説明

燃焼装置

【課題】本発明は、1ファン型の燃焼装置において、2以上の燃焼部を同時に燃焼させる場合に、その2以上の燃焼部における空燃比を適正に燃焼できる範囲に維持して安定した燃焼を行うことができる燃焼装置を提供することを目的とした。
【解決手段】燃焼装置1は、互いに独立して燃焼可能な第1燃焼部2及び第2燃焼部3と、第1燃焼部2及び第2燃焼部3に対して送風する送風機5とを有する。第2燃焼部3にはバーナセンサ17が配されて、火炎の温度が検知され、その火炎の温度に基づいて、送風機5の回転数が補正される(温度基準補正機能)。また、送風機5の回転数は、送風機5における電流値に基づいても補正される(電流基準補正機能)。第1燃焼部2及び第2燃焼部3が同時に燃焼される際には、所定の条件が満たされると、電流基準補正機能と温度基準補正機能の双方により送風機5の回転数が補正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置に関するもので、特に独立して燃焼可能な2系統以上の燃焼部とそれらの燃焼部に対して送風する1台の送風機を備えた燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給湯器や暖房機器等の熱源として、ガスや液体燃料(以下、燃料ガス)を燃焼する燃焼装置が多用されている。そして、この種の燃焼装置には、給湯用の燃焼部と、暖房用の燃焼部が備えられ、その2系統の燃焼部に対して、1台の送風機で送風する構成を備えたものがある(以下、単に1ファン型燃焼装置と称す)。
【0003】
即ち、1ファン型燃焼装置では、1つの缶体の内部に仕切板を有し、当該仕切板によって給湯用燃焼部と暖房用燃焼部に2分割されており、各燃焼部に供給される空気や各燃焼部において生成された燃焼ガスは、それぞれの燃焼流路を通過する。また、各燃焼部で発生した燃焼ガスは、下流側に設けられた1つの共通排気口から外部に排気される。
なお、1ファン型燃焼装置には、暖房加熱機能に替えてあるいはこれに加えて、追い焚きの際に循環する湯水又は熱媒体を加熱する風呂加熱機能を備えたものもある。
【0004】
ところで、燃焼装置では、燃焼量によって安定した燃焼状態を行うための必要な空気量が異なる。即ち、送風機による送風量を適正に制御する必要があるが、直接的にその送風量を検知して制御することは困難である。
【0005】
また、送風量は、送風機の回転数と、送風機の下流側の流路抵抗及び送風機の上流側の給気抵抗(以下、特に流路抵抗に注目して説明する)の関係によって決定できるが、送風機の回転数が一定であっても、流路抵抗が増大傾向にあれば、送風量が減少してしまう。即ち、適正な送風量に制御するためには、流路抵抗を検知し、流路抵抗の変化に応じて送風機の回転数を制御する必要があるが、流路抵抗を直接的に検知することも困難である。
【0006】
そこで、従来技術では、流路抵抗の増加を、送風機の電流値を監視することによって、間接的に検知している(例えば特許文献1)。即ち、流路抵抗が増加すると、送風機が送り出す空気の量が減少し、送風機の仕事量が減少するため、送風機の負荷が軽くなり、送風機の電流値が低下する。即ち、この種の燃焼装置では、送風機の回転数が一定値となるようにフィードバック制御(以下、通常のフィードバック制御等と言う)し、その時の送風機の電流値が予測される電流値よりも低い場合は、流路抵抗が増大した状態と予想して、電流値を上げて送風機の送風量を増加させている。
【0007】
また、1ファン型燃焼装置において、給湯燃焼部と、暖房燃焼部を有する場合には、特有の問題があった。即ち、1ファン型燃焼装置では、一般的に、給湯用燃焼部の容量(燃焼能力)の方が、暖房用燃焼部の容量(燃焼能力)よりも大きく設定されている。そのため、1ファン型燃焼装置において流路抵抗が増加して電流値が低下する場合は、燃焼能力の大きい給湯側による影響が多い。しかしながら、少なからず、暖房側で流路抵抗が増大する場合がある。その場合、給湯単独燃焼の際に、電流値による送風機の回転数を制御すると、給湯用燃焼部における送風量が増大してしまう。逆に、給湯側で流路抵抗が増大すれば、暖房単独燃焼の際に、電流値による送風機の回転数を制御すると、暖房用燃焼部における送風量が増大してしまう。
【0008】
そこで、特許文献2では、暖房単独燃焼の際には、電流値による送風機の回転数のフィードバックの影響を低減し、実際の火炎の状態を観察して送風機の回転数を決定している。即ち、暖房用燃焼部にバーナセンサを設け、火炎の長さを火炎の温度に基づいて間接的に検知し、火炎の長さが適切な長さとなるように送風機の回転数を制御している。そして、給湯単独燃焼の際には、暖房側における火炎の温度による回転数制御を加味して、電流値による送風機の回転数制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−329331号公報
【特許文献2】特開2008−261579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、いずれの文献においても、1ファン型燃焼装置において、給湯用燃焼部と暖房用燃焼部を同時に燃焼させた(以下、単に同時燃焼運転と言う)際に、送風機の送風量を制御する技術は開示されていない。
そこで、本発明者らは、1ファン型燃焼装置であって、同時燃焼運転の際に、送風機の回転数を電流値に基づいて制御するものと、バーナセンサに基づいて制御するものを試作した。
【0011】
即ち、電流値に基づいて送風機の回転数を制御する1ファン型燃焼装置では、同時燃焼運転において、燃焼能力が高い給湯側を基準として、送風機の回転数が制御される。これにより、給湯用燃焼部における空燃比が適正に燃焼できる範囲に制御される。しかしながら、前記したように、給湯側を基準に送風量が制御されると、暖房用燃焼部における空気量が増加し、空燃比がずれてしまう。
【0012】
一方、バーナセンサに基づいて送風機の回転数を制御する1ファン型燃焼装置では、同時燃焼運転において、電流値による送風機の回転数制御が行われることがないため、暖房用燃焼部の火炎の状態に基づいて送風機の回転数が制御される。これにより、暖房用の燃焼部における空燃比が適正に燃焼できる範囲に制御される。しかしながら、暖房側を基準に送風量が制御されると、給湯用燃焼部における空気量が増加し、空燃比がずれてしまう。
【0013】
従って、従来技術では、1ファン型燃焼装置において、2以上の燃焼部を同時に燃焼させる際に、空燃比を共に適正に燃焼できる範囲に制御することが不可能であった。
【0014】
そこで、本発明では、従来技術の問題に鑑み、1ファン型の燃焼装置において、2以上の燃焼部を同時に燃焼させる場合に、その2以上の燃焼部における空燃比を適正に燃焼できる範囲に維持して安定した燃焼を行うことができる燃焼装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、互いに独立して燃焼可能な2以上の燃焼部と、前記燃焼部のうち少なくとも2以上の燃焼部に対して送風する送風機と、1つの燃焼部における火炎の温度を検知する火炎温度検知手段とを有し、送風機における電流値に基づいて当該送風機の回転数を補正する電流基準補正機能を備えた燃焼装置であって、前記火炎温度検知手段の検知温度に基づいて送風機の回転数が補正される温度基準補正機能を備え、2以上の燃焼部が共通の送風機から送風された状態で同時に燃焼される際に、所定の条件が満たされると、当該送風機の回転数を電流基準補正機能と温度基準補正機能の双方による補正が行われることを特徴とする燃焼装置である。
【0016】
本発明の燃焼装置は、2以上の燃焼部が共通の送風機から送風された状態で同時に燃焼される際に、所定の条件が満たされると、その送風機の回転数を電流基準補正機能と温度基準補正機能の双方による補正を可能とした構成とされている。そのため、例えば、同時に燃焼される2以上の燃焼部の空燃比が適正に燃焼できる範囲から逸脱してしまうような条件が揃うような場合であっても、電流基準補正機能と温度基準補正機能の双方による送風機の回転数の補正により、同時燃焼される燃焼部の空燃比を適正に燃焼できる範囲に維持することができる。
【0017】
ここで仮に、2つの燃焼部を備え、その一方の燃焼部を給湯用、他方の燃焼部を風呂や暖房等に使用する風呂・暖房用とし、火炎温度検知手段が風呂・暖房用の燃焼部における火炎の温度を検知する構成を備えた燃焼装置を例に、以下に具体的に説明する。
先に説明したように、一般的に、給湯用の燃焼部は風呂・暖房用の燃焼部より燃焼能力が高く設定されているため、当初から燃焼に要する空気量が異なる。即ち、暖房用の燃焼部よりも給湯用の燃焼部が要する空気量が多いため、2つの燃焼部を同時に燃焼させる際に、給湯側に生じる流路抵抗が送風機に対して影響を与えやすい。具体的には、給湯側に流路抵抗が生じれば、給湯側に送られる空気量が減少し、送風機への負荷が小さくなり、電流値が低下する。これにより、送風機の回転数が一定に制御される(通常のフィードバック制御)場合であっても、給湯用燃焼部に対して供給される空気量が減少する。そこで、給湯用燃焼部において、供給される空気量を適正に維持するためには、送風機の回転数を増加させる必要があった。
そのため、本発明によれば、2以上の燃焼部を同時に燃焼する際に、送風機における電流値に基づいて、送風機の回転数を補正することで、給湯用燃焼部における空燃比を適正に燃焼できる範囲に維持することを可能としている。
【0018】
また、暖房用の燃焼部は、給湯用の燃焼部に比べて、供給される空気量が少ないため、流路抵抗が生じても、送風機の電流値へ与える影響は小さい。即ち、暖房用の燃焼部における空燃比を適正に燃焼できる範囲に維持するには、給湯側での流路抵抗の発生を考慮すると、電流基準補正機能では難しい。そのため、本発明では、送風機における電流値に基づくものとは別の手段によって、暖房用の燃焼部における空燃比を制御している。即ち、暖房用燃焼部に配した、火炎温度検知手段によって、火炎の温度を監視し、その温度に基づいて、暖房用燃焼部における空気量の適否を判断している。
従って、本発明によれば、2以上の燃焼部を同時に燃焼する際に、火炎温度検知手段の検知温度に基づいて、送風機の回転数を補正することで、暖房用の燃焼部における空燃比を適正に燃焼できる範囲に維持することを可能としている。
【0019】
従って、本発明では、2以上の燃焼部が共通の送風機から送風された状態で同時に燃焼される際に、各燃焼部に供給される空気量の変化を、異なる手段を用いて検知できるため、例えば、2以上の燃焼部の燃焼能力が異なる場合であっても、その検知された事実に基づいて送風機の回転数を補正すれば、それぞれの燃焼部に供給される空気量を適正な範囲に制御できる。即ち、本発明によれば、2以上の燃焼部が同時に燃焼される際に、1つの燃焼部に対する送風量が送風機における電流値に基づいて補正され、別の1つの燃焼部に対する送風量が当該燃焼部の火炎の温度に基づいて補正されるため、一方の燃焼部における空気量が適正な範囲から逸脱する不具合は起きない。これにより、2以上の燃焼部が同時に燃焼される際に、いずれの燃焼部においても不安定な燃焼状態に陥ることがない。
【0020】
請求項2に記載の発明は、互いに独立して燃焼可能な第1燃焼部及び第2燃焼部と、第1燃焼部及び第2燃焼部に対して送風する送風機と、第2燃焼部における火炎の温度を検知する火炎温度検知手段とを有し、送風機における電流値に基づいて当該送風機の回転数を補正する電流基準補正機能を備えた燃焼装置であって、前記火炎温度検知手段の検知温度に基づいて送風機の回転数が補正される温度基準補正機能を備え、第1燃焼部及び第2燃焼部が同時に燃焼される際には、電流基準補正機能又は温度基準補正機能により送風機の回転数が補正されるものであって、所定の条件が満たされると、電流基準補正機能と温度基準補正機能の双方により送風機の回転数が補正されることを特徴とする燃焼装置である。
【0021】
かかる構成によれば、第1燃焼部と第2燃焼部が共通の送風機から送風された状態で同時に燃焼される際に、各燃焼部に供給される空気量の変化を、異なる手段を用いて検知できるため、例えば、第1燃焼部と第2燃焼部の燃焼能力が異なる場合であっても、その検知された事実に基づいて送風機の回転数を補正すれば、それぞれの燃焼部に供給される空気量を適正な範囲に制御できる。即ち、本発明によれば、第1燃焼部と第2燃焼部が同時に燃焼される際に、第1燃焼部に対する送風量が送風機における電流値に基づいて補正され、第2燃焼部に対する送風量が当該燃焼部の火炎の温度に基づいて補正されるため、一方の燃焼部における空気量が適正な範囲から逸脱する不具合は起きない。これにより、第1燃焼部と第2燃焼部が同時に燃焼される際に、いずれの燃焼部においても不安定な燃焼状態に陥ることがない。
【0022】
ここで、2以上の燃焼部を共通の送風機によって送風して同時に燃焼させる際に、1つの燃焼部に設けられた火炎温度検知手段の検知温度に基づいて、送風機の回転数を無制限に補正した場合、他の燃焼部に供給される空気量が増加する。そして、他の燃焼部における燃料ガスに対する空気量の割合が過度に増大すると、当該燃焼部の炎が吹き消え等の現象を起こす不安定な燃焼状態となる可能性が高くなる。
そこで、請求項3に記載の発明は、電流値を検知する電流検知手段を有し、送風機は、燃焼量ごとに定められた電流値に基づいて回転数が制御されるものであって、温度基準補正機能により、送風機の回転数が補正される場合、現在の電流値に対して、所定の割合以下に制限されることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置とされている。
【0023】
かかる構成によれば、温度基準補正機能による送風機の回転数の補正が、現在の電流値に対して、所定の割合以下に制限されているため、火炎温度検知手段が配された燃焼部以外の他の燃焼部における空気量が、温度基準補正機能による送風機の回転数補正により、過剰になり過ぎることがない。即ち、2以上の燃焼部が同時に燃焼される際に、他の燃焼部が、炎の吹き消え等の現象を発生し、不安定な燃焼状態に陥ることがない。
なお、補正される電流値の所定の割合は、例えば、予め実験などにより炎の吹き消え等が起きる割合を算出し、その割合を超えない値に設定しておく等の方策が挙げられる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、温度基準補正機能による送風機の回転数補正により、現在の電流値が補正前の電流値に対して所定の割合に達すれば、その後の送風機の回転数の補正は、電流基準補正機能により行われることを特徴とする請求項3に記載の燃焼装置である。
【0025】
かかる構成によれば、温度基準補正機能による送風機の回転数補正によって、現在の電流値が補正前の電流値に対して所定の割合に達すれば、その後は電流基準補正機能により送風機の回転数が補正されるため、送風機における現在の電流値が補正前の電流値に対して所定の割合に達した後、火炎温度検知手段が配されていない燃焼部における、空気量が過度に増加することがない。即ち、本発明によれば、温度基準補正機能により最大まで補正された後は、実質的に燃焼能力が高い燃焼側に生じる流路抵抗に基づいた補正が行われるため、火炎温度検知手段が配されていない燃焼部において、炎の吹き消え等の不具合が発生することがない。
【0026】
請求項5に記載の発明は、火炎温度検知手段の検知温度が一定値に達すると燃焼を停止する安全動作機能を有し、温度基準補正機能は、火炎温度検知手段の検知温度が一定値よりも低温の所定温度以上となれば実行されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0027】
ここで、燃焼装置では、通常、燃焼部に配した火炎温度検知手段の検知温度が所定温度より高温の一定値に至れば、その燃焼部に供給される空気が少なく危険な状態に至る可能性があり、通常、安全動作として燃焼を停止する制御が実行される。即ち、燃焼部において、供給される空気量が少ない状態が何の制限もなく維持されていれば、前記検知温度が一定値に至る頻度が増えるため、頻繁に燃焼が停止されるという不具合が発生する。
そこで、本発明では、燃焼部に配した火炎温度検知手段の検知温度がその温度に至るまでに、送風機の回転数を制御する構成とされている。即ち、火炎温度検知手段の検知温度が一定値よりも低温の所定温度以上となれば、送風機の回転数を補正して、燃焼部に供給される空気量を増加させることができる。これにより、火炎温度検知手段の検知温度が、前記した一定値に至ることを回避できるため、頻繁に燃焼が停止されて利便性が低下する不具合を防止できる。
【0028】
本発明の燃焼装置は、1つの燃焼部は給湯用であり、送風機は、燃焼量ごとに定められた電流値に基づいて回転数が制御されるものであって、送風機における初期の電流値と回転数との関係は、給湯用の燃焼部が基準に設定されていることが望ましい。(請求項6)
【発明の効果】
【0029】
本発明の燃焼装置では、2以上の燃焼部が共通の送風機から送風された状態で同時に燃焼される際に、送風機の電流値に基づいた回転数補正と、火炎の温度に基づいた回転数補正の双方による補正を可能としたため、いずれの燃焼部における空燃比も適正に燃焼できる範囲から逸脱することがない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る燃焼装置とそれに属する回路を示す作動原理図である。
【図2】図1の燃焼装置を簡略化した概念図である。
【図3】図1の燃焼装置の装置構成を示すブロック図である。
【図4】図1の燃焼装置における送風機の回転数が補正される際の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態に係る燃焼装置について説明する。
本発明の燃焼装置1は、図1に示すように、図示しない給湯栓等に接続され湯水が流れる給湯用回路30と、外部の図示しない暖房機器に接続され湯水又は熱媒体が流れる暖房用回路31が接続され、各回路30、31を流れる湯水又は熱媒体を目標温度まで昇温させることができるものである。即ち、燃焼装置1は、1つの缶体8の内部に、独立して燃焼制御可能な給湯用燃焼部(第1燃焼部)2及び暖房用燃焼部(第2燃焼部)3を有し、給湯用燃焼部2で発生する燃焼ガスによって給湯用回路30を流れる湯水を加熱でき、暖房用燃焼部3によって暖房用回路31を流れる湯水又は熱媒体を加熱できる。
なお、本実施形態の燃焼装置1に接続された給湯用回路30と暖房用回路31の回路構成は、従来より公知であるため説明を省略する。
【0032】
さらに、本実施形態の燃焼装置1は、缶体8の内部に、給湯側熱交換部12及び暖房側熱交換部13が設けられており、2系統の燃焼部2、3に対して、空気を供給する1台の送風機5が取り付けられた構成である。
【0033】
そして、本実施形態では、缶体8の内部において、給湯用燃焼部2と暖房用燃焼部3の境目を基準として、気体の流路を分断する仕切板40が設けられており、図2に示すように、空気が流れる給湯側給気流路21及び暖房側給気流路22と、燃焼ガスが流れる給湯側排気流路23及び暖房側排気流路24が形成されている。即ち、給湯用燃焼部2に対して、気体の流れ方向上流側に給湯側給気流路21が位置すると共に、下流側に給湯側排気流路23が位置し、暖房用燃焼部3に対して、気体の流れ方向上流側に暖房側給気流路22が位置すると共に、下流側に暖房側排気流路24が位置する。
また、給湯側排気流路23の中途には給湯側熱交換部12が配され、暖房側排気流路24の中途には暖房側熱交換部13が配されている。
【0034】
また、本実施形態の燃焼装置1では、燃焼部2、3は、燃料ガスを燃焼する複数のバーナ15と、点火装置16とによって構成されており、暖房用燃焼部3のみにバーナセンサ(火炎温度検知手段)17が設けられている。本実施形態では、バーナセンサ17に熱電対が採用されている。そして、そのバーナセンサ17は、バーナ15の炎孔付近に先端が配されて、火炎の内炎の温度を検知する配置とされている。
ここで、火炎の内炎温度について付言すると、燃焼量に応じた空燃比(燃料ガスと空気との混合比)であれば一定値(例えば、摂氏750度)以下を示し、その空燃比に比べて空気量の割合が低ければ一定値以上の高温を示す場合がある。
【0035】
また、各燃焼部2、3に対しては、火炎が形成される燃焼エリアを制限可能な電磁弁18が複数設けられており、その電磁弁18より燃料の流れ方向上流側には燃料の流量を調整できるガス比例弁20が設けられている。なお、複数の電磁弁18及びガス比例弁20は、燃料が流れる流路に直列的に配されている。
【0036】
熱交換部12、13は、図1に示すように、主に燃焼ガスの顕熱を回収する一次熱交換器12a、13aと、主に燃焼ガスの潜熱を回収する二次熱交換器12b、13bとにより構成されている。また、一次熱交換器12a、13aは、二次熱交換器12b、13bよりも燃焼ガスの流れ方向上流側に位置し、互いに直列に接続されている。
【0037】
送風機5は、直流電流で駆動するDCモータが内蔵されており、本実施形態では、そのモータの回転数を検知する回転数検知手段35及びモータの電流値を検知する電流検知手段36が備えられている。
回転数検知手段35は、モータに内蔵された回転磁石が発生する磁界を検知するホール素子等である。
電流検知手段36は、ホール素子を備えた電流センサ等である。
【0038】
続いて、本実施形態の燃焼装置1における動作について説明する。
本実施形態の燃焼装置1は、制御装置50を備えており、制御装置50によって動作が制御されている。そして、燃焼装置1は、従来の燃焼装置と同様に、給湯動作のみを行う給湯単独モードと、外部の暖房機器に供給する湯水又は熱媒体の加熱のみを行う暖房単独モードと、給湯動作と暖房動作とを同時に行う給湯・暖房併用モードとからなる3つの動作モードを実施可能な構成とされている。
以下に、3つの動作モードについて順番に説明する。
【0039】
(給湯単独モード)
給湯単独モードは、暖房用回路31に設けられた暖房用循環ポンプ32を起動させることなく、給湯用の湯水を加熱する運転モードである。即ち、図示しない給湯栓が操作されて、図示しない給水源から給湯用回路30に湯水が供給されると、給湯用回路30上に設けられた各センサにより燃焼装置1に導入される湯水の温度(入水温度)や流量(入水流量)が検知される。そして、それらの情報が、制御装置50に送信され、入水流量が最低作動流量(以下、MOQと称す)以上であることが確認されると、給湯用燃焼部2における燃焼が開始される。
【0040】
即ち、入水流量がMOQ以上であることが確認されると、まず送風機5が初期動作を行う。即ち、送風機5が、一定時間送風するプレパージが行われる。そして、プレパージが終了すると、送風機5は、燃焼量に基づいた目標回転数に制御される。それと同時に、給湯用燃焼部2に対して、燃料ガスが供給される。そして、給湯用燃焼部2におけるバーナ15に対して、点火装置16により点火される。これにより、給湯用燃焼部2において燃焼ガスが発生し、その燃焼ガスによって給湯側熱交換部12を流れる湯水が加熱される。そして、給湯側熱交換部12で加熱された湯水は、下流側で図示しない給水源から供給される湯水と混合されて適温に調整された後、給湯栓より出湯される。
なお、給湯用燃焼部2における燃焼量は、予め設定された湯水の設定温度、入水温度、入水流量、並びに、熱交換部12における加熱後の湯水の温度(出湯温度)等の情報に基づいて決定される。
【0041】
(暖房単独モード)
暖房単独モードは、給湯用の湯水を加熱することなく、外部の暖房機器に供給する湯水又は熱媒体(以下、単に湯と称す)を加熱する運転モードである。即ち、外部の暖房機器が運転されると、暖房用回路31における暖房用循環ポンプ32が駆動され、暖房用回路31上に設けられたセンサにより燃焼装置1に導入される湯の温度が検知される。そして、それらの情報が、制御装置50に送信され、予め設定された目標温度と現在の湯の温度に基づいて、暖房用燃焼部3における燃焼が開始される。
【0042】
即ち、燃焼動作が開始されると、暖房用燃焼部3に対して、まず送風機5が初期動作を行う。即ち、送風機5が、一定時間送風するプレパージが行われる。そして、プレパージが終了すると、送風機5は、燃焼量に基づいた目標回転数に制御される。それと同時に、暖房用燃焼部3に対して、燃料ガスが供給される。そして、暖房用燃焼部3におけるバーナ15に対して、点火装置16により点火される。そして、暖房用燃焼部3において発生した燃焼ガスによって、暖房側熱交換部13を流れる湯が加熱されて、外部の暖房機器側に適温の湯が供給される。なお、暖房機器としては、ファンコンベクタ等の高温(例えば、摂氏80度)の湯を要するものや、床暖房器具等の比較的低温(例えば、摂氏60度)の湯を要するものがある。
【0043】
(給湯・暖房併用モード)
給湯・暖房併用モードは、前記した給湯用の湯水を加熱する給湯単独モードの際の動作と、暖房機器に供給する湯を加熱する暖房単独モードの際の動作が、同時に制御される運転モードである。即ち、給湯・暖房併用モードにおける、燃焼装置1の主な各動作は、上記した説明を準用できるため、説明を省略する。
【0044】
ここで、先にも説明したように、燃焼装置1では、給気流路21、22や排気流路23、24において、すすの発生や異物の混入等の影響で流路抵抗が生じると、給湯単独モードや、暖房単独モード、並びに給湯・暖房併用モードの際に、送風機5への負荷が変化する。具体的には、流路抵抗の増加により送風機5における負荷が低下することで、送風機5における仕事量が減少するため、送風機5における電流値が低下する。そして、通常のフィードバック補正により、送風機5の回転数が一定値に維持される。しかしながら、燃焼部2、3に供給される空気量は減少するため、燃焼に供する燃焼部2、3においては、燃料ガスと空気との混合比(空燃比)が適正に燃焼できる範囲からずれてしまう不具合があった。
【0045】
そこで、本実施形態では、いずれのモードであっても、送風機の回転数を、通常のフィードバック補正に加えて、さらに補正できる構成とされている。以下に、本実施形態の特徴的動作を実施するための構成及びその動作について説明する。
【0046】
即ち、本実施形態の燃焼装置1は、上記構成に加えて、図3のブロック図に示すように、制御装置50に、入力部51と、制御部52と、記憶部53、演算部54、出力部55とが備えられている。
【0047】
入力部51には、給湯用回路30や暖房用回路31に設けられた各センサが検知する湯水又は熱媒体の温度や流量等に関するデータに加えて、送風機5やバーナセンサ17から検知されるデータ等が入力される。ここで、送風機5から検知されるデータとしては、モータの回転数と、モータにおける電流値があり、それぞれ回転数検知手段35と電流検知手段36によって検知される。
記憶部53及び演算部54は、制御部52によって制御されている。
【0048】
記憶部53は、入力部51に入力される各データや、燃焼量ごとに定められた送風機5の目標回転数や、送風機5における回転数と電流値との関係を示した関係テーブルや、火炎の適正温度等のデータを記憶する部分である。
【0049】
演算部54は、入力部51に入力されたデータや、記憶部53に記憶されたデータ等に基づいて各燃焼部2、3における燃焼量を演算したり、送風機5の電流値の補正値を演算したりする部分である。
出力部55は、演算部54で演算されたデータに基づいて、燃焼部2、3における燃焼量を出力したり、送風機5の電流値を出力したりする部分である。
【0050】
続いて、本実施形態において、各モードごとの送風機5の回転数制御における動作について説明する。なお、以下の説明において、各モード開始時における送風機5の目標回転数に対する電流値を基準電流値とする。
【0051】
(給湯単独モード)
給湯単独モードでは、送風機5はプレパージ後、制御装置50において決定された燃焼量に応じた目標回転数で制御される。即ち、送風機5に対して基準電流値の電流が流される。このとき、電流検知手段36では、送風機5における現在の電流値が監視されると共に、回転数検知手段35により送風機5における現在の回転数が監視される。そして、送風機5の回転数が目標回転数に維持されるように、通常のフィードバック制御が実行される。
【0052】
このとき、回転数検知手段35が検知する回転数が目標回転数に維持されているにも関わらず、電流検知手段36の検知電流値が、基準電流値に対して所定割合以下になる場合がある。そこで、本実施形態では、電流検知手段36が検知する現在の電流値が、基準電流値に対して所定割合以下に至ったことを条件に、流路抵抗が増加したと予想し、送風機5の回転数を増加させる(以下、電流基準補正とも言う)。即ち、送風機5における低下した電流値を増加させて、送風機5の回転数を当初の目標回転数以上に制御する。具体的には、電流基準補正が実行されることにより、送風機5における電流値を基準電流値以上に制御でき、それに伴い給湯用燃焼部2に供給される空気量が増加されるため、流路抵抗により減少した空気量を適正な量に制御することができる。これにより、給湯用燃焼部2において、安定した燃焼状態を維持することができる。
【0053】
(暖房単独モード)
暖房単独モードでは、送風機5はプレパージ後、制御装置50において決定された燃焼量に応じた目標回転数で制御される。即ち、送風機5に対して基準電流値の電流が流される。そして、燃焼が開始されると、暖房用燃焼部3のバーナ15の炎孔付近に設けられたバーナセンサ17によって検知される火炎の内炎温度が監視されると共に、回転数制御手段35により送風機5の回転数が監視される。そして、送風機5の回転数が目標回転数に維持されるように、通常のフィードバック制御が実行される。
【0054】
このとき、回転数検知手段35が検知する回転数が目標回転数に維持されているにも関わらず、バーナセンサ17が検知する現在の火炎の温度が、所定の温度(例えば、摂氏650度)以上となる場合がある。そこで、本実施形態では、バーナセンサ17が検知する現在の温度が、所定の温度以上に至ったことを条件に、流路抵抗が増加したと予想し、送風機5の回転数を増加させる(以下、温度基準補正とも言う)。具体的には、送風機5の回転数を当初の目標回転数以上に制御する。即ち、温度基準補正が実行されることにより、送風機5における電流値を増加でき、それに伴い暖房用燃焼部3に供給される空気量が増加されるため、流路抵抗により減少した空気量を適正な量に制御することができる。これにより、暖房用燃焼部3において、安定した燃焼状態を維持することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、バーナセンサ17が検知する火炎の温度が、一定値(本実施形態では摂氏750度)以上に達するか否かも監視している。即ち、バーナセンサ17の検知温度が一定値に達すれば、制御装置50はエラーと認識して、暖房用燃焼部3の燃焼自体が停止される。
【0056】
(給湯・暖房併用モード)
給湯・暖房併用モードでは、送風機5はプレパージ後、制御装置50において決定された給湯側の燃焼量に応じた目標回転数に制御される。即ち、送風機5に対して基準電流値の電流が流される。そして、本実施形態では、給湯・暖房併用モードが開始されると、まず給湯用燃焼部2における空燃比が適正に制御される。この時、暖房用燃焼部3における空燃比は若干ずれて、燃料ガスが多いガスリッチ状態になる場合がある。
なお、本実施形態における給湯・暖房併用モードの開始のタイミングは、給湯用燃焼部2及び暖房用燃焼部3が同じタイミングで燃焼される場合の他、給湯単独モードからのモード移行時や暖房単独モードからのモード移行があるが、いずれにしても給湯用燃焼部2と暖房用燃焼部3が同時に燃焼された瞬間とする。
【0057】
そして、給湯用燃焼部2と暖房用燃焼部3が同時に燃焼された瞬間から、送風機5の電流値の監視と、暖房用燃焼部3の火炎の温度の監視が開始される。即ち、図4のフローチャートに従うと、ステップ1において、バーナセンサ17の検知温度が所定温度以上であるか否かが確認される。この時、バーナセンサ17の検知温度が所定温度以上でなければ、ステップ5に移行して、電流検知手段36の検知電流が基準電流値より所定割合以下であるか否かが確認される。この時、電流検知手段36の検知電流が基準電流値より所定割合以下でなければ、再びステップ1からの動作が繰り返される。
【0058】
一方、ステップ1において、バーナセンサ17の検知温度が所定温度以上であれば、ステップ2に移行して、バーナセンサ17の検知温度に基づいて、送風機5の回転数が補正されているか否かが確認される。即ち、ステップ2では、温度基準補正によって、低下した電流値に対して4%以上の割合aの補正量を加算したか否かが確認される。そして、ステップ2において、温度基準補正によって、低下した電流値に対して4%以上の補正を行っていなければ、ステップ3に移行する。
【0059】
なお、温度基準補正による最大補正量(本実施形態では低下した電流値に対して4%の割合aを乗じた補正量)は、予め実験により決定されており、温度基準補正による最大補正量で送風機5の回転数を制御しても、給湯燃焼部2における空気量が過度に多くなることがない程度である。換言すれば、温度基準補正による最大補正量は、送風機5の回転数を補正した際に、暖房用燃焼部3のガスリッチ状態が解消される程度とされている。
【0060】
ステップ3では、温度基準補正及び電流基準補正の双方によって、低下した電流値に対して10%以上の割合(以下、電流基準補正により補正可能な最大補正量は低下した電流値に対して割合bを乗じた補正量とする)の補正量を加算したか否かが確認される。そして、ステップ3において、温度基準補正及び電流基準補正の双方によって、低下した電流値に対して10%以上の補正を行っていなければ、ステップ4に移行して、温度基準補正を実行する。
なお、給湯・暖房併用モードにおける温度基準補正では、以下の条件を満たすように実施される。
温度基準補正による補正の割合a≦4、且つ、温度基準補正による補正の割合a+電流基準補正による補正の割合b≦10 (式1)
そして、ステップ4で温度基準補正が実行されると、再びステップ1からの動作が繰り返される。なお、本実施形態では、図4に示すフローを一巡して、温度基準補正が行われ際には、補正割合aが1%ずつ上昇するように設定されている。
【0061】
また、ステップ5において、電流検知手段36の検知電流値が基準電流値より所定割合以下であれば、ステップ6に移行する。そして、ステップ6において、温度基準補正及び電流基準補正の双方によって、低下した電流値に対して10%以上の割合の補正量を加算したか否かが確認される。そして、ステップ6において、温度基準補正及び電流基準補正の双方によって、低下した電流値に対して10%以上の補正を行っていなければ、ステップ7に移行して、電流基準補正を実行する。
なお、給湯・暖房併用モードにおける電流基準補正では、以下の条件を満たすように実施される。
温度基準補正による補正の割合a+電流基準補正による補正の割合b≦10% (式2)
そして、ステップ7で電流基準補正が実行されると、再びステップ1からの動作が繰り返される。なお、本実施形態では、図4に示すフローを一巡して、電流基準補正が行われる際には、補正割合bが0〜10%の割合で増減するように設定されている。
【0062】
なお、本実施形態では、給湯・暖房併用モードにおいても、バーナセンサ17が検知する火炎の温度が、一定値(本実施形態では摂氏750度)以上に達するか否かも監視している。即ち、バーナセンサ17の検知温度が一定値に達すれば、一時的に燃焼自体が停止される(暖房待機状態)。そして、暖房待機状態は、バーナセンサ17の検知温度が一定値から所定の割合低下するか、所定値まで低下するまで継続される。
【0063】
また、本実施形態では、給湯・暖房併用モードにおいて、温度基準補正により一旦補正された割合aは、給湯・暖房併用モードの最中に、減じることはない。即ち、例えば、給湯・暖房併用モードの最中に、共通排気口41から突風が吹き込んで、バーナセンサ17の検知温度が所定温度を超え、さらに、電流検知手段36の検知電流値が低下した場合、その状態が一時的なものであっても、温度基準補正により一旦補正された割合aは、ゼロにされることはない。一方で、電流基準補正により補正された割合bは、電流検知手段36の検知電流値の増減により減じることもある。即ち、本実施形態では、突発的な異常が発生した場合においては、一方の補正量を固定して、他方の補正量を変動にすることで、送風機5の回転数がハンチング現象を起こす不具合を抑制している。
【0064】
以上のように、本実施形態では、給湯・暖房併用モードにおいて、送風機5における電流値の変化による回転数制御に加えて、暖房用燃焼部3における火炎の内炎温度に基づいた送風機5の回転数制御を行うため、複数の燃焼部が同時に燃焼する場合に、いずれかの燃焼部における空燃比が適正に燃焼できる範囲から逸脱するようなことがない。
また、給湯・暖房併用モードにおいて、温度基準補正の補正の割合aに上限値を設けることで、給湯用燃焼部2における空気量が過剰となることが防止できるため、給湯用燃焼部2において、火炎の吹き消えや、未燃ガスなどが発生することを防止できる。
【0065】
上記実施形態では、燃焼装置1に給湯用回路30と暖房用回路31とを接続した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、給湯用回路と風呂の湯水を追い焚きする追い焚き用回路を接続した構成であっても構わない。また、暖房用回路と追い焚き用回路が混在する風呂・暖房用回路と給湯用回路を接続した構成であっても構わない。
【0066】
上記実施形態では、温度基準補正の補正の割合aの上限値として4%を採用したが、本発明はこれに限定されず、1〜3%であっても、5%以上であっても構わない。要するに、温度基準補正により、給湯用燃焼部2に対して、過剰な空気が供給されなければよい。
【符号の説明】
【0067】
1 燃焼装置
2 給湯用燃焼部(第1燃焼部)
3 暖房用燃焼部(第2燃焼部)
5 送風機
17 バーナセンサ(火炎温度検知手段)
36 電流検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに独立して燃焼可能な2以上の燃焼部と、前記燃焼部のうち少なくとも2以上の燃焼部に対して送風する送風機と、1つの燃焼部における火炎の温度を検知する火炎温度検知手段とを有し、送風機における電流値に基づいて当該送風機の回転数を補正する電流基準補正機能を備えた燃焼装置であって、
前記火炎温度検知手段の検知温度に基づいて送風機の回転数が補正される温度基準補正機能を備え、
2以上の燃焼部が共通の送風機から送風された状態で同時に燃焼される際に、所定の条件が満たされると、当該送風機の回転数を電流基準補正機能と温度基準補正機能の双方による補正が行われることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
互いに独立して燃焼可能な第1燃焼部及び第2燃焼部と、第1燃焼部及び第2燃焼部に対して送風する送風機と、第2燃焼部における火炎の温度を検知する火炎温度検知手段とを有し、送風機における電流値に基づいて当該送風機の回転数を補正する電流基準補正機能を備えた燃焼装置であって、
前記火炎温度検知手段の検知温度に基づいて送風機の回転数が補正される温度基準補正機能を備え、
第1燃焼部及び第2燃焼部が同時に燃焼される際には、電流基準補正機能又は温度基準補正機能により送風機の回転数が補正されるものであって、所定の条件が満たされると、電流基準補正機能と温度基準補正機能の双方により送風機の回転数が補正されることを特徴とする燃焼装置。
【請求項3】
電流値を検知する電流検知手段を有し、
送風機は、燃焼量ごとに定められた電流値に基づいて回転数が制御されるものであって、
温度基準補正機能により、送風機の回転数が補正される場合、現在の電流値に対して、所定の割合以下に制限されることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
温度基準補正機能による送風機の回転数補正により、現在の電流値が補正前の電流値に対して所定の割合に達すれば、その後の送風機の回転数の補正は、電流基準補正機能により行われることを特徴とする請求項3に記載の燃焼装置。
【請求項5】
火炎温度検知手段の検知温度が一定値に達すると燃焼を停止する安全動作機能を有し、
温度基準補正機能は、火炎温度検知手段の検知温度が一定値よりも低温の所定温度以上となれば実行されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項6】
1つの燃焼部は給湯用であり、
送風機は、燃焼量ごとに定められた電流値に基づいて回転数が制御されるものであって、
送風機における初期の電流値と回転数との関係は、給湯用の燃焼部が基準に設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−47396(P2012−47396A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189859(P2010−189859)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】