説明

物品切出装置

【課題】多数の板状の物品を、大掛かりな設備を設けることなく、確実に1枚ずつ切り出すことができるとともに、搬送時に物品表面が擦過傷を受けることを防止し、かつ、めくれ上がったり、皺が生じたりして物品自体が損傷することを防止する物品切出装置を提供すること。
【解決手段】複数の板状の物品を1枚ずつ分離した状態で搬送する切出コンベア110と、該切出コンベア110に送り込む送りコンベア120とを備えた物品切出装置100において、送りコンベヤ120の搬送面の上方に揺動レバー150が設けられ、揺動先端部151が切出コンベア110側の端部側に自重により押圧されるように構成されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ上に載置された複数の板状の物品を搬送中に分離して一つずつ切り出す物品切出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な大きさの複数の板状の物品を、それぞれの板状の物品のバーコードを読み取ったり、個別に包装したりする処理を行うために、物品切出装置を使用して物品を1枚ずつ切り出して搬送することが行われている。
例えば、多数の板状の物品を積層してホッパ内に収容し、傾斜角をもったベルトコンベヤ裏面のバキュームチャンバによってホッパ内の一番下の物品を吸着して一つずつ切り出す装置が周知である(例えば、特許文献1等参照。)。
【0003】
しかしながら、このような装置は、真空ポンプ装置などの大掛かりな設備を不可欠とするばかりでなく、ホッパ内に収容された多数の板状の物品の重量による一番下の物品とその一つ上の物品との静止摩擦力に抗して切出搬送しているため、搬送時に物品表面が擦過傷を受け易いという問題があった。
【0004】
そこで、図9に示すように、多数の板状の物品Wを搬送方向に順次搬送する搬送コンベヤ530と、この搬送コンベヤ530に連続して配置され板状の物品を少なくとも一部が重なった状態で搬送する送りコンベヤ520と、この送りコンベヤ520に連続して配置され板状の物品を1枚ずつ分離した状態で搬送する切出コンベア510とを備え、各コンベヤの搬送速度と設置角度の設定によって、物品同士の過度の静止摩擦力を抑制し物品表面の擦過傷を低減して切出搬送する物品切出装置500が公知である(例えば、特許文献2等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−169553号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2008−165944号公報(全頁、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に示すような物品切出装置であっても、板状の物品が多種類のもので表面の静止摩擦力が一定でなかったり、温度、湿度等の環境に依存して変化したり場合、切出コンベアが板状の物品を2枚重なった状態で搬送するという現象が発生するという問題があった。
【0007】
このように2枚重なった状態を解消するために、図10に示すように、切出コンベア610の搬送面の上方にエアノズル601を設け、搬送方向の逆方向に高速のエアを吹きつけて2枚重なった状態の板状の物品を分離する物品切出装置600も公知である。
【0008】
しかしながら、このような装置は、前述の特許文献1に示すような物品切出装置と同様にポンプ装置などの大掛かりな設備が必要となるとともに、板状の物品が書籍や包装されたもの等、複数の薄いシートが積層されている物品の場合、めくれ上がったり、皺が生じたりして物品自体が損傷するという問題があった。
【0009】
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、多数の板状の物品を、大掛かりな設備を設けることなく、確実に1枚ずつ切り出すことができるとともに、搬送時に物品表面が擦過傷を受けることを防止し、かつ、めくれ上がったり、皺が生じたりして物品自体が損傷することを防止する物品切出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本請求項1に係る発明は、複数の板状の物品を1枚ずつ分離した状態で搬送する切出コンベアと、前記物品を少なくとも一部が重なった状態で搬送して切出コンベアに送り込む送りコンベアとを備えた物品切出装置において、前記送りコンベアの搬送速度が、前記切出コンベヤの搬送速度より遅く設定され、前記送りコンベヤの搬送面の上方には、該送りコンベヤの搬送面に平行で搬送方向と直角な揺動軸を有する揺動レバーが設けられ、該揺動レバーの揺動先端部が、前記送りコンベヤの搬送面の切出コンベア側端部側に自重により押圧されるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0011】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された物品切出装置の構成に加えて、前記揺動レバーが、側方に設けられた支持部に揺動可能に片持ち支持されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0012】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された物品切出装置の構成に加えて、前記揺動レバーが、前記送りコンベヤの搬送面の方向への押圧力を調整するカウンターウエイトを有していることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0013】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された物品切出装置の構成に加えて、前記揺動レバーの揺動先端部が、曲面に形成されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0014】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された物品切出装置の構成に加えて、前記揺動レバーの送りコンベア側の押圧面が、摺動抵抗を低減する表面加工が施されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0015】
本請求項6に係る発明は、請求項5に記載された物品切出装置の構成に加えて、前記押圧面が、低摩擦係数のシートを貼付したものであることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0016】
本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された物品切出装置の構成に加えて、前記切出コンベアおよび送りコンベアが、それぞれの搬送面が搬送方向に登り傾斜角を有しており、前記切出コンベアの搬送面の傾斜角が、前記送りコンベアの搬送面の傾斜角以上であることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0017】
本請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された物品切出装置の構成に加えて、前記送りコンベアの上流側に、複数の板状の物品を互いに接した状態でその端面を載置して搬送する搬送コンベアを備えていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0018】
本請求項9に係る発明は、請求項8に記載された物品切出装置の構成に加えて、前記搬送コンベアの搬送面が水平であり、前記搬送コンベアの搬送速度が、前記送りコンベヤの搬送速度より遅く設定されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0019】
本請求項1に係る発明の物品切出装置は、複数の板状の物品を1枚ずつ分離した状態で搬送する切出コンベアと、物品を少なくとも一部が重なった状態で搬送して切出コンベアに送り込む送りコンベアとを備えた物品切出装置において、送りコンベアの搬送速度が切出コンベヤの搬送速度より遅く設定され、送りコンベヤの搬送面の上方には、該送りコンベヤの搬送面に平行で搬送方向と直角な揺動軸を有する揺動レバーが設けられ、該揺動レバーの揺動先端部が送りコンベヤの搬送面の切出コンベア側端部側に自重により押圧されるように構成されていることにより、複数の板状の物品が送りコンベヤから切出コンベアに移載される際に、揺動レバーの揺動先端部が重なった板状の物品を進行方向側から押圧して、一番下の物品と一つ上の物品との静止摩擦力に抗して一つ上の物品のみの進行を止めることが可能となるため、板状の物品を確実に一つずつ切り出すことができる。
【0020】
この時、一つ上の物品の進行方向先端部のみが揺動レバーの自重で押圧されているため一番下の物品との間での摺動抵抗は小さく、揺動レバーの先端部と一番下の物品との間の摩擦抵抗も小さくすることが可能なため、双方の物品とも擦過傷を低減できる。
また、揺動レバーを設けるのみで大掛かりな設備を設ける必要もなく、複数の薄いシートが積層されている物品の場合でも、めくれ上がったり、皺が生じたりして物品自体が損傷することも防止できる。
【0021】
本請求項2に係る発明の物品切出装置は、請求項1に係る物品切出装置が奏する効果に加えて、揺動レバーが側方に設けられた支持部に揺動可能に片持ち支持されていることにより、さらに装置全体が簡素化されるとともに、作業者が物品の取り扱いや、保守・点検等を側方から容易に行うことができる。
【0022】
本請求項3に係る発明の物品切出装置は、請求項1または請求項2に係る物品切出装置が奏する効果に加えて、揺動レバーが、送りコンベヤの搬送面の方向への押圧力を調整するカウンターウエイトを有していることにより、搬送される板状の物品の材質、大きさ、厚さ、周辺の環境等に応じて簡単に最適な押圧力に調整することが可能なため、装置全体が簡素化されつつ、如何なる物品、周辺環境でも確実に1枚ずつ切り出すことができる。
【0023】
本請求項4に係る発明の物品切出装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに係る物品切出装置が奏する効果に加えて、揺動レバーの揺動先端部が曲面に形成されていることにより、揺動レバーの先端部と一番下の物品との間の摺動による擦過傷を低減できる。
【0024】
本請求項5に係る発明の物品切出装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る物品切出装置が奏する効果に加えて、揺動レバーの送りコンベア側の押圧面が、摺動抵抗を低減する表面加工が施されていることにより、揺動レバーの押圧面と板状の物品との間の摩擦抵抗を小さくすることができ、さらに摺動による擦過傷を低減できる。
【0025】
本請求項6に係る発明の物品切出装置は、請求項5に係る物品切出装置が奏する効果に加えて、押圧面が低摩擦係数のシートを貼付したものであることにより、揺動レバーの押圧面を加工したり、高コストの材質を使用したりすることなく、押圧面の摺動抵抗を低減することができる。
【0026】
本請求項7に係る発明の物品切出装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに係る物品切出装置が奏する効果に加えて、切出コンベアおよび送りコンベアが、それぞれの搬送面が搬送方向に登り傾斜角を有しており、切出コンベアの搬送面の傾斜角が送りコンベアの搬送面の傾斜角以上であることにより、揺動レバーの押圧力を小さくしても一番下の物品と一つ上の物品との静止摩擦力に抗して一つ上の物品のみの進行を止めることが可能となるため、さらに摺動による擦過傷を低減できる。
【0027】
本請求項8に係る発明の物品切出装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかに係る物品切出装置が奏する効果に加えて、送りコンベアの上流側に、複数の板状の物品を互いに接した状態でその端面を載置して搬送する搬送コンベアを備えていることにより、大量の板状の物品を自動的に順次送りコンベアに載置することが可能となる。
【0028】
本請求項9に係る発明の物品切出装置は、請求項8に係る物品切出装置が奏する効果に加えて、搬送コンベアの搬送面が水平であり、搬送コンベアの搬送速度が送りコンベヤの搬送速度より遅く設定されていることにより、搬送コンベアに大量の板状の物品を載置する作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施例である物品切出装置の拡大側面図。
【図2】図1の物品切出装置の揺動レバー付近の斜視図。
【図3】図1の物品切出装置の揺動レバーの側面図。
【図4】図1の物品切出装置の揺動レバーの平面図。
【図5】本発明の一実施例である物品切出装置の動作説明図。
【図6】図5に続く動作説明図。
【図7】図6に続く動作説明図。
【図8】図7に続く動作説明図。
【図9】従来の物品切出装置の側面図。
【図10】従来の他の物品切出装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の物品切出装置は、複数の板状の物品を1枚ずつ分離した状態で搬送する切出コンベアと、物品を少なくとも一部が重なった状態で搬送して切出コンベアに送り込む送りコンベアとを備えた物品切出装置において、送りコンベアの搬送速度が切出コンベヤの搬送速度より遅く設定され、送りコンベヤの搬送面の上方には、該送りコンベヤの搬送面に平行で搬送方向と直角な揺動軸を有する揺動レバーが設けられ、該揺動レバーの揺動先端部が送りコンベヤの搬送面の切出コンベア側端部側に自重により押圧されるように構成され、多数の板状の物品を、大掛かりな設備を設けることなく、確実に1枚ずつ切り出すことができるとともに、搬送時に物品表面が擦過傷を受けることを防止し、かつ、めくれ上がったり、皺が生じたりして物品自体が損傷することを防止するという効果を発揮するものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても良い。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の実施例である物品切出装置について、図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例である物品切出装置100は、図1に示すように、複数の板状の物品を1枚ずつ分離した状態で搬送する切出コンベア110と、複数の板状の物品を少なくとも一部が重なった状態で搬送して切出コンベア110に送り込む送りコンベア120と、水平な搬送面131を有し、複数の板状の物品を互いに接した状態でその端面を載置して送りコンベア120に搬送する搬送コンベア130とを有している。
【0032】
また、送りコンベヤ120の搬送面121の上方には、該送りコンベヤ120の搬送面121に平行で搬送方向と直角な揺動軸152を有する揺動レバー150が設けられ、揺動レバー150の揺動先端部151が、送りコンベヤ120の搬送面121の切出コンベア110側の端部側に自重により押圧されるように構成されている。
【0033】
切出コンベア110、送りコンベヤ120および搬送コンベア130は、それぞれ独立して回転駆動され、その搬送速度は、切出コンベア110が最も速い速度で駆動され、送りコンベヤ120が中間の速度、搬送コンベア130が最も遅い速度で駆動される。
また、搬送コンベア130の搬送面131は水平に設定され、送りコンベヤ120が登り傾斜を有し、切出コンベア110が送りコンベヤ120以上の傾斜を有するように設定されている。
【0034】
揺動レバー150は、図2乃至図4に示すように、送りコンベヤ120と同じ幅を有し、揺動軸152が物品切出装置100の側方に設けられた支持部160に片持ち支持されて揺動可能に構成されている。
揺動レバー150の揺動軸152に対して揺動先端部151の反対側には取付長孔154が設けられており、該取付長孔154にカウンターウエイト153を位置調整可能に取り付けることで、揺動先端部151の押圧力を調整可能に構成されている。
【0035】
また、揺動レバー151の揺動先端部151は曲面に形成されており、揺動レバー151の送りコンベア120側の押圧面155は、揺動先端部151まで含めて低摩擦係数のシートが貼付される等の摺動抵抗を低減する表面加工が施されている。
【0036】
以上のように構成された本発明の物品切出装置100の動作について、図5乃至図8に基づいて説明する。
まず、図5に示すように、複数の板状の物品Wが、搬送コンベア130の搬送面131上に互いに接した状態でその端面を載置されて搬送され、送りコンベア120の搬送面121上に送り出される。
【0037】
搬送コンベア130の搬送方向終端部は、送りコンベア120の搬送面121の上方に位置し、送りコンベア120の搬送速度が搬送コンベア130の搬送速度よりも速く設定されているため、複数の板状の物品Wは、送りコンベア120の搬送面上に倒れ、かつ、一部が重なった状態で搬送される。
【0038】
そして、送りコンベア120の搬送面上の複数の板状の物品Wは、上方に設けられた揺動レバー151の送りコンベア120側の押圧面155に当接するまで搬送される。
なお、本実施例では、図5に示すように、複数の板状の物品Wが大きなものの場合に、搬送コンベア130から送りコンベア120の搬送面上に倒れ込む姿勢になった時点で押圧面155に当接するように、送りコンベア120の搬送距離、揺動レバー151の位置、揺動レバー151の押圧面155の形状等が設定されているが、搬送コンベア130から送りコンベア120へ移載が円滑に行われる設定であれば、これに限定されるものではない。
【0039】
次いで、図6から図7に示すように、最先端の板状の物品W1が送りコンベア120によって揺動レバー151の押圧面155を押し上げてさらに搬送される。
揺動レバー151の揺動先端部151は曲面に形成されているため、円滑に押し上げることができる。
【0040】
送りコンベア120の搬送面121は、板状の物品Wとの摩擦係数が、板状の物品W相互の摩擦係数より大きくなるよう設計されており、揺動レバー150の押圧力を適宜設定することによって、次の板状の物品W2は揺動レバー150によって進行が妨げられ、最先端の板状の物品W1から分離される。
【0041】
この揺動レバー150の押圧力は、カウンターウエイト153の取付長孔154への取付位置を変えることによって調整することができる。
また、最先端の板状の物品W1が送りコンベア120によって揺動レバー151の押圧面155を押し上げて搬送される際に、揺動先端部151と最先端の板状の物品W1の表面が摺動することとなるが、揺動レバー151の送りコンベア120側の押圧面155は、揺動先端部151まで含めて低摩擦係数のシートが貼付されているため、摺動による擦過傷が防止される。
【0042】
そして、図8に示すように、送りコンベア120の搬送方向終端部は、切出コンベア110の搬送面111の上方に位置し、切出コンベア110の搬送速度が送りコンベア120の搬送速度よりも速く設定されているため、最先端の板状の物品W1は切出コンベア110の搬送面111上に単独で移載されて搬送される。
【0043】
そして、送りコンベア120の搬送面121には次の板状の物品W2が最先端に位置して、前述した揺動レバー150の作用が繰り返されて、次の板状の物品W2が送りコンベア120によって揺動レバー150の押圧面155を押し上げてさらに搬送され、その次の板状の物品W3は揺動レバー150によって進行が妨げられ、板状の物品W2から分離される。
【0044】
このように、揺動レバー150の揺動による動作が繰り返されることで、板状の物品Wを連続して1枚ずつ切り出すことが可能となる。
この時、図5乃至8に示すように、複数の板状の物品Wが、厚さや大きさの異なるものが混合している場合であっても、揺動レバー150によって進行が妨げる作用はほぼ一定であり、大掛かりな設備を設けることなく、確実に1枚ずつ切り出すことができる。
【0045】
さらに、揺動レバー150によって進行が妨げる作用は、板状の物品Wの端部を押圧することで達成されるため、板状の物品Wが書籍や包装されたもの等、複数の薄いシートが積層されている物品の場合でも、めくれ上がったり、皺が生じたりして物品自体が損傷することがない。
【0046】
以上のように、本発明の物品切出装置100によれば、多数の板状の物品を、大掛かりな設備を設けることなく、確実に1枚ずつ切り出すことができるとともに、搬送時に物品表面が擦過傷を受けることを防止し、かつ、めくれ上がったり、皺が生じたりして物品自体が損傷することを防止するなど、その効果は甚大である。
【0047】
なお、本発明の物品切出装置100の各構成部材の構造、あるいは、全体の構成部材の配置等は、各請求項に記載の技術的事項の範囲内のものであれば、上記実施例のものに限定されず、如何なるものであっても良い。
【符号の説明】
【0048】
100、500、600 ・・・物品切出装置
601 ・・・エアノズル
110、510、610 ・・・切出コンベア
111 ・・・搬送面
120、520、620 ・・・送りコンベヤ
121 ・・・搬送面
130、530、630 ・・・搬送コンベヤ
131 ・・・搬送面
150 ・・・揺動レバー
151 ・・・揺動先端部
152 ・・・揺動軸
153 ・・・カウンターウエイト
154 ・・・取付長孔
155 ・・・押圧面
160 ・・・支持部
W ・・・板状の物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の板状の物品を1枚ずつ分離した状態で搬送する切出コンベアと、前記物品を少なくとも一部が重なった状態で搬送して切出コンベアに送り込む送りコンベアとを備えた物品切出装置において、
前記送りコンベアの搬送速度が、前記切出コンベヤの搬送速度より遅く設定され、
前記送りコンベヤの搬送面の上方には、該送りコンベヤの搬送面に平行で搬送方向と直角な揺動軸を有する揺動レバーが設けられ、
該揺動レバーの揺動先端部が、前記送りコンベヤの搬送面の切出コンベア側端部側に自重により押圧されるように構成されていることを特徴とする物品切出装置。
【請求項2】
前記揺動レバーが、側方に設けられた支持部に揺動可能に片持ち支持されていることを特徴とする請求項1に記載の物品切出装置。
【請求項3】
前記揺動レバーが、前記送りコンベヤの搬送面の方向への押圧力を調整するカウンターウエイトを有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品切出装置。
【請求項4】
前記揺動レバーの揺動先端部が、曲面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の物品切出装置。
【請求項5】
前記揺動レバーの送りコンベア側の押圧面が、摺動抵抗を低減する表面加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の物品切出装置。
【請求項6】
前記押圧面が、低摩擦係数のシートを貼付したものであることを特徴とする請求項5に記載の物品切出装置。
【請求項7】
前記切出コンベアおよび送りコンベアが、それぞれの搬送面が搬送方向に登り傾斜角を有しており、
前記切出コンベアの搬送面の傾斜角が、前記送りコンベアの搬送面の傾斜角以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の物品切出装置。
【請求項8】
前記送りコンベアの上流側に、複数の板状の物品を互いに接した状態でその端面を載置して搬送する搬送コンベアを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の物品切出装置。
【請求項9】
前記搬送コンベアの搬送面が水平であり、
前記搬送コンベアの搬送速度が、前記送りコンベヤの搬送速度より遅く設定されていることを特徴とする請求項8に記載の物品切出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−6692(P2012−6692A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142810(P2010−142810)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】