説明

物品投入方法

【課題】各容器に満杯近く物品を投入する場合でも、物品の落下を確実に防ぐことができる物品投入方法を提供すること。
【解決手段】コンベヤ1で複数の容器2を搬送しながら各容器2内へ各容器ごとに投入量の異なる物品を投入する物品投入方法において、コンベヤ1上で容器2に投入ガイド3を装着する投入ガイド装着工程Aと、投入ガイド3が装着された容器2内へ物品を投入する物品投入工程Bと、物品が投入された容器2から投入ガイド3を取り外す投入ガイド取外し工程Cと、を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品投入方法に関し、より詳しくは、複数の容器をコンベヤで搬送しながら各容器内へ物品を投入する容器への物品投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多品種の物品を複数の仕分け先(例えば、店舗、顧客等)に効率良く仕分けする仕分け設備として、各仕分け先に対応させた容器(例えば、コンテナ、段ボール箱等)をコンベヤで搬送し、作業者が、デジタル表示器等により指示された注文物品を物品収納棚からピッキングし、指示された容器へ投入するピッキング設備が利用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
また、仕分け作業の更なる効率化のために、物品収納棚からピッキングした注文物品を各容器内へ、手作業で投入する代わりに、自動投入する物品投入装置が利用されている(例えば、下記特許文献2参照)。この物品投入装置によれば、各容器の搬送を停止させることなく各容器内へ物品を傷付けずにソフトに投入することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−326708号公報
【特許文献2】特開2009−35310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この仕分け作業においては、その仕分け先によって、各容器への物品投入量が異なるのが一般的であり、容器に対する物品投入量が比較的に多い場合、一旦投入した物品が容器外へこぼれ落ちることが稀にあった。そのため、従来では、物品投入後の容器全体の重量等を計測して物品落下の有無を検出する検出手段をさらに設けなければならず、また、検出時に容器の搬送を停止させる必要があることから仕分け作業の能率低下を招く難点があった。
【0006】
本発明は、従来の容器内への物品投入工程に上記のような問題点があったことに鑑みて為されたもので、たとえ各容器に満杯近く物品を投入する場合であっても、物品の落下を確実に防ぐことができる物品投入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、コンベヤで複数の容器を搬送しながら各容器内へ各容器ごとに投入量の異なる物品を投入する物品投入方法であって、
前記コンベヤ上で前記容器に投入ガイドを装着する投入ガイド装着工程と、前記投入ガイドが装着された前記容器内へ物品を投入する物品投入工程と、前記物品が投入された前記容器から前記投入ガイドを取り外す投入ガイド取外し工程と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、前記投入ガイド装着工程において、前記容器の容量に対する該容器への物品投入量の割合が、予め設定された設定値以上のとき、該容器に前記投入ガイドを装着することを特徴としている。
【0009】
更にまた、本発明は、前記投入ガイドが、両端に開口部を有し前記容器を収容可能な筒状体から成り、該一の開口部を下にして前記コンベヤの搬送面上に載置したとき、該他の開口部の高さが該容器の開口部の高さよりも大きくされており、前記投入ガイド装着工程において、当該投入ガイドを前記容器に被せて前記コンベヤの搬送面上に載置することによって、該投入ガイドを該容器に装着することを特徴としている。
【0010】
更にまた、本発明は、前記投入ガイドが、両端に開口部を有し前記容器内へ挿入可能な筒状体から成り、該一の開口部を下にして該容器の底面上に載置したとき、該他の開口部の高さが該容器の開口部の高さよりも大きくされており、前記投入ガイド装着工程において、当該投入ガイドを前記容器内に挿入して該容器の底面上に載置することによって、該投入ガイドを該容器に装着することを特徴としている。
【0011】
更にまた、本発明は、前記投入ガイドが、両端に開口部を有し前記容器の開口縁部に載置可能な筒状体から成り、前記投入ガイド装着工程において、当該投入ガイドを前記容器の開口縁部に載置することによって、該投入ガイドを該容器に装着することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る物品投入方法によれば、各容器内へ物品を投入する物品投入工程を行う前に、投入ガイド装着工程を行って各容器に投入ガイドを装着するので、たとえ各容器に満杯近く物品を投入する場合であっても、物品投入時における物品の落下を投入ガイドで確実に防ぐことができる。また、各容器への投入ガイドの装着を物品投入時に行わずに済むので、仕分け作業の能率低下を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の物品投入方法を適用した仕分け設備の概略側面図である。
【図2】本実施形態の物品投入方法に用いる投入ガイドの斜視図と縦断面図である。
【図3】本実施形態の物品投入方法における投入ガイド装着工程(A)を行う投入ガイド装着装置の概略側面図である。
【図4】同投入ガイド装着装置の位置決め手段の要部斜視図である。
【図5】同投入ガイド装着装置の位置決め手段による位置決め工程を説明する概略側面図である。
【図6】同投入ガイド装着装置の待機手段及び振分手段の要部斜視図である。
【図7】同投入ガイド装着装置の待機手段による待機工程、及び振分手段による振分工程を説明する概略側面図である。
【図8】同投入ガイド装着装置の装着手段の要部斜視図である。
【図9】同投入ガイド装着装置の装着手段による装着工程を説明する概略側面図である。
【図10】本実施形態の物品投入方法における投入ガイド取外し工程(C)を行う投入ガイド取外し装置の概略側面図である。
【図11】同投入ガイド取外し装置の要部斜視図である。
【図12】実施変形例の投入ガイドの縦断面図である。
【図13】他の実施変形例の投入ガイドの縦断面図である。
【図14】更に他の実施変形例の投入ガイドの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態の物品投入方法は、図1に示すように、多品種の物品を複数の仕分け先(例えば、店舗、顧客等)に仕分けする仕分け設備10に適用されており、コンベヤ1で複数の容器2を搬送しながら各容器2内へ物品を投入するものである。容器2は、予め各仕分け先に対応付けられており、図2に示すように、一つの開口部21を有する直方体形状のコンテナから構成されている。本実施形態では、開口部21の高さ(H)が異なる複数種類の容器2が、駆動ローラコンベヤ等から成るコンベヤ1により搬送され、各仕分け先の注文データに応じて各容器2内へ各容器ごとに投入量の異なる物品が投入される。
【0015】
本実施形態の物品投入方法は、図1に示すように、コンベヤ1上で各容器2に投入ガイド3を装着する投入ガイド装着工程(A)と、投入ガイド3が装着された各容器2内へ物品を投入する物品投入工程(B)と、物品が投入された各容器2から投入ガイド3を取り外す投入ガイド取外し工程(C)と、から構成されている。
【0016】
投入ガイド3は、図2に示すように、両端に開口部(31、32)を有し、各容器2を収容可能な角型の筒状体から成り、筒外面の一の開口部31寄りには、互いに反対方向へ突出する一対の丸棒状の突起部33が形成されている。そして、投入ガイド3は、他の開口部32を下にしてコンベヤ1の搬送面上に載置したとき、一の開口部31の高さL3が、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きく形成されている。この投入ガイド3は、角筒状に限定されるものではなく、例えば円筒状であってもよい。装着すべき容器2の形状に応じて種々の設計変更が可能である。
【0017】
以下、本実施形態の物品投入方法の各工程について説明する。
【0018】
「投入ガイド装着工程(A)」
まず、投入ガイド装着工程(A)を行う。本実施形態では、図1及び図3に示す投入ガイド装着装置4によって投入ガイド装着工程(A)を行っている。
【0019】
投入ガイド装着装置4は、図3に示すように、容器2を搬送路上の所定位置に位置決めする位置決め手段41と、位置決め手段41の上方に設けられ、投入ガイド3を待機させる待機手段42と、位置決め手段41の上方に上下移動可能に設けられ、待機手段42で待機する投入ガイド3を、位置決め手段41で位置決めした容器2に装着する装着手段43と、を備えている。そして、待機手段42及び装着手段43をそれぞれ、容器2の搬送路に沿う前後方向に二つ備え、各待機手段42へ投入ガイド3を振り分けながら供給する振分手段44を備えている。なお、本明細書において、コンベヤ1の搬送方向を、投入ガイド装着装置4の前後方向とし、コンベヤ1の搬送方向と直交する方向を、投入ガイド装着装置4の左右方向としている。
【0020】
位置決め手段41は、図4に示すように、コンベヤ1の搬送路の中途に設けられ、搬送動作を間欠的に行うベルトコンベヤ411と、ベルトコンベヤ411上の容器2を挟んで位置決めする位置決めクランプ412と、から構成されている。本実施形態では、左右一対の位置決めクランプ412が計二対、前後方向に並んで配設されており、各位置決めクランプ412は、ベルトコンベヤ411の不図示のフレームに軸支され、流体圧シリンダ413の進退動作によって進退揺動する。
【0021】
この位置決め手段41のベルトコンベヤ411は、図5(a)、(b)に示すように、搬送上流側のコンベヤ1Aの搬送速度よりも大きい搬送速度で容器2を搬送し、容器2が所定位置に至ったことを不図示の位置センサで検出したとき、その搬送動作を停止する。このことで、コンベヤ1Aにより互いに接触状態で搬送されてきた複数の容器2を、ベルトコンベヤ411により所定間隔をあけて切り出して搬送し、切り出した各容器2をおおよその位置に位置決めする。その後、二対の位置決めクランプ412が各容器2の下部を挟むことによって、各容器2をその姿勢を含め正確かつ確実に位置決めする。
【0022】
こうして、位置決め手段41によって、投入ガイド装着工程(A)のうち、各容器2を搬送路上の所定位置に位置決めする位置決め工程A1が行われる。
【0023】
その後、位置決め手段41は、図5(c)に示すように、後述する装着手段43による投入ガイド3の装着工程が行われた後、位置決めクランプ412の挟持を解除し、図5(d)に示すように、ベルトコンベヤ411による搬送動作を開始することによって、投入ガイド装着済みの各容器2を搬送下流側のコンベヤ1Bへ搬出するとともに、搬送上流側のコンベヤ1Aから投入ガイド未装着の容器2を切り出して搬入する。
【0024】
待機手段42は、図3及び図6に示すように、投入ガイド3の一対の突起部33を下方へ導く左右一対の導入路421をそれぞれ形成する前後一対の導入ガイド422と、各導入路421の下部に設けられ、投入ガイド3の突起部33を支える支持部材423と、から構成されている。各支持部材423は、不図示の装置フレームに軸支され、流体圧シリンダ424の進退動作によって上下揺動する。
【0025】
この待機手段42は、図7(e)に示すように、支持部材423を上方へ揺動させたとき、支持部材423で投入ガイド3の突起部33を下方から支え、投入ガイド3をその位置に待機させる。
【0026】
こうして、待機手段42によって、投入ガイド装着工程(A)のうち、投入ガイド3の待機工程A2が行われる。そして、図7(f)に示すように、支持部材423を下方へ揺動させたとき、投入ガイド3の突起部33の支えを解除する。
【0027】
振分手段44は、図3及び図6に示すように、投入ガイド3の一対の突起部33を下方から支えて投入ガイド3を搬送する左右一対の供給コンベヤ441と、供給コンベヤ441の搬送下流側に、供給コンベヤ441に対し接近離反移動可能に設けられ、投入ガイド3の一対の突起部33を下方から支えて投入ガイド3を搬送する左右一対の振分コンベヤ442と、から構成されている。各供給コンベヤ441は、不図示のコンベヤフレームに設けられたモータ443により駆動され、間欠的に搬送動作する。一方、各振分コンベヤ442は、不図示の装置フレームに設けられたアクチュエータによりコンベヤ全体が直線往復移動するとともに、不図示のコンベヤフレームに設けられたモータ444により駆動され、間欠的に搬送動作する。
【0028】
この振分手段44は、図7(a)に示すように、振分コンベヤ442が供給コンベヤ441に対し接近位置にあるとき、回収コンベヤ45により搬送されてきた一の投入ガイド3Aを供給コンベヤ441で搬送し、さらに、図7(b)に示すように、一の投入ガイド3Aを供給コンベヤ441から振分コンベヤ442へ移載するとともに、後続の他の投入ガイド3Bを供給コンベヤ441で搬送する。
【0029】
次いで、図7(c)に示すように、振分コンベヤ442は、移載された一の投入ガイド3Aを搬送しながら、それ自体が供給コンベヤ441に対し離反移動する。このとき、供給コンベヤ441の搬送下流端と振分コンベヤ442の搬送上流端との間に隙間445が形成される。
【0030】
そして、図7(d)に示すように、振分コンベヤ442が供給コンベヤ441に対して離反位置にあるとき、振分コンベヤ442は、一の投入ガイド3Aの突起部33をその搬送下流端から落下させ、一の投入ガイド3Aを一の待機手段42Aへ供給する一方、供給コンベヤ441は、他の投入ガイド3Bの突起部33をその搬送下流端の隙間445から落下させ、他の投入ガイド3Bを他の待機手段42Bへ供給する。
【0031】
こうして、振分手段44によって、投入ガイド装着工程(A)のうち、二つの待機手段(42A、42B)へ投入ガイド(3A、3B)を振り分けて供給する振分工程A3が行われる。
【0032】
その後、振分手段44は、図7(e)に示すように、振分コンベヤ442を供給コンベヤ441に対し接近移動させることで復帰し、図7(f)に示すように、後続の投入ガイド(3C、3D)に対する振分工程を開始する。
【0033】
装着手段43は、図8に示すように、計四本の昇降ガイド431に沿って上下移動する左右一対の移動フレーム432と、各移動フレーム432に設けられ、投入ガイド3の筒外面を左右から把持する左右一対の把持部材433と、から構成されている。左右一対の移動フレーム432は、サーボモータ434及びカウンタシャフト435によって同期駆動される左右一対のタイミングベルト436にそれぞれ固定部材437を介して固定されており、サーボモータ434の回転動作によって同期して上下に往復移動する。把持部材433は、各移動フレーム432に設けられた流体圧シリンダ438の進退動作によって進退移動する。本実施形態では、左右一対の把持部材433が計二対、前後方向に並んで配設されており、二つの投入ガイド3を同時に把持するように構成されている。本実施形態では、前後二つの装着手段43が、移動フレーム432及びその駆動機構を共有しており、装置構成の簡素化と同期作動の正確化を実現している。
【0034】
この装着手段43は、図9(a)に示すように、移動フレーム432(不図示)を上昇させ、その上昇位置において、把持部材433によって、上記待機手段42で待機する投入ガイド3の筒外面の下部を把持することにより投入ガイド3を保持する。投入ガイド3を把持部材433で保持した後、待機手段42の支持部材423が下方へ揺動し、投入ガイド3の突起部33の支えを解除する。
【0035】
次いで、図9(b)に示すように、投入ガイド3を把持部材433で保持したまま、移動フレーム432(不図示)を下降させることによって、上記位置決め手段41で位置決めされた容器2に投入ガイド3を上方から被せて装着する。
【0036】
そして、図9(c)に示すように、把持部材433の把持を解除し、位置決め手段41の位置決めクランプ412の挟持を解除する。
【0037】
こうして、装着手段43によって、投入ガイド装着工程(A)のうち、投入ガイド3の装着工程A4が行われる。装着手段43が下降している間、上方の待機手段42において、次の投入ガイド3の待機工程が行われる。
【0038】
その後、装着手段43は、図9(d)、(e)に示すように、上昇することで復帰し、待機手段42で待機する次の投入ガイド3の装着工程を開始する。そして、装着手段43が上昇している間、下方の位置決め手段41において、後続の容器2の位置決め工程が行われる。
【0039】
このようにして投入ガイド装着装置4によって、位置決め工程A1、待機工程A2、振分工程A3、及び装着工程A4から成る投入ガイド装着工程(A)が行われ、図2(b)に示すように、投入ガイド3が、容器2を収容した状態で、他の開口部32を下にしてコンベヤ1の搬送面上に載置されることで容器2に装着される。
【0040】
この投入ガイド装着装置4によれば、待機手段42で待機させた投入ガイド3を装着手段43で保持し、この投入ガイド3を装着手段43で保持したまま下降させ、位置決め手段41で位置決めした容器2に装着するので、投入ガイド3を各容器2に確実に装着することができる。
【0041】
また、待機手段42及び装着手段43をそれぞれ、容器2の搬送路に沿って複数設け、各待機手段42へ投入ガイド3を振分け供給する振分手段44を設けているので、複数の投入ガイド3を複数の容器2に同時に装着することができ、仕分け設備等の処理能力を損うことなく各容器2に投入ガイド3を装着することができる。
【0042】
また、投入ガイド3の筒外面に設けた突起部33を待機手段42で支えることで投入ガイド3を待機させ、投入ガイド3の筒外面を装着手段43の把持部材433で把持することで投入ガイド3を保持するようにしているので、投入ガイド3を待機手段42から装着手段43へ迅速かつ確実に受け渡すことができ、投入ガイド3を各容器2に迅速に装着することができる。
【0043】
また、振分手段44の振分コンベヤ442が、投入ガイド3を搬送しながらそれ自体が移動するので、投入ガイド3を素早く移送でき、複数の待機手段42へ素早く振分け供給することができる。このことによっても、投入ガイド3を各容器2に迅速に装着することができる。
【0044】
また、振分手段44の供給コンベヤ441及び振分コンベヤ442で投入ガイド3の突起部33を支えることで投入ガイド3を搬送し、この突起部33を各コンベヤから落下させることで投入ガイド3を待機手段42へ供給するようにしているので、装置構成を簡素化し、振分け作業を迅速化することができる。
【0045】
「物品投入工程(B)」
上記投入ガイド装着工程(A)を行った後、投入ガイド3が装着された各容器2をコンベヤ1で搬送し、物品投入工程(B)を行う。本実施形態では、図1に示す物品投入装置5によって物品投入工程(B)を行っている。
【0046】
物品投入装置5は、作業者によって物品収納棚からピッキングされた注文物品を各容器2内へ自動投入するものであり、各容器2の搬送を停止させることなく物品を傷付けずにソフトに投入することができる。この物品投入装置5は、公知の物品投入装置(上記特許文献2参照)を採用しており、その装置構成の説明を省略する。
【0047】
この物品投入工程(B)は、上記投入ガイド装着工程(A)によって予め投入ガイド3が装着された各容器2に対し行われる。各容器2には投入ガイド3が装着されているため、物品投入時における物品の落下を確実に防ぐことができる。
【0048】
「投入ガイド取外し工程(C)」
上記物品投入工程(B)を行った後、物品が投入された各容器2をコンベヤ1で搬送し、投入ガイド取外し工程(C)を行う。本実施形態では、図10に示す投入ガイド取外し装置6によって投入ガイド取外し工程(C)を行っている。
【0049】
投入ガイド取外し装置6は、図10及び図11に示すように、投入ガイド3の一対の突起部33を支える左右一対の受けレール61と、受けレール61に沿って投入ガイド3を移送する左右一対の移送手段62と、を備えている。
【0050】
受けレール61は、図10及び図11に示すように、長板状のプレート材から成り、コンベヤ1の上方に、平面視においてコンベヤ1の搬送路に沿い、かつ、立面視においてコンベヤ1の搬送下流側へ向うに従ってコンベヤ1の搬送路との間隔が拡大するように、傾斜して配設されている。つまり、受けレール61の、コンベヤ1の搬送下流側に位置するレール後端部612が、コンベヤ1の搬送上流側に位置するレール先端部611よりも高い位置に設けられている。レール先端部611は、コンベヤ1上に載置された投入ガイド3の突起部33よりも低い位置に設けられている一方、レール後端部612は、投入ガイド3の突起部33を支えたとき、投入ガイド3が容器2から離れて互いに干渉しない高さ位置に設けられている。受けレール61は、その上縁に形成されたレール面613で直接、投入ガイド3の突起部33を下方から支える。
【0051】
移送手段62は、図10及び図11に示すように、受けレール61に沿って循環走行する無端ベルト621と、無端ベルト621の外周部に等間隔に設けられた複数の引掛部材622と、を備えている。無端ベルト621は、複数のスプロケット間に掛け渡された無端チェーンから成り、不図示のフレームに設けられたモータ623により駆動され、受けレール61のレール面613に沿う走行往路において、レール先端部611側からレール後端部612側へ向けて走行移動する。また、各引掛部材622は、無端ベルト621に軸支され、無端ベルト621の走行下流側へのみ傾倒するように設けられている。
【0052】
この投入ガイド取外し装置6は、まず、投入ガイド取外し工程(C)のうち、各容器2に装着された投入ガイド3の突起部33を受けレール61上に導入する導入工程C1を行う。即ち、物品投入装置5から搬送されてくる物品投入後の容器2をそのままコンベヤ1で搬送することによって、容器2に装着されている投入ガイド3の一対の突起部33を一対の受けレール61のレール先端部611上に導き入れる。このとき、引掛部材622を走行下流側へ傾倒可能に設けているので、投入ガイド3の突起部33が例えば引掛部材622上に乗り上げて突起部33の導入が阻害されることがない。
【0053】
次に、投入ガイド取外し装置6は、投入ガイド取外し工程(C)のうち、受けレール61に導入した投入ガイド3を、受けレール61に沿ってコンベヤ1の搬送下流側へ移送する移送工程C2を行う。即ち、受けレール61上に導入した投入ガイド3の突起部33を受けレール61で支えながら、この突起部33を、無端ベルト621と共に連続走行移動する引掛部材622で引っ掛けることによって、投入ガイド3を受けレール61のレール後端部612へ移送する。
【0054】
この引掛部材622による移送速度の水平成分(立面視においてコンベヤ1の搬送面と平行な方向の速度成分)は、コンベヤ1の搬送速度と等しくされている。このことで、傾斜する受けレール61に沿って斜め上方へ移送される投入ガイド3は、各容器2に対して鉛直上方へ持ち上げられ、各容器2から取り外される。
【0055】
このようにして投入ガイド取外し装置6によって、上記導入工程C1及び移送工程C2から成る投入ガイド取外し工程(C)が行われ、各容器2から投入ガイド3が自動的に取り外される。
【0056】
この投入ガイド取外し装置6によれば、投入ガイド3の筒外面に設けた突起部33をコンベヤ1の搬送面に対して傾斜した受けレール61で支え、各投入ガイド3を受けレール61に沿って斜め上方へ移送するので、コンベヤ1による容器2の搬送動作を停止させることなく各容器2から投入ガイド3を取り外すことができる。しかも、突起部33を受けレール61で確実に支え、この受けレール61とは別個に設けた移送手段62で各投入ガイド3を移送するので、各容器2から投入ガイド3を確実に取り外すことができる。
【0057】
図1に示すように、投入ガイド3が取り外された容器2は、コンベヤ1でさらに搬送され、例えば出荷工程等へ搬出される。他方、各容器2から取り外された投入ガイド3は、回収コンベヤ45によって回収され、再び投入ガイド装着装置4によって各容器2に自動装着される。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態の物品投入方法によれば、各容器2内へ物品を投入する物品投入工程(B)を行う前に、投入ガイド装着工程(A)を行って各容器2に投入ガイド3を装着するので、たとえ各容器2に満杯近く物品を投入する場合であっても、物品投入時における物品の落下を投入ガイド3で確実に防ぐことができる。また、各容器2への投入ガイド3の装着を物品投入時に行わずに済むので、仕分け作業の能率低下を招くこともない。
【0059】
また、本実施形態の物品投入方法によれば、容器2を収容可能な筒状体から成る投入ガイド3を用いているので、コンベヤ1の搬送面上の各容器2に対し、投入ガイド3を被せてコンベヤ1の搬送面上に載置するだけで、容易に投入ガイド3を各容器2に装着することができ、迅速かつ確実な装着作業を行うことができる。
【0060】
以上、本実施形態の物品投入方法について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【0061】
例えば、上記実施形態では、投入ガイド装着工程(A)を投入ガイド装着装置4により行い、物品投入工程(B)を物品投入装置5により行い、投入ガイド取外し工程(C)を投入ガイド取外し装置6により行っているが、本発明は決してこれに限定されるものではなく、これら投入ガイド装着工程(A)、物品投入工程(B)及び投入ガイド取外し工程(C)の全ての工程または一部の工程を手作業で行うようにしてもよい。例えば、仕分け設備に、本発明に係る物品投入方法を適用する場合、その仕分け設備の態様に応じて種々の設計変更が可能である。
【0062】
特に、物品投入工程(B)を物品投入装置5で行い、物品投入装置5の搬送上流側において投入ガイド装着工程(A)を手作業で行い、物品投入装置5の搬送下流側において投入ガイド取外し工程(C)を手作業で行うようにすれば、本発明に係る物品投入方法を、既存の仕分け設備に容易に適用することができる。なお、各工程を手作業で行う場合、作業者は投入ガイド3の筒外面を両手で把持し、或いは、投入ガイド3の開口縁部を片手で掴んで投入ガイド3を扱うことができるので、この場合、投入ガイド3の筒外面に一対の突起部33を必ずしも設ける必要はない。
【0063】
また、各容器2の容量に対する物品投入量の割合が、予め設定された設定値(例えば、80%)以上のとき、表示ランプ等により作業者に報知し、作業者にその容器2に対する投入ガイド3の装着をさせるようにしてもよい。このことで、仕分け作業の更なる能率向上を図ることができる。この投入ガイド3の装着の要否を決める設定値は、投入すべき各物品の大きさ、形状、重量等や、容器2の形状等に応じて適宜設定することができる。
【0064】
更にまた、上記実施形態では、容器2を収容可能な投入ガイド3を用いているが、図12に示す投入ガイド7を用いてもよい。
【0065】
投入ガイド7は、図12に示すように、両端に開口部(71、72)を有し、各容器2内へ挿入可能な角型の筒状体から構成されている。そして、投入ガイド7は、他の開口部72を下にして容器2の底面22上に載置したとき、一の開口部71の高さL7が、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きく形成されている。この投入ガイド7を容器2内に挿入し、容器2の底面22上に載置することによって、容易に投入ガイド7を容器2に装着することができる。
【0066】
また、図13に示す投入ガイド8を用いてもよい。投入ガイド8は、図13に示すように、両端に開口部(81、82)を有する角型の筒状体から成り、筒内面に容器2の開口縁部23に載置可能な段差部83が形成されている。この投入ガイド8を容器2の開口縁部23に載置することによって、容易に投入ガイド8を容器2に装着することができる。投入ガイド8を装着したとき、一の開口部81の高さL8が、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きくなるので、物品投入時の物品落下を確実に防ぐことができる。また、段差部83の一の開口部81側に斜面部84を形成しているので、段差部83に投入物品が引っ掛かることがない。
【0067】
また、図14に示す投入ガイド9を用いてもよい。投入ガイド9は、図14に示すように、両端に開口部(91、92)を有する角型の筒状体から成り、筒外面に容器2の開口縁部23に載置可能な段差部93が形成されている。この投入ガイド9を容器2の開口縁部23に載置することによって、容易に投入ガイド9を容器2に装着することができる。投入ガイド9を装着したとき、一の開口部91の高さL9が、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きくなるので、物品投入時の物品落下を確実に防ぐことができる。また、段差部93よりも一の開口部91側において投入ガイド9の筒外面を、容器2の外面とほぼ面一に形成し、筒内面に斜面部94を形成しているので、投入物品が引っ掛かることがない。なお、これら実施変形例の投入ガイド(7、8、9)においても、必要に応じて、筒外面に突起部を形成し得る。
【0068】
また、上記実施形態では、コンベヤ1で開口部の高さ(H)が異なる複数種類の容器2を搬送しながら、各容器2内へ各容器ごとに投入量の異なる物品を投入する場合について説明したが、本発明は勿論これに限定されるものではなく、コンベヤ1で開口部の高さ(H)が同一の複数の容器2を搬送しながら、各容器2内へ各容器ごとに投入量の異なる物品を投入するようにしてもよい。
【0069】
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1;コンベヤ
2;容器
21;開口部
22;底面
23;開口縁部
3、7、8、9;投入ガイド
31、32、71、72、81、82、91、92;開口部
33;突起部
4;投入ガイド装着装置
5;物品投入装置
6;投入ガイド取外し装置
10;仕分け設備
A;投入ガイド装着工程
B;物品投入工程
C;投入ガイド取外し工程
H;容器の開口部の高さ
L3、L7、L8、L9;投入ガイドの開口部の高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤで複数の容器を搬送しながら各容器内へ各容器ごとに投入量の異なる物品を投入する物品投入方法であって、
前記コンベヤ上で前記容器に投入ガイドを装着する投入ガイド装着工程と、
前記投入ガイドが装着された前記容器内へ物品を投入する物品投入工程と、
前記物品が投入された前記容器から前記投入ガイドを取り外す投入ガイド取外し工程と、を備えたことを特徴とする物品投入方法。
【請求項2】
前記投入ガイド装着工程において、
前記容器の容量に対する該容器への物品投入量の割合が、予め設定された設定値以上のとき、該容器に前記投入ガイドを装着することを特徴とした請求項1に記載の物品投入方法。
【請求項3】
前記投入ガイドが、両端に開口部を有し前記容器を収容可能な筒状体から成り、該一の開口部を下にして前記コンベヤの搬送面上に載置したとき、該他の開口部の高さが該容器の開口部の高さよりも大きくされており、
前記投入ガイド装着工程において、
当該投入ガイドを前記容器に被せて前記コンベヤの搬送面上に載置することによって、該投入ガイドを該容器に装着することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の物品投入方法。
【請求項4】
前記投入ガイドが、両端に開口部を有し前記容器内へ挿入可能な筒状体から成り、該一の開口部を下にして該容器の底面上に載置したとき、該他の開口部の高さが該容器の開口部の高さよりも大きくされており、
前記投入ガイド装着工程において、
当該投入ガイドを前記容器内に挿入して該容器の底面上に載置することによって、該投入ガイドを該容器に装着することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の物品投入方法。
【請求項5】
前記投入ガイドが、両端に開口部を有し前記容器の開口縁部に載置可能な筒状体から成り、
前記投入ガイド装着工程において、
当該投入ガイドを前記容器の開口縁部に載置することによって、該投入ガイドを該容器に装着することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の物品投入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−201672(P2011−201672A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71781(P2010−71781)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】