説明

燃焼装置

【課題】小容量バーナによる燃焼から大容量バーナによる燃焼への切り替え時において、燃焼の安定性を向上させることのできる燃焼装置を提供する。
【解決手段】大容量バーナ5と小容量バーナ6は交替燃焼を行っており、燃焼の切り替え時にのみ一時的に重複燃焼を行う燃焼装置2であって、小容量バーナ6のみの燃焼時は、送風機回転速度と送風路7の流路面積が最も小さくなる位置に設定され、小容量バーナ6から大容量バーナ5への切り替えは、大容量バーナ5での最小燃焼量時に比べ送風機回転速度を大きくし、かつ送風路の流路面積は小さくなる設定として、送風機の静圧が高くなる状態で行い、重複燃焼を終えた後に、送風機回転速度を小さくしながら、送風路の流路面積を大きくする動きで変更し、大容量バーナでの最小燃焼位置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイロットバーナとメインバーナのように、小容量バーナと大容量バーナを並列に設置して燃焼する燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許第4176686号公報に記載があるように、大容量メインバーナと小容量パイロットバーナを持ち、大容量バーナの点火は小容量バーナの火炎を使用して行う燃焼装置が広く普及している。また、パイロットバーナとは別に大容量バーナと小容量バーナを持ち、必要燃焼量に応じて燃焼するバーナを切り替えるようにしているものもある。燃焼するバーナを小容量バーナから大容量バーナへと切り替える場合、小容量バーナを燃焼している状態で大容量バーナへの燃料供給を行い、大容量バーナでの燃焼を開始した後に小容量バーナへの燃料供給を停止する。また、大容量バーナを停止する場合も、大容量バーナで燃焼している状態で小容量バーナへの燃料供給を行い、小容量バーナでの燃焼を開始した後に大容量バーナへの燃料供給を停止する。複数のバーナを同時に燃焼するようにしていた場合、バーナの燃焼構造によっては重複燃焼で火炎が不安定となり、良好な燃焼が確保できないということがある。また、重複燃焼を継続するバーナでは、一方のバーナ火炎が消失して燃料だけが噴射し続けることを防止するため、それぞれのバーナが正常に火炎を形成できていることを検出できる装置を設けることなどの対応が必要になる場合がある。
交替燃焼方式でも燃焼バーナの切り替え時には重複燃焼を行う時があるため、燃焼が一時不安定となり、振動燃焼などの問題が発生することがあった。
【0003】
特許第4176686号公報に記載の発明では、パイロットバーナによる燃焼量を、比較的大きな火力で燃焼するパイロット燃焼と、パイロット燃焼よりも小さな火力で燃焼する待機時燃焼での切り替えを行うようにしている。メインバーナによる燃焼が不要な待機時、パイロットバーナによる燃焼は燃焼量の小さな待機時燃焼とし、メインバーナによる燃焼を開始する時には燃焼量を大きくしたパイロット燃焼とすることで、メインバーナの燃焼開始時の着火性向上とメイン待機時の燃料消費量の削減を両立することができる。メインバーナへの燃焼移行時にパイロットバーナによる燃焼量を大きくすることでメインバーナの着火性が向上したが、この場合でもパイロットバーナによる燃焼とメインバーナによる燃焼が重なった際には、燃焼が不安定となり、燃焼音の増大や振動燃焼などが発生することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4176686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、小容量バーナによる燃焼から大容量バーナによる燃焼への切り替え時において、燃焼の安定性を向上させることのできる燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、燃焼量をそれぞれで増減することのできる大容量バーナと小容量バーナを持ち、大容量バーナの燃焼時には小容量バーナによる燃焼を停止し、大容量バーナの燃焼停止時には小容量バーナによる燃焼を行うように交替燃焼を行っており、燃焼の切り替え時にのみ一時的に重複燃焼を行う燃焼装置であって、小容量バーナは、小容量バーナのみを燃焼させておく場合には燃焼量を減らした小さな火力で燃焼を行い、小容量バーナから大容量バーナへ燃焼を切り替える際には燃焼量を増やして大きな火力で燃焼を行い、大容量バーナは、最小燃焼量の位置で小容量バーナから燃焼が切り替えられた後に、負荷に応じて燃焼量を増減して火力変更が行われるもので、燃焼用空気は一つの経路から供給され、送風機回転速度の調節装置と、送風路の流路面積の調節装置によって送風量の変更が行われる燃焼装置において、小容量バーナのみの燃焼時は、送風機回転速度と送風路の流路面積が最も小さくなる位置に設定され、小容量バーナから大容量バーナへの切り替えは、大容量バーナでの最小燃焼量時に比べ送風機回転速度を大きくし、かつ送風路の流路面積は小さくなる設定として、送風機の静圧が高くなる状態で行い、重複燃焼を終えた後に、送風機回転速度を小さくしながら、送風路の流路面積を大きくする動きで変更し、大容量バーナでの最小燃焼位置とするものであることを特徴する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記の燃焼装置において、小容量バーナから大容量バーナへの切り替え時における空気供給量は、大容量バーナでの最小燃焼量時における空気供給量よりも多くしておき、重複燃焼を終えた後に、送風機回転速度を小さくしながら、送風路の流路面積を大きくする際に前記最小燃焼位置まで空気供給量を減少するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
小容量バーナのみの燃焼であって、大容量バーナへの切り替えは行わない場合には、小容量バーナの燃焼量を小さくしておくことで燃料の消費量を削減することができ、大容量バーナへの着火を行う場合には小容量バーナの燃焼量を大きくすることで切り替え時の燃焼安定性を向上させることができる。そのため、燃料消費量の削減と大容量バーナへの着火性向上を両立させることができる。そして、大容量バーナへの切り替え時には、送風機の回転数と送風路面積を大きくして送風量を多くするが、送風機の回転数は大容量バーナでの最小燃焼時よりも大きくするのに対し、送風路面積は大容量バーナでの最小燃焼時よりも小さくすることによって送風静圧を高い状態で維持し、高い送風静圧で火炎のゆらぎを押さえ込むことによって振動燃焼の発生を抑制できる。また、重複燃焼時には大容量バーナでの燃焼量+小容量バーナでの燃焼量になるため、大容量バーナでの最小燃焼量時よりも送風量を多くして重複燃焼に見合う量の空気を供給することで、切り替え時でも適正な燃焼状態を維持でき、COの発生など抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例における燃焼装置のフロー図
【図2】本発明の一実施例における燃焼状況のタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施している燃焼装置をボイラに設置した場合におけるフロー図、図2は本発明を実施しているボイラのタイムチャートである。ボイラは中央に設けた燃焼室3の周囲に垂直な水管を環状に並べておき、水管の上部と下部で管寄せに接続している。燃焼室3の上部には、下向きに火炎を発生させる燃焼装置2を設けており、ボイラ中央部の燃焼室3内で火炎の燃焼を行う。燃焼装置2には、大容量のメインバーナ5と小容量のパイロットバーナ6を設けている。燃焼装置2で使用する燃焼用空気は、送風機10によって供給する。送風機10からの燃焼用空気は送風路7を通して供給するようにしており、ウインドボックス8で燃焼用空気を整流してメインバーナ5及びパイロットバーナ6へ供給する。送風機には送風機の電源周波数を変更するインバータ装置17を接続しておき、インバータ装置17によって送風機の回転数を変更することでメインバーナ5及びパイロットバーナ6へ送る燃焼用空気量を調節する。また、送風路7の途中には、送風路7の流路面積を変更するダンパ15を設けており、ダンパ15によってもメインバーナ5及びパイロットバーナ6へ送る燃焼用空気量を調節するようにしている。
【0011】
燃焼装置2への燃料供給は、燃料供給配管4を通して行う。燃料供給配管4は途中で分岐しており、メインバーナ5及びパイロットバーナ6のそれぞれと接続している。メインバーナ5へ接続している燃料供給配管4には、燃料供給量調節手段としてメイン燃料遮断弁13とメイン流量切替弁14を設け、パイロットバーナ6へ接続している燃料供給配管4にはパイロット燃料遮断弁12とパイロット流量切替弁16を設けている。メインバーナ5への燃料供給は、メイン燃料遮断弁13を開くことで行い、メイン流量切替弁14によって流量を切り替えることで、燃焼量の大きい高燃焼用と燃焼量の小さい低燃焼用の燃料供給を行うことができるようにしておく。ここでは高燃焼と低燃焼の二段階で燃焼量を制御しているため、低燃焼が大容量バーナの最小燃焼量となる。同様にパイロットバーナ6への燃料供給は、パイロット燃料遮断弁12を開くことで行い、パイロット流量切替弁16によって流量を切り替えることで、メイン切り替え時に行う比較的大きな火力での燃焼と、パイロット単独燃焼時での小さな火力での燃焼を行うことができるようにしておく。
【0012】
パイロット燃料の流量切り替えは、図に記載しているようにパイロット燃料遮断弁12よりも下流の燃料供給配管に並列部を設け、並列部の一方にオリフィス、もう一方に遮断弁を設けることによって行っている。燃料供給配管を並列化し、オリフィスと遮断弁を一方ずつ設けた場合、上流のパイロット燃料遮断弁12を開いていれば並列部に設けた遮断弁を閉じていてもオリフィス部分を燃料が流れるため、比較的少量の燃料が流れることになる。そして並列部の遮断弁を開くと、燃料は遮断弁部分にも流れるため、比較的多量の燃料が流れることになる。
【0013】
ボイラは下部の給水配管から給水を行い、上部の蒸気配管9から蒸気を取り出して蒸気使用機器へ送っており、蒸気圧力値を検出する圧力検出装置1を蒸気部に設ける。圧力検出装置1、パイロット燃料遮断弁12、パイロット流量切換弁16、メイン燃料遮断弁13、メイン流量切替弁14、ダンパ15、インバータ装置17のそれぞれと接続した運転制御装置11を設けておき、運転制御装置11が各機器の作動を制御することでボイラの運転を制御する。
【0014】
運転制御装置11には、蒸気圧力値に応じて必要な燃焼量を定めておく。本実施例では、燃焼量は、メインバーナ5の定格燃焼量で燃焼を行う高燃焼、高燃焼よりも小さな火力で燃焼を行う低燃焼、メインバーナ5を停止し、パイロットバーナで燃焼を行うメイン待機の位置で制御を行っている。蒸気圧力値が低圧設定値よりも低い場合には高燃焼、蒸気圧力値が低圧設定値と高圧設定値の間にある場合には低燃焼、蒸気圧力値が高圧設定値よりも高い場合にはメイン待機を行うように設定しておく。運転制御装置11は、圧力検出装置1で検出している蒸気圧力値から定まるメインバーナ5の燃焼量に合わせて、燃焼用空気供給量の調節と燃料供給量の調節を行う。燃焼用空気供給量の調節を行うダンパには燃焼量の大きな高燃焼用位置と燃焼量の小さな低燃焼用位置を設定しておき、所定量の燃焼用空気を供給することができるようにしておく。高燃焼時にはダンパ15の開度を広くすることで燃焼用空気供給量を多くし、低燃焼時にはダンパ15の開度を狭くすることで燃焼用空気供給量を少なくする。また、送風機10の回転速度を制御するインバータ装置17でも、燃焼量の大きな高燃焼用周波数と燃焼量の小さな低燃焼用周波数を設定しておき、所定量の燃焼用空気を供給することができるようにしておく。高燃焼時には送風機10の回転速度を高くすることで燃焼用空気供給量を多くし、低燃焼時には送風機10の回転速度を低くすることで燃焼用空気供給量を少なくする。
【0015】
そしてまた、運転制御装置11には、パイロットバーナ6による燃焼の設定も行っておく。パイロットバーナ6はメインバーナ5の火種となるものであり、メインバーナ5の燃焼開始前からパイロットバーナ6の燃焼を行っておき、メインバーナ5による燃焼を開始するとパイロットバーナ6の燃焼を停止する。そしてメインバーナ5の燃焼停止時には燃焼停止直前にパイロットバーナ6による燃焼を開始し、次のメインバーナ5による燃焼開始まではパイロットバーナ6のみを燃焼する交替燃焼を行うものである。パイロットバーナ6はメインバーナ5に比べると燃焼量は、はるかに小さいものであるが、パイロットバーナ6にも大小2つの燃焼量を定めておく。パイロットバーナ6による燃焼量は、メインバーナ5の点火を行う場合には、比較的大きな火力の燃焼量で燃焼を行い、メインバーナ5の点火を行う時期ではなくパイロットバーナ6の燃焼のみを行っておく場合には、パイロットバーナ6の定格より小さな火力で微小燃焼を行うようにしている。
【0016】
ダンパ15では、パイロットバーナ6のみを燃焼する設定位置として、前記の低燃焼位置よりもさらに閉じた微小燃焼位置と、低燃焼位置と微小燃焼位置の間の開度としたメイン着火位置を設定しておく。運転制御装置11は、ダンパ15を微小燃焼時には燃焼用空気供給量を少なくする微小燃焼位置とし、その後メインバーナ5へ点火し、重複燃焼を行っている間はメイン着火位置とする。
【0017】
インバータ装置17では、パイロットバーナ6のみを燃焼する微小燃焼では設定周波数の小さな回転数で送風機の運転を行っているが、その後メインバーナ5の点火を行う時には、メイン着火時周波数設定値まで回転数を高め、重複燃焼を行っている間はメインバーナの最小燃焼量となる低燃焼時周波数よりも大きな値に設定された回転数の運転を行う。
【0018】
図2のタイムチャートに基づき、運転制御の状況を説明する。図2の場合、パイロットバーナを小火力で燃焼する微小燃焼、メイン着火のためにパイロットバーナの燃焼量を大きくする切替燃焼、パイロットバーナの火炎をメインバーナに移すメイン着火、メインバーナを比較的小さな燃焼量で燃焼する低燃焼、メインバーナの定格の燃焼量で燃焼を行う高燃焼の順に運転状態が移っている。空気供給量を制御するインバータ装置の設定周波数とダンパ装置の設定開度は、それぞれ複数設定しており、図では斜線部が広くなるほど空気供給量が多くなることを示している。燃料供給は開閉2位置の制御弁で行っており、弁が開いている時期を斜線部で示している。そして燃料供給量合計の部分では、斜線部が広くなるほど燃料供給量が多くなることを示している。
【0019】
微小燃焼では、メインバーナ5の燃焼を行う必要はないために火力を小さくすることで燃料消費量を削減する。燃料供給はパイロット燃料遮断弁12のみを開き、その他の燃料弁は閉じている。パイロット燃料遮断弁12を開くと、パイロット流量切替弁16は閉じていてもオリフィス部分を通してパイロットバーナ6へ燃料が送られるが、パイロットバーナ6へ送られる燃料量はオリフィスによって制限された量となるために少ない量となる。そしてインバータ周波数とダンパは、最も小さな設定である微小燃焼位置としているため、空気供給量も少なくなっている。そのため、燃料消費量を抑えながら安定した燃焼を行うことができる。
【0020】
ボイラの蒸気圧力が低下し、圧力検出装置1で検出している蒸気圧力値がボイラの燃焼を開始させる圧力値まで低下すると、運転制御装置11はボイラの燃焼を行って蒸気の供給を行う。運転制御装置11は、パイロット流量切替弁16を開き、パイロットバーナ6への燃料供給量を増加して、パイロットバーナ6の火力を大きくする。そしてインバータ周波数をメイン着火時周波数に変更し、ダンパ位置をメイン着火位置に変更することで燃焼装置への空気供給量を増加する。
【0021】
その後、メイン燃焼の着火は、メイン燃料遮断弁13を開くことで行う。メイン流量切換弁14は、弁体を閉じても所定量の燃料は送られるものであり、メイン燃料遮断弁13を開き、メイン流量切換弁14は閉じている場合には、制限された量の燃料がメインバーナ5へ燃料が送られる。運転制御装置11は、ダンパ15及びインバータ装置17がメイン着火時位置の空気を供給するようにしている状態でメイン燃料遮断弁13を開く。メイン燃料遮断弁13を開き、メインバーナ5へ燃料供給を開始すると、パイロットバーナ6の火炎がメインバーナ5へ燃え広がり、メインバーナ5での燃焼が開始される。この際、インバータ装置17では周波数を高めて回転数を大きくしており、ダンパ15を絞って流路面積を小さくした状態で行っているため、送風静圧は高くなっており、高い送風静圧によって一時的な燃焼音の増大や振動燃焼などの発生を抑制することができる。
【0022】
また、この時の燃料供給量は、メインバーナ5への供給とパイロットバーナ6への供給が重複しているため、燃料供給量の合計はメイン単独での低燃焼時よりも多くなる。そのため、燃料供給量の多くなるメイン着火の工程では、低燃焼時よりもパイロットバーナ6への燃料供給量が追加されている分に見合う空気供給量が多くなるように設定しておく。メインバーナ5とパイロットバーナ6の重複燃焼を所定時間行うと、メイン着火の工程を終了し、パイロット燃料遮断弁12及びパイロット流量切換弁16を閉じてパイロットバーナ6の燃焼を停止する。そしてインバータ装置17での周波数を低燃焼周波数まで下げながら、ダンパ15の位置を低燃焼位置まで大きくすることで、燃料供給量と燃焼用空気供給量の関係が適正となるようにする。
【0023】
燃焼量を高燃焼にする場合には、インバータ装置17での周波数を高燃焼周波数とし、ダンパ15の位置を高燃焼位置とすることで、高燃焼用の燃料供給量と燃焼用空気供給量とする。そして、メイン流量切換弁14を開くと、メイン流量切換弁14を通過する燃料量が増加するため、メインバーナ5での燃焼量が大きくなる。
【0024】
蒸気圧力値の上昇によってメインバーナ5での燃焼が必要なくなった場合には、メインバーナ5の燃焼からパイロットバーナ6の燃焼へ切り替える。この場合、パイロットバーナ6の燃焼を開始した後にメインバーナ5の燃焼を停止する。パイロットバーナ6のみでの燃焼を行う場合、パイロットバーナ6ではより小さな火力で燃焼することにしており、微小燃焼の状態に戻る。
【0025】
メインバーナ5の燃焼開始時には、パイロットバーナ6による燃焼量を比較的大きな火力での燃焼とし、その後にメインバーナ5の燃焼を開始することで、メインバーナ5の点火を確実に行うことができる。また、パイロットバーナでの火力を大きくするのはメインバーナ5の燃焼を開始する直前からとし、メインバーナ5を燃焼させる必要がなく、パイロットバーナ6のみを燃焼させておく場合の燃焼量は火力の小さな微小燃焼としているため、待機中の燃料消費量を少なくすることができる。さらに、供給する空気量も少なくなるため、ボイラからの放散熱量を少なく抑えることができる。
【0026】
また、メイン着火の工程では送風空気の静圧を高めているため、メイン着火時に燃焼音の増大や振動燃焼が発生することを防止することができる。そして重複燃焼時にも燃料と空気の比率を適正に保つことで適正な燃焼状態を維持することができ、COの発生などを抑制することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 圧力検出装置
2 燃焼装置
3 燃焼室
4 燃料供給配管
5 メインバーナ
6 パイロットバーナ
7 送風路
8 ウインドボックス
9 蒸気配管
10 送風機
11 運転制御装置
12 パイロット燃料遮断弁
13 メイン燃料遮断弁
14 メイン流量切替弁
15 ダンパ
16 パイロット流量切替弁
17 インバータ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼量をそれぞれで増減することのできる大容量バーナと小容量バーナを持ち、大容量バーナの燃焼時には小容量バーナによる燃焼を停止し、大容量バーナの燃焼停止時には小容量バーナによる燃焼を行うように交替燃焼を行っており、燃焼の切り替え時にのみ一時的に重複燃焼を行う燃焼装置であって、小容量バーナは、小容量バーナのみを燃焼させておく場合には燃焼量を減らした小さな火力で燃焼を行い、小容量バーナから大容量バーナへ燃焼を切り替える際には燃焼量を増やして大きな火力で燃焼を行い、大容量バーナは、最小燃焼量の位置で小容量バーナから燃焼が切り替えられた後に、負荷に応じて燃焼量を増減して火力変更が行われるもので、燃焼用空気は一つの経路から供給され、送風機回転速度の調節装置と、送風路の流路面積の調節装置によって送風量の変更が行われる燃焼装置において、小容量バーナのみの燃焼時は、送風機回転速度と送風路の流路面積が最も小さくなる位置に設定され、小容量バーナから大容量バーナへの切り替えは、大容量バーナでの最小燃焼量時に比べ送風機回転速度を大きくし、かつ送風路の流路面積は小さくなる設定として、送風機の静圧が高くなる状態で行い、重複燃焼を終えた後に、送風機回転速度を小さくしながら、送風路の流路面積を大きくする動きで変更し、大容量バーナでの最小燃焼位置とするものであることを特徴する燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼装置において、小容量バーナから大容量バーナへの切り替え時における空気供給量は、大容量バーナでの最小燃焼量時における空気供給量よりも多くしておき、重複燃焼を終えた後に、送風機回転速度を小さくしながら、送風路の流路面積を大きくする際に前記最小燃焼位置まで空気供給量を減少するものであることを特徴とする燃焼装置。





【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−180981(P2012−180981A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44570(P2011−44570)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000130651)株式会社サムソン (164)
【Fターム(参考)】