説明

燃料及び希釈剤制御システム

【課題】燃料及び希釈剤の流量制御システムを提供すること。
【解決手段】種々の実施形態によれば、システムは、燃焼システム(166)の燃料ノズル(252)への第1の燃料(168)の第1の流れと、第2の燃料(172)の第2の流れとの間の燃料移行を制御するよう構成された燃料コントローラ(182)を含む。燃料コントローラ(182)は、第2の燃料(172)の第2の流れと組合せて希釈剤(176)の第3の流れを調整して、燃料ノズル(252)前後の圧力比を所定の作動圧力比を上回って維持するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、流量制御システムに関し、より詳細には、燃料及び希釈剤の流量制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な燃焼システムは燃料を燃焼させてエネルギーを生成する。例えば、統合型ガス化複合サイクル(IGCC)発電プラントは、1以上のガスタービンエンジンを含み、燃料を燃焼してエネルギーを生成し、負荷に動力を供給する。ガスタービンエンジンにより使用される燃料の1つは、IGCC発電プラントの1以上のガス化装置により生成されるシンガスとすることができる。ガスタービンエンジンの作動には、保炎、逆火又は他の問題を回避するために最小燃料ノズル圧力比を必要とする場合がある。その結果、ガスタービンエンジンは、シンガスなどの特定の燃料において最小装荷未満では作動できない可能性がある。例えば、始動時には、ガスタービンエンジンは、天然ガスを用いて最小装荷以下で作動し、次いで、シンガスを用いた作動に移行することができる。この作動限界により、ガスタービンエンジン及びIGCC発電プラントの効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7690204号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明の幾つかの実施形態について要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の可能な形態を簡単にまとめたものである。実際、本発明は、以下に記載する実施形態と同様のものだけでなく、異なる様々な実施形態を包含する。
【0005】
第1の実施形態では、システムは、燃焼システムの燃料ノズルへの第1の燃料の第1の流れと、第2の燃料の第2の流れとの間の燃料移行を制御するよう構成された燃料コントローラを含む。燃料コントローラは、第2の燃料の第2の流れと組合せて希釈剤の第3の流れを調整して、燃料ノズル前後の圧力比を所定の作動圧力比を上回って維持するように構成されている。
【0006】
第2の実施形態では、燃料コントローラは、燃焼システム内の燃料ノズル前後の圧力比を制御して逆火及び保炎を阻止するように構成される。燃料コントローラは、燃料の第2の流れと組合せて希釈剤の第1の流れを調整して、圧力比を所定の作動圧力比を上回って維持するように構成される。
【0007】
第3の実施形態では、システムは、燃料の第2の流れと組合せて希釈剤の第1の流れを調整して、燃料ノズル前後の圧力比を所定の作動圧力比を上回って維持するように構成される燃料コントローラを含む。燃料コントローラは、希釈剤の第1の流れを増大させ且つ燃料の第2の流れを減少させ、低装荷での燃焼エンジンの作動を可能にするよう構成される。
【0008】
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点については、図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができるであろう。図面を通して、同様の部材には同様の符号を付した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ガスタービンエンジンの作動範囲を拡大するよう構成された燃料制御システムを備えたガスタービンエンジンを組み込んだIGCC発電プラントの1つの実施形態のブロック図。
【図2】ガスタービンエンジンの作動範囲を拡大するよう構成された燃料制御システムの1つの実施形態を組み込んだガスタービンエンジンのブロック図。
【図3】1つの実施形態によるガスタービンエンジンの作動包絡線のグラフ。
【図4】ガスタービンエンジンの作動範囲を拡大するよう構成された燃料制御システムの1つの実施形態のブロック図。
【図5】スケジュールベース制御を用いた燃料制御システムの1つの実施形態のブロック図。
【図6】閉ループ制御の伝達関数を用いた燃料制御システムの1つの実施形態のブロック図。
【図7】閉ループ制御のモデルを用いた燃料制御システムの1つの実施形態のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の1以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するため、現実の実施に際してのあらゆる特徴について本明細書に記載しないこともある。実施化に向けての開発に際して、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合と同様に、実施毎に異なる開発者の特定の目標(システム及び業務に関連した制約に従うことなど)を達成すべく、実施に特有の多くの決定を行う必要があることは明らかであろう。さらに、かかる開発努力は複雑で時間を要することもあるが、本明細書の開示内容に接した当業者にとっては日常的な設計、組立及び製造にすぎないことも明らかである。
【0011】
本発明の様々な実施形態の構成要素について紹介する際、単数形で記載したものは、その構成要素が1以上存在することを意味する。「含む」、「備える」及び「有する」という用語は内包的なものであり、記載した構成要素以外の追加の要素が存在していてもよいことを意味する。
【0012】
以下で検討するように、開示される実施形態は、燃料を希釈して燃料ノズル圧力比(FNPR)を制御し、これにより低装荷の燃料で運転を可能にすることによって、ガスタービンエンジンの作動範囲を増大させる。加えて、開示される実施形態は、ガスタービンエンジンの作動範囲全体にわたってFNPRを制御することができる。ガスタービンエンジンは、1以上の異なる燃料を燃焼することができる。例えば、IGCC発電プラントで使用されるガスタービンエンジンは、燃料として1以上のガス化装置により生成されるシンガスを燃焼することができる。しかしながら、シンガスの可用性は、始動、運転停止、予定外の停止又は定期的保守管理により影響を受ける可能性がある。このような状況の間、ガスタービンエンジンは、シンガスではなく天然ガスを、或いは天然ガスとシンガスの組合せを用いることができる。天然ガスとシンガスのように、燃料の発熱量の間に大きな差違がある場合、各燃料は、燃焼システムの別個の燃料ノズルに配向することができる。例えば、特定の実施形態では、天然ガスは1次ノズルに配向することができ、シンガスは2次ノズルに配向することができる。燃料の設計流量及び発熱量の差違に起因して、1次ノズルのノズル面積は、2次ノズルよりも小さくなる場合がある。他の実施形態では、2つの燃料の発熱量が同様である場合、1つの燃料ノズルを両方の燃料用に用いることができる。制御バルブのような装置を用いて、燃料及び/又は燃料混合物の流量を調整することができる。
【0013】
燃料に加えて、ガスタービンエンジンの燃焼器に希釈剤を配向することができる。一般に、希釈剤は、不活性ガス又は非可燃性ガスもしくは蒸気のような、蒸気又はガスを含むことができる。希釈剤の具体例としては、特に限定されないが、窒素、二酸化炭素、蒸気、水蒸気又はこれらの組合せが挙げられる。燃料と同様に、希釈剤は、ガスタービンエンジンの燃焼器内の別個のノズルに配向することができる。或いは、希釈剤は、ガスタービンエンジンに注入する前に燃料の1以上と混合してもよい。加えて、制御バルブのような装置は、希釈剤の流量を制御することができる。
【0014】
燃料制御システムは、燃料及び希釈剤制御バルブに信号を送り、燃料及び希釈剤の流量を制御し、ガスタービンエンジンの作動範囲を制御することができる。燃料及び希釈剤の流量を決定するために、コントローラは、測定又は算出パラメータに基づいて信号を受け取ることができる。以下で詳細に説明する種々の実施形態では、燃料制御システムは、FNPRに基づいた信号を受け取ることができ、該FNPRは、燃料供給圧力を燃焼器圧力で除算したもの、例えば、上流側圧力を下流側圧力で除算したものとして定義される。燃料が燃焼器に流入するためには、燃料供給圧力が燃焼器圧力よりも大きく、FNPRが1よりも大きいことになる。更に、燃焼器の作動は、最小又は低位もしくは所定作動FNPRと、最大又は高位FNPRとの間の作動に限定することができる。最小FNPRを下回る作動又は最大FNPRを上回る作動は、望ましくない燃焼ダイナミックス、保炎、逆火又は他の問題を生じる可能性がある。燃料供給圧力は測定することができるが、燃焼器圧力は、通常は測定することができない。従って、FNPRは直接測定することができないが、ガスタービンエンジンの他の作動条件から推測することができる。以下で説明する種々の実施形態では、FNPRの推測に用いることができるガスタービン作動条件の実施例は、特に限定されないが、入口ガイドベーン(IGV)位置、修正速度、排気温度、燃料流量、燃料低位発熱量(LHV)又はこれらの組合せを含む。修正速度は、海水面での環境条件に相当する入口温度の場合において構成要素が回転する速度を指す。
【0015】
発熱量を用いて、燃料のエネルギー特性を定義することができる。例えば、燃料の発熱量は、指定量の燃料を燃焼させることにより放出される熱の量として定義することができる。詳細には、LHVは、指定量を(例えば、最初に25℃又は別の基準状態で)燃焼させて、燃焼生成物の温度を目標温度(例えば、150℃)にまで復帰させることによって放出される熱量として定義することができる。LHVは、メガジュール(MJ)/キログラム(kg)の単位で表すことができる。以下の検討において、LHVを用いて、種々の燃料の発熱量を示すことができるが、これは限定を意図するものではない。他の何れかの値を用いて、開示される実施形態の範囲内にある原材料のエネルギー及び/又は熱出力を特徴付けることができる。
【0016】
現在企図される実施形態では、FNPRは、燃料制御システムにより使用されて、燃料及び希釈剤の流量を制御し、ガスタービンエンジンの作動範囲を制御することができる。例えば、開示される実施形態は、希釈剤流量を制御してFNPRを最小FNPRと最大FNPRとの間に維持し、ガスタービンエンジンの完全性を保持し、より具体的には、逆火及び保炎を阻止するために最小FNPRを上回ってFNPRを維持する。最小FNPRを超えると、火炎は燃料ノズルの先端から離れた適正距離で維持される。火炎と燃料ノズルの先端との間の距離が小さいか又は存在しない場合には、保炎と呼ばれ、火炎が燃料ノズルの先端に損傷を与える可能性がある。加えて、最小FNPRを上回る作動は、逆火を阻止し、例えば、火炎が燃料ノズルを通って上流側に移動するのを阻止することができる。従って、最小FNPRは、ガスタービンエンジンの作動包絡線の1つの境界を定めることができる。開示される実施形態では、希釈剤は、特に好適なFNPRを維持するために燃料に添加され、これにより燃料に関連する最小FNPRに基づく標準作動境界が回避される。換言すると、燃料は、希釈剤で希釈されて最小FNPRを維持すると共に、ガスタービンエンジンを遙かに低装荷の燃料で作動可能にすることができる。
【0017】
従って、特定の実施形態によれば、燃料制御システムは、燃料ストリームの1つに窒素、水蒸気又は他の希釈剤を注入し、FNPRを調整することができる。具体的には、燃料比(複数の燃料で作動している場合)及びガスタービンエンジンに送給される希釈剤の流量を含む、幾つかの変数がFNPRに影響を及ぼすことができる。例えば、天然ガスに対するシンガスの比を小さくするとFNPRが減少し、希釈剤の流量を大きくするとFNPRが増大する。従って、希釈剤がない状態では、最小シンガス流量を下回る作動により、FNPRが最小FNPR未満に低下する可能性がある。例えば、IGCC発電プラントは、ガスタービンエンジンにシンガスを供給する複数のガス化装置を含むことができる。ガス化装置の1以上が運転停止した場合、シンガスの総供給量は、ガスタービンエンジンの1以上が最小FNPRを上回って作動するには不十分なレベルにまで減少する可能性がある。希釈剤の流量を大きくしてFNPRを増大させることにより、開示される実施形態では、ガス化装置の1以上が停止したときでもガスタービンエンジンが継続して作動できるようになる。種々の実施形態では、希釈剤は、ガスタービンエンジンの燃焼器に注入される前に、燃料の1以上と配合することができる。希釈剤の流量を調整することにより、燃料制御システムは、最小FNPRを上回る作動を維持し、従って、ガスタービンエンジンの作動範囲を効果的に増大させることができる。作動範囲の増大は、始動時(例えば、天然ガスからシンガスへの移行時)、低需要期間中又はガス化装置の休止時間中に特に有利である。
【0018】
ここで各図面において、図1は、シンガスを生成及び燃焼するIGCCシステム100の1つの実施形態の図である。以下で詳細に検討するように、IGCCシステム100は、FNPR値の好適な範囲内でFNPRを維持し、これにより逆火又は保炎を阻止するガスタービンエンジンの燃料コントローラの1つの実施形態を含むことができる。IGCCシステム100の他の要素は、固体又は液体とすることができる燃料源102を含むことができ、これはIGCCシステムのエネルギー源として利用できる。燃料源102は、石炭、石油コークス、オイル、バイオマス、木質系材料、農業廃棄物、タール、コークス炉ガス及びアスファルト又は他の炭素含有物を含むことができる。
【0019】
燃料源102の燃料は、原材料調製ユニット104に送ることができる。原材料調製ユニット104は、例えば、燃料源102を細断、ミル加工、破砕、微粉砕、ブリケット又はパレタイジングして原材料を生成することにより、該燃料源102のサイズ変更及び形状変更することができる。加えて、水又は他の好適な液体を原材料調製ユニット104において燃料源102に添加し、スラリー状原材料を生成することができる。他の実施形態では、燃料源に液体が添加されず、すなわち乾燥原材料を生じさせる。別の実施形態では、燃料源102が液体である場合には、原材料調製ユニット104を省くことができる。
【0020】
原材料は、原材料調製ユニット104からガス化装置106に送ることができる。ガス化装置106は、原材料をシンガス、例えば一酸化炭素(CO)と水素の組合せに転化することができる。この転化は、利用するガス化装置106のタイプに応じて、高圧(例えば、約20バールから85バール)及び高温(例えば、約700℃から1600℃)で水蒸気及び酸素の制御された量に原材料を曝すことにより達成することができる。ガス化プロセスは、原材料が熱分解プロセスを受けることを含むことができ、これにより加熱されるようになる。ガス化装置106の内部温度は、原材料を生成するのに利用される燃料源102に応じて、熱分解プロセス中に約150℃から700℃の範囲にわたることができる。熱分解プロセス中の原材料の加熱は、固体物(例えば、チャー)と、残留ガス(例えば、CO、水素及び窒素)とを生成することができる。熱分解プロセスによる原材料からの残留チャーは、元の原材料の重量の最大約30%までの重さがある。
【0021】
熱分解プロセス中に生成される揮発性物質は液化としても知られ、ガス化装置106に酸素を導入することによって部分的に燃焼することができる。揮発性物質は、酸素と反応し、後続のガス化反応に熱を提供する燃焼反応においてCO2及びCOを形成することができる。燃焼反応により発生する温度は、約700℃から1600℃の範囲に及ぶ場合がである。次に、ガス化ステップ中に水蒸気をガス化装置106に導入することができる。チャーは、CO2及び水蒸気と反応し、約800℃から1100℃の範囲の温度でCOと水素を生成することができる。本質的に、ガス化装置は水蒸気と酸素を利用して、原材料の一部を「燃焼」してCOを生成し、エネルギーを放出することができ、該エネルギーにより、原材料を水素と追加のCO2とに更に転化させる第2の反応を開始させる。
【0022】
このようにして、ガス化装置106は結果として得られるガスを製造する。この結果として得られるガスは、等分で約85%のCO及び水素、並びにCH4、HCl、HF、COS、NH3、HCN及びH2S(原材料の硫黄含量に基づく)を含むことができる。この結果として得られるガスは、例えば、H2Sを含むので、未処理シンガスと呼ぶことができる。ガス化装置106はまた、湿潤灰物質とすることができる、スラグ108などの廃物を生成する場合がある。このスラグ108は、ガス化装置106から取り除かれ、例えば、道路基盤材料又は他の建築材料として処分することができる。未処理シンガスを清浄化するために、ガス清浄器110を利用することができる。1つの実施形態では、ガス清浄器110は、水性ガスシフト反応器とすることができる。ガス清浄器110は、未処理シンガスをスクラビング処理して、該未処理シンガスからHCl、HF、COS、HCN及びH2Sを除去することができ、これは、硫黄処理装置112における硫黄111の分離を含むことができる。更に、ガス清浄器110は、水処理ユニット114により未処理シンガスから塩113を分離することができ、該水処理ユニット114は、浄水技術を利用して未処理シンガスから利用可能塩113を生成することができる。続いて、ガス清浄器110からのガスは、処理済みシンガス(例えば、シンガスから硫黄111が除去された)と、微量の他の化学物質(例えば、NH3(アンモニア)及びCH4(メタン))を含むことができる。
【0023】
一部の実施形態では、ガス処理装置を利用して、アンモニア及びメタンなどの追加の残留ガス成分、並びに処理済みシンガスからメタノール又は何らかの残留化学物質を除去することができる。しかしながら、処理済みシンガスは、残留ガス成分(例えば、排ガス)を含む場合でも燃料として利用できるので、処理済みシンガスからの残留ガス成分の除去は任意選択である。現時点では、処理済みシンガスは、約3%のCO、約55%のH2及び約40%のCO2を含むことができ、実質的にH2Sが取り去られている。
【0024】
幾つかの実施形態では、炭素捕捉システム116は、シンガスに含まれる炭素含有ガス(例えば、約80〜100又は90〜100容量%ピュアの二酸化炭素)を除去し処理することができる。炭素捕捉システム116はまた、圧縮機、清浄器、隔離又は増進回収用にCO2を供給するパイプライン、CO2貯蔵タンク、或いはこれらの何れかの組合せを含むことができる。捕捉された二酸化炭素は、二酸化炭素膨張器に移送され、該膨張器が二酸化炭素の温度を低下させ(例えば、約5〜100℃又は約20〜30℃)、結果として、二酸化炭素がシステムに好適な冷却剤として使用可能になる。冷却された二酸化炭素(例えば、約20〜40℃又は約30℃)は、その冷却要件に適合するようシステムを通って循環され、或いは、後続の段を通って膨張されて更に低温にすることができる。次に、硫黄含有成分と二酸化炭素の大部分とが除去された処理済みシンガスは、ガスタービンエンジン118の燃焼器120(例えば、燃焼室)に可燃性燃料として送ることができる。
【0025】
IGCCシステム100は更に、空気分離ユニット(ASU)122を含むことができる。ASU122は、例えば、蒸留技術によって空気を成分ガスに分離するよう動作することができる。ASU122は、補助空気圧縮機123により供給される空気から酸素を分離することができ、分離した酸素をガス化装置106に移送することができる。加えて、ASU122は、分離した窒素を希釈窒素(DGAN)圧縮機124に送ることができる。
【0026】
DGAN圧縮機124は、ASU122から受け取った窒素を少なくとも燃焼器120内の圧力に等しい圧力レベルにまで圧縮し、シンガスの適正燃焼を妨げないようにすることができる。従って、DGAN圧縮機124が適正レベルまで窒素を十分に圧縮すると、該DGAN圧縮機124は、圧縮窒素をガスタービンエンジン118の燃焼器120に送ることができる。窒素は、例えば、エミッション制御を向上させるための希釈剤として用いることができる。
【0027】
上述のように、圧縮窒素は、DGAN圧縮機124からガスタービンエンジン118の燃焼器120に送ることができる。ガスタービンエンジン118は、タービン130、駆動シャフト131及び圧縮機132、並びに燃焼器120を含むことができる。燃焼器120は、シンガスなど、燃料ノズルから圧力を受けて注入することができる燃料を受け取ることができる。この燃料は、圧縮空気並びにDGAN圧縮機124からの圧縮窒素と混合されて、燃焼器120内で燃焼することができる。以下で詳細に説明するように、ガスタービンエンジン燃料コントローラは、燃料、圧縮空気及び/又は圧縮窒素の流量を調整し、FNPRを一定値間に維持し、これにより逆火又は保炎を阻止することができる。燃料の燃焼は、高温の加圧された排気ガスを生成することができる。
【0028】
燃焼器120は、排気ガスをタービン130の排気出口に向けて配向することができる。燃焼器120からの排気ガスがタービン130を通過すると、該排気ガスによってタービン130のタービンブレードがガスタービンエンジン118の軸線に沿って駆動シャフト131を回転させるようになる。図示のように、駆動シャフト131は、圧縮機132を含む、ガスタービンエンジン118の種々の構成要素に接続される。
【0029】
駆動シャフト131は、タービン130を圧縮機132に接続し、ロータを形成することができる。圧縮機132は、駆動シャフト131に結合されたブレードを含むことができる。従って、タービン130のタービンブレードが回転することにより、タービン130を圧縮機132に接続する駆動シャフト131が圧縮機132内でブレードを回転させることができる。圧縮機132におけるこのブレードの回転によって、圧縮機132は、該圧縮機132内の吸気口を介して受け取る空気を圧縮するようになる。次いで、圧縮空気は、燃焼器120に送給されて燃料及び圧縮窒素と混合され、高効率の燃焼を可能にすることができる。駆動シャフト131はまた、負荷134に接続することができ、該負荷は、例えば、発電プラントにおいて電力を生成する発電機のような定置負荷とすることができる。実際に、負荷134は、ガスタービンエンジン118の回転出力により動力が供給される何れかの好適な装置とすることができる。
【0030】
IGCCシステム100はまた、蒸気タービンエンジン136及び排熱回収ボイラ(HRSG)システム138を含むことができる。蒸気タービンエンジン136は、第2の負荷140を駆動することができる。第2の負荷140はまた、電力を発生する発電機とすることができる。しかしながら、第1の負荷130及び第2の負荷140は共に、ガスタービンエンジン118及び蒸気タービンエンジン136によって駆動できる他のタイプの負荷であってもよい。加えて、ガスタービンエンジン118及び蒸気タービンエンジン136は、図示の実施形態で示すように、個別の負荷134及び140を駆動することができ、縦一列の形態で利用して単一のシャフトにより単一負荷を駆動することもできる。蒸気タービンエンジン136並びにガスタービンエンジン118の特定の構成は、実装時固有とすることができ、あらゆる組合せのセクションを含むことができる。
【0031】
本システム100はまた、HRSG138を含むことができる。ガスタービンエンジン118からの加熱した排気ガスは、HRSG138に運ばれて水を加熱し、蒸気タービンエンジン136を駆動するために用いる蒸気を発生させるのに使用することができる。例えば、蒸気タービンエンジン136の低圧セクションからの排気は、凝縮器142内に配向することができる。凝縮器142は、冷却塔128を利用して加熱水を冷却水に換えることができる。冷却塔128は、凝縮器142に低温水を供給して、蒸気タービンエンジン136から凝縮器142に送られた蒸気の凝縮を助けるよう機能する。凝縮器142からの凝縮液は次に、HRSG138内に配向することができる。この場合も同様に、ガスタービンエンジン118からの排気もまたHRSG138内に配向され、凝縮器142からの水を加熱して蒸気を発生させることができる。
【0032】
IGCCシステム100のような複合サイクルシステムでは、高温排気は、ガスタービンエンジン118からHRSG138に流れることができ、HRSG138において、高温排気を使用して高圧高温蒸気を発生させることができる。HRSG138によって発生した蒸気は次に、電力発生のために蒸気タービンエンジン136を通すことができる。加えて、発生した蒸気はまた、ガス化装置106のような蒸気を使用することができる他の何れかのプロセスに供給することができる。ガスタービンエンジン118の発電サイクルは、「トッピングサイクル」と呼ばれることが多く、他方、蒸気タービンエンジン136の発電サイクルは、「ボトミングサイクル」と呼ばれることが多い。これら2つのサイクルを図1に示すように組合せることによって、IGCCシステム100は両サイクルにおいてより大きな効率をもたらすことができる。具体的には、トッピングサイクルからの排熱を捕捉して、ボトミングサイクルにおいて使用するための蒸気を発生させるのに使用することができる。
【0033】
図2は、燃料に希釈剤を添加して好適なFNPRを維持することによってガスタービンエンジン118の作動範囲を拡大し、これにより逆火及び保炎を阻止するよう構成された例示的な燃料制御システムを含むことができるガスタービンエンジン118のブロック図である。ガスタービンエンジン118は、単に、上述のIGCCシステム100で使用できるだけでなく、幾つかの実施形態ではは、航空機、船舶、機関車、発電システム又はこれらの組合せで用いることができる。図示のガスタービンエンジン118は、吸気セクション160、圧縮機132、燃焼セクション166、タービン130及び排気セクション162を含む。タービン130は、駆動シャフト131を介して圧縮機132に結合される。
【0034】
矢印で示すように、空気は、吸気セクション160を通ってガスタービンエンジン118に流入して圧縮機132に流れることができ、該圧縮機132が空気を圧縮した後、燃焼システムとも呼ばれる燃焼セクション166に流入させる。図示の燃焼セクション166は、圧縮機132とタービン130との間で駆動シャフト131の周りに同心状又は環状に配置された燃焼ハウジング164を含む。圧縮機132からの圧縮空気は、1以上の燃焼器120に流入し、該燃焼器120内で圧縮空気が燃料と混合して燃焼し、タービン130を駆動することができる。高温燃焼ガスは、燃焼セクション166からタービン130を通って流れ、駆動シャフト131を介して圧縮機132を駆動する。例えば、燃焼ガスは、タービン130内のロータブレードに駆動力を与え、駆動シャフト131を回転することができる。高温燃焼ガスは、タービン130を貫流した後、排気セクション162を通ってガスタービンエンジン118から流出することができる。
【0035】
ガスタービンエンジン118は、1以上の燃料を使用することができる。例えば、ガスタービンエンジン118は、特に限定されないが、天然ガス、蒸留油、液化石油ガス(LPG)又はこれらの組合せを含むことができる第1の燃料168を燃焼するよう構成することができる。第1の燃料制御バルブ170は、第1の燃料168の流量を調整することができる。しかしながら、図2に示す制御バルブの代わりに、他の流量調整又は流量制御装置を用いてもよい。加えて、ガスタービンエンジン118は、特に限定されないが、シンガスを含むことができる第2の燃料172を燃焼するよう構成することができる。上述のように、シンガスは、IGCCシステム100の1以上のガス化装置により発生させることができる。第2の燃料制御バルブ174は、第2の燃料172の流量を調整することができる。最後に、希釈剤176は、ガスタービンエンジン118に注入することができる。上述のように、希釈剤176の実施例は、特に限定されないが、窒素、二酸化炭素、蒸気、水蒸気、これらの組合せを含むことができる。希釈剤制御バルブ178は、希釈剤176の流量を調整することができる。第1の燃料168、第2の燃料172及び希釈剤176は、注入ライン180を介して燃焼器120に配向することができる。注入ライン180は、単一のラインとして図示されているが、1の燃料168、第2の燃料172及び/又は希釈剤176の各々に個別のラインを用いることもできる。或いは、希釈剤176は、燃焼器120への注入の前に、第1の燃料168又は第2の燃料172の何れかと配合することができる。加えて、注入ライン180は、燃焼器120に直接流れるように図示されているが、燃焼器120のヘッド端部に配置された1以上の燃料ノズルに配向してもよい。
【0036】
図示の実施形態では、燃料制御システム182又は燃料コントローラは、燃焼器120と、第1及び第2の燃料168、172及び希釈剤176との間に概略的に図示されている。燃料制御システム182は、ガスタービンエンジン118全体を通じて配置される種々のセンサからの1以上の信号又はフィードバックを受け取って、希釈剤176を制御することによりガスタービンエンジン118の作動範囲を増大させ、これにより逆火及び保炎を阻止することができる。例えば、吸気セクションセンサ184は、燃料制御システム182に信号を送信することができる。吸気セクションセンサ184により測定されるパラメータの実施例は、特に限定されないが、吸気温度、吸気圧力、吸気流量、吸気湿度又はこれらの組合せを含む。次に、圧縮機センサ186は、燃料制御システム182に信号を送信することができる。圧縮機センサ186により測定されるパラメータの実施例は、特に限定されないが、1以上の圧縮機段における圧縮機温度、圧縮機圧力、入口ガイドベーン(IGV)位置又はこれらの組合せを含む。燃焼センサ188は、燃焼セクション166におけるパラメータを示す信号を燃料制御システム182に送信することができる。燃焼センサ188により測定されるパラメータの実施例は、特に限定されないが、FNPR、燃焼器温度、燃焼器圧力、燃焼ガス組成、燃焼ダイナミックス、火炎特性又はこれらの組合せを含む。次に、タービンセンサ192を用いて、タービン130のパラメータを測定し、燃料制御システム182に信号を送信することができる。タービンセンサ192により測定されるパラメータの実施例は、特に限定されないが、1以上のタービン段におけるタービン温度、タービン圧力、タービン速度、タービン振動又はこれらの組合せを含む。最後に、排気センサ194を用いて、燃料制御システム182に信号を送信することができる。排気センサ194により測定されるパラメータの実施例は、特に限定されないが、排気温度、排気圧力、排気ガス組成(例えば、エミッション)、駆動シャフト131の速度、修正速度又はこれらの組合せを含む。
【0037】
ガスタービンエンジン118の種々のセンサから受け取った信号198に応答して、燃料制御システム182は、信号196を第1の燃料制御バルブ170、第2の燃料制御バルブ174及び/又は希釈剤制御バルブ178に送信してFNPR(又は他のパラメータ)を制御し、ガスタービンエンジン118の作動範囲を拡大することができる。例えば、燃料制御システム182は、最小FNPRを上回ってFNPRを増大させるのに追加の希釈剤176が必要であること及び/又は最小FNPR未満にFNPRを減少させるのにより少ない希釈剤176が必要であることを示す信号198を受け取ることができる。FNPRが低い場合、燃料制御システム182は、希釈剤制御バルブ178を開き及び/又は第1及び第2の燃料制御バルブ170及び174を部分的に閉鎖するよう信号196を送信することができる。上記で検討したパラメータに加えて、ガスタービンエンジン118内又は隣接する設備に配置された他のセンサは、燃料制御システム182が使用できるパラメータを示すことができる。他のパラメータの実施例は、特に限定されないが、発熱量、負荷ステータス、燃料圧力、燃料流量、希釈剤圧力、希釈剤流量又はこれらの組合せを含む。燃料制御システム182により使用される特定の制御方式の実施例は、以下でより詳細に説明する。
【0038】
図3は、希釈剤ひいてはFNPRを調整するために燃料制御システムを用いた作動拡張を例証する、ガスタービンエンジンの作動包絡線の1つの実施形態のグラフ210を示している。x軸212は、第2の燃料に対する第1の燃料の比を示し、同時燃焼比と呼ぶことができる。グラフ210において、第1の燃料は天然ガスであり、第2の燃料はシンガスである。x軸212の左端は、同時燃焼比は100%天然ガスと0%シンガスを表す。従って、x軸212の右端は、同時燃焼比は0%天然ガスと100%シンガスを表す。y軸214は、ガスタービンエンジンの負荷を示している。具体的には、y軸214の下端は0%負荷を表し、y軸214の上端は100%最大負荷を表す。
【0039】
グラフ210において、天然ガス制御バルブ最大ストローク曲線216は、ガスタービンエンジンの作動包絡線の上方境界を表す。制御バルブのストロークは、制御バルブ内部のトリム、ステム、プラグ、ボール又は同様の装置の位置を指すことができ、該制御バルブを通る流量を変化させることが可能である。例えば、0%ストロークでは、制御バルブをほとんど又は全く流れることができない。これに対応して、100%ストロークでは、流量は、制御バルブの最大限に近付くことができる。加えて、制御バルブは、最小ストロークを有することができ、これ以下での流量を制御することは制御が不安定になる可能性がある理由から推奨されない。換言すると、流量は最小ストロークを下回って制御されることはなく、ストロークを0%にまで低下させることによってバルブが閉鎖される。最小ストロークは、制御バルブの両端の圧力低下及び/又は制御バルブを通る流量の関数とすることができる。例えば、高流量では、天然ガス制御バルブの最小ストロークは、ほぼ0%とすることができる。しかしながら、流量が減少すると、最小ストロークが増加することができる
前述のことを考慮してグラフ210に戻ると、天然ガス最小ストローク曲線216は、負荷が減少するにつれて漸次的に左下に傾斜している。例えば、約100%の負荷では、天然ガス最小ストローク曲線216に沿った対応する同時燃焼比は、約10%天然ガス及び90%シンガスである。換言すると、負荷が約100%である場合、天然ガス制御バルブの最小ストロークは、約10%天然ガス及び90%シンガスの同時燃焼比に対応する流量に至るまでバルブの良好な制御を可能にする程十分に低い。対照的に、ライン226で表す約15%の負荷では、天然ガス曲線216に沿った対応する同時燃焼比は、約60%天然ガス及び40%シンガスである。換言すると、負荷が約15%である場合、天然ガス制御バルブの最小ストロークはより大きくなり、その結果、バルブの良好な制御は、約60%天然ガス及び40%シンガスの同時燃焼比に対応する流量までのみ可能となる。従って、負荷が約15%では約60%天然ガス未満の作動が望ましいが、天然ガス制御バルブの最小ストロークに起因してこれは実施可能ではない。より一般的には、より低負荷でのガスタービンエンジンの作動は、望ましい値を上回る、高いパーセンテージの天然ガスと低いパーセンテージのシンガスに限定される可能性がある。
【0040】
グラフ210において、最小FNPR曲線218は、ガスタービンエンジンの作動包絡線の下方境界を表す。燃料の発熱量が減少するとFNPRが増大する。シンガスは、天然ガスよりも水素の濃度が高く、これはシンガスの発熱量が天然ガスよりも低いことを意味している。例えば、シンガスは、天然ガスよりも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍又は8倍小さい発熱量を有することができる。従って、最小FNPR曲線218は、負荷が減少するにつれて右下に傾斜する。例えば、約100%の負荷では、最小FNPR曲線218に沿った対応する同時燃焼比は、約55%天然ガス及び45%シンガスである。換言すると、負荷が約100%である場合、少なくとも約45%シンガスがガスタービンエンジンに送給されるときには最小FNPRを維持することができる。対照的に、約15%の負荷では、最小FNPR曲線218に沿った対応する同時燃焼比は、約25%天然ガス及び75%シンガスである。換言すると、負荷が約15%である場合、最小FNPRはより大きくなり、その結果、より多くのシンガス、すなわち少なくとも約75%が送給され、最小FNPRを上回るガスタービンエンジンの作動を維持するようになる。従って、例えば、負荷が約15%では、約75%シンガス未満の作動が望ましいが、最小FNPRが維持できない理由からこれは実施可能ではない。より一般的には、より低負荷でのガスタービンエンジンの作動は、望ましい値を上回る、低いパーセンテージの天然ガスと高いパーセンテージのシンガスに限定される可能性がある。
【0041】
加えて、ライン220で表す約30%の最小負荷は、ガスタービンエンジンの作動包絡線の第3の境界として機能することができる。ガスタービンエンジンは、30%負荷未満で且つ天然ガス曲線216と最小FNPR曲線218との間の小区域の作動包絡線で作動することができるが、ガスタービンエンジンが、天然ガス曲線216及び最小FNPR曲線218により定められる境界を迅速に上回るのを阻止するために、便宜上の最小値として30%を選択することができ、ここで曲率が増大する。従って、天然ガス最小ストローク曲線216、最小FNPR曲線218及び30%最小負荷曲線220は、作動領域222を定めることができる。
【0042】
また、図3に示すように、グラフ210の左側付近には、シンガス制御バルブ最小ストローク曲線224がある。天然ガス制御バルブと同様に、シンガス制御バルブの制御は、最小ストロークを下回ると不安定になる。例えば、約100%負荷付近では、シンガス曲線224に沿った対応する同時燃焼比は、約90%天然ガス及び10%シンガスである。負荷が減少すると、シンガス曲線224は右側に傾斜し、その結果、約15%負荷では、シンガス曲線224に沿った対応する同時燃焼比は、約60%天然ガス及び40%シンガスとすることができる。従って、最小FNPR曲線218がなければ、シンガス制御バルブ最小ストローク曲線224は、ガスタービンエンジンの作動包絡線の下方境界を表すことになる。
【0043】
従って、以下で説明する種々の実施形態では、ガスタービンエンジンへの燃料流に希釈剤を添加し、ガスタービンエンジンの作動包絡線における下方境界として最小FNPR曲線218を避けることができる。具体的には、希釈剤の発熱量を低くすることができる。従って、燃料に希釈剤を添加することによって混合気の発熱量が減少し、FNPRが増大する。幾つかの実施形態では、FNPRを増大することによって最小FNPRを上回る作動を維持できると同時に、ガスタービンエンジンに送給されるシンガスの量が減少する。従って、ガスタービンエンジンの最小負荷は、ライン220で表される約30%から、ライン226で表される約15%にシフトし、ガスタービンエンジンが低負荷で作動可能にすることができる。換言すると、燃料に希釈剤を添加して作動するガスタービンエンジンの作動包絡線は、作動領域222だけでなく、作動領域228を含むことができ、これは、シンガス制御バルブ最小ストローク曲線224が新しい下方境界を表すことに起因して結果として得られる。例えば、約100%負荷でのガスタービンエンジンの同時燃焼比の範囲は、約45%シンガス及び55%天然ガスと90%シンガス及び10%天然ガスの間の範囲から、約10%シンガス及び90%天然ガスと90%シンガス及び10%天然ガスの間の新しい範囲に増大することができる。同時燃焼比の範囲は、新しい最小負荷15%と最大負荷100%の間の全ての負荷について増大する。
【0044】
ガスタービンエンジンの同時燃焼比の大きな範囲は、始動及び/又は運転停止状態時に有利とすることができる。例えば、IGCCプラント100及びガスタービンエンジン118の始動中、1以上のガス化装置106がオフラインである場合があるので、所望の量のシンガスが直ぐに利用可能ではない可能性がある。燃料に希釈剤を添加しない場合、ガスタービンエンジン118の始動は、ガスタービンエンジン118において約45%シンガス及び55%天然ガスの同時燃焼比付近で作動するのに十分なシンガスが利用可能になるまで遅延する可能性がある。しかしながら、特定の実施形態によれば、燃料コントローラは、希釈剤の流量を増大させ且つシンガスの流量を減少させて、同時燃焼比が約10%シンガス及び90%天然ガスまで変化するようにすることができる。従って、ガスタービンエンジン118は、利用可能なシンガスが少ない時点で始動することができ、これによりIGCCプラント100の始動中により早期にガスタービンエンジン118を始動可能にすることができる。具体的には、ガスタービンエンジン118は、1つの実施形態に従って希釈剤が燃料に添加されたときには約1時間、2時間、3時間又は5時間より早期に始動することができる。その結果、始動中にエミッション上限に適合するフレアリング量を削減することができる。フレアリングとは、高い排気筒からのガスの燃焼を意味する。始動中により多くのシンガスが利用可能になると、燃料コントローラは、天然ガスからシンガスへの燃料移行を制御し、最小FNPRを上回る作動を維持することができる。これに対応して、燃料コントローラは、最小FNPRを上回る作動を維持するために、燃焼システムの運転停止中に利用可能なシンガスが少なくなると、シンガスから天然ガスへの燃料移行を制御することができる。従って、始動中(例えば、天然ガスからシンガスへの移行中)、低需要期間、或いはIGCCプラント100のガス化装置の1以上の保守管理又は停止時間時には、同時燃焼比の大きな範囲が有利とすることができる。
【0045】
図4は、大きな作動包絡線を達成するのに用いられ、上記で検討した逆火及び保炎を阻止するのを助けることができる燃料制御システム240の1つの実施形態のブロック図である。図2に示すのと同様の要素は同じ参照符号で表記している。図示の実施形態では、希釈剤176は、ガスタービンエンジンにおける注入の前に第2の燃料172と配合される。具体的には、希釈剤ライン242は、第2の燃料ライン244と合流し、希釈剤176を第2の燃料172と混合することができる。希釈剤176と第2の燃料172との混合物は、希釈剤及び第2の燃料ライン246を通じてガスタービンエンジンに配向される。希釈剤及び第2の燃料ライン246上には、特に限定されないが、熱量計などのLHVセンサ248を配置することができる。第1の燃料ライン250は、第1の燃料168をガスタービンエンジンに送る。燃料制御システム182は、燃焼器の燃料ノズル252に流れる第1の燃料168、第2の燃料172及び/又は希釈剤176の流量を調整することができる。第1の燃料168、第2の燃料172及び/又は希釈剤176を燃焼器の燃料ノズル252に送るライン180は、1以上のラインから構成することができる。
【0046】
図4のブロック254において、FNPRが測定又は算出される。ブロック256において、ブロック254からのFNPR及びLHVセンサ248により測定されたLHVを表す信号198を用いて、LHV設定点又は希釈剤流量を調整する。上記で検討したように、LHVが減少するとFNPRが増加する。この場合も同様に、希釈剤は、希ガス又は不燃性ガス又は蒸気のような、蒸気又はガスを含むことができる。実施例には、水蒸気、窒素、二酸化炭素又はこれらの組合せが挙げられる。従って、燃料に添加剤を添加することにより、LHVは減少し、FNPRが増加する。例えば、ブロック254からのFNPRが減少した場合、ブロック256は、希釈剤流量を増大するよう、信号196を希釈剤制御バルブ178に送信することができる。同様に、LHVセンサ248により測定されたLHVが増大した場合、ブロック256は、希釈剤176の流量を増大するよう、信号196を希釈剤制御バルブ178に送信することができる。燃料制御システム182の特定の実施形態は、以下で詳細に検討する。
【0047】
例えば、図5は、スケジュールベース制御又はオープンループ制御を用いた燃料制御システム270の1つの実施形態を示す。図4に示すのと同様の要素は、同じ参照符号で表記している。希釈剤流量メーター272は、希釈剤176の流量を測定する。第1の燃料168、第2の燃料172及び希釈剤176の他の態様は、上述の内容と同様である。ブロック274は、ガスタービンエンジン全体のセンサから得られた作動パラメータの値を提示する。測定される作動パラメータの実施例は、特に限定されないが、入口ガイドベーン(IGV)位置、修正速度、排気温度、燃料流量、燃料LHV又はこれらの組合せを含む。ブロック276では、スケジュールを用いて且つブロック274からの測定作動パラメータに基づいて同定される。ブロック276のスケジュールは、燃料制御システム182の制御ソフトウェア及び/又はメモリ内に含めることができる。加えて、スケジュールは、予測される作動条件全てにわたって最小FNPRを維持し、これにより逆火及び保炎を阻止するように設定される。例えば、理論スケジュールは、現在のFNPR測定値に基づいたフィールドにおいて策定され、次いで検証されて調整することができる。ブロック278は、ブロック276のスケジュールを用いて選択された希釈剤流量設定点を提示する。加えて、ブロック280は、希釈剤流量メーター272からの信号198に基づいた測定希釈剤流量を提示する。
【0048】
図5の決定ブロック282では、ブロック280からの測定希釈剤流量と、ブロック278からの希釈剤流量設定点との間の差違が判定される。この差違が許容値よりも小さい場合、ブロック284において、希釈制御バルブ178の設定点が維持される。換言すると、希釈剤流量は、現在の測定希釈剤流量付近に維持される。従って、許容値は、測定希釈剤流量が希釈剤流量設定点から逸脱する可能性がある範囲を示す。他方、測定希釈剤流量と希釈剤流量設定点との間の差違が、許容値よりも大きい場合、ブロック286において、希釈制御バルブ178の設定点が調整される。例えば、測定希釈剤流量が希釈剤流量設定点よりも大きい場合、希釈制御バルブ178の設定点を低下させる。他方、測定希釈剤流量が希釈剤流量設定点よりも小さい場合、希釈制御バルブ178に対する設定点を増大させる。希釈剤流量を希釈剤流量設定点又はその近傍で維持することにより、燃料制御システム182は、FNPRを最小FNPRよりも上に維持し、上述のようにガスタービンエンジンの作動包絡線を増大させることができる。更に、スケジュールベースの制御は、ガスタービンエンジンが一定の定められた作動点で作動しているときに有効とすることができる。
【0049】
図6は、閉ループ制御の伝達関数を用いた燃料制御システム300の1つの実施形態を示す。図5に示すのと同様の要素は、同じ参照符号で表記している。図5に示すスケジュールベースの制御と同様に、ブロック274は、ガスタービンエンジンの測定作動パラメータを提示する。ブロック302において、メモリ上に記憶されている制御ソフトウェアに組み込まれる伝達関数に基づいて算出される。伝達関数は、システムの入力と出力との間の関係の数学的表現とすることができる。例えば、伝達関数は、Laplace変換を用いて導くことができる。決定ブロック304では、算出されたFNPRは、low−lowFNPR値と比較される。low−lowFNPR値は、lowFNPR値よりも小さく、アラームを生じる可能性がある。算出FNPRがlow−lowFNPR値よりも小さい場合、ブロック306において、ガスタービンエンジンへの燃料が、第2の燃料172から第1の燃料168へ移送又は移行され、該第1の燃料168は、天然ガス、蒸留油、LPG又はこれらの組合せとすることができる。第1の燃料168はまた、バックアップ燃料又は始動燃料と呼ぶことができる。上述のように、1次ノズルは第1の燃料168に用いることができ、2次ノズルは第2の燃料172に用いることができる。1次ノズルのノズル面積は、2次ノズルよりも遙かに小さくすることができる。従って、1次ノズル前後の圧力低下は、2次ノズルに比べて遙かに大きく、FNPRの増大を引き起こす可能性がある。このFNPRの増大は、第2の燃料172よりも高い発熱量を有する第1の燃料168への移行によって引き起こされるFNPRの減少よりも遙かに大きくなる可能性がある。従って、第1の燃料168に切り換えることにより、算出FNPRは、low−lowFNPR値を上回って増大することができる。幾つかの理由のため、算出FNPRがlow−lowFNPR値を下回って減少する場合、ガスタービンエンジンが運転停止にされる。low−low−lowFNPR値は、low−lowFNPR値よりも小さい。
【0050】
決定ブロック304に戻ると、算出FNPRがlow−lowFNPRレベルよりも大きい場合、算出FNPRは、決定ブロック308においてlowFNPRレベルと比較される。算出FNPRがlowFNPRレベルよりも大きい場合、決定ブロック310において、LHV設定点が維持される。換言すると、希釈剤176の流量は、現在の流量に維持される。他方、算出FNPRがlowFNPRレベルよりも小さい場合、ブロック312において、希釈剤制御バルブ178に信号196を送信することによって、LHV設定点を低下させる。次に、決定ブロック314において、LHVとLHV設定点との間の差違が算出される。この差違が許容値よりも小さい場合、希釈剤制御バルブ178の設定点は維持される。しかしながら、LHVとLHV設定点との間の差違が許容値よりも大きい場合、ブロック318において、希釈剤制御バルブ178の設定点が調整される。例えば、LHVセンサ248に基づく測定LVHがLHV設定点よりも小さい場合、希釈剤176の流量が増大する。他方、LVHがLHV設定点よりも大きい場合、希釈剤176の流量が減少される。従って、燃料制御システム182は、最小FNPRを上回ってFNPRを維持して、ガスタービンエンジンの作動包絡線を増大させ、上述のように逆火及び保炎の阻止を助けることができる。更に、伝達関数の使用は、FNPRに関する幾つかの作動パラメータを同定し定めることができるときには有効とすることができる。
【0051】
図7は、閉ループ制御のモデルを用いて燃料制御システム330の1つの実施形態を示している。図6に示すのと同様の要素は、同じ参照符号で表記している。ブロック274は、上述のようなガスタービンエンジンの測定作動パラメータを提示する。ブロック332では、リアルタイムのガスタービンエンジンモデルがFNPRを予測する。例えば、モデルベース制御の1つのタイプは、モデル予測制御(MPC)であり、プロセスの動的モデル、ほとんどの場合はシステム同定により得られる線形経験的モデルに依存するプロセス制御の先端的方法である。これらの動的モデルを用いると、燃料制御システム182は、FNPRの将来の値を予測し、FNPRを既定範囲内に維持するための適正な措置をとることができる。予測ブロック334において、予測されたFNPRは、lowFNPR値よりも小さく、アラームを生じる可能性があるlow−lowFNPR値と比較される。予測FNPRが、low−lowFNPR値よりも小さい場合、ブロック306において、ガスタービンエンジンの作動が第1の燃料168に移行される。予測FNPRが、low−lowFNPR値よりも小さいlow−low−lowFNPR値を下回る場合、ガスタービンエンジンは運転停止にされる。
【0052】
決定ブロック334に戻り、予測FNPRが、low−lowFNPR値よりも大きい場合、予測FNPRは、決定ブロック336においてlowFNPR値と比較される。予測FNPRが、lowFNPR値よりも大きい場合、ブロック310において、LHV設定点が維持される。他方、予測FNPRが、lowFNPR値よりも小さい場合、ブロック312において、LHV設定点が低下される。決定ブロック314において、LHVとLHV設定点との間の差違が算出され、許容値と比較される。差違が許容値よりも小さい場合、希釈剤制御バルブ178の設定点は維持される。他方、LHVとLHV設定点との間の差違が許容値よりも大きい場合、ブロック318において、希釈剤制御バルブ178の設定点が調整される。図7に示すモデルベース制御の他の態様は、図6に示す閉ループ制御ベースの伝達関数のものと同様である。加えて、上述のもの以外のプロセス制御の他の方法を用いて、希釈剤176の流量を制御し、FNPRを最小FNPRよりも大きく維持することができる。燃料制御システム182に使用できる他の技術の実施例は、特に限定されないが、線形又は非線型コントローラ、プログラマブルロジックコントローラ、分散制御コントローラ、統計的プロセスコントローラ又はプロセス制御の他の方法が挙げられる。
【0053】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0054】
100:統合型ガス化複合サイクル(IGCC)システム
102:燃料源
104:原材料調製ユニット
106:ガス化装置
108:スラグ
110:ガス清浄器
111:硫黄
112:硫黄処理装置
113:塩
114:水処理ユニット
116:炭素捕捉システム
118:ガスタービンエンジン
120:燃焼器
122:空気分離ユニット(ASU)
123:補助空気圧縮機
124:希釈窒素(DGAN)圧縮機
128:冷却塔
130:タービン
131:駆動シャフト
132:圧縮機
134:負荷
136:蒸気タービンエンジン
138:排熱回収ボイラ(HRSG)システム
140:第2の負荷
142:凝縮器
160:吸気セクション
162:排気セクション
164:燃焼器ハウジング
166:燃焼器セクション
168:第1の燃料
170:第1の燃料制御バルブ
172:第2の燃料
174:第2の燃料制御バルブ
176:希釈剤
178:希釈剤制御バルブ
180:注入ライン
182:燃料制御システム
184:吸気セクションセンサ
186:圧縮機センサ
188:燃焼器センサ
192:タービンセンサ
194:排気センサ
196:第1の燃料、第2の燃料及び/又は希釈剤制御バルブへの信号
198:センサからの信号
210:ガスタービンエンジンの作動包絡線のグラフ
212:x軸
214:y軸
216:天然ガス制御バルブ最小ストローク曲線
218:最小FNPR曲線
220:約30%の負荷を表すライン
222:作動領域
224:シンガス制御バルブ最小ストローク曲線
226:約15%の負荷を表すライン
228:拡大作動領域
240:燃料制御システム
242:希釈剤ライン
244:第2の燃料ライン
246:第2の燃料混合気ライン
248:LHVセンサ
250:第1の燃料ライン
252:燃焼器燃料ノズル
254:ブロック
256:ブロック
270:スケジュールベースの制御を用いた燃料制御システム
272:希釈剤流量メーター
274:作動パラメータブロック
276:スケジュールからの希釈剤流量の同定ブロック
278:希釈剤流量設定点ブロック
280:希釈剤流量ブロック
282:希釈剤流量及び設定点の比較ブロック
284:バルブ設定点の維持ブロック
286:バルブ設定点の調整ブロック
300:閉ループ制御の伝達関数を用いた燃料制御システム
302:伝達関数によるFNPRの算出ブロック
304:low−lowFNPRを用いた算出FNPRの比較ブロック
306:第1の燃料への移行ブロック
308:lowFNPRを用いた算出FNPRの比較ブロック
310:LHV設定点の維持ブロック
312:LHV設定点の低下ブロック
314:LHV及びLHV設定点の比較ブロック
316:バルブ設定点の維持ブロック
318:バルブ設定点の調整ブロック
330:閉ループ制御のモデルを用いた燃料制御システム
332:リアルタイムモデルによるFNPR予測ブロック
334:low−lowFNPRを用いた予測FNPRの比較ブロック
336:lowFNPRを用いた予測FNPRの比較ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼システム(166)の燃料ノズル(252)への第1の燃料(168)の第1の流れと、第2の燃料(172)の第2の流れとの間の燃料移行を制御するよう構成された燃料コントローラ(182)を備えるシステムであって、前記燃料コントローラ(182)が、第2の燃料(172)の第2の流れと組合せて希釈剤(176)の第3の流れを調整して、前記燃料ノズル(252)前後の圧力比を所定の作動圧力比を上回って維持するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記燃料コントローラ(182)が、前記希釈剤(176)の第3の流れの調整により前記燃料ノズル(252)前後の圧力比を制御し、逆火及び保炎を阻止するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記燃料コントローラ(182)が、前記希釈剤(176)の第3の流れを増大させ且つ第2の燃料(172)の第2の流れを減少させて、低装荷での前記燃焼システム(166)の作動を可能にするよう構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記燃料コントローラ(182)が、複数のガス化装置(106)の内の少なくとも1つがオフラインである間、前記希釈剤(176)の第3の流れを増大させ且つ第2の燃料(172)の第2の流れを減少させるよう構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記燃料コントローラ(182)が、前記燃焼システム(166)の始動又は運転停止中の燃料移行を制御するよう構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記燃料コントローラ(182)が、圧力、温度、発熱量、流量、速度、負荷又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを示すフィードバック(198)に応答して前記燃料移行を制御するよう構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記希釈剤(176)が、窒素、蒸気又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
第1の燃料(168)が、天然ガス、蒸留油、液化石油ガス又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含み、第2の燃料(172)がシンガスを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記燃料ノズル(252)を有する燃焼システム(166)がガスタービンエンジン(118)の燃焼器(120)内に配置される、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
燃焼システム(166)内の燃料ノズル(252)前後の圧力比を制御して逆火及び保炎を阻止するように構成された燃料コントローラ(182)を備えるシステムであって、前記燃料コントローラ(182)が、燃料(172)の第2の流れと組合せて希釈剤(176)の第1の流れを調整して、前記圧力比を所定の作動圧力比を上回って維持するように構成されている、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−247252(P2011−247252A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107726(P2011−107726)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)