説明

熱物性測定方法および装置

【課題】真空断熱材の熱伝導率を高精度で測定可能な熱物性測定方法を提供する。
【解決手段】被測定物105の一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になると共に他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように、第1の高温側調整器111と第2の高温側調整器112と第1の低温側調整器114と第2の低温側調整器115の出力を調整した後、第1の高温側調整器111から被測定物105に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段113で検知すると共に、被測定物105から第1の低温側調整器114に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段116で検知し、高温側熱流密度検知手段113で検知した熱流密度と低温側熱流密度検知手段116で検知した熱流密度とを基にして被測定物105の厚み方向への熱流密度を得、高温側調整手段103と低温側調整手段104との間隔を基に厚みを測定し、被測定物105の熱伝導率を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空断熱材など高性能断熱材の断熱性能を評価するための熱物性を測定する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、真空断熱材は、冷蔵庫、自動販売機などの冷凍冷蔵機器やジャーポットなどの温熱機器に多く用いられ、これらの機器の消費エネルギーを格段に削減し、省エネ効果を大幅に向上した。
【0003】
一般に、このような用途で用いられる真空断熱材は、真空断熱材の強度を確保するための芯材と、ガスバリア性を有し芯材を覆う外被材と、外被材内部の余分な水分を吸着する水分吸着剤で構成される。
【0004】
なお、芯材は、グラスウール、ロックウール、セラミックファイバーなどの繊維系や、非結晶珪素、シリカなどの粉末系が一般的に用いられる。また、外被材としては、外部から真空断熱材内部へのガス浸入を抑制するように、樹脂フィルム、蒸着フィルム、金属箔フィルムなどのガスバリア性に優れたフィルム材料を用いる。
【0005】
また、一般に断熱材の断熱性能は、断熱材の片面から反対面への単位面積当たりの熱流密度を厚みで除した熱伝導率で評価される。この熱伝導率が小さいものほど断熱性能が高いことを意味する。
【0006】
熱伝導率の測定は、断熱材を温度調整可能な平行平板で挟み、断熱材の厚み方向に所定の温度差をつけたときの単位面積当たりの熱流密度を測定する。同時に平行平板間の厚みを測定し、熱伝導率を算出する。
【0007】
このとき、真空断熱材のような多層構造の断熱材では、厚み方向の熱伝導率と比較して、それに垂直な方向への熱伝導率が著しく大きくなり、伝熱経路が複数になることがある。このため、熱流密度を厚み方向と、それに垂直な方向の複数を測定し、全体の見かけの熱流密度から見かけの熱伝導率を得る測定する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図2は、厚みに対して垂直方向に熱流計を備えた従来の熱伝導率測定装置の構造を示す概略断面図である。
【0009】
縦方向熱流計fu,flは、被測定断熱材Sを厚み方向に貫流する熱流を検出するものであり、各々同一構成のものを上下に配置する。横方向熱流計fuh,flhは、それぞれ上下に配置した縦方向熱流計fu,flに密着され、且つ、間に挟んだ被測定断熱材Sの表皮を流れる熱流を検出するものである。
【0010】
すなわち、熱流計fu,fl,fuh,flhは二層構成となり、被測定断熱材Sから見て、この両面に密着する上下方向に配置した横方向熱流計fuh,flhは内層となり、この外側に配置した縦方向熱流計fu,flは外層となる。なお、被測定断熱材S上面中央温度T1、下面中央温度T2、周囲温度Taを測定する。
【0011】
まず、断熱性の大きい熱伝導率が既知の標準試料を装着し、縦方向熱流計fu,flを校正する。なお、厚みに垂直な方向の熱流密度は、誤差範囲内でゼロである。
【0012】
次に、被測定断熱材Sに使用される表皮材のシート状サンプルを密着させて装着し、厚み方向の熱流密度と、それに垂直な方向の熱流密度を検出し、先の校正で得られた関係式に基づき、厚み方向とそれに垂直方向の2つの伝熱経路を合計した見かけの熱伝導率と、厚み方向の熱伝導率と、さらに表皮材の見かけの熱伝導率を求めることが可能になる。
【特許文献1】特開平7−209222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来の構成では、被測定断熱材Sの熱伝導率を求めるために、被測定断熱材Sの上下面に温度差を設け、厚み方向への熱流密度と、厚みに垂直方向である表面の熱流密度を検出し、標準試料による校正から得られる関係式から算出される。
【0014】
つまり、被測定断熱材Sの熱伝導率として、厚み方向への熱流密度が支配的な場合は、断熱材としての指標として適しているが、厚み方向の断熱性能が向上すると、垂直方向の熱流密度の影響度が相対的に大きくなり、本方法での算出値は適当でなくなるという課題があった。
【0015】
また、被測定断熱材Sが真空断熱材である場合、断熱部の熱抵抗が一般的な断熱材と比較して著しく増大することに加えて、その周縁にヒレ部があり、表面が均一に温度調整できず、ヒレ部からの放熱または吸熱により、表面に大きな温度勾配が形成され、さらに厚みの垂直方向への熱流密度が増大するという課題があった。
【0016】
さらに、本来ヒレ部にあたる部分の温度調整をするために設けられている温度調整器は、被測定断熱材Sと接触しておらず、そのまま所定の低温設定値に温度調整しようとすると、空間内の水分が結露することにより水の凝縮潜熱により温度調整が困難であるという課題があった。
【0017】
本発明は、被測定断熱材表面で厚み方向への熱流密度を精度良く測定できるように、厚みに垂直方向への熱流密度を低減して熱伝導率など熱物性測定方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために本発明の熱物性測定方法は、第1の高温側調整器を板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接させると共に、前記第1の高温側調整器の外周側に位置する第2の高温側調整器を前記被測定物の前記一方の表面の外周部と当接させ、第1の低温側調整器を板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接させると共に、前記第1の低温側調整器の外周側に位置する第2の低温側調整器を前記被測定物の前記他方の表面の外周部と当接させ、前記被測定物の前記一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように前記第1の高温側調整器と前記第2の高温側調整器の出力を調整すると共に、前記被測定物の前記他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように前記第1の低温側調整器と前記第2の低温側調整器の出力を調整した後、前記第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段で検知すると共に、前記被測定物から前記第1の低温側調整器に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段で検知し、前記高温側熱流密度検知手段で検知した熱流密度と前記低温側熱流密度検知手段で検知した熱流密度とを基にして前記被測定物の厚み方向への熱流密度を得るのである。
【0019】
これにより、被測定物の上下面を加熱または冷却して温度差を設けて、被測定物表面中央部に位置する高温側熱流密度検出手段と低温側熱流密度検出手段とによって、厚み方向への熱流密度を検出する時に、高温側および低温側熱流密度検出手段の外周側の被測定物の表面温度は、高温側および低温側熱流密度検出手段の位置する被測定物の中央部の表面温度と一様な温度になるように調整しているので、被測定物表面の横方向への熱移動が抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0020】
また、本発明の熱物性測定装置は、板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接し前記被測定物の前記一方の表面の中央部の温度を高温度帯に調整する第1の高温側調整器と、前記第1の高温側調整器の外周側に位置し前記被測定物の前記一方の表面の外周部と当接し前記被測定物の前記一方の表面の外周部の温度を高温度帯に調整する第2の高温側調整器と、前記被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接し前記被測定物の前記他方の表面の中央部の温度を低温度帯に調整する第1の低温側調整器と、前記第1の低温側調整器の外周側に位置し前記被測定物の前記他方の表面の外周部と当接し前記被測定物の前記他方の表面の外周部の温度を低温度帯に調整する第2の低温側調整器と、前記被測定物の前記一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように前記第1の高温側調整器と前記第2の高温側調整器の出力を調整すると共に、前記被測定物の前記他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように前記第1の低温側調整器と前記第2の低温側調整器の出力を調整する温度制御手段と、前記第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を検知する高温側熱流密度検知手段と、前記被測定物から前記第1の低温側調整器に向かう熱流密度を検知する低温側熱流密度検知手段とを備えるものである。
【0021】
これにより、第1、第2の高温側調整器と第1、第2の低温側調整器とにより被測定物の上下面を加熱または冷却して温度差を設けて、被測定物表面中央部に位置する高温側熱流密度検出手段と低温側熱流密度検出手段とによって、厚み方向への熱流密度を検出する時に、高温側および低温側熱流密度検出手段の外周側の被測定物の表面温度は、高温側および低温側熱流密度検出手段の位置する被測定物の中央部の表面温度と一様な温度になるように温度制御手段が第1、第2の高温側調整器の出力と第1、第2の低温側調整器の出力とを調整しているので、被測定物表面の横方向への熱移動が抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、被測定物の上下面を加熱または冷却して温度差を設けて、被測定物表面中央部に位置する高温側熱流密度検出手段と低温側熱流密度検出手段とによって、厚み方向への熱流密度を検出する時に、高温側および低温側熱流密度検出手段の外周側の被測定物の表面温度は、高温側および低温側熱流密度検出手段の位置する被測定物の中央部の表面温度と一様な温度になるように調整しているので、被測定物表面の横方向への熱移動が抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の請求項1に記載の熱物性測定方法の発明は、第1の高温側調整器を板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接させると共に、前記第1の高温側調整器の外周側に位置する第2の高温側調整器を前記被測定物の前記一方の表面の外周部と当接させ、第1の低温側調整器を板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接させると共に、前記第1の低温側調整器の外周側に位置する第2の低温側調整器を前記被測定物の前記他方の表面の外周部と当接させ、前記被測定物の前記一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように前記第1の高温側調整器と前記第2の高温側調整器の出力を調整すると共に、前記被測定物の前記他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように前記第1の低温側調整器と前記第2の低温側調整器の出力を調整した後、前記第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段で検知すると共に、前記被測定物から前記第1の低温側調整器に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段で検知し、前記高温側熱流密度検知手段で検知した熱流密度と前記低温側熱流密度検知手段で検知した熱流密度とを基にして前記被測定物の厚み方向への熱流密度を得るのである。
【0024】
これにより、被測定物の上下面を加熱または冷却して温度差を設けて、被測定物表面中央部に位置する高温側熱流密度検出手段と低温側熱流密度検出手段とによって、厚み方向への熱流密度を検出する時に、高温側および低温側熱流密度検出手段の外周側の被測定物の表面温度は、高温側および低温側熱流密度検出手段の位置する被測定物の中央部の表面温度と一様な温度になるように調整しているので、被測定物表面の横方向への熱移動が抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0025】
また、請求項2に記載の熱物性測定方法の発明は、請求項1に記載の発明において、高温側熱流密度検知手段を、第1の高温側調整器よりも小さい面で被測定物と接触させると共に、低温側熱流密度検知手段を、第1の低温側調整器よりも小さな面で前記被測定物と接触させることを特徴とするものであり、被測定物表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0026】
また、請求項3に記載の熱物性測定方法の発明は、請求項1または2に記載の発明において、第1の高温側調整器と第2の高温側調整器とからなる高温側調整手段と、第1の低温側調整器と第2の低温側調整器とからなる低温側調整手段との間隔を調節可能且つ前記間隔を測定可能に構成して、前記高温側調整手段と前記低温側調整手段とで被測定物を挟んだ時の前記高温側調整手段と前記低温側調整手段との間隔を基に前記被測定物の厚みを測定し、高温側熱流密度検知手段と低温側熱流密度検知手段とで得られた熱流密度と前記被測定物の厚みとを基に前記被測定物の熱伝導率を算出することを特徴とするものであり、被測定物表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することに加えて、断熱材の断熱性能の指標として有用な熱伝導率の算出が可能になる。
【0027】
また、請求項4に記載の熱物性測定方法の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明における被測定物を、真空断熱材としたものであり、ヒレ部を有する被測定物表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0028】
また、請求項5に記載の熱物性測定方法の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、被測定物が配置される空間を除湿する除湿手段を用いて、前記被測定物が配置される空間の湿度を所定湿度以下にした後に、第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段で検知すると共に、前記被測定物から第1の低温側調整器に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段で検知することを特徴とするものであり、大気中の湿度の影響を抑制して、被測定物表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0029】
また、請求項6に記載の熱物性測定装置の発明は、板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接し前記被測定物の前記一方の表面の中央部の温度を高温度帯に調整する第1の高温側調整器と、前記第1の高温側調整器の外周側に位置し前記被測定物の前記一方の表面の外周部と当接し前記被測定物の前記一方の表面の外周部の温度を高温度帯に調整する第2の高温側調整器と、前記被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接し前記被測定物の前記他方の表面の中央部の温度を低温度帯に調整する第1の低温側調整器と、前記第1の低温側調整器の外周側に位置し前記被測定物の前記他方の表面の外周部と当接し前記被測定物の前記他方の表面の外周部の温度を低温度帯に調整する第2の低温側調整器と、前記被測定物の前記一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように前記第1の高温側調整器と前記第2の高温側調整器の出力を調整すると共に、前記被測定物の前記他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように前記第1の低温側調整器と前記第2の低温側調整器の出力を調整する温度制御手段と、前記第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を検知する高温側熱流密度検知手段と、前記被測定物から前記第1の低温側調整器に向かう熱流密度を検知する低温側熱流密度検知手段とを備えるものである。
【0030】
これにより、第1、第2の高温側調整器と第1、第2の低温側調整器とにより被測定物の上下面を加熱または冷却して温度差を設けて、被測定物表面中央部に位置する高温側熱流密度検出手段と低温側熱流密度検出手段とによって、厚み方向への熱流密度を検出する時に、高温側および低温側熱流密度検出手段の外周側の被測定物の表面温度は、高温側および低温側熱流密度検出手段の位置する被測定物の中央部の表面温度と一様な温度になるように温度制御手段が第1、第2の高温側調整器の出力と第1、第2の低温側調整器の出力とを調整しているので、被測定物表面の横方向への熱移動が抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0031】
また、請求項7に記載の熱物性測定装置の発明は、請求項6に記載の発明における高温側熱流密度検知手段が、第1の高温側調整器よりも小さい面で被測定物と接触し、低温側熱流密度検知手段が、第1の低温側調整器よりも小さな面で前記被測定物と接触することを特徴とするものであり、被測定物表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0032】
また、請求項8に記載の熱物性測定装置の発明は、請求項6または7に記載の発明において、第1の高温側調整器と第2の高温側調整器とからなる高温側調整手段と、第1の低温側調整器と第2の低温側調整器とからなる低温側調整手段との間隔を調節可能且つ前記間隔を測定可能に構成され、前記高温側調整手段と前記低温側調整手段とで被測定物を挟んだ時の前記高温側調整手段と前記低温側調整手段との間隔を基に前記被測定物の厚みを測定する厚み測定手段を備えたことを特徴とするものであり、厚み測定手段により測定した被測定物の厚みと、高温側熱流密度検知手段と低温側熱流密度検知手段で測定される熱流密度の平均値とから断熱材の断熱性能の指標として有用な熱伝導率を算出することが可能になる。
【0033】
また、請求項9に記載の熱物性測定装置の発明は、請求項6から8のいずれか一項に記載の発明に加えて、被測定物が配置される空間を除湿する除湿手段を備えたことを特徴とするものであり、除湿手段により測定雰囲気を除湿することにより、大気中の湿度の影響を抑制して、被測定物表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0035】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における熱物性測定装置の概略断面図である。
【0036】
図1に示すように、熱物性測定装置101は、測定室102内に天側で上下に可動する高温側調整手段103と、底側で固定された低温側調整手段104を備えており、低温側調整手段104上には被測定物105である真空断熱材を静置し、上方から高温側調整手段103を下降させて、被測定物105を挟む。
【0037】
被測定物105である真空断熱材は、粉体または発泡樹脂である芯材106と水分吸着剤107を袋状の外被材108内に挿入し、内部を10Pa以下に減圧した構成である。一般的に外被材108で袋体を作製するときには、シート状の2枚の周縁部を熱溶着するため、熱溶着部分は芯材106がないヒレとなる。
【0038】
高温側調整手段103は、モーター109と軸110によって連結されている。また、高温側調整手段103内部には、中央部を所定の温度に調整する第1の高温側調整器111と、その外側の温度を調整する第2の高温側調整器112が備えられている。第2の高温側調整器112は、第1の高温側調整器111の形状に合わせて、リング状の取り囲むように配置しても構わないし、複数を周囲に並べても良い。
【0039】
通常、第1の高温側調整器111および第2の高温側調整器112は電気ヒーターやペルチェ素子などが用いられ、室温よりも高い温度に設定される。さらに、第1の高温側調整器111の下部には高温側熱流密度検知手段113が備えられており、高温側調整手段103から被測定物105に流れる熱流密度を検出する。
【0040】
低温側調整手段104は、中央部を所定の温度に調整する第1の低温側調整器114と、その外側の温度を調整する第2の低温側調整器115が備えられている。第1の低温側調整器114および第2の低温側調整器115は、一般に冷却水やブライン等を循環させることにより、室温よりも低い温度に設定される。さらに、第1の低温側調整器114の下部には低温側熱流密度検知手段116が備えられており、被測定物105から低温側調整手段104に流れる熱流密度を検出する。
【0041】
測定室102内の相対湿度が高い場合には、低温側調整手段104表面で大気中の水分が結露することにより、その凝縮伝熱によって低温側熱流密度検出手段116の検出値に影響を与えるため、測定室102と熱物性測定装置101の外部に備えられた除湿手段117が配管118で接続されており、配管118上には開閉バルブ119が備えられている。
【0042】
制御装置120は、厚み測定手段121、温度制御手段122、高温側熱流密度計123、低温側熱流密度計124、除湿制御手段125で構成されている。厚み測定手段121はモーター109と、温度制御手段122は高温側調整手段103および低温側調整手段104と、高温側熱流密度計123は高温側熱流密度検知手段113と、低温側熱流密度計124は低温側熱流密度検出手段116と、除湿制御手段125は除湿手段117と、それぞれ配線されている。
【0043】
以上のように構成された熱物性測定装置について、以下その動作について説明する。
【0044】
まず、測定室102内が空の状態で、高温側調整手段103を低温側調整手段104に接触するまで下降させる。この状態をゼロ点として、高温側調整手段103が測定室102天面に接触するまで上昇させ、ゼロ点からのモーター109の回転数を厚み測定手段121に記憶する。
【0045】
次に、被測定物105を低温側調整手段104上に静置した後、再び高温側調整手段103を被測定物105に接触するまで下降させる。この下降するのに要した回転数を先に測定した回転数から差し引いた値を長さ換算したものが、被測定物105の厚みとなる。なお、被測定物105の厚み測定は、厚みゲージ等を用いて予め測定し、制御手段120に手入力しても良い。
【0046】
高温側調整手段103の位置決めが完了すると、温度制御手段121により、高温側調整手段103および低温側調整手段104を所定の温度に調整する。たとえば、高温側調整手段103は10から100℃、低温側調整手段104は−20から20℃の間で設定できる。
【0047】
高温側調整手段103では、中央部の第1の高温側調整器111と、その外側の第2の高温側調整器112は独立して制御可能である。また、低温側調整手段104も中央部の第1の低温側調整器114と、その外側の第2の低温側調整器115は独立して制御可能である。
【0048】
被測定物105として真空断熱材のようなヒレを有するものを測定する場合、第2の高温側調整器112および第2の低温側調整器114は被測定物105と接触しない部分があり、第1の高温側調整器111および第1の低温側調整器113と比較して出力を大きくし、加熱または冷却能力を増大させる。
【0049】
さらに、高温側調整手段103と低温側調整手段104との間で被測定物105がない空間部分の湿度が高い場合、低温側調整手段104表面で水分が結露することにより温度調整が不安定になり易いので、除湿制御手段125に予め記録された湿度以下になるまで除湿手段117により除湿を行う。
【0050】
被測定物105の高温側と低温側の温度が安定した後、高温側熱流密度検知手段113および低温側熱流密度検知手段116により被測定物105中央付近の熱流密度を測定し、それらの平均値から被測定物105の熱流密度を算出する。
【0051】
また、この値を厚みで除した値が熱伝導率であり、断熱材の断熱性能を評価する指標として有効である。なお、熱物性測定装置101を真空断熱材の製造工程に適用することで、真空断熱材の品質を向上することができる。
【0052】
以上のように、本実施の形態の熱物性測定方法は、第1の高温側調整器111を板状の被測定物105における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接させると共に、第1の高温側調整器111の外周側に位置する第2の高温側調整器112を被測定物105の一方の表面の外周部と当接させ、第1の低温側調整器114を板状の被測定物105における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接させると共に、第1の低温側調整器114の外周側に位置する第2の低温側調整器115を被測定物105の他方の表面の外周部と当接させ、被測定物105の一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように第1の高温側調整器111と第2の高温側調整器112の出力を調整すると共に、被測定物105の他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように第1の低温側調整器114と第2の低温側調整器115の出力を調整した後、第1の高温側調整器111から被測定物105に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段113で検知すると共に、被測定物105から第1の低温側調整器114に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段116で検知し、高温側熱流密度検知手段113で検知した熱流密度と低温側熱流密度検知手段116で検知した熱流密度とを基にして被測定物105の厚み方向への熱流密度を得るのである。
【0053】
これにより、被測定物105の上下面を加熱または冷却して温度差を設けて、被測定物105表面中央部に位置する高温側熱流密度検出手段113と低温側熱流密度検出手段116とによって、厚み方向への熱流密度を検出する時に、高温側および低温側熱流密度検出手段113,116の外周側の被測定物105の表面温度は、高温側および低温側熱流密度検出手段113,116の位置する被測定物105の中央部の表面温度と一様な温度になるように調整しているので、被測定物105表面の横方向への熱移動が抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0054】
また、被測定物105の厚みに対して垂直方向への温度勾配はほとんどないので熱流密度も抑制されている。つまり、被測定物105の高温側から低温側への熱流は、ほぼ厚み方向のみとなることから、被測定物105真空断熱材のようにヒレを有する形状であり、さらに厚み方向への熱抵抗が大きく、厚みに対して垂直方向へ熱流が生じ易い断熱材であっても、精度良く熱物性を測定することができる。
【0055】
また、高温側熱流密度検知手段113を、第1の高温側調整器111よりも小さい面で被測定物105と接触させると共に、低温側熱流密度検知手段116を、第1の低温側調整器114よりも小さな面で被測定物105と接触させるので、被測定物105表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0056】
また、第1の高温側調整器111と第2の高温側調整器112とからなる高温側調整手段103と、第1の低温側調整器114と第2の低温側調整器115とからなる低温側調整手段104との間隔を調節可能且つ、その間隔を測定可能に構成して、高温側調整手段103と低温側調整手段104とで被測定物105を挟んだ時の高温側調整手段103と低温側調整手段104との間隔を基に被測定物105の厚みを測定し、高温側熱流密度検知手段113と低温側熱流密度検知手段116とで得られた熱流密度と被測定物105の厚みとを基に被測定物105の熱伝導率を算出するので、被測定物105表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することに加えて、断熱材の断熱性能の指標として有用な熱伝導率の算出が可能になる。
【0057】
また、被測定物105を、真空断熱材としたもので、ヒレ部を有する被測定物表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0058】
また、被測定物105が配置される空間を除湿する除湿手段117を用いて、被測定物105が配置される空間の湿度を所定湿度以下にした後に、第1の高温側調整器111から被測定物105に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段113で検知すると共に、被測定物105から第1の低温側調整器114に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段116で検知するので、大気中の湿度の影響を抑制して、被測定物105表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0059】
また、本実施の形態の熱物性測定装置は、板状の被測定物105における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接し被測定物105の一方の表面の中央部の温度を高温度帯に調整する第1の高温側調整器111と、第1の高温側調整器111の外周側に位置し被測定物105の一方の表面の外周部と当接し被測定物105の一方の表面の外周部の温度を高温度帯に調整する第2の高温側調整器112と、被測定物105における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接し被測定物105の他方の表面の中央部の温度を低温度帯に調整する第1の低温側調整器114と、第1の低温側調整器114の外周側に位置し被測定物105の他方の表面の外周部と当接し被測定物105の他方の表面の外周部の温度を低温度帯に調整する第2の低温側調整器115と、被測定物105の一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように第1の高温側調整器111と第2の高温側調整器112の出力を調整すると共に、被測定物105の他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように第1の低温側調整器114と第2の低温側調整器115の出力を調整する温度制御手段122と、第1の高温側調整器111から被測定物105に向かう熱流密度を検知する高温側熱流密度検知手段113と、被測定物105から第1の低温側調整器114に向かう熱流密度を検知する低温側熱流密度検知手段116とを備えるものである。
【0060】
これにより、第1、第2の高温側調整器111,112と第1、第2の低温側調整器114,115とにより被測定物105の上下面を加熱または冷却して温度差を設けて、被測定物105表面中央部に位置する高温側熱流密度検出手段113と低温側熱流密度検出手段116とによって、厚み方向への熱流密度を検出する時に、高温側および低温側熱流密度検出手段113,116の外周側の被測定物105の表面温度は、高温側および低温側熱流密度検出手段113,116の位置する被測定物105の中央部の表面温度と一様な温度になるように温度制御手段122が第1、第2の高温側調整器111,112の出力と第1、第2の低温側調整器114,115の出力とを調整しているので、被測定物105表面の横方向への熱移動が抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0061】
また、高温側熱流密度検知手段113が、第1の高温側調整器111よりも小さい面で被測定物105と接触し、低温側熱流密度検知手段116が、第1の低温側調整器114よりも小さな面で被測定物105と接触するので、被測定物105表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【0062】
また、第1の高温側調整器111と第2の高温側調整器112とからなる高温側調整手段103と、第1の低温側調整器114と第2の低温側調整器115とからなる低温側調整手段104との間隔を調節可能且つ、その間隔を測定可能に構成され、高温側調整手段103と低温側調整手段104とで被測定物105を挟んだ時の高温側調整手段103と低温側調整手段104との間隔を基に被測定物105の厚みを測定する厚み測定手段121を備えたので、厚み測定手段121により測定した被測定物105の厚みと、高温側熱流密度検知手段113と低温側熱流密度検知手段116で測定される熱流密度の平均値とから断熱材の断熱性能の指標として有用な熱伝導率を算出することが可能になる。
【0063】
また、被測定物105が配置される空間を除湿する除湿手段117を備えたので、除湿手段117により測定雰囲気を除湿することにより、大気中の湿度の影響を抑制して、被測定物105表面内の熱流密度を検出部の横方向への熱移動がさらに抑制され、厚み方向の熱流密度が精度良く検出することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明にかかる熱物性測定方法および装置は、熱抵抗が大きく、厚み方向に垂直な対向する2つの表面の温度を均一にし難い板状の被測定物の厚み方向の熱流密度および熱伝導率を精度良く測定できるので、真空断熱材等の断熱材の熱物性測定に適している。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1における熱物性測定装置の概略断面図
【図2】従来の熱伝導率測定装置の構造を示す概略断面図
【符号の説明】
【0066】
101 熱物性測定装置
103 高温側調整手段
104 低温側調整手段
105 被測定物(真空断熱材)
111 第1の高温側調整器
112 第2の高温側調整器
113 高温側熱流密度検知手段
114 第1の低温側調整器
115 第2の低温側調整器
116 低温側熱流密度検知手段
117 除湿手段
121 厚み測定手段
122 温度制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の高温側調整器を板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接させると共に、前記第1の高温側調整器の外周側に位置する第2の高温側調整器を前記被測定物の前記一方の表面の外周部と当接させ、
第1の低温側調整器を板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接させると共に、前記第1の低温側調整器の外周側に位置する第2の低温側調整器を前記被測定物の前記他方の表面の外周部と当接させ、
前記被測定物の前記一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように前記第1の高温側調整器と前記第2の高温側調整器の出力を調整すると共に、前記被測定物の前記他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように前記第1の低温側調整器と前記第2の低温側調整器の出力を調整した後、
前記第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段で検知すると共に、前記被測定物から前記第1の低温側調整器に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段で検知し、
前記高温側熱流密度検知手段で検知した熱流密度と前記低温側熱流密度検知手段で検知した熱流密度とを基にして前記被測定物の厚み方向への熱流密度を得ることを特徴とする熱物性測定方法。
【請求項2】
高温側熱流密度検知手段を、第1の高温側調整器よりも小さい面で被測定物と接触させると共に、低温側熱流密度検知手段を、第1の低温側調整器よりも小さな面で前記被測定物と接触させることを特徴とする請求項1に記載の熱物性測定方法。
【請求項3】
第1の高温側調整器と第2の高温側調整器とからなる高温側調整手段と、第1の低温側調整器と第2の低温側調整器とからなる低温側調整手段との間隔を調節可能且つ前記間隔を測定可能に構成して、前記高温側調整手段と前記低温側調整手段とで被測定物を挟んだ時の前記高温側調整手段と前記低温側調整手段との間隔を基に前記被測定物の厚みを測定し、高温側熱流密度検知手段と低温側熱流密度検知手段とで得られた熱流密度と前記被測定物の厚みとを基に前記被測定物の熱伝導率を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の熱物性測定方法。
【請求項4】
被測定物は、真空断熱材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の熱物性測定方法。
【請求項5】
被測定物が配置される空間を除湿する除湿手段を用いて、前記被測定物が配置される空間の湿度を所定湿度以下にした後に、第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を高温側熱流密度検知手段で検知すると共に、前記被測定物から第1の低温側調整器に向かう熱流密度を低温側熱流密度検知手段で検知することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の熱物性測定方法。
【請求項6】
板状の被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの一方の表面の中央部と当接し前記被測定物の前記一方の表面の中央部の温度を高温度帯に調整する第1の高温側調整器と、
前記第1の高温側調整器の外周側に位置し前記被測定物の前記一方の表面の外周部と当接し前記被測定物の前記一方の表面の外周部の温度を高温度帯に調整する第2の高温側調整器と、
前記被測定物における厚み方向に垂直な対向する2つの表面のうちの他方の表面の中央部と当接し前記被測定物の前記他方の表面の中央部の温度を低温度帯に調整する第1の低温側調整器と、
前記第1の低温側調整器の外周側に位置し前記被測定物の前記他方の表面の外周部と当接し前記被測定物の前記他方の表面の外周部の温度を低温度帯に調整する第2の低温側調整器と、
前記被測定物の前記一方の表面温度が所定の高温度帯で一様になるように前記第1の高温側調整器と前記第2の高温側調整器の出力を調整すると共に、前記被測定物の前記他方の表面温度が所定の低温度帯で一様になるように前記第1の低温側調整器と前記第2の低温側調整器の出力を調整する温度制御手段と、
前記第1の高温側調整器から前記被測定物に向かう熱流密度を検知する高温側熱流密度検知手段と、
前記被測定物から前記第1の低温側調整器に向かう熱流密度を検知する低温側熱流密度検知手段とを備えることを特徴とする熱物性測定装置。
【請求項7】
高温側熱流密度検知手段は、第1の高温側調整器よりも小さい面で被測定物と接触し、低温側熱流密度検知手段は、第1の低温側調整器よりも小さな面で前記被測定物と接触することを特徴とする請求項6に記載の熱物性測定装置。
【請求項8】
第1の高温側調整器と第2の高温側調整器とからなる高温側調整手段と、第1の低温側調整器と第2の低温側調整器とからなる低温側調整手段との間隔を調節可能且つ前記間隔を測定可能に構成され、前記高温側調整手段と前記低温側調整手段とで被測定物を挟んだ時の前記高温側調整手段と前記低温側調整手段との間隔を基に前記被測定物の厚みを測定する厚み測定手段を備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の熱物性測定装置。
【請求項9】
被測定物が配置される空間を除湿する除湿手段を備えたことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の熱物性測定装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−286720(P2008−286720A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133727(P2007−133727)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「高性能、高機能真空断熱材」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】