燃料油の活性化装置
【課題】輸送管内を流れる燃料に対して、輸送管の外側に配置する磁石及びその磁極の配置を考慮し、磁力線の方向、磁気回路の形成及び磁束密度が、最も好ましい結果となるようにした燃料活性化装置の提供。
【解決手段】非磁性材料により構成される燃料輸送管4の外周面には、燃料輸送管4側がN極その反対側がS極である部分円筒永久磁石と、燃料輸送管4側がS極その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石3の組み合わせが固定され、前記その反対側の外周面には円筒状ヨーク6が設けられており、燃料輸送管4の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石3の組み合わせが燃料輸送管4と円筒状ヨーク6に囲まれて接続されていることを特徴とする燃料輸送管4を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置1。
【解決手段】非磁性材料により構成される燃料輸送管4の外周面には、燃料輸送管4側がN極その反対側がS極である部分円筒永久磁石と、燃料輸送管4側がS極その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石3の組み合わせが固定され、前記その反対側の外周面には円筒状ヨーク6が設けられており、燃料輸送管4の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石3の組み合わせが燃料輸送管4と円筒状ヨーク6に囲まれて接続されていることを特徴とする燃料輸送管4を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料油の活性化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
採掘された原油を利用する際には、幾多の処理を必要とする。原油は種々の物質の混合物であり、混合物として産出される。例えば、原油にはワックスなどの高粘性物質を含む場合があり、この粘性を下げることは輸送上又利用する点からも必要とされる。この原油を磁石により形成される磁界中を通過させて磁化処理すると、特定の温度における粘度を下げることができ、原油の結晶化点を低下させることができる。また、一方では含まれるワックス成分の低分子パラフィンヘの固化を防止することできることが知られている。その結果、磁界中に原油を通過させることによりワックス成分が管壁に対する付着を防止することができる。このようなことから原油の処理に磁化処理が注目され、利用されてきた。磁界による燃料処理により燃料を微粒子化し、活性化することができるとして燃料の改質が行われる。この改質操作による活性化により、燃料油の燃費の改善及び窒素酸化物の発生の低減に役立つとされ、期待が寄せられている。
【0003】
この種の活性化処理装置には、燃料油が通過する管の外側にケース体を取り付け、そのケース体内部に管を挟んで平板状の永久磁石とヨークが相対するように配置されている磁気処理装置(特許文献1)、また管を挟んで平板状の磁石体がスライド支持体に取り付けられている流体処理装置(特許文献2)、管を挟んで磁石体がU字形に取り付けられている装置(特許文献3)、管状体に外接して平板状の磁力線印加装置を設置する燃料処理装置(特許文献4)、燃料油が流れる流路に、この流路に交差する磁石発生手段がN極とS極とが対向する磁石である燃料油分解装置(特許文献5)等が知られている。
また、燃料の流れ方向に向かって一対の磁石を配置し、3個からなるS方向が輸送管面に平面状の磁石を配置した装置(特許文献6)、同じくスパイラルに配置した装置(特許文献7)、輸送管を挟んで一対の磁石を配置したモジュールを複数個組み合わせて用いる装置(特許文献8)がある。また、燃料管を挟んで、異なる異方性磁気体を配置し、磁界が燃料管に対して直交している改質装置(特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12)が開発された。
これら処理装置の磁石は、輸送管に沿って磁石が配置されておらず、平面状の状態で輸送管外部に取り付けられている。磁石は輸送管に沿って設けられていない。このようなことから、磁力線は燃料油に対して効果的に作用していないので、燃料油に対する作用も十分なものとなっていない点で問題がある。
前記と同様な装置において、輸送管を挟んで設けられる磁石と磁石の間及び輸送方向に対しても間隔を空けて設置した処理装置(特許文献13)が発明された。この発明においては、平面状で輸送管外部に取り付けられており、磁石は輸送管にそって設けられていないという前記の問題点は解決していないし、この発明では磁石と磁石の間隔を空けている点で十分な効果を得ることができないし、このような部分を一つのユニットとして設けるだけでは燃料油の活性化は十分に行うことができないし、磁力線の方向に対する考慮や磁気回路の形成という点では十分な検討がなされておらず、磁束密度を高く維持するという点に対しても十分な検討がなされていない。したがって、この点で十分な効果は期待できない。
【0004】
非磁性材料の輸送管の外側にN極とS極の環状の永久磁石を、燃料油の流れ方向にスペーサを介して設け、輸送管に燃料を供給する燃料処理装置が発明された(特許文献14)。この永久磁石による磁場による交番磁界のN、Sのピーク値は一定であり、ガソリンの油分子を分解する効果が十分ではないことが問題とされた。次に、環状永久磁石をN極とS極が相対した状態でスペーサを介して相互接着させた磁気回路を形成し、交番磁界はゼロ磁界から最大磁界まで増加させ、その後、ゼロ磁界にもどる周期を2以上にした磁石配置の燃料処理装置が開発された(特許文献15)。一方がN極であり、他方がS極である環状又は円板状磁石を、ヨークを介して相互密着させて密閉された磁場発生体を形成し、これを遊嵌状態で保持固定し、磁場発生体と外側ケーシングの間の遊嵌間隙に燃料油を存在させる燃料処理装置が開発された(特許文献16)。この発明では、遊嵌間隙が十分にとることができず、燃料処理量が充分でない問題点がある。磁性体と処理する流体が直接接触させる点が問題とされる。
燃料の流れ方向に向かって一対の磁石を配置し、マイナスイオン発生セラミックスの共存下に行う装置(特許文献17)が、発明された。
これらの装置では、環状に輸送管にそって永久磁石を配置するので、前記輸送管に対して磁石を平板状に配置した場合と比較して、燃料油に対して効果的に磁力線が作用するであろうと言うことは理解できるが、磁力線は燃料油の流れ方向にそって出される結果、磁束密度の点から見ると充分な結果を得ていない。
【0005】
内周面がN極である永久磁石と内周面がS極である永久磁石からなる対向して配置される一対の磁石を複数組用いて輸送管の外部に装着する燃料改質装置が発明された(特許文献18)。この場合に、環中央部の燃料油に対して磁界を及ぼすことができないので、磁石体からなる針状体を磁石から突出させるなどの方法を提案しており、煩雑とならざるを得ないものである。
本発明者は、輸送管の外部に2対の永久磁石を中心に対して対向関係にあるように、具体的にはN極に対してS極が対向するように設置した燃料磁化装置を発明した(特許文献19)。これは、輸送管の中心部を磁力線が通過するようにしたものである。しかしながら、磁力線の方向に対する考慮や磁気回路の形成という点では、まだ十分であるということができず、磁束密度を高く維持するという点に対しても十分ということができない。このことから、十分な効果を期待することができない。
輸送管を挟んで設けられる2対の磁石がN極とS極が交互に組み合わされている改質装置が発明された(特許文献20)。この発明は、燃料油の輸送方向に対して一つのユーツトとして設けられている。この装置においても、磁石と円周方向に隣接する磁石については、大きく間隔を空けて設けられており、満足する結果は期待できない。
【0006】
燃料輸送管の外側に永久磁石を装着し、燃料を活性化させて改質しようとする際には、燃料輸送管に接して環状磁石を設置し、輸送管内及び燃料の流れ方向に対して配置する磁石及び磁極の配置を考慮し、磁力線の方向をどのようにするか、磁気回路の形成をどのようにすると有効であるか、また、磁束密度をどのような状態にすることが有効であるかを検討して、それが最も好ましい結果となるようにすることが必要となる。これらを組み合わせて総合的に検討した燃料改質装置の開発が望まれている。
【特許文献1】特開平11−57727号公報
【特許文献2】特開平10−475号公報
【特許文献3】特開平9−323086号公報
【特許文献4】特開2002−235919号公報
【特許文献5】特開2005−132918号公報
【特許文献6】特開2003−74424号公報
【特許文献7】特開2004−11444号公報
【特許文献8】特開2004−34020号公報
【特許文献9】特開2004−3450号公報
【特許文献10】特開2004−351366号公報
【特許文献11】特開2004−257341号公報
【特許文献12】特開2004−163065号公報
【特許文献13】特開2004−167400号公報
【特許文献14】特公平3−30718号公報
【特許文献15】特開平7−238875号公報
【特許文献16】特開平7−217507号公報
【特許文献17】特開2003−206816号公報
【特許文献18】特開平7−96173号公報
【特許文献19】特開2003−326156号公報
【特許文献20】特開2004−108758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、輸送管内を流れる燃料に対して、輸送管の外側に配置する磁石及びその磁極の配置を考慮し、磁力線の方向、磁気回路の形成及び磁束密度が、最も好ましい結果となるようにした燃料活性化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題について鋭意研究し、以下の知見を得て、本発明を完成させた。
(1)(イ)非磁性材料により構成される燃料輸送管の外周面には、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが固定され、前記その反対側の外周面には円筒状ヨークが設けられている。
このようにすることにより、部分円筒永久磁石のN極から出た磁力線は、輸送管内の燃料の流れ方向の垂直面上を、輸送管の中心に向かって進行するが、中心に向かう途中で、その隣接する部分円筒永久磁石のS極の影響を受けて磁力線は、隣接する部分円筒永久磁石のS極に向かって進む。その結果、輸送管内の中心から離れた周囲の部分に磁力線による作用を十分に及ぼすことができ、全体の磁束密度を高めることができる。
(ロ)前記(イ)に対して、燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料輸送管と円筒状ヨークに囲まれて接続されている。
このようにすることにより、燃料の流れ方向に対しても、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが設けられており、磁力線の方向、磁気回路の形成を十分に行い、磁束密度を高く維持した状態で燃料油を活性化することができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(2)前記(1)(イ)及び(ロ)の場合に、部分円筒永久磁石の組み合わせの各部分円筒永久磁石は、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して接続されている。
その結果、各部分円筒永久磁石がくっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
(3)前記(1)(ロ)の場合に、前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石及び燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続されている複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極を、同じ磁極となるように組み合わせて接続させる。
部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(4)前記(3)の場合に、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続させる。
前記(3)の場合に続き、これに接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの作用による燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(5)前記(1)(ロ)の場合に、前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して接続させる。
複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(6)前記(5)の燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して接続させる。
その結果、燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、くっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
(7)前記(5)の場合に燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせる各磁極に、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、異なる磁極の組み合わせとなるように接続させる。
前記(5)の場合に続き、これに接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの作用による燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができきる。
(8)前記(7)の場合に燃料輸送管の燃料の流れ方向に複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに接続されている。
その結果、燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、くっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
(9)前記(1)から(8)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置が、輸送手段の燃料タンクからエンジンを結ぶ燃料系統に取り付けられ、取り付け板上に固定されている。
この構造とすることにより、(1)から(8)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置を、輸送手段に搭載して使用することができる。
(10)前記(9)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置を取り付け板に設けた固定手段により輸送手段内部に固定することができる。
この構造とすることにより、(9)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置を、輸送手段に固定した状態で搭載して使用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、燃料輸送管を流れる燃料に対して磁力線を効果的に作用させることができ、同時に磁気回路の形成を可能とし、又磁束密度を高い状態に保つことができる。燃料輸送管を流れる燃料に対して、複数組からなる部分円筒永久磁石の組み合わせによる永久磁石の能力を十分に生かして、燃料を十分に活性化することができ、その作用を一層確実なものとして、十分に輸送管内の中心から離れた周囲の部分に磁力線による作用を十分に及ぼすことができ、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明で活性化処理をしようとする燃料油は、石油精製により得られる石油留分である。これらの石油精製により得られる石油留分は、ナフサ、軽油及び重油と呼ばれる留分の炭化水素である。そして、本発明の液体燃料活性化処理装置及び液体燃料活性方法は、石油精製工場の内部に装置を設置して処理することもできるし、自動車やジーゼル車などに搭載して運転稼動中に改質処理を行うこともできる。
【0011】
本発明の燃料活性化装置を図面により説明する。
本発明の燃料活性化装置は、自動車やバス、トラックなどの輸送手段に設置することもできるし、石油精製工場や、場合によっては、燃料の供給施設内に設置して、燃料を十分に活性化し、燃料の燃費の向上を図ることができる。
自動車やバス、トラックなどの輸送手段に設置する場合には、燃料系統である燃料タンクからエンジンの間に設ける。
図1は、燃料系統である燃料タンクからエンジンの間に設けられ、燃料をエンジンに供給する燃料活性化装置側面の部分断面図である。
図2は、燃料活性化装置が取り付け板上に固定されている状態を示す図である。
図3は、取り付け板上に固定されて燃料活性化装置の取り付け板に設けられている固定手段の状態を示す図である。
図4〜6は、図1のA−A’部分の断面図である。
図7〜9は、図4〜6のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した場合を示す図である。
図10は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極と、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図11は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図12は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図13は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図14は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図である。
図15は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管健がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図である。
図16は、磁気回路の形成を示す図である。
図17は、磁気回路の形成を示す図である。
図18は、2組の部分円筒磁石により構成される場合の燃料輸送管の燃料の流れ方向に対して垂直断面の磁力線の分布をシュミレーションした結果を示す図である。
【0012】
図1により、燃料活性化装置を説明する。
燃料活性化装置1は、非磁性材料によるカバーパイプ5により囲まれており、カバーパイプ5の両端はエンドキャップ7により閉ざされている。
カバーパイプ5の中心部には燃料油が通る非磁性材料による燃料輸送管4が設置されている。燃料輸送管4の外周面には、部分円筒状永久磁石3が設置されている。部分円筒状永久磁石3の外側には円筒状ヨーク6が設置されている。
各円筒状ヨーク6は接着剤2により接着されている。接着剤2は円筒状ヨーク6が自由に動くことを防止している。
燃料輸送管の両端の一方は、エンジンに続く輸送管に、他の一方はタンクからの燃料輸送管に接続される接合部8が接続している。燃料輸送管の接合部両端部の接合部は、燃料活性化装置に結ばれる配管部により接合される。接合部8には、フランジを設けて燃料供給管と接続させることもできる。
燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせる場合(この構造については後で述べる)には、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)9を介して接続させる。
これに対して、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを接続する場合(この構造については後で述べる)には、間隔をあけたり、スペーサ(非磁性体板)9を設けることは必要なく、これらを介さずに接続してよい。
【0013】
図2により燃料活性化装置が取り付け板上に固定されている状態を説明する。
燃料活性化装置は、以下のようにして固定される。
非磁性材料によるカバーパイプ5の端部のエンドキャップ7にゴム製の緩衝材15を取り付け、ゴム製の緩衝材15を介して金属製の固定手段11を燃料活性化装置に取り付ける。金属製の固定手段11を金属板12の穴から金属板の裏面に通し、金属板の裏面の金属製の固定手段をビス等止めすることにより、燃料活性化装置を金属板に固定する。金属板は直角状のL字状のものを図示している。これは平面状であってもよい。また、金属板に燃料活性化装置を金属製の固定手段により平面状金属板に固定しているが、L字状のもう一方の金属板にまたがって、固定してもよい。
【0014】
図3により、燃料活性化装置が輸送手段に固定される状態を説明する。前記の通り、燃料化活性化装置が金属板に固定されている。燃料活性化装置を固定化している金属板の裏面には、金属板を固定するために、永久磁石からなる固定手段13を取り付ける。固定手段13により自動車やバス、トラックなどの輸送手段に固定することができる。
【0015】
図4、5及び6は、図1のA−A’部分の断面である。
燃料活性化装置の燃料輸送管4は、非磁性材料で形成されている。非磁性体とすることで磁力線の透磁を妨げない結果、磁石による磁力線の通過を邪魔しないようになっている。
非磁性材料としては、例えば、SUS304などが採用されている。
燃料輸送管4の外壁は、その外側が強磁性材料の円筒状ヨーク6が、空間を介して外周にそって湾曲されて設けられており、円筒状ヨーク6と燃料輸送管4により形成される環状部分が形成されている。
非磁性材料により構成される燃料輸送管4の外周面には、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石(3a)と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石(3b)からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが固定されている。反対側の外周面には円筒状ヨーク6が設けられている。
図4は、2組の部分円筒永久磁石の組み合わせ、図5は3組の部分円筒永久磁石の組み合わせ、及び図6は3組の部分円筒永久磁石の組み合わせの状態を示している。
【0016】
部分円筒状永久磁石の組み合わせの中のN極からの磁力線は、燃料輸送管4の中心部に向かい、隣接する二つのS極に向かって分かれて進む。この磁力線の方向が変わることにより燃料輸送管の外周部分を含めて磁束密度を全体に高い状態に保つことができる(図4、5及び6では磁力線の方向を示している)。
【0017】
前記図7から13は、前記部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a及び3b)の各部分円筒永久磁石(3a)、(3a)は、各々間隔をあけて又はスペーサ(10)を介して設けられていることを示している。スペーサは、燃料輸送管と同じく非磁性体で構成される。
その結果、部分円筒状永久磁石がくっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
【0018】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料輸送管と円筒状ヨークに囲まれて接続されている態様については、以下の2種類がある。
(1)前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている(図10、図11)。
(2)前記燃料輸送管側がN極その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている(図12、図13)。
【0019】
前記(1)の場合について説明する。
図10(左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、右側燃料輸送管の流れ方向断面図)は、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)に関し、複数組が2組からなる場合を示している。燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側(または円筒状ヨーク側)から見て同じ磁極となる。
そして、複数組の部分円筒永久磁石1に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石2の組み合わせが接続されている。図10では、燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極と、これに接続する部分円筒永久磁石2の磁極は、同じN極である場合として図示されている。
これは、同じ磁極の部分円筒永久磁石が接続されていることを示している。
図11は、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)に関し、複数組が3組からなる場合を示している。燃料輸送管を介して燃料輸送管に面している部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側から見て異なる磁極となる(図11左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、図11右但燃料輸送管の流れ方向断面図)。そして、複数組の部分円筒永久磁石1の組み合わせに対して、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石2が組み合わされて接続されている。図11では、燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はNであり、燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石1の磁極はS極であり、これらの部分円筒磁石の燃料の流れ方向に接続する部分円筒永久磁石2の磁極は、部分円筒永久磁石1の磁極であるN極に対応して、部分円筒永久磁石2の磁極はN極が接続しており、部分円筒永久
磁石1’のS極に対応して、部分円筒永久磁石2’の磁極はS極が接続されている。
その結果、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
【0020】
前記(2)の場合について説明する。
図12(左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、右側燃料輸送管の流れ方向断面図)は、複数組が2組からなる部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)を示している。燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側から見て同じ磁極となる。
そして、燃料輸送管の燃料の流れ方向に、複数組の部分円筒永久磁石1の組み合わせの各磁極が、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石に接続されている。図12では、燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はN極であり、これに接続する部分円筒永久磁石2の磁極はS極であり、異なる磁極の磁石が接続されている場合が図示されている。
図13(左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、右側燃料輸送管の流れ方向断面図)は、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)が3組からなる場合を示している。
燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側から見て異なる磁極となる。そして、燃料輸送管の燃料の流れ方向に、複数組の部分円筒永久磁石1の磁極は、異なる磁極の部分円筒永久磁石2に接続されている。燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はNであり、燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石1’の磁極はS極である。これらの部分円筒磁石の燃料の流れ方向に接続する部分円筒永久磁石1の磁極Nに対応して、部分円筒永久磁石2の磁極はSが接続しており、部分円筒永久磁石1’の磁極はS極であり、部分円筒永久磁石2’の磁極はN極が接続されている。
その結果、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、部分円筒永久磁石の組み合わせの燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
【0021】
前記(2)の場合には、以下の場合が含まれる。
図14は、複数組の部分円筒永久磁石1は、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石2に接続されている。燃料輸送管側の部分円筒永久磁石の磁極はNであり、これに接続する部分円筒永久磁石の磁極はS極である場合が図示されている。この場合に部分円筒永久磁石1と部分円筒永久磁石2の間は一定の間隔を空けてまたはスペーサ14を介して接続する。
図15は、同じく複数組の部分円筒永久磁石1は、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石2に接続されている。燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はNであり、燃料輸送管の中心に対して相対する部分円筒永久磁石の磁極2’はN極であり、これらの部分円筒磁石の燃料の流れ方向に接続する部分円筒永久磁石の磁極に対応して、部分円筒永久磁石2の磁極はSが接続しており、部分円筒永久磁石の磁極1’はS極であり、これに続いて部分円筒永久磁石の磁極2’N極が接続されている。
部分円筒永久磁石1と部分円筒永久磁石2の間は一定の間隔を空けて又はスペーサ14を介して接続する。
その結果、部分円筒永久磁石がつくことによる磁束の短絡、及び部分円筒永久磁石の作用の低下を防止することができる。
【0022】
図16は、前記(1)の場合(前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが接続されている場合)の磁気回路の形成を示す図である。
燃料輸送管側の部分円筒永久磁石のN極から隣接する部分円筒永久磁石のS極に磁力線が出る(経路イ)。
燃料輸送管側の部分円筒永久磁石のS極から、円筒状ヨーク側の部分円筒永久磁石の磁N極に対して磁力線が出る(経路ロ)。
円筒状ヨーク側の部分円筒永久磁石のN極から、円筒状ヨークを通り、円筒状ヨーク側の部分円筒永久磁石のS極に磁力線が出る(経路ハ)。
部分円筒永久磁石のS極から部分円筒永久磁石のN極に磁力線が出る(経路ニ)。
以上の経路(イ)から(ニ)により磁気回路が形成される。
【0023】
図17は、前記(2)の場合(前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石が接続されている場合)の磁気回路の形成を示す図である。
燃料輸送管側の部分円筒永久磁石のN極から燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に磁力線が出る(経路イ)。
燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石のN極に向かう(経路ロ)。
部分円筒永久磁石のN極に到達した磁力線は円筒状ヨークを通り、燃料の流れ方向の隣接する部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に向かう(経路ハ)。
部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石の燃料輸送管側のN極に向かう(経路ニ)。
部分円筒永久磁石の燃料輸送管側のN極に到着した磁力線は、燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に向かう(経路ホ)。
燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のN極に向かう(経路ヘ)。
部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のN極に到達した磁力線は、円筒状ヨークを通り、燃料の流れ方向の隣接する部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に向かう(経路ト)。
部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石の燃料輸送管側のN極に向かう(経路チ)。
以上の経路(イ)から(チ)により磁気回路が形成される。
【0024】
図18は、2組の部分円筒磁石により構成される場合の燃料輸送管の燃料の流れ方向に対して垂直断面の磁力線の分布をシュミレーションした結果を示している。磁石は、ネオジム鉄ホウ素の希土類磁石を用いたものである。この図はカラーで表現されており、磁力線の強さはカラーによって表現されている。この図面は、カラーを白黒図面にしてあるので、この点が明確ではないので、この点を記述により補う。磁石は、45度を中心にして左下半分がN極であり、右上半分がS極である。磁力線はNからSに向かって流れる。
磁石は5.90〜6.29Kガウス、磁石に接する輸送管部分では4.3〜4.7Kガウスである。磁力線はNとSの境目部分のN極右斜め上に向かって4.0Kガウスの磁力線が出ている。このようにして出ている磁力線はS極部分に入ると更に右斜め方向に進み、やがて、S極部分の輸送管部分に入る。この部分より更に中心部分においては、3.8Kガウス程度の磁力線がN極側の右斜め上方向より右斜め方向に向かい、やがて、S極部分の輸送管部分に入る。更に、その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.9Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。更に、その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.7Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.5Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。
その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.0Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。磁力線については、その進む方向を矢印で示すと共に、長さによって磁力線の強さを表現している。輸送管の中心部になるに従い、磁力線の存在は少なくなっている。右側の数字は、カラー表示における磁場強度を示している。
輸送管周辺部で4.0Kガウス、輸送管の中心から2/3位のところで1.8Kガウス、中心部のところで、1.0Kガウスを示している。
【実施例1】
【0025】
本発明の燃料活性装置を用いて行った走行実験による燃費の結果は、表1に示すとおりである。
用いた燃料活性化装置は、部分円筒永久磁石が2組、合計4枚の部分円筒永久磁石を燃料管の周囲に配置し、燃料の流れ方向に対して8組を接続した。部分円筒永久磁石は燃料の流れ方向に対して、1個が1、8mmのものを使用した。円筒状ヨークの直径は1.6cm、燃料輸送管の外径は0、8mmであった。これを搭載して行った結果は表1のとおりである。結果を整理すると表2の通りである。
表2の見てみると装着前と装着後では装着後が良好な結果を得ていることがわかる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】燃料系統である燃料タンクからエンジンの間に設けられ、エンジンに供給する燃料活性化装置側面の部分断面図。
【図2】燃料活性化装置が取り付け板上に固定されている状態を示す図。
【図3】取り付け板上に固定されて燃料活性化装置の取り付け板に設けられている固定手段の状態を示す図。
【図4】図1のA−A’部分の断面図。
【図5】図1のA−A’部分の断面図。
【図6】図1のA−A’部分の断面図。
【図7】図4のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した状態を示す図。
【図8】図5のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した状態を示す図。
【図9】図6のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した状態を示す図。
【図10】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図11】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図12】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図13】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図14】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図。
【図15】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図。
【図16】磁気回路の形成を示す図。
【図17】磁気回路の形成を示す図。
【図18】2組の部分円筒磁石により構成される場合の燃料輸送管の燃料の流れ方向に対して垂直断面の磁力線の分布をシュミレーションした結果を示す図。
【符号の説明】
【0029】
1:燃料活性化装置
2:接着剤
3:部分円筒状永久磁石
3a:燃料輸送管側がN極、円筒状ヨーク側がS極である部分円筒永久磁石
3b:燃料輸送管側がS極、円筒状ヨーク側がN極である部分円筒永久磁石
4:燃料輸送艦
5:カバーパイプ
6:円筒状ヨーク
7:エンドキャップ
8:接合部
10:スペーサ
11:固定手段
12:金属板
13:永久久磁石からなる固定手段
14:スペーサ
15:緩衝材
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料油の活性化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
採掘された原油を利用する際には、幾多の処理を必要とする。原油は種々の物質の混合物であり、混合物として産出される。例えば、原油にはワックスなどの高粘性物質を含む場合があり、この粘性を下げることは輸送上又利用する点からも必要とされる。この原油を磁石により形成される磁界中を通過させて磁化処理すると、特定の温度における粘度を下げることができ、原油の結晶化点を低下させることができる。また、一方では含まれるワックス成分の低分子パラフィンヘの固化を防止することできることが知られている。その結果、磁界中に原油を通過させることによりワックス成分が管壁に対する付着を防止することができる。このようなことから原油の処理に磁化処理が注目され、利用されてきた。磁界による燃料処理により燃料を微粒子化し、活性化することができるとして燃料の改質が行われる。この改質操作による活性化により、燃料油の燃費の改善及び窒素酸化物の発生の低減に役立つとされ、期待が寄せられている。
【0003】
この種の活性化処理装置には、燃料油が通過する管の外側にケース体を取り付け、そのケース体内部に管を挟んで平板状の永久磁石とヨークが相対するように配置されている磁気処理装置(特許文献1)、また管を挟んで平板状の磁石体がスライド支持体に取り付けられている流体処理装置(特許文献2)、管を挟んで磁石体がU字形に取り付けられている装置(特許文献3)、管状体に外接して平板状の磁力線印加装置を設置する燃料処理装置(特許文献4)、燃料油が流れる流路に、この流路に交差する磁石発生手段がN極とS極とが対向する磁石である燃料油分解装置(特許文献5)等が知られている。
また、燃料の流れ方向に向かって一対の磁石を配置し、3個からなるS方向が輸送管面に平面状の磁石を配置した装置(特許文献6)、同じくスパイラルに配置した装置(特許文献7)、輸送管を挟んで一対の磁石を配置したモジュールを複数個組み合わせて用いる装置(特許文献8)がある。また、燃料管を挟んで、異なる異方性磁気体を配置し、磁界が燃料管に対して直交している改質装置(特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12)が開発された。
これら処理装置の磁石は、輸送管に沿って磁石が配置されておらず、平面状の状態で輸送管外部に取り付けられている。磁石は輸送管に沿って設けられていない。このようなことから、磁力線は燃料油に対して効果的に作用していないので、燃料油に対する作用も十分なものとなっていない点で問題がある。
前記と同様な装置において、輸送管を挟んで設けられる磁石と磁石の間及び輸送方向に対しても間隔を空けて設置した処理装置(特許文献13)が発明された。この発明においては、平面状で輸送管外部に取り付けられており、磁石は輸送管にそって設けられていないという前記の問題点は解決していないし、この発明では磁石と磁石の間隔を空けている点で十分な効果を得ることができないし、このような部分を一つのユニットとして設けるだけでは燃料油の活性化は十分に行うことができないし、磁力線の方向に対する考慮や磁気回路の形成という点では十分な検討がなされておらず、磁束密度を高く維持するという点に対しても十分な検討がなされていない。したがって、この点で十分な効果は期待できない。
【0004】
非磁性材料の輸送管の外側にN極とS極の環状の永久磁石を、燃料油の流れ方向にスペーサを介して設け、輸送管に燃料を供給する燃料処理装置が発明された(特許文献14)。この永久磁石による磁場による交番磁界のN、Sのピーク値は一定であり、ガソリンの油分子を分解する効果が十分ではないことが問題とされた。次に、環状永久磁石をN極とS極が相対した状態でスペーサを介して相互接着させた磁気回路を形成し、交番磁界はゼロ磁界から最大磁界まで増加させ、その後、ゼロ磁界にもどる周期を2以上にした磁石配置の燃料処理装置が開発された(特許文献15)。一方がN極であり、他方がS極である環状又は円板状磁石を、ヨークを介して相互密着させて密閉された磁場発生体を形成し、これを遊嵌状態で保持固定し、磁場発生体と外側ケーシングの間の遊嵌間隙に燃料油を存在させる燃料処理装置が開発された(特許文献16)。この発明では、遊嵌間隙が十分にとることができず、燃料処理量が充分でない問題点がある。磁性体と処理する流体が直接接触させる点が問題とされる。
燃料の流れ方向に向かって一対の磁石を配置し、マイナスイオン発生セラミックスの共存下に行う装置(特許文献17)が、発明された。
これらの装置では、環状に輸送管にそって永久磁石を配置するので、前記輸送管に対して磁石を平板状に配置した場合と比較して、燃料油に対して効果的に磁力線が作用するであろうと言うことは理解できるが、磁力線は燃料油の流れ方向にそって出される結果、磁束密度の点から見ると充分な結果を得ていない。
【0005】
内周面がN極である永久磁石と内周面がS極である永久磁石からなる対向して配置される一対の磁石を複数組用いて輸送管の外部に装着する燃料改質装置が発明された(特許文献18)。この場合に、環中央部の燃料油に対して磁界を及ぼすことができないので、磁石体からなる針状体を磁石から突出させるなどの方法を提案しており、煩雑とならざるを得ないものである。
本発明者は、輸送管の外部に2対の永久磁石を中心に対して対向関係にあるように、具体的にはN極に対してS極が対向するように設置した燃料磁化装置を発明した(特許文献19)。これは、輸送管の中心部を磁力線が通過するようにしたものである。しかしながら、磁力線の方向に対する考慮や磁気回路の形成という点では、まだ十分であるということができず、磁束密度を高く維持するという点に対しても十分ということができない。このことから、十分な効果を期待することができない。
輸送管を挟んで設けられる2対の磁石がN極とS極が交互に組み合わされている改質装置が発明された(特許文献20)。この発明は、燃料油の輸送方向に対して一つのユーツトとして設けられている。この装置においても、磁石と円周方向に隣接する磁石については、大きく間隔を空けて設けられており、満足する結果は期待できない。
【0006】
燃料輸送管の外側に永久磁石を装着し、燃料を活性化させて改質しようとする際には、燃料輸送管に接して環状磁石を設置し、輸送管内及び燃料の流れ方向に対して配置する磁石及び磁極の配置を考慮し、磁力線の方向をどのようにするか、磁気回路の形成をどのようにすると有効であるか、また、磁束密度をどのような状態にすることが有効であるかを検討して、それが最も好ましい結果となるようにすることが必要となる。これらを組み合わせて総合的に検討した燃料改質装置の開発が望まれている。
【特許文献1】特開平11−57727号公報
【特許文献2】特開平10−475号公報
【特許文献3】特開平9−323086号公報
【特許文献4】特開2002−235919号公報
【特許文献5】特開2005−132918号公報
【特許文献6】特開2003−74424号公報
【特許文献7】特開2004−11444号公報
【特許文献8】特開2004−34020号公報
【特許文献9】特開2004−3450号公報
【特許文献10】特開2004−351366号公報
【特許文献11】特開2004−257341号公報
【特許文献12】特開2004−163065号公報
【特許文献13】特開2004−167400号公報
【特許文献14】特公平3−30718号公報
【特許文献15】特開平7−238875号公報
【特許文献16】特開平7−217507号公報
【特許文献17】特開2003−206816号公報
【特許文献18】特開平7−96173号公報
【特許文献19】特開2003−326156号公報
【特許文献20】特開2004−108758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、輸送管内を流れる燃料に対して、輸送管の外側に配置する磁石及びその磁極の配置を考慮し、磁力線の方向、磁気回路の形成及び磁束密度が、最も好ましい結果となるようにした燃料活性化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題について鋭意研究し、以下の知見を得て、本発明を完成させた。
(1)(イ)非磁性材料により構成される燃料輸送管の外周面には、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが固定され、前記その反対側の外周面には円筒状ヨークが設けられている。
このようにすることにより、部分円筒永久磁石のN極から出た磁力線は、輸送管内の燃料の流れ方向の垂直面上を、輸送管の中心に向かって進行するが、中心に向かう途中で、その隣接する部分円筒永久磁石のS極の影響を受けて磁力線は、隣接する部分円筒永久磁石のS極に向かって進む。その結果、輸送管内の中心から離れた周囲の部分に磁力線による作用を十分に及ぼすことができ、全体の磁束密度を高めることができる。
(ロ)前記(イ)に対して、燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料輸送管と円筒状ヨークに囲まれて接続されている。
このようにすることにより、燃料の流れ方向に対しても、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが設けられており、磁力線の方向、磁気回路の形成を十分に行い、磁束密度を高く維持した状態で燃料油を活性化することができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(2)前記(1)(イ)及び(ロ)の場合に、部分円筒永久磁石の組み合わせの各部分円筒永久磁石は、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して接続されている。
その結果、各部分円筒永久磁石がくっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
(3)前記(1)(ロ)の場合に、前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石及び燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続されている複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極を、同じ磁極となるように組み合わせて接続させる。
部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(4)前記(3)の場合に、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続させる。
前記(3)の場合に続き、これに接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの作用による燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(5)前記(1)(ロ)の場合に、前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して接続させる。
複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
(6)前記(5)の燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して接続させる。
その結果、燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、くっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
(7)前記(5)の場合に燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせる各磁極に、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを、異なる磁極の組み合わせとなるように接続させる。
前記(5)の場合に続き、これに接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの作用による燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができきる。
(8)前記(7)の場合に燃料輸送管の燃料の流れ方向に複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)を介して異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに接続されている。
その結果、燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、くっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
(9)前記(1)から(8)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置が、輸送手段の燃料タンクからエンジンを結ぶ燃料系統に取り付けられ、取り付け板上に固定されている。
この構造とすることにより、(1)から(8)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置を、輸送手段に搭載して使用することができる。
(10)前記(9)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置を取り付け板に設けた固定手段により輸送手段内部に固定することができる。
この構造とすることにより、(9)の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置を、輸送手段に固定した状態で搭載して使用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、燃料輸送管を流れる燃料に対して磁力線を効果的に作用させることができ、同時に磁気回路の形成を可能とし、又磁束密度を高い状態に保つことができる。燃料輸送管を流れる燃料に対して、複数組からなる部分円筒永久磁石の組み合わせによる永久磁石の能力を十分に生かして、燃料を十分に活性化することができ、その作用を一層確実なものとして、十分に輸送管内の中心から離れた周囲の部分に磁力線による作用を十分に及ぼすことができ、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明で活性化処理をしようとする燃料油は、石油精製により得られる石油留分である。これらの石油精製により得られる石油留分は、ナフサ、軽油及び重油と呼ばれる留分の炭化水素である。そして、本発明の液体燃料活性化処理装置及び液体燃料活性方法は、石油精製工場の内部に装置を設置して処理することもできるし、自動車やジーゼル車などに搭載して運転稼動中に改質処理を行うこともできる。
【0011】
本発明の燃料活性化装置を図面により説明する。
本発明の燃料活性化装置は、自動車やバス、トラックなどの輸送手段に設置することもできるし、石油精製工場や、場合によっては、燃料の供給施設内に設置して、燃料を十分に活性化し、燃料の燃費の向上を図ることができる。
自動車やバス、トラックなどの輸送手段に設置する場合には、燃料系統である燃料タンクからエンジンの間に設ける。
図1は、燃料系統である燃料タンクからエンジンの間に設けられ、燃料をエンジンに供給する燃料活性化装置側面の部分断面図である。
図2は、燃料活性化装置が取り付け板上に固定されている状態を示す図である。
図3は、取り付け板上に固定されて燃料活性化装置の取り付け板に設けられている固定手段の状態を示す図である。
図4〜6は、図1のA−A’部分の断面図である。
図7〜9は、図4〜6のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した場合を示す図である。
図10は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極と、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図11は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図12は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図13は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図である。
図14は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図である。
図15は、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管健がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図である。
図16は、磁気回路の形成を示す図である。
図17は、磁気回路の形成を示す図である。
図18は、2組の部分円筒磁石により構成される場合の燃料輸送管の燃料の流れ方向に対して垂直断面の磁力線の分布をシュミレーションした結果を示す図である。
【0012】
図1により、燃料活性化装置を説明する。
燃料活性化装置1は、非磁性材料によるカバーパイプ5により囲まれており、カバーパイプ5の両端はエンドキャップ7により閉ざされている。
カバーパイプ5の中心部には燃料油が通る非磁性材料による燃料輸送管4が設置されている。燃料輸送管4の外周面には、部分円筒状永久磁石3が設置されている。部分円筒状永久磁石3の外側には円筒状ヨーク6が設置されている。
各円筒状ヨーク6は接着剤2により接着されている。接着剤2は円筒状ヨーク6が自由に動くことを防止している。
燃料輸送管の両端の一方は、エンジンに続く輸送管に、他の一方はタンクからの燃料輸送管に接続される接合部8が接続している。燃料輸送管の接合部両端部の接合部は、燃料活性化装置に結ばれる配管部により接合される。接合部8には、フランジを設けて燃料供給管と接続させることもできる。
燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に接続する異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせる場合(この構造については後で述べる)には、間隔をあけて又はスペーサ(非磁性体板)9を介して接続させる。
これに対して、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせを接続する場合(この構造については後で述べる)には、間隔をあけたり、スペーサ(非磁性体板)9を設けることは必要なく、これらを介さずに接続してよい。
【0013】
図2により燃料活性化装置が取り付け板上に固定されている状態を説明する。
燃料活性化装置は、以下のようにして固定される。
非磁性材料によるカバーパイプ5の端部のエンドキャップ7にゴム製の緩衝材15を取り付け、ゴム製の緩衝材15を介して金属製の固定手段11を燃料活性化装置に取り付ける。金属製の固定手段11を金属板12の穴から金属板の裏面に通し、金属板の裏面の金属製の固定手段をビス等止めすることにより、燃料活性化装置を金属板に固定する。金属板は直角状のL字状のものを図示している。これは平面状であってもよい。また、金属板に燃料活性化装置を金属製の固定手段により平面状金属板に固定しているが、L字状のもう一方の金属板にまたがって、固定してもよい。
【0014】
図3により、燃料活性化装置が輸送手段に固定される状態を説明する。前記の通り、燃料化活性化装置が金属板に固定されている。燃料活性化装置を固定化している金属板の裏面には、金属板を固定するために、永久磁石からなる固定手段13を取り付ける。固定手段13により自動車やバス、トラックなどの輸送手段に固定することができる。
【0015】
図4、5及び6は、図1のA−A’部分の断面である。
燃料活性化装置の燃料輸送管4は、非磁性材料で形成されている。非磁性体とすることで磁力線の透磁を妨げない結果、磁石による磁力線の通過を邪魔しないようになっている。
非磁性材料としては、例えば、SUS304などが採用されている。
燃料輸送管4の外壁は、その外側が強磁性材料の円筒状ヨーク6が、空間を介して外周にそって湾曲されて設けられており、円筒状ヨーク6と燃料輸送管4により形成される環状部分が形成されている。
非磁性材料により構成される燃料輸送管4の外周面には、燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石(3a)と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石(3b)からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが固定されている。反対側の外周面には円筒状ヨーク6が設けられている。
図4は、2組の部分円筒永久磁石の組み合わせ、図5は3組の部分円筒永久磁石の組み合わせ、及び図6は3組の部分円筒永久磁石の組み合わせの状態を示している。
【0016】
部分円筒状永久磁石の組み合わせの中のN極からの磁力線は、燃料輸送管4の中心部に向かい、隣接する二つのS極に向かって分かれて進む。この磁力線の方向が変わることにより燃料輸送管の外周部分を含めて磁束密度を全体に高い状態に保つことができる(図4、5及び6では磁力線の方向を示している)。
【0017】
前記図7から13は、前記部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a及び3b)の各部分円筒永久磁石(3a)、(3a)は、各々間隔をあけて又はスペーサ(10)を介して設けられていることを示している。スペーサは、燃料輸送管と同じく非磁性体で構成される。
その結果、部分円筒状永久磁石がくっつくことによる磁束の短絡、及び磁石の作用の低下を防止することができる。
【0018】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料輸送管と円筒状ヨークに囲まれて接続されている態様については、以下の2種類がある。
(1)前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている(図10、図11)。
(2)前記燃料輸送管側がN極その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている(図12、図13)。
【0019】
前記(1)の場合について説明する。
図10(左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、右側燃料輸送管の流れ方向断面図)は、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)に関し、複数組が2組からなる場合を示している。燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側(または円筒状ヨーク側)から見て同じ磁極となる。
そして、複数組の部分円筒永久磁石1に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石2の組み合わせが接続されている。図10では、燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極と、これに接続する部分円筒永久磁石2の磁極は、同じN極である場合として図示されている。
これは、同じ磁極の部分円筒永久磁石が接続されていることを示している。
図11は、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)に関し、複数組が3組からなる場合を示している。燃料輸送管を介して燃料輸送管に面している部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側から見て異なる磁極となる(図11左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、図11右但燃料輸送管の流れ方向断面図)。そして、複数組の部分円筒永久磁石1の組み合わせに対して、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石2が組み合わされて接続されている。図11では、燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はNであり、燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石1の磁極はS極であり、これらの部分円筒磁石の燃料の流れ方向に接続する部分円筒永久磁石2の磁極は、部分円筒永久磁石1の磁極であるN極に対応して、部分円筒永久磁石2の磁極はN極が接続しており、部分円筒永久
磁石1’のS極に対応して、部分円筒永久磁石2’の磁極はS極が接続されている。
その結果、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
【0020】
前記(2)の場合について説明する。
図12(左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、右側燃料輸送管の流れ方向断面図)は、複数組が2組からなる部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)を示している。燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側から見て同じ磁極となる。
そして、燃料輸送管の燃料の流れ方向に、複数組の部分円筒永久磁石1の組み合わせの各磁極が、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石に接続されている。図12では、燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はN極であり、これに接続する部分円筒永久磁石2の磁極はS極であり、異なる磁極の磁石が接続されている場合が図示されている。
図13(左側燃料輸送管の流れ方向垂直断面図、右側燃料輸送管の流れ方向断面図)は、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせ(3a、3b)が3組からなる場合を示している。
燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石の磁極は燃料輸送管側から見て異なる磁極となる。そして、燃料輸送管の燃料の流れ方向に、複数組の部分円筒永久磁石1の磁極は、異なる磁極の部分円筒永久磁石2に接続されている。燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はNであり、燃料輸送管を介して相対する部分円筒永久磁石1’の磁極はS極である。これらの部分円筒磁石の燃料の流れ方向に接続する部分円筒永久磁石1の磁極Nに対応して、部分円筒永久磁石2の磁極はSが接続しており、部分円筒永久磁石1’の磁極はS極であり、部分円筒永久磁石2’の磁極はN極が接続されている。
その結果、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料の流れ方向に設けられていることにより、部分円筒永久磁石の組み合わせの燃料油に対する作用を一層確実なものとすることができ、磁力線の方向による作用を十分に発揮し、磁気回路の形成ができ、全体の磁束密度を高めることができ、複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせによる燃料油の活性化は十分に行うことができる。
【0021】
前記(2)の場合には、以下の場合が含まれる。
図14は、複数組の部分円筒永久磁石1は、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石2に接続されている。燃料輸送管側の部分円筒永久磁石の磁極はNであり、これに接続する部分円筒永久磁石の磁極はS極である場合が図示されている。この場合に部分円筒永久磁石1と部分円筒永久磁石2の間は一定の間隔を空けてまたはスペーサ14を介して接続する。
図15は、同じく複数組の部分円筒永久磁石1は、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石2に接続されている。燃料輸送管側の部分円筒永久磁石1の磁極はNであり、燃料輸送管の中心に対して相対する部分円筒永久磁石の磁極2’はN極であり、これらの部分円筒磁石の燃料の流れ方向に接続する部分円筒永久磁石の磁極に対応して、部分円筒永久磁石2の磁極はSが接続しており、部分円筒永久磁石の磁極1’はS極であり、これに続いて部分円筒永久磁石の磁極2’N極が接続されている。
部分円筒永久磁石1と部分円筒永久磁石2の間は一定の間隔を空けて又はスペーサ14を介して接続する。
その結果、部分円筒永久磁石がつくことによる磁束の短絡、及び部分円筒永久磁石の作用の低下を防止することができる。
【0022】
図16は、前記(1)の場合(前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが接続されている場合)の磁気回路の形成を示す図である。
燃料輸送管側の部分円筒永久磁石のN極から隣接する部分円筒永久磁石のS極に磁力線が出る(経路イ)。
燃料輸送管側の部分円筒永久磁石のS極から、円筒状ヨーク側の部分円筒永久磁石の磁N極に対して磁力線が出る(経路ロ)。
円筒状ヨーク側の部分円筒永久磁石のN極から、円筒状ヨークを通り、円筒状ヨーク側の部分円筒永久磁石のS極に磁力線が出る(経路ハ)。
部分円筒永久磁石のS極から部分円筒永久磁石のN極に磁力線が出る(経路ニ)。
以上の経路(イ)から(ニ)により磁気回路が形成される。
【0023】
図17は、前記(2)の場合(前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石が接続されている場合)の磁気回路の形成を示す図である。
燃料輸送管側の部分円筒永久磁石のN極から燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に磁力線が出る(経路イ)。
燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石のN極に向かう(経路ロ)。
部分円筒永久磁石のN極に到達した磁力線は円筒状ヨークを通り、燃料の流れ方向の隣接する部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に向かう(経路ハ)。
部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石の燃料輸送管側のN極に向かう(経路ニ)。
部分円筒永久磁石の燃料輸送管側のN極に到着した磁力線は、燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に向かう(経路ホ)。
燃料輸送管側の隣接する部分円筒永久磁石のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のN極に向かう(経路ヘ)。
部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のN極に到達した磁力線は、円筒状ヨークを通り、燃料の流れ方向の隣接する部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に向かう(経路ト)。
部分円筒永久磁石の円筒状ヨーク側のS極に到達した磁力線は、部分円筒永久磁石の燃料輸送管側のN極に向かう(経路チ)。
以上の経路(イ)から(チ)により磁気回路が形成される。
【0024】
図18は、2組の部分円筒磁石により構成される場合の燃料輸送管の燃料の流れ方向に対して垂直断面の磁力線の分布をシュミレーションした結果を示している。磁石は、ネオジム鉄ホウ素の希土類磁石を用いたものである。この図はカラーで表現されており、磁力線の強さはカラーによって表現されている。この図面は、カラーを白黒図面にしてあるので、この点が明確ではないので、この点を記述により補う。磁石は、45度を中心にして左下半分がN極であり、右上半分がS極である。磁力線はNからSに向かって流れる。
磁石は5.90〜6.29Kガウス、磁石に接する輸送管部分では4.3〜4.7Kガウスである。磁力線はNとSの境目部分のN極右斜め上に向かって4.0Kガウスの磁力線が出ている。このようにして出ている磁力線はS極部分に入ると更に右斜め方向に進み、やがて、S極部分の輸送管部分に入る。この部分より更に中心部分においては、3.8Kガウス程度の磁力線がN極側の右斜め上方向より右斜め方向に向かい、やがて、S極部分の輸送管部分に入る。更に、その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.9Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。更に、その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.7Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.5Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。
その上では、前記した磁力線と同様の方向に向かい1.0Kガウスの磁力線がNからS極に向かっている。磁力線については、その進む方向を矢印で示すと共に、長さによって磁力線の強さを表現している。輸送管の中心部になるに従い、磁力線の存在は少なくなっている。右側の数字は、カラー表示における磁場強度を示している。
輸送管周辺部で4.0Kガウス、輸送管の中心から2/3位のところで1.8Kガウス、中心部のところで、1.0Kガウスを示している。
【実施例1】
【0025】
本発明の燃料活性装置を用いて行った走行実験による燃費の結果は、表1に示すとおりである。
用いた燃料活性化装置は、部分円筒永久磁石が2組、合計4枚の部分円筒永久磁石を燃料管の周囲に配置し、燃料の流れ方向に対して8組を接続した。部分円筒永久磁石は燃料の流れ方向に対して、1個が1、8mmのものを使用した。円筒状ヨークの直径は1.6cm、燃料輸送管の外径は0、8mmであった。これを搭載して行った結果は表1のとおりである。結果を整理すると表2の通りである。
表2の見てみると装着前と装着後では装着後が良好な結果を得ていることがわかる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】燃料系統である燃料タンクからエンジンの間に設けられ、エンジンに供給する燃料活性化装置側面の部分断面図。
【図2】燃料活性化装置が取り付け板上に固定されている状態を示す図。
【図3】取り付け板上に固定されて燃料活性化装置の取り付け板に設けられている固定手段の状態を示す図。
【図4】図1のA−A’部分の断面図。
【図5】図1のA−A’部分の断面図。
【図6】図1のA−A’部分の断面図。
【図7】図4のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した状態を示す図。
【図8】図5のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した状態を示す図。
【図9】図6のA−A’部分の断面図において、スペーサを挿入した状態を示す図。
【図10】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図11】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図12】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図13】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図。
【図14】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図。
【図15】燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に、前記複数組の部分円筒永久磁石の各磁極が、反対の磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されている状態を示す図であり、燃料輸送管の燃料の流れ方向に設ける前記複数組の部分円筒永久磁石が間隔又はスペーサを介して設けることを示す図。
【図16】磁気回路の形成を示す図。
【図17】磁気回路の形成を示す図。
【図18】2組の部分円筒磁石により構成される場合の燃料輸送管の燃料の流れ方向に対して垂直断面の磁力線の分布をシュミレーションした結果を示す図。
【符号の説明】
【0029】
1:燃料活性化装置
2:接着剤
3:部分円筒状永久磁石
3a:燃料輸送管側がN極、円筒状ヨーク側がS極である部分円筒永久磁石
3b:燃料輸送管側がS極、円筒状ヨーク側がN極である部分円筒永久磁石
4:燃料輸送艦
5:カバーパイプ
6:円筒状ヨーク
7:エンドキャップ
8:接合部
10:スペーサ
11:固定手段
12:金属板
13:永久久磁石からなる固定手段
14:スペーサ
15:緩衝材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置において、非磁性材料により構成される燃料輸送管の外周面には、燃料輸送管側がN極その反対側がS極である部分円筒永久磁石と、燃料輸送管側がS極その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが固定され、前記その反対側の外周面には円筒状ヨークが設けられており、燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料輸送管と円筒状ヨークに囲まれて接続されていることを特徴とする燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項2】
前記部分円筒永久磁石の組み合わせの各部分円筒永久磁石は、間隔をあけて又はスペーサを介して設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項3】
前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されていることを特徴とする請求項1記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項4】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが接続されていることを特徴とする請求項3記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項5】
前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されていることを特徴とする請求項1記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項6】
前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせと、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、間隔をあけて又はスペーサを介して接続されていることを特徴とする請求項5記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項7】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが接続されていることを特徴とする請求項5記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項8】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが間隔をあけて又はスペーサを介して異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに接続されていることを特徴とする請求項7記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項9】
前記燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置が、取り付け板上に固定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項10】
前記取り付け板に固定手段が設けられており、固定手段により輸送手段内部に固定されていることを特徴とする請求項9記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項1】
燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置において、非磁性材料により構成される燃料輸送管の外周面には、燃料輸送管側がN極その反対側がS極である部分円筒永久磁石と、燃料輸送管側がS極その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが固定され、前記その反対側の外周面には円筒状ヨークが設けられており、燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが燃料輸送管と円筒状ヨークに囲まれて接続されていることを特徴とする燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項2】
前記部分円筒永久磁石の組み合わせの各部分円筒永久磁石は、間隔をあけて又はスペーサを介して設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項3】
前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されていることを特徴とする請求項1記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項4】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極に、同じ磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが接続されていることを特徴とする請求項3記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項5】
前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極が、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせとして接続されていることを特徴とする請求項1記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項6】
前記燃料輸送管側がN極、その反対側がS極である部分円筒永久磁石と燃料輸送管側がS極、その反対側がN極である部分円筒永久磁石からなる複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせと、前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが、間隔をあけて又はスペーサを介して接続されていることを特徴とする請求項5記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項7】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向の前記複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせの各磁極と、異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが接続されていることを特徴とする請求項5記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項8】
前記燃料輸送管の燃料の流れ方向に複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせが間隔をあけて又はスペーサを介して異なる磁極の複数組の部分円筒永久磁石の組み合わせに接続されていることを特徴とする請求項7記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項9】
前記燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置が、取り付け板上に固定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【請求項10】
前記取り付け板に固定手段が設けられており、固定手段により輸送手段内部に固定されていることを特徴とする請求項9記載の燃料輸送管を流れる燃料油を永久磁石により活性化する装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−126514(P2007−126514A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318617(P2005−318617)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(390021485)株式会社相模化学金属 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(390021485)株式会社相模化学金属 (9)
【Fターム(参考)】
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