説明

燃料電池の層のための添加物

【課題】燃料電池電解質膜および電極の性能と耐久性を高めるイオノマー組成物を提供する。
【解決手段】第一イオノマー及び添加物を含む第一層12を含んでなる燃料電池であって、該添加物はCe、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、又はSnの少なくとも1の酸化物を含む金属酸化物を含み、該添加物は該イオノマーの少なくとも0.1wt%にて存在する製品が一態様として開示される。金属酸化物の1又は全てが本質的にナノ粒子からなる場合には、性能と耐久性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示態様の説明が属する技術分野は、概して燃料電池を含み、また、イオノマー層、膜、触媒、基材等を含む燃料電池要素を含み、さらにそれらを製造しまた使用する方法を含む。
【背景技術】
【0002】
固体多価電解質膜(solid polyelectrolyte membrane)と電極を用いる燃料電池が知られている。当業者は、現行の燃料電池、燃料電池要素、及びそれらを製造しまた使用する方法の改良と代替物について継続的に研究を続けている。
【発明の概要】
【0003】
例示態様の概要
イオノマー及び添加物を含む第一層を有する製品。添加物は、Ce、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、又はSnの少なくとも1の酸化物を含む、金属酸化物を含んでなる。添加物は、イオノマーの少なくとも0.1質量%にて存在することができる。
【0004】
本発明の他の例示態様は、以下の図面の簡単な説明、例示態様の詳細な説明、及び付随する特許請求の範囲と図面から明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本発明の一態様に従う製品を示す。
【図2】図2は、本発明の別態様に従う製品を示す。
【図3】図3は、本発明の別態様に従う製品を示す。
【図4】図4は、本発明の別態様に従う製品を示す。
【図5】図5は、本発明の別態様に従う製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例示態様の詳細な説明
以下の態様の以下の説明は、例示の性質のみを有し、特許請求される発明、その適用又は用途を制限することを意図しない。
【0007】
図1を参照する。本発明の一態様には、イオノマー及び添加物を含む燃料電池基材10が含まれる。基材10は膜であっても電極であってもよい。本発明の多様な態様において、添加物は、セルの性能、膜の耐久性、及び/又はプロトン伝導性を改良させる。本発明の一態様において、添加物には、Ce、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、Sn、又はこれらの誘導体、の少なくとも1の酸化物が含まれる。本発明のさらに別の態様では、添加物は、MnO、CeO、PtO、RuO、VO,VO、V、V、CeO、CoO、Co、NiO、CrO、WO、SnO、MoO、MoO、Mn、及び/又はこれらの誘導体、を含む金属酸化物であるが、これに限定されない。誘導体には3級化合物及び/又は4級化合物が含まれるがこれらに限定されない。一態様において、添加物は、セリア(CeO)、CeZrO、又はCe1−xZr(式中、Xは1未満である)のナノ粒子を含む。本発明の別の態様において、添加物は、CeO及びMnO(好ましい);CeO及びCoO;CeO及びCo;CeO及びVO;CeO及びVO;CeO及びV;CeO及びV;CeO、NiO、又はCrOと、CeO、MnO、MoO、MnO、Mn、RuO、WO、PtO、又はSnOの少なくとも1との組み合わせ、を含む金属酸化物の組み合わせを含むが、これに限定されない。本発明の一態様において、添加物はナノ粒子を含んでもよい。これは、少なくとも1つの寸法において200nm未満である粒子である。ナノ粒子を用いると、マクロ粒子を用いるアセンブリに比べて、膜アセンブリの性能が改良されることが見いだされた。
【0008】
イオノマーは、イオン化可能な基又はイオン性基、或いはその両方を有する構造単位をその一部に含むポリマー性マクロ分子であることができる。本発明の一態様において、イオノマーは、スルホン基を有するパーフルオロ側鎖を有し、炭素−フッ素主鎖を有する、ポリマー性分子(パーフルオロスルホン酸ポリマーとしても知られる)を含む。そのようなイオノマーは、E.I. DuPont de Nemours & Company から商標名NAFIONで入手可能である。他のそのようなイオノマーは、Asahi Glass & Asahi Chemical Companyから入手可能である。代替態様において、イオノマーは、パーフルオロカチオン交換膜、炭化水素系カチオン交換膜ならびにアニオン交換膜を含むことができる。別の代替態様において、イオノマーは、芳香族及び非芳香族スルホン酸ポリマーを含むスルホン化炭化水素ポリマーを含み、これにはスルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリアリーレンエーテルケトン、スルホン化ポリアリーレンチオエーテルケトン、スルホン化ポリアリーレンエーテルスルホン、スルホン化ポリアリーレンチオエーテルスルホン、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリフェニレン、又はスルホン化ポリフェニレンスルフィドが含まれる。
【0009】
本発明の多様な例示態様において、添加物は、乾燥したイオノマー10の少なくとも0.1質量%(wt.%)、約1〜約20wt.%、約5〜約15wt.%、又は約8〜約12wt.%にて存在することができる。添加物はより多い量で存在してもよいが、過剰に多い量の酸化物を膜に充填すると、破けやすい脆い膜になる可能性がある。添加物は、水及びアルコールを含む湿潤形態にてイオノマーと混合してもよい。混合物の湿潤相に、水が約40〜約60wt.%存在してもよく、アルコールは約40〜約60wt.%存在してもよい。本発明の幾つかの態様において、添加物は、約90〜100%又は約99.99〜100%の範囲の金属酸化物純度にて、混合物へと導入される。例えば、90〜100%の金属酸化物純度を有するMnOを含む添加物について、金属酸化物は90〜100wt.%のMnOと0〜10wt.%の不純物を含む。そのような不純物は典型的にMn鉱石中やMnOの製造時に見いだされる。本発明の多様な態様において、イオノマーと添加物とを含む基材10は、乾燥状態で、100ミクロン未満、約5〜50ミクロン、約10〜40ミクロン、又はその間の厚さを有することができる。粒子寸法において5μm未満であり85%の純度であるMnOを、1−プロパノール−水中の20wt.%のNafion 1000(DE 2020)分散液(E.I. DuPont de Nemours and Companyから入手可能)に添加した際、イオノマーが1時間後に凝集したので分散液を塗布に用いることができなかった。従って、Nafion 1000中の85wt.%のMnO分散液(イオノマー固形分当たり10wt.%のMnO充填量)は、1時間以内にフィルムへと塗布されなければならない。これは、高純度のMnOでは起こらない。次に図2を参照する。本発明の別態様において、基材10は、第一層12、第一層12上の第二層14、及び第一層12上の第三層16を含んでもよい。本発明の一態様において、第一層12は、イオノマーを含むが、金属酸化物を含まない。第二層14及び第三層16の各々は、イオノマーと、金属酸化物のような添加物とを含む。第一層12、第二層14、及び第三層16の各々は、乾燥状態で、約5〜50ミクロン、5〜35ミクロン、10〜35ミクロン、又はその間の厚さを有することができる。カソード触媒層が第一層12上にあってもよく、アノード触媒層が第三層16上にあってもよく、第二及び第三層14及び16の両者はその中に添加物を有し、この添加物は互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0010】
図3を参照する。本発明の別態様において、固体多価電解質膜100が提供され、これは実質的に金属酸化物を含まない。第一触媒層18がこの膜の上に提供され、第二触媒層18’がこの膜100の下に提供される。第一触媒層18及び第二触媒層18’の少なくとも1は、金属酸化物のような添加物を含み、この添加物は触媒層18又は18’中の乾燥イオノマーの少なくとも1質量%にて存在する。層18又は18’中の添加物は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0011】
次に図4を参照する。本発明の一態様には、第一部分12及び第二部分14を含む二層の膜10が含まれる。第一触媒層(例えばアノード)は膜10の上にあってもよく、第二触媒層18’は膜10の下にあってもよい。第一部分12には第一金属酸化物のような第一添加物が含まれ、第二部分14には第二金属酸化物のような第二添加物が含まれ得る。第一添加物には、第二添加物の金属酸化物とは異なる金属酸化物が含まれ得る。例えば、第一部分12(カソード18’に隣接する)はMnOを含むことができ、第二部分14(アノード18に隣接する)はCeOを含むことができる。別の態様において、触媒層18、18’の少なくとも1は第一添加物を含むことができ、膜10の少なくとも一部は第二添加物を含むことができ、その際、膜10は単一の層からなっても複数の層からなってもよい。例えば、アノード層18はCeOを含むことができ、膜10の第一部分12(カソードに隣接する)はMnOを含むことができ、その際、膜10の第二部分14及びカソード18’は金属酸化物添加物を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0012】
次に図5を参照する。本発明の一態様には、プロトン交換膜として機能する燃料電池基材10を含む製品が含まれる。基材10は、イオノマーを含み金属酸化物を含まない第一層12を含む。第二層14が第一層12上に提供され、第三層16が第一層12の下に提供される。第二層14及び第三層16の各々は、イオノマーと、金属酸化物又は金属酸化物の混合物のような添加物とを含む。基材10(このケースでは多価電解質膜)は、金属酸化物添加物を有さない中央部分を含む。第一触媒層18が基材10の第二層14上に提供される。第一ガス拡散媒体基材22を第一触媒層18上に提供してもよく、また、任意には、微孔層(microporous layer)20を拡散媒体基材22と第一触媒層18との間にはさんでもよい。拡散媒体基材(diffusion media substrate)22は、これに限定されないが、カーボンペーパ基材を含んでもよい。微孔層20は、FEP、PVDF、HFP、PTFE等のような炭素とフルオロポリマーとの混合物から拡散媒体基材22上に塗膜させることができる。第一触媒層18は、好ましくは炭素のような微細に分割された触媒を担持する粒子の群を含み、この担持粒子群は、微細に分割された触媒粒子と、この担体及び触媒粒子とともに混合されたイオン伝導性材料とを担持する。第一触媒層18中のイオン伝導性材料は、パーフルオロスルホン酸ポリマーのようなイオノマーであることができる。触媒材料には、白金、パラジウムや、白金とモリブデン、白金とコバルト、白金とルテニウム、白金とニッケル、及び白金とスズのような金属の混合物、又は白金−遷移金属合金が含まれ得るが、これに限定されない。ガス流路28及びランド26が一面に形成され冷却流路30が別の面に形成された第一双極板(bipolar plate)24を提供してもよい。同様に、第二触媒層18’、第二微孔層20’、第二ガス拡散媒体基材22’、及び第二双極板24’を、燃料電池アセンブリ50を形成するのと同様の方法で、燃料電池基材10の反対側に提供してもよい。
【0013】
本発明の一態様において、イオノマー、添加物、及び溶媒を含むスラリーが調製される。溶媒は、1−プロパノール、エタノール、1−ブタノール、メタノール等、又は水の少なくとも1を含むことができる。スラリーは、例えばガラスビーズを用いた後に例えば90ミクロン未満の穴を有するメッシュを用いて濾過することにより、ミル加工(mill)してもよい。濾過されたスラリーをキャストして単一の層又は複数の層として乾燥させてもよく、本発明の一態様において、キャストして乾燥させて複数の層の膜を形成させ、その複数の層の少なくとも1が添加物を含んでいてもよい。
【0014】
ボールミル以外の方法を用いて金属酸化物イオノマー分散液を形成させてもよい。他の公知の湿潤混合法及び溶融プロセスを用いることができ、それには:アトリター(attritor)、ホモジナイザー(homogenizer)、ミキサー、ポリトロンヘッド(polytron heads)、メルトエクストルーダー、バンバリーロールミル(Banbury roll mill)、及び他のそのような使用可能な混合装置が含まれる。膜の製造の例は、以下の実施例8及び9でも説明する。
【0015】
触媒被覆拡散媒体及びNAFION(N1000)の膜、ならびにMo6+、V5+、V3+、Cr/Zrを単独で又はセリア(ceria)とともに含む添加物を用いる膜電極アセンブリについて、燃料電池の試験を行った。膜アセンブリはどの条件でも作動することが見いだされた。触媒被覆拡散媒体を用いてこれら膜を試験した際の条件は、以下の通りである:膜は燃料電池に覆われており、性能はセル電圧(ボルト)を電流密度(アンペア/cm)に対してプロットする分極曲線(polarization curve)にまとめられており、その際の条件は以下の通りである:150%相対湿度(RH)out:2/2(A/C)stoic;100/50%(A/C)入口RH;80℃;170kPaゲージ;110%相対湿度(RH)out:2/2(A/C)stoic;100/50%(A/C)入口RH;80℃;50kPaゲージ;85%相対湿度(RH)out:3/3(A/C)stoic;50/50%(A/C)入口RH;80℃;75kPaゲージ;63%相対湿度(RH)out:3/3(A/C)stoic;32/32%(A/C)入口RH;80℃;50kPaゲージ(ここで「A/C」はアノード/カソードをいう)。合理的な電圧(通常は0.4Vより大きい)での電流密度が1.2A/cmとなる分極曲線が得られたとき、膜を「どの条件でも作動する」と呼ぶ。
【0016】
用語「上」、「上に」「上にある」又は「下」、「下に」、「下にある」を、本明細書中で、1の要素又は層の第二の要素又は層に対する相対的な位置について用いる際には、そのような語は、第一要素又は層が第二要素又は層に直接接触しているか、或いは、第一要素又は層と第二要素又は層との間に追加の層又は要素が挟まれていることを意味する。
【実施例】
【0017】
比較例1 コントロール試料として、40wt%1−プロパノール水溶液中にポリマー固形分20wt%のNafionPFSAポリマーを1000当量有するNafion溶液DE2020(E.I. DuPont de Nemours, Coから入手可能)を3ミリギャップバードアプリケーター(3−mil gap Bird applicator)を用いてガラス板上にキャストし、次いで被覆されたガラス板を炉で80℃で30分間乾燥させた。この第一フィルムに、第二被覆を3ミリギャップバードアプリケーターで塗布し、このポリマー被覆ガラス板を120℃で16時間加熱した。この被覆ガラス板を25℃に冷却した後、ポリマーフィルムがガラスから剥がれるまで脱イオン水の浴に浸漬させた。このポリマーフィルムをペーパータオル上で風乾させたところ、得られた乾燥フィルムは25μmの厚さだった。このポリマーフィルムを4インチ四方の正方形に切り取り、燃料電池(50cmハードウェア)内で触媒被覆拡散媒体と組み合わせた。性能を、乾燥条件、中間条件、及び湿潤条件下で測定した。耐久性試験を加速5分間湿潤5分間乾燥プロトコル(accelerated 5−minute wet, 5−minute dry protocol)下で測定したところ、40sccmのクロスオーバーリーク(cross−over leak)が観測されるまでの膜の寿命は392時間だった。試験中のフッ素放出は、1時間当たり10−5gF/膜表面積cmだった。白金のラインがカソード側に形成された。これは、白金が触媒層から溶出して膜中で拡散し、次いで、おそらく白金イオンがアノードからの拡散水素ガスにより還元されたものである。
【0018】
実施例2 MnOを有するナフィオン膜 用いたMnOの純度はAldrichから入手可能な99.99+%である。MnOの純度レベルを85%のみにした試料を調製した際、燃料電池の性能は、Nafion1000単独からなり添加物を有さないコントロール膜に比べて、非常に悪い影響を受けた。純粋な固体MnO(0.5g、Aldrich)を20wt%ポリマー固形分のNafionPFSAポリマーにおけるNafion溶液DE2020(これは40wt%の1−プロパノール水溶液中で1000当量のイオノマーである(E.I. DuPont de Nemours, Coから入手可能))に添加し、4オンスのガラス瓶に添加し、次いで、5mmガラスビーズ粉砕用材(5−mm glass bead grinding media)(15g、Fisher Scientific)を添加した。この瓶にしっかりと蓋をし、この瓶を最低16時間ロールミルした。かくして、金属酸化物を、乾燥Nafionに基づき10wt%固形分にて添加し、粉砕用材としてガラスビーズを少なくとも16時間用いて1−プロパノール水溶液中のNafion1000(DE2020)PFSAイオノマー分散物とともにロールミルし、分散液を形成させた。この混合物を次いで85μmPTFEメッシュを介して濾過し、次の2方法でフィルムへとキャストした:(1)25〜30μm厚さの単一層;及び(2)[10μmのNafionPFSA]/[金属酸化物が分散された10μmのPFSA]/[10μmのNafionPFSA]からなる3層へと塗布されたサンドイッチ構造。3ミリギャップバードアプリケーターを用いてマスキングテープスペーサ(masking tape spacer)(85μm)とともにこの単一層をガラス板上に塗布し、炉で120℃で30分間乾燥させた。このフィルムを次いでガラスから浮かせて剥がし、燃料電池の膜として用いた。連続被覆を作成する際は、各々の連続被覆間で、3ミリギャップバードアプリケーターを用いて80℃で30分間乾燥させた。第一の被覆はNafion溶液単独で作成した。第二の被覆は金属酸化物(MnO)を有するNafion分散物で作成し、第一フィルムに3ミリギャップバードアプリケーターを用いて塗布し、次いでポリマー被覆されたガラス板を80℃で30分間加熱した。Nafion溶液単独の第三層を3ミリギャップバードアプリケーターで塗布した後、このポリマー被覆ガラス板を120℃で16時間加熱した。この被覆ガラス板を、25℃に冷却した後、ポリマーフィルムがガラスから剥がれるまで、脱イオン水の浴中に浸漬した。ポリマーフィルムをペーパータオル上で風乾させたところ、得られた乾燥フィルムは30μmの厚さだった。このポリマーフィルムを4インチ四方の正方形に切り取り、触媒被覆拡散媒体とともに燃料電池(50cm活性領域)に組み立てた。性能を、乾燥条件、中間条件、及び湿潤条件下で測定した。耐久性試験を、加速5分間湿潤5分間乾燥プロトコルで行ったところ、小さなピンホールクロスオーバーリーク(small pin−hole cross−over leak)が観測されるまでのMnOを有する単一被覆膜の寿命は、1070時間だった。試験中のフッ素放出は、1時間当たり10−7gF/膜面積cmだった。この膜では、膜の薄化や白金のラインは検出されなかった。サンドイッチ構造として形成された膜は、試運転の後にすぐに作動しなくなったので、このデザインは膜の寿命を改良することができなかった。かくして、単一層の構造は、複数層のサンドイッチ構造よりも良好であると考えられる。
【0019】
比較例2 85wt%純度MnOを有するナフィオン膜 Nafion1000分散液(DE2020)中の10wt%MnO分散物(85wt%純度、粒子サイズ5μm未満、Aldrichから入手可能)を、テフロンスクリューキャップで蓋をされた40mLガラス瓶中のNafion1000分散液(20wt%樹脂固形分において15g)とガラスビーズ(25g)とにMnO(0.33g)を添加することにより調製した。この分散物を次いで1時間ロールミルし、85μm孔径テフロンフィルター布を介して濾過し、0.277mmコーティングギャップを有するバードアプリケーター棒を用いてフロートガラス(8インチX8インチX0.25インチ)上にフィルムとしてキャストした。16時間125℃に加熱した後、フィルムを脱イオン水で浮かせて剥がし、次いで風乾させた。このフィルムの4インチ四方片(25μm厚さ)を、触媒被覆拡散媒体とともに燃料電池へと組み立てたところ、この燃料電池は作動しなかった。1時間を超えるロールミルを行ってMnO−Nafion1000分散液を形成させると、イオノマーがゲル化し、分散液をフィルムへと塗布することができなかった。かくして、85%純度のMnOは、その低い性能のために、10wt%充填量でのNafion1000膜への添加物として有用ではなかった。特に、自動車に用いられる燃料電池膜には適さない。
【0020】
実施例3 CeOを有するナフィオン膜 次の2つのタイプの金属酸化物が用いられた:ナノ粒子セリア及び水中のナノ粒子セリア(Aldrich)。ナノ粒子CeOを、樹脂固形分に基づいて10wt%にてNafion溶液に添加し、実施例2のようにガラスビーズ粉砕材を用いて分散液を作製した。セリア分散液を塗布して、実施例2のように乾燥させた。耐久性試験を加速5分間湿潤5分間乾燥プロトコル下で行ったところ、このナノ粒子セリアを有する単一層被覆膜は、1510時間を超えた後でも不良を起こさず、同時間後でもクロスオーバーリークが検出されなかった。この膜では膜の薄化や白金ラインも検出されなかった。試験中のフッ素放出は、1時間当たり10−7gF/cm膜面積だった。サンドイッチ構造として製造された膜は試運転後すぐに作動しなくなり、このデザインは膜の寿命を改善できなかった。かくして、単一層構造は、複数層サンドイッチ構造よりも良好であると考えられる。
【0021】
実施例4 セリア(CeO)及びMnOを有する2層ナフィオン膜 2つの被覆により作製された膜を用いて二層膜構造を製造した。第一被覆を、実施例3のように調製されたナノ粒子セリアを含有するNafion分散液で、3ミリギャップバードアプリケーターを用いて塗布し、そして、第二層を、実施例2に記載のように調製されたMnOを有するNafion分散液で、3ミリ被覆ギャップバードアプリケーターを用いて、第一セリア含有層の上に製造した。耐久性試験を加速5分間湿潤5分間乾燥プロトコル下で行ったところ、このナノ粒子セリアを有する単一層被覆膜(アノード側上)は、1680時間を超えた後でも不良を起こさず、同時間後でもクロスオーバーリークが検出されなかった。試験中のフッ素放出は、1時間当たり10−7g/cm膜面積だった。この膜は、実施例2及び3に記載の通り製造されたそれぞれの膜よりも、性能が優れていた。
【0022】
実施例5 PtOを有するナフィオン膜 イオノマーに基づいて10wt%の充填量の分散PtOを有する単一層のNafion膜を作製した。この膜は、Nafionのコントロールよりも良好に作動したが、試運転後すぐにガスクロスオーバーリークに関して膜の寿命がきた。結果的に耐久性は改良されなかったが、特に乾燥条件下では性能が改良された。イオノマーに基づく充填量を10wt%から5wt%PtO、そして1wt%PtOにそれぞれ減少させることにより、コントロールに対して性能が改良され、かつ、10wt%PtOを有する膜に比べて耐久性が改良された。
【0023】
実施例6 RuOを有するナフィオン膜 分散RuOを用いて単一層のNafion膜を作製した。この膜はNafionコントロールよりも良好に作動したが、試運転の後すぐにガスクロスオーバーリークに関して膜の寿命がきた。結果的に、耐久性は改良されなかったが、特に乾燥作動条件下では性能が改良された。イオノマーに基づく充填量を10wt%から5wt%RuO、そして1wt%RuOへとそれぞれ減少させることにより、コントロールに対して性能が改善され、かつ、10wt%RuOを有する膜に比べて耐久性が改善された。
【0024】
実施例7 他の金属酸化物及び金属酸化物の組み合わせを有するナフィオン膜 酸化バナジウム(III、IV、及びV酸化状態)、Co2+/3+酸化物(10wt%固形分)、RuO(ポリマー固形分に基づいて1及び5wt%)、PtO(Nafion固形分に基づいて1wt%)、MoO、MoO、及び金属酸化物組み合わせを含む、他の金属酸化物とともに、Nafion膜を作製した。特に乾燥条件下で、膜の寿命と性能の向上が観測された。興味深いことに、Co2+/3+酸化物は、ナノ粒子セリアとともに混合されないときは性能を損なうことが見い出され、ナノ粒子セリアとともに混合されたときは性能が驚異的に改良することが見い出された。3+及び5+酸化状態のバナジウムを有する酸化バナジウムは、膜の乾燥時の性能を顕著に改善し、この乾燥時性能は、湿潤時の膜性能及び中間加湿時の膜性能よりも優れていた。しかし、Nafionと酸化バナジウム単独での寿命の改良は改善されなかった。アノード上にセリアを有しカソード上にVを有する膜は、乾燥作動条件下でより良好に作動するだけではなく、膜寿命も劇的に改善された。
【0025】
実施例8 押出加工されたセリアを有する膜 ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロスルホニルフッ化物)(E.I. DuPont de NemoursからのDE838WXフィルム)をワーリングブレンダー(Waring blender)で切り刻んで、ナノ粒子セリア(Aldrich)をポリマーに基づいて10wt%で添加する。混合物を単一穴のダイを備えたDynisco Laboratory Mixing Extruder(モデルLME)を用いて300〜400°Fの間(350°F)で迅速に押し出す。このストランドをワーリングブレンダーで切り刻み、次いで同条件下で、しかしリボンダイスロットを有する押出機で押し出す。このリボンを次いで2つのロール間で圧縮してセリアを含有するフィルムを製造する。フィルムを次いでジメチルスルホキシド中の20wt%水酸化カリウム水溶液に16時間浸漬させる。フィルムを次いで水で激しく洗浄して、2−ノルマルスルホン酸中に16時間浸漬させる。このフィルムを次いで洗浄水のpHが7近くになるまで水で洗浄する。この方法において、セリアは、燃料電池に有用なパーフルオロスルホン酸ポリマー膜中に溶融混合される。
【0026】
実施例9 圧縮成形加工されたセリアを有する膜 セリアを有する溶液キャスト膜を、実施例2に記載のように調製する。膜を塩水中に浸漬させ、50wt%水酸化ナトリウムをpHが10近くになるまで滴下する。このフィルムを次いで水で激しく洗浄し、次いで風乾させる。フィルムを次いで、Gylonの層を有する5インチ四方スチール板間で圧縮成形して、圧力を与え、5ミリテフロン剥がし用シート(5−mil Teflon release sheet)を2000〜6000ポンド圧力で400°Fで4〜20分間圧縮させる。フィルムを室温に冷却させ、次いで2−ノルマルスルホン酸に16時間浸漬させる。このフィルムを次いで洗浄水のpHが7近くになるまで水で激しく洗浄する。この方法において、セリアを有する塩形態のパーフルオロスルホン酸は、圧縮成形加工されて、燃料電池に有用な膜を生成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオノマー及び添加物を含む多価電解質膜を有する製品であって、該添加物がPtO、CoO、又はCoの少なくとも1を含む製品。
【請求項2】
該膜が単一の層を有する請求項1に記載の製品。
【請求項3】
該膜が該添加物を含まない中央部分を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
イオノマー及び添加物を含む多価電解質膜を有する製品であって、該添加物がCeOを含み、かつ、CoO、Co、VO、VO、V、V、MoO、又はMoOの少なくとも1を含む、製品。
【請求項5】
該膜が単一の層を有する請求項4に記載の製品。
【請求項6】
該膜が添加物を含まない中央部分を有する、請求項4に記載の製品。
【請求項7】
イオノマーを含み、かつ、NiO又はCrOの少なくとも1を含む第一添加物とRuO、WO、PtO、又はSnOの少なくとも1を含む第二添加物とを含んでなる添加物混合物を含む多価電解質膜を有する製品。
【請求項8】
該膜が単一の層を有する請求項7に記載の製品。
【請求項9】
該膜が該添加物を含まない中央部分を有する、請求項7に記載の製品。
【請求項10】
触媒、イオノマー、及び添加物を含んでなる燃料電池用電極を有する製品であって、該添加物がVO、V、V、CeO、CoO、Co、NiO、CrO、MoO、MoO、又はCrOの少なくとも1を含む、製品。
【請求項11】
触媒及びイオノマーを含み、かつ、CeOとCoO、Co、VO、VO、V、V、MoO、又はMoOの少なくとも1とを含んでなる添加物を含む燃料電池用電極を有する製品。
【請求項12】
触媒及びイオノマーを含み、かつ、NiO又はCrOの少なくとも1を含む第一添加物とRuO、WO、PtO、又はSnOの少なくとも1を含む第二添加物とを含んでなる添加物混合物を含む燃料電池用電極を有する製品。
【請求項13】
第一イオノマー及び添加物を含んでなる第一層を有する製品であって、該添加物が金属酸化物を含んでなり、該金属酸化物が90〜100%純度の金属酸化物を有し、該金属酸化物が、Ce、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、又はSnの少なくとも1の酸化物を含み、該添加物は該イオノマーの少なくとも0.1wt%にて存在する、製品。
【請求項14】
該金属酸化物が99.99〜100%純度の金属酸化物を有する、請求項13に記載の製品。
【請求項15】
該化合物が金属酸化物又はその誘導体である、請求項13に記載の製品。
【請求項16】
該化合物が、MnO、CeO、PtO、RuO、VO、VO、V、V、CeO、CoO、Co、NiO、CrO、WO、SnO、MoO、MoO、Mn、CeO、及びCoO;CeO及びCo;CeO及びVO;CeO及びVO;CeO及びV;CeO及びV;CeO、NiO、又はCrOとCeO、MoO、MoO、Mn、RuO、WO、PtO、SnO、又はその誘導体の少なくとも1との組み合わせ、の少なくとも1を含む、請求項13に記載の製品。
【請求項17】
該添加物が、セリア(CeO)、CeZrO、又はCe1−xZr(式中、Xは1未満)の少なくとも1を含むナノ粒子を含んでなる、請求項13に記載の製品。
【請求項18】
該添加物が、CeO及び高純度MnO;CeO及びCoO;CeO及びCo;CeO及びVO;CeO及びVO;CeO及びV;CeO及びV;又はCeOとMoO、MoO、Mnのいずれか若しくはこれらの組み合わせと、を含む金属酸化物の組み合わせを含んでなる、請求項13に記載の製品。
【請求項19】
添加物がNiOを含み、かつ、RuO、WO、PtO、又はSnOの少なくとも1を含む、請求項13に記載の製品。
【請求項20】
添加物がCrOを含み、かつ、RuO、WO、PtO、又はSnOの少なくとも1を含む、請求項13に記載の製品。
【請求項21】
該金属酸化物が第一イオノマーの約0.1〜約5wt%の量で存在する、請求項13に記載の製品。
【請求項22】
該金属酸化物が、第一イオノマーの約8〜約12wt%の量で存在する、請求項13に記載の製品。
【請求項23】
該金属酸化物が、本質的にRuOからなる、請求項13に記載の製品。
【請求項24】
該第一イオノマーが、スルホン基を含有するパーフルオロ側鎖を有する炭素−フッ素主鎖を含む分子を含んでなる、請求項13に記載の製品。
【請求項25】
該第一イオノマーが、パーフルオロスルホン酸ポリマーを含んでなる、請求項13に記載の製品。
【請求項26】
該第一イオノマーが、芳香族炭化水素又は脂肪族ポリマーの少なくとも1を含んでなる、請求項13に記載の製品。
【請求項27】
該第一イオノマーが、ポリスルホンポリエーテルエーテルケトン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリアリーレンエーテルスルホン、ポリアリーレンチオエーテルケトン、ポリアリーレンエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリフェニレン、又はポリフェニレンスルフィド、のスルホン化物を、ランダムポリマーとして、ブロックポリマーとして、マルチブロックポリマーとして、及びこれらの組み合わせとして含む、請求項13に記載の製品。
【請求項28】
該第一層が、乾燥状態で5〜100ミクロンの厚さを有する、請求項13に記載の製品。
【請求項29】
該第一層が、乾燥状態で5〜50ミクロンの厚さを有する、請求項13に記載の製品。
【請求項30】
該第一層が、乾燥状態で5〜30ミクロンの厚さを有する、請求項13に記載の製品。
【請求項31】
該第一層が、乾燥状態で5〜12ミクロンの厚さを有する、請求項13に記載の製品。
【請求項32】
第二イオノマーを含む第二層をさらに含んでなり、該第二層が第一層の下にある、請求項13に記載の製品。
【請求項33】
該第二層が実質的に金属又は金属酸化物を含まない、請求項32に記載の製品。
【請求項34】
該第二層の下にある第三層をさらに含んでなり、該第三層が該第一層と同じ組成を有する、請求項32に記載の製品。
【請求項35】
第一イオノマーと、添加物と、アルコール又は水の少なくとも1つとを含む分散液を形成し;
該分散液をキャスト及び乾燥させて、第一イオノマー及び添加物を含む乾燥した第一層を形成する
ことを含む方法であって、該添加物は90〜100%の金属酸化物純度を有する金属酸化物を含み、該金属酸化物はCe、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、又はSnの少なくとも1の酸化物を含み、そして該添加物は該乾燥した第一層の少なくとも1wt%にて存在する、方法。
【請求項36】
該分散液がさらに水を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
該アルコールが、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、又は1−ブタノールの少なくとも1を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
該乾燥した第一層が、1〜50ミクロンの厚さを有する、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
該第一層が、5〜35ミクロンの厚さを有する、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
該第一層が、8〜12ミクロンの厚さを有する、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
キャスト及び乾燥する前に該分散液をミル加工することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
該ミル加工が、ガラスビーズを粉砕用材として用いることをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
該添加物が、99〜100%の純度を有する金属酸化物を含んでなる、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
該添加物が、99.99〜100%の純度を有する金属酸化物を含んでなる、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
該第一層の上に第二層を堆積させることをさらに含み、該第二層は第二イオノマーを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
該キャストが、第二層の上に該分散液を堆積させることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項47】
該第二層が第二イオノマーを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
該第二層を形成することが、第二イオノマーを含む第二分散液を形成して該第二分散液を第三層上にキャストし、該第二分散液を乾燥させることを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
該第一層の上方に第三層を形成させることをさらに含み、該第三層は第三イオノマーを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
該第一層、該第二層、又は該第三層の少なくとも1がパーフルオロスルホン酸ポリマーを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
該第一層、該第二層、又は該第三イオノマーの少なくとも1が、スルホン化炭化水素ポリマー、芳香族炭化水素ポリマー、脂肪族炭化水素ポリマーの少なくとも1を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
該第一層、該第二層、及び該第三層の各々が、5〜12ミクロンの厚さを有する、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
該化合物が酸素を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項54】
該化合物が金属酸化物又はその誘導体である、請求項35に記載の方法。
【請求項55】
該化合物が、MnO、CeO、PtO、RuO、VO、VO、V、V、CeO、CoO、Co、NiO、CrO、WO、SnO、Mn、MoO、MoO、又はこれらの誘導体の少なくとも1を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項56】
該添加物が、セリア(CeO)、CrZeO、又はCe1−xZr(式中、Xは1未満である)の少なくとも1を含むナノ粒子を含んでなる、請求項35に記載の方法。
【請求項57】
該添加物が、CeO及びMnO;CeO及びCoO;CeO及びCo;CeO及びVO;CeO及びVO;CeO及びV;CeO及びV;又は、CeOとMoO、MoO、Mnのいずれか若しくはこれらの組み合わせと、を含む金属酸化物の組み合わせを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項58】
該添加物が、NiOを含み、かつ、RuO、WO、PtO、又はSnOの少なくとも1を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項59】
該添加物が、CrOを含み、かつ、RuO、WO、PtO、又はSnOの少なくとも1を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項60】
第一イオノマー及び第一添加物を含む第一層部分、
第二イオノマーおよび第二添加物を含む第二層部分
を有する製品であって、
該第一添加物はCe、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、又はSnの少なくとも1の酸化物を含む金属酸化物を含んでなり、該第一添加物は該イオノマーの少なくとも0.1wt%にて存在し、
該第二添加物はCe、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、又はSnの少なくとも1の酸化物を含む金属酸化物を含んでなり、該第二添加物は該イオノマーの少なくとも0.1wt%の量にて存在し、
該第一添加物は該第二酸化物の金属酸化物とは異なる金属酸化物を含んでなる、製品。
【請求項61】
該第一層部分が、触媒及び触媒担持粒子をさらに含む、請求項58に記載の製品。
【請求項62】
該第二層部分が、触媒及び触媒担持粒子をさらに含む、請求項59に記載の製品。
【請求項63】
該第二層部分は実質的になく、該第二層部分は電解質膜の一部である、請求項59に記載の製品。
【請求項64】
該第一添加物が、CeOから本質的になり、該第二添加物がMnOから本質的になる、請求項58に記載の製品。
【請求項65】
該第一層部分及び該第二層部分が、電解質膜の少なくとも一部を形成する、請求項58に記載の製品。
【請求項66】
該製品が、該第一層部分及び該第二層部分を含む二層電解質膜を有する、請求項58に記載の製品。
【請求項67】
該製品が、該第一層部分及び該第二層部分を含む二層電解質膜を有する、請求項62に記載の製品。
【請求項68】
該第一添加物及び該第二添加物が、ナノ粒子から本質的になる、請求項58に記載の製品。
【請求項69】
該第一添加物及び該第二添加物の各々が、90〜100%の純度の金属酸化物を有する、請求項58に記載の製品。
【請求項70】
該第一添加物及び該第二添加物の各々が、99〜100%の純度の金属酸化物を有する、請求項58に記載の製品。
【請求項71】
第一イオノマー及び添加物を含む第一層を有する製品であって、
該添加物は、Ce、Mn、V、Pt、Ru、Zr、Ni、Cr、W、Co、Mo、又はSnの少なくとも1の酸化物を含む金属酸化物を含んでなり、該添加物は該イオノマーの少なくとも0.1wt%にて存在し、そして該添加物はナノ粒子から本質的になる、製品。
【請求項72】
該添加物が90〜100%の純度の金属酸化物を有する、請求項69に記載の製品。
【請求項73】
該添加物が99〜100%の純度の金属酸化物を有する、請求項69に記載の製品。
【請求項74】
該添加物がナノ粒子から本質的になる、請求項18に記載の製品。
【請求項75】
該添加物がナノ粒子から本質的になる、請求項13に記載の製品。
【請求項76】
該添加物がナノ粒子から本質的になる、請求項35に記載の製品。
【請求項77】
該添加物がナノ粒子から本質的になる、請求項53に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−212681(P2012−212681A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−137595(P2012−137595)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【分割の表示】特願2007−264346(P2007−264346)の分割
【原出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(505212049)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・インコーポレーテッド (221)
【Fターム(参考)】