説明

燃料電池システムおよび燃料電池の状態検知方法

【課題】炭化水素センサを設けなくても燃料電池の状態を検知することができる燃料電池システムおよび燃料電池の状態検知方法を提供する。
【解決手段】燃料電池システム100は、炭化水素から水素を生成する改質部51と、改質部51において生成された水素を燃料として発電する燃料電池60と、燃料電池60のアノードオフガスを燃焼させる燃焼室52からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ70と、酸素センサ70の検出結果から得られる排気ガス中の酸素濃度の変動に基づいて燃料電池60の劣化を判定する制御部10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムおよび燃料電池の状態検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、一般的には水素および酸素を燃料として電気エネルギを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。
【0003】
燃料電池を備える燃料電池システムにおいては、炭化水素等の燃料から水素を生成するための改質器が備わっていることがある。改質器において生成された燃料ガス中の炭化水素濃度を検出することによって、改質器の劣化を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/018035号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、改質器の改質効率の低下に伴って燃料電池が劣化することがあるため、特許文献1の技術等を用いて改質器の改質効率低下を検知できることが好ましい。しかしながら、特許文献1の技術では、炭化水素センサを設ける必要がある。この場合、コストがかかる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、炭化水素センサを設けなくても燃料電池の状態を検知することができる燃料電池システムおよび燃料電池の状態検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る燃料電池システムは、炭化水素から水素を生成する改質部と、改質部において生成された水素を燃料として発電する燃料電池と、燃料電池のアノードオフガスを燃焼させる燃焼室からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサと、酸素センサの検出結果から得られる排気ガス中の酸素濃度の変動に基づいて燃料電池の劣化を判定する判定部と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムにおいては、炭化水素センサを設けなくても燃料電池の状態を検知することができる。
【0008】
上記燃料電池システムは、燃焼室における空気過剰率を制御する空気過剰率制御手段をさらに備え、空気過剰率制御手段は、判定部が排気ガス中の酸素濃度の変動を取得する際に空気過剰率を増加させてもよい。この場合、空気過剰率の増加に伴って酸素濃度の変動が大きくなる。それにより、酸素濃度変動の検出精度が向上する。
【0009】
判定部は、燃焼室における空気過剰率の増加に対して排気ガス中の酸素濃度の変動が大きいほど、燃料電池の劣化が大であると判定してもよい。この場合、燃料電池の劣化を定量的に判断することができる。
【0010】
上記燃料電池システムは、燃料電池が劣化していると判定部によって判定された場合に、ユーザに燃料電池の劣化を報知する報知装置をさらに備えていてもよい。また、酸素濃度の変動は、所定期間に酸素センサによって検出された複数の検出値から算出される標準偏差であってもよい。また、燃料電池は、固体酸化物型燃料電池であってもよい。また、燃料電池のアノードは、ニッケルを含んでいてもよい。
【0011】
本発明に係る燃料電池の状態検知方法は、改質部において炭化水素から生成された水素を燃料として発電する燃料電池のアノードオフガスを燃焼させる燃焼室からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出ステップと、酸素濃度検出ステップにおいて得られる排気ガス中の酸素濃度の変動に基づいて燃料電池の劣化を判定する判定部ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池の状態検知方法においては、炭化水素センサを設けなくても燃料電池の状態を検知することができる。
【0012】
上記燃料電池の状態検知方法は、判定ステップにおいて排気ガス中の酸素濃度の変動を取得する際に空気過剰率を増加させる空気過剰率増加ステップをさらに含んでいてもよい。この場合、空気過剰率の増加に伴って酸素濃度の変動が大きくなる。それにより、酸素濃度変動の検出精度が向上する。
【0013】
判定ステップにおいて、燃焼室における空気過剰率の増加に対して排気ガス中の酸素濃度の変動が大きいほど、燃料電池の劣化が大であると判定してもよい。この場合、燃料電池の劣化を定量的に判断することができる。
【0014】
上記燃料電池の状態検知方法は、燃料電池が劣化していると判定部によって判定された場合に、ユーザに燃料電池の劣化を報知する報知ステップをさらに含んでいてもよい。また、酸素濃度の変動は、所定期間に前記酸素センサによって検出された複数の検出値から算出される標準偏差であってもよい。また、燃料電池は、固体酸化物型燃料電池であってもよい。また、燃料電池のアノードは、ニッケルを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、炭化水素センサを設けなくても燃料電池の状態を検知することができる燃料電池システムおよび燃料電池の状態検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1に係る燃料電池システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】酸素センサの詳細を説明するための模式的断面図である。
【図3】燃料電池の詳細について説明するための模式図である。
【図4】(a)は酸素濃度変動を取得するために実行されるフローチャートの一例を示す図であり、(b)は(a)のフローチャートにおいて記憶した酸素濃度変動を用いて燃料電池の劣化を判定する際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、実施例1に係る燃料電池システム100の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、制御部10、アノード原料供給部20、改質水供給部30、カソードエア供給部40、改質器50、燃料電池60、酸素センサ70、熱交換器80、および報知装置90を備える。
【0019】
アノード原料供給部20は、炭化水素等の燃料ガスを改質部51に供給するための燃料ポンプ等を含む。改質水供給部30は、改質部51における改質反応に必要な改質水を貯蔵する改質水タンク31、改質水タンク31に貯蔵された改質水を改質部51に供給するための改質水ポンプ32等を含む。カソードエア供給部40は、カソード61にエア等の酸化剤ガスを供給するためのエアポンプ等を含む。
【0020】
改質器50は、改質部51および燃焼室52を含む。燃料電池60は、カソード61とアノード62とによって電解質が挟持された構造を有する。例えば、燃料電池60として、固体酸化物型燃料電池(SOFC)を用いることができる。報知装置90は、ユーザ等に注意、警報等を報知するための装置である。制御部10は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される。
【0021】
続いて、燃料電池システム100の動作の概要を説明する。アノード原料供給部20は、制御部10の指示に従って必要量の燃料ガスを改質部51に供給する。改質水ポンプ32は、制御部10の指示に従って必要量の改質水を改質部51に供給する。改質部51は、燃焼室52で発生する熱を利用した改質反応によって、燃料ガスと改質水とから、水素を含有する改質ガスを生成する。生成された改質ガスは、アノード62に供給される。
【0022】
カソードエア供給部40は、制御部10の指示に従って必要量のカソードエアをカソード61に供給する。それにより、燃料電池60において発電が行われる。カソード61から排出されたカソードオフガスおよびアノード62から排出されたアノードオフガスは、燃焼室52に流入する。燃焼室52においては、アノードオフガス中の可燃成分がカソードオフガス中の酸素によって燃焼する。燃焼によって得られた熱は、改質部51および燃料電池60に与えられる。
【0023】
このように、燃料電池システム100においては、アノードオフガス中に含まれる水素、一酸化炭素等の可燃成分を燃焼室52において燃焼させることができる。酸素センサ70は、燃焼室52から排出される排気ガス中の酸素濃度を検出し、その検出結果を制御部10に与える。熱交換器80は、燃焼室52から排出された排気ガスと水道水との間で熱交換する。熱交換によって排気ガスから得られた凝縮水は、改質水タンク31に貯蔵される。報知装置90は、燃料電池60の状態に関する情報をユーザ等に報知する。
【0024】
図2は、酸素センサ70の詳細を説明するための模式的断面図である。図2に示すように、酸素センサ70は、限界電流式酸素センサであって、電解質71の一面にアノード72が設けられ、電解質71の他面にカソード73が設けられ、細孔が形成された多孔質基板74がカソード73を覆うように配置された構造を有する。電解質71には、ヒータ75が配置されている。
【0025】
電解質71は、酸素イオン伝導性の電解質からなり、例えばジルコニアからなる。アノード72およびカソード73は、例えば白金からなる。アノード72およびカソード73は、配線を介して外部回路を形成する。この外部回路には、電源76および電流計77が設けられている。多孔質基板74は、例えば多孔質状のアルミナからなる。ヒータ75は、例えば白金薄膜等からなる。
【0026】
続いて、制御部10による酸素センサ70の制御について説明する。制御部10は、ヒータ75に電力を供給することによって、電解質71を加熱する。電解質71の温度が所定値に到達した後、制御部10は、アノード72にプラス電圧が印加されるように電源76を制御する。電源76によってアノード72に電圧が印加されると、下記式(1)に従って、カソード73において酸素が酸素イオンとなって電解質71を伝導する。アノード72においては、下記式(2)に従って、酸素イオンが酸素分子となる。
+ 4e → 2O2− (1)
2O2− → O + 4e (2)
【0027】
カソード73への酸素輸送量は、多孔質基板74の細孔によって支配されるため、式(1)および式(2)の反応によって生じる電流(限界電流)は、多孔質基板74の細孔における酸素ガス拡散量によって決定される。この酸素ガス拡散量は、多孔質基板74の外部の酸素濃度によって決まる。
【0028】
制御部10は、電流計77の検出値に応じて酸素センサ70の出力電流を取得する。酸素センサ70の出力電流は酸素濃度に比例する。制御部10は、この比例関係に基づいて、酸素センサ70がさらされる雰囲気の酸素濃度を検出する。
【0029】
図3は、燃料電池60の詳細について説明するための模式図である。図3に示すように、燃料電池60は、カソード61とアノード62とによって電解質63が挟持された構造を有する。カソード61は、例えば、ランタンマンガナイト等を材料とする。アノード62は、例えば、ニッケル等を材料とする。電解質63は、例えば、ジルコニア等を材料とする。
【0030】
アノード62に供給された改質ガス中の水素および一酸化炭素は、アノード62に対して電子を放出する。アノード62に放出された電子は、外部回路を通って電気的な仕事をした後にカソード61に供給される。カソード61に供給されたカソードエア中の酸素は、カソード61に供給された電子を受け取って酸素イオンになる。この酸素イオンは、電解質63を移動してアノード62に到達する。アノード62においては、電子を放出した水素および一酸化炭素と酸素イオンとが反応して、水および炭酸ガスが生成される。
【0031】
触媒機能低下等に起因して改質器50における改質効率が低下すると、改質器50からアノード62に供給される改質ガス中の炭化水素燃料濃度が高くなる。この場合、炭化水素燃料は、アノード62のニッケルを触媒として、下記式(3)の水蒸気改質反応によって水蒸気と反応する。それにより、水素および一酸化炭素が生成される。なお、式(3)では、炭化水素燃料の一例として、メタンを用いた。下記式(3)で生成された水素および一酸化炭素が上記の発電反応に供される。
CH + HO → CO + 3H (3)
【0032】
しかしながら、アノード62へ炭化水素燃料が供給されると、炭化水素燃料中の炭素がアノード62の表面に析出することがある。アノード62の触媒機能は、炭素析出に伴って低下する。その結果、燃料電池60の発電性能が低下するとともに、アノードオフガス中の炭化水素濃度が増加する。以上のことから、アノードオフガス中の炭化水素濃度の増加を検知することによって、燃料電池60が劣化していると判断することができる。なお、アノード62の触媒機能は、アノード62の酸化等によっても低下する。
【0033】
例えば、アノード62の触媒機能が低下すると、アノードオフガス中の水素濃度と炭化水素濃度との比率が変動する。炭化水素および水素の比燃焼性が互いに異なることから、水素濃度と炭化水素濃度との比率の変動に伴って、燃焼室52における燃焼状態が変動する。そこで、本実施例においては、燃焼室52における燃焼状態の変動に基づいて、アノードオフガス中の炭化水素濃度の増加を検知する。
【0034】
具体的には、炭化水素の比燃焼性が水素の比燃焼性に比較して低いことから、アノードオフガス中の水素に対する炭化水素濃度が増加すると、アノードオフガスの比燃焼性が低下する。それにより、燃焼室52における燃焼が不安定化し、排気ガス中の酸素濃度が変動する。一方、アノードオフガス中の水素に対する炭化水素濃度が減少すると、アノードオフガスの比燃焼性が向上する。それにより、燃焼室52における燃焼が安定化し、排気ガス中の酸素濃度の変動が抑制される。以上のことから、酸素センサ70の検出結果に基づいて、アノードオフガス中の炭化水素濃度が増加しているか否かを判断することができる。
【0035】
さらに、炭化水素の燃焼限界混合比(メタンの場合、約2.5)が水素の燃焼限界混合比(約10)よりも大きいことから、燃焼室52における空気過剰率λを増加させることによって、燃焼状態の変動量を大きくすることができる。したがって、空気過剰率λを増加させることによって、燃焼状態の検出精度が向上する。なお、アノード原料供給部20からのアノード原料供給量およびカソードエア供給部40からのカソードエア供給量を制御することによって、空気過剰率λを制御することができる。
【0036】
本実施例においては、燃料電池60が劣化していると判定された場合、報知装置90は、制御部10の指示に従って、ユーザに警報等を報知する。それにより、ユーザ等は、燃料電池60の検査等を実施することができる。以下、燃料電池60の状態を検知するための具体的な制御について説明する。
【0037】
図4(a)は、酸素濃度変動を取得するために実行されるフローチャートの一例を示す図である。図4(a)のフローチャートは、周期的(例えば100msごと)に実行される。図4(a)に示すように、制御部10は、酸素センサ70の検出結果に基づいて、燃焼室52からの排気ガス中の酸素濃度CNC_O2を計測する(ステップS1)。次に、制御部10は、カウンタNに「1」を足し合わせる(ステップS2)。
【0038】
次に、制御部10は、カウンタNが算出データ数N_ref(例えば「120」)未満であるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3においてカウンタNが算出データ数N_ref未満であると判定された場合、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。それにより、酸素濃度CNC_O2が「N_ref」回計測される。ステップS3においてカウンタNが算出データ数N_ref未満であると判定されなかった場合、制御部10は、「N_ref」個の酸素濃度CNC_O2から酸素濃度変動σ_O2を算出して記憶する(ステップS4)。なお、酸素濃度変動σ_O2は、「N_ref」個の酸素濃度CNC_O2から算出される標準偏差である。
【0039】
図4(b)は、図4(a)のフローチャートにおいて記憶した酸素濃度変動σ_O2を用いて燃料電池60の劣化を判定する際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。図4(b)に示すように、制御部10は、酸素濃度変動σ_O2が許容上限σ_O2_ref(例えば「0.2」)を上回っているか否かを判定する(ステップS11)。許容上限σ_O2_refは、燃焼室52における燃焼状態の変動を判定するためのしきい値である。
【0040】
ステップS11において酸素濃度変動σ_O2が許容上限σ_O2_refを上回っていると判定されなかった場合、制御部10は、空気過剰率λが過剰率上限λ_max(例えば「8」)を上回っているか否かを判定する(ステップS12)。ここで、過剰率上限λ_maxは、燃焼室52において許容される空気過剰率の最大値である。
【0041】
ステップS12において空気過剰率λが過剰率上限λ_maxを上回っていると判定された場合、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。ステップS12において空気過剰率λが過剰率上限λ_maxを上回っていると判定されなかった場合、制御部10は、空気過剰率λを「0.1」大きくする(ステップS13)。なお、ステップS13が繰り返されることによって、空気過剰率λが除増する。それにより、酸素濃度変動σ_O2の検出精度が向上する。
【0042】
ステップS11において酸素濃度変動σ_O2が許容上限σ_O2_refを上回っていると判定された場合、制御部10は、空気過剰率λを通常制御値λ_bse(例えば「2.5」)に制御する(ステップS14)。通常制御値λ_bseは、燃料電池60の通常発電時に制御される空気過剰率である。
【0043】
次に、制御部10は、酸素濃度変動σ_O2に応じた制御値を選択する(ステップS15)。例えば、制御部10は、燃焼室52における燃焼を安定化させるための制御を行う。具体的には、制御部10は、アノード原料供給部20からのアノード原料供給量を増加させる制御を行う。
【0044】
次に、制御部10は、酸素濃度変動σ_O2が警告判定値σ_O2_max(例えば「0.5」)を上回るか否かを判定する(ステップS16)。警告判定値σ_O2_maxは、燃料電池60が劣化しているか否かを判定するためのしきい値である。ステップS16において酸素濃度変動σ_O2が警告判定値σ_O2_maxを上回ると判定された場合、制御部10は、警報を表示するように報知装置90を制御する(ステップS16)。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。また、ステップS16において酸素濃度変動σ_O2が警告判定値σ_O2_maxを上回ると判定されなかった場合、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0045】
図4(a)および図4(b)のフローチャートに従えば、酸素センサ70を用いて燃焼室52における燃焼変動を検知することができる。それにより、燃料電池60の劣化を検知することができる。
【0046】
なお、空気過剰率λを除増させる場合、空気過剰率λの増加に対して酸素濃度変動σ_O2が大きいほど、燃料電池60の劣化がより進行していると判断することができる。この場合、燃料電池60の劣化を定量的に判断することができる。
【0047】
本実施例においては、制御部10が判定部として機能し、カソードエア供給部40が空気過剰率制御手段として機能する。
【符号の説明】
【0048】
10 制御部
20 アノード原料供給部
30 改質水供給部
31 改質水タンク
32 改質水ポンプ
40 カソードエア供給部
50 改質器
51 改質部
52 燃焼室
60 燃料電池
61 カソード
62 アノード
63 電解質
70 酸素センサ
100 燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素から水素を生成する改質部と、
前記改質部において生成された水素を燃料として発電する燃料電池と、
前記燃料電池のアノードオフガスを燃焼させる燃焼室からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサと、
前記酸素センサの検出結果から得られる前記排気ガス中の酸素濃度の変動に基づいて、前記燃料電池の劣化を判定する判定部と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃焼室における空気過剰率を制御する空気過剰率制御手段をさらに備え、
前記空気過剰率制御手段は、前記判定部が前記排気ガス中の酸素濃度の変動を取得する際に、前記空気過剰率を増加させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記燃焼室における空気過剰率の増加に対して前記排気ガス中の酸素濃度の変動が大きいほど、前記燃料電池の劣化が大であると判定することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃料電池が劣化していると前記判定部によって判定された場合に、ユーザに前記燃料電池の劣化を報知する報知装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記酸素濃度の変動は、所定期間に前記酸素センサによって検出された複数の検出値から算出される標準偏差であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記燃料電池は、固体酸化物型燃料電池であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記燃料電池のアノードは、ニッケルを含むことを特徴とする請求項6記載の燃料電池システム。
【請求項8】
改質部において炭化水素から生成された水素を燃料として発電する燃料電池のアノードオフガスを燃焼させる燃焼室からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出ステップと、
前記酸素濃度検出ステップにおいて得られる前記排気ガス中の酸素濃度の変動に基づいて、前記燃料電池の劣化を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする燃料電池の状態検知方法。
【請求項9】
前記判定ステップにおいて前記排気ガス中の酸素濃度の変動を取得する際に、前記空気過剰率を増加させる空気過剰率増加ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8記載の燃料電池の状態検知方法。
【請求項10】
前記判定ステップにおいて、前記燃焼室における空気過剰率の増加に対して前記排気ガス中の酸素濃度の変動が大きいほど、前記燃料電池の劣化が大であると判定することを特徴とする請求項9記載の燃料電池の状態検知方法。
【請求項11】
前記燃料電池が劣化していると前記判定部によって判定された場合に、ユーザに前記燃料電池の劣化を報知する報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の燃料電池の状態検知方法。
【請求項12】
前記酸素濃度の変動は、所定期間に前記酸素センサによって検出された複数の検出値から算出される標準偏差であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の燃料電池の状態検知方法。
【請求項13】
前記燃料電池は、固体酸化物型燃料電池であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の燃料電池の状態検知方法。
【請求項14】
前記燃料電池のアノードは、ニッケルを含むことを特徴とする請求項13記載の燃料電池の状態検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−225475(P2010−225475A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72916(P2009−72916)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】