説明

燃料電池の運転方法

反応成分を含むガス状の供給流(5)が、その反応成分が電気化学反応により消費される電極(2)に供給され、そこで反応成分が消費された排気流(7,8)を生成する、燃料電池(1)の運転方法であって、a)排気流(7,8)中の反応成分の濃度を評価し、b)排気流(7,8)中の反応成分の濃度を、電極のレドックスダメージのない燃料電池から取り出される最大電流と関係付け、そしてc)電極(2)のレドックスダメージがない状態で効率を最適化するために、燃料電池(1)の運転状態を調整する、燃料電池の運転方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の運転方法及び燃料電池システムに関する。本発明は、さらに詳しくは、電池電極のレドックスダメージを抑制しながら燃料電池の効率を最適化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、気体燃料(水素、天然ガス、そしてガス化石炭等)を、電気化学反応により直接電気に変換する。燃料と、酸化剤、一般には空気である、とを供給すれば、燃料電池は連続して電力を発生させる。典型的な燃料電池は、2つの電極(主に電子伝導体)と接触する電解質(イオン導電体、H+、O2-CO32-等)を有している。電池を外部負荷を介して短絡すると、アノードで燃料が酸化される結果、放出された電子は外部負荷を通って流れ、カソードで酸素を還元する。外部回路を流れる電荷は、電解質の内部を流れるイオン電流とバランスしている。カソードでは、酸化剤からの酸素は解離して酸素イオンに変化して電解質を移動し、アノード/電解質界面で燃料中の反応成分と反応する。そのため、アノードに残っている燃料は反応成分が消費される。ここで、供給される燃料に対する消費量の割合は、電池の燃料利用率の基準となる。アノードに残っている燃料に含まれる反応成分の濃度が少ないと、移動可能な酸素イオンがアノード自身と反応し、酸化による劣化とダメージをもたらす。同様に、カソードにおける酸化剤の濃度がカソード/電解質界面における利用可能な電子に対して少ない場合、エネルギーポテンシャルによりカソードが還元される。このようなレドックスダメージは、電極にとって好ましいものではない。
【0003】
アノードダメージを制御する方法は知られている。その一つの方法は、燃料電池(電池群)の作動電圧を制限する方法である。作動電圧の制限値は、電池に供給される燃料フローについての知見に基づき選定され、電圧ロスは所定の燃料電池電流について知られており又は予め特徴付けられている。この予め設定された閾値よりも大きくなるように作動電圧を維持することにより、アノード酸化の原因となる過剰な電流取り出しを防止することができる。電池(電池群)は、開放時に観測される電圧と比較して、作動電流範囲での電圧ロスを解析することにより、予め特徴付けられている。解析を行うことにより、電圧ロスの原因が、電極貫通方向の燃料と空気の濃度勾配と電池全体の電気抵抗に帰せられる。
【0004】
別の方法は、燃料電池利用率の測定に基づくものである。これには、燃料電池(スタック)電流と燃料流量の測定が含まれ、燃料電池に対する体積燃料流量を決定することが必要である。電池(電池群)からの取り出し可能な電流を計算することにより、アノードダメージのない好ましい燃料利用率を設定することができる。しかしながら、この方法の問題点は、経時変化により電池部材の触媒活性が変化した場合、この方法により算出された利用率があまり意味を持たないという点にある。また、メタン滑り(methane slippage)を示す電池は、実際には予想値よりも高い燃料利用率で作動し、測定された燃料流量は、電池が利用可能な(改質された)燃料の基準にはならない。系から燃料がリークしている場合も同様な効果が認められる。このような場合、測定された燃料流量の一部は、電力発生に貢献する能力を持たない状態にある。
【0005】
炭素質アノードを有する燃料電池(例えば、リン酸型燃料電池)の酸化ダメージを検出するのに、アノード供給ガス及び排ガス中の一酸化炭素又は二酸化炭素の量を比較する場合においても、知られている。アノード排ガス中の炭素質ガス種の濃度の異常な増加は、アノードの酸化が起きていることを示しており、それにより、さらなるダメージを防止するため、電池を停止させることができる。有用であるが、このシステムは、検出前に実際にアノードが酸化されている必要があるため、電池の運転時に酸化を防止する必要がある場合には適当な方法とは言えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
燃料電池の運転時、電池から取り出される電流や質量流量測定の結果を参照することなく、電極のダメージを防止できる方法が必要とされている。これにより、運転状態に関係なく、電池の負荷調整範囲(turndown range)、かつ電池の寿命の範囲に亘り、電極ダメージのリスクを管理することが可能となる。また、電極ダメージが起きる前に、恒常的に、かつ電池の運転条件の変動に応じて、電極ダメージを防止する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、反応成分を含む供給ガスが、その反応成分が電気化学反応により消費される電極に供給されて反応成分が消費された排ガスを生成する、燃料電池の運転方法を提供するものであり、その方法は、
a)排気流中の反応成分の濃度を評価し、
b)排気流中の反応成分の濃度を、電極のレドックスダメージのない燃料電池から取り出される最大電流と関係付け、そして
c)電極のレドックスダメージがない状態で効率を最適化するために、燃料電池の運転状態を調整する、ことを含むものである。
【0008】
ここで、「レドックスダメージ」とは、燃料電池に使用される電極の酸化還元状態の変化による損傷を意味するものである。アノードは還元状態で使用され、カソードは酸化状態で使用される。したがって、その用語は、酸化によるアノードのダメージ及び/又は還元によるカソードのダメージを含むものである。「燃料電池」の用語は、燃料電池システムで典型的に使用されているように、各燃料電池のスタックを含むものである。
【0009】
実際には、燃料電池の運転には、反応性燃料成分を含む気体状の供給流をアノードに送出すること、又はアノードで反応性燃料成分を発生可能な、例えば、アノードでの(メタン)改質反応により、気体状の供給流を送出することが含まれる。反応性の酸化成分を含む気体状の供給流は、カソードに送出される。本発明の方法においては、第1の工程には、各電極の排気流中の、これら反応成分の一方又は両方の濃度を評価することが含まれる。本発明の方法には、引き続き、電極の排気流中の反応成分の濃度を電極のレドックスダメージのない燃料電池から取り出される最大電流と関係付ける工程が含まれる。これは、対応する電極排気流中の反応成分濃度と、レドックスダメージのない状態で取り出された最大電流との間の関係を予め求めておくことにより行うことができる。この評価は、一方又は両方の電極における反応成分の利用率の決定と、効率の最適化及び電極ダメージ防止のための燃料電池の運転制御に用いることができる。
【0010】
本発明の好ましい態様においては、本発明の方法には、アノード排気流からのサンプリングと、その燃料品質の評価が含まれる。アノード排気流の燃料品質は、アノード/電解質界面における酸素との反応能力を示す指針である。換言すると、燃料品質は、アノード排気流中の反応性燃料成分の量を示す指針である。所定の電流を取り出す場合、アノード排気流の燃料品質が不適当であると、取り出す電流のために電解質を通りアノードに移送された酸素イオンと反応させるには、不十分な量の反応性燃料成分しかアノード/電解質界面に存在しないことになるであろう。その場合、酸素イオンはアノードと反応し、酸化ダメージを引き起こす。酸化ダメージを防止するには、アノードに到達する酸素イオンの移動速度を遅くするように燃料電池の運転を調整する必要がある。これは、電池から取り出す電流を減らす、及び/又はアノード排気流の燃料品質を向上させることにより酸素イオンと反応させる反応性燃料成分の濃度を増加させることにより行うことができる。定常的な運転状態では、取り出される電流は、実質的に固定されている。その場合、燃料供給流の組成を固定した状態で、アノードへの燃料供給流の流速を増加させることによりアノード排気流の燃料品質を調整することができる。アノードへの反応性燃料成分の濃度を増加させることにより燃料供給速度を調整しなくても同様の効果を得ることができる。酸化剤の供給速度も、カソードの安全かつ効率的な運転のため、同様の方法により調整することができる。
【0011】
アノード排気流の燃料品質が非常に高い場合、過剰の反応性燃料成分が存在することになる。その場合、電池からさらに電流を取り出す目的があるため、燃料利用率は最適化されない。燃料供給流の組成を固定すると、アノード排気流の燃料品質を低下させることにより(取り出す電流を増加させることにより)、及び/又は燃料の供給速度を低下させることにより効率を向上させることができる。導入ガスの品質の変動も、アノードへの反応性燃料成分の濃度を変化させる。燃料電池の燃料利用率は、電極の排ガス組成や、一般的な運転条件や、供給ガスの組成についての知見により調整することができる。
【0012】
本実施形態では、本発明の要点は、取り出される好ましい電流及び/又は燃料供給(速度又は組成)を制御するために、アノード排気流の燃料品質をアノードの酸化リスクの指針とすることにある。これにより、安全限界を低くすることなく、安全な運転範囲内で燃料電池の運転を最適化することができる。本発明は、取り出された電流と電極排気の品質とを関係付けるのに用いることができるので、燃料利用率の制御を、所定の運転状態における電池システムの熱要求に適合させる手段としても用いることができる。一の燃料電池スタックデザインにおける燃料利用率の限界が閾値を決めるかもしれないが、それが燃料電池の目標運転条件のためのすべての要因ではない。最大出力電力、最高効率点、熱の自己維持、そして蒸気発生による流入組成の安定性等の考慮すべき問題が、システムデザインの選択及び速やかな運転条件に基づき目標の燃料利用率を決定する。
【0013】
別の実施形態では、方法には、カソード排気流のサンプリングと、そのカソード排気流の酸素分圧と基準ガスの酸素分圧とを比較することにより酸化剤の品質を評価することが含まれる。カソード排気流の酸化剤品質は、カソード/電解質界面における電子との反応能力を示す指針である。所定の取り出し電流において、カソード排気流の酸化剤品質が不適当であると、電池電圧と出力電力も低下する。そのため、移送された電子に対し、酸素が不十分となる。この場合、不可逆的なダメージの原因となるカソードを減らすというリスクがある。酸化剤の流速と取り出される電流を変化させることにより、上述のように修復可能である。カソード排気流の酸化剤品質が非常に高い場合、電池電圧を増加させる(大量に酸素を供給することにより電圧を増加させる)ことによっては回復できない程高い酸化剤流速が必要であり、その流速を得るために必要なポンプ輸送パワーを確保しなければならず、システムへの過剰な寄生損失が生じる。これは、アノード排気流中の不要な燃料品質に関係づけて上記の制御指針により修復が可能である。
【0014】
酸化剤のマスフロー速度(実効)電圧と、酸化剤のマスフロー供給におけるポンプ輸送損失に基づくシステムへの寄生損失(parasitic losses)とをトレードオフすることにより電力を最大化するため、酸化剤の利用率の制御が可能なように、酸化剤の供給を十分減らすことができる。固体酸化物燃料電池の場合、空気(酸化剤)は安価で、かつ化学量論比よりもかなり過剰に必要とされるので、酸化剤の利用率は通常重要な意味を持たない。空気は、燃料電池スタックを冷却するのに必要である。システムがわずかな電力しか出力する必要がなく、かつ熱を拒絶することが必要でない場合には、低い化学量論比が成立する。低い化学量論比は、酸化剤が主たる冷却手段になっていない燃料電池にも適用できる。
【0015】
アノード排気流の燃料品質は、アノードにおける酸素分圧の指針であると考えることができる。低い酸素分圧は高い燃料品質等を意味する。カソード排気流の酸化剤品質は、カソードにおける酸素分圧の指針であると考えることもできる。したがって、電極排気流の酸素分圧の測定は、排気流の品質(反応性成分に関して)を示す便利な方法を提供するものであり、この測定は、電極がレドックスダメージを受けない状態で、供給物の最適利用率を達成するように燃料電池を制御する方法に用いることができる。そのため、典型的には、本発明の第1の工程には、流中の反応性成分の濃度を評価するための手段として、電極排気流の酸素分圧を測定する酸素センサを用いる工程を含むものである。
【0016】
一般的に、電極排気流の品質(反応性成分の含有量に関して)は、酸素センサのネルンスト電圧を測定することによって決定することができるものであり、その酸素センサでは、基準電極が基準ガスに曝され、作用電極はサンプリングされた排気流に曝されている。開放電圧(OCV)とセンサ電解質の温度の測定により、決定すべき排気流の量を知ることができる。固体酸化物燃料電池の典型的な運転温度においては、酸素分圧1 x 10-16〜1 x 10-12の範囲でアノードの酸化が起きることが知られている。同様に、固体酸化物燃料電池のカソードの還元は、典型的には<10-10の低い酸素分圧で起きる。両方の場合においても、本発明は、酸素分圧の測定を含み、電極構造内部の気体移動の変動及び電流密度に伴うそれら特性の変動を許容するものである。本発明の実施においては、従来の酸素センサを用いることができ、当業者はその操作を熟知している。便利な酸素センサは市販のものであり、燃料電池スタック又はマニホールドの配管又はシステムの残部の中に配設することができる。センサは、燃料電池スタックの一部として固体酸化物燃料電池の製造業者により容易に取り付けることができる。
【0017】
基準ガスは公知の組成であって、多くの種類の異なるガスを用いることができる。空気を用いることが好ましい。空気は、実質的に組成が一定であり、燃料電池システムの中に加圧流体として大量に供給することができるからである。基準ガスは非使用の状態にあり、センサの基準電極に対し新鮮な基準ガスが供給されている。燃料品質を評価する際、酸素センサの供給される基準ガスには、空気又は改質された導入燃料を用いることができる。
【0018】
改質された燃料は基準ガスとして有用であり、流入燃料の品質と流出燃料の品質とを比較することにより、スタックの燃料利用率の指針を提供することができる。改質は、平衡からの変動に対して補償される。これは、スタックに特性の変化する燃料を、例えば、自熱式の改質器又は部分酸化反応器から、又は蒸気発生器の出力により流量と品質が変動するものを供給する場合に便利である。燃料を過渡的条件で供給する時、スタックに供給される燃料品質の減少を、2つの流れ(負荷条件又は燃料流速の変化がない場合)の間の酸素分圧の差の減少により予めなくしておくことができる。この方法により、スタックの上流の不安定な状態を検出することができ、システムを安定な状態にする、又は酸化ダメージに対する安全限界を増加させるためスタックの目標利用率を緩和する方策をとることができる。
【0019】
基準ガスからは電流を取り出すことはできず、電圧を測定することだけが目的である。センサの電解質の温度は、熱電対等の従来の手段を用いて測定することができ、あるいは温度についてのACインピーダンス特性から得ることもできる。
【0020】
燃料及び/又は酸化剤の品質と、レドックスダメージのリスクなしで取り出すことのできる最大電流との間の関係は、所定の燃料電池システムに対する実験的試験により確立することができる。この関係は、反応性成分の利用率と拡散過電圧(実験により測定され、取り出された電流と、反応性成分の品質と、燃料の流速の関数として特徴付けられる)とによって変化し、本発明の一実施形態では、より正確に燃料電池の制御を行うため、拡散過電圧を考慮している。
【0021】
アノードの酸化は、空気を過剰に流し、GCI試験で長時間定数を観測したり、又は電極の電気抵抗を大きくしたり又は触媒活性を低下させたりすることにより評価することができる。取り出される電流に対しダメージを与える同じ排気燃料品質を実際に適用する場合、ダメージを防止するため、取り出される電流及び/又は燃料供給を適当に調整することができる。
【0022】
アノードの場合のように、カソードの劣化(酸化ではなく還元による)は、電池の過電圧の増加として観測される。典型的には、燃料電池システムは化学量論比で運転され、空気の利用率が燃料の利用率よりも実質的に低くなるように設定されている。そのため、燃料利用率が妥当であれば、空気の利用率が限界ではなく、システムの運転電力を制限する必要はない。化学量論比が低い時に空気の利用率が測定できるように、燃料電池システムを設計することができる。
【0023】
説明したセンサを用いることによりスタックに対し燃料利用率を示すことができ、その利点は、スタックの燃料利用率の指標を得るためには、スタックに供給される燃料は流量測定により測定される必要はないことである。
【0024】
一定の長時間に亘り、燃料利用率を追跡することができる。スタックから取り出される電流の知見と組み合わせ、スタックの電圧応答をモニタリングすることにより、燃料利用率の限界値を短期間における限界値とみなすことができる。限界電圧を、電流と反応物利用率の関数として動的に設定することができる。これは定常状態運転から特徴付けられる。個々の電圧が測定された時の電流は、瞬間利用率との関係に従う。電圧対電流の関係(VI)における変化は、VIの変化の原因となる観測された利用率の変化に基づいて限界電圧を補正するのに用いられる。あるいは、燃料流量の変化により限界電圧を少し補正することもできる。
【0025】
燃料のセンサへの移動に伴うセンサの応答遅れがあり、また過渡的運転状態時における希釈効果によりガス組成が遅れて変化するので、この電圧を制限する方法は重要である。この方法は、スタック劣化の機構によるスタック電圧の変化には影響されない。なぜなら、先の定常状態運転の時に収集されたデータを参照して短期間に実行されるからである。この方法を用いることにより、利用率測定、電流測定そして電圧測定があるのでスタック特性も決定することができる。これらの指針から、寿命のある限り、スタックの電力出力範囲で過電圧を特徴付けることができる。
【0026】
本発明の一実施形態においては、燃料電池スタックへの流入及び流出流は、酸素センサにより互いに直接参照される。センサのネルンスト電圧は、電極における反応性成分の利用率の指針として利用される。本実施形態では、関連する排気流の燃料及び/又は酸化剤の品質は、流入燃料及び/又は酸化剤ガスの品質の先の知見から決定することもできる。
【0027】
あるいは、流入及び排気流は、別々に準備された基準ガスと測定された試料の酸素分圧に対し別々に参照される。流入及び流出流の酸素分圧の測定及び比較により、流速又は取り出される電流を参照することなく、反応性成分の利用率を決定することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施形態には、関係する電極−電解質流体界面(三重点のガス品質)における反応性成分の品質の計算が含まれ、それにより、電流密度、電極の物質輸送特性そして電極に供給されるガスによる電池電極のガス組成勾配を計算に入れることができる。この効果は、分極過電圧と呼ばれる。本実施形態では、分極過電圧が計算され、すべての電流密度に対する許容可能な最大燃料利用率と電極が利用可能なガス品質を設定するため、電流制限コントロールループへの入力として用いられる。これは、電極及び電流密度が利用可能なガス品質のすべての運転範囲において、電極の物質輸送特性の先の特徴を参照して実行される。実験による特徴付けは、使用される特定構造の電池システムにしか適用することができない。これらは、スタック内の熱勾配により変化する、燃料電池スタック内の流量分布の影響である。その勾配は、運転条件、断熱、スタックの熱質量(thermal mass)に応じて変化する。流量分布の誤差を推定し、燃料利用率の限界をダイナミックに計算するため、運転時にスタックの温度勾配を測定することは有益である。改質反応と電気抵抗に対するエージング効果は時間とともに変化し、燃料電池スタック内で別々に予測することは困難であるので、この方法は有用である。上記の流量分布の誤差が大きくなればなるほど、燃料電池スタックが、電池を最低の流速、すなわち最高の反応物利用率で運転する時の要求を満たすように、排気される反応性ガスの品質を向上させる必要がある、
【0029】
以下の標準的な分析ツールを用いることにより、当業者であればキャラクタリゼーションを実行することができる。
・電池、スタック、そしてスタック内の電池についての電圧・電流曲線。これは、種々の反応物利用率について及び両電極の電位範囲で質量移動を分離することにより実行することができる。
・交流インピーダンススペクトロスコピー
・低電流インターラプション
・流入及び排気ガスのガスクロマトグラフィー分析
【0030】
破壊的となる運転限界を規定するため、電流と、燃料電池スタックの排気ガス品質(複数を含む)と、スタックの熱分布との関係を確立する意図である。
【0031】
別の実施形態では、流入及び流出の両方において、燃料流量と電極流体の品質とを測定する。これから、利用率を計算することができ、電極上のガスの品質を測定することができる。いずれかの方法を用い、三重点におけるガス品質の計算のためにインプットとしてこの方法を用いることができる。
【0032】
酸素分圧に対する酸化限界の変動が温度により変化することを許容するので、ガスの利用率をガス品質の限界の指針として用いることが好ましい。本発明のさらなる改良には、電極流体空間における酸素分圧をモニタリングすること、及び両方の電極に対し所望の酸素分圧を維持するために燃料及び酸化剤の流量そして取り出される電流をコントロールすることが含まれる。これには、酸化を防止するため、燃料電極に対し好ましい低酸素分圧を維持することと、酸化剤側電極の還元を防止するため、酸化剤側電極に対し好ましい高酸素分圧を維持することと、効率的な運転電圧を維持することが含まれる(それらは空気流速、燃料コスト、そしてシステムの熱要求とともに増加するので、結果としてポンプ輸送のロスをもたらす)。
【0033】
よって、好ましい態様において、本発明は、燃料供給流を、反応性燃料成分を電気化学反応により消費して燃料品質を有するアノード排気流を生成するアノードに送出する一方、酸化剤供給流を、反応性酸化剤成分を電気化学反応により消費して酸化剤品質を有するカソード排気流を生成するカソードに送出する、燃料電池の運転方法であって、
a) アノード排気流の燃料品質を評価し、
b) 酸化剤排気流の酸化剤品質を評価し、
c) 電極の三重点のガス品質を計算し、
d) アノード排気流の燃料品質を、燃料電池アノードの酸化ダメージなしに燃料電池から取り出すことのできる最大電流と関係づけ、
e) 酸化剤の排気流の酸化剤品質を、燃料電池への電圧効果と酸化剤供給量の寄生ポンプ輸送ロスに基づいて、最適消耗レベルと関係付ける一方、燃料電池の酸化剤側電極の還元ダメージなしに燃料電池から取り出すことのできる最大電流に対し安全限界を維持し、
f) 燃料電池のアノードを酸化することなく燃料電池の効率を最適化するため、燃料電池から取り出される電流を調整し、及び/又は燃料供給流の流速を調整し、及び/又は
g) 酸化剤側電極を還元することなく燃料電池の効率を最適化するため、燃料電池から取り出される電流を調整し、及び/又は酸化剤供給流を調整する。
【0034】
システムからの過渡的な電力要求の期間には、スタック電圧の導関数を参照するのが便利である。反応物の流速を調整するには、フィードフォワードコントロールを用いるのが便利である。例えば、さらなる電力要求に応じて、また現実には検出していないが燃料や空気がさらに消費されることを予め予想して、燃料流量を急増させることができる。同様に、負荷を拒否する場合、燃料電池システムの熱回収部分に対する負荷を最小にするため、遅れることなく燃料流量を減らすことが重要である。
【0035】
本発明を用いると、排気ガス品質は、測定され、かつ速やかな運転条件のため、ガス利用率の特徴付けられた限界値の範囲内での運転を可能とする電流と関係付けられるので、流量測定に伴う問題点に煩わされることなく、燃料電池の運転をコントロールすることができる。本発明のさらなる利点は、本発明の方法が、燃料電池(スタック)の電気抵抗の時間変化に影響されない点にある。さらに、本発明の方法は、電極供給流の性質に関係なく適用可能である。なぜなら、種々の電流密度において電極の公知の物質移動特性に関係しているのは排気流の品質であり、燃料又は酸化剤のそれぞれの酸化又は還元のリスクを代表するものだからである。本発明の方法は、他方の電極の電極ガス品質に影響されず(電池電圧の閾値を設定する時に起きるように)、結果として運転時における電池電圧の変化に寄与する効果を有する。本発明の意味するところは、蒸気/カーボン比や、流体の流量測定からの計算に基づく利用率に別の方法で影響を与える他の機構による燃料の希釈等は、ここに記載した本発明の方法には影響を与えないということである。しかしながら、目標酸素分圧における安全限界は、例えば蒸気流速の変化を説明するのに用いることができる。流入ガスの品質が検出されず、排気部分で検出される前に電池に影響を与える過渡的な組成を許容するように限界が設定される場所に適用することができる。あるいは、動的に計算された電圧限界を有する実際の電池電圧の上に限界を設けることができる。本発明は、本発明の方法を用いるように設計された燃料電池システムも提供するものである。
【0036】
アノード排気流の燃料品質を測定するのに用いられるセンサは、燃料電池又はスタックの外部に設けても良く、ガス分配プレナム(plenums)、マイホールド又はパイプの内部のアノード排気流を参照することもできる。あるいは、センサをスタック内に一体化することもでき、例えば、活性層の上に設けた分離部分であって、その活性層からのガス又は平均的なスタック排気組成を代表するガスをサンプリングする部分として設けることもできる。スタック内のアノード排気品質を直接測定するのが好ましい。なぜなら、取り出される電流及び/又はそれが供給される燃料ループに対し速やかに応答するからである。センサが、燃料電池スタック内のネルンスト電圧デバイスである場合、1以上の電極表面に改質触媒層と、アノード流入物と排気流を移動させるように配置されたガス流路をセンサに設けることができる。改質電極を設けた場合、電池が消費のためにそれを変換する場合、それは燃料品質の能力を示す指針を与える。この方法により、センサを用いて燃料電池の触媒の健康を決定することができる。
【0037】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、アノード(2)、カソード(3)、固体電解質(4)からなる燃料電池(1)を示す模式図である。アノード(2)には、反応成分を含むガス状燃料供給流(5)が供給され、カソード(3)には反応成分を含むガス状の酸化剤燃料供給流(6)が供給される。電池(1)の運転時には、反応成分は電気化学反応により消費され、各反応成分が減少したアノード及びカソード排気流(7,8)が生成する。図示した実施形態では、アノード排気流(7)の反応性燃料成分の濃度は、センサにより評価され、そのセンサは、センサ電極(10,11)が、アノード排気流(7)と、空気(12)にそれぞれ曝されている。この場合、空気が基準ガスとして使用されている。アノード排気流(7)中の反応性燃料成分の濃度と、燃料電池(1)から取り出される最大電流との間の関係は予め決定され、それにより、電極(2,3)のレドックスダメージがない状態で効率を最適化するように、電池の運転を調整することができる。
【0038】
図2は、センサ(9)の基準ガスが空気でなく、ガス状アノード供給流(5)を平衡改質器(13)により処理した改質燃料を用いた以外は、実質的に図1の装置と同じである。
【0039】
図3では、カソード排気流(8)中の反応性酸化剤成分の濃度を、センサ(9)により評価するもので、そのセンサは、一方の電極(10)にはカソード排気流(8)が供給され、他方の電極(11)には基準ガスとして空気(12)が供給されている。カソード排気流(8)中の反応性酸化剤成分の濃度と、電池(1)の運転特性との間の関係は、センサ(9)の出力を、最大効率を達成するための電池(1)の運転方法をコントロールするのに用いることができる。
【0040】
図に示した例は、電極へのガス輸送を示している。これは、短い拡散流路により行うことができ、あるいは排気配管を用いて燃料電池システム内の適当な配置にポンプで供給することも含む。
【0041】
実施例−燃料利用率測定のためのジルコニア酸素プローブの適用
3YSZからなる固定電解質(90mm×110mm、94±10μm)、Niグリッド(Niグリッド 64±20μm )を有するNi−サーメットのアノード(厚さ 57±10μm)、Agグリッド(102±20μm)を有するLSMカソード(61±10μm)、とからなる固体酸化物燃料電池を、定電流法で、850℃、4,10,20そして40%の水分を含む水素ガスを流して試験した。カソード側には空気を用いることができる。図4に示すように、電池は、アルミナの試験用スタンドの上に取り付けられている。電流は、アノード側のNi加圧層と、カソード側のAgのエキスパンドメッシュとにより集電される。空気と燃料をカソードとアノードに制限し、さらに交差混合を防止すするため、ガラス−セラミックのシールを用いた。燃料電池スタックを60Nで加圧し、集電体を密着させた。空気と水素の流速は、それぞれのガスで校正したマスフローコントローラで制御した。蒸留水で満たした加湿器を水素を加湿するのに用いた。水温は、温度コントローラを用い所望の温度となるように制御した。
【0042】
燃料入口及び排気流の酸素分圧は、ジルコニア酸素プローブを用いて測定した。プローブは、オーストラリアのノバテック・コントロール・ピイティワイ社(Novatech Controls Pty.Ltd)から購入した。ジルコニアペレットの両面には高多孔性のPtペーストを塗布して電極とした。プローブの開放面を燃料内の酸素量を検出するのに用いるが、シール面の空気と比較した。2つの面における酸素分圧の差は電圧として現われ、その2つの面に取り付けられた2つのPtプローブにより測定した。プローブの温度は、空気面の基準極に取り付けたR熱電対により測定した。入口のガス組成がわかれば、プローブを通過する燃料排気の温度と電圧を燃料利用率の指針を与えるものとして用いることができる。このようにして計算された燃料利用率を、スタック電流と水素流速から計算した燃料利用率と比較した。
【0043】
燃料電池スタックは、導入水分量4%で、20%、25%そして30%の燃料利用率で運転した。水分量10%、20%そして40%では、利用率は15%に低下した。用いた燃料利用率は、水素流速と運転電流から算出した。導入燃料用と排気用の酸素センサにより、用いた組成の異なる燃料の酸素分圧を測定した。排気燃料用のセンサは、運転電流、水素の流速そして燃料の湿度に依存する、燃料排気ガスの組成に影響され易いことがわかった。
【0044】
得られた結果は、燃料利用率を決定する2つの方法の間に良好な相関があることを示している。一例として、排気燃料の酸素プローブの出力から計算して燃料利用率22%が得られた。導入した湿度のレベルは、水温から直接計算して5.12%であった。用いた水素流速279 mSLMと電流8Aの場合、通常の方法では、燃料利用率の数字として20%であった。2つの方法間のパーセンテージの差は、選択された燃料利用率と用いた導入湿度のレベルに応じて生じたものである。
【0045】
酸素プローブの出力から推定すると、低湿度レベル5-6%の場合、10-13%高い数字が得られた。湿度レベル24%と13%とでは、差は16%と17%に増加した。2つの方法からの推定による差異は、湿度レベル48%では、<1%に減少した。
【0046】
本試験では、充填された燃料のマスフローレート、電流測定、漏れ、湿度そして結果として導入燃料の組成が誤差の原因となる。本実験では、導入燃料の組成は、酸素プローブにより測定されておらず、充填ガス組成と、測定した加湿温度に基づく水分量から推定したものである。そのため、入口における推定組成の誤差は、出口組成との違いをもたらし、本実験における不一致点として現れている。アノード排気の組成は、コントロールされるべき関数であるので(厳密には燃料流量と電流の関係ではない)、この測定は、他の方法よりも、オンラインで燃料電池スタックの運転状態を解析する非常に優れた方法を提供する。
【0047】
試験品
1)PEN(正極−電解質−負極)
燃料電池の試験に用いたPENは、大きさ110mm×90mmの固体電解質(3YSZ、94±10μm)からなる。YSZと混合したNiを片面にスクリーン印刷し(厚さ57μm)、1400℃で2時間焼成してアノードを作製した(100mm×80mm)。LSMは逆の面にスクリーン印刷し(厚さ61μm)、1150℃で2時間焼成してカソードを作製した(100mm×80mm)。
【0048】
2)酸素プローブ
ノバテックの酸素プローブ(モデル1232)を用いた。プローブは、両面に導電性のPtペーストを塗布したジルコニア酸素センサである。センサを、外径8mm、長さ170mmのアルミナ管の一端に固定した。空気側基準極の温度を測定するため、R熱電対を用いた。
【0049】
その酸素プローブの製造者による仕様書は以下の通りである。

用途: 汚染物を含まない700℃以上の燃焼煙管ガス。例えば、天然ガス、照明用オイル。
温度範囲: 700-1400℃
長さ: 500-1500mm
プロセス接続: 3/4"BSP又はNPT
シース外径: 19mm
ヒータ: なし
煙管ガス熱電対: R、一体型
応答時間: 典型的には1秒以内
ヘッド温度: 最大150℃
基準ガス: 空気
校正用ガス流量: 10-500cc/min
基準空気接続: プローブケーブル中の一体型空気ライン
粒子用フィルター
(オプション): 不要
校正用ガス接続: 1/8"NPT雌型
重量: 0.1kg/100mm長さ
【0050】
図5は、燃料電池と酸素プローブの配置を示す模式図である。酸素プローブは、試験台の水素排気ポートの中空部に挿入されている。水素は側面から入り側面から出る。導入ポートに水素を運ぶ銅管部は、燃料中の水の凝縮を防止するため、130℃以上に加熱した。試験台から排気燃料を運ぶ銅管は、通常150℃以上であるので、加熱しなかった。
【0051】
4つ足のアルミナの試験台は、組立時のリークを検出するため、加圧試験を行った。試験を行った試験ステーションも、配管のリークがないかをチェックした。PENを、ガスの入口と出口用の孔を備えたアルミナ板にガラス−セラミックシールにより固定した。アノードが下になるように配置した。炉を室温で、850℃まで60℃/時間で加熱した。スタックが所定の温度に到達した時、シールに漏れがないことをチェックするためにPENに加圧試験を行った。これは、燃料側と空気側について行った。
【0052】
次に、4%の水を含む水素300ml/minにアノードを曝した。カソード側は、空気200ml/minに曝した。酸化物の還元(NiOをNiに)が終了したか否かは、スタックの開回路電圧の安定性により判断した。1.075Vの安定なOCVが、1時間以上継続した場合に、アノードの還元が終了したと判断した。次に、燃料電池スタックを、8Aの定電流で運転し、空気と水素の流速を20%の燃料利用率と60%の空気利用率を与えるように調整した。電流と水素/空気の流速を変化させることにより、燃料利用率を25%、そして30%に変化させた。スタックを、しばらく、15%の燃料利用率で運転した。この間、燃料中の水分量を10%、20%そして40%に維持した。燃料中の実際の水分量は、水の温度から常に計算した。
【0053】
燃料流中の水分量を変化させて開回路電圧で、スタックを運転した。入口と排気の燃料中の酸素プローブ間の電圧出力の類似点をこの間もモニターした。この運転は、酸素プローブが正確に動作していることを確認するためのもので、試験台や他の部材による隠れた不具合により外部から排気ガス中に空気が混入していないことを確認するためである。開回路状態のスタックで、加湿レベルとともに変化する導入燃料の組成をチェックするのに酸素プローブを用いた。スタックにリークがなく、かつ開回路状態に有る時、燃料が消費されないので、これは可能であった。
【0054】
得られた結果を以下の表1に順番に示すが、スタックについて、導入水分量とスタック電流を変化させることにより、一の利用率から別の利用率へと試験している。
【0055】
【表1】

【0056】
本明細書及び以下のクレームを通して、文脈において必要がなければ、「有する」という用語や、「含む」や「備える」等の変形は、示された要素又は工程あるいは示された要素群又は工程群を含むことを意味するものであり、他の要素又は工程あるいは他の要素群又は工程群を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
(原文に記載なし)
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応成分を含むガス状の供給流が、該反応成分が電気化学反応により消費される電極に供給され、そこで該反応成分が消費された排気流を生成する、燃料電池の運転方法であって、
a)排気流中の反応成分の濃度を評価し、
b)排気流中の反応成分の濃度を、電極のレドックスダメージのない燃料電池から取り出される最大電流と関係付け、そして
c)電極のレドックスダメージがない状態で効率を最適化するために、燃料電池の運転状態を調整する、燃料電池の運転方法。
【請求項2】
アノード排気流をサンプリングするとともに、その排気流の燃料品質を評価する請求項1記載の運転方法。
【請求項3】
アノードへの酸素の移動速度を低下させて燃料電池の運転を調整することにより、アノードの酸化ダメージを防止する請求項1記載の運転方法。
【請求項4】
電池から取り出される電流を減らすことにより及び/又はアノード排気流の燃料品質を向上させることにより燃料電池の運転を調整して、酸素イオンと反応可能な反応燃料成分の濃度を増加させる請求項3記載の運転方法。
【請求項5】
カソード排気流をサンプリングし、その排気流の酸素分圧と基準ガスの酸素分圧とを比較することにより、その排気流の酸化剤品質を評価する請求項1記載の運転方法。
【請求項6】
基準電極が基準ガスに曝され、作用電極が採集された排気流に曝されている酸素センサのネルンスト電圧を測定することにより、排気流中の反応成分の濃度を決定する請求項1記載の運転方法。
【請求項7】
基準ガスが空気である請求項6記載の運転方法。
【請求項8】
燃料供給流を、反応性燃料成分を電気化学反応により消費して燃料品質を有するアノード排気流を生成するアノードに送出する一方、酸化剤供給流を、反応性酸化剤成分を電気化学反応により消費して酸化剤品質を有するカソード排気流を生成するカソードに送出する、燃料電池の運転方法であって、
a) アノード排気流の燃料品質を評価し、
b) 酸化剤排気流の酸化剤品質を評価し、
c) 電極の三重点のガス品質を計算し、
d) アノード排気流の燃料品質を、燃料電池アノードの酸化ダメージなしに燃料電池から取り出すことのできる最大電流と関係づけ、
e) 酸化剤の排気流の酸化剤品質を、燃料電池への電圧効果と酸化剤供給量の寄生ポンプ輸送ロスに基づいて、最適消耗レベルと関係付ける一方、燃料電池の酸化剤側電極の還元ダメージなしに燃料電池から取り出すことのできる最大電流に対し安全限界を維持し、
f) 燃料電池のアノードを酸化することなく燃料電池の効率を最適化するため、燃料電池から取り出される電流を調整し、及び/又は燃料供給流の流速を調整し、及び/又は
g) 酸化剤側電極を還元することなく燃料電池の効率を最適化するため、燃料電池から取り出される電流を調整し、及び/又は酸化剤供給流を調整する、燃料電池の運転方法。

【公表番号】特表2006−516354(P2006−516354A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500408(P2006−500408)
【出願日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【国際出願番号】PCT/AU2004/000052
【国際公開番号】WO2004/064184
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(500101988)セラミック・フューエル・セルズ・リミテッド (12)
【Fターム(参考)】