説明

物品取出検知装置

【課題】物品を取り出す際の移動軌跡に応じて発光素子と受光素子との間に形成される検知エリアの位置を変化させ、物品の取出を容易且つ確実に検知できると共に、物品の取出効率の低下を防止する物品取出検知装置を提供する。
【解決手段】コンテナ100から取り出された物品の移動軌跡Iが、互いに対向配置された発光素子部(発光素子)と受光素子部(受光素子)との間に形成される検知エリアKを横切ることで、コンテナ100から物品が取り出されたことを検知する物品取出検知装置1であって、発光素子部及び受光素子部は、コンテナ100から独立した一対の取付フレーム(保持ブラケット)4,4にそれぞれ取り付けられ、この一対の取付フレーム4,4は、発光素子部及び受光素子部のそれぞれを任意の位置に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナに収納された複数の物品を取り出したか否かを検知する物品取出検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンテナに収納された物品を取り出して目標位置へと移動させて行うピッキング作業が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなピッキング作業では、物品の移動軌跡を挟むように発光素子と受光素子とを対向配置し、コンテナから物品を取り出す際に、物品又は作業者の手等の物品の取出手段が、素子間を横切って発光素子から受光素子への光の入射が遮られることにより、コンテナからの物品の取り出しを検知している。
【特許文献1】特開平7−17610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のピッキング作業では、発光素子及び受光素子は、コンテナの取出開口部の周縁部に互いに対向するように取り付けられていた。
【0005】
そのため、発光素子と受光素子との間に形成される検知エリアの可動性がなく、作業者の体格の違い等によって物品の移動軌跡が異なる場合では、移動軌跡が検知エリアを横切るように移動軌跡を変化させて作業する必要があった。
【0006】
また、移動軌跡が検知エリアを横切るように変化できない場合には、例えば物品の取出後、検知エリアに手をかざす等して物品の取り出しを検知させなければならず、余計な手間がかかっていた。
【0007】
そして、移動軌跡が検知エリアを横切らない状態のまま物品の取出作業をしてしまい、物品の取出を検知できないおそれもあった。
【0008】
さらに、コンテナ内の物品を全て取り出した場合には、コンテナの取出開口部から発光素子及び受光素子を一度取り外し、その後、物品が入っているコンテナの取出開口部に取り付け直していた。
【0009】
そのため、発光素子及び受光素子の着脱作業に手間がかかり、物品の取出作業の効率が低下するといった問題も生じていた。
【0010】
そこで、この発明は、物品を取り出す際の移動軌跡に応じて発光素子と受光素子との間に形成される検知エリアの位置を変化させ、物品の取出を容易且つ確実に検知できると共に、物品の取出効率の低下を防止する物品取出検知装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明は、コンテナから取り出された物品の移動軌跡が、互いに対向配置された発光素子と受光素子との間に形成される検知エリアを横切ることで、前記コンテナから前記物品が取り出されたことを検知する物品取出検知装置であって、前記発光素子及び前記受光素子は、前記コンテナから独立した一対の保持ブラケットにそれぞれ取り付けられ、該一対の保持ブラケットは、前記発光素子及び前記受光素子のそれぞれを任意の位置に移動可能であることを特徴としている。
【0012】
また、前記一対の保持ブラケットは、一対の支柱間に上下動可能に架け渡された保持フレームに、水平方向に移動可能、且つ、垂直方向に回動可能に保持されていることを特徴としている。
【0013】
また、前記発光素子及び前記受光素子と、これらを制御する制御部とをつなぐハーネスは、前記一対の保持ブラケットに固定されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、物品の移動軌跡に応じて前記発光素子及び前記受光素子のそれぞれを任意の位置に移動させ、所望の位置を検知エリアとすることが可能となる。
【0015】
これにより、作業者の体格の違い等により物品の移動軌跡が異なる場合には、移動軌跡に合わせて検知エリアの位置を変化させることができ、物品の取出を容易且つ確実に検知することができる。
【0016】
また、一対の保持ブラケットがそれぞれコンテナから独立しているので、コンテナ内に物品がなくなった場合であっても、発光素子及び受光素子を一度取り外して物品が入っているコンテナに取り付け直すといった作業が発生しない。そのため、物品の取出作業の効率低下を防止することが可能となる。
【0017】
また、一対の保持ブラケットが、一対の支柱間に架け渡された保持フレームに、水平方向に移動可能、且つ、垂直方向に回動可能に保持されているので、この一対の保持ブラケットが簡易な機構により可動でき、発光素子及び受光素子を任意の位置に容易に移動させることができる。
【0018】
また、発光素子及び受光素子と、これらを制御する制御部とをつなぐハーネスを、保持ブラケットに固定することにより、保持ブラケットを移動させても、ハーネスの断線や混乱等が生じることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る物品取出検知装置の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に示す1は、本発明に係る物品取出検知装置である。
【0021】
この物品取出検知装置1は、一対の支柱2,2と、この支柱2,2間に架け渡された保持フレーム3と、保持フレーム3に取り付けられた複数の取付フレーム(保持ブラケット)4,…とを有している。
【0022】
支柱2は、鉛直方向に立設された柱部2aと、この柱部2aの上端部2bから片持ち状態で水平に延びた延在部2cとを有している。そして、各延在部2c,2c間には、水平方向に延びる補助柱5が架け渡されている。
【0023】
この補助柱5には、一対のS字フック5a,5aが引っ掛けられており、図示しない固定バンドにて固定されている。
【0024】
また、一方の柱部2aには、平板状のブラケットプレート5bを介して制御装置(制御部)Sが取り付けられている。
【0025】
この制御装置Sは、後述する複数のセンサ機構20,…の制御を行うものであり、ハーネスHを介して各センサ機構20と接続されている(図3参照)。
【0026】
さらに、各柱部2aの前面2aAには、軸方向に並ぶ複数の止め穴6,…が形成されている。ここで、それぞれの柱部2aに形成された止め穴6,…は、互いに高さ方向の位置が同じになるように形成されている。
【0027】
また、各柱部2aの外側面2aBには、LMガイドGを介して取付ブラケット7が取り付けられている。なお、このLMガイドGは、一般的によく知られた構成であり、柱部2aの外側面2aBに固定されたレール部Gaと、このレール部Ga上を移動可能なブロック部Gb(図1A参照)とを有している。
【0028】
そして、取付ブラケット7は、ブロック部Gbの周縁部に固定される側面視コ字状のストッパー本体7aと、このストッパー本体7aの上下部からそれぞれ柱部2aの前面2aA側に延在された一対の係止部7b,7bと、ブロック部Gbの外側面に固定されるベース板7cとを有している。
【0029】
なお、ストッパー本体7aとブロック部Gbとは複数の固定ネジN1,…により固定され、ベース板7cとブロック部Gbとは複数の固定ネジN2,…により固定されている。そして、ベース板7cには、スタットボルト8bを介して歯車部8aが取り付けられている。
【0030】
これにより、ブロック部Gbと取付ブラケット7とは、レールGa上を一体的に移動可能となっている。
【0031】
さらに、一対の係止部7b,7bには、それぞれ図示しない固定穴が貫通形成されており、一対の止ピン6a,6aが、それぞれ図示しない固定穴を貫通すると共に、柱部2aに形成された任意の位置の二つの止め穴6,6内に各々挿入されることにより、取付ブラケット7がブロック部Gbと共に、柱部2aの任意の位置に固定される。
【0032】
一方、保持フレーム3は、取付ブラケット7を介して各支柱2に回動自在に取り付けられた一対の腕部3a,3aと、この腕部3a,3a間を連結する本体部3bとを有している。
【0033】
腕部3aは、細長い平板形状を呈しており、一端部に図示しない貫通孔が形成されている。また、この腕部3aの側面には、歯車部8aの歯に噛み合うストッパー9が設けられている。
【0034】
ストッパー9は、図2に示すように、腕部3aに固定された固定部9aと、固定部9aに一端が取り付けられた伸縮可能なスプリング部9bと、スプリング部9bの先端に取り付けられた係合部9cとを有している。
【0035】
係合部9cは、歯車部8aの歯に噛み合う形状を呈しており、噛み合った状態で保持されるようにスプリング部9bにより歯車部8a側に付勢されている。また、図示しない貫通孔には、スタットボルト8bが遊嵌するようになっている。
【0036】
なお、このスタットボルト8bが、歯車部8aの中心部を貫通すると共に、腕部3aの図示しない貫通孔を遊嵌した後に、ベース板7cに固定されることにより、ベース板7cと歯車部8aとの間に腕部3aが回動可能に挟まれることとなる。
【0037】
そして、ストッパー9の係合部9cを歯車部8aの歯から外してから、腕部3aを任意の角度に傾斜させた後に、再び係合部9cを歯車部8aに噛合させることで、保持フレーム3の角度を調整することができる。
【0038】
また、本体部3bは、中空の丸管形状を呈しており、両端部がそれぞれ腕部3aの先端部3aA(図2参照)に溶着固定されている。そのため、この本体部3bは、腕部3a,3aの傾斜角度に応じて高さ方向の位置が変化するようになっている。
【0039】
取付フレーム4は、図4に示すように、ヒンジ4aで結合された一対の狭持部4b,4bと、狭持部4b,4b間に狭持された取付プレート4cとを有している。
【0040】
一対の狭持部4b,4bは、ヒンジ部4aを中心に開閉可能になっており、それぞれ保持フレーム3の本体部3bの外周面に沿う湾曲部10aと、湾曲部10aから本体部3bの径方向に延びる挟み部10bとを有している。この挟み部10bには、図示しない一対の貫通穴が形成されている。
【0041】
そして、それぞれの湾曲部10a,10aにより、保持フレーム3の本体部3bを上下方向から挟み込むと共に、挟み部10b,10bにより取付プレート4cを挟み込むようになっている。
【0042】
取付プレート4cは、細長い薄板部材により形成され、挟み部10b,10bにより挟まれる一端部には図示しない一対の貫通孔が形成され、先端部には少なくとも一つのセンサ機構20が取り付けられている。なお、図4では、取付プレート4cの上下面のそれぞれにセンサ機構20が取り付けられている。
【0043】
そして、この取付プレート4cは、一端部を一対の狭持部4bの挟み部10b,10b間に位置させた後、各挟み部10bに形成された図示しない貫通穴及び取付プレート4cの一端部に形成された図示しない貫通穴を貫通するネジピン11aの両端部を、一対のナット11b,11bで締め付けることにより、狭持部4b,4b間に狭持される。
【0044】
また、このとき、ネジピン11a及び一対のナット11b,11bの締め付け力により、挟み部10b,10bの湾曲部10a,10aも締め付けられ、取付フレーム4が保持フレーム3の本体部3bに対して固定される。
【0045】
そのため、ネジピン11a及び一対のナット11b,11bの締め付け力をゆるめれば、狭持部4b,4bはヒンジ部4aを中心に互いに離間し、湾曲部10a,10aと本体部3bとの間に隙間が生じる。
【0046】
このときには、狭持部4b,4bは、本体部3b及び取付プレート4cを挟んだ状態のまま、本体部3bの軸方向(ここでは水平方向)に移動可能となると共に、本体部3bの回りに回動可能となる。
【0047】
センサ機構20は、発光素子を有する発光素子部21a又は受光素子を有する受光素子部21bのいずれか一方と、この発光素子部21a又は受光素子部21bが設けられたセンサ本体22と、センサ本体22を覆うカバー23とを有している。
【0048】
発光素子部21aでは、発光素子として光輝度の発光ダイオードが用いられており、受光素子部21bでは、受光素子としてフォトダイオードが用いられている。
【0049】
また、発光素子部21a及び受光素子部21bは、各々ハーネスHを介して制御装置Sに電気的に接続されている。なお、このハーネスHは、センサ本体22を貫通すると共に、取付フレーム4及び保持フレーム3に固定され、一部にたるみ部分を持たせてから柱部2aに沿って図示しない固定バンド等により固定されて制御装置Sに接続されている(図2参照)。
【0050】
なお、ここでは図示しないが、制御装置Sから延びるハーネスHの先端は多数に分岐しており、それぞれにコネクタ(図示せず)が取り付けられている。そして、各発光素子部21a、受光素子部21bから延びるハーネスHは、それぞれ図示しないコネクタに接続されている。
【0051】
センサ本体22は、発光素子部21a又は受光素子部21bを上下左右にスライド可能にさせると共に、上下方向に所定角度傾斜可能に保持する図示しない可動ブラケットを有している。
【0052】
発光素子部21a及び受光素子部21bは、この図示しない可動ブラケットを介してセンサ本体22に設けられる。さらに、センサ本体22は、取付プレート4cの上面又は下面の少なくともどちらか一方に、接着剤等により固着されている。
【0053】
このとき、各センサ本体22は、発光素子部21aと受光素子部21bとが、互いに対向配置するように設けられる。
【0054】
つまり、図5に示すように、所定の取付プレート(ここでは第一プレートという)4c1の下面に、発光素子部21aが設けられたセンサ本体(ここでは第一センサという)22Aが取り付けられた場合を考える。
【0055】
このとき、第一プレート4c1に隣接する取付プレート(ここでは第二プレートという)4c2の下面には、受光素子部21bが設けられたセンサ本体(ここでは第二センサという)22Bが取り付けられる。そして、このとき、第一センサ22Aの発光素子部21aと第二センサ22Bの受光素子部21bとが対向するように、発光素子部21aと受光素子部21bとを向かい合わせる。
【0056】
また、上記第二プレート4c2の上面には、発光素子部21aが設けられたセンサ本体(ここでは第三センサという)22Cが取り付けられる。この第三センサ22Cの発光素子部21aは、第二プレート4c2を挟んで第一プレート4c1とは反対側に位置する取付プレート4c3側に臨むように取り付けられる。
【0057】
そしてこれにより、発光素子部21aが設けられたセンサ本体22と、受光素子部21bが設けられたセンサ本体22との間(図5においては、第一センサ22Aと第二センサ22Bとの間)には、検知エリアKが形成されることとなる。
【0058】
また、カバー23は、断面ハット型を呈しており、中間部23aでセンサ本体22を覆うと共に、両端部のフランジ23b,23bがそれぞれ取付プレート4cに固定されている(図4参照)。
【0059】
次に、本発明に係る物品取出検知装置1の作用について説明する。
【0060】
この物品取出検知装置1により、コンテナ100から物品(図示せず)が取り出されたことを検知するには、まず、図6に示すように、あらかじめ所定量の物品(図示せず)が収納されたコンテナ100を、物品取出検知装置1の内側に設置された作業台101上に載置する。
【0061】
この作業台101は、複数のコンテナ100,…を載置可能な長さの傾斜した載置路101aを有しており、この載置路101aには所定間隔をおいて複数の棒状のコロ102,…が回転可能に敷設されている。また、載置路101aの下端部には、コンテナ100の脱落を防止する下壁部101bが形成されている。
【0062】
これにより、最下方に位置するコンテナ100を除去すると、載置路101a上の複数のコンテナ100,…が自重により順に下方に滑り落ち、自動的に最下方まで移動する。このとき、各コロ102がコンテナ100との間に生じる摩擦力により回転するので、コンテナ100の移動が円滑に行われる。
【0063】
次に、保持フレーム3及び取付フレーム4を調整し、センサ機構20を任意の位置に移動させ、コンテナ100から取り出される物品の移動軌跡Iが、発光素子部21aが形成されたセンサ本体22と受光素子部21bが形成されたセンサ本体22との間に形成される検知エリアKを横切るようにする。
【0064】
ここで、保持フレーム3を調整するには、まず、保持フレーム3の各腕部3aを支持する取付ブラケット7を、支柱2の各柱部2aに固定されたレール部Gaに沿ってブロック部Gbと共に柱部2aの軸方向に移動させる。
【0065】
ブロック部Gb及び取付ブラケット7を移動するには、まず一対の係止部7b,7b貫通する一対の止ピン6a,6aを取り外す。これにより、ブロック部Gbがレール部Ga上を移動可能となる、そして、ブロック部Gb及び取付ブラケット7をレール部Gaに沿って移動させ、柱部2aの前面2aAに形成された複数の止め穴6,…のうち、任意の位置にある二つに係止部7b,7bに形成された図示しない固定穴をそれぞれ対向させ、止ピン6a,6aをそれぞれ固定穴及び止め穴6,6に挿入する。
【0066】
これにより、柱部2aの軸方向の任意の位置にブロック部Gb及び取付ブラケット7を固定することが可能となる。なお、各取付ブラケット7には、保持フレーム3の腕部3aがそれぞれ取り付けられているため、左右のブロック部Gb及び取付ブラケット7は、同時に同高さに移動させる必要がある。
【0067】
また、このように、保持フレーム3の各腕部3aを支持する取付ブラケット7が、LMガイドGを介して支柱2に取り付けられているので、支柱2は、保持フレーム3の荷重が大きくなっても十分に支えることができる。
【0068】
次に、保持フレーム3の一対の腕部3a,3aの傾斜角度を変動させる。
【0069】
各腕部3aの傾斜角度を変動するには、まず、各腕部3a,3aに設けられたストッパー9の係合部9cを固定部9a側に移動させ、歯車部8aとの噛み合いを解除する。そして、各腕部3aを任意の角度に傾斜させ、係合部9cを歯車部8aに噛み合わせる。このとき、係合部9cがスプリング部9bにより歯車部8a側に付勢されているので、係合部9cと歯車部8aとが噛み合った状態で保持される。
【0070】
これにより、任意の傾斜角度に腕部3a,3aを固定することが可能となる。なお、この腕部3a,3aは、本体部3bによって一体に連結されているため、左右の腕部3a,3aは、同時に同角度に傾斜させる必要がある。
【0071】
このように、取付ブラケット7の位置及び腕部3a,3aの傾斜角度の調整をすることで、保持フレーム3を任意の位置に変更することができる。
【0072】
次に、取付フレーム4を調整するには、まず、ネジピン11aに螺合している一方のナット11bをゆるめ、湾曲部10a,10aと保持フレーム3の本体部3bとの間に僅かに隙間をあける。
【0073】
これにより、狭持部4b,4bは、本体部3b及び取付プレート4cを挟んだ状態のまま、本体部3bの軸方向(水平方向)に移動可能となると共に、本体部3bの回り(垂直方向)に回動可能となる。
【0074】
そして、取付フレーム4がコンテナ100の側方に位置するように、狭持部4b,4bを本体部3bの軸方向に移動させ、且つ回動させる。そして、取付プレート4cの先端部に取り付けられたセンサ機構20が任意の位置に位置すると、その状態を保持したまま、ゆるめた上記一方のナット11bを締め、狭持部4b,4bを本体部3bに固定する。
【0075】
これにより、取付フレーム4の位置を調整することができ、取付プレート4cの先端部に取り付けられたセンサ機構20を任意の位置に位置させることができる。
【0076】
なお、このとき、互いに隣接する発光素子部21aを有するセンサ機構20と、受光素子部21bを有するセンサ機構20とが、互いに対向して検知エリアKを形成できるように、互いに隣接する一対の取付フレーム4,4は、同角度に回動される必要がある。
【0077】
さらに、各センサ機構20において、それぞれのセンサ本体22の図示しない可動ブラケットを微調整することにより、発光素子部21aと受光素子部21bとの位置を精密に対向させ、検知エリアKを確実に形成することができる。
【0078】
そして、このように、互いに隣接する一対の取付フレーム4,4は、任意の位置に移動することができるので、コンテナ100の位置にあわせて所望の位置を検知エリアKとすることが可能となる。
【0079】
これにより、作業者の体格の違い等により物品の移動軌跡Iが異なる場合には、この移動軌跡Iに合わせて検知エリアKの位置を変化させることができ、物品の取出を容易且つ確実に検知することが可能となる。
【0080】
さらに、発光素子部21aが設けられたセンサ本体22と、受光素子部21bが設けられたセンサ本体22とは、それぞれコンテナ100から独立して設けられた取付フレーム4に取り付けられている。
【0081】
そのため、最下方に位置するコンテナ100が空になった場合には、物品が入っているコンテナ100と入れ替えるだけでよく、各センサ本体22の取り付け直し作業が発生しない。これにより、物品の取出作業の効率低下を防止することができる。
【0082】
なお、上述の実施の形態では、最下方に位置するコンテナ100を除去すれば、作業台101上に載置された複数のコンテナ100,…が順じ下方に滑り落ちて、自動的に最下方まで移動するので、コンテナ100を入れ替える手間がない。
【0083】
また、上述の実施の形態では、各取付フレーム4は、一対の支柱2,2間に架け渡された保持フレーム3に対して、水平方向である本体部3bの軸方向に移動可能、且つ、垂直方向である本体部3bの回りに回動可能に保持されている。
【0084】
そのため、取付フレーム4が簡易な機構により可動でき、発光素子部21a及び受光素子部21bを任意の位置に容易に移動させることができる。
【0085】
なお、上述の実施の形態では、保持フレーム3も上下動するので、取付フレーム4の可動範囲を広げることができる。
【0086】
さらに、上述の実施の形態では、発光素子部21a及び受光素子部21bと制御装置Sとを電気的に接続するハーネスHは、取付フレーム4及び保持フレーム3に固定されている。
【0087】
これにより、取付フレーム4等の位置を調整するために移動しても、ハーネスHが混線したり、ねじれたりすることがない。またそのため、ハーネスHの断線や混乱等が生じることがなくなる。
【0088】
さらに、ここでは、ハーネスHの中間部にコネクタ(図示せず)が設けられ、制御装置Sからコネクタまでと、コネクタから各発光素子部21a又は受光素子部21bまでは異なるハーネスHにより接続されている。そのため、発光素子部21a又は受光素子部21b近傍のハーネスHに不具合が生じた場合には、コネクタまでの部分のハーネスHだけを取り替えればよく、ハーネスHの交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0089】
さらに、この物品取出検知装置1を使用しない場合には、図7に示すように、保持フレーム3の腕部3a,3aを上方に回動させると共に、本体部3bを一対のS字フック5a,5aに引っ掛ける。これにより、取付フレーム4等が邪魔にならず、また、センサ機構20に不用意に触れたり等して破損が生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明に係る物品取出検知装置の外観を示す斜視図である。
【図1A】図1に示すA部を拡大した要部拡大斜視図である。
【図2】本発明に係る物品検知装置を示す側面図である。
【図3】本発明に係る物品検知装置を示す正面図である。
【図4】図1におけるB−B断面図である。
【図5】図1におけるC部を拡大した要部拡大斜視図である。
【図6】本発明に係る物品検知装置の内側にコンテナを配置した状態を示す側面図である。
【図7】本発明に係る物品検知装置を使用しないときの状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
1 物品取出検知装置
4 取付フレーム(保持ブラケット)
21a 発光素子部(発光素子)
21b 受光素子部(受光素子)
100 コンテナ
K 検知エリア
I 移動軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナから取り出された物品の移動軌跡が、互いに対向配置された発光素子と受光素子との間に形成される検知エリアを横切ることで、前記コンテナから前記物品が取り出されたことを検知する物品取出検知装置であって、
前記発光素子及び前記受光素子は、前記コンテナから独立した一対の保持ブラケットにそれぞれ取り付けられ、
該一対の保持ブラケットは、前記発光素子及び前記受光素子のそれぞれを任意の位置に移動可能であることを特徴とする物品取出検知装置。
【請求項2】
前記一対の保持ブラケットは、一対の支柱間に架け渡された保持フレームに、水平方向に移動可能、且つ、垂直方向に回動可能に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の物品取出検知装置。
【請求項3】
前記発光素子及び前記受光素子と、これらを制御する制御部とをつなぐハーネスは、前記一対の保持ブラケットに固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物品取出検知装置。





【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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