説明

熱電変換材料結晶成長装置

【課題】熱電変換材料の単結晶を製造するに際し、結晶成長を継続させることができる熱電変換材料結晶成長装置を提供する。
【解決手段】結晶成長装置は、熱電変換材料を溶融させた溶液11が配置されるるつぼ10と、棒状の一端側の先端21における結晶支持点22に熱電変換材料の種結晶60が固定される結晶支持棒20と、種結晶60に成長する熱電変換材料の単結晶61を結晶支持棒20を介して冷却することにより溶液11の温度に対して単結晶61の結晶成長面62の温度を低下させる冷却手段40と、を備えている。そして、種結晶60を溶液11に浸し、冷却手段40によって単結晶61の結晶成長面62の熱を結晶支持棒20に引き出すことで結晶成長面62の温度と溶液11の温度との温度差を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換材料の単結晶を製造するための熱電変換材料結晶成長装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体(例えばシリコン)や酸化物(例えばサファイア)等の単結晶を得るため、溶融した原料に種結晶を接触させて成長させる方法が特許文献1で提案されている。例えばシリコンでは種結晶を回転させながら引き上げるチョクラルスキ−法が旧くから用いられ、例えばサファイアでは種結晶を溶融原料に浸した状態で原料の融液温度を下げることで結晶を大型化するキロポーラス法が用いられている。
【0003】
これらの方法に基づいて単結晶が成長する概略メカニズムについて説明する。種結晶を融液に接触させると、種結晶を介して種結晶を支持している支持棒に熱が逃げてゆき、種結晶のごく近傍の融液温度は、融液の内部温度より低下する。これにより種結晶表面に結晶析出が起こり易い状態が作られ、結晶性を引き継ぎながら種結晶表面に析出することで結晶成長を実現できる。結晶成長が継続的に起こるためには、結晶が大きくなっても結晶を介した支持棒への熱の逃げが維持される必要がある。シリコンの熱伝導率は168W/mK、サファイアの熱伝導率は42W/mKとそれぞれ金属に近く、結晶が大きくなっても熱の逃げは維持されやすいため、結晶を大型化できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−31019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熱電変換材料についても、多結晶焼結体より単結晶の方が高い性能が得られることが知られている。熱電変換材料としては、例えば、クラスレート熱電材料、酸化物熱電材料等が挙げられる。
【0006】
そして、性能の高い熱電材料を得る条件として熱伝導率が低いことが求められる。ここで、熱電変換材料で構成された熱電変換素子の性能は、性能指数Zとして求めることができる。熱電変換の性能指数Zは、Z=ασ/κで表わされる。αは熱電変換材料のゼーベック係数、σは熱電変換材料の電気伝導率、κは熱電変換材料の熱伝導率である。この式から、熱伝導率κが低いほど、性能指数Zが高い熱電変換素子が得られることがわかる。多くの熱電変換材料の熱伝導率κは0.5〜3W/mKと低い値を有し、上記のシリコンやサファイアと比較して1〜2桁も低い。
【0007】
このため、上記従来の技術のように、熱電変換材料の種結晶を融液に浸して熱電物質の結晶合成を行う場合、単結晶がある程度の大きさになると結晶析出面からの熱の逃げ量が小さくなる。これに伴い、結晶析出面のごく近傍の融液温度と内部の融液温度との温度差が小さくなるために結晶析出面で結晶析出が起こりにくくなる、という問題点があった。このように、熱電変換材料の単結晶の成長を継続して行わせることは非常に困難であった。
【0008】
本発明は上記点に鑑み、熱電変換材料の単結晶を製造するに際し、結晶成長を継続させることができる熱電変換材料結晶成長装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、熱電変換材料を溶融させた溶液(11)が配置されるるつぼ(10)と、一端側の先端(21)における結晶支持点(22)に熱電変換材料の種結晶(60)が固定され、種結晶(60)を溶液(11)に浸すための結晶支持棒(20)と、を備えている。
【0010】
また、結晶支持棒(20)の他端側に配置され、種結晶(60)に成長する熱電変換材料の単結晶(61)を結晶支持棒(20)を介して冷却することにより、溶液(11)の温度に対して単結晶(61)の結晶成長面(62)の温度を低下させる冷却手段(40)と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
このような結晶成長装置によると、冷却手段(40)によって単結晶(61)の結晶成長面(62)の熱を結晶支持棒(20)に引き出すことができるので、結晶成長面(62)の温度と溶液(11)の温度との温度差を確保することができる。したがって、単結晶(61)が成長して大きくなっていっても、結晶成長面(62)に結晶析出が起こり易い状態を作ることができ、結晶成長を継続させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、冷却手段(40)は、結晶支持棒(20)に固定された冷却フィン(41)と、冷却フィン(41)に対して結晶支持棒(20)の軸方向に相対的に移動すると共に冷媒(43)が入れられる冷媒容器(42)と、を備えて構成されている。そして、結晶支持棒(20)の冷却量は、冷媒(43)に接触する冷却フィン(41)の面積が大きいほど大きくなるように制御されることを特徴とする。
【0013】
このような構成により、結晶支持棒(20)の冷却量を制御できるので、単結晶(61)の成長に応じて結晶成長面(62)の温度を低下させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、結晶支持棒(20)の結晶支持点(22)の温度を測定する温度測定手段(30)を備えている。そして、冷却手段(40)は、温度測定手段(30)で測定された結晶支持点(22)の温度に基づいて、結晶支持棒(20)の冷却量を制御することを特徴とする。
【0015】
これにより、単結晶(61)が小さい段階から結晶支持棒(20)の冷却量を大きくすると結晶成長面(62)の温度が下がり過ぎて過剰な結晶析出が発生することで結晶品質の低下が発生することを防止することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、結晶支持棒(20)に設けられた第1電極(81)とるつぼ(10)に設けられた第2電極(82)とを有し、第1電極(81)と第2電極(82)とに電位差を設けて結晶支持棒(20)、単結晶(61)、および溶液(11)による経路に通電を行い、この通電による熱輸送によって結晶支持点(22)に対して結晶成長面(62)の温度を低下させる通電手段(80)を備えていることを特徴とする。
【0017】
このように、単結晶(61)に対する通電によって熱輸送現象を生じさせることにより、結晶成長面(62)の温度を低下させることができる。したがって、結晶成長面(62)の温度と溶液(11)の温度との温度差を確保することができ、ひいては結晶成長を継続させることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、熱電変換材料を溶融させた溶液(11)が配置されるるつぼ(10)と、一端側の先端(21)における結晶支持点(22)に熱電変換材料の種結晶(60)が固定され、種結晶(60)を溶液(11)に浸すための結晶支持棒(20)と、を備えている。
【0019】
また、結晶支持棒(20)に設けられた第1電極(81)とるつぼ(10)に設けられた第2電極(82)とを有し、第1電極(81)と第2電極(82)とに電位差を設けて結晶支持棒(20)、種結晶(60)に成長する熱電変換材料の単結晶(61)、および溶液(11)による経路に通電を行い、この通電による熱輸送によって結晶支持点(22)に対して単結晶(61)の結晶成長面(62)の温度を低下させる通電手段(80)を備えていることを特徴とする。
【0020】
このような結晶成長装置によると、通電手段(80)によって単結晶(61)に熱輸送現象を生じさせることができるので、結晶成長面(62)の温度を低下させることができる。すなわち、結晶成長面(62)の温度と溶液(11)の温度との温度差を確保することができる。したがって、単結晶(61)が成長して大きくなっていっても、結晶成長面(62)に結晶析出が起こり易い状態を作ることができ、結晶成長を継続させることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明では、通電手段(80)は、単結晶(61)がN型結晶であるときは第1電極(81)が正極となると共に第2電極(82)が負極となる一方、単結晶(61)がP型結晶であるときは第1電極(81)が負極となると共に第2電極(82)が正極となるように、通電を行うようになっていることを特徴とする。これにより、単結晶(61)の導電型に応じて結晶成長面(62)の温度が溶液(11)の温度に対して低くなるようにすることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明では、通電手段(80)は、単結晶(61)のサイズが大きくなるほど第1電極(81)と第2電極(82)との間の通電量を制御し、結晶成長面(62)の温度低下が一定となるようにすることを特徴とする。これにより、単結晶(61)の結晶成長が進んでも、結晶成長面(62)と溶液(11)との温度差を一定に保つことができる。
【0023】
請求項8に記載の発明では、結晶支持棒(20)の軸方向に垂直な一面(71)を有し、一面(71)が溶液(11)に対向配置されると共に結晶支持棒(20)の先端(21)が突出するように結晶支持棒(20)の一端側に固定された熱伝達板(70)を備えている。そして、熱伝達板(70)は、一面(71)と単結晶(61)との間に隙間(72)が形成された後、結晶支持棒(20)と共に溶液(11)側に移動させられ、隙間(72)に溶液(11)が入り込んだ後に溶液(11)から引き上げられることによって隙間(72)に溶液(11)を保持するようになっていることを特徴とする。
【0024】
これによると、熱伝達板(70)と単結晶(61)との隙間(72)に熱良導性の溶液(11)が位置することになるので、隙間(72)に位置する溶液(11)によって熱伝達板(70)と単結晶(61)とを熱的に接続することができる。すなわち、隙間(72)に位置する溶液(11)を介する熱経路を形成することができる。したがって、熱伝達板(70)に近い位置の結晶成長が促進されるので、熱伝達板(70)の一面(71)に平行な面方向への結晶成長が促進され、より体積のある単結晶(61)を得ることができる。
【0025】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱電変換材料結晶成長装置の概略図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る熱伝達板の模式図である。
【図3】図2に示される熱伝達板を用いた熱電変換材料の単結晶の製造工程を示した図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る通電手段の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0028】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る熱電変換材料結晶成長装置(以下、結晶成長装置という)の概略図である。この図に示されるように、結晶成長装置は、るつぼ10と、結晶支持棒20と、温度測定手段30と、冷却手段40と、ロードセル50と、を備えて構成されている。
【0029】
るつぼ10は、熱電変換材料を溶融させた溶液11が配置される容器である。溶液11は、るつぼ10の周囲に設けられた図示しない加熱手段で加熱される。
【0030】
結晶支持棒20は、熱電変換材料の種結晶60が固定される中空筒状の部材であり、W(タングステン)等で形成されている。種結晶60は結晶支持棒20の一端側の先端21における結晶支持点22に固定される。この結晶支持棒20の他端側には、結晶支持棒20全体を上下に移動させる図示しない上下移動機構、並びに結晶支持棒20の中心軸を中心に回転させる図示しない回転機構が設けられている。これらの機構により、種結晶60が取り付けられた結晶支持棒20がるつぼ10の上方からるつぼ10に挿入され、種結晶60が溶液11に浸漬された位置にセットされる。
【0031】
温度測定手段30は、結晶支持棒20の結晶支持点22の温度を測定する手段である。具体的に、温度測定手段30は熱電対31とこの熱電対31に接続された配線32とで構成され、熱電対31が結晶支持点22の真上に位置している。配線32は図示しない制御装置に接続されている。これにより、結晶支持点22(結晶位置近傍)の温度を測定できるようになっている。
【0032】
冷却手段40は、結晶支持棒20を冷却することにより、結晶支持点22の種結晶60を基点として成長する熱電変換材料の単結晶61を結晶支持棒20を介して冷却するものである。すなわち、冷却手段40は、溶液11の温度に対して単結晶61の結晶成長面62の温度を低下させる。なお、単結晶61は種結晶60を中心とした半球状に成長していく。
【0033】
このような冷却手段40は結晶支持棒20の他端側に配置されており、冷却フィン41と冷媒容器42とを備えて構成されている。冷却フィン41は円筒状をなしており、結晶支持棒20に固定されている。冷媒容器42は有底中空筒状の容器であり、液体窒素等の冷媒43が入れられる。冷媒容器42には冷媒43を供給できる図示しない吐出機構が設けられている。
【0034】
また、冷媒容器42が冷却フィン41よりもるつぼ10側に位置すると共に冷媒容器42の中空部分に結晶支持棒20が差し込まれており、結晶支持棒20と接触しないように冷媒容器42が図示しない移動機構に保持されている。これにより、冷媒容器42は冷却フィン41に対して結晶支持棒20の軸方向に相対的に移動できるようになっている。冷媒容器42が最も下方(つまりるつぼ10側)に位置する場合には冷却フィン41と冷媒容器42とは分離した状態(図1に示した状態)となり、冷媒容器42が最も上方(つまり冷却フィン41側)に位置する場合には冷媒容器42の冷媒43に冷却フィン41が浸かった状態となる。
【0035】
そして、結晶支持棒20の冷却量は冷媒43に接触する冷却フィン41の面積が大きいほど大きくなるように制御される。すなわち、冷媒容器42が冷却フィン41側に移動させられ、冷却フィン41が冷媒43に接触する面積を調整することで、結晶支持棒20の冷却量が制御される。ここで、結晶支持棒20の冷却量は、温度測定手段30で測定された結晶支持点22の温度に基づいて制御される。
【0036】
ロードセル50は、成長する単結晶61を含む結晶支持棒20の重量を測定するものである。このロードセル50は、結晶支持棒20のうち先端21とは反対側に設けられ、重量情報を表す信号が出力される構成になっている。
【0037】
上記の構成を制御する図示しない制御装置により、移動機構や吐出機構等の制御、温度の管理が行われるようになっている。
【0038】
従来の結晶成長装置において結晶を支持する結晶支持棒20は、装置に設けられた昇降軸に取り付けられ、種結晶を融液に接触させたり、結晶を引き上げたりできるようになっている。その昇降軸を介して装置本体が熱浴として機能するが、温度の下限は装置本体温度(室温)である。
【0039】
そして、上記のような結晶成長装置では、結晶支持棒20の他端側に液体窒素で冷却する冷熱浴すなわち冷却手段40が設けられていることで結晶支持棒20の温度を室温以下に冷却することが可能となっている。
【0040】
冷却に際し、単結晶61が小さい段階から冷却を強くすると結晶表面の温度が下がり過ぎ、過剰な析出が発生することで結晶品質の低下が発生する。これを防ぐため、ロードセル50によって単結晶61の大きさを、熱電対31によって結晶支持棒20の温度をそれぞれ検出し、単結晶61の大きさに応じて結晶支持棒20の温度を順次低下させる構成となっている。
【0041】
続いて、上記の結晶成長装置を用いて熱電変換材料の単結晶61を製造する方法について説明する。本結晶成長装置は、従来では室温もしくはそれ以上の温度であった結晶支持棒20の温度を、室温よりも低い温度まで冷却することによって、単結晶61の結晶成長面62と結晶支持棒20との温度差を大きくし、これによって結晶表面からの熱の引きを大きくすることで、結晶成長面62の温度を低下させ、結晶が大きくなっても結晶成長を継続できるようにするように動作する。
【0042】
本実施形態では、熱電変換材料として、BaGa16Sn30の組成を持つクラスレート結晶の合成を例として説明する。
【0043】
まず、るつぼ10の中には、熱電変換材料の単結晶61の原料となる溶液11が入っている。その組成はモル比率でBaが8、Gaが16、Snが50である。結晶組成に対してSn量を大きくしているのは、BaGa16Sn30クラスレートは不一致溶融型の物質であるためである。BaGa16Sn30クラスレートは一旦溶解して固化するとクラスレートに戻らないため、溶媒(フラックス)として作用するSnを量論組成より過剰にし、Sn溶液から結晶成分を析出させる方式をとる。
【0044】
次に、結晶支持棒20の冷却を行わない結晶成長のプロセスについて説明する。これは、図1に示される冷却手段40が備えられていない結晶成長装置による結晶成長である。まず、結晶原料が充分に液化する温度、この場合は約500℃まで昇温した後、溶液11からクラスレートが析出を開始する直上の温度350℃まで降温した上で、この状態で結晶支持棒20を下方(るつぼ10側)に移動させて種結晶60が結晶原料の溶液11にほぼ埋まるまで下げる。この状態で結晶支持棒20を中心軸を中心に回転させながら、溶液11の温度を例えば1℃/hrでゆっくり低下させる。この過程において、結晶支持棒20を通して熱が上方(つまり外気)に逃げるために周囲より温度が低くなっている結晶成長面62近傍の溶液11において、クラスレート成分が析出し、結晶成長面62に付着することで結晶成長が進行する。但し、クラスレートの熱伝導率は1W/mKと低いため、単結晶61が大きくなるに従って、単結晶61を介した溶液11から結晶支持棒20までの熱抵抗は大きくなり、すなわち単結晶61の結晶成長面62近傍の溶液11の温度は高くなり、クラスレート成分の析出が起こりにくくなり、ついには結晶成長が停止する。実験を行った結果、結晶の半径rが概ね10mm程度で飽和した。
【0045】
これに対し、結晶成長が飽和する時点の結晶成長面62と放熱点(結晶支持点22)の温度差を、この時の結晶支持点22の温度から概略見積もってみる。結晶支持棒20を構成するタングステン棒熱抵抗は、タングステンの熱伝導率が174W/mK、直径5mm(断面積2.0×10−5)、長さ30cmであることから、86K/Wと見積もられる。
【0046】
一方、クラスレート結晶熱抵抗については、以下の通りである。受熱面である結晶成長面62の面積は半球の表面積として求められ、6.28×10−4である。放熱側の面積はタングステン棒の断面積2.0×10−5である。簡略化するため、 上面2.0×10−5、下面6.28×10−4を持つ円錐に置き換えて考えると、その熱抵抗Rは、R=(1/κ)×(h/S1・S2・π)で表されるため、91K/Wとなる。なお、S1・S2・πはタングステン棒の断面積に相当する。
【0047】
そして、結晶支持棒20の他端側の温度は30℃、結晶成長飽和時の原料溶液温度は約350℃であり、温度差は熱抵抗の比率で按分されるため、結晶支持点22の温度は185℃程度と見積もられる。単結晶61の内部の温度勾配は16.5℃/mmであり、この温度勾配が結晶成長を継続するために必要な閾値と見積もられる。
【0048】
結晶支持点22から結晶成長面62までの距離(すなわち単結晶61の大きさ)が2倍の20mmになった場合においても、上記の温度勾配を有するためには、結晶成長面62と結晶支持点22との温度差を2倍にする必要があり、330℃が必要となる。溶液11の温度は350℃で同一であるので、結晶支持点22の温度を20℃まで低下させる必要がある。
【0049】
そこで、図1の冷却フィン41を冷媒容器42の冷媒43中に挿入することで結晶支持点22の温度を低下させる。これにより、単結晶61が大型化するまで結晶成長を継続させることが可能となる。しかしながらこの温度差が大きいと、結晶析出が急速に起こりすぎて結晶品質の低下が発生する。一方、温度差が小さいと成長速度が小さい、あるいは成長が停止してしまう。すなわち、良質な結晶品質を維持しつつ、結晶サイズの大型化を測るためにはこの温度差を適切に制御することが必要である。
【0050】
したがって、本実施形態では、結晶支持棒20の結晶支持点22付近に設置された熱電対31の温度情報に基づき、冷却フィン41と冷媒容器42の噛合量を制御することによって、結晶支持点の温度を制御することによって温度差の制御を行う。「噛合量」とは、冷媒43に対する冷却フィン41の接触面積の大きさである。
【0051】
具体的には、ロードセル50の出力から成長中の単結晶61の大きさを算出し、単結晶61の大きさが小さいときには結晶支持点22の温度を室温付近に設定し、単結晶61が大きくなるに従って、結晶支持点22の温度を示す熱電対31の出力が低温になるように、冷却フィン41を冷媒容器42の冷媒43の中に挿入していくように制御する。単結晶61の大きさと結晶支持点22の制御温度の具体的な関係については、装置の条件によって異なるため、その装置に合致した関係を用いれば良い。
【0052】
以上説明したように、本実施形態では、結晶成長装置は結晶支持棒20に冷却手段40を備えており、冷却手段40によって単結晶61の結晶成長面62の熱を結晶支持棒20に引き出すことができることが特徴となっている。
【0053】
これにより、単結晶61が成長して大きくなっていったとしても、結晶成長面62の温度と溶液11の温度との温度差を確保することができる。すなわち、単結晶61のサイズに阻害されずに、結晶成長面62に結晶析出が起こり易い状態を作ることができ、ひいては結晶成長を継続させることができる。
【0054】
また、冷却手段40は冷媒43に対する冷却フィン41の接触面積を調節する構成となっているので、単結晶61が大きくなるに従って当該接触面積を大きくすることにより、単結晶61の成長に応じて結晶成長面62の温度を低下させることができる。
【0055】
さらに、温度測定手段30によって結晶支持点22の温度を測定しているので、結晶支持棒20の温度が下がり過ぎることを防止することができる。このため、単結晶61が小さい段階から結晶支持棒20の冷却量を大きくすると結晶成長面62の温度が下がり過ぎて過剰な結晶析出が発生して結晶品質の低下が発生することを防止することができる。
【0056】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。図2は、本実施形態に係る結晶支持棒20の一端側の概略図である。なお、図2は結晶支持棒20の軸方向に垂直な方向に結晶支持棒20の一端側を見た図である。
【0057】
図2に示されるように、結晶支持棒20の一端側には熱伝達板70が固定されている。この熱伝達板70は、結晶支持棒20の軸方向に垂直な一面71を有し、一面71が溶液11に対向配置される円板状の部材である。また、熱伝達板70は、結晶支持棒20の一端側の先端21が突出するように結晶支持棒20の一端側に固定されている。熱伝達板70は熱伝導率が高い物質(例えばモリブデン)で構成されている。
【0058】
この熱伝達板70は、種結晶60に成長する単結晶61と一面71との間に隙間が形成された後、この隙間に溶液11の一部を入り込ませ、この溶液11を介して当該熱伝達板70に熱が伝達する経路を形成する役割を果たすものである。このため、熱伝達板70は、結晶支持棒20の結晶支持点22の種結晶60が溶液11に浸されたときに、溶液11の表面から例えば3mm上方に位置するように結晶支持棒20に固定されている。
【0059】
具体的に、熱伝達板70を設けたことによって単結晶61がどのように成長するのかを図3を参照して説明する。まず、第1実施形態と同様に種結晶60を基点として単結晶61を成長させていくことで図3(a)の状態が得られる。
【0060】
続いて、熱伝達板70が溶液11に浸漬されるまで結晶支持棒20を下方に移動させて図3(b)に示す状態とし、熱伝達板70の一面71と溶液11との隙間72に溶液11が浸透したらすぐに熱伝達板70を溶液11から図3(a)に示す位置まで結晶支持棒20を戻す。これによって、図3(c)に示す状態となり、熱伝達板70と単結晶61とが熱伝導の高い溶液11すなわち金属フラックスで接続される。これは、単結晶61の上部に熱抵抗の小さい層が接続されたことになるため、熱伝達板70に近い位置の単結晶61の温度が下がり、結晶成長が促進される。これにより、第1実施形態と比較して、熱伝達板70の一面71に平行な面方向および対角位置の結晶成長が促進され、より体積のある単結晶61を得ることができる。つまり、第1実施形態では単結晶61は半球状に成長したが、本実施形態では単結晶61は円柱状に成長していく。
【0061】
図3(b)の状態から図3(c)のように熱伝達板70を溶液11から引き上げる理由は、熱伝達板70が溶液11に接触した図3(b)に示す状態を長時間続けると、熱伝達板70の表面で結晶析出が発生し、これが多結晶となって結晶品質が低下するためである。
【0062】
以上説明したように、本実施形態では、結晶支持棒20に熱伝達板70を設けたことが特徴となっている。これにより、結晶成長の際には、熱伝達板70は結晶支持棒20と共に溶液11側に移動させられ、熱伝達板70の一面71と溶液11との隙間72に溶液11が入り込んだ後に溶液11から引き上げられることによって隙間72に溶液11を保持することができる。このため、当該隙間72に導電性の溶液11が位置することになるので、熱伝達板70と単結晶61との間に熱経路を形成することができる。したがって、熱伝達板70に近い位置の結晶成長が促進されるので、より体積のある単結晶61を得ることができる。
【0063】
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、結晶支持棒20を冷却することにより単結晶61を冷却していたが、本実施形態では単結晶61が熱電変換材料であることを利用し、通電によるペルチェ熱輸送を発生させ、結晶成長面62から熱を抜き取ることで結晶成長面62の温度を低下させる結晶成長装置であることが特徴となっている。
【0064】
図4は、本実施形態に係る結晶成長装置の一部模式図である。なお、図4に示されるように、本実施形態では結晶支持棒20に熱伝達板70が設けられている。
【0065】
図4に示されるように、本実施形態に係る結晶成長装置は通電手段80を備えている。通電手段80は、結晶支持棒20に設けられた第1電極81と、るつぼ10に設けられた第2電極82と、これら第1電極81と第2電極82との間に電流を流す電流源83と、を有している。そして、通電手段80は、電流源83により第1電極81と第2電極82とに電位差を設けて結晶支持棒20、単結晶61、および溶液11による経路に通電を行うように構成されている。通電手段80は、図示しない制御装置によって通電が制御されるように構成されている。
【0066】
ここで、単結晶61の導電型に応じて結晶成長面62の温度が溶液11の温度に対して低くなるようにするため、通電手段80は単結晶61がN型結晶であるときは第1電極81が正極となると共に第2電極82が負極となるように通電を行うように構成されている。一方、通電手段80は単結晶61がP型結晶であるときは第1電極81が負極となると共に第2電極82が正極となるように通電を行うように構成されている。図4に示されるように、図4に示される単結晶61はN型結晶であるので、第1電極81が正極、第2電極82が負極となる。
【0067】
さらに、通電手段80は、単結晶61のサイズに応じて第1電極81と第2電極82との間の通電量を制御し、結晶成長面62の温度低下が略一定となるように電極81、82間の通電を行う。具体的には、温度低下が一定となるように通電を行う。これは、図示しない制御装置が上述のロードセル50の測定結果から通電量を算出し、その算出結果に基づいて通電量を求め、通電手段80を制御することで行われる。これにより、単結晶61の結晶成長が進んでも、結晶成長面62と溶液11との温度差が一定に保たれる。
【0068】
次に、上記の通電手段80を用いて単結晶61を製造する方法について説明する。まず、上述のように、単結晶61を成長させ、図4に示されるように単結晶61の底面が溶液11に接触するように単結晶61を溶液11から引き上げた状態とする。この状態で通電手段80の電流源83により第1電極81と第2電極82との間に電流を流す。結晶支持棒20は上述のように金属材料(W;タングステン)で構成され、原料である溶液11は金属フラックス(Sn;スズ)で構成されているため導電性は高い。
【0069】
そして、成長している単結晶61は熱電物質であるため、温度差による熱輸送成分に加え、通電によるペルチェ熱輸送現象が上乗せされる。熱輸送量Qの大きさは、次の式で求められる。
Q=α・TH・I+κ・(TH−TC)・S/L−I・R/2
ここで、αは結晶のゼーベック係数、κは結晶の熱伝導率、THは高温側(溶液11)の温度、TCは低温側(結晶支持棒20)の温度、Iは電流、Sは結晶の面積、Lは単結晶61の軸方向の長さ、Rは単結晶61の電気抵抗である。上記式の第1項がペルチェ熱輸送、第2項が温度差による熱輸送量、第3項がジュール発熱を表している。第3項のみ符号がマイナスであるのは、発熱成分がペルチェ熱輸送成分を押し戻す方向に働くためである。クラスレート結晶の代表的特性として、α=280μV/K、κ=1W/mK、ρ(電気抵抗率)=6×10−5Ωmを用い、TH=350℃、TC=20℃、単結晶61の直径を20mm、単結晶61の軸方向の長さを20mmとすると、電気抵抗は3.8×10−3Ωであり、 電流10Aの場合を想定すると、第1項は1.74W、第2項は5.18W、第3項は0.19Wとなる。すなわち、単結晶61に電流を流すことによって3.14×10−4の面積に対して1.55Wの熱量が結晶成長面62から抜き去られることになる。この単結晶61の熱抵抗RはR=(1/κ)×(L/S)で求められ、63.7K/Wである。ここでSは結晶の断面積、Lは単結晶61の軸方向の長さである。すなわち、ペルチェ熱輸送により、結晶支持点22側に対して、63.7K/W×1.55W=98.7Kの温度差を生み出す効果を期待できる。
【0070】
上記はクラスレート結晶の直径が20mm、長さが20mmの場合について述べたが、単結晶61の長さが長くなるに従って、条件が変化してくる。例えば、直径が同じで結晶長さが40mmとなった場合を考えると、熱抵抗は上記の2倍の127.4K/W、電気抵抗も2倍の7.6×10−3Ωとなる。同じ電流を流すためには電圧が2倍に上昇し、投入電力が2倍となるために温度差の条件が変化する。そこで電流を1/2の5Aとすると、上記式の第1項が0.87W、第3項が0.1Wとなり、熱輸送量は0.77W、温度差は127.4K/W×0.77W=98Kとなって上記と同じ温度差を維持できる。このように単結晶61の成長長さに応じて投入電力が一定となるように制御することで、結晶成長面62と結晶支持点22との温度差を保つことが可能となる。
【0071】
以上説明したように、本実施形態では結晶成長装置に通電手段80を設けることにより、単結晶61に対する通電による熱輸送によって結晶支持点22に対して結晶成長面62の温度を低下させる構成であることが特徴となっている。このように、単結晶61に対する通電によって熱輸送現象を生じることを利用して、結晶成長面62の温度を低下させることができるので、結晶成長面62の温度と溶液11の温度との温度差を確保することができる。したがって、単結晶61が成長して大きくなっていっても、結晶成長面62に結晶析出が起こり易い状態を作ることができ、結晶成長を継続させることができる。
【0072】
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された結晶成長装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、結晶支持棒20や熱伝達板70の材料等は上記の材料に限らず、他の材料でも良い。また、冷却手段40の構成も一例であり、他の構成を採用しても良い。もちろん、上述したBaGa16Sn30クラスレートは一例であり、他の熱電変換材料を製造することができる。
【0073】
そして、第3実施形態では、結晶成長装置は冷却手段40(第1実施形態)および熱伝達板70(第2実施形態)を備え、さらに通電手段80を備えた構成となっていた。しかし、通電手段80のみで結晶成長面62を冷却できるため、結晶成長装置は冷却手段40および熱伝達板70を備えずに通電手段80のみを備えて構成されていても構わない。また、結晶成長装置は、冷却手段40を備えずに熱伝達板70と通電手段80とを備えた構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0074】
10 るつぼ
11 溶液
20 結晶支持棒
21 先端
22 結晶支持点
30 温度測定手段
40 冷却手段
41 冷却フィン
42 冷媒容器
43 冷媒
60 種結晶
61 単結晶
62 結晶成長面
70 熱伝達板
71 一面
72 隙間
80 通電手段
81 第1電極
82 第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電変換材料を溶融させた溶液(11)が配置されるるつぼ(10)と、
一端側の先端(21)における結晶支持点(22)に前記熱電変換材料の種結晶(60)が固定され、前記種結晶(60)を前記溶液(11)に浸すための結晶支持棒(20)と、
前記結晶支持棒(20)の他端側に配置され、前記種結晶(60)に成長する前記熱電変換材料の単結晶(61)を前記結晶支持棒(20)を介して冷却することにより、前記溶液(11)の温度に対して前記単結晶(61)の結晶成長面(62)の温度を低下させる冷却手段(40)と、を備えていることを特徴とする熱電変換材料結晶成長装置。
【請求項2】
前記冷却手段(40)は、前記結晶支持棒(20)に固定された冷却フィン(41)と、前記冷却フィン(41)に対して前記結晶支持棒(20)の軸方向に相対的に移動すると共に冷媒(43)が入れられる冷媒容器(42)と、を備えて構成され、
前記結晶支持棒(20)の冷却量は、前記冷媒(43)に接触する前記冷却フィン(41)の面積が大きいほど大きくなるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換材料結晶成長装置。
【請求項3】
前記結晶支持棒(20)の前記結晶支持点(22)の温度を測定する温度測定手段(30)を備えており、
前記冷却手段(40)は、前記温度測定手段(30)で測定された前記結晶支持点(22)の温度に基づいて、前記結晶支持棒(20)の冷却量を制御することを特徴とする請求項2に記載の熱電変換材料結晶成長装置。
【請求項4】
前記結晶支持棒(20)に設けられた第1電極(81)と前記るつぼ(10)に設けられた第2電極(82)とを有し、前記第1電極(81)と前記第2電極(82)とに電位差を設けて前記結晶支持棒(20)、前記単結晶(61)、および前記溶液(11)による経路に通電を行い、この通電による熱輸送によって前記結晶支持点(22)に対して前記結晶成長面(62)の温度を低下させる通電手段(80)を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱電変換材料結晶成長装置。
【請求項5】
熱電変換材料を溶融させた溶液(11)が配置されるるつぼ(10)と、
一端側の先端(21)における結晶支持点(22)に前記熱電変換材料の種結晶(60)が固定され、前記種結晶(60)を前記溶液(11)に浸すための結晶支持棒(20)と、
前記結晶支持棒(20)に設けられた第1電極(81)と前記るつぼ(10)に設けられた第2電極(82)とを有し、前記第1電極(81)と前記第2電極(82)とに電位差を設けて前記結晶支持棒(20)、前記種結晶(60)に成長する前記熱電変換材料の単結晶(61)、および前記溶液(11)による経路に通電を行い、この通電による熱輸送によって前記結晶支持点(22)に対して前記単結晶(61)の結晶成長面(62)の温度を低下させる通電手段(80)を備えていることを特徴とする熱電変換材料結晶成長装置。
【請求項6】
前記通電手段(80)は、前記単結晶(61)がN型結晶であるときは前記第1電極(81)が正極となると共に前記第2電極(82)が負極となる一方、前記単結晶(61)がP型結晶であるときは前記第1電極(81)が負極となると共に前記第2電極(82)が正極となるように、通電を行うようになっていることを特徴とする請求項4または5に記載の熱電変換材料結晶成長装置。
【請求項7】
前記通電手段(80)は、前記単結晶(61)のサイズに応じて前記第1電極(81)と前記第2電極(82)との間の通電量を制御し、前記結晶成長面(62)の温度低下が一定となるようにすることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の熱電変換材料結晶成長装置。
【請求項8】
前記結晶支持棒(20)の軸方向に垂直な一面(71)を有し、前記一面(71)が前記溶液(11)に対向配置されると共に前記結晶支持棒(20)の先端(21)が突出するように前記結晶支持棒(20)の一端側に固定された熱伝達板(70)を備えており、
前記熱伝達板(70)は、前記一面(71)と前記単結晶(61)との間に隙間(72)が形成された後、前記結晶支持棒(20)と共に前記溶液(11)側に移動させられ、前記隙間(72)に前記溶液(11)が入り込んだ後に前記溶液(11)から引き上げられることによって前記隙間(72)に前記溶液(11)を保持するようになっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の熱電変換材料結晶成長装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−1579(P2013−1579A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130955(P2011−130955)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「ナノテク・先端部材実用化研究開発/カゴ状物質を利用したナノ構造制御高性能熱電変換材料の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】