説明

熱管理のための疎水性化合物における熱伝導性材料

【課題】耐湿性の熱伝導材料を提供すること。
【解決手段】疎水性化合物を有する熱伝導性粒子を含む粒子充填剤、ならびに充填剤粒子を結合させるのに有効なバインダーを含有する耐湿性の熱伝導性材料。さらには、熱源(12)、ヒートシンク(14)、ならびに熱源(12)とヒートシンク(14)の間に、そして接触して配置された耐湿性の、熱伝導性材料層(16)からなる電子装置を含む。さらに本発明は疎水性化合物被覆を有する凝集された窒化ホウ素粒子を含む、耐湿性の熱伝導性材料。また、熱源に近接してヒートシンクを設けること、そして熱源とヒートシンクの間に、そして接触して耐湿性の熱伝導性材料の層を配置することからなる、熱源から熱を除去する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に全表面に疎水性被覆を有する、変性された熱伝導性粉末もしくは粒子に関し、熱伝導性材料を製造するのに使用されうる。
【背景技術】
【0002】
集積回路チップは、着実に、もっと小さく、そしてもっと強力になりつつある。現在の傾向は着着に密度が増加する集積チップを製造し、そして従来のチップを超えて、一定の時間でもっと多くの機能を成し遂げることである。これは、これらの集積回路チップを使用された電流の増加をもたらす。その結果、これらの集積回路チップは従来のチップよりも多くのオーム熱(Ohmic heat)を発生する。したがって、熱管理が、電子デバイスの開発における主要な関心事となっている。
【0003】
通常、集積回路チップのような熱を発生する源もしくはデバイスは、作動時に発生する熱を除去するためにヒートシンクと一緒になっている。しかし、その源もしくはデバイスとヒートシンクとの間の熱接触抵抗はヒートシンクの効果的な熱除去を制限する。組立て時に、熱源とヒートシンクの相対して一緒になる表面の間に低熱抵抗の通路を創り出すのを助けるために、熱伝導性グリース、通常シリコーングリース、の層、または熱伝導性有機ワックスの層、を付着させるのが一般的である。他の熱伝導性材料は、バインダー、好ましくはシリコーン、熱可塑性ゴム、ウレタン、またはアクリルのような樹脂バインダー、にもとづき、その中に1つ以上の熱伝導性充填剤が分布される。
【0004】
通常、これらの充填剤は2つの主要な種類の1つである、熱伝導性で、電気絶縁性、または熱伝導性で、電気伝導性の充填剤である。酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、および窒化ホウ素は、熱生成物において用いられる、最も度々引用される種類の、熱伝導性で電気絶縁性の充填剤である。窒化ホウ素は優れた熱伝達特性および比較的安価である点において特に有用である。
【0005】
あいにく、ある熱伝導性充填剤は吸湿性である傾向を有する。たとえば、窒化ホウ素は疎水性とみなされるのが通常であるが、吸湿性の不純物である酸化ホウ素(B23)を本来的に含有する。吸収された水は、今度は、特に熱の存在下で、窒化ホウ素と反応して、窒化ホウ素と水の加水分解酸化生成物であるホウ酸を生成する。ホウ酸も吸湿性であり、大気から水を吸収してこの自己触媒反応プロセスにより窒化ホウ素粒子の劣化を加速する。時間とともに、十分な窒化ホウ素劣化がホウ酸生成により粉末もしくは粒子において生じ得、ヒートシンクと集積回路チップの間の不十分な熱伝導を引起こす。ついで熱は集積回路チップにおいて築き得、ついには集積回路チップおよびその関連電子デバイスの故障を引起こしうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、熱伝導界面材料における充填剤としての使用のための、疎水性もしくは耐湿性の窒化ホウ素粉末もしくは粒子に対する要求がある。さらに、水の混入およびそれに由来するまわりのハードウエア要素への損傷を防止するために熱伝導性充填剤材料として利用される他の耐湿性粉末もしくは粒子に対する要求がある。本発明はこの分野におけるこの難点を克服することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シリコーン油のような疎水性化合物被覆を有する熱伝導性粒子を含む粒子充填剤、ならびに
充填剤粒子を結合させるのに有効なバインダー、
を含有する耐湿性の熱伝導性材料に関する。
【0008】
本発明のもう1つの態様は、熱源、ヒートシンク、ならびに熱源とヒートシンクの間に、そして接触して配置される、本発明により製造された耐湿性の熱伝導性材料の層からなる電子装置を含む。
【0009】
さらに、本発明のもう1つの態様は、シリコーン油被覆のような疎水性化合物被覆を有する凝集窒化ホウ素粒子を含有する耐湿性の熱伝導性材料を含む。
【0010】
そして、本発明のもう1つの態様は、熱源に近接するヒートシンクを設けること、ならびに熱源とヒートシンクの間に、そして接触して、耐水の熱伝導性材料の層を配置すること、を含む熱源から熱を除去する方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、シリコーン化合物被覆のような疎水性化合物被覆を有する熱伝導性粒子を含む粒子充填剤、ならびに充填剤粒子を結合させるのに有効なバインダーを含有する耐湿性の熱伝導性材料に関する。本発明によれば、そのような耐湿性の熱伝導性材料は、分あたり、粒子表面積cm2 あたり、百万分の1.24(ppm/cm2 ・分)より小さい、好ましくは0.12 ppm/cm2 ・分より小さい水吸収速度、ならびに熱伝導度少くとも0.4w/m゜K、好ましくは少くとも1w/m゜K、を有する。そのような材料は熱源とヒートシンクの間の熱伝達を助けるための、耐湿性の熱伝導性界面材料として使用されうる。さらに、本発明の熱伝導性材料は耐湿性の、熱伝導性で、かたいポッティング(埋込み)化合物もしくは回路ボードとして提供されうる。
【0012】
本発明とともに使用するために適切な、数多くのポリマーバインダーがこの分野で知られている。それらのバインダーの例は、Ochiaiらの米国特許第5,283,542号、Blockらの5,194,480号、Hansonらの5,950,066号、Ameenらの5,591,034号、Hanrahanの5,738,936号、Ameenらの5,028,984号、Dolbearの5,926,371号、Hillらの5,681,883号、Squitieriの第4,869,954号、およびFujimoriらの5,660,917号明細書に開示されており、これらのすべては参照によりここに組入れられる。このようなバインダーは、ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、エポキシ、熱可塑性プラスチック、熱可塑性ゴム、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ワックス、グリース、およびそれらの組合わせを含む。
【0013】
本発明の熱伝導性粒子充填剤は、熱伝導性で電気絶縁性、および熱伝導性で電気伝導性、の粉末および粒子の両方を含む。このような充填剤は、多孔質もしくは非多孔質の無機顔料、有機顔料、真殊性顔料、炭素、金属、雲母、ケイ酸塩鉱物、金属酸化物、金属水酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、セラミックス、炭酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、リン酸塩鉱物、およびそれらの組合わせの種々の粉末もしくは粒子を含む。いかなる従来の粒径も使用されうる。好ましくは、粒子は約1μm〜約500μmの大きさの範囲である。さらに、充填剤は粗い(約100μmより大きい)粒径および微細な(約0.001μm〜約100μm)粒径の混合物を含みうる。耐湿性で、熱伝導性界面材料のような柔軟な(compliant)材料(すなわち、柔軟(flexible)もしくは低デュロメーター値)のために、疎水性化合物で被覆された充填剤の割合は耐湿性材料の約5vol%〜約40vol%、好ましくは約12vol%〜約30vol%である。ポッティング化合物もしくは回路ボードのような、実質的にかたい(rigid)、耐湿性の熱伝導性材料のために、疎水性化合物で被覆された充填剤の割合は約20vol%〜約70vol%、好ましくは約50vol%〜約70vol%である。本発明により製造された熱伝導性材料は所望の形状に成型されうる。本発明の熱伝導性材料の熱伝導度は、その中に含まれる充填剤の量と直接に関連を有する。したがって、本発明の熱伝導性材料の熱伝導度はそこに配合される充填剤の量によって特別に調整されうる。適切な熱伝導性粉末および粒子はFukuiらの米国特許第4,801,445号明細書に記載されており、それは参照によりここに組入れられる。このような粉末材料の典型的な例が下に示される。
【0014】
無機顔料
本発明により変性されうる無機顔料の例は、ウルトラマリンブルー(硫黄を含むケイ酸アルミニウムナトリウム)、プルシアンブルー(フェリフェロシアン化物)、マンガンバイオレット、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低級酸化チタン、水酸化クロム、およびそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0015】
有機顔料
本発明により変性されうる有機顔料の例は、C.I.15850,C.I.15850:1,C.I.15585:1,C.I.15630,C.I.15880:1,C.I.73360,C.I.12085,C.I.15865:2,C.I.12075,C.I.21110,C.I.21095,C.I.11680,C.I.74160、ならびにC.I.45430,C.I.45410,C.I.45100,C.I.17200,C.I.45380,C.I.45190,C.I.14700,C.I.15510,C.I.19140,C.I.15985,C.I.45350,C.I.47005,C.I.42053、およびC.I.42090のジルコニウム、バリウムおよびアルミニウムレーキ、およびそれらの組合わせを含むが、これらに限定されない。
【0016】
真殊性顔料
本発明により変性されうる真殊性(pearlescent)顔料(すなわち真殊光沢(nacreous)顔料)の例は、チタン成分として二酸化チタン、低級酸化チタンおよびオキシ窒化チタンを含む雲母−チタン複合材料、雲母−酸化鉄複合材料、オキシ塩化ビスマス、グアニン、およびそれらの組合わせを含むが、これらに限定されない。
【0017】
炭素
本発明により変性されうる炭素の例は、たとえば被覆および充填剤に従来用いられる活性炭およびカーボンブラック粒子を含むが、これらに限定されない。炭素粉末粒子の大きさに臨界的な制限はないが、このような炭素粉末は0.001μm〜200μmの粒径を有するのが通常である。
【0018】
金属
本発明により変性されうる金属の例は鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、チタン、ジルコニウム、モリブデン、銀、イリジウム、スズ、アンチモン、タングステン、白金合金、金、ならびにそれらの合金を含むが、これらに限定されない。
【0019】
雲母
本発明により変性されうる雲母の例は、白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母、リシア雲母(lepidolite)、ソーダ雲母(paragonite)、天然雲母のヒドロキシル基を置換したフッ素原子を有する人工もしくは合成雲母、ならびにそれらの焼成もしくは仮焼生成物、を含むがそれらに限定されない。
【0020】
ケイ酸塩鉱物
本発明により変性されうるケイ酸塩鉱物の例は、フィロケイ酸塩、テクトケイ酸塩、ソーダ沸石(natrolites)、輝沸石(heulandites)、およびゼオライトを含むが、これらに限定されない。フィロケイ酸塩およびテクトケイ酸塩は、パイロフィライト、タルク、クローライト、クリソタイル、アンチゴライト、リザーダイト(lizardite)、カオリナイト、デッカイト、ナクライト、ハロイサイト、モンモリロナイト、ノントロン石(nontronite)、サポナイト、ソーコナイトおよびベントナイトを含む。ソーダ沸石は、ナトロライト、メソライト、スコレサイトおよびトムソナイト(トムソン沸石)を含む。輝沸石はヒューランダイト、スチルバイトおよびエピスチルバイトを含む。ゼオライトはアナルサイト、十字沸石(harmotome)、フィリップサイト(灰十字沸石)、チャバザイトおよびグメリンを含む。これらのケイ酸塩鉱物は単独でもしくはそれらを組合わせて使用されうる。フィロケイ酸塩はそれらの層の界面で有機力チオンを有し得、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属イオンで置換されうる。テクトケイ酸塩はそれらの微細孔に金属イオンを含む。
【0021】
金属の酸化物、水酸化物、窒化物およびオキシ窒化物
本発明により変性されうる、金属の酸化物、水酸化物、窒化物およびオキシ窒化物は、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケルおよびモリブデンの酸化物、水酸化物、窒化物およびオキシ窒化物を含むが、これらに限定されない。このような化合物の例は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、窒化ケイ素、酸化鉄(α−Fe23 ,γ−Fe23 ,Fe34 ,FeO)、水酸化鉄、二酸化チタン、低級酸化チタン、窒化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、窒化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、Si−Al−O−N化合物、Al−O−N化合物、炭化ケイ素、炭化チタンおよび炭化タングステンを含む。これらの酸化物、水酸化物、窒化物、およびオキシ窒化物は単独で、もしくはそれらの混合物として使用されうる。さらに、チタン酸鉄、チタン酸コバルト、アルミン酸コバルトのような複合酸化物および複合水酸化物も、本発明において使用されうる。コア材料上に被覆された、金属の酸化物、水酸化物、窒化物、もしくはオキシ窒化物を含む複合材料(たとえば、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆ナイロン)も本発明において使用されうる。
【0022】
多孔質材料
上述の多孔質ケイ酸塩鉱物、雲母、および金属酸化物に加えて、本発明により変性されうる他の多孔質材料の例は、KAl2(Al,Si3)O102 ,KMg(Al,Si3)O102 ,K(Mg,Fe3)(Al,Si3)O102 のようなセラミックスおよびガラスセラミックス;CaCO3 ,MgCO3 ,FeCO3 ,MnCO3 ,ZnCO3 ,CaMg(CO3)2,Cu(OH)2CO3 ,Cu3(OH)2(CO3)2 のような炭酸塩鉱物;BaSO4 ,SrSO4 ,PbSO4 ,CaSO4 ,CaSO4 ・2H2 O,CaSO2 ・5H2 O,Cu4 SO4(OH)6,KAl3(OH)6(SO4)2 ,KFe3(OH)6(SO4)2 のような硫酸塩鉱物;およびYPO4 ,(Ce,La)PO4 Fe3(PO4)2 ・8H2 O,Ca5(PO4)3 F,Ca5(PO4)3 Cl,Ca5(PO4)3 OH,Ca5(PO4 ,CO3 OH)3(F,OH)のようなリン酸塩鉱物を含むが、これらに限定されない。これらの材料は単独で、またはそれらの混合物として使用されうる。さらに、これらの多孔質材料は粒状化もしくは成型後に変性され得、つづいて焼成もしくは仮焼される。
【0023】
好適な熱伝導性粒子は窒化ホウ素粒子であり、多孔質および結合された(bonded)窒化ホウ素粒子を含む。特に好適なのは凝集された(agglomerated)窒化ホウ素粒子である。窒化ホウ素を製造するために、この分野で公知のいくつかの方法がある。たとえば、窒化ホウ素は、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のようなホウ酸塩化合物を、アンモニアおよび有機アミン(たとえば、メラミン)のようなアンモニア化合物で直接に窒化することにより製造されうる。さらに、窒化ホウ素は窒素の存在下でホウ酸塩化合物をカーボサーミック(carbothermic)還元により製造されうる。あるいは、窒化ホウ素はホウ素元素もしくはホウ素化合物の直接窒化により製造されうる。これらの方法から製造される窒化ホウ素は、ブリケットの形態であるのが通常である。その後、窒化ホウ素粉末は従来の粉砕により製造されうる。低密度の凝集された窒化ホウ素粒子はブリケットの破砕および凝集物を目標とする粒径分布に分類することにより製造されうる。高密度の凝集された窒化ホウ素粒子の製造方法は、Shafferらの米国特許第5,898,009号明細書に開示されており、それは参照によりここに組入れられる。
【0024】
窒化ケイ素および窒化アルミニウム粒子も本発明において特に有用である。窒化ホウ素のように、窒化ケイ素および窒化アルミニウムも窒素の存在下でケイ素およびアルミニウムの化合物のそれぞれのカーボサーミック還元により製造されうる。窒化ケイ素および窒化アルミニウムも、ケイ素元素もしくはアルミニウム化合物の直接的窒化によりそれぞれ製造されうる。窒化ケイ素粉末の製造法の1つの例は米国特許第4,514,370号明細書に開示されており、それは参照によりここに組入れられる。
【0025】
本発明において使用される疎水性化合物は、シリコーン化合物、好ましくはシリコーン油を含む。このようなシリコーン油は、次の一般構造:
【0026】
【化1】

【0027】
ここで、
nは0〜5;
RおよびR1 は独立して選ばれ;
Rは水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケン、OR1 、およびOSiR1 からなる群より選ばれ;そして
1 は水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換アルケンからなる群より選ばれる、
を有する低分子量のオリゴマー性シロキサンである。
【0028】
好適な態様において、シロキサンは充填剤の約1〜4wt%を含む。シロキサンの量は、粒子の表面積に比例して変動する。すなわち、粒子の表面積が大きければ大きいほど、粒子を被覆するのに必要なシロキサンの量は大きくなる。本発明における使用に良く適したシロキサンはポリジメチルシロキサン、ポリメチル水素シロキサン、およびそれらの組合わせである。たとえば、ポリジメチルシロキサンおよびポリメチル水素シロキサンは、充填剤から約5μmの粒径を有する窒化ホウ素であるとき、充填剤の約3wt%を含むのが好ましい。シロキサンは分圧もしくは不活性ガスパージ下で、約20℃〜約100℃の温度で、リボンブレンダ−のようなブレンダ−中で窒化ホウ素粒子の表面に被覆されうる。好適には、シロキサンはシロキサンの微細粒子を製造するために、噴霧(atomizing)ノズルのようなスプレーノズルによりブレンダーに導入される。
【0029】
粒子の全表面積を疎水性化合物で実質的に被覆することにより、大気の水分は、吸収もしくは吸着されて熱伝導性材料の熱伝導性を劣化しうる場合に、粒子と接触することを禁じられる。たとえば、窒化ホウ素は吸湿性不純物である酸化ホウ素を含有する。湿った環境に置かれると、窒化ホウ素粒子内に含まれる酸化ホウ素は水を吸着する。今度は、窒化ホウ素は、特に熱の存在下で吸着水との加水分解酸化反応を受け、ホウ酸を生成する。ホウ酸も吸湿性であり、継続した水吸着により自動触媒反応によって、さらに窒化ホウ素粒子を劣化させる。
【0030】
ついに、窒化ホウ素を含む熱伝導性材料は十分に劣化し、熱源から熱を十分に伝導することができない。これはそこでの熱蓄積により熱源の故障をもたらしうる。さらに、窒化アルミニウムは大気の水分の存在下にゆっくりと加水分解して、窒化アルミニウムよりも実質的に低い熱伝導度を有する材料である、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムを生成することが知られている。窒化アルミニウム粒子の表面への酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムの被覆は熱拡散バリヤとして作用しうる。このため、窒化アルミニウム粒子と大気の水分との間の接触を最小にするのが望ましい。粒子状材料が水に不活性であっても、粒子により吸着された水は隣接成分材料と反応し得、または、1つの粒子からもう1つの粒子への熱伝達への熱バリアとして作用しうる。粒子の表面を疎水性化合物で被覆することにより、水は粒子と接触するのを禁じられ、水の吸着もしくは吸収を実質的に防止し、粒子を実質的に疎水性にする。したがって、本発明の熱伝導性材料の熱伝導度は、大気の相対湿度にかかわらず維持される。
【0031】
前述のとおり、凝集された窒化ホウ素粒子は本発明のために特に好適である。このように、本発明のもう1つの態様は、疎水性化合物を有する凝集窒化ホウ素粒子を含有する耐湿性の、熱伝導性材料である。
【0032】
図1に関して、本発明により製造された電子装置は集積回路チップのような熱源12およびヒートシンク14を含む。本発明により製造された耐湿性の、熱伝導性界面材料の層16は熱源12とヒートシンク14の間に、そして接触して配置される。本発明の界面材料の層16は特定の要求を満たすために種々の形状および大きさに形成されうる。示されるように、熱源12は、本発明により耐湿性の熱伝導性材料で製造された回路ボード18に搭載され、熱源12から熱を伝導するのをさらに助ける。熱源12、すなわちチップは電源(図示されない)に作動しうるように接続され、従来のように作動する。熱は熱源12により発生され、たとえばオーム熱は集積回路チップの作動時に発生されるので、熱は熱源外面13から本発明の熱伝導性界面材料の層16を通ってヒートシンク内面15に伝導される。その後、熱はこの分野で知られるように、ヒートシンク14により従来どおり大気中に消散される。材料の層16は熱源外面13およびヒートシンク内表面15を実質的に覆うので、熱接触抵抗は最小となる。重要なことに、熱伝導性材料の層16は大気の相対湿度にかかわらず維持され、それにより材料および装置10の有用な寿命を延長する。さらに、回路ボード18は同様に耐湿性で熱伝導性であるので、電子装置10における水混入は最小となり、ヒートシンク14での熱負荷は減少する。
【0033】
したがって本発明のもう1つの態様は、熱源、ヒートシンク、ならびに熱源とヒートシンクの間に、そして接触して配置された本発明の耐湿性で熱伝導性の層からなる電子装置を含む。さらに本発明のもう1つの態様は、熱源、ならびに本発明により製造された耐湿性で、熱伝導性の回路ボードからなる電子装置を含む。
【0034】
さらに本発明のもう1つの態様は、熱源に近接してヒートシンクを設けること、そして熱源とヒートシンクの間に、そして接触して、本発明の耐湿性で熱伝導性の界面材料の層を配置することからなる、熱源から熱を除去する方法を含む。
【実施例】
【0035】
被覆された、そして被覆されていない窒化ホウ素粉末が85℃、相対湿度85%で、外界圧力下で、示される時間、閉ざされた環境において吸湿親和性を評価された。粉末は水分にさらされる前後に秤量され、水による質量増加%を測定された。結果は下の表1に示される。
【0036】
【表1】

【0037】
本発明は例示のために詳細に述べられたが、このような詳細は例示のためにすぎず、変更は請求項に規定された本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者によりなされうることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】集積回路チップとヒートシンクの間に配置された、本発明により製造された耐湿性の、熱伝導性材料層の部分的な斜視図。
【符号の説明】
【0039】
12 熱源
14 ヒートシンク
15 ヒートシンク内面
16 熱伝導性界面材料の層
18 回路ボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性化合物被覆を有する熱伝導性粒子を含む粒子充填剤、ならびに
充填剤粒子を結合させるのに有効なバインダー、
を含有する耐湿性の熱伝導性材料。
【請求項2】
バインダーがポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、シリコーン樹脂、熱可塑性プラスチックス、熱可塑性ゴム、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、フッ素ポリマー、グリース、ワックス、およびそれらの組合わせからなる群より選ばれる請求項1記載の材料。
【請求項3】
熱伝導性粒子が熱伝導性材料の約5vol%〜約70vol%からなる請求項1記載の材料。
【請求項4】
熱伝導性粒子が無機顔料、有機顔料、真殊性顔料、炭素、金属、雲母、ケイ酸塩鉱物、金属酸化物、金属水酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、セラミックス、炭酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、リン酸塩鉱物、およびそれらの組合わせの粒子からなる群より選ばれる請求項1記載の材料。
【請求項5】
熱伝導性粒子が、ウルトラマリンブルー(硫黄を含むケイ酸アルミニウムナトリウム)、プルシアンブルー(フェリフェロシアン化物)、マンガンバイオレット、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低級酸化チタン、水酸化クロム、C.I.15850,C.I.15850:1,C.I.15585:1,C.I.15630,C.I.15880:1,C.I.73360,C.I.12085,C.I.15865:2,C.I.12075,C.I.21110,C.I.21095,C.I.11680,C.I.74160、ならびにC.I.45430,C.I.45410,C.I.45100,C.I.17200,C.I.45380,C.I.45190,C.I.14700,C.I.15510,C.I.19140,C.I.15985,C.I.45350,C.I.47005,C.I.42053、およびC.I.42090のジルコニウム、バリウムおよびアルミニウムレーキ、チタン成分として二酸化チタン、低級酸化チタンおよびオキシ窒化チタンを含む雲母−チタン複合材料、雲母−酸化鉄複合材料、オキシ塩化ビスマス、グアニン、活性炭、カーボンブラック、鉄およびその合金、コバルトおよびその合金、ニッケルおよびその合金、銅およびその合金、亜鉛およびその合金、アルミニウムおよびその合金、クロムおよびその合金、チタンおよびその合金、ジルコニウムおよびその合金、モリブデンおよびその合金、銀およびその合金、イリジウムおよびその合金、スズおよびその合金、アンチモンおよびその合金、タングステンおよびその合金、白金およびその合金、金およびその合金、白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母、リシア雲母、ソーダ雲母、天然雲母のヒドロキシル基を置換したフッ素原子を有する人工もしくは合成雲母およびそれらの焼成もしくは仮焼生成物、フィロケイ酸塩、テクトケイ酸塩、ソーダ沸石、輝沸石、ゼオライト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低級酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、チタン酸鉄、チタン酸コバルト、アルミン酸コバルト、KAl2(Al,Si3)O102 ,KMg(Al,Si3)O102 ,K(Mg,Fe3)(Al,Si3)O102 ,CaCO3 ,MgCO3 ,FeCO3 ,MnCO3 ,ZnCO3 ,CaMg(CO3)2,Cu(OH)2CO3 ,Cu3(OH)2(CO3)2 ,BaSO4 ,SrSO4 ,PbSO4 ,CaSO4 ,CaSO4 ・2H2 O,CaSO2 ・5H2 O,Cu4 SO4(OH)6,KAl3(OH)6(SO4)2 ,KFe3(OH)6(SO4)2 ,YPO4 ,(Ce,La)PO4 Fe3(PO4)2 ・8H2 O,Ca5(PO4)3 F,Ca5(PO4)3 Cl,Ca5(PO4)3 OH,Ca5(PO4 ,CO3 OH)3(F,OH)、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、Si−Al−O−N化合物、Al−O−N化合物、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステン、ならびにそれらの組合わせ、の粒子からなる群より選ばれる請求項4記載の材料。
【請求項6】
熱伝導性粒子が窒化ホウ素粒子である請求項5記載の材料。
【請求項7】
窒化ホウ素粒子が多孔質窒化ホウ素粒子である請求項6記載の材料。
【請求項8】
窒化ホウ素粒子が結合された窒化ホウ素粒子である請求項6記載の材料。
【請求項9】
窒化ホウ素粒子が凝集された窒化ホウ素粒子である請求項6記載の材料。
【請求項10】
熱伝導性粒子が約0.001μm〜約500μmの大きさの範囲にある請求項1記載の材料。
【請求項11】
疎水性化合物がシリコーン化合物である請求項1記載の材料。
【請求項12】
シリコーン化合物がシロキサンである請求項11記載の材料。
【請求項13】
シロキサンが次の一般構造:
【化1】

ここで、
nは0〜5;
RおよびR1 は独立して選ばれ;
Rは水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケン、OR1 、およびOSiR1 からなる群より選ばれ;そして
1 は水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換アルケンからなる群より選ばれる、
請求項12記載の材料。
【請求項14】
シロキサンが充填剤の約1〜4wt%からなる請求項12記載の材料。
【請求項15】
熱伝導性粒子が熱伝導性材料の約5vol%〜約40vol%からなる請求項3記載の材料を含む、耐湿性の熱伝導性界面材料。
【請求項16】
熱伝導性粒子が熱伝導性材料の約20vol%〜約70vol%からなる請求項3記載の材料を含む、耐湿性の熱伝導性ポッティング化合物。
【請求項17】
熱源および請求項16記載のポッティング化合物を含む回路ボード、を含む電子装置。
【請求項18】
熱源;
熱源から熱を除去するためのヒートシンク;ならびに
熱源およびヒートシンクの間に配置された耐湿性の、熱伝導性材料の層、を含む電子装置。
【請求項19】
耐湿性の熱伝導性界面材料が疎水性化合物被覆を有する熱伝導性粒子を含む粒子充填剤、ならびに
充填剤粒子を結合させるのに有効なバインダー、
を含有する請求項18記載の装置。
【請求項20】
バインダーがポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、シリコーン樹脂、熱可塑性プラスチックス、熱可塑性ゴム、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、フッ素ポリマー、グリース、ワックス、およびそれらの組合わせからなる群より選ばれる請求項19記載の装置。
【請求項21】
熱伝導性粒子が熱伝導性材料の約5vol%〜約70vol%からなる請求項19記載の装置。
【請求項22】
熱伝導性粒子が無機顔料、有機顔料、真殊性顔料、炭素、金属、雲母、ケイ酸塩鉱物、金属酸化物、金属水酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、セラミックス、炭酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、リン酸塩鉱物、およびそれらの組合わせの粒子からなる群より選ばれる請求項19記載の装置。
【請求項23】
熱伝導性粒子が、ウルトラマリンブルー(硫黄を含むケイ酸アルミニウムナトリウム)、プルシアンブルー(フェリフェロシアン化物)、マンガンバイオレット、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低級酸化チタン、水酸化クロム、C.I.15850,C.I.15850:1,C.I.15585:1,C.I.15630,C.I.15880:1,C.I.73360,C.I.12085,C.I.15865:2,C.I.12075,C.I.21110,C.I.21095,C.I.11680,C.I.74160、ならびにC.I.45430,C.I.45410,C.I.45100,C.I.17200,C.I.45380,C.I.45190,C.I.14700,C.I.15510,C.I.19140,C.I.15985,C.I.45350,C.I.47005,C.I.42053、およびC.I.42090のジルコニウム、バリウムおよびアルミニウムレーキ、チタン成分として二酸化チタン、低級酸化チタンおよびオキシ窒化チタンを含む雲母−チタン複合材料、雲母−酸化鉄複合材料、オキシ塩化ビスマス、グアニン、活性炭、カーボンブラック、鉄およびその合金、コバルトおよびその合金、ニッケルおよびその合金、銅およびその合金、亜鉛およびその合金、アルミニウムおよびその合金、クロムおよびその合金、チタンおよびその合金、ジルコニウムおよびその合金、モリブデンおよびその合金、銀およびその合金、イリジウムおよびその合金、スズおよびその合金、アンチモンおよびその合金、タングステンおよびその合金、白金およびその合金、金およびその合金、白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母、リシア雲母、ソーダ雲母、天然雲母のヒドロキシル基を置換したフッ素原子を有する人工もしくは合成雲母およびそれらの焼成もしくは仮焼生成物、フィロケイ酸塩、テクトケイ酸塩、ソーダ沸石、輝沸石、ゼオライト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低級酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、チタン酸鉄、チタン酸コバルト、アルミン酸コバルト、KAl2(Al,Si3)O102 ,KMg(Al,Si3)O102 ,K(Mg,Fe3)(Al,Si3)O102 ,CaCO3 ,MgCO3 ,FeCO3 ,MnCO3 ,ZnCO3 ,CaMg(CO3)2,Cu(OH)2CO3 ,Cu3(OH)2(CO3)2 ,BaSO4 ,SrSO4 ,PbSO4 ,CaSO4 ,CaSO4 ・2H2 O,CaSO2 ・5H2 O,Cu4 SO4(OH)6,KAl3(OH)6(SO4)2 ,KFe3(OH)6(SO4)2 ,YPO4 ,(Ce,La)PO4 Fe3(PO4)2 ・8H2 O,Ca5(PO4)3 F,Ca5(PO4)3 Cl,Ca5(PO4)3 OH,Ca5(PO4 ,CO3 OH)3(F,OH)、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、Si−Al−O−N化合物、Al−O−N化合物、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステン、ならびにそれらの組合わせ、の粒子からなる群より選ばれる請求項22記載の装置。
【請求項24】
熱伝導性粒子が窒化ホウ素粒子である請求項23記載の装置。
【請求項25】
窒化ホウ素粒子が多孔質窒化ホウ素粒子である請求項24記載の装置。
【請求項26】
窒化ホウ素粒子が結合された窒化ホウ素粒子である請求項24記載の装置。
【請求項27】
窒化ホウ素粒子が凝集された窒化ホウ素粒子である請求項24記載の装置。
【請求項28】
熱伝導性粒子が約0.001μm〜約500μmの大きさの範囲にある請求項19記載の装置。
【請求項29】
疎水性化合物がシリコーン化合物である請求項19記載の装置。
【請求項30】
シリコーン化合物がシロキサンである請求項29記載の装置。
【請求項31】
シロキサンが次の一般構造:
【化2】

ここで、
nは0〜5;
RおよびR1 は独立して選ばれ;
Rは水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケン、OR1 、およびOSiR1 からなる群より選ばれ;そして
1 は水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換アルケンからなる群より選ばれる、
請求項30記載の装置。
【請求項32】
シロキサンが充填剤の約1〜4wt%からなる請求項30記載の材料。
【請求項33】
疎水性化合物被覆を有する凝集窒化ホウ素粒子を含有する、耐湿性の熱伝導性材料。
【請求項34】
粒子が約0.001μm〜約500μmの大きさの範囲にある請求項33記載の材料。
【請求項35】
熱伝導性粒子が熱伝導性材料の約5vol%〜約70vol%からなる請求項33記載の材料。
【請求項36】
疎水性化合物がシリコーン化合物である請求項33記載の材料。
【請求項37】
シリコーン化合物がシロキサンである請求項36記載の材料。
【請求項38】
シロキサンが次の一般構造:
【化3】

ここで、
nは0〜5;
RおよびR1 は独立して選ばれ;
Rは水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケン、OR1 、およびOSiR1 からなる群より選ばれ;そして
1 は水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換アルケンからなる群より選ばれる、
請求項37記載の材料。
【請求項39】
シロキサンが充填剤の約1〜4wt%からなる請求項37記載の材料。
【請求項40】
熱源に近接するヒートシンクを設けること、ならびに熱源とヒートシンクの間に、そして接触して、耐湿性の熱伝導性材料の層を配置すること、
を含む熱源から熱を除去する方法。
【請求項41】
耐湿性の熱伝導性界面材料が疎水性化合物被覆を有する熱伝導性粒子を含む粒子充填剤、ならびに
充填剤粒子を結合させるのに有効なバインダー、
を含有する請求項40記載の方法。
【請求項42】
バインダーがポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、シリコーン樹脂、熱可塑性プラスチックス、熱可塑性ゴム、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、フッ素ポリマー、グリース、ワックス、およびそれらの組合わせからなる群より選ばれる請求項41記載の方法。
【請求項43】
熱伝導性粒子が無機顔料、有機顔料、真殊性顔料、炭素、金属、雲母、ケイ酸塩鉱物、金属酸化物、金属水酸化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、セラミックス、炭酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、リン酸塩鉱物、およびそれらの組合わせの粒子からなる群より選ばれる請求項41記載の方法。
【請求項44】
熱伝導性粒子が窒化ホウ素粒子である請求項43記載の方法。
【請求項45】
窒化ホウ素粒子が多孔質窒化ホウ素粒子である請求項44記載の方法。
【請求項46】
窒化ホウ素粒子が結合された窒化ホウ素粒子である請求項44記載の方法。
【請求項47】
窒化ホウ素粒子が凝集された窒化ホウ素粒子である請求項44記載の方法。
【請求項48】
熱伝導性粒子が約0.001μm〜約500μmの大きさの範囲にある請求項41記載の方法。
【請求項49】
疎水性化合物がシリコーン化合物である請求項41記載の方法。
【請求項50】
シリコーン化合物がシロキサンである請求項49記載の方法。
【請求項51】
シロキサンが次の一般構造:
【化4】

ここで、
nは0〜5;
RおよびR1 は独立して選ばれ;
Rは水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アルケン、OR1 、およびOSiR1 からなる群より選ばれ;そして
1 は水素、炭素原子1〜8を有する置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換アルケンからなる群より選ばれる、
請求項49記載の方法。
【請求項52】
シロキサンが充填剤の約1〜4wt%からなる請求項50記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−241470(P2006−241470A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135616(P2006−135616)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【分割の表示】特願2001−524797(P2001−524797)の分割
【原出願日】平成12年9月20日(2000.9.20)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】