自体公知方法により製造することができる。
【0018】
本発明の成形材料中の成分Aの割合は成分A〜Eの全部の量に対して、一般に1〜50質量%、有利に3〜45質量%、特に5〜40質量%であり、全部で100質量%である。
【0019】
成分B
本発明により熱可塑性成形材料は少なくとも1個のゴム不含ポリマーを含有し、ポリマー中に少なくとも1個、例えば2個以上、例えば3〜5個のヒドロキシル基、酸基、またはアミノ基が存在する。これらのポリマーBは前記基、例えば1個のヒドロキシル基と1個の酸基、または1個のヒドロキシル基と1個のアミノ基の混合物を含有することができる。ポリマーBは特に有利にこれらの基の2個を含有する。特にこれらはポリマーBの末端基である。成分Bは2個以上の、例えば3〜5個の異なるポリマーBの混合物であってもよい。これらの中で1つのみのポリマーBまたは異なるタイプの2個のポリマーBの混合物の使用が有利である。
【0020】
適当なポリマーBの例はポリエステルまたはポリアミドのような縮合ポリマーである。
【0021】
ポリマーBとして有利なポリエステルの第1の群はアルコール単位に2〜10個の炭素原子を有するポリアルキレンテレフタレートである。
【0022】
この種のポリアルキレンテレフタレートは自体公知であり、文献に記載されており、または自体公知の方法により得られる。その主鎖は芳香族ジカルボン酸から誘導される1個の芳香環を含有する。例えばハロゲン、例えば塩素または臭素、またはC〜C−アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、またはn−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルによる置換基が芳香環に存在してもよい。
【0023】
これらのポリアルキレンテレフタレートは芳香族ジカルボン酸またはそのエステルまたは他のエステル形成誘導体を、脂肪族ジヒドロキシ化合物と自体公知のやり方で反応することにより製造することができる。
【0024】
有利なジカルボン酸は2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸およびこれらの混合物である。芳香族ジカルボン酸の30モル%まで、有利に10モル%以下が脂肪族または環状脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸およびシクロヘキサンジカルボン酸により交換されていてもよい。
【0025】
有利な脂肪族ジヒドロキシ化合物は2〜6個の炭素原子を有するジオール、特に1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびネオペンチルグリコールおよびこれらの混合物である。
【0026】
特に有利なポリエステルは2〜6個の炭素原子を有するアルカンジオールから誘導されるポリアルキレンテレフタレートである。これらの中でポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート(PBT)およびこれらの混合物が特に有利である。ほかのモノマー単位として1質量%まで、有利に0.75質量%までの1.6−ヘキサンジオールおよび/または2−メチル−1,5−ペンタンジオールを含有するPETおよび/またはPBTが有利である。
【0027】
ポリエステルの粘度数はISO1628により25℃でフェノール/o−ジクロロベンゼン混合物(質量比1:1)中の0.5質量%溶液中で測定して一般に50〜220、有利に80〜160の範囲内にある。
【0028】
カルボキシル末端基含量が100mval/kgポリエステルまで、有利に50mval/kgポリエステルまで、特に40mval/kgポリエステルまでのポリエステルが特に有利である。この種のポリエステルは例えばドイツ特許第4401055号の方法により製造することができる。カルボキシル末端基含量は一般に滴定法(例えば電位差滴定)により測定される。
【0029】
特に有利な成形材料は成分Bとして、PBTおよびPBTと異なるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の混合物を含有する。混合物中のポリエチレンテレフタレートの割合は有利に成分B100質量%に対して50質量%まで、特に10〜30質量%である。
【0030】
適当な場合はPBTのようなポリアルキレンテレフタレートとの混合物で再生PET材料(スクラップPETとも呼ばれる)を使用することが有利である。
【0031】
再生材料は一般に
1)後工業的再生材料として知られているものであり、これらは重縮合中または処理中の製造廃棄物、例えば射出成形からの金属のかす、射出成形または押出しからの出発材料または押出したシートまたはフィルムからのエッジトリムであり、
2)後消費者再生材料であり、これらは利用後に最終消費者により集められおよび処理されたプラスチック製品であり、ミネラルウォーター、清涼飲料およびジュース用の吹き込み成形したPETボトルがおそらく量に関して圧倒的な品目である。
【0032】
両方のタイプの再生材料を粉砕再生材料としてまたはペレットの形で使用することができる。後者の場合は粗製再生材料を分離し、精製し、引続き溶融し、押出し機を使用してペレットにする。これは一般に取り扱いおよび自由流動特性、および処理の他の工程への供給を容易にする。
【0033】
使用される再生材料はペレット化するかまたは粉砕再生材料の形で存在することができる。エッジ長さは6mmより大きくなく、有利に5mm未満であるべきである。
【0034】
ポリエステルは処理中に加水分解により分離する(微量の水分のために)ので、再生材料を予め乾燥することが有利である。乾燥後の残留水分は有利に0.01〜0.7%、特に0.2〜0.6%である。
【0035】
記載できる他の種類は芳香族ジカルボン酸および芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される完全芳香族ポリエステルの種類である。
【0036】
適当な芳香族ジカルボン酸はポリアルキレンテレフタレートに関して記載された化合物である。有利に使用される混合物はイソフタル酸5〜100モル%およびテレフタル酸0〜95モル%、特にテレフタル酸約50〜約80%およびイソフタル酸20〜50%から形成される。
【0037】
芳香族ジヒドロキシ化合物は、有利に式:
【0038】
【化1】

を有し、式中、Zは8個までの炭素原子を有するアルキレンまたはシクロアルキレン、12個までの炭素原子を有するアリーレン、カルボニル、スルホニル、酸素または硫黄または化学結合であり、mは0〜2である。化合物(I)中のフェニレン基はC〜C−アルキルまたはアルコキシおよびフッ素、塩素または臭素による置換基を有することができる。
【0039】
これらの化合物の親化合物の例は、
ジヒドロキシビフェニル、
ジ(ヒドロキシフェニル)アルカン、
ジ(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、
ジ(ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ジ(ヒドロキシフェニル)エーテル、
ジ(ヒドロキシフェニル)ケトン、
ジ(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
α、α´−ジ(ヒドロキシフェニル)ジアルキルベンゼン、
ジ(ヒドロキシフェニル)スルホン、ジ(ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、
レゾルシノール、および
ヒドロキノンおよびこれらの環アルキル化および環ハロゲン化誘導体である。
【0040】
これらの中で
4,4´−ジヒドロキシジフェニル、
2,4´−ジ(4´−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、
α、α´−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、
2,2−ジ(3´−メチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、および
2,2−ジ(3´−クロロ−4´−ヒドロキシフェニル)プロパン
が有利であり、特に
2,2−ジ(4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ジ(3´,5−ジクロロジヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ジ(4´−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
3、4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、および
2−ジ(3´,5´−ジメチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロパン
またはこれらの混合物が有利である。
【0041】
ポリアルキレンテレフタレートおよび完全芳香族ポリエステルの混合物を使用することももちろん可能である。これらは一般にポリアルキレンテレフタレート20〜98質量%および完全芳香族ポリエステル2〜80質量%からなる。
【0042】
ポリエステルブロックコポリマー、例えばポリエーテルエステルを使用することももちろん可能である。この種の生成物は自体公知であり、文献、例えば米国特許第3651014号に記載されている。相当する生成物は商業的に入手可能であり、例えばHytrel(登録商標)(DuPont)である。
【0043】
他の適当な成分Bは脂肪族半結晶質または半芳香族または任意の種類の非晶質構造を有するポリアミドおよびポリエーテルアミド、例えばポリエーテルブロックアミドを含むこれらの配合物である。本発明の目的のために、ポリアミドはすべての知られたポリアミドであり、自体公知の方法により得られるポリアミドである。
【0044】
これらのポリアミドの粘度数はISO307により25℃で96質量%硫酸中の0.5質量%溶液で測定して一般に90〜350ml/g、有利に110〜240ml/gである。
【0045】
少なくとも5000の分子量(質量平均)を有する半結晶質または非晶質ポリアミドが有利である。これらの例は7〜13個の環員子を有するラクタムから誘導されるポリアミド、例えばポリカプロラクタム、ポリカプリロラクタムおよびポリラウロラクタムおよびジカルボン酸とジアミンの反応により得られるポリアミドである。
【0046】
使用できるジカルボン酸は6〜12個の炭素原子、特に6〜10個の炭素原子を有するアルカンジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸である。この場合に使用できる酸はアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸(=ドデカンジカルボン酸)およびテレフタル酸および/またはイソフタル酸である。
【0047】
特に適当なジアミンは6〜12個、特に6〜8個の炭素原子を有するアルカンジアミンおよびm−キシリレンジアミン、ジ(4−アミノフェニル)メタン、ジ(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、または2,2−ジ(4−アミノシクロヘキシル)プロパンである。
【0048】
有利なポリアミドはポリヘキサメチレンアジパミド(PA66)、およびポリヘキサメチレンセバサミド(PA610)、ポリカプロラクタム(PA6)およびナイロン−6/6,6コポリアミド、特にカプロラクタム単位5〜95質量%を有するものである。
【0049】
PA6、PA66およびナイロン−6/6,6コポリアミドが特に有利である。ナイロン−6(PA6)がきわめて有利である。
【0050】
例えば1,4−ジアミノブタンとアジピン酸を高い温度で縮合することにより得られるポリアミド(ナイロン−4,6)も記載することができる。
【0051】
他の例は2種以上の前記モノマーの共重合により得られるポリアミドであり、任意の混合比の2種以上のポリアミドの混合物が適している。
【0052】
トリアミン含量0.5質量%未満、有利に0.3質量%未満を有するPA6/6TおよびPA66/6Tのような半芳香族コポリアミドが特に有利であることが示された(欧州特許第299444号参照)。低いトリアミン含量を有する半芳香族コポリアミドは欧州特許第129195号および第129196号に記載される方法により製造することができる。
【0053】
以下の例は包括的でないが、本発明の目的のために前記ポリアミドおよび他のものを含有する(モノマーは括弧に示されている)。
PA46(テトラメチレンジアミン、アジピン酸)
PA66(ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸)
PA69(ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸)
PA610(ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸)
PA612(ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸)
PA613(ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸)
PA1212(1.12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸)
PA1313(1.13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸)
PAMXD6(m−キシリレンジアミン、アジピン酸)
PATMDT(トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸)
PA4(ピロリドン)
PA6(ε−カプロラクタム)
PA7(エナントラクタム)
PA8(カプリロラクタム)
PA9(9−アミノペラルゴン酸)
PA11(11−アミノウンデカン酸)
PA12(ラウロラクタム)。
【0054】
これらのポリアミドおよびその製造は知られている。
【0055】
有利なポリアミドPA6、PA66およびナイロン−6/6,6コポリアミドの製造を以下に短く説明する。
【0056】
出発モノマーを有利に一般的な方法により重合または重縮合する。例えばカプロラクタムをドイツ特許第1495198号およびドイツ特許第2558480号に記載される連続的方法により重合することができる。PA66を製造するためのAH塩の重合は一般的なバッチ法により(Polymerization Processes、424−467、特に444−446、Interscience、New York、1977参照)または例えば欧州特許第129196号に記載される連続的方法により処理することができる。
【0057】
通常の連鎖調節剤を重合に同時使用することができる。適当な連鎖調節剤の例はトリアセトンジアミン化合物(WO95/28443号参照)、モノカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸および塩基、例えばヘキサメチレンジアミン、ベンジルアミンおよび1,4−シクロヘキサンジアミンである。他の適当な連鎖調節剤はC〜C10−ジカルボン酸、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、C5〜C8−シクロアルカンジカルボン酸、例えばシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ベンゼンおよびナフタレンジカルボン酸、例えばイソフタル酸、テレフタル酸およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸である。
【0058】
得られたポリマー溶融物を反応器から排出し、冷却し、ペレットにする。得られたペレットを後重合する。これは自体公知方法でペレットを、ポリアミドの溶融温度Tまたは微結晶溶融温度Tより低い温度Tに加熱することにより実施する。後重合はポリアミドの最終的分子量を調節する(粘度数VNとして測定できる、前記VNデータ参照)。後重合は一般に2〜24時間、特に12〜24時間かかる。所望の分子量が達成された場合に、ペレットを通常の方法で冷却する。
【0059】
適当なポリアミドはUltramid(登録商標)の名称でBASF社から入手できる。
【0060】
本発明の成形材料に一般に存在する成分Bの割合は成分A〜Eの全質量に対して、1〜95.5質量%、有利に3〜91.2質量%、特に5〜86.8質量%であり、成分A〜Eの合計は100質量%である。
【0061】
成分C
本発明の成形材料は成分Cとして少なくとも1種のゴム3〜50質量%、有利に5〜30質量%、特に7〜25質量%を含有する。成分Cの例は異なるタイプの2種以上、例えば3〜5種のゴムの混合物である。本発明により1つのゴムはガラス転移温度Tが0℃以下であるエラストマーポリマーである(TはDIN53765により示差走査熱分析(DSC)により決定した)。
【0062】
適当なゴムCは原則的にTが0℃以下である任意のエラストマーポリマーであり、特にゴムとして、
ブタジエンまたはイソプレンのようなジエンまたは前記ジエンの混合物をベースとするジエンゴム、
アクリル酸のアルキルエステル、例えばn−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートまたは前記アルキルエステルの混合物をベースとするアルキルアクリレートゴム、
エチレン、プロピレンおよびジエンをベースとするEPDMゴム、
ポリオルガノシロキサンをベースとするシリコーンゴム
を含有するかまたはこれらのゴムの混合物を含有するポリマーである。
【0063】
ゴムCは有利にグラフト基材およびグラフトからなるグラフトポリマーである。
【0064】
有利なグラフトポリマーCは、Cに対して、
c1)エラストマーグラフト基材、30〜95質量%、有利に40〜90質量%、特に40〜85質量%、および
c2)グラフト、5〜70質量%、有利に10〜60質量%、特に15〜60質量%
を含有し、
c1)グラフト基材は、c1)に対して
c11)アクリル酸のC〜C10−アルキルエステル、50〜100質量%、有利に60〜100質量%、特に70〜100質量%、
c12)多官能性架橋モノマー、0〜10質量%、有利に0〜5質量%、特に0〜2質量%、
c13)1種以上の他のモノエチレン系不飽和モノマー、0〜40質量%、有利に0〜35質量%、特に0〜28質量%からなるか、または
c11)共役二重結合を有するジエン、50〜100質量%、有利に60〜100質量%、特に65〜100質量%、
c12)1種以上のモノエチレン系不飽和モノマー、0〜50質量%、有利に0〜40質量%、特に0〜35質量%
からなるか、または
c11**)エチレン、プロピレンおよびジエンの混合物、50〜100質量%、有利に60〜100質量%、特に65〜100質量%、
c12**)1種以上の他のモノエチレン系不飽和モノマー、0〜50質量%、有利に0〜40質量%、特に0〜35質量%
からなり、
c2)グラフトは、c2)に対して
c21)スチレン化合物、50〜100質量%、有利に60〜100質量%、特に65〜100質量%、
c22)アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルまたはこれらの混合物、0〜40質量%、0〜38質量%、特に0〜35質量%、および
c23)1種以上の他のエチレン系不飽和モノマー、0〜40質量%、有利に0〜30質量%、特に0〜20質量%
からなる。
【0065】
特に適したC〜C10−アルキルアクリレート、成分c11)はエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、およびn−ブチルアクリレートである。2−エチルヘキシルアクリレートおよびn−ブチルアクリレートが有利であり、n−ブチルアクリレートがきわめて有利である。アルキル基が異なる種々のアルキルアクリレートの混合物を使用することもできる。
【0066】
架橋モノマーc12)は少なくとも2個のオレフィン二重結合を有する二官能性または多官能性コモノマー、例えばブタジエンおよびイソプレン、ジカルボン酸、例えばコハク酸またはアジピン酸のジビニルエステル、二価アルコール、例えばエチレングリコール、または1,4−ブタンジオールのジアリルまたはジビニルエーテル、アクリル酸またはメタクリル酸と前記二価アルコールのジエステル、1,4−ジビニルベンゼンおよびトリアリルシアヌレートである。ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレートとして知られているトリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル(ドイツ特許第1260135号参照)およびアクリル酸およびメタクリル酸のアリルエステルが特に有利である。
【0067】
架橋モノマーc12)は製造される成分Cの特性に応じておよび成分Cの所望の特性に応じて成分Cに存在しても、存在しなくてもよい。
【0068】
架橋モノマーc12)が成分Cに存在する場合は、その量はc1)に対して0.01〜10質量%、有利に0.3〜8質量%、特に1〜5質量%である。
【0069】
モノマーc11)およびc12)の量を同時に減少してグラフト基材c1)に存在してもよい、他のモノエチレン系不飽和モノマーc13)の例は、
例えばAに示される、スチレンおよびスチレン誘導体のようなビニル芳香族モノマー、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
メタクリル酸のC〜C−アルキルエステル、例えばメチルメタクリレートおよびグリシジルエステル、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレート、
N−置換マレイミド、例えばN−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドおよびN−シクロヘキシルマレイミド、
アクリル酸、メタクリル酸、ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸およびイタコン酸、これらの無水物、例えば無水マレイン酸、
窒素官能性モノマー、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、ビニルアニリン、アクリルアミドおよびメタクリルアミド、
アクリル酸またはメタクリル酸の芳香族および芳香脂肪族エステル、例えばフェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、および2−フェノキシエチルメタクリレート、
不飽和エーテル、例えばビニルメチルエーテル、
およびこれらのモノマーの混合物である。
【0070】
有利なモノマーc13)はスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミドである。
【0071】
グラフト基材c1)はグラフト基材モノマーc11)〜c13)の代わりにモノマーc11)およびc12)からなっていてもよい。
【0072】
使用することができる共役二重結合を有するジエン、c11)はブタジエン、イソプレン、ノルボルネンおよびこれらのハロゲン置換誘導体、例えばクロロプレンである。ブタジエンおよびイソプレンが有利であり、特にブタジエンである。
【0073】
同時に使用することができるモノエチレン系不飽和モノマーc12)はモノマーc13)に関して記載されたモノマーである。
【0074】
有利なモノマーc12)はスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミドである。
【0075】
グラフトコアc1)はモノマーc11)〜c13)およびc11)〜c12)の混合物からなっていてもよい。
【0076】
グラフト基材c1)はグラフト基材モノマーc11)〜c13)またはC11)およびc12)の代わりにモノマーc11**)およびc12**)からなっていてもよい。モノマー混合物c11**)にエチレンおよびプロピレンとの混合物で使用される特に適したジエンはエチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエンである。
【0077】
同時に使用することができる他のモノエチレン系不飽和モノマーc12**)はc13)に関して記載されたモノマーである。
【0078】
グラフト基材はモノマーc11)〜c13)およびc11**)〜c12**)の混合物またはモノマーc11)〜c12)およびc11**)〜c12**)の混合物またはモノマーc11)〜c13)、c11)〜c12)およびc11**)〜c12**)の混合物からなっていてもよい。
【0079】
モノマーc21)およびc23)に関して、成分a1)およびa3)に関して早い段階で示された説明を引用すべきである。従ってグラフトc2)は他のモノマーc22)またはc23)またはこれらの混合物をモノマーc21)の量を同時に減少して含有することができる。グラフトc2)は有利にスチレン、スチレンおよびアクリロニトリル、α−メチルスチレンおよびアクリロニトリルまたはスチレンおよびメチルメタクリレートのポリマーからなる。
【0080】
グラフトc2)はグラフト基材c1)を製造するために使用される条件と同じ条件下で製造することができ、グラフトc2)は1つの方法の1個以上の工程で製造することができる。この方法においてモノマーc21)、c22)およびc23)を個々にまたは互いの混合物の形で添加することができる。混合物のモノマー比は長い間に亘り一定であってもよく、または勾配により表されていてもよい。これらの方法の組み合わせも可能である。
【0081】
例えばスチレンを単独に、その後スチレンとアクリロニトリルの混合物をグラフト基材c1)に重合することができる。
【0082】
全体の構成はこの方法の記載された実施態様に関係ない。
【0083】
特に粒子がかなり大きい場合は、他の適当なグラフトポリマーは2個以上の軟質および硬質段階を有し、例えば構造c1)−c2)−c1)−c2)またはc2)−c1)−c2)を有する。
【0084】
グラフト化がモノマーc2)からなるグラフトされないポリマーを生じる場合は、一般にc2)10質量%未満であるモノマーc2)の量は成分Aの質量で計算される。
【0085】
特にエマルション、ミクロエマルション、ミニエマルション、懸濁液、ミクロ懸濁液、ミニ懸濁液、沈殿重合、バルク、溶液の形で、連続的にまたはバッチ式にグラフトポリマーCを製造する種々の方法が存在する。これらの方法は当業者に知られ、例えばPCT/EP/01/09114に記載されている。
【0086】
グラフトポリマーを製造する方法は少なくとも2個の重合法を互いに組み合わせた、組み合わせた方法であってもよい。ここで特にバルク/溶液、溶液/沈殿、バルク/懸濁およびバルク/乳化が記載されるべきであり、最初に記載されたものは開始方法であり、第2に記載されたものは最終方法である。
【0087】
乳化重合、ミニ乳化重合、またはミクロ懸濁重合のようなすべての記載された方法において、分散液の製造中の条件の適当な選択および調節(例えばホモジナイザーの選択、均一化の時間、モノマー、水、乳化剤の量の割合、分散法(単一、多数、バッチ式または連続的、循環)、ホモジナイザーの回転速度等)によりゴム粒子の大きさの実質的な調節が可能である。
【0088】
正確な重合条件の選択、特に乳化剤および他の重合助剤の性質、量および供給法の選択は有利に乳化重合により得られるゴム粒子が一般に50〜500nm、有利に70〜300nm、特に80〜140nmである平均粒度(ポンデラル(ponderal)メジアン粒度、d50)を有するようにする。ミニ乳化重合の間に得られる粒子は一般に同様に50〜500nmの粒度(ポンデラルメジアン粒度、d50)を有する。ミクロ乳化重合は一般に20〜80nmの範囲の粒度(ポンデラルメジアン粒度、d50)を生じる。与えられたそれぞれの粒度はd50(ポンデラルメジアン、W.Maechtle、S.Harding(Eds.)AUC Biochemistry and Polymer Science、Cambridge、UK 1991に記載される、遠心分離測定分析により決定した)である。ミクロ懸濁重合は一般に0.3〜10μm(300〜10000nm)の範囲の大きさ(ポンデラルメジアン粒度、d50)の粒子を生じる。粒度はフラウンホーファー回折法(H.G.Barth、Modern Methods of Particle Size Analysis、Wiley、NY1984)により決定することができる。
【0089】
1つの有利な実施態様において、乳化法を使用して重合を行い、第1工程で最初に得られ、水相に分散して存在するゴム粒子が第2工程で凝集する。そこで分散液に存在する1種類の粒子、すなわちグラフト基材cをベースとする粒子のみが存在することが有利である。しかし1種類以上の、例えば2種以上の異なる種類の粒子が分散液に存在することもできる。これを達成できる1つの方法は異なる粒子の分散液、例えば互いに別々に製造した分散液の混合である。
【0090】
ゴム粒子を凝集する方法は当業者に知られている。例えば凍結凝集または加圧凝集のような物理的方法を使用することができる。しかしゴム粒子を凝集する化学的方法を使用することもできる。後者は無機酸または有機酸の添加を含む。凝集ポリマーを有利に凝集法に使用する。これらの例としてポリエチレンオキシドポリマーまたはポリビニルアルコールを記載することができる。遊離酸基がほとんど存在しない凝集ポリマーの使用が特に有利である。アクリルアミド、メタクリルアミド、エタクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、またはマレイミドのような極性コモノマーを有するC〜C12−アルキルアクリレートまたはC〜C12−アルキルメタクリレートのコポリマーが適当な凝集ポリマーの一部である。
【0091】
1つの凝集法において、一部のゴム粒子のみを凝集し、二モード分布が得られる。1つの第1の実施態様において、凝集工程の後に凝集していない条件で50%より多く、有利に75〜95%の粒子(数分布)が一般的である。第2の実施態様において、凝集を実施する方法は、凝集工程の後に、ゴム粒子が多モード粒度分布を有し、40質量%未満、有利に37.5質量%未満、より有利に35質量%未満、特に32.5質量%未満、特に有利に30質量%未満の粒子が幅50nmのそれぞれの粒度範囲に存在するように行うことである。ほかに記載されない限り、メジアン粒子直径は質量にもとづく。特に累積質量分布のd50である(前記参照)。
【0092】
凝集工程に続いて適当なモノマーのグラフト重合によりグラフト(2)を形成することができる。
【0093】
これらの凝集法は例えばEP/PCT/01/08114に記載されている。
【0094】
成分D
本発明により、使用される成分Dは、少なくとも1種のターポリマー、例えば2種以上、例えば3〜5種の混合物、異なる構造、例えば分枝状または線状、または異なるモノマー構造、例えばランダムまたはブロック構造のターポリマーを含有する。これらの中で成分Dとして一種類の1つのターポリマーの使用が有利である。実質的に線状であり、実質的にランダムであるターポリマーが有利なターポリマーに含まれる。使用されるモノマー単位d1)はビニル芳香族モノマーまたは2種以上、例えば3〜5種の異なるビニル芳香族モノマーの混合物を含有する。使用することができるビニル芳香族モノマーの例はスチレンおよび置換スチレン、例えばC〜C−アルキル−環アルキル化スチレン、例えばp−メチルスチレンまたはt−ブチルスチレンである。これらの中でスチレンおよびα−メチルスチレンまたはこれらの混合物の使用が特に有利である。d1)として特にスチレンを単独に使用する。
【0095】
ターポリマーDが得られるモノマー単位d2)はC〜C−アルキル(メタ)アクリレート、または2種以上、例えば3〜5種の異なるC〜C−アルキル(メタ)アクリレートの混合物であることができ、これらの中でメチルメタクリレートの使用が有利である。しかしd2)としてメタクリロニトリルまたはアクリロニトリルを使用することができる。d2)として更に1種以上のC〜C−アルキル(メタ)アクリレートおよびメタクリロニトリルおよび/またはアクリロニトリルの混合物を使用することができる。d2)として特に有利にアクリロニトリルを単独で使用する。
【0096】
本発明により、ターポリマーDを製造するために使用されるモノマー単位d3)は、α、β−不飽和無水物を含有する少なくとも1種のモノマーを含有し、または例えば2種以上の、例えば3〜5種のこれらのモノマーの混合物を含有する。少なくとも1個の無水物基を有する芳香族または脂肪族化合物を使用することができる。1個より多くない無水物基を有するモノマーが有利である。d3)として無水マレイン酸を特に有利に使用する。
【0097】
本発明により、ターポリマー中の成分d3)の割合は成分d1)〜d3)の全質量に対して0.2〜4質量%、有利に0.3〜3.5質量%、特に0.3〜3質量%であり、成分d1)〜d3)の割合は全部で100質量%になる。他の2つの成分d1)およびd2)の割合は広い範囲で変動することができ、主に成分Dと成分A〜Cの必要な混合能力に依存する。成分d1)の割合は成分d1)〜d3)の全質量に対して一般に60〜94.8質量%、有利に61.5〜89.7質量%、特に68〜84.7質量%であり、成分d1)〜d3)は全部で100質量%になる。相当してターポリマーに存在する成分d2)の量は5〜36質量%、有利に10〜35質量%、特に15〜29質量%である。
【0098】
ターポリマーの分子量は広い範囲で変動することができる。60000〜350000g/モルの範囲の平均分子量が適していることが示された。80000〜300000g/モルの範囲の分子量がしばしば有利である。特に有利なターポリマーは90000〜210000g/モルの範囲の分子量を有する。前記分子量は記載されたようにGPCにより決定した質量平均である。
【0099】
所望の構造に依存して、ターポリマーDを製造するために、種々の方法を使用することができる。ターポリマーは有利にラジカル重合により、特に連続的溶液重合により製造する。このための方法の1つの例はモノマーをメチルエチルケトンに溶解し、重合を熱により開始するかまたは場合によりまたは必要により開始剤、例えばペルオキシドをこの溶液に添加する。反応混合物を一般に2時間以上にわたり高温で重合させ、引き続き後処理する。
【0100】
本発明の成形材料中の成分Dの割合は一般に生成物に課せられる要求に適合する。本発明の成形材料は成分A〜Eの全質量に対してターポリマーDを有利に0.4〜30質量%、特に0.5〜20質量%、特に有利に1〜15質量%含有する。
【0101】
成分E
成分Eとして、本発明の成形材料は、2個以上、例えば3〜5個のイソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物または2種以上の、例えば3〜5種の異なる化合物の混合物を含有する。
【0102】
成分Eとして使用することができる化合物は有機ポリイソシアネート、例えば自体公知の脂肪族、環状脂肪族、芳香脂肪族または芳香族多官能性イソシアネートである。
【0103】
例として記載すべきである個々の化合物は以下のものである。アルキレン基に4〜12個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアネート、例えばヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、環状脂肪族ジイソシアネート、例えばシクロヘキサン1,3−または1,4−ジイソシアネートおよびこれらの異性体の任意の所望の混合物、ヘキサヒドロトリレン2,4−または2,6−ジイソシアネート、相当する異性体混合物、ジシクロヘキシルメタン4,4′−、2,2′−または2,4′−ジイソシアネート、および相当する異性体混合物、芳香脂肪族ジイソシアネート、例えばキシリレン1,4−ジイソシアネート、またはキシリレンジイソシアネート異性体混合物、有利に芳香族ジイソシアネートおよびポリイソシアネート、例えばトリレン2,4−または2,6−ジイソシアネート(TDI)および相当する異性体混合物、ジフェニルメタン4,4′−、2,4′−、または2,2′−ジイソシアネート(MDI)、および相当する異性体混合物、ジフェニルメタン4,4′−および2,4′−ジイソシアネートの混合物、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、ジフェニルメタン4,4′−、2,4′−および2,2′−ジイソシアネートおよびポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(粗製MDI)の混合物、粗製MDIとトリレンジイソシアネートの混合物。有機ジイソシアネートおよびポリイソシアネートは単独にまたは混合物の形で使用することができる。
【0104】
変性多官能性イソシアネートとして知られているもの、すなわち有機ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートの化学反応により得られる生成物をしばしば使用する。イソシアヌレート基および/またはウレタン基を含有するジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートを例として記載することができる。使用することができる個々の化合物の例はウレタン基を含有し、ポリイソシアネートの全質量に対して15〜33質量%、有利に21〜31質量%のNCO含量を有する、有機、有利に芳香族ポリイソシアネートである。他の適当な化合物は、ポリエステルポリオールおよび/または有利にポリエーテルポリオールおよびジフェニルメタン4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4′−および4,4′−ジイソシアネート、トリレン2,4−および/または2,6−ジイソシアネートまたは粗製MDIから製造された、イソシアネート基を含有し、ポリイソシアネートの全質量に対して3.5〜25質量%、有利に14〜21質量%のNCO含量を有するプレポリマーである。好結果であることが示された他の化合物は、イソシアヌレート環を含有し、ポリイソシアネートの全質量に対して、例えばジフェニルメタン4,4′−、2,4′−および/または2,2′−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはトリレン2,4−および/または2,6−ジイソシアネートに対して、33〜15質量%、有利に21〜31質量%のNCO含量を有する液体ポリイソシアネートである。
【0105】
変性ポリイソシアネートは適当な場合は互いに混合するかまたは変性されていない有機ポリイソシアネート、例えばジフェニルメタン2,4′−または4,4′−ジイソシアネート、粗製MDIまたはトリレン2,4−および/または2,6−ジイソシアネートと混合することができる。
【0106】
特に好結果であることが示された化合物はイソシアヌレート基を含有し、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび粗製MDIをベースとするポリマーである。
【0107】
本発明の熱可塑性成形材料中に存在することができる成分Eの量は変動することができ、実質的に生成物に課せられた要求に依存する。成分Eの存在する割合は成分A〜Eの全質量に対して有利に0.1〜5質量%、特に0.2〜3質量%、特に有利に0.2〜1質量%である。
【0108】
本発明の成形材料は成分A〜Eのほかに場合により他の成分を含有することができる。これに関して充填剤および補強剤(成分F)および添加剤(成分G)を記載すべきである。本発明の成形材料は一般に少量の水を含有する。これらは多くの場合に成分A〜Eの質量に対して0.5質量%を上回らない。
【0109】
成分F
本発明の成形材料に一般に存在する成分Fの量は成分A〜Eの全質量に対して0〜60質量%である。1つの有利な実施態様において例えば成分Fの割合は成分A〜Eの全質量に対して3〜55質量%であることができる。
【0110】
繊維状または粒子状充填剤は有利に炭素繊維または特にガラス繊維である。使用されるガラス繊維はEガラス、Aガラス、またはCガラスからなることができ、有利に糊料およびカップリング剤が備えられている。直径は一般に6〜20μmである。連続フィラメント繊維(ロービング)または1〜10mm、有利に3〜6mmの長さを有するチョップドガラス繊維を使用する。ガラスビーズ、無機繊維、ホイスカー、酸化アルミニウム繊維、雲母、カオリン、タルク、粉末状石英およびウォラストナイトのような充填剤または補強剤を添加することもできる。金属フレーク(metal flakes、Transmed社)、金属粉末、金属繊維、金属被覆充填剤(ニッケル被覆ガラス繊維)および電磁波からの選別を生じるほかの添加された材料を使用することができる。特にEMI(電磁干渉)適用のためのAlフレーク(K102、Transmed社)を使用することができる。成形材料は更に付加的な炭素繊維、導電性ブラックまたはニッケル被覆炭素繊維と混合することができる。適当な繊維状または粒子状充填剤の一般的な説明はGaechter/Mueller、Kunststoff−Additive、3rd Edition Hanser Verlag、1990、549−578および617−662に記載されている。
【0111】
成分G
本発明の熱可塑性成形材料に一般に存在する成分Gの量は成分A〜Eの全質量に対して0〜20質量%である。例えば1つの有利な実施態様において成分Gの割合は成分A〜Eの全質量に対して0.1〜15質量%である。
【0112】
この成分Gの例は加工助剤および安定剤、例えばUV安定剤、潤滑剤、燐安定剤および帯電防止剤である。他の成分は染料、顔料または酸化防止剤である。安定剤は耐熱性を改良し、耐光性を高め、加水分解抵抗を高め、化学抵抗を高めるために使用することができる。潤滑剤は特に成形品の製造中に有利である。
【0113】
適当な安定剤は通常のヒンデルトフェノールであるが、ビタミンEまたは類似の構造の化合物でもある。HALS安定剤が適しており、ベンゾフェノン、レゾルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾールおよび他の化合物である。例はIRGANOX(登録商標)、TINUVIN(登録商標)、例えばTINUVIN(登録商標)770、HALS吸収剤、ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートおよびTINUVIN(登録商標)P(UV吸収剤、(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール)、TOPANOLである。
【0114】
適当な潤滑剤および離型剤はステアリン酸およびステアリルアルコール、ステアリン酸エステル、および一般的な高級脂肪酸、これらの誘導体および12〜30個の炭素原子を有する適当な脂肪酸混合物である。
【0115】
使用することができる他の添加剤はシリコーン油、オリゴマーイソブチレン、および類似の物質である。顔料、染料、増白剤、例えばウルトラマリンブルー、フタロシアニン、二酸化チタン、硫化カドミウム、ペリーレンテトラカルボン酸の誘導体を使用することもできる。
【0116】
使用することができる他の成分Gはエステル交換安定剤、例えばIrgaphos(登録商標)PEPQ、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4′−ジフェニレンジホスホナイト、Ciba−Geigy社、またはホスフェート、例えば燐酸一亜鉛である。有利な酸化防止剤はフェノール酸化防止剤である。有利なUV安定剤はトリアゾールである。
【0117】
成形材料の製造
本発明の成形材料は成分A〜Eおよび適当な場合はFおよびGを混合することにより製造する。成分を混合する順序は希望するとおりである。
【0118】
本発明の成形材料は押出のような自体公知方法により製造することができる。本発明の成形材料を製造する1つの方法は、出発成分を通常の混合装置、例えばスクリュー押出機、有利に二軸スクリュー押出機、ブラベンダーミキサー、またはバンバリーミキサーまたはほかのニーダーで混合し、その後押し出すことである。押出物を冷却し、粉砕する。成分の混合の順序は変動することができる。例えば2個または適当な場合は3個の成分を予め混合し、ほかのすべての成分を一緒に混合することができる。混合の均一性を最大にするために、かなり緊密な混合が有利である。ここで必要な平均混合時間は一般に230〜300℃、有利に230〜280℃の温度で0.2〜30分である。押出物を一般に冷却し、粉砕する。
【0119】
本発明の成形材料は衝撃強度と流動性の良好なバランスを有し、特に明らかに増加した極限引っ張り強さを有する。成分Bとしてポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートを含有する本発明の成形材料は更に温度および湿度の変化にさらされた場合でも良好な寸法安定性を有する。成分Cがジエンベースゴムである本発明の成形材料は一般に特別な強靱性の利点を有するが、ゴム成分がアクリレートベースである成形材料は屋外の使用のための材料の製造にきわめて適している。
【0120】
前記特性は成形材料を成形品の製造に適したものにし、これらの成形品は例えば家庭用品、電機部品、自動車部品または医療技術の分野に使用することができる。例として保護カバー、換気グリル、自動車内装用ラジオカバーである膨張ギャップがないことを目的とする固定した成形品を製造するために、成分Bとしてポリブチレンテレフタレートおよび成分Cとしてアクリレートグラフト基材を有するグラフトゴムを含有する本発明の成形材料が特に有利である。
【0121】
本発明の熱可塑性成形材料は熱可塑性プラスチックを処理する公知方法により、例えば押出、射出成形、カレンダー加工、吹き込み成形、圧縮成形または焼結により処理することができる。
【0122】
本発明を実施例により以下に説明する。
【0123】

成分A1:
スチレン/アクリロニトリル(質量比75/25)をベースとするコポリマー、粘度数80ml/g
成分B1:
ポリブチレンテレフタレート、例えばUltradur(登録商標)B4500、BASF社、粘度数130ml/g(濃度0.5質量%のo−ジクロロベンゼン/フェノール溶液で測定した)により特徴付けられる。
成分C1:
ポリ−n−ブチルアクリレートからなるグラフト基材60質量%およびスチレンおよびアクリロニトリルの混合物をベースとするグラフト40質量%を有するグラフトゴム
成分C2:
スチレンおよびアクリロニトリルからなるグラフト62質量%およびポリブタジエンからなるグラフト基材38質量%を有するグラフトゴム、例えばRonfalin(登録商標)TZ237
成分D1:
スチレン/アクリロニトリル/無水マレイン酸(質量比:75/24.5/0.5)をベースとするターポリマー、粘度数80ml/g
成分D2
スチレン/アクリロニトリル/無水マレイン酸(質量比:75/24.1/0.9)をベースとするターポリマー、粘度数80ml/g
成分D3:
スチレン/アクリロニトリル/無水マレイン酸(質量比:68/29.9/2.1)をベースとするターポリマー、粘度数65ml/g
成分D4:
スチレン/アクリロニトリル/無水マレイン酸(質量比:73/22.3/4.7)をベースとするターポリマー、粘度数69ml/g
成分E1:
NCO含量31.2質量%(DIN53185により決定した)を有し、25℃で粘度200mPas(DINENISO3219により決定した)を有するポリ(メチレン(フェニレンイソシアネート))、例えばLupranat(登録商標)M20A,BASF社、
成分E2:
イソシアヌレート基を含有し、ヘキサメチレンジアミンをベースとするポリイソシアネート、DIN53185により決定したNCO含量21.0質量%および23℃/2500s−1で粘度3000mPas[DINENISO3219により決定した]を有する、例えばBasonat(登録商標)HI100、BASF社、
成分F1:
エポキシ糊料を備えた、繊維直径10μmおよびステープル長さ4.5mmを有するガラス繊維。
【0124】
成形材料の製造および試験
二軸スクリュー押出機を使用して成分を混合した。溶融物を、水浴を通過させ、ペレットにした。引き続き射出成形(溶融温度250℃/型温度60℃)により製造した試験体で機械的特性を決定した。
耐熱性をビカーBにより決定した。生成物の耐衝撃性をISO1791eAによりISO試験体で決定した。
弾性率および破断時引っ張り歪みをISO527により決定した。
【0125】
成形材料の構成および試験結果を表1および2に記載する。
【0126】
【表1】

【0127】
【表2】

【0128】
c:比較試験
本発明の熱可塑性成形材料のすぐれた特性を試験で確認し、破断時引っ張り歪みおよびノッチ付衝撃強度の改良が特に強調されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー(a1)および少なくとも1種のコポリマー(a2)をベースとする、ヒドロキシル基、酸基、アミノ基または無水物基が存在しない、少なくとも1種のゴム不含コポリマー、
B)少なくとも1個のヒドロキシル基、酸基またはアミノ基が存在する、少なくとも1種のゴム不含ポリマー、
C)少なくとも1種のゴム、成分A〜Eの全質量に対して3〜50質量%、
D)d1)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー
d2)少なくとも1種のC〜C−アルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリロニトリル、および
d3)1個のα、β−不飽和無水物が存在する少なくとも1種のモノマー、成分d1)〜d3)の全質量に対して0.4〜4質量%
から得られる少なくとも1種のターポリマー、および
E)少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物
からなる熱可塑性成形材料。
【請求項2】
成分Dの割合が成分A〜Eの全質量に対して0.4〜30質量%である請求項1記載の熱可塑性成形材料。
【請求項3】
成分Eの割合が成分A〜Eの全質量に対して0.1〜5質量%である請求項1または2記載の熱可塑性成形材料。
【請求項4】
成分Aとしてビニル芳香族モノマーと(メタ)アクリロニトリルの少なくとも1種のコポリマーを含有する請求項1から3までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項5】
成分Bとして少なくとも1種のポリエステルまたはポリアミドを含有する請求項1から4までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項6】
成形品、フィルムまたは繊維を製造するための請求項1から5までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料の使用。
【請求項7】
請求項1から5までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料を使用して得られる成形品、フィルムまたは繊維。
【請求項8】
A)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー(a1)および少なくとも1種のコポリマー(a2)をベースとする、ヒドロキシル基、酸基、アミノ基または無水物基が存在しない、少なくとも1種のゴム不含コポリマー、
B)少なくとも1個のヒドロキシル基、酸基またはアミノ基が存在する、少なくとも1種のゴム不含ポリマー、
C)少なくとも1種のゴム、成分A〜Eの全質量に対して3〜50質量%
を含有する熱可塑性成形材料の相溶性を改良する方法であり、前記成分A〜C)を、
D)d1)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー
d2)少なくとも1種のC〜C−アルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリロニトリル、および
d3)1個のα、β−不飽和無水物が存在する少なくとも1種のモノマー、成分d1)〜d3)の全質量に対して0.4〜4質量%
から得られる少なくとも1種のターポリマー、および
E)少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物
の存在で混合することを特徴とする、熱可塑性成形材料の相溶性を改良する方法。
【請求項9】
少なくとも1個のヒドロキシル基、酸基またはアミノ基が存在する少なくとも1個のゴム不含ポリマーを含有する熱可塑性成形材料のための相溶化剤としての、
d1)少なくとも1種のビニル芳香族モノマー
d2)少なくとも1種のC〜C−アルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリロニトリル、および
d3)1個のα、β−不飽和無水物が存在する少なくとも1種のモノマー、成分d1)〜d3)の全質量に対して0.4〜4質量%
から得られる少なくとも1種のターポリマーDおよび少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種の化合物Eの混合物の使用。

【公表番号】特表2006−509875(P2006−509875A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560399(P2004−560399)
【出願日】平成15年12月13日(2003.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014196
【国際公開番号】WO2004/055107
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】