説明

燃料供給装置、電子機器、及び、その燃料供給システム

【課題】対応してない電子機器に液体燃料を供給してしまうのを防止する。
【解決手段】ユーザが携帯機器(電子機器)100を燃料供給装置1の収納部6に装着すると、制御部33が制御部117と通信を行い、通信が行えたら制御部33が燃料・水の供給を認証する。そして、携帯機器100の液体燃料の濃度が検出され、検出濃度が適正値である場合に、制御部33が燃料供給ポンプ14を作動させることで燃料タンク10内の燃料が携帯機器100の燃料タンク101へ供給される。燃料の供給中に燃料の総供給量が制御部33によって求められ、制御部33が現在の日、燃料の総供給量を制御部117に送信する。制御部117はその燃料の総供給量を記憶部118の「燃料の残量」に加算し、その和を「燃料の残量」として記憶部118の更新を行うとともに、現在の日を「直近の燃料供給日」として記憶部118の更新を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料を使用する電子機器に対して液体燃料を供給する燃料供給装置、燃料が供給される電子機器、及び、その燃料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池には、燃料から改質器等により生成された水素の電気化学反応によって電力を取り出す改質型燃料電池と、燃料の電気化学反応により電力を取り出すダイレクト燃料型燃料電池とがある。このような燃料電池を携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、腕時計、PDA(Personal Digital Assistance)、電子手帳等といった携帯機器(電子機器)の電源として用いようとする研究開発が行われている。
【0003】
燃料電池搭載型の携帯機器を広く普及するためには、燃料を携帯機器に供給するためのインフラストラクチャーを構築する必要があり、例えば特許文献1に記載された自動販売機が必要とされている。この自動販売機は、電子決済を行った後に液体燃料を携帯電話機に供給するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−209116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、燃料には様々な種類のものがあり、ユーザが携帯機器(電子機器)に対応していない燃料を自動販売機で誤って供給してしまうことがあった。
また、しばらく使わずに、古くなった燃料を使うことによって、携帯機器を故障させる場合があった。さらには、適さない燃料を(不正に)注入することにより、携帯機器を故障させたり、事故に繋がったりする場合もあった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ユーザが携帯機器に適した燃料を適した状態で安全に使用できるような燃料供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明では、燃料供給装置が、液体燃料を貯留した燃料貯留体と、前記燃料貯留体内の液体燃料を電子機器に供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段を制御する制御部とを備え、前記制御部が電子機器の持つ機器情報を取得し、前記制御部が電子機器の認証を行った後、前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行うという構成を採っている。
【0007】
好ましくは、前記燃料供給装置が、液体燃料の成分を検査する成分計と、電子機器に残留した液体燃料を抜き取る燃料抜取手段とを更に備え、電子機器に残留した液体燃料を前記燃料抜取手段により一部抜き取って、抜き取った液体燃料の成分を前記成分計により検査を行い、前記成分計による検査結果が適正でない場合に、前記制御部が前記燃料抜取手段を引き続き作動させて電子機器から液体燃料を抜き取った後に前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行う。
【0008】
好ましくは、前記検査結果が適正である場合に、前記制御部が前記燃料抜取手段を作動させず、燃料抜取を行なわずに前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行う。
【0009】
好ましくは、電子機器は燃料が供給された時期の燃料供給履歴を記憶する記憶部を備え、前記制御部が燃料供給履歴の送信を電子機器に要求して燃料供給履歴を電子機器から受信し、受信した燃料供給履歴から、前記制御部が所定期間以上前の燃料があると判断した場合、前記制御部が前記燃料抜取手段を作動させて電子機器から液体燃料を抜き取った後に前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行う。
【0010】
好ましくは、受信した燃料供給履歴から、前記制御部が所定期間以上前の燃料がないと判断した場合、前記燃料抜取手段を作動させず、燃料抜取を行なわずに前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行う。
【0011】
好ましくは、電子機器の記憶部は燃料の残量及び貯留体の容量を記憶しており、前記燃料供給装置が燃料の補充量を入力する入力部を更に備え、前記制御部が燃料の残量及び貯留体の容量の送信を電子機器に要求してその残量及び容量を電子機器から受信し、前記制御部が受信した容量から受信した燃料の残量を差し引いた差を求め、前記制御部が求めた差と前記入力部により入力された補充量とを比較し、その比較の結果、求めた差が前記入力部により入力された補充量よりも大きい場合に、前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行う。
【0012】
好ましくは、前記制御部は、前記燃料供給手段による液体燃料の供給が終了したら、電子機器に燃料の残量の更新を指令する。
【0013】
本発明では、電子機器が、燃料貯留体と、機器情報が登録されている記憶部とを備え、
前記機器情報に基づいて認証が行なわれた後、燃料供給装置よる前記燃料貯留体への燃料の供給が許可されるようになるという構成を採っている。
【0014】
好ましくは、前記記憶部は、燃料の残量を記憶しており、前記燃料の残量は、動作時に、燃料消費量が減算され、燃料供給装置から燃料が供給される時に、燃料総供給量に基づいて燃料供給装置から送信される情報により、前記燃料の残量が加算され、更新されるようにする。
【0015】
好ましくは、前記記憶部の燃料の残量が0となると、少なくとも一部の機能が動作しないようになる。
【0016】
好ましくは、燃料供給装置から燃料を満タンに供給される時に、燃料供給装置から供給される燃料の総供給量が、前記燃料貯留体の容量から前記燃料の残量を差し引いた差に対して所定の誤差の範囲外である場合に、少なくとも一部の機能が動作しないようになる。
【0017】
本発明では、燃料供給システムが、電子機器と燃料供給装置からなるシステムであって、前記電子機器は機器情報が登録されている記憶部を備え、前記機器情報に基づいて前記燃料供給装置が前記電子機器の認証を行った後、前記電子機器に前記燃料供給装置から燃料が供給されるという構成を採っている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電子機器の持つ機器情報によって認証が行われた後、燃料供給ポンプが作動するので、電子機器に対応した液体燃料を電子機器に正しく供給することができる。電子機器が対応していない場合には、制御部と電子機器の通信が行われずに認証も行われず、電子機器に液体燃料が供給されないので、対応してない電子機器に液体燃料を誤って供給してしまうことを防止することができる。
また、本発明によれば、しばらく使わずに、古くなった燃料を使うことによって、携帯機器を故障させる場合があった。さらには、適さない燃料を(不正に)注入することにより、発生する可能性のある故障や事故等を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】燃料供給装置の外観図である。
【図2】燃料供給装置のブロック図である。
【図3】携帯機器のブロック図である。
【図4】携帯機器の記憶部に記憶されたデータを示した図である。
【図5】燃料供給装置の制御部により行われる処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0021】
図1は、燃料供給装置1を携帯機器(電子機器)100とともに示した図面である。図1において、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【0022】
携帯機器100は、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、腕時計、PDA(Personal Digital Assistance)、電子手帳等といった小型電子機器である。
【0023】
燃料供給装置1の正面には、タッチパネル付ディスプレイ2が設けられ、タッチパネル付ディスプレイ2の下方には紙幣投入部3及び硬貨投入部4が設けられ、硬貨投入部4の下方には硬貨返却部5が設けられている。タッチパネル付ディスプレイ2は、入力部としてのタッチパネルをディスプレイの表示面に設けたものであり、ディスプレイで表示が行われ、タッチパネルに対する接触箇所がタッチパネルで検出されることによって各種の入力が行われる。紙幣投入部3には紙幣判別器が設けられ、紙幣投入部3に投入された紙幣の種別が紙幣判別器で判別される。硬貨投入部4には硬貨判別器が設けられ、硬貨投入部4に投入された硬貨の種別が硬貨判別器で判別される。
【0024】
燃料供給装置1の正面であってタッチパネル付ディスプレイ2の右側には、収納部6が凹んだ状態に設けられ、収納部6には供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7が設けられている。収納部6に対して携帯機器100が着脱可能とされ、収納部6に携帯機器100が装着されると、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7が携帯機器100に接続される。また、収納部6には非接触通信送受信部8が設けられ、この非接触通信送受信部8によって携帯機器100と燃料供給装置1との間で無線によるデータ転送が可能とされている。また、収納部6には赤外線通信部9が設けられ、この赤外線通信部9によって携帯機器100と燃料供給装置1との間で赤外線によるデータ転送が可能とされている。
【0025】
次に、燃料供給装置1の構成について図2を用いて説明する。図2は、燃料供給装置1のブロック図である。
【0026】
燃料タンク(燃料貯留体)10には液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル)が貯留されている。燃料タンク10には残量検出部11が設けられ、燃料タンク10に貯留した液体燃料の残量が残量検出部11によって検出され、液体燃料の残量を表した電気信号が残量検出部11から制御部33に出力される。
【0027】
水タンク12には水が貯留され、水タンク12には残量検出部13が設けられている。水タンク12に貯留した水の残量が残量検出部13によって検出され、水の残量を表した電気信号が残量検出部13から制御部33に出力される。
【0028】
廃液タンク27には貯留量検出部28が設けられている。廃液タンク27に貯留した廃液の貯留量が貯留量検出部28によって検出され、廃液の貯留量を表した電気信号が貯留量検出部28から制御部33に出力される。
【0029】
燃料タンク10から供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7までの経路には燃料供給ポンプ(燃料供給手段)14、流量計15、バルブ16及び圧力計17が設けられている。燃料供給ポンプ14は、燃料タンク10から液体燃料を吸引して、吸引した液体燃料を供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7に送液するものである。流量計15は、燃料供給ポンプ14によって送液される液体燃料の流量を検出して、液体燃料の流量を表した電気信号を制御部33に出力するものである。バルブ16は、開弁・閉弁することによって、燃料タンク10から供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7への液体燃料の流れを許容・阻止するものである。圧力計17は、燃料供給ポンプ14によって送液される液体燃料の圧力を検出して、液体燃料の圧力を表した電気信号を制御部33に出力するものである。
【0030】
バルブ16から供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7までの経路が分岐して廃液タンク27まで接続され、その分岐部から廃液タンク27までの経路には、バルブ18、燃料抜取ポンプ19及び濃度計20が設けられている。バルブ18は、開弁・閉弁することによって、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7から廃液タンク27への液体燃料の流れを許容・阻止するものである。燃料抜取ポンプ19は、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7から廃液タンク27へ液体燃料を送液するものである。濃度計20は、燃料抜取ポンプ19によって送液される液体燃料の濃度を検出して、液体燃料の濃度を表した電気信号を制御部33に出力するものである。
燃料がメタノールの場合、メタノールの方が蒸発しやすいので、経時変化により、燃料のメタノール濃度が下がることが考えられる。濃度計20は密度の変化による固有振動数の変化あるいは屈折率の変化を検出することにより濃度を測定することができる。
【0031】
水タンク12から供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7までの経路には水供給ポンプ21、流量計22、バルブ23及び圧力計24が設けられている。水供給ポンプ21は、水タンク12から水を吸引して、吸引した水を供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7に送液するものである。流量計22は、水供給ポンプ21によって送液される水の流量を検出して、水の流量を表した電気信号を制御部33に出力するものである。バルブ23は、開弁・閉弁することによって、水タンク12から供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7への水の流れを許容・阻止するものである。圧力計24は、水供給ポンプ21によって送液される水の圧力を検出して、水の圧力を表した電気信号を制御部33に出力するものである。
【0032】
バルブ23から供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7までの経路が分岐して廃液タンク27まで接続され、その分岐部から廃液タンク27までの経路には、バルブ25及び水抜取ポンプ26が設けられている。バルブ25は、開弁・閉弁することによって、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7から廃液タンク27への水の流れを許容・阻止するものである。水抜取ポンプ26は、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7から廃液タンク27へ水を送液するものである。
【0033】
供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7から廃液タンク27までの経路には廃液抜取ポンプ29及びバルブ30が設けられている。廃液抜取ポンプ29は供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7から廃液タンク27へ廃液を送液するものである。バルブ30は、開弁・閉弁することによって、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7から廃液タンク27への廃液の流れを許容・阻止するものである。
【0034】
供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7には、着脱検出部31が設けられている。この着脱検出部31は、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7に携帯機器100が装着されたことを検出し、その検出信号を制御部33に出力するものである。また、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7には図示しないデータ転送端子が設けられ、そのデータ転送端子が制御部33に接続されている。
【0035】
赤外線通信部9は、制御部33の指令によって携帯機器100に対して赤外線通信を行うものである。非接触通信送受信部8は、制御部33の指令によって決済のために携帯機器100に対して無線通信を行うものである。決済通信インターフェース部32は、制御部33の指令によって決済のための通信を外部機器と行うものである。
【0036】
タッチパネル付ディスプレイ2は制御部33に制御されることで種々の表示を行うとともに、接触箇所を検出することで各種の入力を行うものである。
【0037】
制御部33は、プログラムが格納されているとともに種々のデータを記憶する記憶部と、記憶部に格納されたプログラムに従った処理を実行するCPUと、一時記憶用の作業領域をCPUに提供するRAMとを有する。この制御部33はプログラムに従って燃料供給ポンプ14、バルブ16、バルブ18、燃料抜取ポンプ19、水供給ポンプ21、バルブ23、バルブ25、水抜取ポンプ26、廃液抜取ポンプ29、バルブ30を制御する。
【0038】
次に、携帯機器100の構成について図3を用いて説明する。図3は、携帯機器100のブロック図である。
【0039】
燃料タンク101には、液体燃料が貯留されている。燃料タンク101には、光センサ等を用いた満タン検出部119が設けられ、燃料タンク101内に液体燃料が満たされて満タンになったことが満タン検出部119によって検出され、満タンを表す信号が満タン検出部119から制御部117に出力される。燃料タンク101内の液体燃料がポンプ104によって吸引されてマイクロリアクタ106に送られる。
【0040】
水タンク102には、水が貯留されている。水タンク102内の水がポンプ105によって吸引されてマイクロリアクタ106に送られる。
【0041】
外部の空気がエアフィルタ107を通過してエアポンプ108によって吸引され、エアフィルタ107によって空気中の塵埃が捕捉される。エアポンプ108によって吸引された空気はマイクロリアクタ106及び発電セル109に送られる。
【0042】
マイクロリアクタ106は気化器、改質器及び一酸化炭素除去器を具備する。ポンプ104によって送られた水と、ポンプ105によって送られた液体燃料は混合されて気化器に供給される。気化器において水と液体燃料の混合液が気化され、水と燃料の混合気が生じる。気化器で気化した混合気は改質器に送られ、改質器によって水と燃料から改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等の混合気)が生成される。改質器によって生成された改質ガスが一酸化炭素除去器に送られ、エアポンプ108によって送られた空気と改質ガスが一酸化炭素除去器で混合される。一酸化炭素除去器では改質ガス中の一酸化炭素が優先的に酸化され、改質ガスから一酸化炭素が除去される。一酸化炭素除去器から発電セル109に改質ガスが送られる。
【0043】
燃料タンク101に貯留された液体燃料がメタノールの場合、次の(1)、(2)に示した化学反応が改質器で起こり、次の(3)に示した化学反応が一酸化炭素除去器で起こる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2・・・(1)
2+CO2→H2O+CO・・・(2)
2CO+O2→2CO2・・・(3)
【0044】
発電セル109は、集電板とセパレーターによりMEA(アノードとカソードと電解質膜及びガス拡散層)を挟持した燃料電池である。燃料極にはマイクロリアクタ106の一酸化炭素除去器から改質ガスが送られ、酸素極にはエアポンプ108から空気が送られる。発電セル109における水素と酸素の電気化学反応により電力が取り出され、DC/DCコンバータ110によって電圧が変換されてから2次電池111に蓄電されたり、その他の負荷に供給されたりする。また、発電セル109における水素と酸素の電気化学反応により水が生成され、その水が廃液タンク103に送られ、廃液タンク103に貯留される。
なお、発電セル109の電解質膜が水素イオン透過性の電解質膜(例えば、固体高分子電解質膜)の場合には、アノードでは次式(4)のような反応が起き、アノードで生成された水素イオンが電解質膜を透過し、カソードでは次式(5)のような反応が起こる。
2→2H++2e- …(4)
2H++1/2O2+2e-→H2O …(5)
【0045】
燃料タンク101から携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112までの経路には、開弁・閉弁するバルブ113が設けられている。水タンク102から携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112までの経路には、開弁・閉弁するバルブ114が設けられている。廃液タンク103から携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112までの経路には、開弁・閉弁するバルブ115が設けられている。
【0046】
携帯機器100が燃料供給装置1の収納部6に装着されると、携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112が燃料供給装置1の供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7に接続される。携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112と供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7が接続されると、バルブ113から燃料供給装置1のバルブ16及びバルブ18までの経路が確立され、バルブ114からバルブ23及びバルブ25まで経路が確立され、バルブ115から廃液抜取ポンプ29までの経路が確立される。
【0047】
携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112には図示しないデータ端子が設けられ、そのデータ転送端子が制御部117に接続されている。携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112と供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7が接続されると、携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112のデータ転送端子と供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7のデータ転送端子が接続され、制御部117と制御部33との間でデータ転送が可能となるとともに、満タン検出部119から制御部33への満タン信号の送信が可能となる。
【0048】
非接触通信部116は、RFID方式のメモリ及び認証アルゴリズムを内蔵したICチップと、小型アンテナとを有する。この非接触通信部116は、制御部117の指令によって、決済のために燃料供給装置1の非接触通信送受信部8に対して無線通信を行うものである。
【0049】
赤外線通信部120は、制御部117の指令によって、燃料供給装置1の赤外線通信部9に対して赤外線通信を行うものである。
【0050】
記憶部118は、半導体メモリ又は磁気的記憶媒体、光学的記憶媒体である。この記憶部118には、制御部117にとって読取・実行可能なプログラムが格納されている。また、図4に示すように、記憶部118には、「機種名」、「型番」、「決済機能の有無」、「燃料の型番」、「タンク容量」がデータとして予め格納されている。
【0051】
制御部117は、記憶部118に格納されたプログラムに従った処理を実行するCPUと、一時記憶用の作業領域をCPUに提供するRAMとを有する。
【0052】
制御部117は、記憶部118に記憶されたプログラムによって以下のような機能を有する。発電時(機器使用時)には、制御部117がバルブ113〜115を閉弁するとともに、ポンプ104、ポンプ105及びエアポンプ108を作動させ、燃料供給時には、制御部117がバルブ113〜115を開弁する。更に、制御部117は、発電時におけるポンプ104の通電時間からポンプ104の送液量を求めて、その送液量を差し引いていくことで燃料の残量を求め、求めた燃料の残量を図4に示すようにデータとして記憶部118に記憶する。また、制御部117は、発電時におけるポンプ105の通電時間からポンプ105の送液量を求めて、その送液量を差し引いていくことで水タンク102内の水の残量を求め、求めた水の残量を図4に示すようにデータとして記憶部118に記憶する。また、制御部117は、直近に(前回に)燃料供給された日を図4に示すようにデータとして記憶部118に記憶する。また、制御部117は、記憶部118に記憶された燃料の残量がゼロである場合にポンプ104,105を作動させない。
【0053】
図4に示したデータのうち、「機種名」、「型番」、「決済機能の有無」、「燃料の型番」、「タンク容量」は書き替え禁止とされている。この部分を機器情報と呼ぶことにする。「燃料の残量」、「水の残量」は、発電時にリアルタイムに更新される。「直近の燃料供給日」は、燃料供給装置1から携帯機器100に燃料の供給が終了した時に更新される。
【0054】
次に、図5に示したフローチャートを用いて、燃料供給時における携帯機器100及び燃料供給装置1の動作について説明する。ここで、燃料供給装置1の制御部33がプログラムを読み込んでそのプログラムを実行することによって制御部33が以下のような動作を行い、携帯機器100の制御部117が記憶部118のプログラムを読み込んでプログラムを実行することによって制御部117が以下のような動作を行う。
【0055】
ユーザが携帯機器100を燃料供給装置1の収納部6に装着すると、携帯機器100の装着が着脱検出部31によって検出され、その検出信号が制御部33に出力される。その検出信号により制御部33が制御部117と通信を行い(ステップS1)、通信が行えたら制御部33は装着された携帯機器が対応している携帯機器であることを所定のアルゴリズムで認証する(ステップS2:Yes)。ここで、燃料供給装置1に対応していない携帯機器が収納部6に装着されたら、ステップS2の処理においては制御部33が正常な通信を行えないので、制御部33は装着された携帯機器が対応している携帯機器であるとは認証せず(ステップS2:No)、制御部33の処理が終了する。なお、着脱検出部31による検出をトリガとして制御部33が制御部117と通信を行うようにしたが、ユーザがタッチパネル付ディスプレイ2の補充ボタンをタッチしてその検出信号をトリガとして制御部33が制御部117と通信を行うようにしても良い。
【0056】
装着された携帯機器が対応している携帯機器であると認証されたら(ステップS2:Yes)、制御部33が制御部117に対してデータの要求を行う(ステップS3)。その要求を受けた制御部117が記憶部118から「機種名」、「型番」、「決済機能の有無」、「タンク容量」、「燃料の残量」、「水の残量」、「直近の燃料供給日」を読み出し、それら読み出したデータを制御部33に送信する。制御部33が制御部117から「機種名」、「型番」、「決済機能の有無」、「タンク容量」、「燃料の残量」、「水の残量」、「直近の燃料供給日」を受信したら(ステップS4)、制御部33が「満タン」及び「補充量の入力」の選択画面をタッチパネル付ディスプレイ2に表示させる(ステップS5)。
【0057】
ユーザが「補充量の入力」の部分でタッチパネル付ディスプレイ2をタッチしたら(ステップS6:No)、制御部33が補充量の入力画面をタッチパネル付ディスプレイ2に表示させる(ステップS7)。一方、ユーザが「満タン」の部分でタッチパネル付ディスプレイ2をタッチしたら、制御部33の処理がステップS9に移行する。
【0058】
補充量の入力画面でユーザがタッチパネル付ディスプレイ2をタッチし、補充量がタッチパネル付ディスプレイ2から制御部33に入力されたら、制御部33がタンク容量から「燃料の残量」を差し引き、その差と補充量を比較する(ステップS8)。差が補充量よりも大きい場合には(ステップS8:Yes)、制御部33の処理がステップS9に移行する。一方、差が補充量よりも小さい場合には(ステップS8:No)、制御部33がその旨をタッチパネル付ディスプレイ2に表示させ、補充量の入力画面をタッチパネル付ディスプレイ2に再度表示させる。そして、補充量の入力画面が再表示されてからユーザが補充量を入力したら、同様に制御部33が差と補充量を比較する。
【0059】
ステップS9では、制御部33がバルブ16、バルブ18、バルブ23、バルブ25及びバルブ30を開弁するとともに、制御部33の指令を受けた制御部117がバルブ113〜115を開弁する。
【0060】
次に、制御部33は「直近の燃料供給日」が現在の日から所定期間以上前であるか否かを確認する(ステップS10)。「直近の燃料供給日」が現在の日よりも所定期間以上前である場合には(ステップS10:Yes)、制御部33が燃料抜取ポンプ19を作動させることで携帯機器100の燃料タンク101内の液体燃料を少量採取し、その液体燃料は廃液タンク27へと送液され、途中に設けられた濃度計20で検出された濃度が制御部33に入力される(ステップS11)。検出濃度が制御部33に入力されたら、制御部33が燃料抜取ポンプ19を停止する。次に、制御部33は、検出濃度が適正値であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定の結果、検出濃度が適正値でない場合(ステップS12:No)、制御部33の処理がステップS20に移行する。検出濃度が適正値でない場合のステップS20の処理については後述する。
【0061】
ステップS12の判定の結果、検出濃度が適正値であった場合(ステップS12:Yes)、又は、ステップS10の確認の結果、「直近の燃料供給日」が現在の日よりも所定期間以上前でない場合には(ステップS10:No)、制御部33が燃料供給ポンプ14を作動させることで燃料タンク10内の燃料が携帯機器100の燃料タンク101へ供給される(ステップS13)。
【0062】
燃料供給中において、燃料タンク101内の燃料の量が「タンク容量」の例えば、90%以下の場合には、制御部33が燃料供給ポンプ14を高速に作動させ、燃料タンク101内の燃料の量が「タンク容量」の90%を越える場合には、制御部33が90%以下の場合よりも低速に燃料供給ポンプ14を作動させる。
【0063】
また、ステップS6においてユーザが満タンを選択せずに、ステップS7において補充量が入力された場合、ステップS13の燃料の供給中に制御部33が流量計15による燃料の流量を積算することで燃料供給開始時からの燃料の総供給量を求め、燃料の総供給量が入力された補充量に等しくなったら、制御部33が燃料供給ポンプ14を停止する。この入力された補充量は、ステップS7における補充量の入力画面でユーザがタッチパネル付ディスプレイ2をタッチすることで制御部33に入力されたデータである。一方、ステップS6においてユーザが満タンを選択した場合のステップS13の処理については後述する。
なお、上記液体燃料の検査ステップで少量抜き取った燃料分はポンプ19の通電時間よりポンプ19での送液量を求めて、補正を行う。
【0064】
燃料の供給が終了したら、制御部33が水供給ポンプ21を作動させることで、燃料タンク12内の水が携帯機器100の水タンク102へ供給される(ステップS14)。ここで、制御部33は、水の供給開始から供給終了までの流量計22による水の流量を積算することで水の総供給量を求める。水の供給が終了したら、制御部33が廃液抜取ポンプ29を作動させることで、携帯機器100の廃液タンク103内の廃液が廃液タンク27へ抜き取られる(ステップS15)。
【0065】
次に、制御部33が現在の日、燃料の総供給量、水の総供給量、「直近の燃料供給日」を制御部117に送信し、「燃料の残量」、「水の残量」、「直近の燃料供給日」の更新を制御部117に指示する(ステップS16)。燃料の総供給量を受信した制御部117はその燃料の総供給量を記憶部118の「燃料の残量」に加算し、その和を「燃料の残量」として記憶部118の更新を行う。水の総供給量を受信した制御部117はその水の総供給量を記憶部118の「水の残量」に加算し、その和を「水の残量」として記憶部118の更新を行う。現在の日を受信した制御部117はその現在の日を「直近の燃料供給日」として記憶部118の更新を行う。
【0066】
次に、制御部33がバルブ16、バルブ18、バルブ23、バルブ25及びバルブ30を閉弁するとともに、制御部33の指令を受けた制御部117がバルブ113〜115を閉弁する(ステップS17)。
【0067】
次に、非接触通信送受信部8と非接触通信部116との間で通信が行われて決済通信インターフェース部32と外部機器との間で通信が行われることによって、燃料の総供給量分の電子決済が行われる(ステップS18)。次に、制御部33がタッチパネル付ディスプレイ2に終了の旨を表示させて(ステップS19)、制御部33の処理が終了し、ユーザが携帯機器100を収納部6から取り外せるようにする。
【0068】
ステップS12において検出濃度が適正値でない場合の制御部33の処理について説明する。
上記ステップS12の判定の結果、検出濃度が適正値でない場合(ステップS12:No)、制御部33が燃料抜取ポンプ19を作動させることによって、携帯機器100の燃料タンク101内の液体燃料が廃液タンク27へと送液され、燃料タンク101内の液体燃料が全て抜き取られる(ステップS20)。燃料タンク101内の燃料がなくなったら、燃料抜取ポンプ19を停止する。次に、制御部33が燃料供給ポンプ14を作動させることで燃料タンク10内の燃料が携帯機器100の燃料タンク101へ抜き取られた量と入力された所定の量の和だけ供給される(ステップS13)。満タンと入力された場合、満タン検出部119によって満タンが検出されてその検出信号が制御部33に入力されると、制御部33が燃料供給ポンプ14を停止する。なお、満タン検出部119の代わりに流量計15の検出流量がゼロとなった場合、又は、圧力計17の検出圧力が上昇した場合に、制御部33が燃料供給ポンプ14を停止しても良い。
【0069】
燃料の供給が終了したら、制御部33の処理がステップS14に移行して上述した場合と同様に処理が続けられる。
【0070】
上記ステップS6においてユーザが「満タン」の部分でタッチパネル付ディスプレイ2をタッチした場合のステップS13の制御部33の処理について説明する。
制御部33が燃料供給ポンプ14を作動させることで燃料タンク10内の燃料が携帯機器100の燃料タンク101へ供給される(ステップS13)。そして、満タン検出部119によって満タンが検出されてその検出信号が制御部33に入力されると、制御部33が燃料供給ポンプ14を停止する。また、燃料の供給中に制御部33が流量計15による燃料の流量を積算することで、燃料供給開始時から燃料供給終了時までの燃料の総供給量を求める。その求めた燃料の総供給量が、「タンク容量」から「燃料の残量」を差し引いた差に対して所定の誤差(例えば10%)の範囲内である場合には、燃料供給装置より適切な燃料供給が行われている場合と判断され、制御部33の処理がステップS14に移行して上述した場合と同様に処理が続けられ、ステップS16においては制御部117が「タンク容量」を「燃料の残量」として記憶部118に記憶する。一方、「タンク容量」から「燃料の残量」を差し引いた差に対して所定の誤差の範囲内でない場合には、燃料供給装置以外より不適切な燃料供給が行われている場合と判断され、次の(a)〜(c)の何れかのような使用制限が行われる。
【0071】
(a)制御部33がタッチパネル付ディスプレイ2に「故障(不正充填)エラー」を表示させ、制御部33が制御部117に指令をして、制御部117が記憶部118の「燃料の残量」をゼロにして記憶する。その後、制御部33はステップS14〜ステップS16の処理を行わず、ステップS17、ステップS18、ステップS19の処理を経て、制御部33の処理が終了する。これにより、燃料タンク101が満タンであっても、記憶部118の「燃料の残量」がゼロであるので、制御部117はポンプ104,105を作動させることはできず、発電セル109において電力が取り出されないので、携帯機器100の使用が制限される。(この場合、ステップS18で決済額を変更したり、行わないようにしたりしてもよい。)
【0072】
(b)制御部33がタッチパネル付ディスプレイ2に「故障(不正充填)エラー」を表示させ、制御部33が燃料の総供給量を制御部117に送信して、制御部117がその総供給量を記憶部118の「燃料の残量」として記憶する。その後、制御部33はステップS14〜ステップS16の処理を行わず、ステップS17、ステップS18、ステップS19の処理を経て、制御部33の処理が終了する。これにより、燃料タンク101が満タンであっても、記憶部118の「燃料の残量」が今回供給された燃料の総供給量だけであるので、その総供給量分しか使うことができず、残りの量(不正充填された分)の燃料は用いることはできないので、携帯機器100の使用が制限される。
【0073】
(c)制御部33はタッチパネル付ディスプレイ2に、「故障(不正充填)エラー」といった警告表示を特にせず、制御部33が燃料の総供給量を制御部117に送信して、制御部117がその総供給量を記憶部118の燃料の残量として記憶する。その後、制御部33はステップS14〜ステップS16の処理を行わず、ステップS17、ステップS18、ステップS19の処理を経て、制御部33の処理が終了する。これにより、燃料タンク101が満タンであっても、上記(b)の場合と同様に、記憶部118の「燃料の残量」が今回供給された燃料の総供給量だけであるので、その総供給量分しか使うことができず、残りの量(不正充填された分)の燃料は用いることはできないので、携帯機器100の使用が制限される。
このような仕組みにすると、ユーザは使い勝手が悪くなるために、故障や、危険を伴う燃料供給装置以外からの不正な燃料の注入をすることはしなくなり、機器を安全に使用させることができる。
なお、上記、燃料の総供給量が、「タンク容量」から「燃料の残量」を差し引いた差に対して所定の誤差の範囲内の場合、燃料の残量を100%と表示として累積された誤差をなくすようにする。
【0074】
以上のように、ステップS1、ステップS2のように制御部33と制御部117の通信により認証されたら、ステップS13のように燃料供給ポンプ14が作動して燃料供給装置1から携帯機器100に液体燃料が供給されるので、携帯機器100に対応した液体燃料を携帯機器100に正しく供給することができる。携帯機器100の認証に携帯機器100自体が持つ通信機能を用いたので、どのような携帯機器が収納部6に装着されたかを識別するための機能を別途付加する必要がなく、コスト削減を図ることができる。
【0075】
また、携帯機器100の記憶部118に「直近の燃料供給日」が記憶され、燃料補充時にその「直近の燃料供給日」が所定期間以上前である場合には(ステップS10:Yes)、ステップS20のように携帯機器100内の液体燃料が全て抜き取られるようになっているので、古い液体燃料が携帯機器100に残っている状態をなくすことができる。そのため、マイクロリアクタ106、発電セル109等の故障を防止することができる。
【0076】
また、携帯機器100内の液体燃料の濃度を検出し(ステップS11)、検出濃度が適正値でない場合にはステップS20のように携帯機器100内の液体燃料が全て抜き取られるので、劣化した液体燃料が携帯機器100に残っている状態をなくすことができる。そのため、マイクロリアクタ106、発電セル109等の故障を防止することができる。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更をおこなっても良い。
【0078】
上記実施形態では、「直近の燃料供給日」が現在の日から所定期間以上前である場合に、携帯機器100の燃料タンク101内の液体燃料を少量採取し、濃度計20で燃料の濃度が適正値であるか否かを判定するようにしたが、「直近の燃料供給日」が現在の日から所定期間以上前であるか否かにかかわらず、濃度の検査をおこなうようにしても良い。
また、濃度の検出より詳細な燃料の成分検査を行えるように、成分計を備え、成分を検査して、その結果が適正であるかないかを判定するようにしても良い。
また、上記実施形態では、ステップS20は燃料を全て抜き取る例で説明したが、安全性に影響のない範囲で、一部を残して抜き取るような構成でもよい。
さらに、上記実施形態では、簡単のために、直近の燃料供給日を管理記憶する例で説明したが、燃料供給履歴として、直近(前回)に限らず、燃料供給したタイミングを記憶し、燃料タンク内に残っている燃料の履歴を詳細に管理記憶するようにしてもよく、供給したタイミング(時期)がわかるものであれば、供給日に限らないことは言うまでもない。
【0079】
上記実施形態では発電セル109が改質型燃料電池であったが、ダイレクト燃料型燃料電池であっても良い。この場合、マイクロリアクタ106の代わりに気化器を設け、ポンプ104によって送られた液体燃料とポンプ105によって送られた水とが気化器で混合されて気化され、燃料と水の混合気が発電セル109の燃料極に供給される。
【0080】
また、上記実施形態では、供給装置側燃料注入抜取インターフェース部7が携帯機器側燃料注入抜取インターフェース部112に接続されることによって制御部33と制御部117の通信が確立されていたが、燃料供給装置1の赤外線通信部9と携帯機器100の赤外線通信部120との間で赤外線通信が行われることによって制御部33と制御部117の通信が確立されても良い。
【0081】
また、上記ステップS18では非接触通信送受信部8、決済通信インターフェース部32を用いて電子決済が行われたが、紙幣投入部3や硬貨投入部4を用いて現金決済が行われても良い。
【0082】
また、上記実施形態では、通信により認証が行なわれる例を説明したが、供給装置側が携帯機器の機器情報を取得できれば、必ずしも認証に通信を用いなくてもよく、携帯機器に記載された例えばバーコード等を読み取ることにより、燃料供給がおこなわれるような簡易的なシステムであっても良い。また、携帯機器は燃料インジケータ等を備え、燃料の残量は光学的に外部より読み取れるような構成になっていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 燃料供給装置
2 タッチパネル付ディスプレイ(入力部)
10 燃料タンク(燃料貯留体)
14 燃料供給ポンプ(燃料供給手段)
19 燃料抜取ポンプ(燃料抜取手段)
20 濃度計(成分計)
33 制御部
100 携帯機器(電子機器)
101 燃料タンク(燃料貯留体)
118 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を貯留した燃料貯留体と、前記燃料貯留体内の液体燃料を電子機器に供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段を制御する制御部とを備え、
前記制御部が電子機器の持つ機器情報を取得し、前記制御部が電子機器の認証を行った後、前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行うことを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
液体燃料の成分を検査する成分計と、
電子機器に残留した液体燃料を抜き取る燃料抜取手段とを更に備え、
電子機器に残留した液体燃料を前記燃料抜取手段により一部抜き取って、抜き取った液体燃料の成分を前記成分計により検査を行い、
前記成分計による検査結果が適正でない場合に、前記制御部が前記燃料抜取手段を引き続き作動させて電子機器から液体燃料を抜き取った後に前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記検査結果が適正である場合に、前記制御部が前記燃料抜取手段を作動させず、燃料抜取を行なわずに前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行うことを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
電子機器は燃料が供給された時期の燃料供給履歴を記憶する記憶部を備え、
前記制御部が燃料供給履歴の送信を電子機器に要求して燃料供給履歴を電子機器から受信し、
受信した燃料供給履歴から、前記制御部が所定期間以上前の燃料があると判断した場合、前記制御部が前記燃料抜取手段を作動させて電子機器から液体燃料を抜き取った後に前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項5】
受信した燃料供給履歴から、前記制御部が所定期間以上前の燃料がないと判断した場合、前記燃料抜取手段を作動させず、燃料抜取を行なわずに前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行うことを特徴とする請求項4に記載の燃料供給装置。
【請求項6】
電子機器の記憶部は燃料の残量及び貯留体の容量を記憶しており、
燃料の補充量を入力する入力部を更に備え、
前記制御部が燃料の残量及び貯留体の容量の送信を電子機器に要求してその残量及び容量を電子機器から受信し、前記制御部が受信した容量から受信した燃料の残量を差し引いた差を求め、前記制御部が求めた差と前記入力部により入力された補充量とを比較し、その比較の結果、求めた差が前記入力部により入力された補充量よりも大きい場合に、前記制御部が前記燃料供給手段を作動させて、燃料供給を行うことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記燃料供給手段による液体燃料の供給が終了したら、電子機器に燃料の残量の更新を指令することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項8】
燃料貯留体と、機器情報が登録されている記憶部とを備え、
前記機器情報に基づいて認証が行なわれた後、燃料供給装置よる前記燃料貯留体への燃料の供給が許可されるようになることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記記憶部は、燃料の残量を記憶しており、前記燃料の残量は、動作時に、燃料消費量が減算され、燃料供給装置から燃料が供給される時に、燃料総供給量に基づいて燃料供給装置から送信される情報により、前記燃料の残量が加算され、更新されるようにすることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記記憶部の燃料の残量が0となると、少なくとも一部の機能が動作しないようになることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
燃料供給装置から燃料を満タンに供給される時に、燃料供給装置から供給される燃料の総供給量が、前記燃料貯留体の容量から前記燃料の残量を差し引いた差に対して所定の誤差の範囲外である場合に、少なくとも一部の機能が動作しないようになることを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
電子機器と燃料供給装置からなるシステムであって、
前記電子機器は機器情報が登録されている記憶部を備え、
前記機器情報に基づいて前記燃料供給装置が前記電子機器の認証を行った後、前記電子機器に前記燃料供給装置から燃料が供給されることを特徴とする燃料供給システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−159298(P2011−159298A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33326(P2011−33326)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2006−90929(P2006−90929)の分割
【原出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】