熱水生成装置ならびにそれを用いた冷温水サーバー
【課題】取水効率を高め、消費電力の少ない熱水生成装置を提供する。
【解決手段】熱水タンク5の底部に隙間をおいてほぼ平行に配置されて、外周部に複数の通水部31を等間隔に形成し、給水口と対向する中央部には通水部31形成されていない熱水用整流板29を有し、熱水タンク5の底部と熱水用整流板29の間に分散空間部30が形成されていることを特徴とする。
【解決手段】熱水タンク5の底部に隙間をおいてほぼ平行に配置されて、外周部に複数の通水部31を等間隔に形成し、給水口と対向する中央部には通水部31形成されていない熱水用整流板29を有し、熱水タンク5の底部と熱水用整流板29の間に分散空間部30が形成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば飲料用の電子冷温水サーバーなどに適用する熱水(温水)生成装置に係り、特に効率良く水温調整ができて、消費電力の少ない熱水生成装置ならびにそれを用いた冷温水サーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より会社やオフィスなどに冷温水サーバーが設置されて、そのサーバーから所望の冷水あるいは熱水(温水)を飲料用として取水していた。この冷温水サーバーからは、5℃〜10℃程度の冷水と85℃以上の熱水(温水)が取水できるようになっている。前記冷温水サーバーにはコンプレッサーを使用して冷水を生成するタイプのものと、ペルチェ素子を使用して冷水を生成するタイプのものとがあり、両方のタイプとも熱水は電気ヒーターを使用して生成するのが一般的である。
【0003】
前記コンプレッサータイプのものは、コンプレッサー、冷媒、冷媒用配管ならびに熱交換器などが必要で、装置が大型化し重量が重く、組立てが複雑であり、コンプレッサーの作動により騒音が発生し、消費電力が多くランニングコストが高いなどの欠点を有している。
【0004】
これに対してペルチェ素子を使用した電子冷温水サーバーは、コンプレッサー、冷媒、冷媒用配管ならびに熱交換器などが不要で、装置がコンパクトで軽量化でき、組立てが容易で、騒音発生を小さくすることができ、消費電力が少なくランニングコストが低いなどの特長を有している。
【0005】
図16は、従来の前記電子冷温水サーバーの概略構成図である。同図に示すようにケーシング1の上部には、飲料水2を貯留したウォーターボトル3が交換可能に装着されている。
【0006】
ケーシング1内部の上方には冷水を生成する例えばアルミニウムなどからなる熱伝導性の良い冷水タンク4が、ケーシング1内部の下方には熱水を生成する熱水タンク5がそれぞれ設置され、その冷水タンク4から熱水タンク5に向けて送水管6が延びている。
【0007】
前記冷水タンク4の外周面には、ペルチェ素子7、熱導体8、放熱フィン9などからなる電子冷却ユニット10が取り付けられており、前記放熱フィン9に対向するように放熱ファン11が設置されている。冷水タンク4、ペルチェ素子7ならびに熱導体8の外周は断熱材12で覆われている。前記ペルチェ素子7は電源基板13に接続され、図示しないコントローラによって通電制御がなされている。冷水タンク4の底部には冷水取水管14が接続され、それの先端部は冷水取水口15に接続されている。
【0008】
前記熱水タンク5の内部にはコイル状に巻かれた電気ヒーター16が設置され、熱水タンク5の外周は断熱材17で覆われている。この図では熱水タンク5の内部に電気ヒーター16を設置した場合を示したが、熱水タンクの外周にバンドヒーターを巻装する構造のもの、あるいは熱水タンクの底面に面状ヒーターを貼り付ける構造のものもある。熱水タンク5の上部には熱水取水管18が接続され、それの先端部は熱水取水口19に接続されている。
【0009】
前記送水管6の上端部には皿状のセパレータ20が取り付けられ、セパレータ20は図に示すように冷水タンク4の比較的上位置に配置され、ケーシング1にセットしたウォーターボトル3の開口部と対向している。
【0010】
ウォーターボトル3をケーシング1の上部にセットすると、ウォーターボトル3内の飲料水2(常温水)は前記セパレータ20上に落下し、そのセパレータ20から溢れた飲料水2は冷水タンク4内に溜まるとともに、セパレータ20から送水管6を通り熱水タンク5内にも溜まる。
【0011】
そして前記放熱ファン9を回転駆動しながら前記ペルチェ素子7に通電することにより、その熱電変換機能(ペルチェ効果)により熱伝導性の良い冷水タンク4を介して飲料水2が冷却され、5℃〜10℃程度になった冷水21が冷水取水管14を通して冷水取水口15から取り出される。
【0012】
一方、電気ヒーター16に通電することにより、熱水タンク5中の飲料水2が加熱され、高温になった水が密度差により熱水タンク5の上部に上昇し、例えば85℃以上になった熱水22が熱水取水管18を通して熱水取水口19から取り出される仕組みになっている。符号23は温度センサーで、熱水タンク5の外周面上部に取り付けられているか、タンク内部に設置される場合は前記電気ヒーター16とほぼ同じ位置かそれよりも低い位置に設置されている。
【0013】
なお取水口15,19からの取水速度が所定以上に確保できるよう、取水口15,19に対してウォーターボトル3が高位置にセットされて、水頭圧差を利用している。
【0014】
前記セパレータ20は、冷水タンク4内で温度の下がった水が送水管6を通して熱水タンク5中に混入するのを防止するために設置されている同時に、熱水タンク5の熱水が冷水タンク4に戻った時に冷水を攪拌しないように設けられている。
【0015】
なお、この種の冷温水サーバーの公知技術として、例えば下記のものを挙げることができる。
【0016】
【特許文献1】特開平08−053196号公報
【特許文献2】特開平10−026454号公報
【特許文献3】特開平11−255294号公報
【特許文献4】特開平11−314699号公報
【特許文献5】特開2003−128194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ここでコンプレッサー式タイプのものについて少し説明する。コンプレッサー式冷温水サーバーの場合、配置上、発熱体であるコンプレッサーが最下位置に配置される設計になっている。そのためにコンプレッサーの上方に設置されている冷水タンクの環境温度がコンプレッサーからの発熱により上昇して、冷水タンクの冷却効率が下がる。
【0018】
またコンプレッサー式の冷水タンクの場合、冷熱が−23℃の冷媒を使用しているため、冷水タンクの断熱性を上げると、冷水タンク内の水が凍結してしまい、通水不良や漏水などの原因となる。そのため発泡スチロールを使用した程度の断熱しかできず、熱漏れが大きく、また外気温度上昇の影響も受けやすいことから、効率の良い冷却ができない。
【0019】
ところで従来の冷温水サーバーでは、熱水タンク5の上部に熱水22などの高温水が溜まっている状態(上部熱水層が形成されている状態)で、送水管6から低温の飲料水2が補給された際、その補給水の勢いにより熱水タンク5内で攪拌流が生じて拡散現象が起こり、それによって上部熱水層に低温の水が混ざり込み、上部熱水層の状態が崩れて、連続取水量(所定温度以上の熱水を熱水取水口19から連続して取り出せる量)が減少し、サーバーの経済性に問題がある。
【0020】
これらの影響で、通常のコンプレッサー式冷温水サーバーのタンクの容量は3リットル程度あるにもかかわらず、連続取水量は前記容量の30%〜40%程度でしかない。
【0021】
また、熱水タンク5内に電気ヒーター16への通電制御のために温度センサー23が設置されているが、その設置位置が従来は電気ヒーター16とほぼ同じ位置かあるいはそれよりも低い位置であった。タンク外周部の上面で温度検知する場合、ヒーターにより加熱された実際の水温と検知温度との温度差が大きくなるため、沸騰などの現象が起き易く、蒸発潜熱としてエネルギーを損失する。そのため熱水タンク容量の約55%〜60%程度しか熱水として取水できない。
【0022】
タンク内のヒーターと同等の位置かそれより下に温度センサーを設置した場合、飲料水2の補給で熱水タンク5内の水温が下がったことを温度センサー23で検出すると、電気ヒーター16へ通電して再加熱されるが、その際に熱水タンク5の上部に形成されている上部熱水層で拡散現象が発生して、連続取水量が減少して、この点からもサーバーの経済性に問題がある。
【0023】
さらに従来の冷温水サーバーは、冷水タンク4の下方に熱水タンク5が配置されて、両者が送水管6で連通しているため、熱水タンク5で発生した熱エネルギーが送水管6を介して冷水タンク4に伝わるから、ペルチェ素子7に所定の電力を供給しても十分な冷却効果が得られない。
【0024】
本発明の目的は、効率良く水温調整ができて、取水効率を高め、消費電力の少ない熱水生成装置ならびにそれを用いた冷温水サーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の手段は、熱水を生成して収容する熱水タンクと、
その熱水タンクの底部のほぼ中央部から水を供給する例えば後述の熱水用受水管からなる給水管と、
その給水管から供給された水を加熱する電気ヒーターと、
前記熱水タンク内の底部付近に隙間をおいて底部とほぼ平行に配置されて、外周部に複数の例えば後述の通水孔あるいは通水スリットなどの通水部を周方向に沿って等間隔に形成して、前記給水管の給水口と対向する中央部には通水部が形成されていない熱水用整流板とを備え、
前記熱水タンクの底部と熱水用整流板の間に、前記給水管から供給された水が前記熱水用整流板の中央部に衝突して熱水用整流板の外周部側に分散する分散空間部が形成されていることを特徴とするものである。
【0026】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記熱水タンク内の水の温度を検出する温度センサーの検出端が、前記電気ヒーターよりも上位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の第3の手段は、ケーシングの上部に設置されて飲料水を収容したウォーターボトルを交換可能に装着できる受水ユニットと、
その受水ユニットを通して前記ウォーターボトル内の水を供給して、熱水を生成する熱水タンクユニットと冷水を生成する冷水タンクユニットとを備えた冷温水サーバーにおいて、
前記熱水タンクユニットが前記第1または第2の手段の熱水生成装置であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、給水口から供給された水は、熱水用整流板への衝突、流れの方向転換、分散空間部内での分散などにより水の勢いが急激に減衰し、熱水用整流板の上にある熱水を全体的に押し上げるようにして各通水部から均等に熱水タンク内に導入される。
【0029】
このような状態で補給されるから、熱水タンクの上部に形成されている上部熱水層の層状態が崩れることなく、所定の温度に維持された上部熱水層が確保でき、そのために熱水の連続取水量を従来のものよりも増し、効率良く水温調整ができて、消費電力の少ない熱水生成装置ならびにそれを用いた冷温水サーバーを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に本発明の実施形態を図と共に説明する。図1は実施形態に係る電子冷温水サーバーに用いる熱水タンクユニットの一部を断面にした概略構成図、図2はその熱水タンクユニットに装着する熱水用整流板の平面図、図3は実施形態に係る電子冷温水サーバーの概略構成図である。
【0031】
まず図3を用いて本発明の実施形態に係る電子冷温水サーバーの概略構成を説明する。同図に示すようにケーシング1の上部には受水ユニット24が設置され、飲料水2を貯留したウォーターボトル3が前記受水ユニット24に対して交換可能に装着されている。
【0032】
ボトルを下置きにしてポンプアップして供給する場合もあるが、この場合も後述するタンク内の構造等は同様である。また、バグインボツクスと称される水を入れたポリ袋を紙箱に収容して、その紙箱をセットする場合もあるが、この場合も後述するタンク内の構造は同様である。さらにコンプレッサーを使用した系にも有効である。
【0033】
ケーシング1の内部には従来と反対に、ケーシング1の下側に冷水タンクユニット25が、上側に熱水タンクユニット26が、それぞれ設置されている。また冷水タンクユニット25と熱水タンクユニット26は、並列位置に設置してもよい。前記受水ユニット24からは冷水用受水管27と熱水用受水管28が分岐しており、それぞれ冷水タンクユニット25と熱水タンクユニット26に接続されている。また冷水タンクユニット25と熱水タンクユニット26からは冷水取水管14と熱水取水管18が延びており、冷水取水口15と熱水取水口19にそれぞれ接続されている。
【0034】
次に熱水タンクユニット26について図1とともに説明する。同図において熱水タンク5は円筒形をしており、上下分離タイプで、接合部はOリング(図示せず)が介在されて液密にシールされている。熱水タンク5の材質としてはポリフェ二レンスルフィド(PPS)食品グレードのものが使用される。タンク形状は正方形に近い四角形でもよいが、タンク内の通水が均等にできるように通水口の分散配置を検討することが必要である。
【0035】
熱水タンク5の底板5aの中央部に、前記受水ユニット24から延びた熱水用受水管28が接続されている。前記底板5aの若干上方には、隙間をおいて底板5aと平行に熱水用整流板29が設置され、熱水用整流板29の外周部は熱水タンク5の内周面に接合して、底板5aと熱水用整流板29の間に薄い分散空間部30が形成されている。
【0036】
熱水用整流板29は図2に示すように熱水タンク5の内周と同じように外形が円板状をしており、その外周付近に円周方向に沿って等間隔に同径の通水孔31が複数個形成されており、前記熱水用受水管28の給水口32(図1参照)と対向する熱水用整流板29の中央部分には前記通水孔31は形成されていない。熱水用整流板29もPPS食品グレードのもので成形されている。
【0037】
前記底板5aならびに熱水用整流板29の中央部を貫通して熱水タンク5の内側にコイル状に巻回された電気ヒーター(シーズドヒーター)16が設けられ、電気ヒーター16よりも上側に温度センサー34の検出端34aが配置されている。電気ヒーター16の入力端ならびに温度センサー34の出力端は、それぞれ制御基板35の端子に接続されている。
【0038】
熱水タンク5の上側中央部から熱水取水管18の一端が差し込まれており、また熱水タンク5の上部に形成される空間部36には熱水側空気抜き管37の一端が臨んでおり、熱水側空気抜き管37は途中に熱水側空気抜き逆止弁38を設けて前記受水ユニット24に接続されている。
【0039】
熱水タンク5の上部と下部は例えば発泡ポリウレタン樹脂等の断熱材39で覆われており、熱水タンク5の周囲はVIP方式の真空断熱部材による真空断熱部40で覆われている。
【0040】
図3に示すようにウォーターボトル3から受水ユニット24を通して熱水用受水管28で補給された飲料水2は、図1に示すように熱水タンク5の底部中央に形成されている給水口32から供給される。この給水は、ウォーターボトル3からの飲料水2の自重によってなされる。本実施形態では飲料水2の自重によって給水を行なう構成になっているが、ポンプで給水する場合にも本発明は適用できる。
【0041】
給水口32から出た飲料水2は熱水用整流板29の中央部に衝突し、矢印で示すように流れの向きを変えて分散空間部30を内側から外側に向かってほぼ水平方向に拡がって分散してから、各通水孔31から均等に熱水タンク5内に導かれる。このように給水口32から供給された飲料水2は、熱水用整流板29への衝突、流れの方向転換、分散空間部30内での分散などにより水の勢い(拡散エネルギー)が急激に減衰し、熱水用整流板29の上にある熱水を全体的に押し上げるようにして各通水孔31から均等に熱水タンク5内に導入される。
【0042】
従って、従来のように熱水タンク5内で低温水が拡散して熱水と混ざり合うような現象が抑制され、飲料水2は熱水タンク5の下部からほぽ層状になって補給される。このような状態で補給されるから、熱水タンク5の上部に形成されている上部熱水層41の層状態が崩れることなく、所定の温度(本実施形態では85℃以上)に維持された上部熱水層41が確保でき、そのために熱水の連続取水量が従来のものよりも多い。
【0043】
また、本実施形態のように温度センサー34の検出端34aの位置を電気ヒーター16よりも上側にすることにより、温度センサー34が冷水を検知して電気ヒーター16に通電して水を再加熱し始めた時点では、冷水は電気ヒーター16の上部まできており再加熱が始まっても上部熱水層と冷水層の密度差により拡散はほとんど生じず、冷水層が65℃程度の熱水となるまで前記上部熱水層41での攪拌現象はほとんど発生しないことが諸種の実験によって判明した。逆に、電気ヒーター16が熱水層にかかった状態で再加熱を始めた場合、ヒーター上面での加熱対流により熱水層への冷水の対流が発生することが判明した。このためセンサー位置を電気ヒーター16よりも上部に設置することで熱水の連続取水量を増加することができる。
【0044】
例えば85℃の熱水を連続して取り出せる量が、従来の標準的なサーバーの場合は熱水タンク容量の約55%〜65%であったが、本実施形態の場合は同じ熱水タンク容量の約85%〜90%の取水が可能となり、連続取水量が増加し、待たなくてもサーバーから多量の熱水を取り出すことができる。また同一熱水量を取り出す場合には、従来のものに比較して電力消費量を約30%削減することができる。
【0045】
また本実施形態の熱水タンクユニット26では、衛生環境維持のために熱水タンク5内の熱水を最低60℃以上に保温する保温モードが設けられており、例えば夜間などの保温モード時での熱の漏れを有効に防止するため、熱水タンク5の上部と下部は断熱材39で覆い、熱水タンク5の周囲は10mm厚みの真空断熱部40で覆う構造にする。これにより夜間6時間程度の通電なしでの60℃保温が可能となっている。これにより、待機電力の25%を衛生管理した除隊で低減できる。
【0046】
図4は冷水タンクユニット25の断面図、図5はその冷水タンクユニットに用いる拡散防止壁部材の斜視図である。
【0047】
冷水タンクユニット25は冷水タンク4を備え、その冷水タンク4は角型のタンク本体4aと、それの上側開口部を閉塞する蓋4bとで構成され、これらは例えばアルミニウムなどの熱伝導性の高い金属で形成されている。冷水タンク4の内面には、抗菌塗装が施されている。
【0048】
前記蓋4bの一方の端部付近には前記冷水用受水管27の一端が固定され、それの先端部には流れガイド部材42が取り付けられている。この流れガイド部材42は全体が筒状をしており、底部43が塞がれて、周壁に複数の長孔状の排出口44が形成されている。
【0049】
冷水タンク4の内側で前記流れガイド部材42の付近に、拡散防止壁部材45が設置されている。この拡散防止壁部材45は図5に示すように入口側壁46と、その入口側壁46と対向する出口側壁47と、前記入口側壁46と出口側壁47の端縁どうしを連結する端壁48,48とを有し、全体が四角形の筒状をしている。前記入口側壁46の下端部に流入口49を有し、前記出口側壁47の上端部に流出口50を有しており、この流入口49ならびに流出口50は拡散防止壁部材45の内側空間51(図4参照)と連通している。本実施形態ではこの拡散防止壁部材45は、抗菌性のポリプロピレンで成形されている。
【0050】
この拡散防止壁部材45を冷水タンク4の内側に装着することにより、拡散防止壁部材45の下端開口部はタンク本体4aの底部4cで塞がれ、拡散防止壁部材45の上端開口部は蓋4bで塞がれる。
【0051】
冷水取水管14の先端はタンク本体4aの底部4c近くまで延びており、その先端に斜めに切断した開口52が形成され、開口52は前記拡散防止壁部材45側に向けてある。
【0052】
冷水タンク4内に規定量の水を満たしたとき、冷水タンク4の上部に空間部53が形成されるが、前記冷水取水管14の空間部53と対応する位置に空気抜き口54が形成されている。また前記空間部53には冷水側空気抜き管55の一端が臨んでおり、冷水側空気抜き管55は途中に熱水側空気抜き逆止弁56を設けて前記受水ユニット24に接続されている。
【0053】
冷水を生成する電子冷却ユニット10はペルチェ素子7、熱導体8、放熱フィン9などからなり、前記放熱フィン9に対向するように放熱ファン11が設置されている。本実施形態の場合、前記電子冷却ユニット10はタンク本体4aの底部4cならびにタンク本体4aの前記流れガイド部材42と対向する側壁4eまたは側壁4eと底面4cにそれぞれ取り付けられている。
【0054】
このように本実施形態は電子冷却ユニット10がタンク本体4aの底部4cと側壁4eにそれぞれ取り付けられているから、冷水タンク4内の水温を検出する温度センサー57はそれら電子冷却ユニット10から遠い位置、すなわち電子冷却ユニット10とほぼ反対側のタンク本体4aの前記側壁4dの上端部付近に設置されている。
【0055】
図4に示すように冷水タンク4内に拡散防止壁部材45を設置することにより、タンク本体4aの側壁4dと拡散防止壁部材45の入口側壁46との間に受水エリア(容積V1)が形成され、拡散防止壁部材45の入口側壁46と出口側壁47との間に流通エリア(容積V2)が形成され、拡散防止壁部材45の出口側壁47とタンク本体4aの側壁4eとの間に取水エリア(容積V3)が形成される。このように拡散防止壁部材45の介在により、飲料水2を補給する受水エリアと、冷水を生成して下部冷水層58を形成しその冷水を取水する取水エリアとを確実に隔離(分離)することができる。
【0056】
この受水エリアと取水エリアの隔離(分離)により、取水エリアで形成される下部冷水層58に対する受水エリア内での水の流れの影響が実質的に抑制されるとともに、受水エリアから取水エリアへの熱の移動も抑制されて、取水エリアでの冷却効率を高めることができる。
【0057】
前記各エリアの容積Vの関係はV1<V2<V3またはV1=V2<V3のようになっており、取水エリアの容積V3を最も大きくしている。このようにすることにより、取水エリア内の水の流れが最も緩やかになり、しかも多量の冷水を保留することができる。
【0058】
ウォーターボトル3から受水ユニット24を通して冷水用受水管27で補給された飲料水2は、直交方向への拡散板である流れガイド部材42の底部43に衝突して、水平方向に流れ排出口44から出る。図4に示すように流れガイド部材42の両側近くにはタンク本体4aの側壁4dと拡散防止壁部材45の入口側壁46とがあるから、飲料水2は矢印で示すように前記側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って静かに流下する。このように飲料水2を側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って流下する構造は、水の流れが乱れるのを抑制し、後述する下部冷水層58の拡散防止に役立つ。
【0059】
取水ならびに補水による冷水タンク4内の水の流れは矢印で示すように、側壁4dならびに入口側壁4に沿って流下し、拡散防止壁部材45の下側の流入口49から入り、拡散防止壁部材45の内側空間51を徐々に上昇して流出口50から出る。最も大きい容積V3を有する取水エリアに出た水は、電子冷却ユニット10により十分に冷却され、冷水タンク4の下部に溜まった5℃以下の冷水は開口52から冷水取水管14内を通って冷水取水口15(図3参照)に至る。
【0060】
前述のように冷水取水管14の先端に形成された開口52は拡散防止壁部材45側に向けてある。所定温度以下(本実施形態では5℃以下)に冷却された冷水は最終的には、取水エリアの特に冷水タンク4の底部4cの拡散防止壁部材45付近に溜まるから、開口52の位置を前述のようにすれば確実に所定温度以下に冷却された冷水を取り出すことができる。この給水もウォーターボトル3内の飲料水2の自重によるものである。前述の所定温度以下に冷却した冷水を確実に取り出すことができるという効果は、ポンプで給水する構成のものでも同様に得ることができる。
【0061】
前述のように冷水タンク4内の補水の経路上に、その補水を下側の流入口49から入れて、内側空間51内を徐々に上昇させて上側の材45の流出口50から出すようになっている拡散防止壁部材45を配置すれば、補給水の注入による下部冷水層58の拡散が防止でき、冷水の連続取水量が従来のものよりも多くなる。
【0062】
拡散防止壁部材45における流入口49の流通断面積(流入口49の開口面積に等しい)をS1、内側空間51の流通断面積(内側空間51の開口面積に等しい)をS2、流出口50の流通断面積(水面が下がっているため流出口50の開口面積よりも狭い)をS3とした場合、S1<S2<S3またはS1=S2<S3の関係にある。このようにすることにより、拡散防止壁部材45の流出口5における水の流れの勢いが緩やかになる。
【0063】
5℃以下の冷水を連続して取水する量が、従来の標準的なサーバーの場合は冷水タンクの容量の約30%〜40%であったが、本実施形態の場合は同じ冷水タンクの容量の約70%以上となり、連続取水量が増加し、待たなくてもサーバーから多くの冷水を取り出すことができる。また同一冷水量を取り出す場合には、従来のものに比較して電力消費量を大幅に削減することができる。
【0064】
ペルチェ素子を使用した電子冷却の効率の良い冷却方法は、オン/オフ制御ではなく、制御温度に合わせてペルチェ素子への出力を調整するリニア制御である。ところが冷水を生成する段階では可能な限り冷却速度を速くする必要があリ、そのためには制御温度近くになってもペルチェ素子への出力を100%で動作させ、設定温度になってから制御に入る方法がある。しかしこの方法は、外気温度や水温の影響を受けるため予め冷却時間を予測することは困難である。
【0065】
そこで本実施形態では、冷水タンク4の電子冷却ユニット10を設置した近傍よりも冷水となるのが遅い、電子冷却ユニット10からできるだけ離れた冷水タンク4の位置、すなわち給水口近くに温度センサー57を設置して、その付近の水温を測定して電子冷却ユニット10への通電制御をしている。このようにすることにより、取水温度が設定温度にほぼ近づくまで100%出力で冷却ができて、冷却の高速化が可能となると同時に、冷水を取水した後の再冷却が直ちに開始できる。
【0066】
また取水時ならびにその後の補水時に水温が最も速く上昇するが、前述のような温度センサー57の設置になっておれば、素早く冷却動作に入ることができる。
【0067】
本実施形態では、冷水タンク4の底部4cと側壁4eの両方に電子冷却ユニット10を設置したため、これらから離すために温度センサー57を反対側の側壁4dの上端部付近に設置しが、電子冷却ユニット10を冷水タンク4の底部4cのみに設置する場合は、冷水タンク4の上端開口部の補水給水口に近い位置に温度センサー57を設置すればよい。また電子冷却ユニット10を冷水タンク4の側壁4eのみに設置する場合は、それと反対側の側壁4dのいずれかに温度センサー57を設置すればよい。
【0068】
本実施形態に係る冷温水サーバーの場合、熱水取水効率アップによる電力低減と、冷水取水効率のアップと、タンク断熱効果のアップと、保温モードの導入による相乗効果により総合消費電力の40%以上低減することができる。
【0069】
図6は、前記熱水用整流板29の変形例を示す平面図である。この例では熱水用整流板29の外周部に沿って等間隔に同一のスリット面積を有する通水スリット59を複数形成している。
【0070】
図7は前記熱水用整流板29のさらに変形例を示す平面図、図8はその熱水用整流板29の一部を断面した正面図である。この熱水用整流板29の外周部には所定の高さを有する外周壁63が設けられ、その外周壁63の径方向内側に周方向に沿って等間隔に同一のスリット面積を有する通水スリット59を複数形成している。この熱水用整流板29を熱水タンク5の底板5a(図1参照)上に設置することにより、この熱水用整流板29の外周壁63により分散空間部30(図1参照)が確保される。
【0071】
図中の64は電気ヒーター16を固定するために使用されるフランジ部(図示せず)を嵌合するための嵌合穴、65は電気ヒーター16の両端部を挿通するための挿通孔であり、これら嵌合穴64ならびに挿通孔65は電気ヒーター16を設置することにより塞がれる。
【0072】
図9は、拡散防止壁部材45の変形例を示す縦断面図である。この例では拡散防止壁部材45の入口側壁46と出口側壁47の間隔が下部から上部に行くに従って徐々に広がっている。本変形例では入口側壁46と出口側壁47の両方に角度θの傾斜を設けたが入口側壁46または出口側壁47の何れか一方に傾斜を設けてもよい。このように傾斜を付けた場合、前記内部空間51の流通断面積S2は、拡散防止壁部材45の下端の開口面積とする。
【0073】
図10は冷水タンクユニット25の変形例を示す断面図、図11はその冷水タンクユニットに用いる冷水用整流板の平面図である。
【0074】
この変形例では、流れガイド部材42の下方で、冷水タンク4の側壁4dと拡散防止壁部材45の入口側壁46の間に冷水用整流板60がほぼ水平方向に設置されている。図11に示す冷水用整流板60の横幅Wは前記側壁4dと入口側壁46の間隔とほぼ等しく、冷水用整流板60の奥行きLは冷水タンク4の奥行きとほぼ等しくなっている。
【0075】
冷水用整流板60の両側端近傍には、冷水用整流板60の奥行き方向に沿って等間隔に孔状あるいはスリット状の通水部61が複数形成されている。
【0076】
流れガイド部材42の排出口44から出た飲料水2は側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って流下することにより、流れの乱れが解消される。そしてさらにこの冷水用整流板60に衝突して、冷水用整流板60の平面に沿って水平方向に拡散されることにより、水の流れの勢いが大幅に減衰されて、各通水部61からまた側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って静かに流下する。このことにより下部冷水層58の拡散がより確実に防止できる。
【0077】
この変形例では流れガイド部材42と冷水用整流板60を併用したが、流れガイド部材42を省略して冷水用整流板60のみを設置することもできる。
【0078】
図12は本発明の実施形態に係る受水ユニット24を説明するための断面図、図13は従来の受水ユニットを説明するための断面図である。受水ユニットは、ウォーターボトル3の給水口をセットして、サーバー本体への通水と外部空気のウォーターボトル3への導入を同時に行なう機能を有している。
【0079】
まず、図13を用いて従来の受水ユニットについて説明する。ウォーターボトル3の先端部分をウォーターガード70と呼ばれる上部ボトル固定部品に逆さまに挿入してセットする。これによりウォーターボトル3の先端部は、ウォーターガード70内に固定されているボトルプラグ71に差し込まれる。
【0080】
冷水タンク4内に飲料水2が入ってない場合、ウォーターボトル3内の飲料水2は自重で冷水タンク4内に落下するとともに、それと入れ替わりに外部の空気72が空気逆止弁73ならびにボトルプラグ71を通ってウォーターボトル3内に入る。図中の74は、空気72の導入時に生成する水中の気泡である。
【0081】
同図に示すように冷水タンク4内の水面75がボトルプラグ71の下端開口まで到達すると、冷水タンク4内は陽圧となり前記空気逆止弁73が働いて密封される。図示しない冷水取水口より取水すると、冷水タンク4内の水面75がボトルプラグ71の下端開口より下がり、それによって空気72が再び空気逆止弁73ならびにボトルプラグ71を通ってウォーターボトル3内に入ることにより、それと入れ替わりにウォーターボトル3内の飲料水がボトルプラグ71を通って冷水タンク4に補給される。
【0082】
従来の受水ユニットではボトルプラグ71の内部が1本の配管となっており、ボトルプラグ71の内側には仕切板76が設けてあるが途中までしか延びておらず、ボトルプラグ71内での空気72(気泡74)と水2の分離がなされていない。
【0083】
そのためボトルプラグ71内で気泡74が滞留して通水に支障をきたし、通水がスムーズに行なわれなかったり、場合によっては冷水タンク4への通水が停止することがある。また冷水タンク4への通水が大きく脈動することがあり、この大きな流量変動に伴う給水の影響で、タンク内で冷水や熱水が攪拌され、その結果取水温度が上昇したり、取水量が少なくなったりする問題がある。
【0084】
本実施形態ではこのような問題点を解消したものであり、図12を用いて説明する。同図に示すように給気系の空気逆止弁73からボトルプラグ71内に給気専用配管77を設け、これによってボトルプラグ71内を空気流路と水流路とに完全に分離した。これにより前述の問題点が解消され、ウォーターボトル3への空気の導入とウォーターボトル3からの通水がともにスムーズになり、冷水タンクや熱水タンクへの給水において脈流が少なくなることから、通水不良のトラブルがなくなり、さらにタンク内での攪拌がさらに抑制でき、取水効率をさらに高めることができる。
【0085】
ボトルプラグ71内の給気専用配管77の上側には、ボトルプラグ71側から水2が給気専用配管77内に侵入するのを阻止するためのプラグ内逆止弁78が設けられている。
【0086】
この逆止弁78が設けられていないと給気専用配管77内に水2が入り、次の通水時には、配管77内の水2が排出されるまで給気抵抗となり、結果的には通水量が少なくなる。ウォーターボトル3内へのスムーズな給気のためには、前記プラグ内逆止弁78が必要である。
【0087】
なお、外部に設置した吸気フィルターユニット内に逆止弁を設ける場合でも吸気配管を独立して前述のような効果を得ることができるが、前述のようにボトルプラグ71内に逆止弁78を設置する構造の方が良好である。
【0088】
外気と接する給気口側には、給気に同伴して塵埃類が給気専用配管77内に侵入するのを阻止するためにフィルター79が設けられている。このフィルター79にカテキンフィルターなどの抗菌フィルターを用いたり、除菌用の気体例えばクラスターイオンなどのガスやオゾンなどを滞留させることで、ボトル内に流入する空気による雑菌汚染を防ぐことができる。
【0089】
図12の実施形態では給気専用配管77の上側にプラグ内逆止弁78を設けたが、プラグ内逆止弁78を設けないで、その代わりに図12における前記フィルター79の下方にフロート式の逆止弁を設けることもできる。
【0090】
図12はボトルプラグ71の下に直接冷水タンク4が配置されている例を示しているが、図14は前述の図3に示す実施形態に適用可能な受水ユニットの構造を示している。同図に示すように受水ユニットの下部に冷水用受水管27と熱水用受水管28が接続されて、ウォーターボトル3からの飲料水2が前記ボトルプラグ71を通して前記冷水用受水管27と熱水用受水管28に分岐供給される。この実施形態においても給気専用配管77ならびにプラグ内逆止弁78の機能は前述と同様であるから、重複する説明は省略する。
【0091】
図15は、冷水タンク4への給水の他の例を示す断面図である。同図に示すようにボトルプラグ71の下方にはセパレータ20が設置され、セパレータ20の中央下部には送水管6が接続され、送水管6は冷水タンク4を通って熱水タンク5側に延びている。
【0092】
前記セパレータ20の下方にはそれよりも広い受け面積を有する皿状の受け部材66が配置されている。受け部材66の中央部には前記送水管6が貫通する摺動部67が設けられ、外周部には比較的浅い周壁68が設けられ、底部には周方向に等間隔に複数の流入口69が形成されている。受け部材66はポリプロピレンなどの水よりも軽い材料で構成され、冷水タンク4内の水面上に浮いた状態になっている。
【0093】
ウォーターボトル3内の飲料水2は前述のボトルプラグ71を通り、セパレータ20で水平方向に分散され、セパレータ20の外周壁から溢れ出た水2は一旦前記受け部材66内に受け止められ、その受け部材66に設けられている各流入口69から分散されて冷水タンク4内に導入される。熱水タンク5へは、セパレータ20から送水管6を通って供給される。
【0094】
この受け部材66が無いと、セパレータ20から溢れ出た水2が直接冷水タンク4内に落下することになり、その落下時の力により補給した常温水が折角冷やした冷水と混ざり込み、冷水の取水ができないことがある。
【0095】
これに対して受け部材66を設置することにより、水2の補給時に仮に大きな水圧が瞬間的にかかった場合、受け部材66自体が沈み込むことで落下の衝撃が吸収される。そのため各流入口69から流速の速い水2が冷水タンク4内に流れ込むことがなく、常温水と冷水の攪拌が抑制され、補給時でも冷水の取水が可能である。受け部材66内の水2が冷水タンク4内に移動すると、受け部材66はその浮力でまた元の位置に戻り、次の補給に対応することができる。
【0096】
前記実施形態ではペルチェ素子を用いた電子冷温水サーバーの場合について説明したが、本発明はコンプレッサー式の冷温水サーバーにも適用可能である。また本発明は熱水のみあるいは冷水のみを取水するサーバーにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施形態に係る電子冷温水サーバーに用いる熱水タンクユニットの一部を断面にした概略構成図である。
【図2】その熱水タンクユニットに装着する熱水用整流板の平面図である。
【図3】実施形態に係る電子冷温水サーバーの概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電子冷温水サーバーに用いる冷水タンクユニットの断面図である。
【図5】その冷水タンクユニットに用いる拡散防止壁部材の斜視図である。
【図6】熱水用整流板の変形例を示す平面図である。
【図7】熱水用整流板のさらに変形例を示す平面図である。
【図8】その熱水用整流板の一部を断面した正面図である。
【図9】拡散防止壁部材の変形例を示す縦断面図である。
【図10】冷水タンクユニットの変形例を示す断面図である。
【図11】その冷水タンクユニットに用いる整流板の平面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る受水ユニットの断面図である。
【図13】従来の受水ユニットの断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る受水ユニットの断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態における冷水タンクへの給水の他の例を示す断面図である。
【図16】従来の電子冷温水サーバーの概略構成図である。
【符号の説明】
【0098】
1…ケーシング、2…飲料水、3…ウォーターボトル、4…冷水タンク、5…熱水タンク、5a…熱水タンクの底板、6…送水管、7…ペルチェ素子、8…熱導体、9…放熱フィン、10…電子冷却ユニット、11…放熱ファン、12…断熱材、13…電源基板、14…冷水取水管、15…冷水取水口、16…電気ヒーター、17…断熱材、18…温水取水口、19…温水取水管、20…セパレータ、21…冷水、22…熱水、23…温度センサー、24…受水ユニット、25…冷水タンクユニット、26…熱水タンクユニット、27…冷水用受水管、28…熱水用受水管、29…熱水用整流板、30…分散空間、31…通水孔、32…給水口、33…シーズドヒーター、34…温度センサー、34a…温度センサーの検出端、35…制御基板、36…空間部、37…熱水側空気抜き管、38…熱水側空気抜き逆止弁、39…断熱材、40…真空断熱部、41…上部熱水層、42…流れガイド部材、43…底部、44…排出口、45…拡散防止壁部材、46…入口側壁、47…出口側壁、48…端壁、49…流入口、50…流出口、51…内側空間、52…開口、53…空間部、54…空気抜き口、55…冷水側空気抜き管、56…冷水側空気抜き逆止管、57…温度センサー、58…下部冷水層、59…通水スリット、60…冷水用整流板、61…通水部、63…外周壁、64…嵌合穴、65…挿入孔、66…受け部材、67…摺動部、68…周壁、69…流入口、70…ウォーターガイド、71…ボトルプラグ、72…空気、73…空気逆止弁、74…気泡、75…水面、76…仕切板、77…空気専用配管、78…プラグ内逆止弁、79…フィルター。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば飲料用の電子冷温水サーバーなどに適用する熱水(温水)生成装置に係り、特に効率良く水温調整ができて、消費電力の少ない熱水生成装置ならびにそれを用いた冷温水サーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より会社やオフィスなどに冷温水サーバーが設置されて、そのサーバーから所望の冷水あるいは熱水(温水)を飲料用として取水していた。この冷温水サーバーからは、5℃〜10℃程度の冷水と85℃以上の熱水(温水)が取水できるようになっている。前記冷温水サーバーにはコンプレッサーを使用して冷水を生成するタイプのものと、ペルチェ素子を使用して冷水を生成するタイプのものとがあり、両方のタイプとも熱水は電気ヒーターを使用して生成するのが一般的である。
【0003】
前記コンプレッサータイプのものは、コンプレッサー、冷媒、冷媒用配管ならびに熱交換器などが必要で、装置が大型化し重量が重く、組立てが複雑であり、コンプレッサーの作動により騒音が発生し、消費電力が多くランニングコストが高いなどの欠点を有している。
【0004】
これに対してペルチェ素子を使用した電子冷温水サーバーは、コンプレッサー、冷媒、冷媒用配管ならびに熱交換器などが不要で、装置がコンパクトで軽量化でき、組立てが容易で、騒音発生を小さくすることができ、消費電力が少なくランニングコストが低いなどの特長を有している。
【0005】
図16は、従来の前記電子冷温水サーバーの概略構成図である。同図に示すようにケーシング1の上部には、飲料水2を貯留したウォーターボトル3が交換可能に装着されている。
【0006】
ケーシング1内部の上方には冷水を生成する例えばアルミニウムなどからなる熱伝導性の良い冷水タンク4が、ケーシング1内部の下方には熱水を生成する熱水タンク5がそれぞれ設置され、その冷水タンク4から熱水タンク5に向けて送水管6が延びている。
【0007】
前記冷水タンク4の外周面には、ペルチェ素子7、熱導体8、放熱フィン9などからなる電子冷却ユニット10が取り付けられており、前記放熱フィン9に対向するように放熱ファン11が設置されている。冷水タンク4、ペルチェ素子7ならびに熱導体8の外周は断熱材12で覆われている。前記ペルチェ素子7は電源基板13に接続され、図示しないコントローラによって通電制御がなされている。冷水タンク4の底部には冷水取水管14が接続され、それの先端部は冷水取水口15に接続されている。
【0008】
前記熱水タンク5の内部にはコイル状に巻かれた電気ヒーター16が設置され、熱水タンク5の外周は断熱材17で覆われている。この図では熱水タンク5の内部に電気ヒーター16を設置した場合を示したが、熱水タンクの外周にバンドヒーターを巻装する構造のもの、あるいは熱水タンクの底面に面状ヒーターを貼り付ける構造のものもある。熱水タンク5の上部には熱水取水管18が接続され、それの先端部は熱水取水口19に接続されている。
【0009】
前記送水管6の上端部には皿状のセパレータ20が取り付けられ、セパレータ20は図に示すように冷水タンク4の比較的上位置に配置され、ケーシング1にセットしたウォーターボトル3の開口部と対向している。
【0010】
ウォーターボトル3をケーシング1の上部にセットすると、ウォーターボトル3内の飲料水2(常温水)は前記セパレータ20上に落下し、そのセパレータ20から溢れた飲料水2は冷水タンク4内に溜まるとともに、セパレータ20から送水管6を通り熱水タンク5内にも溜まる。
【0011】
そして前記放熱ファン9を回転駆動しながら前記ペルチェ素子7に通電することにより、その熱電変換機能(ペルチェ効果)により熱伝導性の良い冷水タンク4を介して飲料水2が冷却され、5℃〜10℃程度になった冷水21が冷水取水管14を通して冷水取水口15から取り出される。
【0012】
一方、電気ヒーター16に通電することにより、熱水タンク5中の飲料水2が加熱され、高温になった水が密度差により熱水タンク5の上部に上昇し、例えば85℃以上になった熱水22が熱水取水管18を通して熱水取水口19から取り出される仕組みになっている。符号23は温度センサーで、熱水タンク5の外周面上部に取り付けられているか、タンク内部に設置される場合は前記電気ヒーター16とほぼ同じ位置かそれよりも低い位置に設置されている。
【0013】
なお取水口15,19からの取水速度が所定以上に確保できるよう、取水口15,19に対してウォーターボトル3が高位置にセットされて、水頭圧差を利用している。
【0014】
前記セパレータ20は、冷水タンク4内で温度の下がった水が送水管6を通して熱水タンク5中に混入するのを防止するために設置されている同時に、熱水タンク5の熱水が冷水タンク4に戻った時に冷水を攪拌しないように設けられている。
【0015】
なお、この種の冷温水サーバーの公知技術として、例えば下記のものを挙げることができる。
【0016】
【特許文献1】特開平08−053196号公報
【特許文献2】特開平10−026454号公報
【特許文献3】特開平11−255294号公報
【特許文献4】特開平11−314699号公報
【特許文献5】特開2003−128194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ここでコンプレッサー式タイプのものについて少し説明する。コンプレッサー式冷温水サーバーの場合、配置上、発熱体であるコンプレッサーが最下位置に配置される設計になっている。そのためにコンプレッサーの上方に設置されている冷水タンクの環境温度がコンプレッサーからの発熱により上昇して、冷水タンクの冷却効率が下がる。
【0018】
またコンプレッサー式の冷水タンクの場合、冷熱が−23℃の冷媒を使用しているため、冷水タンクの断熱性を上げると、冷水タンク内の水が凍結してしまい、通水不良や漏水などの原因となる。そのため発泡スチロールを使用した程度の断熱しかできず、熱漏れが大きく、また外気温度上昇の影響も受けやすいことから、効率の良い冷却ができない。
【0019】
ところで従来の冷温水サーバーでは、熱水タンク5の上部に熱水22などの高温水が溜まっている状態(上部熱水層が形成されている状態)で、送水管6から低温の飲料水2が補給された際、その補給水の勢いにより熱水タンク5内で攪拌流が生じて拡散現象が起こり、それによって上部熱水層に低温の水が混ざり込み、上部熱水層の状態が崩れて、連続取水量(所定温度以上の熱水を熱水取水口19から連続して取り出せる量)が減少し、サーバーの経済性に問題がある。
【0020】
これらの影響で、通常のコンプレッサー式冷温水サーバーのタンクの容量は3リットル程度あるにもかかわらず、連続取水量は前記容量の30%〜40%程度でしかない。
【0021】
また、熱水タンク5内に電気ヒーター16への通電制御のために温度センサー23が設置されているが、その設置位置が従来は電気ヒーター16とほぼ同じ位置かあるいはそれよりも低い位置であった。タンク外周部の上面で温度検知する場合、ヒーターにより加熱された実際の水温と検知温度との温度差が大きくなるため、沸騰などの現象が起き易く、蒸発潜熱としてエネルギーを損失する。そのため熱水タンク容量の約55%〜60%程度しか熱水として取水できない。
【0022】
タンク内のヒーターと同等の位置かそれより下に温度センサーを設置した場合、飲料水2の補給で熱水タンク5内の水温が下がったことを温度センサー23で検出すると、電気ヒーター16へ通電して再加熱されるが、その際に熱水タンク5の上部に形成されている上部熱水層で拡散現象が発生して、連続取水量が減少して、この点からもサーバーの経済性に問題がある。
【0023】
さらに従来の冷温水サーバーは、冷水タンク4の下方に熱水タンク5が配置されて、両者が送水管6で連通しているため、熱水タンク5で発生した熱エネルギーが送水管6を介して冷水タンク4に伝わるから、ペルチェ素子7に所定の電力を供給しても十分な冷却効果が得られない。
【0024】
本発明の目的は、効率良く水温調整ができて、取水効率を高め、消費電力の少ない熱水生成装置ならびにそれを用いた冷温水サーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の手段は、熱水を生成して収容する熱水タンクと、
その熱水タンクの底部のほぼ中央部から水を供給する例えば後述の熱水用受水管からなる給水管と、
その給水管から供給された水を加熱する電気ヒーターと、
前記熱水タンク内の底部付近に隙間をおいて底部とほぼ平行に配置されて、外周部に複数の例えば後述の通水孔あるいは通水スリットなどの通水部を周方向に沿って等間隔に形成して、前記給水管の給水口と対向する中央部には通水部が形成されていない熱水用整流板とを備え、
前記熱水タンクの底部と熱水用整流板の間に、前記給水管から供給された水が前記熱水用整流板の中央部に衝突して熱水用整流板の外周部側に分散する分散空間部が形成されていることを特徴とするものである。
【0026】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記熱水タンク内の水の温度を検出する温度センサーの検出端が、前記電気ヒーターよりも上位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の第3の手段は、ケーシングの上部に設置されて飲料水を収容したウォーターボトルを交換可能に装着できる受水ユニットと、
その受水ユニットを通して前記ウォーターボトル内の水を供給して、熱水を生成する熱水タンクユニットと冷水を生成する冷水タンクユニットとを備えた冷温水サーバーにおいて、
前記熱水タンクユニットが前記第1または第2の手段の熱水生成装置であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、給水口から供給された水は、熱水用整流板への衝突、流れの方向転換、分散空間部内での分散などにより水の勢いが急激に減衰し、熱水用整流板の上にある熱水を全体的に押し上げるようにして各通水部から均等に熱水タンク内に導入される。
【0029】
このような状態で補給されるから、熱水タンクの上部に形成されている上部熱水層の層状態が崩れることなく、所定の温度に維持された上部熱水層が確保でき、そのために熱水の連続取水量を従来のものよりも増し、効率良く水温調整ができて、消費電力の少ない熱水生成装置ならびにそれを用いた冷温水サーバーを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に本発明の実施形態を図と共に説明する。図1は実施形態に係る電子冷温水サーバーに用いる熱水タンクユニットの一部を断面にした概略構成図、図2はその熱水タンクユニットに装着する熱水用整流板の平面図、図3は実施形態に係る電子冷温水サーバーの概略構成図である。
【0031】
まず図3を用いて本発明の実施形態に係る電子冷温水サーバーの概略構成を説明する。同図に示すようにケーシング1の上部には受水ユニット24が設置され、飲料水2を貯留したウォーターボトル3が前記受水ユニット24に対して交換可能に装着されている。
【0032】
ボトルを下置きにしてポンプアップして供給する場合もあるが、この場合も後述するタンク内の構造等は同様である。また、バグインボツクスと称される水を入れたポリ袋を紙箱に収容して、その紙箱をセットする場合もあるが、この場合も後述するタンク内の構造は同様である。さらにコンプレッサーを使用した系にも有効である。
【0033】
ケーシング1の内部には従来と反対に、ケーシング1の下側に冷水タンクユニット25が、上側に熱水タンクユニット26が、それぞれ設置されている。また冷水タンクユニット25と熱水タンクユニット26は、並列位置に設置してもよい。前記受水ユニット24からは冷水用受水管27と熱水用受水管28が分岐しており、それぞれ冷水タンクユニット25と熱水タンクユニット26に接続されている。また冷水タンクユニット25と熱水タンクユニット26からは冷水取水管14と熱水取水管18が延びており、冷水取水口15と熱水取水口19にそれぞれ接続されている。
【0034】
次に熱水タンクユニット26について図1とともに説明する。同図において熱水タンク5は円筒形をしており、上下分離タイプで、接合部はOリング(図示せず)が介在されて液密にシールされている。熱水タンク5の材質としてはポリフェ二レンスルフィド(PPS)食品グレードのものが使用される。タンク形状は正方形に近い四角形でもよいが、タンク内の通水が均等にできるように通水口の分散配置を検討することが必要である。
【0035】
熱水タンク5の底板5aの中央部に、前記受水ユニット24から延びた熱水用受水管28が接続されている。前記底板5aの若干上方には、隙間をおいて底板5aと平行に熱水用整流板29が設置され、熱水用整流板29の外周部は熱水タンク5の内周面に接合して、底板5aと熱水用整流板29の間に薄い分散空間部30が形成されている。
【0036】
熱水用整流板29は図2に示すように熱水タンク5の内周と同じように外形が円板状をしており、その外周付近に円周方向に沿って等間隔に同径の通水孔31が複数個形成されており、前記熱水用受水管28の給水口32(図1参照)と対向する熱水用整流板29の中央部分には前記通水孔31は形成されていない。熱水用整流板29もPPS食品グレードのもので成形されている。
【0037】
前記底板5aならびに熱水用整流板29の中央部を貫通して熱水タンク5の内側にコイル状に巻回された電気ヒーター(シーズドヒーター)16が設けられ、電気ヒーター16よりも上側に温度センサー34の検出端34aが配置されている。電気ヒーター16の入力端ならびに温度センサー34の出力端は、それぞれ制御基板35の端子に接続されている。
【0038】
熱水タンク5の上側中央部から熱水取水管18の一端が差し込まれており、また熱水タンク5の上部に形成される空間部36には熱水側空気抜き管37の一端が臨んでおり、熱水側空気抜き管37は途中に熱水側空気抜き逆止弁38を設けて前記受水ユニット24に接続されている。
【0039】
熱水タンク5の上部と下部は例えば発泡ポリウレタン樹脂等の断熱材39で覆われており、熱水タンク5の周囲はVIP方式の真空断熱部材による真空断熱部40で覆われている。
【0040】
図3に示すようにウォーターボトル3から受水ユニット24を通して熱水用受水管28で補給された飲料水2は、図1に示すように熱水タンク5の底部中央に形成されている給水口32から供給される。この給水は、ウォーターボトル3からの飲料水2の自重によってなされる。本実施形態では飲料水2の自重によって給水を行なう構成になっているが、ポンプで給水する場合にも本発明は適用できる。
【0041】
給水口32から出た飲料水2は熱水用整流板29の中央部に衝突し、矢印で示すように流れの向きを変えて分散空間部30を内側から外側に向かってほぼ水平方向に拡がって分散してから、各通水孔31から均等に熱水タンク5内に導かれる。このように給水口32から供給された飲料水2は、熱水用整流板29への衝突、流れの方向転換、分散空間部30内での分散などにより水の勢い(拡散エネルギー)が急激に減衰し、熱水用整流板29の上にある熱水を全体的に押し上げるようにして各通水孔31から均等に熱水タンク5内に導入される。
【0042】
従って、従来のように熱水タンク5内で低温水が拡散して熱水と混ざり合うような現象が抑制され、飲料水2は熱水タンク5の下部からほぽ層状になって補給される。このような状態で補給されるから、熱水タンク5の上部に形成されている上部熱水層41の層状態が崩れることなく、所定の温度(本実施形態では85℃以上)に維持された上部熱水層41が確保でき、そのために熱水の連続取水量が従来のものよりも多い。
【0043】
また、本実施形態のように温度センサー34の検出端34aの位置を電気ヒーター16よりも上側にすることにより、温度センサー34が冷水を検知して電気ヒーター16に通電して水を再加熱し始めた時点では、冷水は電気ヒーター16の上部まできており再加熱が始まっても上部熱水層と冷水層の密度差により拡散はほとんど生じず、冷水層が65℃程度の熱水となるまで前記上部熱水層41での攪拌現象はほとんど発生しないことが諸種の実験によって判明した。逆に、電気ヒーター16が熱水層にかかった状態で再加熱を始めた場合、ヒーター上面での加熱対流により熱水層への冷水の対流が発生することが判明した。このためセンサー位置を電気ヒーター16よりも上部に設置することで熱水の連続取水量を増加することができる。
【0044】
例えば85℃の熱水を連続して取り出せる量が、従来の標準的なサーバーの場合は熱水タンク容量の約55%〜65%であったが、本実施形態の場合は同じ熱水タンク容量の約85%〜90%の取水が可能となり、連続取水量が増加し、待たなくてもサーバーから多量の熱水を取り出すことができる。また同一熱水量を取り出す場合には、従来のものに比較して電力消費量を約30%削減することができる。
【0045】
また本実施形態の熱水タンクユニット26では、衛生環境維持のために熱水タンク5内の熱水を最低60℃以上に保温する保温モードが設けられており、例えば夜間などの保温モード時での熱の漏れを有効に防止するため、熱水タンク5の上部と下部は断熱材39で覆い、熱水タンク5の周囲は10mm厚みの真空断熱部40で覆う構造にする。これにより夜間6時間程度の通電なしでの60℃保温が可能となっている。これにより、待機電力の25%を衛生管理した除隊で低減できる。
【0046】
図4は冷水タンクユニット25の断面図、図5はその冷水タンクユニットに用いる拡散防止壁部材の斜視図である。
【0047】
冷水タンクユニット25は冷水タンク4を備え、その冷水タンク4は角型のタンク本体4aと、それの上側開口部を閉塞する蓋4bとで構成され、これらは例えばアルミニウムなどの熱伝導性の高い金属で形成されている。冷水タンク4の内面には、抗菌塗装が施されている。
【0048】
前記蓋4bの一方の端部付近には前記冷水用受水管27の一端が固定され、それの先端部には流れガイド部材42が取り付けられている。この流れガイド部材42は全体が筒状をしており、底部43が塞がれて、周壁に複数の長孔状の排出口44が形成されている。
【0049】
冷水タンク4の内側で前記流れガイド部材42の付近に、拡散防止壁部材45が設置されている。この拡散防止壁部材45は図5に示すように入口側壁46と、その入口側壁46と対向する出口側壁47と、前記入口側壁46と出口側壁47の端縁どうしを連結する端壁48,48とを有し、全体が四角形の筒状をしている。前記入口側壁46の下端部に流入口49を有し、前記出口側壁47の上端部に流出口50を有しており、この流入口49ならびに流出口50は拡散防止壁部材45の内側空間51(図4参照)と連通している。本実施形態ではこの拡散防止壁部材45は、抗菌性のポリプロピレンで成形されている。
【0050】
この拡散防止壁部材45を冷水タンク4の内側に装着することにより、拡散防止壁部材45の下端開口部はタンク本体4aの底部4cで塞がれ、拡散防止壁部材45の上端開口部は蓋4bで塞がれる。
【0051】
冷水取水管14の先端はタンク本体4aの底部4c近くまで延びており、その先端に斜めに切断した開口52が形成され、開口52は前記拡散防止壁部材45側に向けてある。
【0052】
冷水タンク4内に規定量の水を満たしたとき、冷水タンク4の上部に空間部53が形成されるが、前記冷水取水管14の空間部53と対応する位置に空気抜き口54が形成されている。また前記空間部53には冷水側空気抜き管55の一端が臨んでおり、冷水側空気抜き管55は途中に熱水側空気抜き逆止弁56を設けて前記受水ユニット24に接続されている。
【0053】
冷水を生成する電子冷却ユニット10はペルチェ素子7、熱導体8、放熱フィン9などからなり、前記放熱フィン9に対向するように放熱ファン11が設置されている。本実施形態の場合、前記電子冷却ユニット10はタンク本体4aの底部4cならびにタンク本体4aの前記流れガイド部材42と対向する側壁4eまたは側壁4eと底面4cにそれぞれ取り付けられている。
【0054】
このように本実施形態は電子冷却ユニット10がタンク本体4aの底部4cと側壁4eにそれぞれ取り付けられているから、冷水タンク4内の水温を検出する温度センサー57はそれら電子冷却ユニット10から遠い位置、すなわち電子冷却ユニット10とほぼ反対側のタンク本体4aの前記側壁4dの上端部付近に設置されている。
【0055】
図4に示すように冷水タンク4内に拡散防止壁部材45を設置することにより、タンク本体4aの側壁4dと拡散防止壁部材45の入口側壁46との間に受水エリア(容積V1)が形成され、拡散防止壁部材45の入口側壁46と出口側壁47との間に流通エリア(容積V2)が形成され、拡散防止壁部材45の出口側壁47とタンク本体4aの側壁4eとの間に取水エリア(容積V3)が形成される。このように拡散防止壁部材45の介在により、飲料水2を補給する受水エリアと、冷水を生成して下部冷水層58を形成しその冷水を取水する取水エリアとを確実に隔離(分離)することができる。
【0056】
この受水エリアと取水エリアの隔離(分離)により、取水エリアで形成される下部冷水層58に対する受水エリア内での水の流れの影響が実質的に抑制されるとともに、受水エリアから取水エリアへの熱の移動も抑制されて、取水エリアでの冷却効率を高めることができる。
【0057】
前記各エリアの容積Vの関係はV1<V2<V3またはV1=V2<V3のようになっており、取水エリアの容積V3を最も大きくしている。このようにすることにより、取水エリア内の水の流れが最も緩やかになり、しかも多量の冷水を保留することができる。
【0058】
ウォーターボトル3から受水ユニット24を通して冷水用受水管27で補給された飲料水2は、直交方向への拡散板である流れガイド部材42の底部43に衝突して、水平方向に流れ排出口44から出る。図4に示すように流れガイド部材42の両側近くにはタンク本体4aの側壁4dと拡散防止壁部材45の入口側壁46とがあるから、飲料水2は矢印で示すように前記側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って静かに流下する。このように飲料水2を側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って流下する構造は、水の流れが乱れるのを抑制し、後述する下部冷水層58の拡散防止に役立つ。
【0059】
取水ならびに補水による冷水タンク4内の水の流れは矢印で示すように、側壁4dならびに入口側壁4に沿って流下し、拡散防止壁部材45の下側の流入口49から入り、拡散防止壁部材45の内側空間51を徐々に上昇して流出口50から出る。最も大きい容積V3を有する取水エリアに出た水は、電子冷却ユニット10により十分に冷却され、冷水タンク4の下部に溜まった5℃以下の冷水は開口52から冷水取水管14内を通って冷水取水口15(図3参照)に至る。
【0060】
前述のように冷水取水管14の先端に形成された開口52は拡散防止壁部材45側に向けてある。所定温度以下(本実施形態では5℃以下)に冷却された冷水は最終的には、取水エリアの特に冷水タンク4の底部4cの拡散防止壁部材45付近に溜まるから、開口52の位置を前述のようにすれば確実に所定温度以下に冷却された冷水を取り出すことができる。この給水もウォーターボトル3内の飲料水2の自重によるものである。前述の所定温度以下に冷却した冷水を確実に取り出すことができるという効果は、ポンプで給水する構成のものでも同様に得ることができる。
【0061】
前述のように冷水タンク4内の補水の経路上に、その補水を下側の流入口49から入れて、内側空間51内を徐々に上昇させて上側の材45の流出口50から出すようになっている拡散防止壁部材45を配置すれば、補給水の注入による下部冷水層58の拡散が防止でき、冷水の連続取水量が従来のものよりも多くなる。
【0062】
拡散防止壁部材45における流入口49の流通断面積(流入口49の開口面積に等しい)をS1、内側空間51の流通断面積(内側空間51の開口面積に等しい)をS2、流出口50の流通断面積(水面が下がっているため流出口50の開口面積よりも狭い)をS3とした場合、S1<S2<S3またはS1=S2<S3の関係にある。このようにすることにより、拡散防止壁部材45の流出口5における水の流れの勢いが緩やかになる。
【0063】
5℃以下の冷水を連続して取水する量が、従来の標準的なサーバーの場合は冷水タンクの容量の約30%〜40%であったが、本実施形態の場合は同じ冷水タンクの容量の約70%以上となり、連続取水量が増加し、待たなくてもサーバーから多くの冷水を取り出すことができる。また同一冷水量を取り出す場合には、従来のものに比較して電力消費量を大幅に削減することができる。
【0064】
ペルチェ素子を使用した電子冷却の効率の良い冷却方法は、オン/オフ制御ではなく、制御温度に合わせてペルチェ素子への出力を調整するリニア制御である。ところが冷水を生成する段階では可能な限り冷却速度を速くする必要があリ、そのためには制御温度近くになってもペルチェ素子への出力を100%で動作させ、設定温度になってから制御に入る方法がある。しかしこの方法は、外気温度や水温の影響を受けるため予め冷却時間を予測することは困難である。
【0065】
そこで本実施形態では、冷水タンク4の電子冷却ユニット10を設置した近傍よりも冷水となるのが遅い、電子冷却ユニット10からできるだけ離れた冷水タンク4の位置、すなわち給水口近くに温度センサー57を設置して、その付近の水温を測定して電子冷却ユニット10への通電制御をしている。このようにすることにより、取水温度が設定温度にほぼ近づくまで100%出力で冷却ができて、冷却の高速化が可能となると同時に、冷水を取水した後の再冷却が直ちに開始できる。
【0066】
また取水時ならびにその後の補水時に水温が最も速く上昇するが、前述のような温度センサー57の設置になっておれば、素早く冷却動作に入ることができる。
【0067】
本実施形態では、冷水タンク4の底部4cと側壁4eの両方に電子冷却ユニット10を設置したため、これらから離すために温度センサー57を反対側の側壁4dの上端部付近に設置しが、電子冷却ユニット10を冷水タンク4の底部4cのみに設置する場合は、冷水タンク4の上端開口部の補水給水口に近い位置に温度センサー57を設置すればよい。また電子冷却ユニット10を冷水タンク4の側壁4eのみに設置する場合は、それと反対側の側壁4dのいずれかに温度センサー57を設置すればよい。
【0068】
本実施形態に係る冷温水サーバーの場合、熱水取水効率アップによる電力低減と、冷水取水効率のアップと、タンク断熱効果のアップと、保温モードの導入による相乗効果により総合消費電力の40%以上低減することができる。
【0069】
図6は、前記熱水用整流板29の変形例を示す平面図である。この例では熱水用整流板29の外周部に沿って等間隔に同一のスリット面積を有する通水スリット59を複数形成している。
【0070】
図7は前記熱水用整流板29のさらに変形例を示す平面図、図8はその熱水用整流板29の一部を断面した正面図である。この熱水用整流板29の外周部には所定の高さを有する外周壁63が設けられ、その外周壁63の径方向内側に周方向に沿って等間隔に同一のスリット面積を有する通水スリット59を複数形成している。この熱水用整流板29を熱水タンク5の底板5a(図1参照)上に設置することにより、この熱水用整流板29の外周壁63により分散空間部30(図1参照)が確保される。
【0071】
図中の64は電気ヒーター16を固定するために使用されるフランジ部(図示せず)を嵌合するための嵌合穴、65は電気ヒーター16の両端部を挿通するための挿通孔であり、これら嵌合穴64ならびに挿通孔65は電気ヒーター16を設置することにより塞がれる。
【0072】
図9は、拡散防止壁部材45の変形例を示す縦断面図である。この例では拡散防止壁部材45の入口側壁46と出口側壁47の間隔が下部から上部に行くに従って徐々に広がっている。本変形例では入口側壁46と出口側壁47の両方に角度θの傾斜を設けたが入口側壁46または出口側壁47の何れか一方に傾斜を設けてもよい。このように傾斜を付けた場合、前記内部空間51の流通断面積S2は、拡散防止壁部材45の下端の開口面積とする。
【0073】
図10は冷水タンクユニット25の変形例を示す断面図、図11はその冷水タンクユニットに用いる冷水用整流板の平面図である。
【0074】
この変形例では、流れガイド部材42の下方で、冷水タンク4の側壁4dと拡散防止壁部材45の入口側壁46の間に冷水用整流板60がほぼ水平方向に設置されている。図11に示す冷水用整流板60の横幅Wは前記側壁4dと入口側壁46の間隔とほぼ等しく、冷水用整流板60の奥行きLは冷水タンク4の奥行きとほぼ等しくなっている。
【0075】
冷水用整流板60の両側端近傍には、冷水用整流板60の奥行き方向に沿って等間隔に孔状あるいはスリット状の通水部61が複数形成されている。
【0076】
流れガイド部材42の排出口44から出た飲料水2は側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って流下することにより、流れの乱れが解消される。そしてさらにこの冷水用整流板60に衝突して、冷水用整流板60の平面に沿って水平方向に拡散されることにより、水の流れの勢いが大幅に減衰されて、各通水部61からまた側壁4dならびに入口側壁46の平面に沿って静かに流下する。このことにより下部冷水層58の拡散がより確実に防止できる。
【0077】
この変形例では流れガイド部材42と冷水用整流板60を併用したが、流れガイド部材42を省略して冷水用整流板60のみを設置することもできる。
【0078】
図12は本発明の実施形態に係る受水ユニット24を説明するための断面図、図13は従来の受水ユニットを説明するための断面図である。受水ユニットは、ウォーターボトル3の給水口をセットして、サーバー本体への通水と外部空気のウォーターボトル3への導入を同時に行なう機能を有している。
【0079】
まず、図13を用いて従来の受水ユニットについて説明する。ウォーターボトル3の先端部分をウォーターガード70と呼ばれる上部ボトル固定部品に逆さまに挿入してセットする。これによりウォーターボトル3の先端部は、ウォーターガード70内に固定されているボトルプラグ71に差し込まれる。
【0080】
冷水タンク4内に飲料水2が入ってない場合、ウォーターボトル3内の飲料水2は自重で冷水タンク4内に落下するとともに、それと入れ替わりに外部の空気72が空気逆止弁73ならびにボトルプラグ71を通ってウォーターボトル3内に入る。図中の74は、空気72の導入時に生成する水中の気泡である。
【0081】
同図に示すように冷水タンク4内の水面75がボトルプラグ71の下端開口まで到達すると、冷水タンク4内は陽圧となり前記空気逆止弁73が働いて密封される。図示しない冷水取水口より取水すると、冷水タンク4内の水面75がボトルプラグ71の下端開口より下がり、それによって空気72が再び空気逆止弁73ならびにボトルプラグ71を通ってウォーターボトル3内に入ることにより、それと入れ替わりにウォーターボトル3内の飲料水がボトルプラグ71を通って冷水タンク4に補給される。
【0082】
従来の受水ユニットではボトルプラグ71の内部が1本の配管となっており、ボトルプラグ71の内側には仕切板76が設けてあるが途中までしか延びておらず、ボトルプラグ71内での空気72(気泡74)と水2の分離がなされていない。
【0083】
そのためボトルプラグ71内で気泡74が滞留して通水に支障をきたし、通水がスムーズに行なわれなかったり、場合によっては冷水タンク4への通水が停止することがある。また冷水タンク4への通水が大きく脈動することがあり、この大きな流量変動に伴う給水の影響で、タンク内で冷水や熱水が攪拌され、その結果取水温度が上昇したり、取水量が少なくなったりする問題がある。
【0084】
本実施形態ではこのような問題点を解消したものであり、図12を用いて説明する。同図に示すように給気系の空気逆止弁73からボトルプラグ71内に給気専用配管77を設け、これによってボトルプラグ71内を空気流路と水流路とに完全に分離した。これにより前述の問題点が解消され、ウォーターボトル3への空気の導入とウォーターボトル3からの通水がともにスムーズになり、冷水タンクや熱水タンクへの給水において脈流が少なくなることから、通水不良のトラブルがなくなり、さらにタンク内での攪拌がさらに抑制でき、取水効率をさらに高めることができる。
【0085】
ボトルプラグ71内の給気専用配管77の上側には、ボトルプラグ71側から水2が給気専用配管77内に侵入するのを阻止するためのプラグ内逆止弁78が設けられている。
【0086】
この逆止弁78が設けられていないと給気専用配管77内に水2が入り、次の通水時には、配管77内の水2が排出されるまで給気抵抗となり、結果的には通水量が少なくなる。ウォーターボトル3内へのスムーズな給気のためには、前記プラグ内逆止弁78が必要である。
【0087】
なお、外部に設置した吸気フィルターユニット内に逆止弁を設ける場合でも吸気配管を独立して前述のような効果を得ることができるが、前述のようにボトルプラグ71内に逆止弁78を設置する構造の方が良好である。
【0088】
外気と接する給気口側には、給気に同伴して塵埃類が給気専用配管77内に侵入するのを阻止するためにフィルター79が設けられている。このフィルター79にカテキンフィルターなどの抗菌フィルターを用いたり、除菌用の気体例えばクラスターイオンなどのガスやオゾンなどを滞留させることで、ボトル内に流入する空気による雑菌汚染を防ぐことができる。
【0089】
図12の実施形態では給気専用配管77の上側にプラグ内逆止弁78を設けたが、プラグ内逆止弁78を設けないで、その代わりに図12における前記フィルター79の下方にフロート式の逆止弁を設けることもできる。
【0090】
図12はボトルプラグ71の下に直接冷水タンク4が配置されている例を示しているが、図14は前述の図3に示す実施形態に適用可能な受水ユニットの構造を示している。同図に示すように受水ユニットの下部に冷水用受水管27と熱水用受水管28が接続されて、ウォーターボトル3からの飲料水2が前記ボトルプラグ71を通して前記冷水用受水管27と熱水用受水管28に分岐供給される。この実施形態においても給気専用配管77ならびにプラグ内逆止弁78の機能は前述と同様であるから、重複する説明は省略する。
【0091】
図15は、冷水タンク4への給水の他の例を示す断面図である。同図に示すようにボトルプラグ71の下方にはセパレータ20が設置され、セパレータ20の中央下部には送水管6が接続され、送水管6は冷水タンク4を通って熱水タンク5側に延びている。
【0092】
前記セパレータ20の下方にはそれよりも広い受け面積を有する皿状の受け部材66が配置されている。受け部材66の中央部には前記送水管6が貫通する摺動部67が設けられ、外周部には比較的浅い周壁68が設けられ、底部には周方向に等間隔に複数の流入口69が形成されている。受け部材66はポリプロピレンなどの水よりも軽い材料で構成され、冷水タンク4内の水面上に浮いた状態になっている。
【0093】
ウォーターボトル3内の飲料水2は前述のボトルプラグ71を通り、セパレータ20で水平方向に分散され、セパレータ20の外周壁から溢れ出た水2は一旦前記受け部材66内に受け止められ、その受け部材66に設けられている各流入口69から分散されて冷水タンク4内に導入される。熱水タンク5へは、セパレータ20から送水管6を通って供給される。
【0094】
この受け部材66が無いと、セパレータ20から溢れ出た水2が直接冷水タンク4内に落下することになり、その落下時の力により補給した常温水が折角冷やした冷水と混ざり込み、冷水の取水ができないことがある。
【0095】
これに対して受け部材66を設置することにより、水2の補給時に仮に大きな水圧が瞬間的にかかった場合、受け部材66自体が沈み込むことで落下の衝撃が吸収される。そのため各流入口69から流速の速い水2が冷水タンク4内に流れ込むことがなく、常温水と冷水の攪拌が抑制され、補給時でも冷水の取水が可能である。受け部材66内の水2が冷水タンク4内に移動すると、受け部材66はその浮力でまた元の位置に戻り、次の補給に対応することができる。
【0096】
前記実施形態ではペルチェ素子を用いた電子冷温水サーバーの場合について説明したが、本発明はコンプレッサー式の冷温水サーバーにも適用可能である。また本発明は熱水のみあるいは冷水のみを取水するサーバーにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施形態に係る電子冷温水サーバーに用いる熱水タンクユニットの一部を断面にした概略構成図である。
【図2】その熱水タンクユニットに装着する熱水用整流板の平面図である。
【図3】実施形態に係る電子冷温水サーバーの概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電子冷温水サーバーに用いる冷水タンクユニットの断面図である。
【図5】その冷水タンクユニットに用いる拡散防止壁部材の斜視図である。
【図6】熱水用整流板の変形例を示す平面図である。
【図7】熱水用整流板のさらに変形例を示す平面図である。
【図8】その熱水用整流板の一部を断面した正面図である。
【図9】拡散防止壁部材の変形例を示す縦断面図である。
【図10】冷水タンクユニットの変形例を示す断面図である。
【図11】その冷水タンクユニットに用いる整流板の平面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る受水ユニットの断面図である。
【図13】従来の受水ユニットの断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る受水ユニットの断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態における冷水タンクへの給水の他の例を示す断面図である。
【図16】従来の電子冷温水サーバーの概略構成図である。
【符号の説明】
【0098】
1…ケーシング、2…飲料水、3…ウォーターボトル、4…冷水タンク、5…熱水タンク、5a…熱水タンクの底板、6…送水管、7…ペルチェ素子、8…熱導体、9…放熱フィン、10…電子冷却ユニット、11…放熱ファン、12…断熱材、13…電源基板、14…冷水取水管、15…冷水取水口、16…電気ヒーター、17…断熱材、18…温水取水口、19…温水取水管、20…セパレータ、21…冷水、22…熱水、23…温度センサー、24…受水ユニット、25…冷水タンクユニット、26…熱水タンクユニット、27…冷水用受水管、28…熱水用受水管、29…熱水用整流板、30…分散空間、31…通水孔、32…給水口、33…シーズドヒーター、34…温度センサー、34a…温度センサーの検出端、35…制御基板、36…空間部、37…熱水側空気抜き管、38…熱水側空気抜き逆止弁、39…断熱材、40…真空断熱部、41…上部熱水層、42…流れガイド部材、43…底部、44…排出口、45…拡散防止壁部材、46…入口側壁、47…出口側壁、48…端壁、49…流入口、50…流出口、51…内側空間、52…開口、53…空間部、54…空気抜き口、55…冷水側空気抜き管、56…冷水側空気抜き逆止管、57…温度センサー、58…下部冷水層、59…通水スリット、60…冷水用整流板、61…通水部、63…外周壁、64…嵌合穴、65…挿入孔、66…受け部材、67…摺動部、68…周壁、69…流入口、70…ウォーターガイド、71…ボトルプラグ、72…空気、73…空気逆止弁、74…気泡、75…水面、76…仕切板、77…空気専用配管、78…プラグ内逆止弁、79…フィルター。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱水を生成して収容する熱水タンクと、
その熱水タンクの底部のほぼ中央部から水を供給する給水管と、
その給水管から供給された水を加熱する電気ヒーターと、
前記熱水タンク内の底部付近に隙間をおいて底部とほぼ平行に配置されて、外周部に複数の通水部を周方向に沿って等間隔に形成して、前記給水管の給水口と対向する中央部には通水部が形成されていない熱水用整流板とを備え、
前記熱水タンクの底部と熱水用整流板の間に、前記給水管から供給された水が前記熱水用整流板の中央部に衝突して熱水用整流板の外周部側に分散する分散空間部が形成されていることを特徴とする熱水生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の熱水生成装置において、前記熱水タンク内の水の温度を検出する温度センサーの検出端が、前記電気ヒーターよりも上位置に配置されていることを特徴とする熱水生成装置。
【請求項3】
ケーシングの上部に設置されて飲料水を収容したウォーターボトルを交換可能に装着できる受水ユニットと、
その受水ユニットを通して前記ウォーターボトル内の水を供給して、熱水を生成する熱水タンクユニットと冷水を生成する冷水タンクユニットとを備えた冷温水サーバーにおいて、
前記熱水タンクユニットが請求項1または2記載の熱水生成装置であることを特徴とする冷温水サーバー。
【請求項1】
熱水を生成して収容する熱水タンクと、
その熱水タンクの底部のほぼ中央部から水を供給する給水管と、
その給水管から供給された水を加熱する電気ヒーターと、
前記熱水タンク内の底部付近に隙間をおいて底部とほぼ平行に配置されて、外周部に複数の通水部を周方向に沿って等間隔に形成して、前記給水管の給水口と対向する中央部には通水部が形成されていない熱水用整流板とを備え、
前記熱水タンクの底部と熱水用整流板の間に、前記給水管から供給された水が前記熱水用整流板の中央部に衝突して熱水用整流板の外周部側に分散する分散空間部が形成されていることを特徴とする熱水生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の熱水生成装置において、前記熱水タンク内の水の温度を検出する温度センサーの検出端が、前記電気ヒーターよりも上位置に配置されていることを特徴とする熱水生成装置。
【請求項3】
ケーシングの上部に設置されて飲料水を収容したウォーターボトルを交換可能に装着できる受水ユニットと、
その受水ユニットを通して前記ウォーターボトル内の水を供給して、熱水を生成する熱水タンクユニットと冷水を生成する冷水タンクユニットとを備えた冷温水サーバーにおいて、
前記熱水タンクユニットが請求項1または2記載の熱水生成装置であることを特徴とする冷温水サーバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−240116(P2007−240116A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66403(P2006−66403)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(506084771)株式会社 エスト (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(506084771)株式会社 エスト (7)
【Fターム(参考)】
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