説明

燃料供給ユニット

【課題】災害発生時等に、地下タンク内の燃料油の給油ができなかったり、ローリーが給油所へ辿り着けないような場合でも、被災地等の車輌に燃料油を供給する。
【解決手段】燃料油を貯蔵するハッチを有し、一端がハッチに通じ、他端が荷卸口31に至る配管を備えるローリー3の荷卸口に着脱自在に連結される燃料供給ユニット2。燃料供給ユニットをローリーの荷卸口に連結することで、ローリーから車輌に直接給油することができる。燃料供給ユニットを、燃料油の流量を計測する流量計22と、流量計で計測された流量の計測値を表示する表示器23と、流量計の流入口に接続され、ローリーの荷卸口に連結されるカップリング21と、流量計の吐出口に接続され、先端に給油ノズル26を有する給油ホース25とで構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給ユニットに関し、特に、災害発生時等にローリーより直接車輌へ燃料油を供給する燃料供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車やトラック等の車輌へ燃料油を給油するには、特許文献1に記載されているように、通常、ローリーより給油所の地下タンクへ燃料油を荷卸しした後、地下タンクに貯蔵された燃料油を給油装置を介して給油する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−109198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記給油所において、地震等の災害発生時に、地下タンクから給油装置に繋がる給油管や給油装置が損傷した場合には、地下タンク内の燃料油の給油ができないおそれがある。
【0005】
また、給油装置等が損傷から免れたとしても、地下タンク内の燃料油は、油槽所よりローリーによって荷卸しされているため、災害状況によっては道路が破壊され、ローリーが給油所へ辿り着けないこともある。
【0006】
そこで、本発明は、災害発生時等に、給油所の地下タンク内の燃料油を給油することができなかったり、ローリーが給油所へ辿り着けないような場合でも、ローリーより車輌に直接給油することで、被災地等の車輌に燃料油を供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、燃料供給ユニットであって、燃料油を貯蔵するハッチを有し、一端が前記ハッチに通じ、他端が荷卸口に至る配管を備えるローリーの前記荷卸口に着脱自在に連結されることを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、燃料供給ユニットをローリーの荷卸口に連結することで、ローリーから車輌に直接給油することができるため、災害発生時等に、地下タンク内の燃料油の給油ができなかったり、ローリーが給油所へ辿り着けないような場合でも、場所を選ぶことなく車輌に燃料油を供給することが可能となる。
【0009】
上記燃料供給ユニットは、燃料油の流量を計測する流量計と、該流量計で計測された流量の計測値を表示する表示器と、前記流量計の流入口に接続され、ローリーの荷卸口に連結されるカップリングと、前記流量計の吐出口に接続され、先端に給油ノズルを有する給油ホースとを備えることができる。この構成によれば、流量計によって計測した燃料油の流量を表示器で表示することで、一般客へも計り売りを行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、災害発生時等でも、ローリーより車輌に直接給油することで、被災地等の車輌に燃料油を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる燃料供給ユニットの一実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】ローリー及びその荷卸口を示す概略斜視図である。
【図3】本発明にかかる燃料供給ユニットの使用方法を説明するための概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明にかかる燃料供給ユニットの一実施の形態を示し、この燃料供給ユニット2は、ローリー3(図2参照)の荷卸口31に連結されるカップリング21と、燃料油の流量を計測する流量計22と、流量計22で計測された流量の計測値を表示する表示器23と、流量計22の吐出口に接続された給油ホース25と、給油ホース25の先端に装着された給油ノズル26とで構成される。
【0014】
カップリング21は、ローリー3の荷卸口31と流量計22の流入口とを接続するために設けられる。尚、ローリー3は、図示を省略するが、複数の油種の燃料油を貯蔵するハッチを有し、一端がハッチに通じ、他端が荷卸口31に至る配管を備える。
【0015】
流量計22は、ローリー3の荷卸口31から供給される燃料油の流量を計測するために備えられ、この流量計22には、計測された流量の計測値を表示する表示器23が付設される。
【0016】
給油ホース25は、流量計22の吐出口と給油ノズル26とを接続するために設けられ、給油範囲を拡大するため、長く延ばすことができる。
【0017】
次に、上記構成を有する燃料供給ユニット2の使用方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0018】
地震等の災害時に、ローリー3のハッチに、レギュラーガソリンと灯油を貯留する。これは、緊急時には、ハイオクタンガソリンはレギュラーガソリンで、軽油は灯油で代用可能であるためである。尚、ローリー3のハッチに、ハイオクタンガソリンと軽油を貯留してもよい。
【0019】
被災地において、燃料供給ユニット2のカップリング21をローリー3の荷卸口31に連結し、給油ノズル26を車輌4の給油口41に挿入する。この際、ローリー3の荷卸口31の位置を車輌4の給油口41よりも高い位置に設定する。この状態で、給油ノズル26を操作して給油可能な状態とすると、荷卸口31と給油口41との高低差により、ローリー3のハッチに貯留された燃料油の水頭(ヘッド)によってローリー3から車輌4へ燃料油が流れ、給油することができる。
【0020】
上記給油の際には、流量計22によって燃料油の流量を計測し、計測した流量を表示器23に表示することで、計り売りを行うことができる。尚、計り売りを行う必要がなければ、流量計22及び表示器23を設けなくともよい。
【0021】
また、ローリー3のハッチに貯留された燃料油の水頭を利用して給油すると、電源が不要となって好ましいが、燃料油の水頭を利用できない場所や、燃料油の水頭を利用して給油を行うことが困難な場所等では、燃料供給ユニット2に給油ポンプを設けることで給油を可能にすることができる。
【0022】
さらに、上記実施の形態においては、複数の油種の燃料油を貯蔵するハッチを有するローリー3を例示したが、一種類の燃料油を貯蔵するハッチを有するローリーであってもよく、そのようなローリーの荷卸口に上記構成を有する燃料供給ユニット2を装着することで、レギュラーガソリン等の燃料油をローリーから直接車輌に給油することができる。
【符号の説明】
【0023】
2 燃料供給ユニット
3 ローリー
4 車輌
21 カップリング
22 流量計
23 表示器
25 給油ホース
26 給油ノズル
31 荷卸口
41 給油口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料油を貯蔵するハッチを有し、一端が前記ハッチに通じ、他端が荷卸口に至る配管を備えるローリーの前記荷卸口に着脱自在に連結されることを特徴とする燃料供給ユニット。
【請求項2】
該燃料供給ユニットは、
燃料油の流量を計測する流量計と、
該流量計で計測された流量の計測値を表示する表示器と、
前記流量計の流入口に接続され、ローリーの荷卸口に連結されるカップリングと、
前記流量計の吐出口に接続され、先端に給油ノズルを有する給油ホースとを備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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