説明

熱硬化性塗料組成物

【課題】簡便な工程でしかも特別な装置を必要とすることなく、各種廃材から容易に除去しうる硬化塗膜を形成できる熱硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基を有する樹脂、並びに(B)一般式(1)
【化1】


(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6の低級アルキル基、C1-4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示す。R1及びR2は、それぞれ独立して、C1-4の低級アルキル基を示す。)で表される脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物を含有する熱硬化性塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車リサイクルの観点から、廃車後、ポリプロピレン系樹脂製パンパー等の熱可塑性樹脂製外装部品等を再度原料化して、利用することが要望されている。また、自動車外装部品、パソコン等の電子機器、缶製品等に用いられたアルミニウム系材料、マグネシウム系材料、チタン系材料等の非鉄金属材料;自動車車体等に用いられた鋼板等の鉄系金属材料についても、リサイクルの観点から、廃棄後、再度原料化して、利用することが要望されている。
【0003】
リサイクル製品の品質低下を防止するためには、廃棄された樹脂系材料、金属材料等の再利用に際して、これらの廃棄物上に形成された塗膜を除去することが必要である。リサイクル製品の品質低下は、特に、樹脂廃材及び非鉄金属廃材の場合に問題となる。
【0004】
従来、塗膜付き樹脂廃材の塗膜除去としては、例えば、該廃材の粉砕物を加熱溶融し、液状となった基材の熱可塑性樹脂と固体状の熱硬化性塗膜とを、濾過により分離する溶融分離法;該廃材の塗装面に高速、高圧で射出された砂等の各種粉体、水等の液体により衝撃を加えて、塗膜を剥離させるブラスト法等が、行われている。また、該廃材に1,000℃以上の火炎処理をして、塗膜のみを炭化し、カーボンブラック状にして無害化し、これを粉砕、再溶融して、原料化し、製品を成形する方法が公知である(特許文献1参照)。
【0005】
また、従来、塗膜付き非鉄金属廃材の塗膜除去方法としては、例えば、該廃材上の塗膜に傷を入れた後、プラスチック粒、植物粒等の投射材を高速で投射して塗膜を除去するブラスト法が公知である(特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、これら従来の樹脂廃材、非鉄金属廃材等の塗膜除去方法には、いずれも、工程が煩雑であり、又特別な装置を必要とするという問題がある。
【特許文献1】特開平9−11237
【特許文献2】特開2003−200349
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、樹脂廃材、金属廃材等のリサイクルに際して、簡便な工程でしかも特別な装置を必要とすることなく、各種廃材から容易に除去しうる硬化塗膜を形成できる熱硬化性塗料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、従来技術の前記問題に鑑みて、被塗物上に硬化塗膜形成後に何らかの後処理で除去可能になるようにすべく、塗料組成物自体の成分について、鋭意研究した。
【0009】
その結果、カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基を有する樹脂に、特定の脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物を配合した塗料組成物によれば、これを被塗物に塗布後加熱して架橋硬化した塗膜を、加熱硬化温度を超える温度に加熱することにより架橋構造を崩壊させ、溶剤等によって簡単に除去が可能となることを見出した。本発明は、かかる新たな知見に基づいて、完成されたものである。
【0010】
本発明は、以下の熱硬化性塗料組成物を提供するものである。
【0011】
1.(A)カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基を有する樹脂、並びに
(B)一般式(1)
【0012】
【化1】

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6低級アルキル基、C1-4低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示す。R1及びR2は、それぞれ独立して、C1-4低級アルキル基を示す。)で表される脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物
を含有する熱硬化性塗料組成物。
【0013】
2.上記樹脂(A)が、重量平均分子量500〜100,000且つ酸価5〜700mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂(a)、
重量平均分子量500〜100,000且つ水酸基価5〜550mgKOH/gのヒドロキシフェニル基含有樹脂(b)、並びに
重量平均分子量500〜100,000、酸価5〜700mgKOH/g且つ水酸基価5〜550mgKOH/gのカルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である上記項1に記載の塗料組成物。
【0014】
3.樹脂(A)と化合物(B)との配合割合が、樹脂(A)100重量部に対して、化合物(B)1〜3,000重量部である上記項1に記載の塗料組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明の熱硬化性塗料組成物によれば、被塗物に当該組成物を塗布し、加熱して形成させた架橋硬化膜を、被塗物のリサイクル時に、硬化温度よりも高い温度にて加熱することにより、化合物(B)に由来する3級エステル結合部分を分解せしめ、架橋構造を切断することができる。従って、硬化塗膜を上記加熱処理後に、溶剤等により容易に除去することができるという顕著な効果が得られる。
【0016】
これにより、硬化塗膜が付着した樹脂廃材、金属廃材等から、簡便な工程でしかも特別な装置を必要とすることなく、硬化塗膜を容易に除去できるので、自動車、電子機器、缶製品等のリサイクルに多大の貢献をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
熱硬化性塗料組成物
本発明塗料組成物は、カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基を有する樹脂(A)に、一般式(1)の脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B)を配合してなる熱硬化性塗料組成物である。
【0018】
カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基を有する樹脂(A)
上記樹脂(A)としては、重量平均分子量500〜100,000程度且つ酸価5〜700mgKOH/g程度のカルボキシル基含有樹脂(a)、重量平均分子量500〜100,000程度且つ水酸基価5〜550mgKOH/g程度のヒドロキシフェニル基含有樹脂(b)、重量平均分子量500〜100,000程度、酸価5〜700mgKOH/g程度且つ水酸基価5〜550mgKOH/g程度のカルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c)等を使用するのが好ましい。
【0019】
カルボキシル基含有樹脂(a)
樹脂(a)は、カルボキシル基を有する被膜形成性の樹脂である。樹脂(a)としては、例えば、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体の単独重合体;カルボキシル基含有重合性不飽和単量体と他の共重合可能な重合性不飽和単量体との共重合体;カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂等を使用できる。
【0020】
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体の単独重合体及びカルボキシル基含有重合性不飽和単量体と他の共重合可能な重合性不飽和単量体との共重合体は、それぞれ所定の単量体を公知のラジカル重合反応に付すことにより、調製することができる。
【0021】
上記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられる。また、これらカルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C12アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸のC2〜C6ヒドロキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられる。これら単量体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0022】
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂は、分子鎖中又は分子末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂であり、例えば、多塩基酸及び多価アルコールを主原料として用いて、公知のエステル化反応により、調製することができる。
【0023】
上記多塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、フタル酸、1,4−ナフトール酸、ジフェニン酸、4,4’−オキシ安息香酸、ジグリコール酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、2,2−ジメチルグルタール酸、シュウ酸、アジピン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,3−シクロヘキシルジカルボン酸などのジカルボン酸及びその無水物;これらジカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステルなどが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。また、これらのジカルボン酸等と共に、又はジカルボン酸等に代えて、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの3官能以上のカルボン酸を用いてもよい。さらに、少量であれば無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのエステルを用いてもよい。
【0024】
上記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールAなどのジオールが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。また、これらジオールと共に、又はジオールに代えて、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3官能以上のアルコールを用いてもよい。さらに、メチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、トリシクロデカンジメタノールなども用いることができる。
【0025】
上記多塩基酸及び多価アルコールに、さらに分子量調節用として、t−ブチル安息香酸、安息香酸などの一塩基酸を併用してもよい。
【0026】
カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂は、分子鎖中又は分子末端にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂であり、例えば、ポリイソシアネート化合物と、カルボキシル基含有ポリオール及びこれ以外のポリオールとを、公知のウレタン化反応に付すことにより、調製することができる。
【0027】
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物等のジイソシアネート化合物、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0028】
カルボキシル基含有ポリオールとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、酒石酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、パラヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、リンゴ酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0029】
カルボキシル基含有ポリオール以外のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、分子量6,000以下のポリエチレングリコール、分子量6,000以下のポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピヴァリン酸ネオペンチルグリコールエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ポリカプロラクトン、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物などのグリコール類;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのポリエステルジオール類等のジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどの3価以上のアルコール等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0030】
カルボキシル基含有樹脂(a)は、重量平均分子量が約500〜約100,000の範囲内であることが好ましく、約1,000〜約90,000の範囲内であることがより好ましい。また、カルボキシル基の含有量は、樹脂1g当たりの酸価で表して、5〜700mgKOH/g程度の範囲内にあることが好ましい。カルボキシル基の含有量が5mgKOH/gより少ないと、硬化塗膜の架橋度が不十分となる場合があり、他方700mgKOH/gを越えると塗料組成物の貯蔵安定性が低下する傾向がある。樹脂(a)の酸価は、10〜600mgKOH/g程度の範囲内にあることがより好ましい。
【0031】
また、樹脂(a)は、そのガラス転移温度(Tg)が0〜200℃程度の範囲内にあることが好ましい。Tgが0℃未満であると、塗膜が粘着性を示し、ゴミやホコリなどがつきやすくなり、取り扱い難くなる傾向がある。また、Tgが200℃を超えると硬化塗膜が脆くなる傾向にある。Tgは、5〜200℃程度の範囲内にあるのがより好ましい。
【0032】
ヒドロキシフェニル基含有樹脂(b)
樹脂(b)は、ヒドロキシフェニル基を有する被膜形成性の樹脂である。樹脂(b)としては、例えば、フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合物;ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物の単独重合体;ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物と他の共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
【0033】
フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合物は、公知の縮合反応により、調製することができる。フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応においては、一般にアルカリ触媒で縮合させるとレゾール型フェノール樹脂が得られ、酸触媒で縮合させるとノボラック型フェノール樹脂が得られる。フェノール樹脂は、縮合が進むにつれて分子量が増大するが、一般には反応時間1〜24時間程度で縮合させることにより、重量平均分子量が500〜100,000程度の範囲内のものが得られる。
【0034】
上記フェノール化合物としては、例えば、1官能性又は多官能性フェノール化合物、アルキルフェノール化合物等を挙げることができる。カルボニル化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトン等が挙げられる。
【0035】
上記1官能性又は多官能性フェノール化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,6−キシレノール、2,4−キシレノール、カテコール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールAなどのベンゼン環上に1〜3個のヒドロキシル基を有する化合物が挙げられる。また、アルキルフェノール化合物としては、例えば、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−tert−オクチルフェノールなどのアルキル部分の炭素数が1〜10、好ましくは1〜4のアルキルフェノール化合物等が挙げられる。
【0036】
ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物の単独重合体、及びヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物と他の共重合可能な単量体との共重合体は、それぞれ所定の単量体を公知のラジカル重合反応に付すことにより、調製することができる。
【0037】
ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、3−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。また、ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物と共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C12アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸のC2〜C6ヒドロキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられる。これら単量体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0038】
ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物の単独重合体及びヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物と他の共重合可能な単量体との共重合体は、重量平均分子量が約500〜約100,000の範囲内であるのが好ましく、約1,000〜約80,000の範囲内であるのがより好ましい。
【0039】
また、樹脂(b)のヒドロキシフェニル基の含有量は、樹脂1g当たりの水酸基価で表して、5〜550mgKOH/g程度の範囲内にあることが好ましい。ヒドロキシフェニル基の含有量が5mgKOH/gより少ないと、膜の架橋度が不十分となる場合があり、他方550mgKOH/gを越えると架橋膜が脆くなる傾向がある。樹脂(b)の水酸基価は、10〜500mgKOH/g程度の範囲内にあることがより好ましい。
【0040】
また、樹脂(b)は、そのガラス転移温度(Tg)が0〜200℃程度の範囲内にあることが好ましい。Tgが0℃未満であると、塗膜が粘着性を示し、ゴミやホコリなどがつきやすくなり、取り扱い難くなる傾向がある。また、Tgが200℃を超えると硬化塗膜が脆くなる傾向にある。Tgは、5〜200℃程度の範囲内にあるのがより好ましい。
【0041】
カルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c)
樹脂(c)は、カルボキシル基及びヒドロキシフェニル基を有する被膜形成性の樹脂である。
【0042】
樹脂(c)としては、例えば、ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物とカルボキシル基含有重合性不飽和単量体との共重合体;ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体及び他の共重合可能な単量体との共重合体;フェノールカルボン酸類又はフェノールカルボン酸類とフェノール類との混合物をホルムアルデヒドと縮合させて得られる重合体等を使用できる。
【0043】
ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物とカルボキシル基含有重合性不飽和単量体との共重合体、及びヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体及び他の共重合可能な単量体との共重合体は、それぞれ所定の単量体を公知のラジカル重合反応に付すことにより、調製することができる。
【0044】
上記ヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合物としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、3−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。カルボキシル基含有重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられる。また、他の共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C12アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸のC2〜C6ヒドロキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられる。これら単量体はそれぞれ単独で用いてもよく又は2種以上組合わせて用いてもよい。
【0045】
また、フェノールカルボン酸類又はフェノールカルボン酸類とフェノール類との混合物を、ホルムアルデヒドと縮合させることにより得られる重合体は、公知の縮合反応により調製することができる。フェノールカルボン酸類としては、例えば、ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、レゾルシン酸などが挙げられる。フェノール類としては、例えば、フェノール、モノ−又はジ−C1〜C18アルキルフェノール、モノ−又はジ−C1〜C18アルキルナフトール、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。
【0046】
樹脂(c)は、一般に、500〜100,000程度の範囲内の重量平均分子量を有していることが好ましい。一方、カルボキシル基の含有量は5〜700mgKOH/g程度の範囲内にあり、又ヒドロキシフェニル基の含有量は5〜550mgKOH/g程度の範囲内にあることが好ましい。カルボキシル基の含有量が5mgKOH/gより少ないと、塗膜の架橋度が十分でない場合があり、他方、700mgKOH/gを越えると、組成物の貯蔵安定性が低下する傾向がある。また、ヒドロキシフェニル基の含有量が5mgKOH/gより少ないと塗膜の架橋度が十分でないことがある。他方、550mgKOH/gを越えると、組成物の貯蔵安定性が低下する傾向がある。
【0047】
さらに、樹脂(c)は、そのガラス転移温度(Tg)が0〜200℃程度の範囲内にあることが好適である。Tgが0℃未満であると、塗膜が粘着性を示し、ゴミやホコリなどがつきやすくなり、取り扱い難くなる傾向がある。また、Tgが200℃を超えると硬化塗膜が脆くなる傾向にある。Tgは、5〜200℃程度の範囲内にあるのがより好ましい。
【0048】
脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B)
化合物(B)は、一般式(1)
【0049】
【化2】

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6低級アルキル基、C1-4低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示す。R1及びR2は、それぞれ独立して、C1-4低級アルキル基を示す。)で表される脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物である。
【0050】
上記一般式(1)において、Rで示されるC1-6低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、s−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル基等を挙げることができる。Rで示されるC1-4低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、s−ブトキシ基等を挙げることができる。Rで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
【0051】
また、一般式(1)において、R1及びR2で示されるC1-4低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、s−ブチル基等を挙げることができる。
【0052】
化合物(B)が有する一般式(1)の脂環エポキシ含有3級エステル基は、シクロヘキシル環上のエポキシ基と3級エステル基とを有している。この脂環エポキシ基は、樹脂(A)の有するカルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基と、25〜180℃程度の温度条件で、架橋反応を起こす。従って、化合物(B)は樹脂(A)の硬化剤として機能する。また、硬化塗膜中に存在する化合物(B)に由来する3級エステル結合が、硬化温度を超える温度、例えば180〜300℃程度に加熱されることにより、解離して、架橋構造を崩壊させる機能を有するので、硬化塗膜の加熱処理により、該塗膜を容易に除去することが可能となる。
【0053】
化合物(B)は、1分子中に、一般式(1)の脂環エポキシ含有3級エステル基を、2〜8個程度有することが、組成物の硬化性が優れ、且つ硬化塗膜の除去性が優れる点から好ましい。
【0054】
化合物(B)の具体例としては、例えば、以下の各式で表される化合物を挙げることができる。
【0055】
【化3】

【0056】
【化4】

【0057】
【化5】

化合物(B)は、例えば、一般式(2)
【0058】
【化6】

(式中、R、R1及びR2は、前記に同じ。)で表される3級アルコールと、一般式(3)
【0059】
【化7】

(式中、Aは、芳香族、脂肪族又は脂環族の2〜8価の炭化水素基を示す。nは、2〜8の整数を示す。Xはハロゲン原子を示す。)で表される酸ハライドとを、常法により縮合反応させた後、3級アルコールに由来する二重結合をエポキシ化することにより、製造できる。
【0060】
二重結合のエポキシ化は、例えば、過酢酸、過安息香酸、メタ−クロロ過安息香酸等の過酸を用いる酸化反応;ジメチルジオキシランを用いる酸化反応等により、行うことができる
一般式(3)において、Aで示される2〜8価の芳香族炭化水素基としては、芳香環上の水素原子の一部がメチル基、エチル基、プロピル基などのC1-4低級アルキル基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を挙げることができる。
【0061】
2〜8価の芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、
【0062】
【化8】

等の2価芳香族炭化水素基;
【0063】
【化9】

等の3価芳香族炭化水素基;
【0064】
【化10】

等の4価芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0065】
一般式(3)において、Aで示される2〜8価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、−CH2−、−C24−、−C36−、−C48−、−C510−等の2価脂肪族炭化水素基;
【0066】
【化11】

等の3価脂肪族炭化水素基;
【0067】
【化12】

等の4価脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
【0068】
一般式(3)において、Aで示される2〜8価の脂環族炭化水素基としては、脂環上の水素原子の一部がメチル基、エチル基、プロピル基などのC1-4低級アルキル基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基を挙げることができる。
【0069】
2〜8価の脂環族炭化水素基の具体例としては、例えば、−C612−等の2価脂環族炭化水素基;
【0070】
【化13】

等の3価脂環族炭化水素基;
【0071】
【化14】

等の4価脂環族炭化水素基等が挙げられる。
【0072】
一般式(3)において、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
【0073】
一般式(3)で表される酸ハライドの内、芳香族多官能性酸ハライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、トリメシン酸トリクロライド等が挙げられる。
【0074】
一般式(3)で表される酸ハライドの内、脂肪族多官能性酸ハライドの具体例としては、例えば、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、マロン酸ジクロライド、コハク酸ジクロライド、グルタリル酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、ジメチルマロン酸ジクロライド等が挙げられる。
【0075】
また、一般式(3)で表される酸ハライドの内、脂環族多官能性酸ハライドの具体例としては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、シクロヘキサンテトラカルボン酸テトラクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
【0076】
上記一般式(3)の酸ハライドとして、ここでは塩化物のみを列挙したが、臭化物、ヨウ化物、フッ化物であっても良い。
【0077】
熱硬化性塗料組成物の配合組成
本発明の熱硬化性塗料組成物において、カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基を有する樹脂(A)と、一般式(1)で表される脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B)との配合割合は、通常、樹脂(A)の固形分100重量部に対して、化合物(B)を1〜3,000重量部程度の範囲が好ましく、1〜2,500重量部程度の範囲がより好ましい。化合物(B)が1重量部未満では組成物の硬化性が不十分となる場合があり、一方3,000重量部を超えると、硬化塗膜中に残留した化合物(B)が溶出することがある。
【0078】
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、硬化触媒、着色顔料、光輝性顔料、体質顔料等の顔料を含んでいてもよい。
【0079】
硬化触媒としては、種々のカチオン部分を有する4級アンモニウム塩を使用し得る。
【0080】
4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアラルキルアンモニウム塩、含窒素複素環化合物の4級アンモニウム塩等を使用できる。4級アンモニウム塩とし得る含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等が挙げられる。
【0081】
4級アンモニウム塩のカチオン部分としては、例えば、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラヘキサデシルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム(コリン)、メチルトリオクチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、2−クロルエチルトリメチルアンモニウム、メチルピリジニウム等が挙げられる。
【0082】
4級アンモニウム塩のカウンターアニオンとしては、上記のカチオン部分と安定な塩を形成するものから選ばれ、ハライド、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェートなどである。具体的にはアセテート、ラウレート、グリコレート、ベンゾエート、サリシレート、マレエート、フタレート、フロライド、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリフレート、ナイトレート、サルフェート、メトサルフェート、ホスフェート、ジ−t−ブチルホスフェート等が挙げられる。
【0083】
また、4級アンモニウム塩以外の硬化触媒としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物;トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン化合物;ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ(アセチルアセトナト)アルミニウムなどの有機金属化合物;トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどの有機ホスフィン化合物があげられる。
【0084】
これらの硬化触媒は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。硬化触媒の配合量は、樹脂組成物固形分に対し0.1〜10重量%程度が好ましい。
【0085】
着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料;フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、ペリレンレッド、フタロシアニングリーン等の有機顔料等を挙げることができる。光輝性顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク、マイカフレーク、着色マイカフレーク等を挙げることができる。体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー等を挙げることができる。
【0086】
また、本発明の塗料組成物には、更に必要に応じて、表面調整剤、タレ止剤、沈降防止剤、可塑剤等の公知の添加物を加えることができる。
【0087】
熱硬化性塗料組成物の調製方法
本発明の熱硬化性塗料組成物は、以上に述べた各成分を、公知の方法に従って、混合することにより、調製することができる。樹脂類は、有機溶剤溶液、エマルション等の形態である場合は、そのまま混合すればよい。また、顔料類を用いる場合は、分散用樹脂と混合してペースト状として用いてもよい。また、各成分の混合時に、必要に応じて、有機溶剤、水又はこれらの混合液を、加えてもよい。
【0088】
本発明塗料組成物に使用される有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸カルビトール等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらのものは1種又は2種以上組み合わせて、使用することができる。
【0089】
得られる本発明の塗料組成物は、有機溶剤型塗料組成物であっても水性塗料組成物であってもよい。また、塗料組成物の固形分含量は、通常、20〜80重量%程度とするのがよい。
【0090】
塗料組成物の塗装及び硬化塗膜の除去
本発明の熱硬化性塗料組成物を塗装できる被塗物としては、特に限定されない。被塗物としては、例えば、樹脂成形体;非鉄金属材料、鉄系金属材料等の金属材料等を挙げることができる。
【0091】
樹脂成形体としては、例えば、バンパー、ホイールキャップ、サイドモールなどの自動車外装部品;インスツルメントパネル、レバー、内張りなどの自動車内装部品;掃除機、洗濯機、冷蔵庫、照明器具、オーディオ機器などの電気製品;カラーボックス、収納ケースなどの各種日用雑貨品などに用いられる樹脂成形体を挙げることができる。樹脂成形体の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレンなどのエンジニアリング樹脂;アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂等を挙げることができる。
【0092】
金属材料としては、例えば、自動車外装部品、パソコン等の電子機器、缶製品、家具、建材等に用いられるアルミニウム系材料、銅系材料、マグネシウム系材料、チタン系材料、亜鉛系材料等の非鉄金属材料;自動車車体等に用いられる鋼板等の鉄系金属材料等を挙げることができる。
【0093】
塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、静電塗装、カーテンコート塗装、バーコート塗装等の塗装方法を採用することができる。塗料組成物の塗布量は、通常、硬化膜厚として、5〜100μm程度となる量とするのが好ましい。塗装後の硬化条件は、通常、25〜180℃程度で、5〜180分間程度とするのが好ましい。
【0094】
本発明塗料組成物の硬化塗膜が形成された被塗物について、リサイクル時に硬化塗膜を除去する場合には、硬化塗膜を、上記加熱硬化温度以上、例えば、180〜300℃程度に、0.5〜60分間程度加熱することにより、硬化塗膜の架橋構造を崩壊せしめ、次いで有機溶剤に浸漬する方法等により、容易に除去することができる。
【0095】
除去に使用する有機溶剤としては、具体的には、例えば、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶剤;ベンゼン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素溶剤;塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロルエタン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系溶剤;エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;蟻酸メチル、酢酸−n−プロピルなどのエステル系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコール誘導体系溶剤;酢酸などの脂肪酸系溶剤;フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなどの含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなどの硫黄原子含有系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は二種類以上混合して使用することができる。
【実施例】
【0096】
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明する。但し、本発明は、実施例により制限されるものではない。また、各例における部及び%は、いずれも、重量基準である。
【0097】
合成例1
カルボキシル基含有樹脂(a)の合成
アクリル酸7.8部、メチルメタクリレート50部、エチルアクリレート12.2部、フェノキシエチレングリコールアクリレート(商品名「アロニックスM−101」、東亜合成(株)製)30部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチル0」、日本油脂(株)製)1部よりなる混合物を、常法により、共重合して、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a−1)を得た。この樹脂の重量平均分子量は60,000で、酸価は60mgKOH/gで、ガラス転移点は44℃であった。
【0098】
合成例2
カルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c)の合成
o−ヒドロキシ安息香酸600部、o−クレゾール900部、30%ホルマリン1,145部、脱イオン水130部及び蓚酸6.5部をフラスコに入れ60分間還流させた。次いで、15%塩酸を13.5部加え40分間還流させた後、約15℃の脱イオン水400部を加え内容物を約50℃に保ち樹脂を沈降させた。更に、400部の脱イオン水を加え50℃で樹脂を洗浄した後、水層を除去し、更に同様な洗浄操作を3度繰り返した後、減圧下に約120℃で乾燥してカルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c−1)を得た。この樹脂の重量平均分子量は約650で、酸価は157mgKOH/gで、水酸基価は303mgKOH/gであった。
【0099】
合成例3
脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B)の製造
攪拌機、還流冷却器、温度計及び1本の滴下漏斗を備えた1Lのフラスコに、α−テルピネオール(76g)及び触媒のジメチルアミノピリジン(6g)を加え、ピリジン(35ml)とクロロホルム(80ml)を加えて溶かし、次いでテレフタル酸ジクロライド(50g)をクロロホルム(100ml)に溶かした溶液を滴下した。滴下終了後、室温で60時間攪拌した。反応溶液を2N塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:トルエン=1:3)にて分離精製を行い、n−ヘキサンから再結晶を行って、中間体化合物60gを得た。
【0100】
次に、上記中間体化合物のエポキシ化反応を行った。攪拌機、還流冷却器、温度計及び2本の滴下漏斗を備えた5Lのフラスコに、上記中間体化合物50g、アセトン(400ml)、18−クラウン−6−エーテル(2.4g)、リン酸緩衝溶液(600ml)を加え、滴下漏斗から「オキソン」(商品名、アルドリッチ社製、試薬:2KHSO5、K2SO4、KHSO4)の20%水溶液1,000mlを1時間で滴下して、ジメチルジオキシランを生成させた。その際、滴下漏斗から50%水酸化カリウム水溶液を滴下することによりpHを7.1〜7.4に調節し、その後4時間pHの調節下に撹拌を続けた。その後、クロロホルムで抽出し水洗後、濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル混合液より再結晶することにより精製して、下記式で表される目的化合物(B−1)の精製品48gを得た。
【0101】
【化15】

合成例4
脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B)の製造
攪拌機、還流冷却器、温度計及び1本の滴下漏斗を備えた1Lのフラスコに、α−テルピネオール(114g)及び触媒のジメチルアミノピリジン(9g)を加え、ピリジン(50ml)とクロロホルム(120ml)を加えて溶かし、次いでトリメシン酸トリクロライド(1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリクロライド)(50g)をクロロホルム(100ml)に溶かした溶液を滴下した。滴下終了後、室温で60時間攪拌した。反応溶液を2N塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の順で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:トルエン=1:3)にて分離精製を行い、n−ヘキサンから再結晶を行って、中間体化合物30gを得た。
【0102】
次に、上記中間体化合物のエポキシ化反応を行った。攪拌機、還流冷却器、温度計及び2本の滴下漏斗を備えた5Lのフラスコに、上記中間体化合物30g、アセトン(260ml)、18−クラウン−6−エーテル(1.5g)、リン酸緩衝溶液(390ml)を加え、滴下漏斗から「オキソン」(商品名、アルドリッチ社製、試薬:2KHSO5、K2SO4、KHSO4)の20%水溶液1,000mlを1時間で滴下して、ジメチルジオキシランを生成させた。その際、滴下漏斗から50%水酸化カリウム水溶液を滴下することによりpHを7.1〜7.4に調節し、その後4時間pHの調節下に撹拌を続けた。その後、クロロホルムで抽出し水洗後、濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル混合液より再結晶することにより精製して、下記式で表される目的化合物(B−2)の精製品30gを得た。
【0103】
【化16】

実施例1
合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル樹脂(a−1)100部、合成例3で得られた脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B−1)25部及び硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.7部を、シクロヘキサノン223部に溶解して、本発明の熱硬化性塗料組成物を得た。
【0104】
この塗料組成物を、銅箔上に、硬化膜厚10μmになるようにバーコーターにて塗布し、140℃30分間にて塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜付き銅箔を、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、97.0%であった。
【0105】
次に、上記で得られた硬化塗膜付き銅箔について、熱風乾燥炉にて、140℃、160℃、180℃又は200℃で、各10分間加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べた結果を、図1に示す。図1において、グラフ1が、実施例1の残膜率の試験結果である。グラフ1より、200℃10分間加熱処理により、残膜率が約12.0%に急激に低下することが判る。
【0106】
実施例2
合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル樹脂(a−1)100部、合成例4で得られた脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B−2)24部及び硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.7部を、シクロヘキサノン223部に溶解して、本発明の熱硬化性塗料組成物を得た。
【0107】
この塗料組成物を、銅箔上に、硬化膜厚10μmになるようにバーコーターにて塗布し、140℃30分間にて塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜付き銅箔を、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、96.6%であった。
【0108】
次に、上記で得られた硬化塗膜付き銅箔について、熱風乾燥炉にて、140℃、160℃、180℃又は200℃で、各10分間加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べた結果を、図1に示す。図1において、グラフ2が、実施例2の残膜率の試験結果である。グラフ2より、200℃10分間加熱処理により、残膜率が約13.1%に急激に低下することが判る。
【0109】
実施例3
合成例2で得られたカルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c−1)100部、合成例3で得られた脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B−1)192部及び硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.7部を、シクロヘキサノンに溶解して、固形分30%の本発明熱硬化性塗料組成物を得た。
【0110】
この塗料組成物を、銅箔上に、硬化膜厚10μmになるようにバーコーターにて塗布し、140℃30分間にて塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜付き銅箔を、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、96.1%であった。
【0111】
次に、この硬化塗膜付き銅箔を、熱風乾燥炉にて、200℃で10分間加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、残膜率は約10%であった。
【0112】
実施例4
合成例2で得られたカルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c−1)100部、合成例4で得られた脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物(B−2)182部及び硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.7部を、シクロヘキサノンに溶解して、固形分30%の本発明熱硬化性塗料組成物を得た。
【0113】
この塗料組成物を、銅箔上に、硬化膜厚10μmになるようにバーコーターにて塗布し、140℃30分間にて塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜付き銅箔を、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、93.2%であった。
【0114】
次に、この硬化塗膜付き銅箔を、熱風乾燥炉にて、200℃で10分間加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、残膜率は約7%であった。
【0115】
比較例1
合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル樹脂(a−1)100部、3級エステル基を有しない脂環エポキシ基含有化合物(商品名「セロキサイト2021P」、ダイセル化学工業(株)製)13.5部及び硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.7部を、シクロヘキサノンに溶解して、固形分30%の比較用熱硬化性塗料組成物を得た。
【0116】
この塗料組成物を、銅箔上に、硬化膜厚10μmになるようにバーコーターにて塗布し、140℃30分間にて塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜付き銅箔を、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、98.4%であった。
【0117】
次に、この硬化塗膜付き銅箔を、熱風乾燥炉にて、200℃で10分間加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、残膜率は99.6%であった。
【0118】
比較例2
合成例2で得られたカルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c−1)100部、3級エステル基を有しない脂環エポキシ基含有化合物(商品名「セロキサイト2021P」、ダイセル化学工業(株)製)102部及び硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド0.7部を、シクロヘキサノンに溶解して、固形分30%の比較用熱硬化性塗料組成物を得た。
【0119】
この塗料組成物を、銅箔上に、硬化膜厚10μmになるようにバーコーターにて塗布し、140℃30分間にて塗膜を硬化させた。得られた硬化塗膜付き銅箔を、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、96.4%であった。
【0120】
次に、この硬化塗膜付き銅箔を、熱風乾燥炉にて、200℃で10分間加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率を、重量法で調べたところ、残膜率は99.2%であった。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、実施例1及び2で得られた各硬化塗膜付き銅箔について、140℃、160℃、180℃又は200℃で、各10分間加熱処理を行った後、テトラヒドロフラン溶液へ10分間浸漬後の残膜率(%)を、重量法で調べた結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基を有する樹脂、並びに
(B)一般式(1)
【化1】

(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6低級アルキル基、C1-4低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示す。R1及びR2は、それぞれ独立して、C1-4低級アルキル基を示す。)で表される脂環エポキシ含有3級エステル基を有する化合物
を含有する熱硬化性塗料組成物。
【請求項2】
上記樹脂(A)が、重量平均分子量500〜100,000且つ酸価5〜700mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂(a)、
重量平均分子量500〜100,000且つ水酸基価5〜550mgKOH/gのヒドロキシフェニル基含有樹脂(b)、並びに
重量平均分子量500〜100,000、酸価5〜700mgKOH/g且つ水酸基価5〜550mgKOH/gのカルボキシル基及びヒドロキシフェニル基含有樹脂(c)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
樹脂(A)と化合物(B)との配合割合が、樹脂(A)100重量部に対して、化合物(B)1〜3,000重量部である請求項1に記載の塗料組成物。


【図1】
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【公開番号】特開2006−96848(P2006−96848A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283808(P2004−283808)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】