説明

燃料供給装置

【課題】本発明は筐体内の燃料漏れの有無を検知することを課題とする。
【解決手段】燃料供給装置10は、吸引ホース22Aの他端に、筐体11内に延在して油種センサ23が接続されている。吸排ポンプ24は、吸気信号が入力されると、給油ノズル18に連通された吸引ホース22Aを介して燃料タンク内の油蒸気(ベーパ)を吸引し、排気信号の入力により筐体11内の空気を油種センサ23に供給すると共に、油種センサ23に付着した油蒸気及び吸引ホース22A内に残留する油蒸気を排出する。制御回路35は、クリーニング手段により油種センサ23の油蒸気を除去した後、筐体11内の空気を油種センサ23に供給し、筐体11内の空気に含まれる油蒸気濃度を検知し、当該検知された筐体11内の油蒸気濃度が予め設定された所定値以上であるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料供給装置に係り、特に筐体内の漏洩検知を行なう燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所等においては、例えば、ガソリン供給用、軽油供給用といったように、供給油種毎のノズルを有する燃料供給装置が設置されている。
【0003】
この種の燃料供給装置では、顧客の自動車の燃料タンク(被燃料供給体)に燃料を供給する際、例えばガソリンを供給すべきところを誤って軽油供給用のノズルを使って給油してしまうといった異油種給油事故を防止するために、油種判別機能が備えられる傾向にある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、この油種判別機能を備えた燃料供給装置においては、ガソリンと軽油とでは飽和蒸気圧(蒸気濃度)が異なることに着目し、給油前に燃料タンク内の残存油液のベーパ(油蒸気)を蒸気濃度検出センサに当てて油蒸気濃度を検出するようになっている。そして、この検出結果に基づき燃料タンク内の残存油液の油種を判別し、この燃料タンク内の残存油液の油種と予め記憶された給油装置からの供給油液の油種とが一致したときのみ、給油が可能となり、給油ポンプが起動される。
【0005】
上記蒸気濃度検出センサとしては、例えばベーパの油蒸気濃度を検出する半導体式ガスセンサが使用されている。この半導体式ガスセンサは、ガソリン、軽油等の油蒸気濃度の違いに応じた抵抗値の変化を出力電圧の変化として検出するものである。
【0006】
また、燃料供給装置の筐体内には、給油ノズル先端に開口するベーパ吸引管路を介して燃料タンク内のベーパを吸引する吸排ポンプが設けられている。そして、給油終了後などの油種判定終了後は、吸排ポンプを逆回転させて筐体内の空気を上記蒸気濃度検出センサに吹き付けて蒸気濃度検出センサに付着した油蒸気を除去するクリーニング処理を行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−294795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記燃料供給装置においては、例えば、筐体内に配置された配管あるいは各機器(ポンプ、流量計など)の継ぎ手部分に施されたシール部分が、気温の変化、湿度、振動等に起因する経年劣化により生ずる燃料の漏れを検知することが検討されている。
【0009】
ここで、筐体内に燃料漏れを検知するための検知センサを設けることが考えられるが、この場合、当該燃料漏れを検出するために検知センサを別個に設けることとなり、それだけコストが上昇することになってしまう。
【0010】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、筐体内に燃料漏れを検知するための検知センサを新たに設けることなく筐体内の燃料漏れの検知を可能とする燃料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、燃料タンクに挿入される吐出パイプを有したノズルと、
前記ノズルに連通し燃料タンクに燃料を供給する燃料供給経路と、
一端が前記ノズルの吐出パイプの先端側に開口し、他端が筐体の内部に開口する蒸気吸排管路と、
該蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記燃料タンクの油蒸気を吸引し筐体内部へ排出させる蒸気吸引手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記蒸気吸排管路内の油蒸気の濃度を検知する油蒸気濃度検知手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記筐体内の油蒸気を前記蒸気吸排管路の一端より排出させる蒸気排出手段と、
前記蒸気排出手段により前記筐体の内部および前記蒸気吸排管路内の油蒸気を除去するクリーニング手段と、を有する燃料供給装置において、
前記クリーニング手段の作動終了後、前記蒸気排出手段により前記筐体内の空気を前記油蒸気濃度検知手段に供給し、前記油蒸気濃度検知手段により前記筐体内の空気に含まれる油蒸気濃度を検知し、当該検知された筐体内の油蒸気濃度が予め設定された所定値以上であるか否かを判定する漏洩判定手段を備えたことを特徴とする。
(2)本発明は、前記クリーニング手段の作動終了後、前記漏洩判定手段による前記蒸気排出手段の作動開始からの経過時間を計時する計時手段を備え、
前記漏洩判定手段は、前記クリーニング手段の作動終了後において前記油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度と、前記計時手段による計時が所定時間に達した場合に前記蒸気濃度検知手段により検知された前記筐体内の空気に含まれる油蒸気濃度との濃度差を求め、当該油蒸気の濃度差が予め設定された所定値以上であるか否かを判定することを特徴とする。
(3)本発明の前記漏洩判定手段は、前記クリーニング手段の作動終了後において前記油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度と、前記計時手段による計時が所定時間に達した場合に前記蒸気濃度検知手段により検知された前記筐体内の空気に含まれる該油蒸気濃度との変化率を求め、当該変化率が予め設定された変化率の閾値を超えるか否かを判定することを特徴とする。
(4)本発明は、燃料タンクに挿入される吐出パイプを有したノズルと、
該ノズルを収納するノズル収納部と、
該ノズル収納部から前記ノズルが外されたことを検知するノズル検出手段と、
前記ノズルに連通し燃料タンクに燃料を供給する燃料供給経路と、
一端が前記ノズルの吐出パイプの先端側に開口し、他端が筐体の内部に開口する蒸気吸排管路と、
該蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記燃料タンクの油蒸気を吸引し筐体内部へ排出させる蒸気吸引手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記蒸気吸排管路内の油蒸気の濃度を検知する油蒸気濃度検知手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記筐体内の油蒸気を前記蒸気吸排管路の一端より排出させる蒸気排出手段と、
を有する燃料供給装置において、
前記蒸気吸引手段の作動開始からの経過時間を計時する前記計時手段と、
前記ノズル検出手段によりノズルが外されたことが検知された場合に前記蒸気吸引手段を作動させる吸引開始制御手段と、
前記漏洩判定手段を開始したときに前記油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度と、前記蒸気吸引手段が開始された後に前記計時手段による計時が所定時間に達した場合に前記蒸気の油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度との変化率を求め、当該変化率が予め設定された変化率の閾値を越えるか否かを判定する漏洩判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
(5)本発明は、前記漏洩検知判定手段により前記筐体内における漏洩が発生したことを判定した場合、前記筐体の外部に漏洩発生を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、燃料供給を行なう直前に、燃料供給の種別を検知する油蒸気濃度検知手段に筐体内の空気を供給し、筐体内の空気に含まれる油蒸気濃度を検知し、当該検知された筐体内の油蒸気濃度が予め設定された所定値以上であるか否かを判定するため、燃料供給の種別を検知する油蒸気濃度検知手段を筐体内の燃料漏れを検知する燃料漏れ検知手段として兼用させることができ、これにより、コスト上昇を抑制しながら筐体内の燃料漏れ検知を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による燃料供給装置の一実施例を示す構成図である。
【図2A】油種センサの抵抗値とガス濃度との関係を示す図である。
【図2B】油種センサの油種毎の出力電圧の変化を示す図である。
【図3A】制御回路が実行する筐体内漏洩判定の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図3B】制御回路が実行する筐体内漏洩判定の制御処理の変形例1を説明するためのフローチャートである。
【図3C】制御回路が実行する筐体内漏洩判定の制御処理の変形例2を説明するためのフローチャートである。
【図3D】制御回路が実行する筐体内漏洩判定の制御処理の変形例3を説明するためのフローチャートである。
【図4A】油種センサにより検知される油蒸気濃度(出力電圧)の変化を示す図である。
【図4B】油種センサにより検知される油蒸気濃度(出力電圧)の変化を示す図である。
【図4C】油種センサにより検知される油蒸気濃度(出力電圧)の変化を示す図である。
【図4D】油種センサにより検知される油蒸気濃度(出力電圧)の変化を示す図である。
【図5】燃料供給装置の変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明による燃料供給装置の一実施例を示す構成図である。図1に示されるように、給油所敷地内に設けられた燃料供給装置10は、筐体11内に、燃料供給配管(燃料供給経路)12、ポンプモータ13によって駆動される給油ポンプ14、流量計15が設けられている。又、流量計15は、流量に比例した流量パルスを発信する流量パルス発信器16を有する。
【0016】
筐体11の側面には、上記燃料供給配管12に接続された給油ホース17が設けられている。給油ホース17の先端には、給油ノズル18が接続されている。給油ノズル18は、ノズルレバーを開弁操作することにより、燃料供給配管12及び給油ホース17を介して供給される液体燃料を吐出パイプ18Aから燃料タンクに吐出する。
【0017】
また、筐体11の側面に設けられたノズル掛け19には、給油ノズル18の掛け外しと連動してオン,オフし、給油ノズル18による給油作業が行われているか否かを検知するノズルスイッチ(ノズル検出手段)20が設けられている。従って、給油ノズル18がノズル掛け19から外されるとノズルスイッチ20はオンになり、給油作業中であることを示す給油作業中信号を後述する制御回路35に出力する。
【0018】
給油ホース17には、蒸気吸排管路としての吸引ホース22Aが設けられている。この吸引ホース22Aは、一端が給油ノズル18の吐出パイプ18A先端まで延在し、吐出パイプ18A先端で開口する油蒸気吸引口22aを有する。又、吸引ホース22Aの他端は、筐体11内に延在して油種センサ23に接続されている。さらに、吸引ホース22Bを介して油種センサ23と吸排ポンプ24との間が連通され、吸排ポンプ(蒸気吸引手段、蒸気排出手段)24の下方には吸引ホース22Cが連通されている。本実施例の吸排ポンプ24は、吸気信号が入力されると、油蒸気吸引口22aの周辺の大気を吸引させることにより、給油時に給油ノズル18に連通された吸引ホース22Aを介して給油を受ける燃料タンク内の油蒸気(ベーパ)を吸引する。その後、排気信号の入力により筐体11内の空気を油種センサ23に供給すると共に、油種センサ23に付着した油蒸気及び吸引ホース22A内に残留する油蒸気を排出する(クリーニング手段)。
【0019】
油種センサ23は、油蒸気濃度検知手段であり、上記吸引ホース22Aから供給された油蒸気の濃度を検出し、燃料タンク内に貯留された油種の油蒸気濃度に応じた電圧を油種検出信号として制御回路35へ出力する。なお、本実施例における油種センサ23は、一般可燃性ガス用のガスセンサからなり、例えば酸化スズに添加剤としてパラジューム等を添加した焼結型半導体センサよりなり、ガソリン、軽油等といったC2n+2系の飽和炭化水素(ガソリン;n=4〜12,軽油n=15〜20)を含む炭化水素の蒸気濃度に応じて抵抗値が変化するセンサが採用されている。このように、油種センサ23の抵抗値は、ガソリン、軽油、アルコールガス(メチルアルコール;CHOH,イソプロピルアルコール;CH3CH(OH)CH3いずれも(OH)が付く)の種類そのものを直接検出するものではなく、炭化水素のガス濃度を検出するものである。
【0020】
よって、油種センサ23は、吸引ホース22Aから供給された油蒸気の濃度(油種)により出力電圧が変化し、油蒸気濃度に応じた電圧の油種検出信号を制御回路35に出力する。
【0021】
また、筐体11の正面に設けられた表示装置25は、給油量表示器26と、液晶表示器(報知手段)27とを有する。液晶表示器27は、表示装置25・油種センサ23・吸排ポンプ24の異常発生の報知や油種判別結果及び油種判別操作時の操作エラー等のメッセージを表示する。
【0022】
又、筐体11の側面に設けられた外部入力装置28は、設定キー29と、設定キー29の操作による設定内容を表示する設定表示器30とを有する。そして、設定キー29は、使用油種を制御回路35に入力する機能と、プリセット給油時のプリセット値、給油単価等を入力する機能とを有する。
【0023】
さらに、制御回路35は、例えばマイクロコンピュータからなり、その入力側には前述した流量パルス発信器16、ノズルスイッチ20、油種センサ23、外部入力装置28等と接続され、出力側はポンプモータ13、吸排ポンプ24、表示装置25等が接続されている。
【0024】
そして、制御回路35の記憶エリア(RAM又はROM)には、後述する油種判別処理のプログラムとして油種判別プログラム及び筐体内の漏洩検知判定プログラム、また、油種センサ23の出力電圧から油種を判定したり、漏洩の有無を判定するための比較対象となる各種の閾値A、後述する筐体内漏洩判定手段による筐体内の漏洩判定処理を行うために要する時間(検知時間)T1、及び前述したクリーニング手段により筐体内部と吸引ホース22内の油蒸気が完全に排気されるのに要するクリーニング時間(排気時間)T2が予め記憶されている。なお、閾値Aは、燃料タンクの油種を判定するために使用される閾値A1,A2、及び、筐体11の内部において漏洩が生じているか否かを判定するために使用される閾値(判定値)Aa、Ab、Ac、Adよりなる。
【0025】
漏洩検知判定プログラムは、クリーニング手段により油種センサ23に付着した油蒸気及び吸引ホース22A内に残留する油蒸気を除去した後、排気信号を出力し吸排ポンプ24を排気駆動させることにより筐体11内の空気を油種センサ23に供給し、油種センサ23により筐体11内の空気に含まれる油蒸気濃度を検知し、当該検知された筐体11内の油蒸気濃度が予め設定された所定値(後述の閾値Aa)以上であるか否かを比較し、当該比較結果に基づいて漏洩の有無を判定する漏洩判定手段(請求項1に相当する)である。
【0026】
また、漏洩検知判定プログラムは、クリーニング手段により油種センサ23に付着した油蒸気及び吸引ホース22A内に残留する油蒸気を除去した後に油種センサ23により検知された油蒸気濃度と、排気信号が出力され吸排ポンプ24を排気駆動させ所定時間経過後に油種センサ23により検知された油蒸気濃度との濃度差および変化率が予め設定された所定値(後述の閾値Ab、Ac)以上であるか否かを比較し、当該比較結果に基づいて漏洩の有無を判定する漏洩判定手段(請求項2、3に相当する)である。
【0027】
また、漏洩検知判定プログラムは、給油前段階(例えば設定キーが操作されたとき)の油種センサ23により検知された油蒸気濃度と、ノズルが外された後、吸気信号を出力し吸排ポンプ24を吸気駆動させ所定時間経過後に油種センサ23により検知されたノズル先端付近の大気に含まれる油蒸気濃度との変化率が予め設定された所定値(後述の閾値Ad)以上であるか否かを比較し、当該比較結果に基づいて漏洩の有無を判定する漏洩判定手段(請求項4に相当する)である。
【0028】
油種判別プログラムは、油種センサ23により検出された検出値と閾値A(閾値A1,A2)とを比較することにより燃料タンク内に貯留された油種(ガソリン又は軽油)を判別するための制御プログラムである。
【0029】
一般に給油所で扱う油種としてはガソリンと軽油とが多いので、本実施例では、ガソリンと軽油との油種判定を行う場合を一例に挙げて説明する。
【0030】
ガソリン及び軽油は、同じ炭化水素系で、主成分は飽和炭化水素(Cn+2)であるが、炭素の数において、ガソリンはC〜C12、軽油はC15〜C20の範囲の成分で構成されている。即ち、軽油は沸点の高い成分(沸点250〜300°C)、ガソリンは沸点の低い成分(沸点30〜150°C)で構成されている。従って、軽油の油蒸気濃度は低く、ガソリンの油蒸気濃度は高い。
【0031】
このような軽油、ガソリンを判別する場合、上記油種センサ23は図2Aに示されるような特性を有している。即ち、油種センサ23は吸引された油蒸気のガス濃度に対応して抵抗値が変化し、前述した沸点の差によりガソリンと軽油との抵抗値の差が大きいので、その検出値となる出力電圧の大きさにより両者を容易に判別することができる。
【0032】
本実施例では、図2Bに示されるように、油種センサ23の出力電圧から燃料タンクの油種を判定するために油種センサ23の出力電圧の閾値A(閾値A1,A2)が予め設定されている。具体的には、ガソリンの場合、油種センサ23により検出される出力電圧値はレベルA1(閾値A1)以上となり、軽油の場合だと、油種センサ23により検出される出力電圧値はレベルA1(閾値A1)以下、A2(閾値A2)以上となる。なお、油種センサ23により検出される出力電圧値がレベルA2(閾値A2)以上である場合には、ガソリンもしくは軽油が残存していることがわかる。
【0033】
ここで、制御回路35が実行する筐体内漏洩判定の制御処理について説明する。
【0034】
図3Aは制御回路が実行する制御処理(筐体内漏洩判定処理)を説明するためのフローチャートであり、以下、同図に基づき筐体漏洩判定の制御処理について説明する。なお、この制御処理は、給油終了後、クリーニング処理が終了した時点で開始される。また、制御回路35の記憶エリア(RAM又はROM)には、前述したとおり閾値A2(判定値Aa)が予め記憶されている。
【0035】
図3Aに示されるように、制御回路35は、S11において、ノズルスイッチ20がオンか否かをチェックする。S11において、ノズルスイッチ20がオフであるときは(NOの場合)、給油作業中であるので、待機状態となる。また、S11において、ノズルスイッチ20がオンであるときは(YESの場合)、給油ノズル18がノズル掛け19に収納されているので、S12に進む。
【0036】
次にS12に進み、検知タイマをリセットする。続いて、S13では検知タイマのカウント時間t1が予め設定された所定の検知時間T1に達したか否かをチェックする。尚、この検知時間は、後述する筐体内漏洩判定手段による漏洩判定に要する時間が設定されている。S13において、検知タイマのカウント時間t1が予め設定された所定の検知時間T1に達していない場合(NOの場合)、S14に進み、ノズルスイッチ20がオフか否かをチェックする。
【0037】
S14において、ノズルスイッチ20がオフのときは(YESの場合)は、給油ノズル18がノズル掛け19から外されて給油作業が開始されたので、今回の制御処理を中止する。
【0038】
また、S14において、ノズルスイッチ20がオンのときは(NOの場合)は、給油ノズル18がノズル掛け19に収納されているので、上記S13の処理に戻る。さらに、S13において、検知タイマのカウント時間t1が予め設定された所定の検知時間T1に達した場合(YESの場合)、S15に進み、吸排ポンプ24へ排気信号を出力する。
【0039】
これにより、吸排ポンプ24は、給油時とは逆回転で排気駆動され、筐体11内の空気を吸引ホース22Cから吸込み、油種センサ23に排出する。
【0040】
続いてS16に進み、吸排ポンプ24により吸引された筐体11内の空気に含まれる油蒸気濃度(M1)を油種センサ23により測定し、その測定値M1を記憶エリアに記憶する。
【0041】
次のS17では、上記測定値M1が予め設定された判定値Aa(図4Aに示す閾値)以上か否かをチェックする。S17において、上記測定値M1が予め設定された判定値Aa(図4Aに示す閾値)以上の場合(YESの場合)、油種センサ23によって検出された油蒸気濃度が高いので、S18に進み、筐体11内で燃料の漏洩有りと判定する(判定手段)と共に、液晶表示器27に「筐体内燃料漏れ発生」などのメッセージを表示して給油所の係員に報知する(報知手段)。
【0042】
その後、S19に進み、吸排ポンプ24への排気信号を停止する。また、S17において、上記測定値M1が予め設定された判定値Aa(閾値)未満の場合(Noの場合)、上記S19に進み、吸排ポンプ24へ排気信号を停止する。
【0043】
このように、上記測定値M1が予め設定された判定値(閾値)以上の場合は筐体11内で燃料の漏洩有りと判定すると共に、液晶表示器27により「筐体内燃料漏れ発生」を報知することができる。そのため、筐体11内の油蒸気を検知するためのセンサを別個に設けることなく、油種検知用のセンサを兼用することで筐体11内における燃料の漏洩の有無を判定することができる。
【0044】
次に筐体内漏洩検知判定の制御処理の変形例について説明する。
〔変形例1〕
図3Bは筐体内漏洩判定の制御処理(筐体内漏洩判定処理)の変形例1を説明するためのフローチャートであり、以下、同図に基づき筐体漏洩判定の制御処理について説明する。なお、この制御処理は、給油終了後、クリーニング処理が終了した時点で開始される。また、制御回路35の記憶エリア(RAM又はROM)には、前述したとおり閾値(判定値)Abが予め記憶されている。
【0045】
図3Bに示すS21において、ノズルスイッチ20がオフであるときは(NOの場合)、給油作業中であるので、待機状態となる。また、S21において、ノズルスイッチ20がオンであるときは(YESの場合)、給油ノズル18がノズル掛け19に収納されているので、S22に進む。
【0046】
次のS22において、クリーニング処理後の吸引ホース22A内の油蒸気濃度を測定値M1として記憶エリアに記憶する。その後、前述した図3AのS12〜S15と同じ処理S23〜S25を行う。さらに、S26で、吸排ポンプ24によって筐体11内の空気を吸引ホース22Cから吸込み、油種センサ23に排出し、S27において吸排ポンプ24による排気時間をカウントする排気タイマをリセットする。続いてS28に進み、排気タイマのカウント時間t2が予め設定された排気完了時間T2に達したか否かをチェックする。尚、排気完了時間T2は、筐体内の容積と吸排ポンプ24による排気流量との相対関係により設定される。
【0047】
また、S28において、排気タイマのカウント時間t2が予め設定された排気時間T2に達していないときは(NOの場合)、S29にて吸排ポンプ24により吸引された筐体11内の空気に含まれる油蒸気濃度(M2)を油種センサ23で計測し、その測定値M2を記憶エリアに記憶する。
【0048】
次に、S30において、上記測定値M2とM1との濃度差(M2−M1)が予め設定された判定値Ab(閾値)以上か否かをチェックする。S30において、上記測定値M2とM1との濃度差(M2−M1)が予め設定された判定値Ab(図4Bに示す閾値を参照)未満の場合(NOの場合)、上記S28に戻り、S28以降の処理を実行する。
【0049】
また、S30において、上記濃度差(M2−M1)が予め設定された判定値Ab(図4Bに示す閾値)以上の場合(YESの場合)、油種センサ23によって検出された油蒸気濃度が高いので、S31に進み、吸排ポンプ24への排気信号を停止する。そして、次のS32では、筐体11内で燃料の漏洩有りと判定する(判定手段)と共に、液晶表示器27に「筐体内燃料漏れ発生」などのメッセージを表示して給油所の係員に報知する(報知手段)。
【0050】
S28において、排気タイマのカウント時間t2が予め設定された排気時間T2に達したときは(YESの場合)、S33に進み、吸排ポンプ24への排気信号を停止した後、上記S21以降の処理を再度実行する。
【0051】
図4BのグラフIb及びグラフIIbに示されるように、クリーニング処理後に測定される油蒸気濃度の測定値M1と、上記筐体内漏洩判定処理であるS30において所定時間後に測定される筐体内の油蒸気濃度の測定値M2との濃度差(M2−M1)が閾値Ab(漏洩有りの判定ラインとグラフIIb(漏洩無しの濃度変化)との差)よりも大きい場合には、S31で液晶表示器27により「筐体内燃料漏れ発生」を報知すると共に、S32において筐体11内で燃料の漏洩有りと判定する。
〔変形例2〕
図3Cは筐体内漏洩判定の制御処理(筐体内漏洩判定処理)の変形例2を説明するためのフローチャートであり、以下、同図に基づき筐体内漏洩判定の制御処理について説明する。なお、この制御処理は、給油終了後、クリーニング処理が終了した時点で開始される。また、制御回路35の記憶エリア(RAM又はROM)には、前述したとおり閾値(判定値)Acが予め記憶されている。
【0052】
なお、変形例2は、前述した変形例1のS30以降の処理であり、S30以前のS21〜S30の処理については変形例1と同じであるので同じ符合を付してその説明を省略する。
【0053】
図3Cに示されるように、前述したS30にて、上記測定値M2とM1との濃度差(M2−M1)が予め設定された判定値Ab(閾値)未満である場合には、S41の処理に進む。S41において、前述したS19における測定値M2がS12における測定値M1より大きいか否かをチェックする。S41において、M2>M1でないときは(NOの場合)、S42の濃度比判定処理を行なわず、S44の処理に移行し、吸排ポンプ24への排気信号を停止する。
【0054】
また、S41において、M2>M1であるときは(YESの場合)、測定値M2(2回目の測定値)が上昇しているので、S42に進み、測定値M1とM2との濃度比(M1/M2)が予め設定された判定値Ac(図4C中グラフIIc(破線)で示す変化率)以上か否かをチェックする。S42において、測定値M1とM2との濃度比(M1/M2)が予め設定された判定値Ac(図4C中グラフIIc(破線)で示す変化率)以上の場合(YESの場合)、油種センサ23によって検出された油蒸気濃度が高いので、S43に進み、筐体11内で燃料の漏洩有りと判定すると共に、液晶表示器27により「筐体内燃料漏れ発生」を報知する。この後は、S44に進み、吸排ポンプ24への排気信号を停止する。
【0055】
また、S42において、測定値M1とM2との濃度比(M1/M2)が予め設定された判定値Ac(図4C中グラフIIc(破線)で示す変化率)未満の場合(NOの場合)、油種センサ23によって検出された油蒸気濃度が低いので、筐体内の燃料漏れ無しと判定してS43の処理を行なわず、S44に進み、吸排ポンプ24への排気信号を停止する。この後は、当該筐体内漏洩判定処理を終了する。
【0056】
図4CのグラフIc(実線)およびグラフIIcで示されるように、クリーニング処理後に測定された油蒸気濃度の測定値M1(1回目の測定値)に対して筐体内漏洩判定処理において測定された筐体内の油蒸気濃度の測定値M2(2回目の測定値)との濃度比(M1/M2)が予め記憶されている判定値Ac(図4C中グラフIIc(破線)で示す変化率)よりも大きい場合(S42のYESの場合)には、上記S43において、筐体11内で燃料の漏洩有りと判定することができる。また、クリーニング処理後に測定された油蒸気濃度の測定値M1(1回目の測定値)に対して筐体内漏洩判定手段において測定された筐体内の油蒸気濃度の測定値M2(2回目の測定値)との濃度比(M1/M2)が予め記憶されている判定値Ac(図4C中グラフIIc(破線)で示す変化率)よりも小さい場合(S42のNOの場合)には、筐体11内の燃料漏れ無しと判定する。
〔変形例3〕
図3Dは筐体内漏洩判定の制御処理(筐体内漏洩判定処理)の変形例3を説明するためのフローチャートであり、以下、同図に基づき筐体内漏洩判定の制御処理について説明する。なお、この制御処理は、筐体内部の油蒸気濃度が高い状態(例えば、クリーニング処理を行わない場合)における筐体内漏洩判定である。また、制御回路35は設定キー29が設定されることにより給油前段階として吸排ポンプ24へ排気信号を出力し、制御回路35の記憶エリア(RAM又はROM)には、前述したとおり閾値(判定値)Adが予め記憶されている。
【0057】
図3Dに示されるように、S51にて排気処理を設定するための設定キー30が操作されると、給油前段階としてS52に進み、吸排ポンプ24へ排気信号を出力する。これにより、吸排ポンプ24は、油種判定時(燃料タンク内の空気を油種センサ23に供給する)とは逆回転で駆動され、筐体11内の空気を吸引ホース22Cから吸込み、油種センサ23、吸引ホース22Aを介して大気へ排出させる。S51にて設定キーが操作されないとS52の処理を繰り返す。
【0058】
次のS53では、油種センサ23の出力電圧を読み込み、当該出力電圧を測定値M1(1回目の測定値)として記憶エリアに記憶する。続いて、S54に進み、吸排ポンプ24への排気信号を停止する。これで、吸排ポンプ24は停止状態になる。
【0059】
次のS55では、ノズルスイッチ20がオンか否かをチェックする。S55において、ノズルスイッチ20がオンであるときは(NOの場合)、待機状態となる。また、S55において、ノズルスイッチ20がオフであるときは(YESの場合)、給油ノズル18がノズル掛け19から外されているので、S56に進み、吸排ポンプ24へ吸気信号を出力する。
【0060】
これにより、吸排ポンプ24は、給油ノズル18及び吸引ホース22Aを介して筐体11外の周囲の空気を油種センサ23に供給する。
【0061】
次のS57では、油種センサ23により測定された吸引された空気中の油蒸気濃度の値を測定値M2(図4D参照)として記憶エリアに記憶する。続いて、S58に進み、所定時間が経過したか否かをチェックする。S58において、所定時間が経過すると、S59に進み、油種センサ23の出力電圧が徐々に低下して測定値M2'(図4D参照)が下限値として測定される。
【0062】
次のS60では、測定値M2'が測定値M2より大きいか否かをチェックする。S60において、測定値M2'<M2の場合(NOの場合)には、上記S60の処理に戻り、S57以降の処理を繰り返す。
【0063】
また、S60において、測定値M2'≧M2の場合(YESの場合)には、測定値M2'を下限値として登録する。次のS49では、測定値M1とM2'(下限値)との濃度比(M1/M2')が予め設定された判定値Ad(閾値)以上か否かをチェックする。S49において、測定値M1とM2'(下限値)との濃度比(M1/M2')が予め設定された判定値Ad(閾値)以上の場合(YESの場合)、油種センサ23によって検出された油蒸気濃度が高いので、S62に進み、筐体11内で燃料の漏洩有りと判定すると共に、液晶表示器27により「筐体内燃料漏れ発生」を報知し、当該筐体内漏洩判定処理を終了する。なお、この後に、給油ノズル18が車両の燃料タンクに挿入されたことをもって油種検知処理へ移行することも可能である。
【0064】
また、S61において、測定値M1とM2'(下限値)との濃度比(M1/M2')が予め設定された判定値Ad(閾値)未満の場合(NOの場合)、油種センサ23によって検出された油蒸気濃度が低いので、筐体内の燃料漏れ無しと判定してS62の処理を行なわず当該筐体内漏洩判定処理を終了する。なお、筐体内漏洩判定終了後、給油ノズル18が車両の燃料タンクに挿入されたことをもって油種検知処理へ移行することも可能である。
【0065】
図4DのグラフIdおよびグラフIIdに示されるように、給油前段階における筐体内の油蒸気濃度の測定値M1(給油前の測定値)に対する筐体11外の空気に含まれる油蒸気濃度の測定値M2'(下限値)との濃度比(M1/M2')が判定値Adよりも大きい場合(S61のYESの場合)には、S62において、筐体11内で燃料の漏洩有りと判定すると共に、液晶表示器27により「筐体内燃料漏れ発生」を報知する。
【0066】
したがって、筐体11内の油蒸気濃度が高い状態においても、筐体11内の油蒸気濃度と筐体11外の空気に含まれる油蒸気濃度とから求められる変化率と、予め設定された判定値とを比較することにより、筐体内に漏れが発生しているか否かを判定することができる。
〔変形例4〕
図5は燃料供給装置の変形例を示す構成図である。尚、図5において、前述した図1と同一部分には、同一符合を付してその説明を省略する。
【0067】
図5に示されるように、変形例4の燃料供給装置10Aでは、燃料供給装置10Aに筐体外部へ開口している給油における油蒸気を排出する排気口80と、油種センサ23の下方に、吸排ポンプ24及び三方電磁弁50とが設けられている。三方電磁弁50は、吸引ホース22Bを介して油種センサ23及び吸排ポンプ24に連通されたポートaと、筐体内部に連通するポートbと、前記排気口80に連通されたポートcとを有する。
【0068】
三方電磁弁50は、制御回路35からの制御信号によって切り替わり、通常は給油開始時に制御回路35から吸気信号(燃料タンク内の油蒸気をノズル先端から吸気する)が入力されてポートaとポートcとを連通させる吸気状態に切り替わる。このとき、吸気信号により吸排ポンプ24が吸気駆動されるため、給油ノズル18及び吸引ホース22Aから吸引された燃料タンク内の油蒸気が油種センサ23に供給され、吸排ポンプ24を介して排気口80から筐体外へ排気される。
【0069】
また、燃料供給装置10Aによる漏洩判定処理が行われる場合には、三方電磁弁50を切り替えてポートaとポートbとを連通させる。そして、給油開始時には、制御回路35から前述の排気信号が入力されて吸排ポンプ24が排気駆動されるため、筐体11内の空気(及び油蒸気)が吸引ホース22D、を介して油種センサ23に供給されたのちに吸排ポンプ24および三方電磁弁50(ポートa〜ポートb)を介して筐体内部に排気される。
【0070】
このように、当該変形例4のような給油の際に燃料タンクから吸引された油蒸気を筐体外へ排気する燃料供給装置10Aにおいては、筐体内漏洩判定処理を行う場合に三方電磁弁50を切り替えて、筐体11の内部に油蒸気を排気させることによって制御回路35による筐体内漏洩判定処理を行うことができる。
【0071】
また、本実施例及び各変形例では、クリーニング処理後に筐体内漏洩判定処理を行っているが、これに限らず、例えば、クリーニング処理を終えた後にクリーニング確認手段による前記吸排ポンプ24を吸気作動させて前述した油蒸気濃度検知処理により吸引ホース22内に油蒸気が存在するか否かを確認し、油蒸気が存在する場合にはクリーニング処理を再度実行させた後に筐体内漏洩判定処理を行ってもよい。
【0072】
また、本件は漏洩判定する際の比較対象としての閾値をガソリンおよび軽油を対象として設定しているが、これに限らず例えばアルコールや尿素水等を対象とした漏洩判定処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0073】
10、10A 燃料供給装置
11 筐体
12 燃料供給配管
13 ポンプモータ
14 給油ポンプ
15 流量計
16 流量パルス発信器
17 給油ホース
18 ノズル
19 ノズル掛け
20 ノズルスイッチ
22A〜22D 吸引ホース
23 油種センサ
24 吸排ポンプ
25 表示装置
26 給油量表示器
27 液晶表示器
28 外部入力装置
29 設定キー
30 設定表示器
35 制御回路
50 三方電磁弁
80 排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクに挿入される吐出パイプを有したノズルと、
前記ノズルに連通し燃料タンクに燃料を供給する燃料供給経路と、
一端が前記ノズルの吐出パイプの先端側に開口し、他端が筐体の内部に開口する蒸気吸排管路と、
該蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記燃料タンクの油蒸気を吸引し筐体内部へ排出させる蒸気吸引手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記蒸気吸排管路内の油蒸気の濃度を検知する油蒸気濃度検知手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記筐体内の油蒸気を前記蒸気吸排管路の一端より排出させる蒸気排出手段と、
前記蒸気排出手段により前記筐体の内部および前記蒸気吸排管路内の油蒸気を除去するクリーニング手段と、を有する燃料供給装置において、
前記クリーニング手段の作動終了後、前記蒸気排出手段により前記筐体内の空気を前記油蒸気濃度検知手段に供給し、前記油蒸気濃度検知手段により前記筐体内の空気に含まれる油蒸気濃度を検知し、当該検知された筐体内の油蒸気濃度が予め設定された所定値以上であるか否かを判定する漏洩判定手段を備えたことを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
前記クリーニング手段の作動終了後、前記漏洩判定手段による前記蒸気排出手段の作動開始からの経過時間を計時する計時手段を備え、
前記漏洩判定手段は、前記クリーニング手段の作動終了後において前記油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度と、前記計時手段による計時が所定時間に達した場合に前記蒸気濃度検知手段により検知された前記筐体内の空気に含まれる油蒸気濃度との濃度差を求め、当該油蒸気の濃度差が予め設定された所定値以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記漏洩判定手段は、前記クリーニング手段の作動終了後において前記油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度と、前記計時手段による計時が所定時間に達した場合に前記蒸気濃度検知手段により検知された前記筐体内の空気に含まれる該油蒸気濃度との変化率を求め、当該変化率が予め設定された変化率の閾値を超えるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
燃料タンクに挿入される吐出パイプを有したノズルと、
該ノズルを収納するノズル収納部と、
該ノズル収納部から前記ノズルが外されたことを検知するノズル検出手段と、
前記ノズルに連通し燃料タンクに燃料を供給する燃料供給経路と、
一端が前記ノズルの吐出パイプの先端側に開口し、他端が筐体の内部に開口する蒸気吸排管路と、
該蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記燃料タンクの油蒸気を吸引し筐体内部へ排出させる蒸気吸引手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記蒸気吸排管路内の油蒸気の濃度を検知する油蒸気濃度検知手段と、
前記蒸気吸排管路の途中に設けられ、前記筐体内の油蒸気を前記蒸気吸排管路の一端より排出させる蒸気排出手段と、
を有する燃料供給装置において、
前記蒸気吸引手段の作動開始からの経過時間を計時する前記計時手段と、
前記ノズル検出手段によりノズルが外されたことが検知された場合に前記蒸気吸引手段を作動させる吸引開始制御手段と、
前記漏洩判定手段を開始したときに前記油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度と、前記蒸気吸引手段が開始された後に前記計時手段による計時が所定時間に達した場合に前記蒸気の油蒸気濃度検知手段により検知された油蒸気濃度との変化率を求め、当該変化率が予め設定された変化率の閾値を越えるか否かを判定する漏洩判定手段と、
を備えたことを特徴とする燃料供給装置。
【請求項5】
前記漏洩判定手段により前記筐体内における漏洩が発生したことを判定した場合、前記筐体の外部に漏洩発生を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の燃料供給装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−76741(P2012−76741A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220414(P2010−220414)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000110099)トキコテクノ株式会社 (264)
【Fターム(参考)】