説明

燃料フィルタ構造

【課題】フィルタ部材の内部への気体の侵入を抑制できる燃料フィルタ構造を得る。
【解決手段】バイパスパイプ22は、フィルタ部材20の内部と外部を連通する連通部22Cと、連通部22Cの下端から連続し、フィルタ部材20の底部に沿って配置された浸漬部22Bを有する。浸漬部22Bは、連通部22Cの近傍の燃料の液面が低下した場合でも、少なくとも一部が必ず燃料中に浸漬されるように配置される。液位低下時でもバイパスパイプ22内に燃料が残り、燃料タンク14内の気体がバイパスパイプ22を通してフィルタ部材20の内部に侵入することが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンク内から外部に送出される燃料から異物を除去するための燃料フィルタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タフィルタ構造として、特許文献1には、燃料吸い込みポンプの吸い込み口に袋状フィルタを備える構造のものが示されている。このような燃料フィルタ構造では、燃料の粘度上昇等によってフィルタが閉塞された場合でもフィルタ内部に燃料を送るために、フィルタの内部と外部とを連通するバイパスパイプが設けられることがある。
【0003】
しかし、たとえば燃料タンク内の燃料が少ない状態で車両の傾斜や旋回等により燃料液位が変位すると、バイパスパイプから気体がフィルタ内に浸入するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−234827号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、フィルタ部材の内部への気体の侵入を抑制できる燃料フィルタ構造を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、燃料吸入口が燃料タンク内に配置され、この燃料タンクから燃料を外部に送出するための燃料送出配管と、前記燃料吸入口を包囲して設けられ、燃料を透過させると共に燃料から異物を除去するフィルタ部材と、前記フィルタ部材の内部と外部とを連通する連通部と、フィルタ部材の内部でこの連通部から連続し連通部よりも下方に位置する浸漬部と、を備えたバイパスパイプと、を有する。
【0007】
この燃料フィルタ構造では、燃料タンク内の燃料がフィルタ部材によって異物を除去されてフィルタ部材内へ透過する。そして、フィルタ部材内の燃料吸入口から燃料送出配管によって燃料が外部(エンジン等)に送出される。
【0008】
フィルタ部材の内部と外部とは、バイパスパイプの連通部で連通されており、さらに連通部から連続して浸漬部が設けられている。したがって、燃料の粘度上昇等によってフィルタが閉塞された場合でも、バイパスパイプによりフィルタ内部に燃料を送ることができる。
【0009】
バイパスパイプの浸漬部は、連通部よりも下方に位置している。したがって、このような浸漬部を有さないバイパスパイプと比較して、連通部の近傍で燃料液面が変位した場合に燃料液位よりも下方に浸漬部、すなわちバイパスパイプの一部が位置している可能性が高くなる。このため、燃料液位が変化(低下)した場合でも、バイパスパイプを通して燃料タンク内の気体がフィルタ部材の内部に侵入することが抑制される。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記浸漬部の少なくとも一部が、前記連通部の近傍の燃料液面が変位した場合でも燃料液位より下方に位置するように配置されている。
【0011】
すなわち、浸漬部は、連通部の近傍で燃料液面が変位した場合の燃料液位を想定し、この場合でも浸漬部が燃料液位よりも下方に位置することで、燃料に浸漬された状態を維持するようになっている。すなわち、浸漬部の一部には、必ず燃料が存在している状態が維持される。このため、燃料液位が変化(低下)した場合でも、バイパスパイプを通して燃料タンク内の気体がフィルタ部材の内部に侵入することが抑制される。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記浸漬部が、鉛直方向に見て前記連通部を取り囲む形状とされている。
【0013】
このように、浸漬部を、鉛直方向に見て連通部を取り囲む形状とすることで、フィルタ部材の内部の燃料がどの方向に傾斜して液位低下した場合でも、浸漬部の一部が燃料に浸漬された状態を維持できる。すなわち、燃料の傾斜方向に関わらず、フィルタ部材の内部への気体に侵入を抑制できる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記バイパスパイプが、前記連通部側の一端部から前記浸漬部側の他端部に向かって水平又は下方に傾斜している部分のみで構成されている。
【0015】
換言すれば、バイパスパイプには、連通部側の一端部から浸漬部側の他端部に向かって上方に傾斜する部分が存在していないことになる。したがって、バイパスパイプ内での水分(燃料よりも比重が大きい)の滞留を抑制でき、水分凍結によるバイパスパイプの詰まりを抑制できる。
【0016】
なお、この「下方に傾斜」している部分には、バイパスパイプが部分的に鉛直下方になっている場合も含む。
【0017】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記バイパスパイプの最も低い位置に、バイパスパイプ内の水分が流出可能な水抜き孔が設けられている。
【0018】
したがって、バイパスパイプ内での水分を水抜き孔から流出させてその滞留を抑制でき、水分凍結によるバイパスパイプの詰まりを抑制できる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、燃料吸入口が燃料タンク内に配置され、この燃料タンクから燃料を外部に送出するための燃料送出配管と、前記燃料吸入口を包囲して設けられ燃料タンク内の燃料が吸入されるときに燃料から異物を除去するフィルタ部材と、前記フィルタ部材の内部と外部とを連通する連通孔と、この連通孔の上方に配置され連通孔近傍の燃料液位が低下すると連通孔を閉塞するフロートと、を備えたフロートバルブ部材と、を有する。
【0020】
この燃料フィルタ構造では、燃料タンク内の燃料がフィルタ部材によって異物を除去されてフィルタ部材内へ透過する。そして、フィルタ部材内の燃料吸入口から燃料送出配管によって燃料が外部(エンジン等)に送出される。
【0021】
フィルタ部材の内部と外部とは、連通孔で連通されているが、フロートは、燃料の液位が高い場合には連通孔の上方で燃料に浮遊し、連通孔を閉塞しない。したがって、燃料の粘度上昇等によってフィルタが閉塞された場合でも、連通孔によりフィルタ内部に燃料を送ることができる。
【0022】
フロートは、燃料液位が低下すると連通孔を閉塞する。これにより、燃料液位が低下した場合でも、連通孔を通して燃料タンク内の気体がフィルタ部材の内部に侵入することが抑制される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は上記構成としたので、フィルタ部材の内部への気体の侵入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態の燃料メッシュ構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の燃料メッシュ構造を示す斜視図である。
【図3】(A)及び(B)はいずれも、本発明の第1実施形態の燃料メッシュ構造において燃料液位が低下した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の変形例の燃料メッシュ構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の燃料メッシュ構造を示す断面図である。
【図6】(A)及び(B)はいずれも、本発明の第2実施形態の燃料メッシュ構造において燃料液位が低下した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、本発明の第1実施形態の燃料フィルタ構造12が示されている。本実施形態において、この燃料フィルタ構造12が適用された燃料タンク14は、ディーゼルエンジン用の燃料(軽油)を収容するために用いられる。
【0026】
燃料タンク14内には、エンジンに燃料を送出するための燃料送出配管16の下部が鉛直方向に沿って備えられている。燃料送出配管16の下端の開口は燃料供給口18とされており、その周囲を、メッシュ状の部材により形成されたフィルタ部材20が包囲している。
【0027】
フィルタ部材20は、通常状態(燃料粘度が高くなっていない状態)では、燃料を透過させることができる程度のメッシュ構造とされており、エンジン側から作用した負圧により、燃料タンク14内の燃料がフィルタ部材20を透過して、その内部に移動する。そして、フィルタ部材20を透過するときに、燃料中の異物がフィルタ部材20により除去される。
【0028】
フィルタ部材20には、燃料送出配管16の側方から下方に至るにバイパスパイプ22が設けられている。バイパスパイプ22は、燃料の粘度が高くなってフィルタ部材20に対する透過性が低くなった場合でも、バイパスパイプ22の内部を通して燃料をフィルタ部材20の内部に流入させることができる程度の内径を有している。
【0029】
図2にも詳細に示すように、バイパスパイプ22は、燃料送出配管16の下部と略平行(すなわち略鉛直)とされ、フィルタ部材20の略中央でフィルタ部材20の上面を貫通して、フィルタ部材20の内部と外部(燃料タンク14内)を連通する連通部22Cを備えている。さらにバイパスパイプ22は、連通部22Cの下端から屈曲して連続し、フィルタ部材20の底部に沿って配置された浸漬部22Bを有している。
【0030】
図2から分かるように、燃料フィルタ構造12を鉛直方向に見たとき、浸漬部22Bは連通部22Cの周囲を取り囲むように螺旋状(渦巻状)に形成されている。そして、浸漬部22Bは、車両の旋回や傾斜に伴って連通部22Cの近傍の燃料の液面が低下した場合でも、その低下した液位を考慮し、浸漬部22Bの少なくとも一部が、フィルタ部材20の内部において必ず燃料液面FSよりも下に位置している(すなわち、燃料中に浸漬される)ように配置されている。また、エンジンからの吸入負圧が燃料送出配管16からバイパスパイプ22に作用した場合には、バイパスパイプ22内の液面が吸入負圧に比例して下がるが、この下がった液面よりもさらに下方に、浸漬部22Bの少なくとも一部が位置している。
【0031】
特に本実施形態の浸漬部22Bは、上記したように連通部22Cの周囲を取り囲むように螺旋状且つ渦巻状に形成されているので、燃料液面FSの傾斜方向に関わらず、少なくともその一部が燃料に浸漬された状態を維持できる。
【0032】
図1から分かるように、バイパスパイプ22は、その一端部22U(連通部22C側に位置する上端部)から他端部22L(浸漬部22B側に位置する下端部)に向かって、下方に傾斜する部分(鉛直下方に延在する部分を含む)のみで構成されており、局所的に上方に傾斜する部分が存在しないようになっている。そしてこれにより、バイパスパイプ22内に水分(燃料よりも比重が大きい)が溜まることなく、他端部22Lから流出するようになっている。
【0033】
なお、バイパスパイプ22内に水分が留まることを防止する観点からは、部分的にバイパスパイプ22に水平な部分が存在していてもよい(要するに、一端部22Uから他端部22Lに向かって、局所的に上方に傾斜する部分が全く存在しない形状となっていればよい。)
【0034】
次に、本実施形態の燃料フィルタ構造12の作用を説明する。
【0035】
通常状態、すなわち、燃料タンク14内の燃料粘度が高くなっていない状態では、燃料はフィルタ部材20を透過可能である。エンジンからの負圧が作用すると、燃料タンク14内の燃料がフィルタ部材20で異物を除去されて透過するため、フィルタ部材20内には燃料のみが存在し、異物や空気等の気体は存在しない状態が維持されている。また、フィルタ部材20の表面には、燃料によって油膜が形成されている。
【0036】
温度低下等によって燃料タンク14内の燃料粘度が高くなると、高粘度の燃料によってフィルタ部材20のメッシュ構造が閉塞されるため、燃料のフィルタ部材20への透過性が低くなる(透過しづらくなる)。この場合であっても、燃料はバイパスパイプ22の内部を通ってフィルタ部材20の内部に流入する。
【0037】
図3(A)及び(B)に示すように、燃料の粘度が低い状態で、車両の旋回や傾斜等によって燃料液面FSが傾斜すると、バイパスパイプ22の連通部22Cの近傍の液位が低下することがある。本実施形態では、バイパスパイプ22の浸漬部22Bを、このような燃料液位の低下が発生した場合であっても、その一部は燃料液位よりも下に位置し、燃料中に浸漬されるようにしている。特に、エンジンからの負圧が作用すると、これに比例してバイパスパイプ22内の液位が低下するが、この場合でも、液位よりも下方に、浸漬部22Bの少なくとも一部が位置している。
【0038】
したがって、バイパスパイプ22内に燃料が残ることとなり、燃料タンク14内の気体がバイパスパイプ22を通してフィルタ部材20の内部に侵入することが抑制される。これにより、フィルタ部材20に形成されていた油膜も維持されるので、フィルタ部材20を気体が透過することも抑制できる。連通部22Cの近傍の液位が上昇したときには、バイパスパイプ22内の液位も上昇し、バイパスパイプ22内の気体は燃料タンク14内に排出される。
【0039】
しかも、本実施形態の浸漬部22Bは、図2に示したように、連通部22Cの周囲を取り囲むように螺旋状(渦巻状)に形成されており、燃料液面FSの傾斜方向に関わらず、少なくともその一部が燃料に浸漬された状態を維持できる。すなわち、車両の旋回方向や傾斜方向に関わらず、燃料タンク14内の気体がバイパスパイプ22を通してフィルタ部材20の内部に侵入することが抑制される。
【0040】
また、本実施形態のバイパスパイプ22では、一端部22Uから他端部22Lに向かって、下方に傾斜する部分のみで構成されており、局所的に上方に傾斜する部分が存在していない。バイパスパイプ22中に水分が溜まることなく、他端部22Lから流出するので、低温時にバイパスパイプ22内の水分が凍結してバイパスパイプ22が詰まることがなく、フィルタ部材20の内部と外部とを連通した状態を維持できる。
【0041】
図4には、本発明の第1実施形態の変形例の燃料フィルタ構造52が示されている。この変形例では、バイパスパイプ22の浸漬部54Bの構造のみが、第1実施形態の燃料フィルタ構造12と比べて異なっているので、以下では、異なっている部分のみ説明し、同一部分は説明を省略する。
【0042】
変形例のバイパスパイプ22の浸漬部54Bは、一端部22Uから他端部22Lに向かって見たときに、局所的に上方に傾斜する部分が存在している(図4の例では、他端部22Lの近傍が該当している)。換言すれば、浸漬部22Bの中間部分に、その高さが最も低くなる最低部56が存在している。最低部56の底面には、水分を透過させることが可能な水抜き孔58が形成されている。
【0043】
したがって、変形例の燃料フィルタ構造52においても、第1実施形態の燃料フィルタ構造12と同様の作用効果を奏するが、特に、バイパスパイプ22内の水分は、水抜き孔58から流出する。
【0044】
このように、バイパスパイプ22の形状や配置に合わせて、最も低い位置で内部の水分をバイパスパイプ22内から流出させることが出来るようにすればよい。第1実施形態のように、一端部22Uから他端部22Lに向かって下方に傾斜する部分のみで構成すると、変形例のような水抜き孔58を形成する必要がなくなり、バイパスパイプの構造が簡単になる。
【0045】
図5には、本発明の第2実施形態の燃料フィルタ構造72が示されている。以下、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0046】
第2実施形態では、第1実施形態のバイパスパイプ22に代えて、フロートバルブ部材74が設けられている。フロートバルブ部材74は、フィルタ部材20の上面に形成された連通孔76と、この連通孔76の周囲から立設されたフロートハウジング78、及び、フロートハウジング78内に配設されたフロート80を有している。
【0047】
連通孔76は円形に形成されており、第1実施形態のバイパスパイプ22と同様に、燃料の粘度が高くなってフィルタ部材20への透過性が低くなった場合でも、燃料をフィルタ部材20の内部に流入させることができる程度の開口径を有している。
【0048】
フロート80は、燃料よりも比重の小さい材料によって、連通孔76よりも大径の球状に形成されている。図5及び図6(A)に示すように、燃料液位が連通孔76よりも高い場合には、フロート80はフロートハウジング78内で燃料中に浮遊するため連通孔76を閉塞することはない。これに対し、図6(B)に示すように、燃料液位が連通孔76と同程度の高さあるいは連通孔76より低くなると、フロート80は下方へ移動して連通孔76を閉塞する。
【0049】
フロートハウジング78は、略円筒状に形成されているが、下方に向かって径が漸減されており、フロート80を連通孔76に向かって案内する形状とされている。また、フロートハウジング78の上部には、燃料を透過させるがフロート80の上方への抜けは防止する抜け止め部材82が取り付けられている。この抜け止め部材82は本実施形態ではフィルタ部材20よりも荒いメッシュ構造とされている。このため、燃料がフィルタ部材20を透過しない程度に高粘度になった場合でも、メッシュ部材82を透過可能である。かかる観点からは、抜け止め部材82はメッシュ構造である必要はなく、たとえば板状あるいは棒状の部材でもよい。
【0050】
このような構成とされた第2実施形態の燃料フィルタ構造72においても、第1実施形態の燃料フィルタ構造12と同様に、燃料タンク14内の燃料粘度が高くなっていない状態では、エンジンからの負圧で燃料タンク14内の燃料がフィルタ部材20で異物を除去されて透過する。フィルタ部材20内には空気等の気体は存在せず、表面には燃料によって油膜が形成されている。また、温度低下等によって燃料タンク14内の燃料粘度が高くなった場合でも、連通上76の近傍の燃料液位が連通孔76よりも高位置になっていれば、図5及び図6(A)に示すように、フロート80は連通孔76を閉塞しないので、燃料は連通孔76を通ってフィルタ部材20の内部に流入する。
【0051】
図6(B)に示すように、連通孔76の近傍の液位が低下した場合には、フロート80も下がって連通孔76を閉塞する。これにより、燃料タンク14内の気体が連通孔76を通してフィルタ部材20の内部に侵入することが抑制される。フィルタ部材20に形成されていた油膜も維持され、フィルタ部材20を気体が透過することも抑制できる。
【0052】
なお、上記では、ディーゼルエンジン用の燃料(軽油)を収容した燃料タンクに本発明の燃料フィルタ構造を適用した例を挙げたが、本発明の適用対象の燃料タンクは、これに限定されるものではない。
【0053】
また、燃料タンク内にリザーブカップが設けられ、このリザーブカップ内に燃料送出配管16の下部が配設された構成のものもあり、このような構成に本発明の燃料フィルタ構造を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0054】
12 燃料フィルタ構造
14 燃料タンク
16 燃料送出配管
18 燃料供給口
20 フィルタ部材
22 バイパスパイプ
22C 連通部
22B 浸漬部
22U 一端部
22L 他端部
52 燃料フィルタ構造
54B 浸漬部
56 最低部
58 水抜き孔
72 燃料フィルタ構造
74 フロートバルブ部材
76 連通孔
78 フロートハウジング
80 フロート
82 抜け止め部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料吸入口が燃料タンク内に配置され、この燃料タンクから燃料を外部に送出するための燃料送出配管と、
前記燃料吸入口を包囲して設けられ、燃料を透過させると共に燃料から異物を除去するフィルタ部材と、
前記フィルタ部材の内部と外部とを連通する連通部と、フィルタ部材の内部でこの連通部から連続し連通部よりも下方に位置する浸漬部と、を備えたバイパスパイプと、
を有する燃料フィルタ構造。
【請求項2】
前記浸漬部の少なくとも一部が、前記連通部の近傍の燃料液面が変位した場合でも燃料液位より下方に位置するように配置されている請求項1に記載の燃料フィルタ構造。
【請求項3】
前記浸漬部が、鉛直方向に見て前記連通部を取り囲む形状とされている請求項1又は請求項2に記載の燃料フィルタ構造。
【請求項4】
前記バイパスパイプが、前記連通部側の一端部から前記浸漬部側の他端部に向かって水平又は下方に傾斜している部分のみで構成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料フィルタ構造。
【請求項5】
前記バイパスパイプの最も低い位置に、バイパスパイプ内の水分が流出可能な水抜き孔が設けられている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料フィルタ構造。
【請求項6】
燃料吸入口が燃料タンク内に配置され、この燃料タンクから燃料を外部に送出するための燃料送出配管と、
前記燃料吸入口を包囲して設けられ燃料タンク内の燃料が吸入されるときに燃料から異物を除去するフィルタ部材と、
前記フィルタ部材の内部と外部とを連通する連通孔と、この連通孔の上方に配置され連通孔近傍の燃料液位が低下すると連通孔を閉塞するフロートと、を備えたフロートバルブ部材と、
を有する燃料フィルタ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−174731(P2010−174731A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17974(P2009−17974)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】