燃料検出装置
【課題】燃料液位、即ち燃料の残量を検出するだけでなく、燃料性状、即ち燃料の材質を判別できる燃料検出装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る燃料検出装置は、燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)、各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部などを備え、静電容量検出部は、各検出電極の出力および電極長から燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする。
【解決手段】本発明に係る燃料検出装置は、燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)、各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部などを備え、静電容量検出部は、各検出電極の出力および電極長から燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などの燃料タンクに設置され、燃料残量検出および燃料性状検出を行う燃料検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両などの燃料タンクに搭載されている燃料残量計は、浮力を利用したフロートセンサが主流である。即ち、燃料の液面レベルをフロートの高さ変化で検出することによって、燃料タンクの燃料残量をドライバーに提示している。こうしたフロートセンサの原理は単純であるが、フロートの形状が大きく、車種毎、あるいは燃料タンク毎に、形状寸法や出力特性を設計し直す必要があり、コスト低減のネックとなっている。
【0003】
一方、静電容量方式により燃料の液面レベルを検出する液位センサが提案されている。例えば、特許文献1では、フレキシブル基板上に形成された櫛形電極を用いて、カバーケース内に充填される燃料の液面の静電容量を検知することで、液面レベルを検出している。また、特許文献2および特許文献3では、常時燃料中にある検出電極、および燃料液位の検出電極対からなる櫛形の3種類の検出電極を設け、燃料の誘電率や温度変化によらない液位センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−21936号公報
【特許文献2】特開2010−210307号公報
【特許文献3】特開2010−203871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の液位センサでは、誘電率補正や温度補正による液位のみの検出を行っている。しかしながら、最近では、エコ社会を実現するために燃料が多様化し、ガソリンの他にバイオ燃料などが出現し、燃料性状も同時に検出できる燃料ゲージが要求されている。
【0006】
本発明の目的は、燃料液位、即ち燃料の残量を検出するだけでなく、燃料性状、即ち燃料の材質を判別できる小型の燃料検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る燃料検出装置は、燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、静電容量検出部は、第1検出電極〜第m検出電極(1≦m<n)の出力のみから燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る燃料検出装置は、燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、静電容量検出部は、各検出電極の出力および燃料充填方向に延びる電極長から燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、n個の電極のうち、所望の電極が出力する静電容量から燃料の比誘電率を算出し、静電容量検出部において燃料性状を検出することができる。また、静電容量検出部は、各電極が出力する静電容量から、燃料液位を同時に検出することができる。さらに、各検出電極を燃料充填方向に並べて設置することで、小型の燃料検出装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。
【図4】検出電極の形状の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。
【図7】静電容量検出部およびメータ駆動部が行う信号処理を示すフローチャートである。
【図8a】本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。
【図8b】本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。
【図8c】本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。
【図10a】本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。
【図10b】本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。
【図10c】本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。燃料検出装置100は、検出電極1、2を燃料充填方向に並べて設置した基板50と、基板50の周囲に配置した金属製の対向電極10と、静電容量検出部20と、メータ駆動部30などを備える。基板50および対向電極10は、燃料タンク内に設置する。
【0012】
検出電極1は、燃料性状を検出するための静電容量を出力する「燃料性状検出電極」として機能し、検出電極2は、燃料液位を検出するための静電容量を出力する「燃料液位検出電極」として機能する。即ち、本実施形態においては、検出電極1の出力のみから燃料性状を検出することができ、検出電極2の出力のみから燃料液位を検出することができる。しかし、後に示すように、検出電極1,2の出力の両方を用いて燃料性状、液位を検出してもよい。また、検出電極1および対向電極10、検出電極2および対向電極10が、それぞれ電極対を形成する。
【0013】
尚、本実施形態においては、燃料性状検出電極を1つ、燃料液位検出電極を1つ設置しているが、それぞれ2つ以上設置してもよい。
【0014】
基板50は、検出電極1,2の基材として機能する。基板50を構成する材料は、燃料特有の有機溶剤に不活性、かつ電極が形成できる材料であればよく、例えばセラミックを用いてもよい。検出電極1,2は、基板50上に形成できる材料を用いて形成する。例えば、銀パラジウムペーストを用いた場合は、パターンを厚膜印刷し、または銅・金・アルミニウムなどの金属を用いた場合は薄膜パターンを蒸着してもよい。金属をパターン蒸着等する場合は、燃料による腐食を防止するために、表面にニッケルなどの腐食に強い金属でコーティングしてもよい。パターンの厚みは例えば0.8mmであるが、さらに薄くてもよい。基板50上には、検出電極1,2を片面にのみ形成しているが、例えば基板を加工する際にスルーホールを作成できる場合は、検出電極1,2などを両面に配置し、両面パターン基板とすれば、燃料検出装置をより小型化することができる。
【0015】
対向電極10は、筒状、例えば円筒形状、角筒形状などに形成し、内部には燃料が充填される。対向電極10には、基板50を固定するためのスリット11を設けてもよい。さらに、接地電極9を、基板50と対向電極10とが接触する部分に設置した場合、対向電極10は、接地電極9と電気接触する。さらに、接地電極9が接地電位を有するようにすれば、対向電極10も接地電位を有する。これにより、各電極対への外来ノイズ混入を防止できるという利点がある。
【0016】
また、対向電極10のサイズを小さくすることで、計測する燃料容量を狭い範囲に限定することができるため、燃料のゆれや燃料タンクの傾きによる燃料液位誤差を抑制することができるという利点がある。対向電極10は、基板50で仕切られた燃料充填部12を有する。燃料充填部12は、燃料が流入流出する部分である。燃料の流入流出をスムーズにするために、対向電極10をメッシュ状、または複数の穴を開けた形状にしてもよい。
【0017】
検出電極1と電気接続している接続配線6は、基板50に設置される。接続配線6はまた、接続電極7とも電気接続しているパターンである。該パターンが厚膜パターンである場合、パターン幅は例えば0.2mmであり、薄膜パターンの場合、パターン幅は例えば0.05mmである。接続電極7のパターンについても、燃料の充填により静電容量が発生するため、極力細いパターンを用いることが好ましい。
【0018】
接続電極7は、検出電極1,2、接続配線6および補償配線8を、静電容量検出部20と電気接続させるためのパターンであり、コネクタとして機能する。検出電極2は、接続電極7と直接電気接続しているが、検出電極2と接続電極7との間に接続配線を設けてもよい。接地電極9は、上述のように、接地電位を有し、対向電極10を回路設置するための電極である。
【0019】
接続配線6は、燃料が充填されると、各検出電極と同様に静電容量を生じる。接続配線6により生じた静電容量が、検出電極1の出力する静電容量C1の誤差となる。したがって、接続配線を可能な限り細くして配線面積を抑えることにより、測定する静電容量誤差を抑制することができる。例えば、静電容量誤差をE、検出電極面積をSD、接続配線面積をSSとした場合、下記の式(1)のように誤差を計算することができる。また、E=X%とした場合、下記の式(2)から、検出電極と接続配線6の面積比を決定することができる。逆に接続配線6のパターン幅とパターン長から接続配線の面積を算出し、誤差Eを推定することもできる。
【0020】
E=SS/SD ・・・(1)
SS=(X/100)×SD ・・・(2)
【0021】
補償配線8は、接続配線6と同様の幅と長さと厚さを有しており、燃料の充填により、接続配線6により生じた静電容量Csと同等な静電容量Chを発生するようにしている。Csを小さくするため、ギャップ長は、例えば0.5mmとすることができるが、燃料タンクの形状または特性に応じて変更してもよい。しかしながら、Csは燃料充填と共に上昇し、また、接続配線6の幅とCsとは比例関係にあるため、接続配線6の幅によってはCsを無視することができない。そのため、検出電極1により生じる静電容量の「出力値」Cm(=C1+Cs)からChを差し引く処理を、静電容量検出部20で行うことが好ましい。これにより、Csをキャンセルすることができ、検出電極1により生じる静電容量C1のみを精度良く計測することができる。検出電極2と接続電極7との間に接続配線を設置した場合は、更なる補償配線を設置してもよい。よって、検出電極1により生じる静電容量C1は、下記の式(3)で算出することができる。
【0022】
C1= Cm − Ch ・・・(3)
【0023】
静電容量検出部20は、各検出電極および補償配線8により生じた静電容量を計測し、信号処理する。例えば、CV(Charge to Voltage)変換部により、計測した静電容量を電圧信号に変換し、該電圧信号を信号処理することにより、燃料性状および燃料液位を検出することができる。尚、静電容量検出部20は、燃料タンクの内部に配置してもよい。
【0024】
前述のように、検出電極の数は2つに限定されず、3つ以上設置してもよい。その場合、各検出電極の数に応じて、接続配線6、接続電極7、および補償配線8の数を変更することができる。ここで、接続電極7においても静電容量が発生するため、各接続電極7はすべて同一形状とするのが好ましい。
【0025】
メータ駆動部30は、静電容量検出部20が検出した燃料性状および燃料液位を、例えば二輪車、四輪車などの燃料メータに表示できるように、電圧または電流などのアナログもしくはデジタルデータに変換し、メータが動作できるように駆動する部分である。メータ駆動部30は、静電容量検出部20が出力するアナログ電圧信号をデジタル値に変換するAD(Analog to Digital)変換部を備えてもよい。また、静電容量検出部20とメータ駆動部30とを一体化してもよい。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す図である。検出電極1,2は、図2中に一点鎖線で示す、燃料充填方向に延びる基板50の中心線に関して線対称になるように、基板50の表面上に、燃料充填方向に並べて設置する。基板50の検出電極1,2の幅は、出力する静電容量に比例する。よって、所望の検出感度に応じて電極幅を大きくしてもよいが、対向電極10と電気接触しないようにする。検出電極1,2の電極幅および電極長は、燃料タンク形状、燃料特性、または燃料メータの特性に応じて調整してもよい。好適な調整を行うことで、燃料液位が燃料タンクまたは燃料メータのどの位置にあっても、ユーザに対して一定の燃料表示をすることができる。
【0027】
次に、静電容量検出部20が、計測した静電容量を基に燃料性状、燃料液位を検出する原理を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。燃料液位が上昇すると、検出電極1,2が順次燃料で覆われ、燃料の比誘電率に応じた静電容量を出力する。燃料充填中に、電極長L1を有する検出電極1が出力する静電容量をC1とする。同様に検出電極2の電極長はL2、出力する静電容量はC2とする。
【0028】
以下の式において、Ckは、燃料が充填されていない状態の静電容量を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量を表す。即ちCkは、燃料が充填されている状態の各電極の出力値から、燃料が充填されていない状態の各電極の出力値を差し引いた値である。これは、燃料メータにおけるE(Empty)レベルを基準に、F(Full)レベルの静電容量を算出することに相当する。逆に、Fレベルの静電容量を基準としてEレベルの静電容量を算出してもよい。
【0029】
燃料液位Lは、下記の式(4)のように、aを比例定数として、C1,C2の静電容量の合計から算出することができる。または、C2のみから燃料液位を算出することもできる。また、燃料の比誘電率εは、下記の式(5)で算出することができる。ただし、nは検出電極数である。また、pは、n以下の自然数であり、式(5)は、n個の検出電極のうち、p個の検出電極が出力する静電容量から燃料液位を算出することを示している。
【0030】
【数1】
【0031】
式(5)の右辺は、静電容量C1,C2と検出電極の既知の電極長L1,L2から得られる直線の傾きを表す。図3では、標準的な燃料Aを充填した場合の傾きの算出の仕方を示している。検出電極1と検出電極2とが、燃料充填方向に間隙を有するように基板50上に設置した場合、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始した時点で、直線の傾きを算出することができる。この場合、検出電極間の間隙に起因して、各検出電極が出力する静電容量が不連続となるため、検出電極2の計測が開始された時点で、検出電極1の最大計測値が判明する。よって、この検出電極1の出力のみを基に、燃料の比誘電率εを算出し、更には燃料性状を検出してもよい。これは、上記の式(5)において、p=1とすることを意味する。
【0032】
比誘電率εは、測定する燃料あるいは誘電体によって異なるため、燃料液位Lは、下記の式(6)のように補正することができる。
【0033】
【数2】
【0034】
以上より、静電容量検出部20において、燃料性状および燃料液位を同時に検出することができることがわかった。燃料液位Lは、図3に示すような、静電容量に従って変化する連続的な出力であるが、検出電極の電極長を小さくし、検出電極を多数設置する場合には、液位を検出電極の検出位置として検出してもよい。n極の検出電極をそれぞれデジタル値に見立て、nビットのデジタル出力としてもよい。例えば、燃料メータの分解能が8ビットであれば、検出電極を8つ設置して、燃料液位に応じて検出した電極位置をデジタル出力してもよい。
【0035】
図4は、検出電極の形状の例を示す図である。図2では、検出電極1と検出電極2との間には、互いに接触しないように、燃料充填方向に間隙を有する。この場合、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始する際、図3に示すように、静電容量の出力は不連続になり、さらには燃料液位の検出も不連続になる。静電容量の出力を連続的にする必要がある場合は、検出電極の端面を、例えば斜め、三角、円弧、などの形状に加工することで、不連続性を緩和することができる。
【0036】
図5は、本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す構成図である。図5の構成は、基板50が両面パターンを利用できる場合に実施可能である。検出電極1、接続配線6および補償配線8を基板50の表面に設置し、検出電極2を裏面に設置する。検出電極1と検出電極2とは、燃料充填方向に間隙がないように配置する。このように配置することで、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始する際に、燃料液位が不連続に検出されることを回避できる。接続電極7および接地電極9は、表面または裏面のいずれに設置してもよい。尚、基板50のどちらの面を表面、裏面としてもよい。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。図6の構成のうち図1の構成と異なるのは、燃料温度を計測するための温度検出部40、および基板50上に温度検出素子13、例えばサーミスタをさらに設けている点である。サーミスタなどはガソリンなどの有機溶剤により腐食しやすいため、ガラスコーティングなどにより保護する必要があり、コスト高になる。しかしながら、燃料タンク内の燃料温度は、燃料タンク上面の温度と熱平衡になると仮定できるため、燃料タンク上面に温度検出素子13を設置した場合でも燃料温度を測定することができる。また、燃料タンク内の燃料と熱平衡状態にある部分の温度を測定すればよく、例えば検出電極1,2、静電容量検出部20の周辺などの温度を測定してもよい。低コスト化を図るために、燃料タンク上面に温度検出素子13を設置してもよい。図6においては、静電容量検出部20および温度検出部40は、燃料タンクの外部に配置しているが、燃料タンク内に配置してもよい。静電容量検出部20に、燃料の比誘電率の温度依存性を予め記憶させておけば、測定した燃料温度に基づいて、比誘電率εを補正し、さらには静電容量C1,C2を補正することができ、より精度の高い燃料液位を得ることができる。
【0038】
図7は、静電容量検出部およびメータ駆動部が行う信号処理を示すフローチャートである。静電容量検出部20およびメータ駆動部30に電源が供給されると、信号処理が開始される。「初期化」ステップS1では、内部遅延処理、メモリの初期化および校正処理などを行う。「温度検出」ステップS2では、燃料温度を検出する。上述のように、燃料温度を直接測定する必要はなく、燃料温度と熱平衡状態にある部分の温度を測定してもよい。「性状検出」ステップS3では、検出電極1の出力値C1を基に燃料性状を検出する。次に、予め取得し、メモリに記憶させておいた燃料性状と静電容量との関係を表す特性マップにC1をマッチングさせることによって、検出した燃料性状を補正してもよい。「異常診断」ステップS4では、温度検出ステップで測定した温度が所定の範囲にあるか否か、各検出電極の出力の初期値が所定の範囲にあるか否か、電源電圧が所定の電圧範囲にあるか否か、などの判断処理を行う。また通常、検出電極1全体は、燃料に浸っている状態にある。よって、検出電極1全体が燃料に浸っていない場合、このステップで、燃料不足を示す状態異常として処理してもよい。
【0039】
異常診断が正常であれば、「性状温度補正」ステップS5に進む。本ステップでは、温度検出ステップで検出した温度を基に、予め取得し、メモリに記憶させておいた燃料性状と温度との関係を表す特性マップを用いて、検出した燃料性状を補正することができる。「液位検出」ステップS6では、検出電極2の出力値C2を計測する。「液位誤差補正」ステップS7では、ステップS5で記載した特性マップを用いて、ステップS6で得られた検出電極2の出力値C2を誤差補正する。「液位性状補正」ステップS8では、燃料性状をもたらすC1および燃料液位をもたらすC2から、C2/C1を計算し、C2の性状補正を行う。「液位出力」ステップS9では、メモリマップや近似式からC2/C1を用いて、液位Lに変換し出力する。このとき、表示する燃料メータに適合するように液位を出力する。「メータ駆動」ステップS11では、液位出力に応じた電圧、電流などに変換して燃料メータを駆動する。本発明では、パルス幅変調(PWM)方式を採用し、液位出力に応じたパルス幅駆動出力としているが、他の方式を採用してもよい。
【0040】
以上、本実施形態では、燃料タンク内に配置した基板上に、検出電極を燃料充填方向に並べて設置し、燃料性状および燃料液位を同時に検出した。また、燃料性状検出電極の静電容量のみを基に、燃料性状を検出することもできる。また、測定した燃料の比誘電率および温度から、燃料液位を補正できるため、高精度の液位を出力できる燃料検出装置を提供することができる。また、検出電極1,2を燃料充填方向に並べて設置することで、小型の燃料検出装置を提供することができる。さらに、対向電極の寸法を小さくした場合、計測する燃料容量を狭い範囲に限定することができ、燃料のゆれやタンクの傾きによる燃料液位誤差を抑制することができる。
【0041】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。図8(a)〜(c)は、基板50上に検出電極1〜5を設置した構成を示している。本実施形態においては、基板50上に設置された検出電極1〜5は、各電極間に燃料充填方向の間隙を設けており、各検出電極の出力する静電容量が不連続になる。本実施形態では、該不連続性を利用して、各検出電極ごとに燃料の性状を検出するという特徴を有する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0042】
尚、本実施形態においては、検出電極を5つ設置しているが、2つ以上であればよく、3〜5つ、または6つ以上設置してもよい。これは、以降の実施形態でも同様である。
【0043】
検出電極1〜5は、図8(a)〜(c)中に一点鎖線で示す、燃料充填方向に延びる基板50の中心線に関して線対称になるように、基板50の表面上に、燃料充填方向に並べて設置する。検出電極1〜5は、基板50の中心線上に、互いに接触しない間隙を空けて配置することで、基板50の幅寸法を小さくすることができる。図8(a)において、検出電極1〜5は、同一の電極幅および電極長を有する構造を有しているが、検出電極1〜5の電極幅および電極長L1〜L5を、燃料タンク形状、燃料特性、または燃料メータの特性に応じて、例えば図8(b)または図8(c)に示すように調整してもよい。好適な調整を行うことで、燃料液位が燃料タンクまたは燃料メータのどの位置にあっても、ユーザに対して一定の燃料表示をすることができる。
【0044】
次に、静電容量検出部20が、検出した静電容量を基に燃料性状および液位を得る原理を、図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態2による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。L1の電極長を有する検出電極1の燃料充填中に、検出電極1が出力する静電容量をC1とする。同様に検出電極2〜5の電極長はL2〜L5、出力する静電容量はC2〜C5とする。
【0045】
燃料液位Lは、実施形態1と同様に、式(4)で与えられる。また、燃料の比誘電率εは、下記の式(7)で算出する。式(7)において、C1〜C5は、実施形態1と同様、燃料が充填されていない状態を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量を表す。また、pは、n以下の自然数であり、式(7)は、式(5)と同様、n個の検出電極のうち、p個の検出電極が出力する静電容量から燃料液位を算出することを示している。
【0046】
【数3】
【0047】
式(7)の右辺は、静電容量Ckと検出電極の既知の電極長Lkとから得られる直線の傾きの平均値を表す。実施形態1では、燃料性状検出電極の出力値またはすべての検出電極の出力値の和から、燃料の比誘電率εを算出し、燃料性状を検出した。それに対して、本実施形態では、各検出電極の出力する静電容量から比誘電率εを算出し、燃料性状を検出する。図9では、標準的な燃料Aを充填した場合の傾きの算出の仕方を示している。各検出電極は、燃料充填方向に間隙を有するように基板50上に設置されている。そのため、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始した時点で、直線の傾きCk/Lkを算出することができる。また、上記の式(7)により算出した比誘電率εから、実施形態1と同様に、燃料液位Lを式(6)のように補正することができる。
【0048】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。図10(a)〜(c)は、基板50上に検出電極1〜5を設置した構成を示している。本実施形態においては、燃料液位の出力の不連続性を回避している点を特徴とする。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0049】
検出電極1〜5は、図10(a)〜(c)中に一点鎖線で示す、燃料充填方向に延びる基板50の中心線から、一定距離隔てて千鳥状に設置している。各検出電極を、基板50の中心線上に、互いに接触しないように間隙を空けて配置することで、基板50の幅寸法を小さくすることができる。図10(a)において、検出電極1〜5は、同一の電極幅および電極長を有する構造を有しているが、検出電極1〜5の電極幅および電極長L1〜L5を、燃料タンク形状、燃料特性、または燃料メータの特性に応じて、例えば図10(b)または図10(c)に示すように調整してもよい。好適な調整を行うことで、燃料液位が燃料タンクまたは燃料メータのどの位置にあっても、ユーザに対して一定の燃料表示をすることができる。
【0050】
図11は、本発明の実施の形態3による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。本実施形態においても、実施形態1と同様に、式(5)から燃料の比誘電率を算出し、式(4)によって検出した燃料液位を、式(6)によって補正することができる。各検出電極は、互いに間隙を有しないように設置している。その結果、各検出電極の静電容量Ckを隙間なく検出することができるため、燃料液位Lを連続的に検出することができる。
【符号の説明】
【0051】
1〜5 検出電極、 6 接続配線、 7 接続電極、 8 補償配線、 9 接地電極、 10 対向電極、 11 スリット、 12 燃料充填部、 13 温度検出素子、 20 静電容量検出部、 30 メータ駆動部、 40 温度検出部、 50 基板、 100 燃料検出装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などの燃料タンクに設置され、燃料残量検出および燃料性状検出を行う燃料検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両などの燃料タンクに搭載されている燃料残量計は、浮力を利用したフロートセンサが主流である。即ち、燃料の液面レベルをフロートの高さ変化で検出することによって、燃料タンクの燃料残量をドライバーに提示している。こうしたフロートセンサの原理は単純であるが、フロートの形状が大きく、車種毎、あるいは燃料タンク毎に、形状寸法や出力特性を設計し直す必要があり、コスト低減のネックとなっている。
【0003】
一方、静電容量方式により燃料の液面レベルを検出する液位センサが提案されている。例えば、特許文献1では、フレキシブル基板上に形成された櫛形電極を用いて、カバーケース内に充填される燃料の液面の静電容量を検知することで、液面レベルを検出している。また、特許文献2および特許文献3では、常時燃料中にある検出電極、および燃料液位の検出電極対からなる櫛形の3種類の検出電極を設け、燃料の誘電率や温度変化によらない液位センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−21936号公報
【特許文献2】特開2010−210307号公報
【特許文献3】特開2010−203871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の液位センサでは、誘電率補正や温度補正による液位のみの検出を行っている。しかしながら、最近では、エコ社会を実現するために燃料が多様化し、ガソリンの他にバイオ燃料などが出現し、燃料性状も同時に検出できる燃料ゲージが要求されている。
【0006】
本発明の目的は、燃料液位、即ち燃料の残量を検出するだけでなく、燃料性状、即ち燃料の材質を判別できる小型の燃料検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る燃料検出装置は、燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、静電容量検出部は、第1検出電極〜第m検出電極(1≦m<n)の出力のみから燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る燃料検出装置は、燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、静電容量検出部は、各検出電極の出力および燃料充填方向に延びる電極長から燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、n個の電極のうち、所望の電極が出力する静電容量から燃料の比誘電率を算出し、静電容量検出部において燃料性状を検出することができる。また、静電容量検出部は、各電極が出力する静電容量から、燃料液位を同時に検出することができる。さらに、各検出電極を燃料充填方向に並べて設置することで、小型の燃料検出装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。
【図4】検出電極の形状の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。
【図7】静電容量検出部およびメータ駆動部が行う信号処理を示すフローチャートである。
【図8a】本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。
【図8b】本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。
【図8c】本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。
【図10a】本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。
【図10b】本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。
【図10c】本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。燃料検出装置100は、検出電極1、2を燃料充填方向に並べて設置した基板50と、基板50の周囲に配置した金属製の対向電極10と、静電容量検出部20と、メータ駆動部30などを備える。基板50および対向電極10は、燃料タンク内に設置する。
【0012】
検出電極1は、燃料性状を検出するための静電容量を出力する「燃料性状検出電極」として機能し、検出電極2は、燃料液位を検出するための静電容量を出力する「燃料液位検出電極」として機能する。即ち、本実施形態においては、検出電極1の出力のみから燃料性状を検出することができ、検出電極2の出力のみから燃料液位を検出することができる。しかし、後に示すように、検出電極1,2の出力の両方を用いて燃料性状、液位を検出してもよい。また、検出電極1および対向電極10、検出電極2および対向電極10が、それぞれ電極対を形成する。
【0013】
尚、本実施形態においては、燃料性状検出電極を1つ、燃料液位検出電極を1つ設置しているが、それぞれ2つ以上設置してもよい。
【0014】
基板50は、検出電極1,2の基材として機能する。基板50を構成する材料は、燃料特有の有機溶剤に不活性、かつ電極が形成できる材料であればよく、例えばセラミックを用いてもよい。検出電極1,2は、基板50上に形成できる材料を用いて形成する。例えば、銀パラジウムペーストを用いた場合は、パターンを厚膜印刷し、または銅・金・アルミニウムなどの金属を用いた場合は薄膜パターンを蒸着してもよい。金属をパターン蒸着等する場合は、燃料による腐食を防止するために、表面にニッケルなどの腐食に強い金属でコーティングしてもよい。パターンの厚みは例えば0.8mmであるが、さらに薄くてもよい。基板50上には、検出電極1,2を片面にのみ形成しているが、例えば基板を加工する際にスルーホールを作成できる場合は、検出電極1,2などを両面に配置し、両面パターン基板とすれば、燃料検出装置をより小型化することができる。
【0015】
対向電極10は、筒状、例えば円筒形状、角筒形状などに形成し、内部には燃料が充填される。対向電極10には、基板50を固定するためのスリット11を設けてもよい。さらに、接地電極9を、基板50と対向電極10とが接触する部分に設置した場合、対向電極10は、接地電極9と電気接触する。さらに、接地電極9が接地電位を有するようにすれば、対向電極10も接地電位を有する。これにより、各電極対への外来ノイズ混入を防止できるという利点がある。
【0016】
また、対向電極10のサイズを小さくすることで、計測する燃料容量を狭い範囲に限定することができるため、燃料のゆれや燃料タンクの傾きによる燃料液位誤差を抑制することができるという利点がある。対向電極10は、基板50で仕切られた燃料充填部12を有する。燃料充填部12は、燃料が流入流出する部分である。燃料の流入流出をスムーズにするために、対向電極10をメッシュ状、または複数の穴を開けた形状にしてもよい。
【0017】
検出電極1と電気接続している接続配線6は、基板50に設置される。接続配線6はまた、接続電極7とも電気接続しているパターンである。該パターンが厚膜パターンである場合、パターン幅は例えば0.2mmであり、薄膜パターンの場合、パターン幅は例えば0.05mmである。接続電極7のパターンについても、燃料の充填により静電容量が発生するため、極力細いパターンを用いることが好ましい。
【0018】
接続電極7は、検出電極1,2、接続配線6および補償配線8を、静電容量検出部20と電気接続させるためのパターンであり、コネクタとして機能する。検出電極2は、接続電極7と直接電気接続しているが、検出電極2と接続電極7との間に接続配線を設けてもよい。接地電極9は、上述のように、接地電位を有し、対向電極10を回路設置するための電極である。
【0019】
接続配線6は、燃料が充填されると、各検出電極と同様に静電容量を生じる。接続配線6により生じた静電容量が、検出電極1の出力する静電容量C1の誤差となる。したがって、接続配線を可能な限り細くして配線面積を抑えることにより、測定する静電容量誤差を抑制することができる。例えば、静電容量誤差をE、検出電極面積をSD、接続配線面積をSSとした場合、下記の式(1)のように誤差を計算することができる。また、E=X%とした場合、下記の式(2)から、検出電極と接続配線6の面積比を決定することができる。逆に接続配線6のパターン幅とパターン長から接続配線の面積を算出し、誤差Eを推定することもできる。
【0020】
E=SS/SD ・・・(1)
SS=(X/100)×SD ・・・(2)
【0021】
補償配線8は、接続配線6と同様の幅と長さと厚さを有しており、燃料の充填により、接続配線6により生じた静電容量Csと同等な静電容量Chを発生するようにしている。Csを小さくするため、ギャップ長は、例えば0.5mmとすることができるが、燃料タンクの形状または特性に応じて変更してもよい。しかしながら、Csは燃料充填と共に上昇し、また、接続配線6の幅とCsとは比例関係にあるため、接続配線6の幅によってはCsを無視することができない。そのため、検出電極1により生じる静電容量の「出力値」Cm(=C1+Cs)からChを差し引く処理を、静電容量検出部20で行うことが好ましい。これにより、Csをキャンセルすることができ、検出電極1により生じる静電容量C1のみを精度良く計測することができる。検出電極2と接続電極7との間に接続配線を設置した場合は、更なる補償配線を設置してもよい。よって、検出電極1により生じる静電容量C1は、下記の式(3)で算出することができる。
【0022】
C1= Cm − Ch ・・・(3)
【0023】
静電容量検出部20は、各検出電極および補償配線8により生じた静電容量を計測し、信号処理する。例えば、CV(Charge to Voltage)変換部により、計測した静電容量を電圧信号に変換し、該電圧信号を信号処理することにより、燃料性状および燃料液位を検出することができる。尚、静電容量検出部20は、燃料タンクの内部に配置してもよい。
【0024】
前述のように、検出電極の数は2つに限定されず、3つ以上設置してもよい。その場合、各検出電極の数に応じて、接続配線6、接続電極7、および補償配線8の数を変更することができる。ここで、接続電極7においても静電容量が発生するため、各接続電極7はすべて同一形状とするのが好ましい。
【0025】
メータ駆動部30は、静電容量検出部20が検出した燃料性状および燃料液位を、例えば二輪車、四輪車などの燃料メータに表示できるように、電圧または電流などのアナログもしくはデジタルデータに変換し、メータが動作できるように駆動する部分である。メータ駆動部30は、静電容量検出部20が出力するアナログ電圧信号をデジタル値に変換するAD(Analog to Digital)変換部を備えてもよい。また、静電容量検出部20とメータ駆動部30とを一体化してもよい。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す図である。検出電極1,2は、図2中に一点鎖線で示す、燃料充填方向に延びる基板50の中心線に関して線対称になるように、基板50の表面上に、燃料充填方向に並べて設置する。基板50の検出電極1,2の幅は、出力する静電容量に比例する。よって、所望の検出感度に応じて電極幅を大きくしてもよいが、対向電極10と電気接触しないようにする。検出電極1,2の電極幅および電極長は、燃料タンク形状、燃料特性、または燃料メータの特性に応じて調整してもよい。好適な調整を行うことで、燃料液位が燃料タンクまたは燃料メータのどの位置にあっても、ユーザに対して一定の燃料表示をすることができる。
【0027】
次に、静電容量検出部20が、計測した静電容量を基に燃料性状、燃料液位を検出する原理を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。燃料液位が上昇すると、検出電極1,2が順次燃料で覆われ、燃料の比誘電率に応じた静電容量を出力する。燃料充填中に、電極長L1を有する検出電極1が出力する静電容量をC1とする。同様に検出電極2の電極長はL2、出力する静電容量はC2とする。
【0028】
以下の式において、Ckは、燃料が充填されていない状態の静電容量を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量を表す。即ちCkは、燃料が充填されている状態の各電極の出力値から、燃料が充填されていない状態の各電極の出力値を差し引いた値である。これは、燃料メータにおけるE(Empty)レベルを基準に、F(Full)レベルの静電容量を算出することに相当する。逆に、Fレベルの静電容量を基準としてEレベルの静電容量を算出してもよい。
【0029】
燃料液位Lは、下記の式(4)のように、aを比例定数として、C1,C2の静電容量の合計から算出することができる。または、C2のみから燃料液位を算出することもできる。また、燃料の比誘電率εは、下記の式(5)で算出することができる。ただし、nは検出電極数である。また、pは、n以下の自然数であり、式(5)は、n個の検出電極のうち、p個の検出電極が出力する静電容量から燃料液位を算出することを示している。
【0030】
【数1】
【0031】
式(5)の右辺は、静電容量C1,C2と検出電極の既知の電極長L1,L2から得られる直線の傾きを表す。図3では、標準的な燃料Aを充填した場合の傾きの算出の仕方を示している。検出電極1と検出電極2とが、燃料充填方向に間隙を有するように基板50上に設置した場合、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始した時点で、直線の傾きを算出することができる。この場合、検出電極間の間隙に起因して、各検出電極が出力する静電容量が不連続となるため、検出電極2の計測が開始された時点で、検出電極1の最大計測値が判明する。よって、この検出電極1の出力のみを基に、燃料の比誘電率εを算出し、更には燃料性状を検出してもよい。これは、上記の式(5)において、p=1とすることを意味する。
【0032】
比誘電率εは、測定する燃料あるいは誘電体によって異なるため、燃料液位Lは、下記の式(6)のように補正することができる。
【0033】
【数2】
【0034】
以上より、静電容量検出部20において、燃料性状および燃料液位を同時に検出することができることがわかった。燃料液位Lは、図3に示すような、静電容量に従って変化する連続的な出力であるが、検出電極の電極長を小さくし、検出電極を多数設置する場合には、液位を検出電極の検出位置として検出してもよい。n極の検出電極をそれぞれデジタル値に見立て、nビットのデジタル出力としてもよい。例えば、燃料メータの分解能が8ビットであれば、検出電極を8つ設置して、燃料液位に応じて検出した電極位置をデジタル出力してもよい。
【0035】
図4は、検出電極の形状の例を示す図である。図2では、検出電極1と検出電極2との間には、互いに接触しないように、燃料充填方向に間隙を有する。この場合、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始する際、図3に示すように、静電容量の出力は不連続になり、さらには燃料液位の検出も不連続になる。静電容量の出力を連続的にする必要がある場合は、検出電極の端面を、例えば斜め、三角、円弧、などの形状に加工することで、不連続性を緩和することができる。
【0036】
図5は、本発明の実施の形態1による検出電極の設置例を示す構成図である。図5の構成は、基板50が両面パターンを利用できる場合に実施可能である。検出電極1、接続配線6および補償配線8を基板50の表面に設置し、検出電極2を裏面に設置する。検出電極1と検出電極2とは、燃料充填方向に間隙がないように配置する。このように配置することで、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始する際に、燃料液位が不連続に検出されることを回避できる。接続電極7および接地電極9は、表面または裏面のいずれに設置してもよい。尚、基板50のどちらの面を表面、裏面としてもよい。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態1による燃料検出装置の一例を示す構成図である。図6の構成のうち図1の構成と異なるのは、燃料温度を計測するための温度検出部40、および基板50上に温度検出素子13、例えばサーミスタをさらに設けている点である。サーミスタなどはガソリンなどの有機溶剤により腐食しやすいため、ガラスコーティングなどにより保護する必要があり、コスト高になる。しかしながら、燃料タンク内の燃料温度は、燃料タンク上面の温度と熱平衡になると仮定できるため、燃料タンク上面に温度検出素子13を設置した場合でも燃料温度を測定することができる。また、燃料タンク内の燃料と熱平衡状態にある部分の温度を測定すればよく、例えば検出電極1,2、静電容量検出部20の周辺などの温度を測定してもよい。低コスト化を図るために、燃料タンク上面に温度検出素子13を設置してもよい。図6においては、静電容量検出部20および温度検出部40は、燃料タンクの外部に配置しているが、燃料タンク内に配置してもよい。静電容量検出部20に、燃料の比誘電率の温度依存性を予め記憶させておけば、測定した燃料温度に基づいて、比誘電率εを補正し、さらには静電容量C1,C2を補正することができ、より精度の高い燃料液位を得ることができる。
【0038】
図7は、静電容量検出部およびメータ駆動部が行う信号処理を示すフローチャートである。静電容量検出部20およびメータ駆動部30に電源が供給されると、信号処理が開始される。「初期化」ステップS1では、内部遅延処理、メモリの初期化および校正処理などを行う。「温度検出」ステップS2では、燃料温度を検出する。上述のように、燃料温度を直接測定する必要はなく、燃料温度と熱平衡状態にある部分の温度を測定してもよい。「性状検出」ステップS3では、検出電極1の出力値C1を基に燃料性状を検出する。次に、予め取得し、メモリに記憶させておいた燃料性状と静電容量との関係を表す特性マップにC1をマッチングさせることによって、検出した燃料性状を補正してもよい。「異常診断」ステップS4では、温度検出ステップで測定した温度が所定の範囲にあるか否か、各検出電極の出力の初期値が所定の範囲にあるか否か、電源電圧が所定の電圧範囲にあるか否か、などの判断処理を行う。また通常、検出電極1全体は、燃料に浸っている状態にある。よって、検出電極1全体が燃料に浸っていない場合、このステップで、燃料不足を示す状態異常として処理してもよい。
【0039】
異常診断が正常であれば、「性状温度補正」ステップS5に進む。本ステップでは、温度検出ステップで検出した温度を基に、予め取得し、メモリに記憶させておいた燃料性状と温度との関係を表す特性マップを用いて、検出した燃料性状を補正することができる。「液位検出」ステップS6では、検出電極2の出力値C2を計測する。「液位誤差補正」ステップS7では、ステップS5で記載した特性マップを用いて、ステップS6で得られた検出電極2の出力値C2を誤差補正する。「液位性状補正」ステップS8では、燃料性状をもたらすC1および燃料液位をもたらすC2から、C2/C1を計算し、C2の性状補正を行う。「液位出力」ステップS9では、メモリマップや近似式からC2/C1を用いて、液位Lに変換し出力する。このとき、表示する燃料メータに適合するように液位を出力する。「メータ駆動」ステップS11では、液位出力に応じた電圧、電流などに変換して燃料メータを駆動する。本発明では、パルス幅変調(PWM)方式を採用し、液位出力に応じたパルス幅駆動出力としているが、他の方式を採用してもよい。
【0040】
以上、本実施形態では、燃料タンク内に配置した基板上に、検出電極を燃料充填方向に並べて設置し、燃料性状および燃料液位を同時に検出した。また、燃料性状検出電極の静電容量のみを基に、燃料性状を検出することもできる。また、測定した燃料の比誘電率および温度から、燃料液位を補正できるため、高精度の液位を出力できる燃料検出装置を提供することができる。また、検出電極1,2を燃料充填方向に並べて設置することで、小型の燃料検出装置を提供することができる。さらに、対向電極の寸法を小さくした場合、計測する燃料容量を狭い範囲に限定することができ、燃料のゆれやタンクの傾きによる燃料液位誤差を抑制することができる。
【0041】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2による検出電極の設置例を示す図である。図8(a)〜(c)は、基板50上に検出電極1〜5を設置した構成を示している。本実施形態においては、基板50上に設置された検出電極1〜5は、各電極間に燃料充填方向の間隙を設けており、各検出電極の出力する静電容量が不連続になる。本実施形態では、該不連続性を利用して、各検出電極ごとに燃料の性状を検出するという特徴を有する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0042】
尚、本実施形態においては、検出電極を5つ設置しているが、2つ以上であればよく、3〜5つ、または6つ以上設置してもよい。これは、以降の実施形態でも同様である。
【0043】
検出電極1〜5は、図8(a)〜(c)中に一点鎖線で示す、燃料充填方向に延びる基板50の中心線に関して線対称になるように、基板50の表面上に、燃料充填方向に並べて設置する。検出電極1〜5は、基板50の中心線上に、互いに接触しない間隙を空けて配置することで、基板50の幅寸法を小さくすることができる。図8(a)において、検出電極1〜5は、同一の電極幅および電極長を有する構造を有しているが、検出電極1〜5の電極幅および電極長L1〜L5を、燃料タンク形状、燃料特性、または燃料メータの特性に応じて、例えば図8(b)または図8(c)に示すように調整してもよい。好適な調整を行うことで、燃料液位が燃料タンクまたは燃料メータのどの位置にあっても、ユーザに対して一定の燃料表示をすることができる。
【0044】
次に、静電容量検出部20が、検出した静電容量を基に燃料性状および液位を得る原理を、図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態2による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。L1の電極長を有する検出電極1の燃料充填中に、検出電極1が出力する静電容量をC1とする。同様に検出電極2〜5の電極長はL2〜L5、出力する静電容量はC2〜C5とする。
【0045】
燃料液位Lは、実施形態1と同様に、式(4)で与えられる。また、燃料の比誘電率εは、下記の式(7)で算出する。式(7)において、C1〜C5は、実施形態1と同様、燃料が充填されていない状態を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量を表す。また、pは、n以下の自然数であり、式(7)は、式(5)と同様、n個の検出電極のうち、p個の検出電極が出力する静電容量から燃料液位を算出することを示している。
【0046】
【数3】
【0047】
式(7)の右辺は、静電容量Ckと検出電極の既知の電極長Lkとから得られる直線の傾きの平均値を表す。実施形態1では、燃料性状検出電極の出力値またはすべての検出電極の出力値の和から、燃料の比誘電率εを算出し、燃料性状を検出した。それに対して、本実施形態では、各検出電極の出力する静電容量から比誘電率εを算出し、燃料性状を検出する。図9では、標準的な燃料Aを充填した場合の傾きの算出の仕方を示している。各検出電極は、燃料充填方向に間隙を有するように基板50上に設置されている。そのため、下位の検出電極が燃料で満たされて、上位の検出電極が検出を開始した時点で、直線の傾きCk/Lkを算出することができる。また、上記の式(7)により算出した比誘電率εから、実施形態1と同様に、燃料液位Lを式(6)のように補正することができる。
【0048】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3による検出電極の設置例を示す図である。図10(a)〜(c)は、基板50上に検出電極1〜5を設置した構成を示している。本実施形態においては、燃料液位の出力の不連続性を回避している点を特徴とする。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0049】
検出電極1〜5は、図10(a)〜(c)中に一点鎖線で示す、燃料充填方向に延びる基板50の中心線から、一定距離隔てて千鳥状に設置している。各検出電極を、基板50の中心線上に、互いに接触しないように間隙を空けて配置することで、基板50の幅寸法を小さくすることができる。図10(a)において、検出電極1〜5は、同一の電極幅および電極長を有する構造を有しているが、検出電極1〜5の電極幅および電極長L1〜L5を、燃料タンク形状、燃料特性、または燃料メータの特性に応じて、例えば図10(b)または図10(c)に示すように調整してもよい。好適な調整を行うことで、燃料液位が燃料タンクまたは燃料メータのどの位置にあっても、ユーザに対して一定の燃料表示をすることができる。
【0050】
図11は、本発明の実施の形態3による、燃料液位と出力される静電容量との関係を示すグラフである。本実施形態においても、実施形態1と同様に、式(5)から燃料の比誘電率を算出し、式(4)によって検出した燃料液位を、式(6)によって補正することができる。各検出電極は、互いに間隙を有しないように設置している。その結果、各検出電極の静電容量Ckを隙間なく検出することができるため、燃料液位Lを連続的に検出することができる。
【符号の説明】
【0051】
1〜5 検出電極、 6 接続配線、 7 接続電極、 8 補償配線、 9 接地電極、 10 対向電極、 11 スリット、 12 燃料充填部、 13 温度検出素子、 20 静電容量検出部、 30 メータ駆動部、 40 温度検出部、 50 基板、 100 燃料検出装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、
各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、
静電容量検出部は、第1検出電極〜第m検出電極(1≦m<n)の出力のみから燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする燃料検出装置。
【請求項2】
燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、
各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、
静電容量検出部は、各検出電極の出力および燃料充填方向に延びる電極長から燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする燃料検出装置。
【請求項3】
静電容量検出部は、各検出電極の出力する静電容量の和、および算出した比誘電率から燃料液位を検出することを特徴とする請求項1または2記載の燃料検出装置。
【請求項4】
各検出電極の電極長をLk、燃料が充填されていない状態を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量をCk、燃料の比誘電率をε、燃料液位をL、比例定数をaとして、
【数1】
を満たすことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項5】
各検出電極の電極長をLk、燃料が充填されていない状態を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量をCk、燃料の比誘電率をε、燃料液位をL、比例定数をaとして、
【数2】
を満たすことを特徴とする2または3記載の燃料検出装置。
【請求項6】
各検出電極は基板上に設置され、
筒状の対向電極が、基板の周囲に配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項7】
対向電極に、基板を固定するための溝を設け、
接地電極が、基板と対向電極とが接触する部分に設置され、
接地電極と対向電極とを電気的に接続させ、かつ外乱を避けるために接地電位としたことを特徴とする請求項6記載の燃料検出装置。
【請求項8】
燃料の温度を検出するための温度検出部をさらに備え、
静電容量検出部は、温度検出部の出力値を基に、各検出電極の出力を補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項9】
静電容量検出部は、各検出電極の出力、および/または温度検出部の出力が正常範囲にあるか否かを判別する異常判定処理を行うことを特徴とする請求項8記載の燃料検出装置。
【請求項10】
燃料メータを駆動するためのメータ駆動部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項11】
燃料メータの表示単位数を検出電極数nとし、燃料メータ駆動部の、燃料液位に応じた出力値をデジタル出力することを特徴とする請求項10記載の燃料検出装置。
【請求項12】
各検出電極は、燃料充填方向に延びる基板の中心線から一定距離隔てて千鳥状に設置され、かつ、燃料充填方向に互いに間隙を有しないように設置されることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項1】
燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、
各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、
静電容量検出部は、第1検出電極〜第m検出電極(1≦m<n)の出力のみから燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする燃料検出装置。
【請求項2】
燃料充填方向に並べて設置された第1検出電極〜第n検出電極(n≧2)と、
各検出電極の出力を処理し、燃料性状および燃料液位を検出するための静電容量検出部とを備える燃料検出装置であって、
静電容量検出部は、各検出電極の出力および燃料充填方向に延びる電極長から燃料の比誘電率を算出し、該比誘電率を基に燃料性状を検出することを特徴とする燃料検出装置。
【請求項3】
静電容量検出部は、各検出電極の出力する静電容量の和、および算出した比誘電率から燃料液位を検出することを特徴とする請求項1または2記載の燃料検出装置。
【請求項4】
各検出電極の電極長をLk、燃料が充填されていない状態を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量をCk、燃料の比誘電率をε、燃料液位をL、比例定数をaとして、
【数1】
を満たすことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項5】
各検出電極の電極長をLk、燃料が充填されていない状態を基準とした場合の、各検出電極が出力する静電容量をCk、燃料の比誘電率をε、燃料液位をL、比例定数をaとして、
【数2】
を満たすことを特徴とする2または3記載の燃料検出装置。
【請求項6】
各検出電極は基板上に設置され、
筒状の対向電極が、基板の周囲に配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項7】
対向電極に、基板を固定するための溝を設け、
接地電極が、基板と対向電極とが接触する部分に設置され、
接地電極と対向電極とを電気的に接続させ、かつ外乱を避けるために接地電位としたことを特徴とする請求項6記載の燃料検出装置。
【請求項8】
燃料の温度を検出するための温度検出部をさらに備え、
静電容量検出部は、温度検出部の出力値を基に、各検出電極の出力を補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項9】
静電容量検出部は、各検出電極の出力、および/または温度検出部の出力が正常範囲にあるか否かを判別する異常判定処理を行うことを特徴とする請求項8記載の燃料検出装置。
【請求項10】
燃料メータを駆動するためのメータ駆動部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の燃料検出装置。
【請求項11】
燃料メータの表示単位数を検出電極数nとし、燃料メータ駆動部の、燃料液位に応じた出力値をデジタル出力することを特徴とする請求項10記載の燃料検出装置。
【請求項12】
各検出電極は、燃料充填方向に延びる基板の中心線から一定距離隔てて千鳥状に設置され、かつ、燃料充填方向に互いに間隙を有しないように設置されることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の燃料検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【公開番号】特開2013−88374(P2013−88374A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231411(P2011−231411)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]