説明

物品検査装置

【課題】信頼性の高い検査を行うことができる物品検査装置を提供すること。
【解決手段】被検査物Wの検査条件を記憶する検査条件記憶部51と、搬送された前記被検査物Wを、前記検査条件記憶部51に記憶された検査条件に基づいて検査する検査手段と、前記検査手段の検査結果に基づいて前記被検査物Wを良品と不良品とに選別する選別機とを有する重量選別装置1において、前記検査条件記憶部51に記憶された検査条件を変更する検査条件変更部45と、前記検査条件のうち前記検査の信頼性を保証する標準の検査条件を標準検査条件として記憶する標準検査条件記憶部52と、前記変更部45に変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶部52に記憶された標準検査条件に含まれるか否かを判定する検査条件判定部46とを備えたものから構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物についての品質検査を行う物品検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品検査装置として、搬送される被検査物にX線を照射して、そのX線透過量から被検査物中の異物を検出するX線異物検出装置、搬送される被検査物によって磁界が変化することにより被検査物中の金属を検出する金属検出装置、搬送される被検査物の重量を計量し、適正な重量であるか否かを判定する重量選別装置などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらの物品検査装置は、搬送速度や検査能力などの検査条件が設定されるようになっており、これらの設定された検査条件により検査効率や検査精度が決定されるようになっている。搬送路を流れてくる被検査物は、この設定された検査条件に基づいて検査され、その検査結果から被検査物が良品と不良品とに選別されるとともに、不良品だけが搬送路外に排除されるようになっている。
【0004】
また、上記の物品検査装置では、通常、検査開始前や検査終了後に、設定された検査条件に基づいて、日常の検査に必要とされる性能が維持されているか否かを点検する点検作業が行われ、この点検作業の点検結果から一貫して信頼性の高い検査が行われたことを証明するようになっている。
【特許文献1】特開2007−244986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の物品検査装置では、検査効率を向上させるために搬送速度を速くしたり、検査精度を向上させるために検査能力を下げたりするような意図的な検査条件の変更の他、誤入力により意図しない検査条件の変更が行われる場合があり、日常の検査に必要な性能の点検作業が行われても、変更された検査条件に基づいて点検作業が行われると、点検結果に信憑性があることを証明できないという問題があった。また、点検結果に信憑性があることを証明できないため、点検作業を行っていたとしても、一貫して信頼性の高い検査を行うことができないという問題があった。特に、意図しない検査条件の変更が行われた場合には、点検作業を行っていたとしても、良否判断が正確に実行されないことがあり、不良品が工場外に流出するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、信頼性の高い検査を行うことができる物品検査装置を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物品検査装置は、上記目的を達成するため、(1)被検査物を搬送する搬送手段と、前記被検査物の検査条件を記憶する検査条件記憶手段と、前記搬送手段に搬送された前記被検査物を、前記検査条件記憶手段に記憶された検査条件に基づいて検査する検査手段と、前記検査手段の検査結果に基づいて前記被検査物を良品と不良品とに選別する選別手段とを有する物品検査装置において、前記検査条件記憶手段に記憶された検査条件を変更する変更手段と、前記検査条件のうち前記検査の信頼性を保証する標準の検査条件を標準検査条件として記憶する標準検査条件記憶手段と、前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれるか否かを判定する検査条件判定手段とを備えたものから構成されている。
【0008】
この構成により、変更手段にて変更された検査条件が、標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれるか否かが検査条件判定手段に判定され、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれると判定された場合には、変更手段にて変更された検査条件で点検作業が行われた場合であっても、検査の信頼性が保証された検査条件に基づいて点検作業が行われるため、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
一方、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと判定された場合には、変更手段により再び標準検査条件に含まれるように検査条件を変更し直せば、変更手段にて変更された検査条件で点検作業が行われた場合であっても、検査の信頼性が保証された検査条件に基づいて点検作業が行われるため、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
このように、点検結果に信憑性があることを証明することができるため、点検作業後に検査を行うことにより一貫して信頼性の高い検査を行うことができる。
【0009】
また、上記(1)に記載の物品検査装置は、(2)前記被検査物の検査が開始される前に、前記検査条件記憶手段に記憶された検査条件に基づいて点検する点検手段を備え、前記検査条件判定手段は、前記点検手段により点検が行われた後に、前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれるか否かを判定するものから構成されている。
【0010】
この構成により、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれると検査条件判定手段に判定された場合には、点検手段による点検結果に信憑性があることを証明することができ、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定手段に判定された場合には、点検手段による点検結果に信憑性がないことを証明することができる。
【0011】
また、上記(1)または(2)に記載の物品検査装置は、(3)前記標準検査条件が、前記検査の信頼性を保証することができる許容範囲を有し、前記検査条件判定手段は、前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件の許容範囲内である場合に、前記基本検査条件に含まれると判定し、前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件の許容範囲外である場合に、前記基本検査条件に含まれないと判定するものから構成されている。
【0012】
この構成により、標準検査条件が検査の信頼性を保証することができる許容範囲を有しているため、変更手段にて変更された検査条件と標準検査条件とが一致している場合のみならず、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件の許容範囲に含まれている場合にも、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれると検査条件判定手段に判定させることができる。
【0013】
また、上記(1)から(3)のいずれかに記載の物品検査装置は、(4)前記検査条件判定手段による判定結果を出力する出力手段を備えたものから構成されている。
【0014】
この構成により、検査条件判定手段による判定結果を出力手段により出力して、作業者に対して判定結果を知らせて、早期に検査条件を変更するなどの対応をとらせることができる。なお、本発明に係る出力手段は、ディスプレイに判定結果を表示させる構成としてもよいし、印刷装置に判定結果を印字させる構成としてもよいし、音声を出力することにより判定結果を作業者に知らせる構成としてもよい。
【0015】
また、上記(1)から(4)のいずれかに記載の物品検査装置は、(5)前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれないと前記検査条件判定手段にて判定された場合に、前記変更手段にて変更された検査条件を、前記標準の検査条件に書き換える検査条件書換手段を備えたものから構成されている。
【0016】
この構成により、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定手段に判定された場合に、検査条件書換手段により変更手段にて変更された検査条件が標準の検査条件に書き換えられる。したがって、再び点検作業を行うことにより、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
【0017】
また、上記(1)から(5)のいずれかに記載の物品検査装置は、(6)前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれないと前記検査条件判定手段にて判定された場合に、検査を停止する検査停止手段を備えたものから構成されている。
【0018】
この構成により、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定手段に判定された場合に、検査停止手段により検査が停止されるため、信頼性の低い検査が行われるのを防止することができる。
【0019】
また、上記(1)から(6)のいずれかに記載の物品検査装置は、(7)前記変更手段により前記検査条件が変更された変更日時を記憶する変更日時記憶手段を備えたものから構成されている。
【0020】
この構成により、変更日時記憶手段に記録された変更日時から、変更前の検査条件で検査された期間と変更後の検査条件で検査された期間とを特定することができる。例えば、検査終了後に被検査物に問題が生じた場合には、誤った検査条件で検査が行われた期間を特定することができる。
【0021】
また、上記(1)から(7)のいずれかに記載の物品検査装置は、(8)前記検査条件を変更するための認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、前記認証情報記憶手段に記憶された認証情報に基づいて認証する認証手段と、前記認証手段の認証結果を記憶する認証結果記憶手段とを備え、前記認証手段により認証が得られた場合にのみ、前記変更手段により前記検査条件を変更可能とするものから構成されている。
【0022】
この構成により、検査条件を変更する者が、認証手段により認証が得られた者に制限されるため、部外者による検査条件の変更を防止することができる。特に、検査条件を変更することができる者を専門知識や経験を有する作業者に制限すれば、検査条件を変更して不具合が生じた場合でも、作業者が適切な対応をとることができる。また、検査終了後に被検査物に問題が生じた場合に、認証結果記憶手段に記憶された認証結果から、検査条件を変更した作業者を特定することができ、原因追求して是正措置を取りやすくすることができる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る物品検査装置によれば、変更手段にて変更された検査条件が、標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれるか否かが検査条件判定手段に判定され、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれると判定された場合には、変更手段にて変更された検査条件で点検作業が行われた場合であっても、検査の信頼性が保証された検査条件に基づいて点検作業が行われるため、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
一方、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと判定された場合には、変更手段により再び標準検査条件に含まれるように検査条件を変更し直せば、変更手段にて変更された検査条件で点検作業が行われた場合であっても、検査の信頼性が保証された検査条件に基づいて点検作業が行われるため、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
このように、点検結果に信憑性があることを証明することができるため、点検作業後に検査を行うことにより一貫して信頼性の高い検査を行うことができる。
【0024】
請求項2に係る物品検査装置によれば、さらに、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれると検査条件判定手段に判定された場合には、点検手段による点検結果に信憑性があることを証明することができ、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定手段に判定された場合には、点検手段による点検結果に信憑性がないことを証明することができる。
【0025】
請求項3に係る物品検査装置によれば、さらに、標準検査条件が検査の信頼性を保証することができる許容範囲を有しているため、変更手段にて変更された検査条件と標準検査条件とが一致している場合のみならず、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件の許容範囲に含まれている場合にも、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれると検査条件判定手段に判定させることができる。
【0026】
請求項4に係る物品検査装置によれば、さらに、検査条件判定手段による判定結果を出力手段により出力して、作業者に対して判定結果を知らせて、早期に検査条件を変更するなどの対応をとらせることができる。
【0027】
請求項5に係る物品検査装置によれば、さらに、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定手段に判定された場合に、検査条件書換手段により変更手段にて変更された検査条件が標準の検査条件に書き換えられる。したがって、再び点検作業を行うことにより、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
【0028】
請求項6に係る物品検査装置によれば、さらに、変更手段にて変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定手段にて判定された場合に、検査停止手段により検査が停止されるため、信頼性の低い検査が行われるのを防止することができる。
【0029】
請求項7に係る物品検査装置によれば、さらに、変更日時記憶手段に記録された変更日時から、変更前の検査条件で検査された期間と変更後の検査条件で検査された期間とを特定することができる。例えば、検査終了後に被検査物に問題が生じた場合には、誤った検査条件で検査が行われた期間を特定することができる。
【0030】
請求項8に係る物品検査装置によれば、さらに、検査条件を変更する者が、認証手段により認証が得られた者に制限されるため、部外者による検査条件の変更を防止することができる。特に、検査条件を変更することができる者を専門知識や経験を積んだ作業者に制限すれば、検査条件を変更して不具合が生じた場合でも、作業者が適切な対応をとることができる。また、検査終了後に被検査物に問題が生じた場合に、認証結果記憶手段に記憶された認証結果から、検査条件を変更した作業者を特定することができ、原因追求して是正措置を取りやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下、物品検査装置を重量選別装置に適用した場合について説明する。なお、物品検査装置は、重量選別装置に限定されず所定の検査条件に基づいて被検査物を検査して良品と不良品とを選別する装置、例えば、X線を照射して取得した透過データを用いて被検査物中の異物を検出するX線異物検出装置や、磁界変化を検出して被検査物中の金属物を検出する金属検出装置にも適用可能である。
【0032】
まず構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の斜視図である。
【0033】
図1に示すように、重量選別装置1は、生産ラインの一部を構成する搬入コンベア2の下流端に隣接するように設置されており、被検査物Wを計量する計量機3と、被検査物Wを選別する選別機4とを備えている。重量選別装置1は、搬入コンベア2から順次搬入されてくる被検査物Wを計量機3で計量することにより良品と不良品とに判定し、計量機3で判定された判定結果に基づき選別機4で被検査物Wを選別するようになっている。
【0034】
良品として選別された被検査物Wは、そのまま生産ラインを流れて工場外に出荷され、不良品として選別された被検査物Wは、図示しない回収ボックスに収納されて、異物が混入しない状態で一定期間隔離される。なお、ここでいう被検査物Wとは、包装された生肉、魚、加工食品などの工場の生産ラインで搬送されるものである。
【0035】
計量機3は、制御ボックス11と、助走コンベア12と、秤量コンベア13と、搬入センサ14と、荷重センサ15とを備えている。
【0036】
制御ボックス11は、正面上方に設けられた表示部17と、表示部17の下方に設けられた操作部18とを有しており、重量選別装置1全体の駆動を統括管理している。表示部17は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスで構成され、操作画面や各種メッセージを表示する。操作部18は、重量選別装置1を制御するための各種設定を入力するために用いられる。なお、操作部18は、表示部17の一部にタッチパネルとして形成されていてもよい。
【0037】
助走コンベア12は、搬入コンベア2の下流端に隣接し、搬入コンベア2から被検査物Wを受け取るようになっている。助走コンベア12は、所謂、ベルトコンベアであり、一対のローラ21a、21bと、一対のローラ21a、21bとに掛け渡された無端ベルト22と、一対のローラ21a、21bのいずれか一方を回転駆動する図3に示す駆動モータ16とから構成され、駆動モータ16は、制御ボックス11により駆動制御されている。助走コンベア12は、搬入コンベア2から順次送られてくる被検査物Wを受け取り、搬入間隔を調整して秤量コンベア13に送り出すようになっている。
【0038】
秤量コンベア13は、助走コンベア12の下流端に隣接し、助走コンベア12から被検査物Wを受け取るようになっている。また、秤量コンベア13は、荷重センサ15の上に載置されており、助走コンベア12から送られてくる被検査物Wを荷重センサ15に計量させると共に、選別機4に送り出すようになっている。なお、秤量コンベア13も助走コンベア12と同様にベルトコンベアで構成されている。
【0039】
搬入センサ14は、投光部27と受光部28とから構成され、投光部27および受光部28は、助走コンベア12と秤量コンベア13との間に対向するようにして配置されている。受光部28は、投光部27からの光を受光するようになっており、投光部27からの光が被検査物Wにより遮光されることにより、被検査物Wの存在を検知するようになっている。搬入センサ14は、被検査物Wの存在を検知すると、荷重センサ15に搬入検知信号を出力するようになっており、搬入検知信号は、荷重センサ15の計量開始のタイミングに利用される。
【0040】
荷重センサ15は、秤量コンベア13の下方に位置し、秤量コンベア13上の被検査物Wを計量して計量信号を制御ボックス11に出力するようになっている。また、荷重センサ15は、搬入センサ14から搬入検知信号を受けてから所定時間Tの経過後に作動し、被検査物Wを計量し始める。
【0041】
なお、本発明の実施の形態における「所定時間T」とは、被検査物Wが助走コンベア12から秤量コンベア13に完全に乗り移り、荷重センサ15からの計量信号が安定するまでに必要な時間である。このように、荷重センサ15は、所定時間Tを経過した後に被検査物Wの重量を計量するため、計量信号の安定した部分から計量値を得ることができるようになっている。なお、荷重センサ15の計量方式は、被検査物Wの重量等に応じて電磁平衡式、電気抵抗式および差動トランス式のいずれの方式を採用してもよい。
【0042】
選別機4は、搬出コンベア31と、選別機構32とを備えている。
【0043】
搬出コンベア31は、秤量コンベア13の下流端に隣接し、秤量コンベア13から被検査物Wを受け取るようになっている。搬出コンベア31は、秤量コンベア13から受け取った被検査物Wを図示しない搬出トレイに送り出すようになっている。なお、搬出コンベア31は、助走コンベア12および秤量コンベア13と同様にベルトコンベアで構成されている。
【0044】
選別機構32は、制御ボックス11により制御されており、計量機3により不良品であると判定された搬出コンベア31上の被検査物Wを図示しない回収ボックスへ押し出すことにより排除するようになっている。なお、選別機構32は、押出方式に限らず、アームにより搬出コンベア31上の被検査物Wの流れる方向を変えて選別するフリッパ方式や、搬出コンベア31上の被検査物Wを下方へ落下させることにより選別するドロップアウト方式の選別機構を採用してもよい。また、機械的に選別する方式に限定されず、被検査物Wが軽いものであれば、圧縮エアにより被検査物Wを吹き飛ばすエアジェット方式を採用してもよい。
【0045】
図2を参照して、計量信号について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の荷重センサ15の計量信号の一例を示す図である。
【0046】
図2に示すように、計量信号は、縦軸を重量[g]、横軸を時間[s]にすると、破線部を除く山型波形の頂部36を形成する。荷重センサ15は、被検査物Wが搬入センサ14に検知されてから信号の立ち上がりまでの時間とオーバーシュートが安定状態に戻るまでの時間との合計時間を示す所定時間Tの経過後から計量を開始し、信号が立ち下がる直前まで計量信号を出力し続ける。
【0047】
このように、搬入センサ14に検知されてから所定時間Tを経過した後に荷重センサ15が作動し、被検査物Wの重量の計量を開始するため、荷重センサ15は、計量信号の立ち上り、オーバーシュートおよび計量信号の立ち下がりを除いて安定した計量値を得ることができる構成となっている。
【0048】
図3を参照して、重量選別装置1の制御構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の制御ブロック図である。
【0049】
図3に示すように、制御ボックス11は、計量値算出部41と、重量判定部42と、モード切換部43と、点検部44と、検査条件変更部45と、検査条件判定部46と、出力部47と、検査条件書換部48と、認証部49と、ログ情報生成部50とを有している。なお、制御ボックス11の各部は、制御ボックス11に組み込まれたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)内の制御プログラムに従って各種データを演算し、重量選別装置1の各部と協働して処理を実行することにより実現されるものである。
【0050】
また、制御ボックス11は、検査条件記憶部51と、標準検査条件記憶部52と、変更日時記憶部54と、認証結果記憶部55と、認証情報記憶部56とを有している。なお、各記憶部は、制御ボックス11に組み込まれたRAM(Random Access Memory)の一部により構成されている。
【0051】
検査条件記憶部51には、重量選別装置1により検査を実施するための検査条件が記憶されており、この検査条件記憶部51に記憶された検査条件に基づいて駆動モータ16および荷重センサ15が制御されるようになっている。
【0052】
検査条件記憶部51に記憶される検査条件としては、搬送速度、検査能力、秤量コンベア13のコンベア長、重量判定の判定基準となる重量範囲を示す上限値および下限値などがあり、各検査条件を変更することにより検査効率の向上または検査精度の向上を図ることができるようになっている。
【0053】
標準検査条件記憶部52には、検査条件のうち検査の信頼性を保証する標準の検査条件である標準検査条件が記憶されている。標準検査条件は、許容範囲を有しており、この許容範囲内であれば、検査条件記憶部51に記憶された検査条件が変更されたとしても、一貫して信頼性の高い検査が行われるようになっている。なお、検査条件記憶部51には、初期の検査条件として標準検査条件の許容範囲内の検査条件が記憶されている。
【0054】
変更日時記憶部54には、検査条件記憶部51の検査条件が変更された変更日時が記憶されている。認証結果記憶部55には、認証部49に認証された認証結果が記憶されている。認証情報記憶部56には、検査条件の変更資格を有する作業者を認証するための認証情報が記憶されている。
【0055】
計量値算出部41は、荷重センサ15から出力された計量信号に基づいて、計量値を算出するものであり、図2に示した山型波形の頂部36の平均から計量値を算出する。このように、山型波形の頂部36の平均から計量値を算出するため、信号の立ち上がり、オーバーシュートおよび信号の立ち下がり部分を除いて、被検査物Wの正確な重量を計量することができるようになっている。
【0056】
重量判定部42は、計量値算出部41により計量値が算出されると、検査条件記憶部51から重量判定の判定基準の重量範囲を示す上限値および下限値を読み出し、計量値と比較することにより判定するようになっている。重量判定部42は、計量値算出部41により算出された計量値が下限値よりも小さい、または上限値よりも大きいと判定した場合には、被検査物Wは不良品であるとして、選別機構32に対して駆動信号を出力する。選別機構32は、重量判定部42から駆動信号を受けると、搬出コンベア31上の被検査物Wを押し出すようにして駆動し、回収ボックスに押し込む。一方、重量判定部42は、計量値算出部41により算出された計量値が下限値以上かつ上限値以下であると判定した場合には、被検査物Wは良品であるとして、選別機構32に対して駆動信号の出力を行わない。
【0057】
モード切換部43は、重量選別装置1の動作モードを、重量選別装置1の点検を行う点検モードと点検後に被検査物Wの検査を行う検査モードとの間で切り換えるようになっている。重量選別装置1においては、通常、検査開始前または検査終了後に、作業者により動作モードが点検モードに切り換えられ、検査条件記憶部51に記憶された検査条件に基づいて点検が行われ、日常の検査に必要とされる性能が維持されているか否かが点検されるようになっている。
【0058】
点検部44は、点検モードにおいて、既知の重量を有するテストワークを搬送させて重量選別装置1の性能を確認するようになっている。具体的には、点検部44が点検手順を示したメッセージを表示部17に表示し、メッセージに従って作業者に重量選別装置1を操作させることにより、検査条件記憶部51に記憶された検査条件に基づいてテストワークが正確に選別されるかが確認される。点検部44は、点検作業後に点検結果を表示部17に表示し、作業者に荷重センサ15の感度調整などを促すようになっている。また、点検部44は、点検作業後に検査条件判定部46に点検終了信号を出力するようになっている。
【0059】
検査条件変更部45は、操作部18により検査条件記憶部51に記憶された検査条件を書き換えるものであり、作業者は、検査条件変更部45により検査条件を書き換えることにより検査効率重視の設定や検査精度重視の設定に変更することができるようになっている。また、検査条件変更部45に検査条件記憶部51に記憶された検査条件が書き換えられると、検査条件が書き換えられた日時が変更日時として変更日時記憶部54に記憶される。また、検査条件変更部45は、変更資格を有する作業者以外の者が検査条件を変更することができないようにロックされている。
【0060】
検査条件判定部46は、点検部44の点検結果の信憑性を証明するものであり、点検部44から点検終了信号が出力されたことを条件にして、標準検査条件記憶部52から標準検査条件を読み出し、検査条件記憶部51から検査条件を読み出し、両条件を比較して検査条件が標準検査条件に含まれるか否かを判定する。この場合、検査条件記憶部51に記憶された検査条件が、検査条件変更部45により基準検査条件の許容範囲内に変更された場合には、検査条件判定部46に変更後の検査条件が標準検査条件に含まれると判定され、検査条件変更部45により基準検査条件の許容範囲外に変更された場合には、検査条件判定部46に変更後の検査条件が標準検査条件に含まれないと判定される。
【0061】
変更後検査条件が標準検査条件に含まれると検査条件判定部46に判定された場合には、標準検査条件の許容範囲内の検査条件に基づいて、点検作業が行われていたため、点検結果に信憑性があることを証明することができるようになっている。一方、変更後検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定部46に判定された場合には、標準検査条件の許容範囲外の検査条件に基づいて点検作業が行われていたため、点検結果に信憑性があることを証明することができないようになっている。
【0062】
出力部47は、検査条件判定部46の判定結果を表示部17に表示させるものであり、作業者に対して検査条件判定部46の判定結果を知らせて、点検作業の点検結果の信憑性を確認させるようになっている。なお、本実施の形態に係る出力部47は、表示部17に表示させる構成に限らず、プリンタに印刷することにより判定結果を出力してもよいし、スピーカの音声により判定結果を出力してもよいし、LEDランプなどの発光により判定結果を出力してもよい。
【0063】
検査条件書換部48は、検査条件記憶部51に記憶された検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定部46に判定された場合に、検査条件記憶部51に記憶された検査条件を、標準検査条件の許容範囲内の検査条件に書き換えるようになっている。検査条件書換部48により検査条件が書き換えられると、点検作業を促すメッセージが表示部17に表示される。このように、検査条件書換部48により検査条件記憶部51に記憶された検査条件が標準検査条件の許容範囲内の検査条件に書き換えられるため、点検作業の点検結果の信憑性を得ることができなかった場合に、再び点検作業を行うことにより点検結果に信憑性があることを証明することができるようになっている。なお、検査条件書換部48は、検査条件判定部46の判定結果に応じて自動的に書き換える構成としてもよいし、書き換えるか否かを作業者に選択させる構成としてもよい。
【0064】
認証部49は、操作部18から入力されたログイン名およびパスワードと、認証情報記憶部56に記録されている認証情報とを比較して、検査条件記憶部51に記憶された検査条件を検査条件変更部45により変更することができる作業者を認証する。認証情報とは、変更資格を有する作業者毎に対応付けたログイン名とパスワードであり、認証部49は、変更資格を有する作業者が操作部18を介して入力したログイン名およびパスワードが、認証情報として記録されたログイン名およびパスワードに一致するか否かを判定する。
【0065】
認証部49は、入力されたログイン名およびパスワードが認証情報に一致すると判定した場合、検査条件の変更理由の入力を要求する。認証部49は、変更資格を有する作業者により検査条件の変更理由が入力されると認証成功として検査条件変更部45のロックを解除して、検査条件変更部45により検査条件記憶部51に記憶された検査条件を変更可能な状態にする。なお、変更理由は、検査効率を重視する効率重視と検査精度を重視する精度重視とのいずれかを選択して入力できるようになっている。
【0066】
一方、認証部49は、入力されたログイン名およびパスワードの少なくとも1つが認証情報に一致しないと判定した場合、認証失敗として表示部17に再入力を促すメッセージを表示させる。認証が終了すると、認証部49は、ログイン名、パスワード、判定結果、変更理由を認証結果として認証結果記憶部55に記憶させる。
【0067】
このように、検査条件を変更する者が、認証部49により認証が得られた者に制限されるため、部外者による検査条件の変更を防止することができる。特に、検査条件を変更することができる者を専門知識や経験を有する作業者に制限すれば、検査条件を変更して不具合が生じた場合でも、作業者が適切な対応をとることができる。また、本実施の形態における認証部49は、認証情報を記録したカードキーにより認証してもよいし、指紋認証や網膜認証などの生体認証により認証してもよい。
【0068】
ログ情報生成部50は、検査条件変更部45により検査条件記憶部51の検査条件が変更されたことを条件として、検査条件記憶部51から変更後の検査条件を読み出し、変更日時記憶部54から変更日時を読み出し、認証結果記憶部55からログイン名および変更理由とを読み出して、これらを関連付けてログ情報を生成する。生成されたログ情報は、作業者の操作によって表示部17に表示され、工場外に製品を出荷した後に問題が生じた場合でも記録されたログ情報から、問題の原因を特定することができるようになっている。
【0069】
以下、図4を参照して、ログ情報について説明する。図4(a)は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1のログ情報の一例を示す図であり、図4(b)は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の標準検査条件の一例を示す図である。
【0070】
図4(a)に示すように、ログ情報は、変更日時と、検査条件と、変更者を示すログイン名と、変更理由とが関連付けられており、検査終了後に被検査物Wに問題が生じた場合に、誤った検査条件で検査が行われた期間や検査条件を変更した者を特定することができるようになっている。例えば、2007年の10月18日の不良率が通常より高いことが判明した場合には、2007年の10月18日のログ情報を参照することによって、不良率が高い原因を特定することができる。
【0071】
2007年の10月18日は、作業者Cによって16:00に、コンベア長が27mm、搬送速度が75m/min、検査能力が202個/min、重量範囲の上限値が+2g、重量範囲の下限値が−2gに変更されており、図4(b)に示す標準検査条件と比較すると、コンベア長が極端に短く設定されていたことを確認することができる。すなわち、2007年の10月18日の16:00から2007年の10月19日の11:00まで、作業者Cの誤入力によってコンベア長が極端に短く設定され、2007年の10月18日の16:00から検査が終了する日時まで、所謂、2個乗りが発生した状態で検査されている可能性があることを特定することができる。
【0072】
また、例えば、2007年の10月19日の不良率が通常より低いことが判明した場合には、作業者Dの誤入力によって重量範囲の上限値が+20gに変更され、11:00から検査が終了する日時まで、不良品を良品として検査している可能性があることを特定することができる。
【0073】
図5を参照して、重量選別装置1の検査条件変更処理の流れについて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の検査条件変更処理を示すフロー図である。
【0074】
重量選別装置1の変更資格を有する作業者によりログイン名およびパスワードが入力されると(ステップS01:Yes)、入力されたログイン名およびパスワードと認証情報記憶部56に記憶されているログイン名およびパスワードが一致するか否かが認証部49により判定される(ステップS02)。認証部49により、ログイン名およびパスワードの少なくとも1つが一致しないと判定されると(ステップS02:No)、認証失敗として表示部17にログイン名およびパスワードの再入力を促すメッセージを表示させる(ステップS03)。一方、認証部49により、ログイン名およびパスワードの両方が一致すると判定されると(ステップS02:Yes)、認証成功として変更理由の入力が要求される(ステップS04)。
【0075】
変更理由が入力されると、検査条件変更部45のロックが解除され(ステップS05)、検査条件記憶部51に記憶された検査条件が書き換え可能な状態になる。検査条件変更部45により検査条件記憶部51に記憶された検査条件が書き換えられると(ステップS06:Yes)、書き換えられた日時が変更日時として変更日時記憶部54に記憶されるとともに、ログ情報が生成される(ステップS07)。
【0076】
そして、検査条件記憶部51の変更条件が書き換えられると、書き換えられた検査条件に基づいて、重量選別装置1により検査が行われる。検査が終了すると、次回の検査を開始する前に点検作業が行われるが、この点検作業の点検結果に信憑性があることを証明するために重量選別装置1により検査条件判定処理が行われる。
【0077】
以下、図6を参照して重量選別装置1の検査条件判定処理の流れを説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の検査条件判定処理を示すフロー図である。
【0078】
モード切換部43により動作モードが点検モードに切り換えられると(ステップS11:Yes)、表示部17に表示されたメッセージに従って、作業者によりテスト用の被検査物であるテストワークが搬入コンベア2に載置され、点検作業が実施される(ステップS12)。点検作業が終了すると、点検結果が表示部17に表示され(ステップS13)、点検終了信号が検査条件判定部46に出力される(ステップS14)。点検終了信号が検査条件判定部46に出力されると、標準検査条件記憶部52から標準検査条件が読み出され、検査条件記憶部51から検査条件変更部45に変更された検査条件が読み出され、変更後の検査条件が標準検査条件に含まれるか否かが判定される(ステップS15)。
【0079】
検査条件判定部46に変更後の検査条件が標準検査条件に含まれないと判定された場合には(ステップS15:No)、点検作業の点検結果に信憑性がない旨が出力部47により表示部17に表示され(ステップS16)、検査条件記憶部51に記憶された検査条件が検査条件書換部48により標準検査条件の許容範囲内の検査条件に書き換えられる(ステップS17)。検査条件書換部48により検査条件が書き換えられると、点検作業を再び促す旨のメッセージが表示される(ステップS18)。
【0080】
一方、検査条件判定部46に変更後の検査条件が標準検査条件に含まれると判定された場合には(ステップS15:Yes)、点検作業の点検結果に信憑性がある旨が出力部47により表示部17に表示される(ステップS19)。そして、点検作業の終了後に検査が開始されることにより、一貫して信頼性の高い検査が行われる。
【0081】
以上のように、本実施の形態では、検査条件記憶部51に記憶された検査条件を変更する検査条件変更部45と、検査条件のうち検査の信頼性を保証する標準の検査条件を標準検査条件として記憶する標準検査条件記憶部52と、検査条件変更部45に変更された検査条件が、標準検査条件記憶部52に記憶された標準検査条件に含まれるか否かを判定する検査条件判定部46とを備えている。
【0082】
したがって、検査条件変更部45に変更された検査条件が、標準検査条件記憶部52に記憶された標準検査条件に含まれるか否かが検査条件判定部46に判定され、検査条件変更部45に変更された検査条件が標準検査条件に含まれると判定された場合には、検査条件変更部45に変更された検査条件で点検作業が行われた場合であっても、検査の信頼性が保証された検査条件に基づいて点検作業が行われるため、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
一方、検査条件変更部45に変更された検査条件が標準検査条件に含まれないと判定された場合には、検査条件記憶部51に記憶されている検査条件が、検査条件書換部48により標準の検査条件に書き換えられるため、再び点検作業を行うことにより、点検結果に信憑性があることを証明することができる。
【0083】
このように、点検結果に信憑性があることを証明することができるため、点検作業後に検査を行うことにより一貫して信頼性の高い検査を行うことができる。
【0084】
なお、本実施の形態では点検部44による点検終了信号の出力を条件として、検査条件判定部46により変更後検査条件が標準検査条件に含まれるか否かが判定される構成としたが、検査条件変更部45により検査条件が変更されたことを条件として、検査条件判定部46により変更後検査条件が標準検査条件に含まれるか否かが判定される構成としてもよい。
【0085】
なお、上記の重量選別装置1に、検査条件判定部46により変更後の検査条件が標準検査条件に含まれないと判定された場合に、重量選別装置1による検査を停止させる検査停止部をさらに備える構成としてもよい。この構成により、変更後の検査条件が標準検査条件に含まれないと検査条件判定部46により判定された場合に、検査停止部により検査が停止されるため、信頼性の低い検査が行われるのを防止することができる。
【0086】
なお、標準検査条件が許容範囲を有する構成としたが、標準検査条件が許容範囲を有さず、検査条件判定部46が変更後の検査条件と標準検査条件とが一致した場合のみ、変更後検査条件が標準検査条件に含まれる構成としてもよい。
【0087】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の荷重センサの計量信号の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の制御ブロック図である。
【図4】(a)は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置のログ情報の一例を示す図、(b)は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置の標準検査条件の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の検査条件変更処理を示すフロー図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の検査条件判定処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0089】
1 重量選別装置(物品検査装置)
2 搬入コンベア
3 計量機
4 選別機(選別手段)
11 制御ボックス
12 助走コンベア
13 秤量コンベア
14 搬入センサ
15 荷重センサ
16 駆動モータ
17 表示部
18 操作部
21a、21b ローラ
22 無端ベルト
27 投光部
28 受光部
31 搬出コンベア
32 選別機構
36 頂部
41 計量値算出部
42 重量判定部
43 モード切換部
44 点検部(点検手段)
45 検査条件変更部(変更手段)
46 検査条件判定部(検査条件判定手段)
47 出力部(出力手段)
48 検査条件書換部(検査条件書換手段)
49 認証部(認証手段)
50 ログ情報生成部
51 検査条件記憶部(検査条件記憶手段)
52 標準検査条件記憶部(標準検査条件記憶手段)
54 変更日時記憶部(変更日時記憶手段)
55 認証結果記憶部(認証結果記憶手段)
56 認証情報記憶部(認証情報記憶手段)
W 被検査物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物(W)を搬送する搬送手段と、
前記被検査物の検査条件を記憶する検査条件記憶手段(51)と、
前記搬送手段に搬送された前記被検査物を、前記検査条件記憶手段に記憶された検査条件に基づいて検査する検査手段と、
前記検査手段の検査結果に基づいて前記被検査物を良品と不良品とに選別する選別手段(4)とを有する物品検査装置において、
前記検査条件記憶手段に記憶された検査条件を変更する変更手段(45)と、
前記検査条件のうち前記検査の信頼性を保証する標準の検査条件を標準検査条件として記憶する標準検査条件記憶手段(52)と、
前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれるか否かを判定する検査条件判定手段(46)とを備えたことを特徴とする物品検査装置。
【請求項2】
前記被検査物の検査が開始される前に、前記検査条件記憶手段に記憶された検査条件に基づいて点検する点検手段(44)を備え、
前記検査条件判定手段は、前記点検手段により点検が行われた後に、前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項3】
前記標準検査条件が、前記検査の信頼性を保証することができる許容範囲を有し、
前記検査条件判定手段は、前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件の許容範囲内である場合に、前記基本検査条件に含まれると判定し、前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件の許容範囲外である場合に、前記基本検査条件に含まれないと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の物品検査装置。
【請求項4】
前記検査条件判定手段による判定結果を出力する出力手段(47)を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1の請求項に記載の物品検査装置。
【請求項5】
前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれないと前記検査条件判定手段にて判定された場合に、前記変更手段にて変更された検査条件を、前記標準の検査条件に書き換える検査条件書換手段(48)を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の請求項に記載の物品検査装置。
【請求項6】
前記変更手段にて変更された検査条件が、前記標準検査条件記憶手段に記憶された標準検査条件に含まれないと前記検査条件判定手段にて判定された場合に、検査を停止する検査停止手段を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1の請求項に記載の物品検査装置。
【請求項7】
前記変更手段により前記検査条件が変更された変更日時を記憶する変更日時記憶手段(54)を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1の請求項に記載の物品検査装置。
【請求項8】
前記検査条件を変更するための認証情報を記憶する認証情報記憶手段(56)と、
前記認証情報記憶手段に記憶された認証情報に基づいて認証する認証手段(49)と、
前記認証手段の認証結果を記憶する認証結果記憶手段(55)とを備え、
前記認証手段により認証が得られた場合にのみ、前記変更手段により前記検査条件を変更可能とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1の請求項に記載の物品検査装置。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−183799(P2009−183799A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22932(P2008−22932)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】