説明

熱源システム

【課題】 省エネルギ化を向上するように運転することが可能な熱源システムを提供する。
【解決手段】 運転制御手段は、複数種の放熱端末3を要判別放熱端末3Bと通常放熱端末3Aとに区分けして管理して、要判別放熱端末3Bについて、時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたるその要判別放熱端末3Bの時系列的な過去端末熱負荷データに基づいてその要判別放熱端3Bの使用状態に周期性があるか否かを判別し、周期性があると判別したときは、要判別放熱端末3Bの時系列的な過去端末熱負荷データと通常放熱端末3Aの時系列的な過去端末熱負荷データとを複数種の放熱端末3の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理し、且つ、周期性が無いと判別したときは、通常放熱端末3Aの時系列的な過去端末熱負荷データを複数種の放熱端末3の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、運転用端末熱負荷データを作成するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱を発生する熱発生装置と、
前記熱発生装置にて発生する熱にて加熱した湯を貯湯槽に貯湯する貯湯手段と、
使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在な複数種の放熱端末に対して、前記熱発生装置にて発生する熱にて加熱した熱媒を循環させる熱媒循環手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、時系列的な過去給湯熱負荷データ及び前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数の単位時間からなる単位期間毎に区分けして管理して、その管理した過去給湯熱負荷データ及び過去端末熱負荷データに基づいて作成した運転用給湯熱負荷データ及び運転用端末熱負荷データを用いて前記熱発生装置の運転を制御するように構成された熱源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる熱源システムは、例えば一般家庭に設置され、熱発生装置にて発生する熱を熱源として貯湯槽に貯湯し、使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在な複数種の放熱端末に対して、熱発生装置にて発生する熱にて加熱した熱媒を循環させるものであり、貯湯槽に貯湯される湯を台所や風呂等にて使用し、放熱端末により放熱対象域に放熱させて放熱対象域の暖房等を行うようになっている。
そして、運転制御手段により、時系列的な過去給湯熱負荷データ及び前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを例えば1日等の単位期間毎に区分けして管理して、熱源システムの設置箇所における貯湯槽の湯水使用による熱消費形態(以下、給湯熱消費形態と記載する場合がある)、放熱端末からの放熱による熱消費形態(以下、端末熱消費形態と記載する場合がある)夫々に合わせるべく、運転用給湯熱負荷データ、運転用端末熱負荷データを作成して、その作成した運転用給湯熱負荷データ及び運転用端末熱負荷データを用いて熱発生装置の運転を制御することにより、給湯熱負荷を賄うように貯湯槽に貯湯しながら、複数種の放熱端末に熱媒を循環させるようになっている。
ちなみに、放熱端末としては、床暖房装置や、浴室内を暖房する浴室暖房モードと浴室内の被乾燥物を乾燥する浴室乾燥モードとに運転モードを切り換え自在な浴室暖房乾燥装置等がある。
【0003】
このような熱源システムにおいて、従来は、複数種の放熱端末を区分けすることなく、全ての放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、運転用端末熱負荷データを作成するようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−257625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在な複数種の放熱端末には、使用状態に周期性があるものと周期性がないものとがあり、又、使用状態に周期性があった放熱端末が一時的に使用状態に周期性がなくなる場合がある。
説明を加えると、通常、居間や食堂に設置された床暖房装置の使用状態には周期性があるが、客間に設置された床暖房装置の使用状態には周期性がないものである。
又、外出する日や天気の悪い日に限って、浴室暖房乾燥装置を浴室乾燥モードにて使用する家庭があり、そのような家庭では、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態には周期性がないものである。
【0006】
しかしながら、従来では、複数種の放熱端末を区分けすることなく、全ての放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理するので、複数種の放熱端末に使用状態に周期性のないものが含まれる場合には、運転用端末熱負荷データを熱源システムの設置箇所の実際の端末熱消費形態に適合するように作成し難いものであった。
従って、作成された運転用端末熱負荷データに実際の端末熱消費形態が合わなくなる場合があるので、省エネルギ化を十分に向上することができないという問題があった。
【0007】
説明を加えると、使用状態に周期性がない放熱端末が使用されたときには、その使用状態に周期性のない放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを含めて、複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データが管理されて、運転用端末熱負荷データが作成される。
そして、そのような運転用端末熱負荷データを用いて熱発生装置の運転が制御されている場合、使用状態に周期性がない放熱端末が使用されなかったときには、貯湯槽に湯水として貯えられる熱が余る熱余り量が大きくなり、省エネルギ性が低下することになる。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、省エネルギ化を向上するように運転することが可能な熱源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱源システムは、熱を発生する熱発生装置と、
前記熱発生装置にて発生する熱にて加熱した湯を貯湯槽に貯湯する貯湯手段と、
使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在な複数種の放熱端末に対して、前記熱発生装置にて発生する熱にて加熱した熱媒を循環させる熱媒循環手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、時系列的な過去給湯熱負荷データ及び前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数の単位時間からなる単位期間毎に区分けして管理して、その管理した過去給湯熱負荷データ及び過去端末熱負荷データに基づいて作成した運転用給湯熱負荷データ及び運転用端末熱負荷データを用いて前記熱発生装置の運転を制御するように構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記運転制御手段は、
前記複数種の放熱端末を、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とする要判別放熱端末と、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としない通常放熱端末とに区分けして管理して、
前記要判別放熱端末について、時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたるその要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいてその要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する周期性判別処理を実行し、
前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があると判別したときは、前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データと前記通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとを前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理し、且つ、前記要判別放熱端末の使用状態に周期性が無いと判別したときは、前記通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、前記運転用端末熱負荷データを作成するように構成されている点を特徴とする。
【0010】
即ち、運転制御手段は、複数種の放熱端末を、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とする要判別放熱端末と、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としない通常放熱端末とに区分けして管理して、要判別放熱端末について、時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたるその要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいてその要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する周期性判別処理を実行する。
そして、運転制御手段は、要判別放熱端末の使用状態に周期性があると判別したときは、要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データと通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとを複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、運転用端末熱負荷データを作成し、要判別放熱端末の使用状態に周期性が無いと判別したときは、通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、運転用端末熱負荷データを作成する。
【0011】
尚、複数種の放熱端末とは、床暖房装置、浴室暖房乾燥装置等、複数種類の放熱端末を意味するのはもちろん、同型であっても居間、食堂、客間等、設置箇所が異なる複数台の放熱端末(例えば床暖房装置)も意味する。
【0012】
つまり、時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたる時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別することが可能であるので、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とする要判別放熱端末については、その要判別放熱端末における複数の単位期間にわたる時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、その要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するようにする。
【0013】
そして、要判別放熱端末の使用状態に周期性があると判別したときは、要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データと通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとを複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、運転対象の単位期間の時系列的な運転用端末熱負荷データを作成するので、運転用端末熱負荷データを実際の端末熱消費形態に適合するように作成することが可能となる。
つまり、各単位期間の運転用端末熱負荷データを、周期性のある使用状態において同じ周期の単位期間に対応して管理されている複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて作成するので、運転用端末熱負荷データと実際の端末熱消費形態との差を小さくすることが可能となり、熱余り量及び熱不足量を低減することが可能となる。
【0014】
又、要判別放熱端末の使用状態に周期性が無いと判別したときは、要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを除外して、通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、運転用端末熱負荷データを作成するので、その運転用端末熱負荷データを用いて熱発生装置の運転が制御されている状態で、要判別放熱端末が使用されなかったとしても、熱余り量を低減することが可能となり、省エネルギ性を向上することが可能となる。
ちなみに、要判別放熱端末の使用状態に周期性が無いと判別したときに、要判別放熱端末が使用されると、熱が不足する場合があり、熱不足となるとその熱不足を補うために補助加熱器が作動されることになる。
従って、省エネルギ化を向上するように運転することが可能な熱源システムを提供することができるようになった。
【0015】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記運転制御手段は、前記周期性判別処理において、時系列的に並ぶ設定数の単位期間からなる区分け周期を周期性判別用期間として、時系列的に並ぶ複数の周期性判別用期間にわたる前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、周期性判別用期間毎の前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するように構成されている点を特徴とする。
【0016】
即ち、運転制御手段は、周期性判別処理において、時系列的に並ぶ設定数の単位期間からなる区分け周期を周期性判別用期間として、時系列的に並ぶ複数の周期性判別用期間にわたる要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、周期性判別用期間毎の要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する。
【0017】
つまり、要判別放熱端末の使用状態として、単位期間を例えば1日とすると、例えば3日毎に同じ時間帯で要判別放熱端末が使用される如き周期性や、例えば5日からなる区分け周期において、その区分け周期の1日目と4日目に夫々に対応する時間帯で要判別放熱端末が使用される如き周期性を呈する場合がある。
そして、上述のように、周期性判別処理において、時系列的に並ぶ設定数の単位期間からなる区分け周期を周期性判別用期間として、時系列的に並ぶ複数の周期性判別用期間にわたる要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、周期性判別用期間毎の要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するようにすることにより、設定数の単位期間からなる区分け周期毎の要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別することが可能となる。
従って、複数種の放熱端末に設定数の単位期間からなる区分け周期毎の使用状態に周期性があるものが含まれる場合において、省エネルギ化を向上するように運転することが可能となった。
【0018】
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記単位期間が1日であり、前記区分け周期が1週間である点を特徴とする。
【0019】
即ち、運転制御手段は、周期性判別処理において、単位期間を1日とし、1週間を周期性判別用期間として、複数週間にわたる要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、周期性判別用期間毎の要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する。
【0020】
つまり、通常、一般家庭等においては、要判別放熱端末が、例えば、毎週の日曜日、火曜日、金曜日に使用される如く、1週間毎の要判別放熱端末の使用状態に周期性がある場合がある。
そこで、単位期間を1日に、区分け周期を1週間に夫々設定することにより、周期性判別処理にて、このような1週間毎の要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別することが可能となる。
従って、複数種の放熱端末に1週間毎の使用状態に周期性があるものが含まれる場合において、省エネルギ化を向上するように運転することが可能となった。
【0021】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記運転制御手段は、前記周期性判別処理において、前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データのうちの前記要判別放熱端末の使用開始時刻に基づいて、前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するように構成されている点を特徴とする。
【0022】
即ち、運転制御手段は、周期性判別処理において、要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データのうちの要判別放熱端末の使用開始時刻に基づいて、要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する。
【0023】
つまり、要判別放熱端末の使用状態に周期性がある場合、周期性のある使用状態において同じ周期の単位期間においては、要判別放熱端末の使用開始時刻のバラツキが小さいものであるので、要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データのうちの要判別放熱端末の使用開始時刻に基づいて、要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを適切且つ簡単に判別することが可能となる。
従って、要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かの判別を、適切且つ簡単に行うことができるようになった。
【0024】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記要判別放熱端末として、浴室内を暖房する浴室暖房モードと浴室内の被乾燥物を乾燥する浴室乾燥モードとに運転モードを切り換え自在な浴室暖房乾燥装置が含まれ、
前記運転制御手段は、
前記浴室暖房モードでの前記浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としないものとして、前記浴室暖房モードでの運転中の時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、前記運転用端末熱負荷データを作成し、
前記浴室乾燥モードでの前記浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とするものとして、前記浴室暖房乾燥装置の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて前記周期性判別処理を実行して、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性があるか否か判別し、
前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性があると判別したときは、前記浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理し、且つ、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性が無いと判別したときは、前記浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを除外した状態で前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、前記運転用端末熱負荷データを作成するように構成されている点を特徴とする。
【0025】
即ち、運転制御手段は、浴室暖房モードでの浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としないものとして、浴室暖房モードでの運転中の時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、運転用端末熱負荷データを作成する。
又、運転制御手段は、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とするものとして、浴室暖房乾燥装置の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて周期性判別処理を実行して、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性があるか否か判別する。
そして、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性があると判別したときは、浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、運転用端末熱負荷データを作成し、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性が無いと判別したときは、浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを除外した状態で複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、運転用端末熱負荷データを作成する。
【0026】
つまり、浴室暖房乾燥装置は、通常、浴室暖房モードでは、例えば、毎日、所定の時間帯で使用される如く、その浴室暖房モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態には周期性がある。
一方、浴室乾燥モードについては、外出する日や天気の悪い日に限って使用する家庭があり、そのような家庭では、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態には周期性がないものである。
【0027】
そこで、上述のように、浴室暖房モードでの浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としないものとして、浴室暖房モードでの運転中の時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理し、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とするものとして、周期性判別処理を実行し、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性があると判別したときは、浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理し、浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性が無いと判別したときは、浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを除外した状態で複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、運転用端末熱負荷データを作成するようにすることにより、熱余り状態や熱不足状態の発生を抑制するように熱発生装置を運転することが可能となる。
従って、複数種の放熱端末に浴室暖房装置が含まれる場合において、省エネルギ化を向上するように運転することが可能となった。
【0028】
第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれかに加えて、
前記熱発生装置が、熱と電力を発生する熱電併給装置にて構成され、
前記運転制御手段が、前記時系列的な過去給湯熱負荷データ及び前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに加えて、時系列的な過去電力負荷データを単位期間毎に区分けして管理して、前記運転用給湯熱負荷データ及び前記運転用端末熱負荷データに加えて、運転用電力負荷データを作成し、それら運転用給湯熱負荷データ、運転用端末熱負荷データ及び運転用電力負荷データを用いて前記熱電併給装置の運転を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0029】
即ち、運転制御手段は、時系列的な過去給湯熱負荷データ及び複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに加えて、時系列的な過去電力負荷データを単位期間毎に区分けして管理して、熱電併給装置が設置される箇所における給湯熱消費形態、端末熱消費形態、電力消費形態夫々に合わせるべく、運転用給湯熱負荷データ、運転用端末熱負荷データ、運転用電力負荷データを作成し、その作成した運転用給湯熱負荷データ、運転用端末熱負荷データ及び運転用電力負荷データを用いて熱発生装置の運転を制御する。
【0030】
つまり、熱発生装置として熱電併給装置を備えた所謂コージェネレーションシステムは、熱電併給装置にて発生する電力を利用することができると共に、その電力を発生するのに伴って発生する熱を貯湯槽への貯湯用及び放熱端末による放熱用として利用することができるものであり、エネルギ効率の高いものである。
そして、そのようなコージェネレーションシステムにおいて本発明を実施することにより、熱余り状態及び熱不足状態を抑制するように熱電併給装置を運転することが可能となるので、省エネルギ化を一層向上することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明を熱源システムとしてのコージェネレーションシステムに適用した場合の第1実施形態を説明する。
このコージェネレーションシステムは、図1及び図2に示すように、熱発生装置としての電力と熱を発生する熱電併給装置1と、その熱電併給装置1にて発生する熱にて加熱した湯を貯湯槽2に貯湯する貯湯手段S及び使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在な複数種の放熱端末3に対して熱電併給装置1にて発生する熱にて加熱した熱媒を循環させる熱媒循環手段Hを備えた貯湯放熱ユニット4と、熱電併給装置1及び貯湯放熱ユニット4の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部5などから構成されている。本実施形態においては、前記熱電併給装置1は、発電機1gとその発電機1gを駆動するガスエンジン1eとを備えて構成されている。
【0032】
前記ガスエンジン1eには、設定流量(例えば、0.433m3/h)でガス燃料が供給されて、前記熱電併給装置1が定格運転されるようになっており、その定格運転では、前記熱電併給装置1の発電電力は定格発電電力(例えば1kW)で略一定になるようになっている。
前記発電機1gの出力側には、系統連系用のインバータ6が設けられ、そのインバータ6は、発電機1gの出力電力を商用系統7から供給される電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
前記商用系統7は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、コージェネ用供給ライン10を介して商業用電力供給ライン8に電気的に接続され、熱電併給装置1からの発電電力がインバータ6及びコージェネ用供給ライン10を介して電力負荷9に供給されるように構成されている。
【0033】
前記商業用電力供給ライン8には、この商業用電力供給ライン8にて供給される商業用電力を計測する商用電力計測部P1が設けられ、コージェネ用供給ライン10には、熱電併給装置1の発電電力を計測する発電電力計測部P2が設けられ、前記商用電力計測部P1は、商業用電力供給ライン8を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かをも検出するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ6により熱電併給装置1から商業用電力供給ライン8に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給されるように構成されている。
【0034】
前記電気ヒータ12は、複数の電気ヒータから構成され、冷却水循環ポンプ15の作動により冷却水循環路13を通流する熱電併給装置1の冷却水を加熱するように設けられ、インバータ6の出力側に接続された作動スイッチ14によりON/OFFが切り換えられている。
また、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ12の消費電力を調整するように構成されている。
【0035】
前記貯湯放熱ユニット4は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する前記貯湯槽2、湯水循環路16を通して貯湯槽2内の湯水を循環させる湯水循環ポンプ17、熱源用循環路20を通して熱源用湯水を循環させる熱源用循環ポンプ21、熱媒循環路22を通して熱媒を放熱端末3に循環供給する熱媒循環ポンプ23、湯水循環路16を通流する湯水を冷却水循環路13を通流する冷却水にて加熱させる貯湯用熱交換器24、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を冷却水循環路13を通流する冷却水にて加熱させる熱源用熱交換器25、熱媒循環路22を通流する熱媒を熱源用循環路20を通流する熱源用湯水にて加熱させる熱媒加熱用熱交換器26、貯湯槽2内から取り出されて給湯路33を通流する湯水及び熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる補助加熱器Mなどを備えて構成されている。
【0036】
前記冷却水循環路13は、貯湯用熱交換器24側と熱源用熱交換器25側とに分岐され、その分岐箇所に、貯湯用熱交換器24側に通流させる冷却水の流量と熱源用熱交換器25側に通流させる冷却水の流量との割合を調整する分流弁30が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
【0037】
前記湯水循環路16は、その一部が並列になるように分岐接続され、その接続箇所に三方弁18が設けられており、分岐された一方側の流路には、ラジエータ19が設けられている。
そして、三方弁18を切り換えることにより、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19を通過するように循環させる状態と、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19をバイパスするように循環させる状態とに切り換えるように構成されている。
【0038】
前記給湯路33は、前記湯水循環路16を介して前記貯湯槽2に接続され、その給湯路33を通して前記貯湯槽2内の湯水が浴槽、給湯栓、シャワー等の給湯先に給湯されるようになっている。
そして、その給湯路33には、前記給湯先に湯水を給湯するときの給湯熱負荷を計測する給湯熱負荷計測手段31が設けられている。
尚、前記熱源用循環路20は、給湯路33の一部分を共用する状態で循環経路を形成するように設けられている。
【0039】
前記補助加熱器Mは、前記給湯路33における前記熱源用循環路20との共用部分に設けられた補助加熱用熱交換器29、その補助加熱用熱交換器29を加熱するバーナ28及びそのバーナ28に燃焼用空気を供給するファン27等を備えて構成されている。
【0040】
前記貯湯用熱交換器24においては、熱電併給装置1から出力される熱を回収した冷却水循環路13の冷却水を通流させることにより、湯水循環路16を通流する湯水を加熱させるように構成されている。
前記熱源用熱交換器25においては、熱電併給装置1から出力される熱を回収した冷却水循環路13の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
また、熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
前記熱媒加熱用熱交換器26においては、熱源用熱交換器25や補助加熱器Mにて加熱された熱源用湯水を通流させることにより、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させるように構成されている。
【0041】
この第1実施形態においては、使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在な前記複数種の放熱端末3として、2台の床暖房装置3A、及び、浴室暖房乾燥装置3Bが設けられ、前記熱媒循環路22の一部には、3系統に並列状に分岐させた並列状流路部分が設けられ、前記3台の放熱端末3が前記並列状流路部分に振り分けて設けられて、前記熱媒加熱用熱交換器26にて加熱された熱媒が前記3台の放熱端末に並行して循環供給することが可能なように構成されている。
前記浴室暖房乾燥装置3Bは、浴室内を暖房する浴室暖房モードと浴室内の被乾燥物を乾燥する浴室乾燥モードとに運転モードを切り換え自在なように構成されている。
【0042】
前記3台の放熱端末3の夫々に対して、放熱端末用リモコン34が設けられている。
そして、2台の床暖房装置3Aは、夫々に対応する放熱端末用リモコン34により運転開始及び運転停止が指令されるようになっており、浴室暖房乾燥装置3Bは、それに対応する放熱端末用リモコン34により、浴室暖房モードと浴室乾燥モードの夫々について、運転開始及び運転停止が指令されるようになっている。
つまり、複数種の放熱端末3が、使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在なように構成されている。
【0043】
前記熱媒循環路22の前記並列状流路部分の各流路部分には、各流路部分に設けられている放熱端末3への熱媒の供給を断続する放熱用断続弁39、及び、各流路部分に設けられている放熱端末3の熱負荷、即ち、端末熱負荷を計測する端末熱負荷計測手段32が設けられている。
【0044】
図示を省略するが、前記給湯熱負荷計測手段31や前記端末熱負荷計測手段32は、通流する湯水や熱媒の温度を検出する温度センサと、湯水や熱媒の流量を検出する流量センサとを備えて構成され、温度センサの検出温度と流量センサの検出流量とに基づいて給湯熱負荷や端末熱負荷を検出することになる。
【0045】
前記運転制御部5は、熱電併給装置1の運転中には冷却水循環ポンプ15を作動させる状態で、熱電併給装置1の運転及び冷却水循環ポンプ15の作動状態を制御するとともに、湯水循環ポンプ17、熱源用循環ポンプ21、熱媒循環ポンプ23の作動状態を制御することによって、貯湯槽2内に湯水を貯湯する貯湯運転や、前記放熱端末3に熱媒を循環供給して放熱対象域に放熱する熱媒供給運転を行うように構成されている。
【0046】
次に、前記運転制御部5による貯湯運転及び熱媒供給運転の動作について説明を加える。
前記貯湯運転は、熱電併給装置1の運転中で冷却水循環ポンプ15の作動により、貯湯用熱交換器24において、冷却水循環路13を通流する冷却水にて湯水循環路16を通流する湯水を加熱させることができる状態で行われる。
そして、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19をバイパスするように循環させる状態に三方弁18を切り換えて、湯水循環ポンプ17を作動させて、貯湯槽2の下部から湯水を湯水循環路16に取り出し、その湯水を貯湯用熱交換器24を通過させて加熱したのち、貯湯槽2の上部に戻して、貯湯槽2内に貯湯するようにしている。
【0047】
図示を省略するが、前記貯湯槽2の貯湯量を検出する貯湯量検出手段が設けられており、その貯湯量検出手段にて貯湯槽2内の貯湯量が満杯である状態が検出されると、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19を通過するように循環させる状態に三方弁18を切り換えると共に、ラジエータ19を作動させて、貯湯槽2の下部から取り出した湯水をラジエータ19にて放熱させたのち、貯湯用熱交換器24を通過させて加熱するように構成されている。
【0048】
前記熱媒供給運転は、前記3台の放熱端末3の放熱端末用リモコン34の少なくとも1つから運転開始が指令されると、熱源用断続弁40及び運転開始が指令された放熱端末3に対応する放熱用断続弁39を開弁させる状態で熱源用循環ポンプ21と熱媒循環ポンプ23とを作動させて、熱源用熱交換器25と補助加熱用熱交換器29との少なくとも一方にて熱源用湯水を加熱させて、その加熱された熱源用湯水を熱媒加熱用熱交換器26を通過する状態で循環させ、熱媒加熱用熱交換器26において熱源用湯水により加熱される熱媒を運転開始が指令された放熱端末3に循環供給するようにしている。
【0049】
又、放熱端末用リモコン34から運転停止が指令されると、その放熱端末用リモコン34に対応する放熱用断続弁39を閉弁して放熱端末3への熱媒供給を停止し、全ての放熱端末用リモコン34が運転停止が指令された状態になると、熱源用断続弁40を閉弁させ、熱源用循環ポンプ21と熱媒循環ポンプ23とを停止させて、前記熱媒供給運転を終了する。
【0050】
熱源用湯水の加熱について説明を加えると、熱電併給装置1の運転中である場合には、分流弁30にて熱源用熱交換器25側に冷却水が通流するように調整した状態での冷却水循環ポンプ15の作動により、熱源用熱交換器25において熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
また、熱電併給装置1からの冷却水だけでは放熱端末3で要求されている現端末熱負荷を賄えない場合や、熱電併給装置1が停止中の場合には、補助加熱器Mを加熱作動させることにより、補助加熱用熱交換器29において熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
【0051】
ちなみに、運転制御部5は、熱電併給装置1の運転中に、貯湯運転と熱媒供給運転とを同時に行う場合には、放熱端末3で要求されている現端末熱負荷に基づいて、分流弁30にて貯湯用熱交換器24側に通流させる冷却水の流量と熱源用熱交換器25側に通流させる冷却水の流量との割合を調整するように構成されている。
【0052】
つまり、前記貯湯手段Sは、前記湯水循環路16、前記湯水循環ポンプ17及び前記貯湯用熱交換器24等から構成されている。
又、前記熱媒循環手段Hは、前記熱源用循環路20、前記熱源用循環ポンプ21、前記熱源用熱交換器25、前記熱媒循環路22、前記熱媒循環ポンプ23及び前記熱媒加熱用熱交換器26等から構成されている。
【0053】
以下、前記運転制御部5によるデータ管理処理について説明を加える。
運転制御部5には、前記2台の床暖房装置3Aの夫々に対応する放熱端末用リモコン34から、床暖房装置3Aの運転状態を示す制御情報として運転開始及び運転停止の夫々を示す制御情報が送信され、前記浴室暖房乾燥装置3Bに対応する放熱端末リモコン34から、浴室暖房乾燥装置3Bの運転状態を示す制御情報として浴室暖房モードでの運転開始及び運転停止、浴室乾燥モードでの運転開始及び運転停止の夫々を示す制御情報が送信されるように構成されている。
そして、運転制御部5は、前記3台の放熱端末3夫々に対応する放熱端末用リモコン34からの制御情報、及び、3台の放熱端末3夫々に対応する端末熱負荷計測手段32の検出情報に基づいて、放熱端末3毎に熱負荷を管理し、更に、3台の放熱端末3のうちの浴室暖房乾燥装置3Bについては、浴室暖房モード及び浴室乾燥モードの運転モード毎に熱負荷を管理するように構成されている。
【0054】
前記データ管理処理においては、運転制御手段5は、時系列的な過去給湯熱負荷データ、前記複数種の放熱端末3における時系列的な過去端末熱負荷データ(以下、複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データと記載する場合がある)及び時系列的な過去電力負荷データを複数の単位時間からなる単位期間毎に区分けして管理し、その管理した過去給湯熱負荷データ、過去端末熱負荷データ及び過去電力負荷データに基づいて、予測給湯熱負荷データ(運転用給湯熱負荷データに相当する)、予測端末熱負荷データ(運転用端末熱負荷データに相当する)及び予測電力負荷データ(運転用電力負荷データに対応する)を作成する。
【0055】
そして、運転制御手段5は、作成した予測給湯熱負荷データ、予測端末熱負荷データ及び予測電力負荷データを用いて前記熱電併給装置1の運転を制御するように構成されている。
【0056】
本発明では、運転制御部5は、複数種の放熱端末3を、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とする要判別放熱端末と、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としない通常放熱端末とに区分けして管理して、要判別放熱端末について、時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたるその要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいてその要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する周期性判別処理を実行し、前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があると判別したときは、前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データと前記通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとを複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理し、且つ、前記要判別放熱端末の使用状態に周期性が無いと判別したときは、前記通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、前記予測端末熱負荷データを作成するように構成されている。
【0057】
又、この実施形態では、前記運転制御部5は、前記周期性判別処理において、時系列的に並ぶ設定数の単位期間からなる区分け周期を周期性判別用期間として、時系列的に並ぶ複数の周期性判別用期間にわたる前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、周期性判別用期間毎の前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するように構成されている。
そして、この実施形態では、前記単位期間が1日に設定され、前記区分け周期が1週間に設定されている。
【0058】
又、運転制御部5は、前記周期性判別処理において、前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データのうちの前記要判別放熱端末の使用開始時刻に基づいて、前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するように構成されている。
【0059】
又、この実施形態では、前記2台の床暖房装置3Aを前記通常放熱端末として、前記浴室暖房乾燥装置3Bを要判別放熱端末として管理するように構成されている。
【0060】
そして、前記運転制御部5は、前記浴室暖房モードでの前記浴室暖房乾燥装置3Bの運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としないものとして、前記浴室暖房モードでの運転中の時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、前記予測端末熱負荷データを作成し、前記浴室乾燥モードでの前記浴室暖房乾燥装置3Bの運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とするものとして、浴室暖房乾燥装置3Bの時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて前記周期性判別処理を実行して、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置3Bの使用状態に周期性があるか否か判別し、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置3Bの使用状態に周期性があると判別したときは、前記浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理し、且つ、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置3Bの使用状態に周期性が無いと判別したときは、前記浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを除外した状態で複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、前記予測端末熱負荷データを作成するように構成されている。
【0061】
以下、前記データ管理処理について、更に説明を加える。
実際の使用状況から、単位時間当たりの負荷データ(電力負荷データ、給湯熱負荷データ、各放熱端末3の端末熱負荷データ)を計測して、新しく1日分の時系列的な負荷データを計測する毎に、最も過去の1日分の負荷データを削除して、新しく計測した負荷データを記憶させる形態で、管理用設定数週間分(この実施形態では4週間分)の時系列的な負荷データを1日毎に曜日に対応付けて記憶させる。
例えば、日付が変わった日が日曜日である場合、記憶されている負荷データは、図3に示すように、前週の日曜日から土曜日までの負荷データD1(1)〜D1(7)、2週前の週の日曜日から土曜日までの負荷データD2(1)〜D2(7)、3週前の週の日曜日から土曜日までの負荷データD3(1)〜D3(7)、及び、4週前の週の日曜日から土曜日までの負荷データD4(1)〜D4(7)から構成されている。
【0062】
1日分の負荷データは、単位時間当たりの電力負荷データの24個、単位時間当たりの給湯熱負荷データの24個、及び、単位時間当たりの複数種放熱端末の端末熱負荷データの24個から構成されている。
【0063】
そして、日付が変わる毎に、記憶している管理用設定数週間分の負荷データ(以下、記憶データと記載する場合がある)に基づいて、日付が変わった日(以下、運転対象日と記載する場合がある)に対応する前週過去負荷データ(前週過去電力負荷データ、前週過去給湯熱負荷データ、複数種端末の前週過去端末熱負荷データ)、平均過去負荷データ(平均過去電力負荷データ、平均過去給湯熱負荷データ、複数種端末の平均過去端末熱負荷データ)を求めると共に、それら前週過去負荷データと平均過去負荷データとから予測用過去負荷データ(予測用過去電力負荷データ、予測用過去給湯熱負荷データ、複数種放熱端末の予測用過去端末熱負荷データ)を求め、その予測用過去負荷データから、予測負荷データ(予測電力負荷データ、予測給湯熱負荷データ、複数種放熱端末の予測端末熱負荷データ)を求める。
【0064】
具体的に説明すると、日付が変わるごとに、記憶データのうち、最近(即ち、前週)の1週間分の負荷データにおける運転対象日と同曜日の負荷データを前週過去負荷データとし、その最近の1週間を除いた残りの複数週間分(この実施形態では2週前、3週前、4週前の3週間分)の負荷データのうち運転対象日と同曜日の負荷データを平均して、その平均値を平均過去負荷データとする。
【0065】
例えば、図3に示すように、日付が変わった日、即ち運転対象日が日曜日である場合を例にして説明すると、前週過去負荷データDb、平均過去負荷データDaは、夫々、下記の式1、式2に示す通りである。
【0066】
Db=D1(1)……………(式1)
Da={D2(1)+D3(1)+D4(1)}÷3……………(式2)
【0067】
ちなみに、3週間分の負荷データの平均値とは、単位時間毎に3週間分の負荷量を平均することにより求めるものであり、単位時間当たりの負荷データの24個から構成されている。
【0068】
そして、前週過去負荷データDbと平均過去負荷データDaとを所定の割合で足し合わせることにより、予測用過去負荷データDpを求めるように構成されている。
【0069】
つまり、下記の式3により、平均過去負荷データDaと前週過去負荷データDbとに基づいて、予測用過去負荷データDpが求められる。但し、Kは定数であり、例えば0.75に設定される。
【0070】
Dp=Da×K+Db×(1−K)・・・・・(式3)
【0071】
上述のような過去負荷データの管理について、過去電力負荷データ、過去給湯熱負荷データ、及び、複数種放熱端末の過去端末熱負荷データの夫々について、説明を加える。
先ず、過去電力負荷データの管理について説明すると、実際の使用状況から、単位時間当たりの電力負荷を商用電力計測部P1及び発電電力計測部P2にて計測して、上述した如く、管理用設定数週間分の電力負荷データを、日付が変わる毎に最も過去の1日分の電力負荷データを削除して更新する形態で、1日毎に曜日に対応付けて記憶させる。ちなみに、電力負荷は、商用電力計測部P1で計測した電力と、発電電力計測部P2で計測した熱電併給装置1の発電出力との和から、電気ヒータ14の電力負荷とコージェネレーションシステム固有の補機の電力負荷とを差し引いたものとなる。ちなみに、固有の補機とは、このコージェネレーションシステムで固有に補助的に設けられる装置や機械であり、冷却水循環ポンプ15や湯水循環ポンプ17がこれに該当する。
【0072】
そして、上述の如く、日付が変わるごとに、電力負荷データについての記憶データに基づいて、前週過去電力負荷データDb、平均過去電力負荷データDaを求め、更に、求めた前週過去電力負荷データDb及び平均過去電力負荷データDaに基づいて、上記の式3により予測用過去電力負荷データDpを求める。
【0073】
次に、過去給湯熱負荷データの管理について説明すると、実際の使用状況から、単位時間当たりの給湯熱負荷を給湯熱負荷計測手段31にて計測して、上述した如く、管理用設定数週間分の給湯熱負荷データを、日付が変わる毎に最も過去の1日分の給湯熱負荷データを削除して更新する形態で、1日毎に曜日に対応付けて記憶させる。
【0074】
そして、上述の如く、日付が変わるごとに、給湯熱負荷データに関する記憶データに基づいて、前週過去給湯熱負荷データDb、及び、平均過去給湯熱負荷データDaを求め、更に、求めた前週過去給湯熱負荷データDb及び平均過去給湯熱負荷データDaに基づいて、上記の式3により予測用過去給湯熱負荷データDpを求める。
【0075】
次に、複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データの管理について説明する。
実際の使用状況から、各放熱端末3の単位時間当たりの端末熱負荷を各放熱端末3に対応する端末熱負荷計測手段32にて計測して、上述した如く、管理用設定数週間分の端末熱負荷データを、最も過去の1日分の端末熱負荷データを削除して更新する形態で、放熱端末3毎に、1日毎に曜日に対応付けて記憶させる。
尚、要判別放熱端末としての浴室暖房乾燥装置3Bについては、浴室暖房モードと浴室乾燥モードとに区分けして、管理用設定数週間分の端末熱負荷データを上述のように更新する形態で、1日毎に曜日に対応付けて記憶させる。
【0076】
そして、毎週の周期性判別曜日(例えば日曜日)の0時になると、浴室暖房乾燥装置3Bの時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて前記周期性判別処理を実行して、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置3Bの使用状態に周期性があるか否か判別する。
その周期性判別処理においては、その時点で記憶している管理用設定数週間分の端末熱負荷データにおける最近2週間分の端末熱負荷データのうち、浴室乾燥モードの使用開始時刻(放熱端末用リモコン34にて浴室乾燥モードの運転開始が指令された時刻)に基づいて、周期性判別用期間毎、即ち、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性があるか否かを判別する。
【0077】
具体的には、周期性判別曜日(この実施形態では日曜日)を基準にして前週の1週間分(日曜日から土曜日まで)の使用開始時刻のデータと前々週の1週間分(日曜日から土曜日まで)の使用開始時刻のデータとを比較して、前週と前々週とで、浴室乾燥モードでの使用回数が同一で且つ使用開始時刻が同曜日における設定時間幅(例えば4時間)内に収まる場合は、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性があると判別し、それ以外は、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性が無いと判別する。
【0078】
例えば、図4に示すように、前週と前々週とで、使用回数が4回で同一であり、両週とも、日曜日、火曜日、木曜日、土曜日に使用され、且つ、各使用日における使用開始時刻が設定時間幅(例えば4時間)内に収まっているので、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性があると判別する。
【0079】
一方、前週と前々週とで使用回数が異なる場合、あるいは、前週と前々週とで運転回数が同一であっても、使用された曜日が異なる場合、あるいは、前週と前々週とで運転回数が同一且つ使用された曜日が同一であっても、使用された日の少なくとも1日でも使用開始時刻が設定時間幅に収まらない場合は、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性が無いと判別する。
【0080】
そして、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性があると判別すると、周期性判別曜日から始まる1週間は、浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの運転中の時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理する。
つまり、通常放熱端末である2台の床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データ、浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの時系列的な端末熱負荷データ、及び、浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの時系列的な端末熱負荷データを複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理する。
【0081】
具体的には、通常放熱端末である2台の床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データ、要判別放熱端末である浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの時系列的な端末熱負荷データ、及び、その浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの時系列的な端末熱負荷データを加えることにより、複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求めることになる。
【0082】
つまり、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから求めた複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを、複数種放熱端末の前週過去端末熱負荷データDbとする。
又、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週を除いた複数週(即ち、2週前、3週前、4週前)夫々の週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから、夫々の週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求め、求めた各週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを平均して、複数種放熱端末の平均過去熱負荷データDaとして求める。
【0083】
そして、上述のように求めた前週過去給湯熱負荷データDb及び平均過去給湯熱負荷データDaに基づいて、上記の式3により予測用過去給湯熱負荷データDpを求める。
【0084】
一方、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性がないと判別すると、周期性判別曜日から始まる1週間は、浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの運転中の時系列的な過去端末熱負荷データを除外した状態で複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理する。
つまり、通常放熱端末である2台の床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データ、及び、浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの時系列的な端末熱負荷データを複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理する。
【0085】
具体的には、通常放熱端末である2台の床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データ、及び、要判別放熱端末である浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの時系列的な端末熱負荷データを加えることにより、複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求めることになる。
【0086】
つまり、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから求めた複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを、複数種放熱端末の前週過去端末熱負荷データDbとする。
又、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週を除いた複数週(即ち、2週前、3週前、4週前)夫々の週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから、夫々の週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求め、求めた各週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを平均して、複数種放熱端末の平均過去熱負荷データDaとして求める。
【0087】
そして、上述のように求めた前週過去給湯熱負荷データDb及び平均過去給湯熱負荷データDaに基づいて、上記の式3により予測用過去給湯熱負荷データDpを求める。
【0088】
次に、運転対象日の1日分の時系列的な予測負荷データ(予測電力負荷データ、予測給湯熱負荷データ、予測端末熱負荷データ)Doを、上述のように求めた予測用過去負荷データ(予測用過去電力負荷データ、予測用過去給湯熱負荷データ、複数種放熱端末の予測用過去端末熱負荷データ)Dpと記憶データのうちの運転対象日の前日の負荷データである前日負荷データ(前日電力負荷データ、前日給湯熱負荷データ、複数種放熱端末の前日端末熱負荷データ)Dyとを所定の割合で足し合わせることにより求める。
【0089】
尚、予測端末熱負荷データDoを求める場合、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性があると判別したときは、複数種放熱端末の前日端末熱負荷データDyは、通常放熱端末である2台の床暖房装置3Aの運転対象日前日の時系列的な端末熱負荷データ、要判別放熱端末である浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの運転対象日前日の時系列的な端末熱負荷データ、及び、その浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの運転対象日前日の時系列的な端末熱負荷データを加えたものである。
又、1週間毎の浴室暖房乾燥装置3Bの浴室乾燥モードでの使用状態に周期性がないと判別したときは、複数種放熱端末の前日端末熱負荷データDyは、通常放熱端末である2台の床暖房装置3Aの運転対象日前日の時系列的な端末熱負荷データ、及び、要判別放熱端末である浴室暖房乾燥装置3Bの浴室暖房モードでの運転対象日前日の時系列的な端末熱負荷データを加えたものである。
【0090】
具体的には、予測用過去負荷データDpと前日負荷データDyとから、下記の式4により、運転対象日の1日分の時系列的な予測負荷デーDoを求める。
【0091】
Do=Dp×Q+Dy×(1−Q)・・・・・(式4)
但し、Qは定数であり、例えば0.25に設定される。
【0092】
例えば、運転対象日が日曜日である場合、前週過去負荷データDb、平均過去負荷データDaは、夫々、上記の式1、式2に示す通りであり、前日負荷データDyは、下記の式5に示す通り日曜日の前日の土曜日の負荷データである。
【0093】
Dy=D1(7)……………(式5)
【0094】
そして、1日分の予測負荷データDoは、図5に示すように、1日分の予測電力負荷データ、1日分の複数種放熱端末の予測端末熱負荷データ、1日分の予測給湯熱負荷データ、からなり、図5の(イ)は、1日分の予測電力負荷を示しており、図5の(ロ)は、1日分の予測端末熱負荷を示しており、図5の(ハ)は、1日分の予測給湯熱負荷を示している。
【0095】
次に、前記運転制御部5による熱電併給装置1の運転の制御について説明を加える。
運転制御部5は、日付が変わる毎に、上述のように運転対象日の予測負荷データを求めた状態で、その予測負荷データから、1日よりも短い時間(例えば12時間)に設定される基準値用時間毎に、熱電併給装置1を運転させるか否かの基準となる省エネルギ度基準値を求める省エネルギ度基準値演算処理を行い、単位時間毎に、その省エネルギ度基準値演算処理にて求められた省エネルギ度基準値よりも現時点での実省エネルギ度が上回っているか否かによって、熱電併給装置1の運転の可否を判別する運転可否判別処理を行うように構成されている。
【0096】
このようにして、運転制御部5は、運転可否判別処理において、熱電併給装置1の運転が可と判別されると、その時点から1時間先までの単位時間を熱電併給装置1を運転させる運転用時間帯として設定して、その運転用時間帯に熱電併給装置1を運転させ、熱電併給装置1の運転が不可と判別されると、熱電併給装置1の運転を停止させるように構成されている。
【0097】
前記省エネルギ度基準値演算処理について説明を加えると、日付が変わった時点から基準値用時間が経過する毎に実行され、予測給湯熱負荷データを用いて、現時点から基準値用時間先までの間に必要となる貯湯必要量を賄えるように熱電併給装置1を運転させた場合に、熱電併給装置1を運転させることによって省エネルギ化を実現できる省エネルギ度基準値を求めるように構成されている。
【0098】
例えば、単位時間を1時間とし、基準値用時間を12時間として説明を加えると、まず、予測負荷データによる予測電力負荷、予測給湯熱負荷、及び、複数種放熱端末の予測端末熱負荷から、下記の式6により、図6に示すように、熱電併給装置1を運転させた場合の予測省エネルギ度を1時間毎に12時間先までの12個分を求めると共に、熱電併給装置1を運転させた場合に貯湯槽2に貯湯することができる予測貯湯量を1時間毎に12時間先までの12個分を求める。
【0099】
省エネルギ度P={(EK1+EK2+EK3)/熱電併給装置1の必要エネルギ}×100……………(式6)
【0100】
但し、EK1は、有効発電出力E1を変数とする関数であり、EK2は、有効放熱端末熱出力E2を変数とする関数であり、EK3は、有効貯湯熱出力E3を変数とする関数であり、
EK1=有効発電出力E1の発電所一次エネルギ換算値
=f1(有効発電出力E1,発電所での必要エネルギ)
EK2=有効放熱端末熱出力E2の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f2(有効端末熱出力E2,バーナ効率(放熱端末3にて放熱させる放熱時))
EK3=有効貯湯熱出力E3の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f3(有効貯湯熱出力E3,バーナ効率(給湯時))
熱電併給装置1の必要エネルギ:5.5kW(熱電併給装置1を1時間稼動させたときの都市ガス消費量を0.433m3とする)
単位電力発電必要エネルギ:2.8kW
バーナ効率(放熱時):0.8
バーナ効率(給湯時):0.9
【0101】
また、有効発電出力E1、有効放熱端末熱出力E2、有効貯湯熱出力E3の夫々は、下記の式7〜式9により求められる。
【0102】
E1=熱電併給装置1の発電電力−(余剰電力+固有の補機の電力負荷)……………(式7)
【0103】
E2=複数種の放熱端末3での熱負荷……………(式8)
【0104】
E3=(熱電併給装置1の熱出力+電気ヒータ12の回収熱量−有効放熱端末熱出力E2)−放熱ロス……………(式9)
但し、電気ヒータ12の回収熱量=電気ヒータ12の消費電力×ヒータの熱効率とする。
【0105】
続いて、図6に示すように、1時間毎の予測省エネルギ度及び予測貯湯量を12個分求めた状態において、まず、予測給湯熱負荷データから12時間先までに必要とされている予測必要貯湯量を求め、その予測必要貯湯量から現時点での貯湯槽2内の貯湯量を引いて、12時間先までの間に必要となる必要貯湯量を求める。
例えば、予測給湯熱負荷データから12時間後に9.8kWの給湯熱負荷が予測されていて、現時点での貯湯槽2内の貯湯量が2.5kWである場合には、12時間先までの間に必要となる必要貯湯量は7.3kWとなる。
【0106】
そして、単位時間の予測貯湯量を足し合わせる状態で、その足し合わせた予測貯湯量が必要貯湯量に達するまで、12個分の単位時間のうち、予測省エネルギ度の数値が高いものから選択していくようにしている。
【0107】
説明を加えると、例えば、上述の如く、必要貯湯量が7.3kWである場合には、図6に示すように、まず、予測省エネルギ度の一番高い7時間先から8時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせる。
次に予測省エネルギ度の高い6時間先から7時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が1.1kWとなる。
また次に予測省エネルギ度の高い5時間先から6時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が4.0kWとなる。
【0108】
このようにして、予測省エネルギ度の数値が高いものからの単位時間の選択と予測貯湯量の足し合わせを繰り返していくと、図6に示すように、8時間先から9時間先までの単位時間を選択したときに、足し合わせた予測貯湯量が7.3kWに達する。
そうすると、8時間先から9時間先までの単位時間の省エネルギ度を省エネルギ度基準値として設定し、図6に示すものでは、省エネルギ度基準値が106となる。
【0109】
前記運転可否判別処理について説明を加えると、単位時間である1時間が経過する毎に実行され、現時点での電力負荷、現時点での給湯熱負荷、及び、現時点での複数種放熱端末の端末熱負荷から、上記の式6により、実省エネルギ度を求める。
そして、その実省エネルギ度が省エネルギ度基準値よりも上回ると、熱電併給装置1の運転が可と判別し、実省エネルギ度が省エネルギ度基準値以下であると、熱電併給装置1の運転が不可と判別するようにしている。
【0110】
そして、上述のように、前記運転制御部5は、運転可否判別処理において、熱電併給装置1の運転が可と判別すると、熱電併給装置1を運転させ、熱電併給装置1の運転が不可と判別すると、熱電併給装置1の運転を停止させる。
【0111】
つまり、実際の電力負荷、給湯熱負荷及び複数種放熱端末の端末熱負荷が、予測電力負荷データ、予測給湯熱負荷データ及び複数種放熱端末の予測端末熱負荷データと略等しければ、実省エネルギ度は、省エネルギ基準値演算処理において求めた予測省エネルギ度と略等しくなるので、必要貯湯量を貯湯できるように予測省エネルギ度の高い時間帯の順に選択した複数の単位時間において、熱電併給装置1が運転されることになる。
【0112】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を説明する。
この第2実施形態では、複数種の放熱端末3を前記通常放熱端末と前記要判別放熱端末とに区分けして管理する形態が、上記の第1実施形態と異なる。
つまり、前記複数種の放熱端末3として、食堂及び居間夫々に1台ずつ、客間に1台の3台の床暖房装置3A,3Bが設けられている。
そして、食堂及び居間夫々の床暖房装置3Aの使用状態には周期性があり、客間の床暖房装置3Bの使用状態には周期性がないと考えられるので、それら3台の床暖房装置3A,3Bのうちの食堂と居間の2台の床暖房装置3Aが通常放熱端末として管理され、客間の1台の床暖房装置3Bが要判別放熱端末として管理される。
【0113】
以下、通常放熱端末として管理される2台の床暖房装置3A夫々を通常床暖房装置3Aと記載し、要判別放熱端末として管理される床暖房装置3Bを要判別床暖房装置3Bと記載する場合がある。
【0114】
次に、前記運転制御部5により実行されるデータ管理処理において、上記の第1実施形態と異なる点について説明する。
毎週の周期性判別曜日(例えば日曜日)の0時になると、要判別床暖房装置3Bの時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて前記周期性判別処理を実行して、要判別床暖房装置3Bの使用状態に周期性があるか否か判別する。
その周期性判別処理においては、その時点で記憶している管理用設定数週間分の端末熱負荷データにおける最近2週間分の端末熱負荷データのうち、要判別床暖房装置3Bの使用開始時刻(放熱端末用リモコン34にて運転開始が指令された時刻)に基づいて、周期性判別用期間毎、即ち、1週間毎の要判別床暖房装置3Bの使用状態に周期性があるか否かを判別する。
【0115】
具体的には、周期性判別曜日(この実施形態では日曜日)を基準にして前週の1週間分(日曜日から土曜日まで)の使用開始時刻のデータと前々週の1週間分(日曜日から土曜日まで)の使用開始時刻のデータとを比較して、前週と前々週とで、要判別床暖房装置3Bの使用回数が同一で且つ使用開始時刻が同曜日における設定時間幅(例えば4時間)内に収まる場合は、1週間毎の要判別床暖房装置3Bの使用状態に周期性があると判別し、それ以外は、1週間毎の要判別床暖房装置3Bの使用状態に周期性が無いと判別する。
【0116】
そして、1週間毎の要判別床暖房装置3Bの使用状態に周期性があると判別すると、周期性判別曜日から始まる1週間は、2台の通常床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データ、及び、要判別床暖房装置3Bの時系列的な端末熱負荷データを複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理する。
具体的には、2台の通常床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データ、及び、要判別浴室暖房乾燥装置3Bの時系列的な端末熱負荷データを加えることにより、複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求めることになる。
【0117】
つまり、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから求めた複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを、複数種放熱端末の前週過去端末熱負荷データDbとする。
又、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週を除いた複数週(即ち、2週前、3週前、4週前)夫々の週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから、夫々の週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求め、求めた各週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを平均して、複数種放熱端末の平均過去熱負荷データDaとして求める。
【0118】
そして、上述のように求めた前週過去給湯熱負荷データDb及び平均過去給湯熱負荷データDaに基づいて、上記の式3により予測用過去給湯熱負荷データDpを求める。
【0119】
一方、1週間毎の要判別床暖房装置3Bの使用状態に周期性がないと判別すると、周期性判別曜日から始まる1週間は、2台の通常床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データを複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理する。
具体的には、2台の通常床暖房装置3Aの時系列的な端末熱負荷データを加えることにより、複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求めることになる。
【0120】
つまり、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから求めた複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを、複数種放熱端末の前週過去端末熱負荷データDbとする。
又、複数種放熱端末の端末熱負荷データに関する記憶データのうち、前週を除いた複数週(即ち、2週前、3週前、4週前)夫々の週の端末熱負荷データにおける運転対象日と同曜日の端末熱負荷データから、夫々の週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを求め、求めた各週の複数種放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを平均して、複数種放熱端末の平均過去熱負荷データDaとして求める。
【0121】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたる要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する周期性判別処理の処理形態としては、上記の実施形態において例示した処理形態、即ち、時系列的に並ぶ設定数の単位期間からなる区分け周期を周期性判別用期間として、時系列的に並ぶ複数の周期性判別用期間にわたる要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、周期性判別用期間毎の要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する処理形態に限定されるものではない。
例えば、時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたる要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、2日毎や4日毎等、所定の日数毎に同一の時間帯で使用される如き使用状態の周期性を判別する処理形態でも良い。
【0122】
(ロ) 単位時間、単位期間及び区分け周期夫々の具体的な設定例は、上記の実施形態において示した例に限定されるものではない。例えば、単位時間を30分、2時間等に設定することができる。又、単位期間は、12時間、48時間等、熱源システムの設置箇所の実際のエネルギ消費状況の変動周期に応じて設定することができる。又、区分け周期も、5日間、2週間等、熱源システムの設置箇所のエネルギ消費状況の変動周期に応じて設定することができる。
【0123】
(ハ) 前記周期性判別処理にて要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するためのデータは、上記の実施形態において例示した如き、要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データのうちの要判別放熱端末の使用開始時刻に限定されるものではない。
例えば、要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データのうちの要判別放熱端末の使用時間帯でも良い。この場合、要判別放熱端末の使用時間帯が設定時間帯内に収まっている場合は、要判別放熱端末の使用状態に周期性があると判別し、開始時刻又は停止時刻の少なくとも一方が前記設定時間帯から外れている場合は、要判別放熱端末の使用状態に周期性がないと判別するように構成する。
【0124】
(ニ) 複数種の放熱端末3としては、上記の床暖房装置や浴室暖房乾燥装置の他に、ファンコイルユニット等、種々のものを設けることが可能である。
又、複数種の放熱端末3として設ける放熱端末3の台数は、上記の実施形態において例示した3台に限定されるものではなく、2台でも良く、又、4台以上でも良い。
【0125】
(ホ) 要判別放熱端末として管理する放熱端末3の台数は、上記の実施形態において例示した1台に限定されるものではなく、2台以上でも良い。
【0126】
(ヘ) 予測給湯熱負荷データ、予測端末熱負荷データ及び予測電力負荷データを用いて熱電併給装置1の運転を制御する制御形態は、上記の実施形態において例示した制御形態、即ち、予測給湯熱負荷データ、予測端末熱負荷データ及び予測電力負荷データから省エネルギ度基準値を求め、現時点での実省エネルギ度が前記省エネルギ度基準値を上回ると熱電併給装置1を運転し、上回らないと熱電併給装置1を停止する形態に限定されるものではない。
例えば、予測給湯熱負荷データ、予測端末熱負荷データ及び予測電力負荷データに基づいて、熱電併給装置1を運転することにより省エネルギを実現可能な運転時間帯を求めて、その求めた運転時間帯に熱電併給装置1を運転する形態でも良い。
【0127】
(ト) 予測給湯熱負荷データ、予測端末熱負荷データ及び予測電力負荷データの求め方は、上記の実施形態において例示した求め方に限定されるものではなく、例えば、予測用過去電力負荷データ、予測用過去給湯熱負荷データ、複数種放熱端末の予測用過去端末熱負荷データそのものを予測給湯熱負荷データ、予測端末熱負荷データ、予測電力負荷データとしても良い。
【0128】
(チ) 本発明を上記の実施形態の如き熱発生装置として熱電併給装置1を備えたコージェネレーションシステムに適用する場合、熱電併給装置1として、上記の実施形態の如き発電機1gとその発電機1gを駆動するガスエンジン1eとを備えて構成したもの以外に、燃料電池にて構成したものにも適用することができる。
【0129】
(リ) 本発明を適用可能な熱源システムとしては、熱発生装置として熱と電力を発生する熱電併給装置1を備えたコージェネレーションシステム以外に、ヒートポンプ等、熱のみを発生する熱発生装置を備えたものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】コージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】コージェネレーションシステムの制御構成を示すブロック図
【図3】データ管理処理を説明する図
【図4】規則性判別処理を説明する図
【図5】1日分の予測負荷データを示す図
【図6】省エネルギ度基準演算処理を説明する図
【符号の説明】
【0131】
1 熱発生装置、熱電併給装置
2 貯湯槽
3 放熱端末
3A 通常放熱端末
3B 要判別放熱端末
5 運転制御手段
H 熱媒循環手段
S 貯湯手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱を発生する熱発生装置と、
前記熱発生装置にて発生する熱にて加熱した湯を貯湯槽に貯湯する貯湯手段と、
使用状態と非使用状態とに各別に切り換え自在な複数種の放熱端末に対して、前記熱発生装置にて発生する熱にて加熱した熱媒を循環させる熱媒循環手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、時系列的な過去給湯熱負荷データ及び前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを複数の単位時間からなる単位期間毎に区分けして管理して、その管理した過去給湯熱負荷データ及び過去端末熱負荷データに基づいて作成した運転用給湯熱負荷データ及び運転用端末熱負荷データを用いて前記熱発生装置の運転を制御するように構成された熱源システムであって、
前記運転制御手段は、
前記複数種の放熱端末を、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とする要判別放熱端末と、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としない通常放熱端末とに区分けして管理して、
前記要判別放熱端末について、時系列的に並ぶ複数の単位期間にわたるその要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいてその要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別する周期性判別処理を実行し、
前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があると判別したときは、前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データと前記通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとを前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理し、且つ、前記要判別放熱端末の使用状態に周期性が無いと判別したときは、前記通常放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データとして管理して、前記運転用端末熱負荷データを作成するように構成されている熱源システム。
【請求項2】
前記運転制御手段は、前記周期性判別処理において、時系列的に並ぶ設定数の単位期間からなる区分け周期を周期性判別用期間として、時系列的に並ぶ複数の周期性判別用期間にわたる前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて、周期性判別用期間毎の前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するように構成されている請求項1記載の熱源システム。
【請求項3】
前記単位期間が1日であり、前記区分け周期が1週間である請求項2記載の熱源システム。
【請求項4】
前記運転制御手段は、前記周期性判別処理において、前記要判別放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データのうちの前記要判別放熱端末の使用開始時刻に基づいて、前記要判別放熱端末の使用状態に周期性があるか否かを判別するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱源システム。
【請求項5】
前記要判別放熱端末として、浴室内を暖房する浴室暖房モードと浴室内の被乾燥物を乾燥する浴室乾燥モードとに運転モードを切り換え自在な浴室暖房乾燥装置が含まれ、
前記運転制御手段は、
前記浴室暖房モードでの前記浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要としないものとして、前記浴室暖房モードでの運転中の時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、前記運転用端末熱負荷データを作成し、
前記浴室乾燥モードでの前記浴室暖房乾燥装置の運転については、使用状態に周期性があるか否かの判別を必要とするものとして、前記浴室暖房乾燥装置の時系列的な過去端末熱負荷データに基づいて前記周期性判別処理を実行して、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性があるか否か判別し、
前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性があると判別したときは、前記浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを含めた状態で前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理し、且つ、前記浴室乾燥モードでの浴室暖房乾燥装置の使用状態に周期性が無いと判別したときは、前記浴室乾燥モードでの時系列的な過去端末熱負荷データを除外した状態で前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データを管理して、前記運転用端末熱負荷データを作成するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱源システム。
【請求項6】
前記熱発生装置が、熱と電力を発生する熱電併給装置にて構成され、
前記運転制御手段が、前記時系列的な過去給湯熱負荷データ及び前記複数種の放熱端末の時系列的な過去端末熱負荷データに加えて、時系列的な過去電力負荷データを単位期間毎に区分けして管理して、前記運転用給湯熱負荷データ及び前記運転用端末熱負荷データに加えて、運転用電力負荷データを作成し、それら運転用給湯熱負荷データ、運転用端末熱負荷データ及び運転用電力負荷データを用いて前記熱電併給装置の運転を制御するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱源システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−275416(P2006−275416A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95333(P2005−95333)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】