説明

物品移載装置

【課題】製造コストを抑えながら一対の物品保持体を同期させた状態で出退移動させることができる物品移載装置を提供する。
【解決手段】第1物品保持体15aの出退移動方向での位置を検出する出退位置検出手段33の検出情報に基づいて一対の物品保持体15を基準位置又は突出位置に出退移動させるべく一対の駆動手段25の作動を制御する通常出退処理、及び、検出位置に対応して設定した位置に第1物品保持体15aを移動させるべく第1駆動手段25aの作動を制御し且つ設定位置検出手段37の検出情報に基づいて第2物品保持体15bを検出位置に移動させるべく第2駆動手段25bの作動を制御する位置修正処理を実行する制御手段35cとが設けられている物品移載装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の物品保持体を基準位置と移載対象箇所側に突出させた突出位置とに出退移動させて物品を移載する物品移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品移載装置は、例えば、一対の物品保持体を互いに遠近移動自在に設けて一対の物品保持体を近接させて物品を把持する、又は、一対の物品保持体の夫々に出退自在な爪を設けて爪を突出させて物品に引っ掛ける等により、出退移動方向の位置が揃った状態の一対の物品保持体にて物品を保持した状態でその一対の物品保持体を基準位置と突出位置とに出退移動させることで、自己と移載対象箇所との間で物品を移載するものである。
【0003】
そして、このような物品移載装置は、一対の物品保持体を機械的に連動連結する連動機構と、連動機構を作動させて一対の物品保持体を出退移動させる単一の駆動手段と、この駆動手段の作動を制御する制御手段とを設けて、制御手段にて単一の駆動手段の作動を制御することで、連動機構にて機械的に連動連結した一対の物品保持体を出退移動方向の位置が揃った状態で同期して出退移動するように構成している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ちなみに、このような物品移載装置の場合、一般的に、一対の物品保持体の出退移動方向での位置を検出する位置検出手段が設けられており、制御手段は、位置検出手段の検出情報に基づいて一対の物品保持体を基準位置又は突出位置に出退移動させるべく単一の駆動手段の作動を制御するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−272107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の物品移載装置では、一対の物品保持体を連動連結する連動機構を設ける必要があるため、一対の物品保持体を同期させるべく連動機構を組み付けるのに手間が掛かるとともに、この連係機構を設けることにより物品移載装置の製造コストが高くなっていた。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、製造コストを抑えながら一対の物品保持体を出退移動方向の位置が揃った状態で同期して出退移動させることができる物品移載装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる物品移載装置は、一対の物品保持体を基準位置と移載対象箇所側に突出させた突出位置とに出退移動させて物品を移載するように構成されたものであって、
その第1特徴構成は、前記一対の物品保持体における第1物品保持体を出退移動させる第1駆動手段、及び、前記一対の物品保持体における第2物品保持体を出退移動させる第2駆動手段の一対の駆動手段と、前記第1物品保持体の出退移動方向での位置を検出する出退位置検出手段と、前記第2物品保持体が予め設定された検出位置に位置するか否かを検出する設定位置検出手段と、前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の物品保持体を前記基準位置又は前記突出位置に出退移動させるべく前記一対の駆動手段の作動を制御する通常出退処理、及び、前記検出位置に対応して設定した位置に前記第1物品保持体を移動させるべく前記第1駆動手段の作動を制御し且つ前記設定位置検出手段の検出情報に基づいて前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させるべく前記第2駆動手段の作動を制御する位置修正処理を実行する制御手段とが設けられている点にある。
【0009】
すなわち、第1駆動手段にて第1物品保持体を出退移動させ、第2駆動手段にて第2物品保持体を出退移動させるように、一対の駆動手段にて一対の物品保持体を各別に出退移動させるように構成されている。そして、一対の物品保持体のうち第1物品保持体についてのみ出退位置検出手段にて出退移動方向での位置を検出することができ、通常出退処理では、出退位置検出手段の検出情報に基づいて一対の駆動手段の両方の作動を制御することで、一対の物品保持体を基準位置と突出位置とに同期させた状態で出退移動させることができるように構成されている。
【0010】
つまり、第1物品保持体と第2物品保持体とが出退移動方向で同じ位置に揃っている状態で、制御手段にて、出退位置検出手段の検出情報に基づいて第1物品保持体を出退移動させるべく第1駆動手段の作動を制御し、第1物品保持体と同じように第2物品保持体を出退移動させるべく第2駆動手段の作動を制御することにより、一対の物品保持体を出退移動方向で同じ位置に揃った状態で同期して出退移動させることができる。
尚、第1駆動手段と第2駆動手段とが同様に構成されている場合は、制御手段は、第1駆動手段と第2駆動手段を同様に制御することで、一対の物品保持体を同期させた状態で出退移動させることができる。
【0011】
また、第2物品保持体は、第1物品保持体と機械的に連動連結されておらず、しかも、第2物品保持体の出退移動方向での位置を検出する出退位置検出手段が設けられていないため、第1出退位置検出手段の検出情報に基づいて第1物品保持体と同じように第2物品保持体を出退移動させていたとしても、第2物品保持体が第1物品保持体に対して出退移動方向にずれてしまう可能性がある。そこで、位置修正処理を実行することで、第2物品保持体の第1物品保持体に対する出退移動方向のずれを修正できるようにしている。尚、第2物品保持体の出退移動方向での位置を検出する検出手段を設けて、この検出手段の検出情報に基づいて第2物品保持体の作動を制御することが考えられるが、製造コストが高くなってしまう。
【0012】
つまり、第2物品保持体が予め設定された検出位置に位置するか否かを検出する設定位置検出手段が設けられているため、制御手段は、設定位置検出手段の検出情報に基づいて第2物品保持体を出退移動させるべく第2駆動手段の作動を制御することで、第2物品保持体を検出位置に移動させることができる。また、第1物品保持体の出退移動方向での位置を検出する出退位置検出手段が設けられているため、制御手段は、出退位置検出手段の検出情報に基づいて第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に移動させることができる。
【0013】
よって、位置修正処理を実行して、出退位置検出手段の検出情報等に基づいて第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に移動させ、且つ、設定位置検出手段の検出情報に基づいて第2物品保持体を検出位置に移動させることで、第1物品保持体と第2物品保持体とを出退移動方向に揃えることができて、第2物品保持体の第1物品保持体に対する出退移動方向のずれを修正することができる。
【0014】
従って、製造コストを抑えながら一対の物品保持体を出退移動方向に位置が揃った状態で同期して出退移動させることができる物品移載装置を提供することができるに至った。
【0015】
本発明にかかる物品移載装置の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記設定位置検出手段が、前記第2物品保持体が前記検出位置としての前記基準位置に位置するか否かを検出するように設けられている点にある。
【0016】
すなわち、位置修正処理を実行して、出退位置検出手段の検出情報等に基づいて第1物品保持体を基準位置に移動させ、且つ、設定位置検出手段の検出情報に基づいて第2物品保持体を検出位置に移動させることで、第2物品保持体の第1物品保持体に対する出退移動方向のずれを修正することができる。
【0017】
よって、第1物品保持体の検出位置に対応する位置は通常出退処理により引退移動させたときの基準位置として設定されているため、位置修正処理を実行した後に通常出退処理を実行するときに、第1物品保持体や第2物品保持体を基準位置に移動させる必要がなく、通常出退処理を迅速に実行することができる。
【0018】
本発明にかかる物品移載装置の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記設定位置検出手段が、前記第2物品保持体が前記検出位置より前記出退移動方向の一方側に存在していることを検出する一方側検出体と、前記第2物品保持体が前記検出位置より前記出退移動方向の他方側に存在していることを検出する他方側検出体とを備えて構成され、前記制御手段が、前記位置修正処理において、前記一方側検出体にて前記第2物品保持体の存在が検出されている状態では、前記一方側検出体にて前記第2物品保持体が検出されなくなるまで前記第2物品保持体を前記出退移動方向の他方側に移動させ、前記他方側検出体にて前記第2物品保持体の存在が検出されている状態では、前記他方側検出体にて前記第2物品保持体が検出されなくなるまで前記第2物品保持体を前記出退移動方向の一方側に移動させるべく、前記第2駆動手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0019】
すなわち、第2物品保持体が検出位置に位置している場合では、一方側検出体及び他方側検出体のいずれでも第2物品保持体の存在が検出されない。そして、第2物品保持体が検出位置より出退移動方向の一方側に位置している場合では、一方側検出体にて第2物品保持体の存在が検出され、第2物品保持体が検出位置より出退移動方向の他方側に位置している場合では、他方側検出体にて第2物品保持体の存在が検出される。
【0020】
よって、一方側検出体にて第2物品保持体の存在が検出されている状態では、一方側検出体にて第2物品保持体が検出されなくなるまで第2物品保持体を出退移動方向の他方側に移動させることで、第2物品保持体を検出位置に移動させることができ、また、他方側検出体にて第2物品保持体の存在が検出されている状態では、前記他方側検出体にて前記第2物品保持体が検出されなくなるまで第2物品保持体を前記出退移動方向の一方側に移動させることで、第2物品保持体を検出位置に移動させることができる。
【0021】
従って、第2物品保持体が第1物品保持体に対して出退移動方向にずれている場合は、第2物品保持体を出退移動方向に往復移動させて検出位置に移動させるのではなく、第2物品保持体を出退移動方向の一方側又は他方側の一方側に移動させるだけで検出位置に移動させることができるので、第2物品保持体を検出位置に素早く移動させることができる。
【0022】
本発明にかかる物品移載装置の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記第1駆動手段として、第1電動モータが設けられ、前記第2駆動手段として、前記第1電動モータと同一の第2電動モータが設けられ、前記一対の電動モータに対して駆動用の電力を供給する単一の駆動制御用のインバータが設けられ、前記インバータから前記一対の電動モータに電力を供給する経路途中に、前記一対の電動モータの両方に電力を供給する両方供給状態と前記第2電動モータにのみ電力を供給する片方供給状態とに切り換え自在な電力切換手段が設けられ、前記制御手段が、前記通常出退処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記一対の物品保持体を前記基準位置に引退移動させるべく又は前記突出位置に突出移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の電動モータの作動を制御し、前記位置修正処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の電動モータの作動を制御した後、前記電力切換手段を前記片方供給状態に切り換えるべく前記電力切換手段に対して切換指令を指令して、前記電力切換手段が前記片方切換状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させるべく前記設定位置検出手段の検出情報に基づいて前記第2電動モータの作動を制御するように構成されている点にある。
【0023】
すなわち、通常出退処理では、制御手段が、電力切換手段が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータに対して駆動指令を指令することで、インバータからの電力が第1電動モータと第2電動モータとの両方に供給されて第1電動モータと第2電動モータとの夫々が作動するため、一対の物品保持体を基準位置又は突出位置に出退移動させることができる。
【0024】
また、位置修正処理では、制御手段が、電力切換手段が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータに対して駆動指令を指令することで、インバータからの電力が第1電動モータと第2電動モータとの両方に供給されて第1電動モータと第2電動モータとの夫々が作動するため、第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に出退移動させることができる。その後、制御手段が、電力切換手段を片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段に対して切換指令を指令するとともにインバータに対して駆動指令を指令することで、インバータからの電力が第2電動モータのみに供給されて第2電動モータのみが作動するため、第1物品保持体は検出位置に対応して設定した位置に停止させながら、第2物品保持体を検出位置に出退移動させることができる。
【0025】
そして、一対の電動モータに対して単一のインバータを設けるだけでよいので、一対の電動モータの夫々に対してインバータを設ける場合に比べてインバータの数を削減することができ、製造コストの削減を図ることができる。
【0026】
本発明にかかる物品移載装置の第5特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記制御手段が、前記通常出退処理では、前記基準位置又は前記突出位置に向けて前記一対の物品保持体を移動させて、前記第1物品保持体が前記基準位置又は前記突出位置まで移動した場合に、前記一対の物品保持体を停止させ、前記位置修正処理では、前記検出位置に対応して設定した位置に向けて前記第1物品保持体を移動させ且つ前記検出位置に向けて前記第2物品保持体を移動させて、前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動するよりも先に前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動した場合は、前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に停止させた状態で前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させ、かつ、前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動するよりも先に前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動した場合は、前記第2物品保持体を前記検出位置に停止させた状態で前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に移動させるべく前記一対の駆動手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0027】
すなわち、通常出退処理では、制御手段は、基準位置又は突出位置に向けて一対の物品保持体を移動させて、第1物品保持体が基準位置又は突出位置まで移動した場合に、一対の物品保持体を停止させるため、一対の物品保持体を出退移動方向で同じ位置に揃った状態で同期して出退移動させて、基準位置又は突出位置まで移動したことが出退位置検出手段にて検出されるに伴って一対の物品保持体を停止させることで、一対の物品保持体を基準位置又は突出位置に出退移動させることができる。
【0028】
位置修正処理では、制御手段は、まず、第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に向けて移動させ且つ第2物品保持体を検出位置に向けて移動させるように、一対の物品保持体を同期して出退移動させる。
そして、第1物品保持体と第2物品保持体とが出退移動方向にずれており、第1物品保持体が第2物品保持体より先行している場合は、第2物品保持体が検出位置に移動するよりも先に第1物品保持体が検出位置に対応して設定した位置に移動する。このような場合は、第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に先に停止させ、第2物品保持体のみを継続して検出位置に向けて移動させて、第2物品保持体を検出位置に移動させるようになっている。
また、第1物品保持体と第2物品保持体とが出退移動方向にずれており、第2物品保持体が第1物品保持体より先行している場合は、第1物品保持体が検出位置に対応して設定した位置に移動するよりも先に第2物品保持体が検出位置に移動する。このような場合は、第2物品保持体を検出位置に先に停止させ、第1物品保持体のみを継続して検出位置に対応して設定した位置に向けて移動させて、第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に移動させるようになっている。
【0029】
このように、第1物品保持体と第2物品保持体とが出退移動方向にずれている場合でも、第1物品保持体を検出位置に対応した位置に停止させ且つ第2物品保持体を検出位置に停止させることができるので、第1物品保持体と第2物品保持体との出退移動方向のずれを修正することができる。
また、第4特徴構成のように、一対の物品保持体を出退移動させて第1物品保持体を先に検出位置に対応して設定した位置に移動させ、その後、第2物品保持体のみを出退移動させて検出位置に移動させる場合は、第2物品保持体が第1物品保持体より先行している場合では、第2物品保持体は検出位置を一旦越えた後、第2物品保持体を検出位置に戻すように往復移動することになるため、位置修正処理に時間が掛かるが、本第5特徴構成によれば、第2物品保持体を往復移動させることなく位置修正することができるため、位置修正処理を短時間で行うことができる。
【0030】
本発明にかかる物品移載装置の第6特徴構成は、第5特徴構成において、前記第1駆動手段として、第1電動モータが設けられ、前記第2駆動手段として、前記第1電動モータと同一の第2電動モータが設けられ、前記一対の電動モータに対して駆動用の電力を供給する単一の駆動制御用のインバータが設けられ、前記インバータから前記一対の電動モータに電力を供給する経路途中に、前記一対の電動モータの両方に電力を供給する両方供給状態と前記第1電動モータにのみ電力を供給する第1片方供給状態と前記第2電動モータにのみ電力を供給する第2片方供給状態とに切り換え自在な電力切換手段が設けられ、前記制御手段が、前記通常出退処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記一対の物品保持体を前記基準位置又は前記突出位置に出退移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の電動モータの作動を制御し、前記位置修正処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記検出位置に対応して設定した位置に向けて前記第1物品保持体を移動させ且つ前記検出位置に向けて前記第2物品保持体を移動させるべく前記一対の電動モータの作動を制御した後、前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動するよりも先に前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動した場合は、前記電力切換手段を前記第2片方供給状態に切り換えるべく前記電力切換手段に対して切換指令を指令して、前記電力切換手段が前記第2片方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させるべく前記設定位置検出手段の検出情報に基づいて前記第2電動モータの作動を制御し、前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動するよりも先に前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動した場合は、前記電力切換手段を前記第1片方供給状態に切り換えるべく前記電力切換手段に対して切換指令を指令して、前記電力切換手段が前記第1片方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記第1電動モータの作動を制御するように構成されている点にある。
【0031】
すなわち、通常出退処理では、制御手段が、電力切換手段を両方供給状態に切り換えるべく電力切換手段に対して切換指令を指令するとともにインバータに対して駆動指令を指令することで、インバータからの電力が第1電動モータと第2電動モータとの両方に供給されて第1電動モータと第2電動モータとの夫々が作動するため、一対の物品保持体を基準位置又は突出位置に出退移動させることができる。
【0032】
位置修正処理では、制御手段が、電力切換手段が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータに対して駆動指令を指令することで、インバータからの電力が第1電動モータと第2電動モータとの両方に供給されて第1電動モータと第2電動モータとの夫々が作動するため、一対の物品保持体を検出位置又はそれに対応して設定した位置に向けて移動させることができる。
そして、第1物品保持体が第2物品保持体より先行する場合は、第1物品保持体が検出位置に対応して設定した位置に移動した後、電力切換手段を第2片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段に対して切換指令を指令するとともにインバータに対して駆動指令を指令することで、インバータからの電力が第2電動モータのみに供給されて第2電動モータのみが作動するため、第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に停止させながら、第2物品保持体を検出位置に出退移動させることができる。
また、第2物品保持体が第1物品保持体より先行する場合は、第2物品保持体が検出位置に移動した後、電力切換手段を第1片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段に対して切換指令を指令するとともにインバータに対して駆動指令を指令することで、インバータからの電力が第1電動モータのみに供給されて第1電動モータのみが作動するため、第2物品保持体を検出位置に停止させながら、第1物品保持体を検出位置に対応して設定した位置に出退移動させることができる。
【0033】
そして、一対の電動モータに対して単一のインバータを設けるだけでよいので、一対の電動モータの夫々に対してインバータを設ける場合に比べてインバータの数を削減することができ、製造コストの削減を図ることができる。
【0034】
本発明にかかる物品移載装置の第7特徴構成は、第5又は第6特徴構成において、前記設定位置検出手段が、前記第2物品保持体が前記検出位置としての前記基準位置より前記出退移動方向の突出位置側に存在していることを検出する突出検出体を備えて構成され、前記制御手段が、前記位置修正処理において、前記突出検出体にて前記第2物品保持体の存在が検出されている状態では、前記突出検出体にて前記第2物品保持体が検出されなくなるまで前記第2物品保持体を前記基準位置側に移動させるべく、前記第2駆動手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0035】
すなわち、第2物品保持体が検出位置に位置している場合では、突出検出体にて第2物品保持体の存在が検出されない。そして、第2物品保持体が検出位置より出退移動方向の突出側に位置している場合では、突出検出体にて第2物品保持体の存在が検出される。
よって、突出検出体にて第2物品保持体の存在が検出されている状態では、突出検出体にて第2物品保持体が検出されなくなるまで第2物品保持体を出退移動方向の引退側に移動させることで、第2物品保持体を検出位置に移動させることができる。
【0036】
従って、第2物品保持体が第1物品保持体に対して出退移動方向にずれている場合は、第2物品保持体を出退移動方向に往復移動させて検出位置に移動させるのではなく、第2物品保持体を出退移動方向の引退側に移動させるだけで検出位置に移動させることができるので、第2物品保持体を検出位置に素早く移動させることができる。
【0037】
本発明にかかる物品移載装置の第8特徴構成は、第1〜第7特徴構成のいずれか1つにおいて、前記制御手段が、前記通常出退処理を複数回実行する毎に前記位置修正処理を実行するように構成されている点にある。
【0038】
すなわち、通常出退処理を複数回実行する毎に位置修正処理を実行するため、必要以上に位置修正処理をすることを回避しながら第2物品保持体が第1物品保持体に対して出退移動方向にずれが生じた場合には早期にそのずれを修正することができる。
【0039】
本発明にかかる物品移載装置の第9特徴構成は、第1〜第8特徴構成のいずれか1つにおいて、前記一対の物品保持体が、遠近移動用駆動手段にて互いに近接移動されて物品を把持して保持する保持状態と、前記遠近移動用駆動手段にて互いに離間移動されて物品に対する保持を解除する保持解除状態とに切り換え自在に構成されている点にある。
【0040】
すなわち、一対の物品保持体を保持状態に切り換えることで、一対の物品を把持することができ、また、一対の物品保持体を保持解除状態に切り換えることで、一対の物品に対する把持を解除することができ、物品を把持した状態で一対の物品保持体を基準位置や突出位置に出退移動させることで、物品移載装置と移載対象箇所との間で物品を移載することができる。そして、位置修正処理を実行することにより、第1物品保持体に対する第2物品保持体の出退移動方向での位置ずれを修正することができるため、出退移動方向の位置が揃っている一対の物品保持体にて物品を適確に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態における物品保管設備の斜視図
【図2】第1実施形態における物品移載装置の平面図
【図3】第1実施形態における物品移載装置の正面図
【図4】第1実施形態におけるスタッカークレーンの制御ブロック図
【図5】第1実施形態における物品移載作用図
【図6】第1実施形態における物品保持体の出退制御ブロック図
【図7】第1実施形態における物品保持体の出退移動作用図
【図8】第1実施形態における物品保持体の出退移動作用図
【図9】第1実施形態における移載制御のフローチャート
【図10】第2実施形態における物品保持体の出退移動作用図
【発明を実施するための形態】
【0042】
〔第1実施形態〕
以下、本発明にかかる物品移載装置の第1実施形態を物品保管設備に適応した例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品保管設備には、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した一対の収納棚1と、それらの収納棚1どうしの間に形成された走行経路2を自動走行するスタッカークレーン3とが設けられ、各収納棚1は、多数の物品収納部4を縦横に複数並べて構成されている。
【0043】
走行経路2には、収納棚1の長手方向に沿って走行レール5が設置され、走行経路2の一端側には、入出庫指令をスタッカークレーン3に入力する地上側コントローラ7と、走行レール5を挟んで一対の荷載置台8とが設けられている。
【0044】
スタッカークレーン3は、走行レール5に沿って走行自在な走行台車10と、荷載置台8または物品収納部4と自己との間で物品を移載可能な物品移載装置11を備えた昇降台12とを備え、走行台車10の走行、昇降台12の昇降、および、物品移載装置11の作動により、荷載置台8と物品収納部4との間で物品を搬送するように構成されている。尚、荷載置台8や物品収納部4が、物品移載装置11にて物品を移載する移載対象箇所に相当する。
【0045】
物品移載装置11は、一対の物品保持体15を基準位置と移載対象箇所側に突出させた突出位置とに出退移動させて物品を移載するように構成されている。また、一対の物品保持体15は、物品移載方向の両側に突出可能に構成されており、物品移載装置11は、一対の収納棚1及び一対の荷載置台8のいずれとの間でも物品を移載できるように構成されている。ちなみに、図5(a),図5(d),図5(e)は、一対の物品保持体15を基準位置に引退移動させた状態を示し、図5(b),図5(c)は、一対の物品保持体15を突出位置に突出移動させた状態を示している。
【0046】
次に、物品移載装置11について説明を加えるが、走行台車10の走行方向に沿う方向を横幅方向、走行台車10の走行方向に対して直交する物品移載方向を出退移動方向として説明する。
図2及び図3に示すように、物品移載装置11は、出退移動方向に沿って物品を搬送するローラ式のコンベア13と、物品移載装置11の横幅方向の両側に振り分けて配設されて互いに遠近移動自在な一対の移動体14と、この一対の移動体14の夫々に出退移動方向に沿って移動自在に支持された一対の物品保持体15とを備えて構成されている。
【0047】
一対の移動体14の夫々は、装置本体部16に支持された遠近移動用案内レール17にて横幅方向に沿って移動自在に案内支持されている。また、一対の移動体14の夫々には、横幅方向の内方側に延びる状態で遠近移動用ラック18が連結されており、その一対の遠近移動用ラック18には、遠近移動用電動モータ20(遠近移動用駆動手段に相当)の出力軸に備えられた単一の遠近移動用出力ギア19が噛合されている。つまり、遠近移動用電動モータ20の正逆駆動により、遠近移動用ラック18や遠近移動用出力ギア19にて構成される伝動機構を作動させて、一対の移動体14が横幅方向に沿って同期した状態で互いに遠近移動するように構成されている。
【0048】
また、一対の物品保持体15の夫々は、一対の移動体14の夫々に支持された出退移動用案内レール21にて出退移動方向に沿って移動自在に案内支持されている。また、一対の物品保持体15の夫々には、出退移動方向に沿う姿勢で出退移動用ラック22が連結されており、その一対の出退移動用ラック22の夫々には、一対の出退移動用中継ギア23が噛合され、これら一対の出退移動用中継ギア23の夫々に、一対の出退移動用電動モータ25の出力軸に備えられた出退移動用出力ギア24が噛合されている。つまり、一対の出退移動用電動モータ25の正逆駆動により、出退移動用ラック22や出退移動用中継ギア23や出退移動用出力ギア24にて構成される伝動機構を作動させて、一対の物品保持体15が出退移動方向に沿って移動するように構成されている。
【0049】
一対の物品保持体15について説明を加えると、出退移動用電動モータ25として、一対の物品保持体15における第1物品保持体15aを出退移動させる第1出退移動用電動モータ25a、及び、一対の物品保持体15における第2物品保持体15bを出退移動させる第2出退移動用電動モータ25bの一対の出退移動用電動モータ25が設けられている。また、図6に示すように、一対の出退移動用電動モータ25に対して駆動用の電力を供給する単一の駆動制御用のインバータ26が設けられている。そして、インバータ26からの電力により第1出退移動用電動モータ25aを正逆駆動させて、第1物品保持体15aを出退移動方向に沿って出退移動させ、同じインバータ26からの電力により第2出退移動用電動モータ25bを正逆駆動させて、第2物品保持体15bを出退移動方向に沿って出退移動させるように構成されており、単一のインバータ26から一対の出退移動用電動モータ25に電力を供給して、一対の出退移動用電動モータ25にて一対の物品保持体15を各別に出退移動させるように構成されている。
尚、出退移動用電動モータ25が、駆動手段に相当するものであり、第1出退移動用電動モータ25aが、第1駆動手段及び第1電動モータに相当し、第2出退移動用電動モータ25bが、第2駆動手段及び第2電動モータに相当する。
【0050】
第1出退移動用電動モータ25aと第2出退移動用電動モータ25bとは、同一の電動モータが用いられている。また、第1出退移動用電動モータ25aの動力を第1物品保持体15aに伝達する伝動機構と、第2出退移動用電動モータ25bの動力を第2物品保持体15bに伝達する伝動機構とは、横幅方向に対称に構成されている以外は同じ構成となっている。
【0051】
また、インバータ26から一対の出退移動用電動モータ25に電力を供給する経路途中に、一対の出退移動用電動モータ25の両方に電力を供給する両方供給状態と第2出退移動用電動モータ25bにのみ電力を供給する片方供給状態とに切り換え自在な電力切換手段27が設けられている。よって、電力切換手段27を両方供給状態に切り換えることにより、インバータ26からの電力が第1出退移動用電動モータ25a及び第2出退移動用電動モータ25bの両方に電力が供給されるため、第1出退移動用電動モータ25a及び第2出退移動用電動モータ25bの両方が作動して第1物品保持体15a及び第2物品保持体15bの両方が出退移動し、電力切換手段27を片方供給状態に切り換えることにより、インバータ26からの電力が第2出退移動用電動モータ25bにのみ供給されるため、第2出退移動用電動モータ25bのみが作動して第2物品保持体15bのみが出退移動するようになっている。
【0052】
次に、一対の物品保持体15の遠近移動について説明すると、図2及び図3に示すように、遠近移動用電動モータ20を正逆駆動させて一対の移動体14の夫々を横幅方向に沿って反対方向に移動させて互いに遠近移動させることで、一対の移動体14とともにこの一対の移動体14に支持された一対の物品保持体15が互いに遠近移動するように構成されている。このように、一対の物品保持体15は、遠近移動用電動モータ20にて互いに遠近移動されて物品を把持して保持する保持状態と、遠近移動用電動モータ20にて互いに離間移動されて物品に対する保持を解除する保持解除状態とに切換自在に構成されている。
【0053】
そして、詳細な説明は省略するが、コンベア13は、移載方向に並ぶ状態で複数の回転ローラ26が設けられており、コンベア用電動モータ29を正逆駆動させることで、複数の回転ローラ26が正逆に回転駆動するように構成されており、一対の物品保持体15の出退移動とこのコンベア13の搬送作動との協働により、物品を出退移動方向に移動させるように構成されている。
【0054】
このように構成された物品移載装置11は、一対の物品保持体15の出退移動及び遠近移動、並びに、コンベア13の搬送作動により、物品収納部4や荷載置台8の物品を物品移載装置11上に移載することや、物品移載装置11上の物品を物品収納部4や荷載置台8に移載することができるように構成されている。
【0055】
そして、図4に示すように、スタッカークレーン3には、走行台車10を走行移動させる走行用電動モータM1と、昇降台12を昇降移動させる昇降用電動モータM2と、走行経路2上に予め設定された走行基準位置からの走行台車10の走行距離を検出する走行用ロータリエンコーダ31と、昇降基準位置からの昇降台12の昇降距離を検出する昇降用ロータリエンコーダ32と、第1物品保持体15aの出退移動方向の基準位置からの出退移動距離を検出する出退用ロータリエンコーダ33とが設けられている。
【0056】
出退用ロータリエンコーダ33及び物品移載装置11に設けられたセンサについて説明すると、図4に示すように、物品移載装置11には、上述の出退用ロータリエンコーダ33に加えて、第1物品保持体15aが基準位置に位置するか否かを検出する第1原点位置検出手段36が設けられている。そして、出退用ロータリエンコーダ33は、第1物品保持体15aが基準位置から出退移動方向に移動するに伴ってパルスを出力するように設けられており、後述する移載制御部35cは、そのパルス数をカウントすることで第1物品保持体15aの出退移動方向での位置を判別するように構成されている。つまり、出退用ロータリエンコーダ33は、第1物品保持体15aの出退移動方向での位置を検出する出退位置検出手段として設けられている。
【0057】
さらに、物品移載装置11には、第2物品保持体15bが検出位置に位置するか否かを検出する設定位置検出手段としての第2原点位置検出手段37が設けられている。本件では、検出位置として基準位置と同じ位置が設定されている。つまり、第2物品保持体15bは、第2物品保持体15bが基準位置に位置するか否かを検出する。
図6に示すように、第2原点位置検出手段37は、第2物品保持体15bが基準位置より出退移動方向での一方側に存在していることを検出する一方側検出体としての一方側検出センサ37aと、第2物品保持体15bが基準位置より出退移動方向での他方側に存在していることを検出する他方側検出体としての他方側検出センサ37bとを備えて構成されている。つまり、第2原点位置検出手段37は、第2物品保持体15bが基準位置に位置しているときは一方側検出センサ37a及び他方側検出センサ37bにてその存在が検出されず、第2物品保持体15bが基準位置より出退移動方向にずれて位置していると一方側検出センサ37a又は他方側検出センサ37bにてその存在が検出されることにより、第2物品保持体15bが基準位置に位置しているか否かを検出するように構成されている。
【0058】
ちなみに、第2原点位置検出手段37の一方側検出センサ37a及び他方側検出センサ37bの夫々は、透過形の光電センサにて構成されており、第2物品保持体15bに備えられた被検出部cにて検出光を遮断されることで第2物品保持体15bの存在を検出するように構成されている。そして、一方側検出センサ37aと他方側検出センサ37bとは、被検出部cの出退移動方向での長さより僅かに広い間隔で設けられており、基準位置は、出退移動方向で同じ位置を含む出退移動方向に数ミリ程度の範囲となっている。
【0059】
また、第1原点位置検出手段36も、第2原点位置検出手段37と同様に一方側検出センサ36aと他方側検出センサ36bとを備えて構成され、第1物品保持体15aにも被検出部cが備えられており、第1原点位置検出手段36における一方側検出センサ36a及び他方側検出センサ36bと、第2原点位置検出手段37における一方側検出センサ37a及び他方側検出センサ37bとは、出退移動方向で同じ位置に設けられている。尚、図4に示すように、物品移載装置11には、一対の物品保持体15の横幅方向での位置を検出する遠近用検出センサ34も設けられている。
【0060】
図4に示すように、スタッカークレーン3には、地上側コントローラ7からの入出庫指令を受けてスタッカークレーン3の作動を制御するクレーン制御手段35が設けられており、このクレーン制御手段35に対して、走行用ロータリエンコーダ31、昇降用ロータリエンコーダ32、出退用ロータリエンコーダ33等のスタッカークレーン3に設けられた各種センサ類の検出情報が入力されるように構成されている。
【0061】
そして、クレーン制御手段35には、地上側コントローラ7から入出庫指令が指令されると、走行用ロータリエンコーダ31の検出情報に基づいて走行台車10を入出庫指令に応じた走行位置に走行させる走行制御を実行する走行制御部35a、昇降用ロータリエンコーダ32の検出情報に基づいて昇降台12を入出庫指令に応じた昇降位置に昇降させる昇降制御を実行する昇降制御部35b、出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて一対の物品保持体15を出退移動させ且つ遠近用検出センサ34の検出情報に基づいて一対の物品保持体15を互いに遠近移動させて物品を移載する移載制御を実行する移載制御部35cとを備えて構成されている。
【0062】
次に、移載制御部35c(クレーン制御手段35)による移載制御について説明する。
移載制御部35cは、出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて一対の物品保持体15を基準位置又は突出位置に出退移動させるべく一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御する通常出退処理と、遠近用検出センサ34の検出情報に基づいて一対の物品保持体15を互いに遠近移動させて物品を保持する又は保持を解除するべく遠近移動用電動モータ20の作動を制御する通常遠近処理とを実行するように構成されている。つまり、移載制御部35cが本願発明の制御手段に相当する。
【0063】
通常出退処理について説明を加えると、移載制御部35cは、電力切換手段27が片方供給状態に切り換えられている状態では電力切換手段27を両側供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に切換指令を指令して、電力切換手段27が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、一対の物品保持体15を基準位置又は突出位置に出退移動させるべく出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御して、一対の物品保持体15を同期させた状態で基準位置や突出位置に出退移動させるように構成されている。ちなみに、移載制御部25cは、電力切換手段27を両方供給状態に切り換えた状態と片方供給状態に切り換えた状態とで、インバータ26から同様の電力が出力されるようにインバータ26の作動が制御されている。
【0064】
よって、移載制御部35cによる移載制御により、物品収納部4等から物品移載装置11に物品を移載する場合は、一対の物品保持体15が基準位置に位置し且つ保持解除状態に切り換えられている状態(図5(a)参照)から、まず、通常出退処理により一対の物品保持体15を突出位置まで突出移動させた後(図5(b)参照)、通常遠近処理により一対の物品保持体15を把持状態に切り換えて(図5(c)参照)、物品収納部4等に位置する物品を一対の物品保持体15にて保持する。その後、通常出退処理により一対の物品保持体15を基準位置まで引退移動させた後(図5(d)参照)、通常遠近処理により一対の物品保持体15を把持解除状態に切り換えて(図5(e)参照)、物品移載装置11上に物品を移載する。
【0065】
尚、物品収納部4等から物品移載装置11に物品を移載するときは、コンベア13は物品を物品移載装置11側に搬送するべく作動している。また、物品収納部4等から物品移載装置11に物品を移載する場合の逆の動作を行うことにより、物品移載装置11から物品収納部4等に物品を移載することができる。
【0066】
また、移載制御部35cは、出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて第1物品保持体15aを基準位置に移動させるべく第1出退移動用電動モータ25aの作動を制御し、且つ、第2原点位置検出手段37の検出情報に基づいて第2物品保持体15bを基準位置に移動させるべく第2出退移動用電動モータ25bの作動を制御する位置修正処理を実行するように構成されている。つまり、通常出退処理を実行することで第1物品保持体15aに対して第2物品保持体15bが出退移動方向にずれてしまう可能性があるが、図9のフローチャートに示すように、通常出退処理を複数回(例えば10回)実行する毎に位置修正処理を実行するように構成することで、第1物品保持体15aに対して第2物品保持体15bが出退移動方向にずれた場合でも、第2物品保持体15bが第1物品保持体15aと出退移動方向で同じ位置となる適正な位置関係に修正できるようになっている。
【0067】
位置修正処理について説明を加えると、移載制御部35cは、電力切換手段27が片方供給状態に切り換えられている状態であれば電力切換手段27を両側供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に切換指令を指令して、図7(a),図8(a)に示すように、電力切換手段27が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、第1物品保持体15aを基準位置に移動させるべく出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御して、第1物品保持体15aを基準位置に引退移動させ且つこの第1物品保持体15aと同じように第2物品保持体15bを引退移動させる。
【0068】
このとき、第1物品保持体15aと第2物品保持体15bとが出退移動方向にずれており、第1物品保持体15aが第2物品保持体15bより先行していた場合は、図7(a)に示すように、第1物品保持体15aを基準位置に引退移動させても、第2物品保持体15bは基準位置に到達しない。
このような場合では、第1物品保持体15aが基準位置に到達すると、図7(b)に示すように、電力切換手段27を片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令するとともにインバータ26に対して駆動指令を指令して、第1物品保持体15aを基準位置に停止させた状態で第2原点位置検出手段37の一方側検出センサ37aにて第2物品保持体15bの存在が検出されなくなるように第2物品保持体15bを継続して同方向に引退移動させて、第2物品保持体15bを基準位置に出退移動させる。
【0069】
また、第1物品保持体15aと第2物品保持体15bとが出退移動方向にずれており、第2物品保持体15bが第1物品保持体15aより先行していた場合は、図8(a)に示すように、第1物品保持体15aを基準位置に移動させると、第2物品保持体15bは基準位置を越える。
このような場合では、第1物品保持体15aが基準位置に到達すると、図8(b)に示すように、電力切換手段27を片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令するとともにインバータ26に対して駆動指令を指令して、第1物品保持体15aを基準位置に停止させた状態で第2原点位置検出手段37の他方側検出センサ37bにて第2物品保持体15bの存在が検出されなくなるように第2物品保持体15bを逆方向に引退移動させて、第2物品保持体15bを基準位置に出退移動させる。
【0070】
このように、位置修正処理を実行することにより、第1物品保持体15aと第2物品保持体15bとが同期移動して第1物品保持体15aが基準位置に移動し、その後、基準位置からずれている第2物品保持体15bのみが移動して第2物品保持体15bが基準位置に移動するため、第1物品保持体15a及び第2物品保持体15bのいずれもが基準位置に位置し、第2物品保持体15bが第1物品保持体15aと出退移動方向で同じ位置となる適正な位置関係に修正できる。
【0071】
〔第2実施形態〕
次に、本発明にかかる物品移載装置の第2実施形態を物品保管設備に適応した例を図面に基づいて説明する。
尚、第2実施形態は、物品保管設備における物品移載装置以外の構成は第1実施形態と同様に構成されているため、説明は省略する。また、物品移載装置は、一部の構成を除き、第1実施形態と同様に構成されているため、主に物品移載装置における第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0072】
インバータ26から一対の出退移動用電動モータ25に電力を供給する経路途中に設けられている電力切換手段27は、一対の出退移動用電動モータ25の両方に電力を供給する両方供給状態(図7(a)及び図10(a)参照)と第1出退移動用電動モータ25aにのみ電力を供給する第1片方供給状態(図10(b)参照)と第2出退移動用電動モータ25bにのみ電力を供給する第2片方供給状態(図7(b)参照)とに切り換え自在に構成されている。
よって、図7(a)及び図10(a)に示すように、電力切換手段27を両方供給状態に切り換えることにより、インバータ26からの電力が第1出退移動用電動モータ25a及び第2出退移動用電動モータ25bの両方に電力が供給されるため、第1出退移動用電動モータ25a及び第2出退移動用電動モータ25bの両方が作動して第1物品保持体15a及び第2物品保持体15bの両方が出退移動する。
また、図10(b)に示すように、電力切換手段27を第1片方供給状態に切り換えることにより、インバータ26からの電力が第1出退移動用電動モータ25aにのみ供給されるため、第1出退移動用電動モータ25aのみが作動して第1物品保持体15aのみが出退移動するようになっている。
また、図7(b)に示すように、電力切換手段27を第2片方供給状態に切り換えることにより、インバータ26からの電力が第2出退移動用電動モータ25bにのみ供給されるため、第2出退移動用電動モータ25bのみが作動して第2物品保持体15bのみが出退移動するようになっている。
【0073】
次に、移載制御部35cについて説明を加える。
移載制御部35cは、通常出退処理では、電力切換手段27が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、一対の物品保持体15を基準位置又は突出位置に出退移動させるべく出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御するように構成されている。
【0074】
そして、移載制御部35cは、位置修正処理では、電力切換手段27が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、基準位置に向けて第1物品保持体15a及び第2物品保持体15bを移動させるべく一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御した後、第2物品保持体15bが基準位置まで移動するよりも先に第1物品保持体15aが基準位置まで移動した場合は、電力切換手段27を第2片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令して、電力切換手段27が第2片方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、第2物品保持体15bを検出位置に移動させるべく第2原点位置検出手段37の検出情報に基づいて第2出退移動用電動モータ25bの作動を制御するように構成されている。
【0075】
また、移載制御部35cは、位置修正処理では、電力切換手段27が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、基準位置に向けて第1物品保持体15a及び第2物品保持体15bを移動させるべく一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御した後、第1物品保持体15aが基準位置まで移動するよりも先に第2物品保持体15bが基準位置まで移動した場合は、電力切換手段27を第1片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令して、電力切換手段27が第1片方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、第1物品保持体15aを基準位置に移動させるべく出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて第1出退移動用電動モータ25aの作動を制御するように構成されている。
【0076】
位置修正処理について説明を加えると、移載制御部35cは、電力切換手段27が片方供給状態に切り換えられている状態であれば電力切換手段27を両側供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に切換指令を指令し、図7(a),図10(a)に示すように、電力切換手段27が両方供給状態に切り換えられた状態でインバータ26に対して駆動指令を指令して、第1物品保持体15aを基準位置に移動させるべく出退検出手段の検出情報に基づいて一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御して、第1物品保持体15aを基準位置に向けて引退移動させ且つこの第1物品保持体15aと同じように第2物品保持体15bを基準位置に向けて引退移動させる。
【0077】
このとき、図7(a)に示すように、第1物品保持体15aと第2物品保持体15bとが出退移動方向にずれており、第1物品保持体15aが第2物品保持体15bより先行していた場合は、第2物品保持体15bが基準位置まで移動するよりも先に第1物品保持体15aが基準位置まで移動する。
このように先に第1物品保持体15aが基準位置まで移動する場合では、第1物品保持体15aが基準位置に到達すると、図7(b)に示すように、電力切換手段27を第2片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令するとともにインバータ26に対して駆動指令を指令して、第1物品保持体15aを基準位置に停止させた状態で第2原点位置検出手段37の一方側検出センサ37aにて第2物品保持体15bの存在が検出されなくなるように第2物品保持体15bを引退移動させて、第2物品保持体15bを基準位置に出退移動させる。
【0078】
また、図10(a)に示すように、第1物品保持体15aと第2物品保持体15bとが出退移動方向にずれており、第2物品保持体15bが第1物品保持体15aより先行していた場合は、第1物品保持体15aが基準位置まで移動するよりも先に第2物品保持体15bが基準位置まで移動する。
このように先に第2物品保持体15bが基準位置まで移動する場合では、第2物品保持体15bが基準位置に到達すると、図10(b)に示すように、電力切換手段27を第1片方供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令するとともにインバータ26に対して駆動指令を指令して、第2物品保持体15bを基準位置に停止させた状態で出退用ロータリエンコーダ33にて第1物品保持体15aが基準位置に位置していることが検出されるまで第1物品保持体15aを引退移動させて、第1物品保持体15aを基準位置に出退移動させる。
【0079】
このように、位置修正処理を実行することにより、第1物品保持体15aと第2物品保持体15bとが同期移動して先行する物品保持体15が基準位置に移動し、その後、後行の物品保持体15のみが移動してその後行の物品保持体15が基準位置まで移動するため、第1物品保持体15a及び第2物品保持体15bのいずれもが基準位置に位置し、第2物品保持体15bが第1物品保持体15aと出退移動方向で同じ位置となる適正な位置関係に修正できる。
【0080】
〔別実施形態〕
(1) 上記第1実施形態では、第1物品保持体15aを基準位置に位置させた状態で、第2物品保持体15bを基準位置に移動させたが、第2物品保持体15bを基準位置に位置させた状態で、第1物品保持体15aを基準位置に移動させるようにしてもよい。
具体的には、電力切換手段27を、一対の出退移動用電動モータ25の両方に電力を供給する両方供給状態と第1出退移動用電動モータ25aにのみ電力を供給する一方供給状態とに切り換え自在に構成し、移載制御部35cにて、電力切換手段27を両駆動状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令するとともにインバータ26に対して駆動指令を指令して、第2原点位置検出手段37の検出情報に基づいて一対の出退移動用電動モータ25の作動を制御し、一対の物品保持体15を出退移動させて第2物品保持体15bを基準位置に移動させる。その後、移載制御部35cにて、電力切換手段27を一方供給状態に切り換えるべく電力切換手段27に対して切換指令を指令するとともにインバータ26に対して駆動指令を指令して、出退用ロータリエンコーダ33の検出情報に基づいて第1出退移動用電動モータ25aの作動を制御し、第1物品保持体15aを出退移動させて第1物品保持体15aを基準位置に移動させるようにしてもよい。
【0081】
(2) 上記第1及び第2実施形態では、第1電動モータと第2電動モータとの一対の電動モータに対して駆動用の電力を供給する単一の駆動制御用のインバータを設けたが、第1電動モータに対して駆動用の電力を供給する第1インバータと第2電動モータに対して駆動用の電力を供給する第2インバータとの一対の駆動制御用のインバータを設けてもよい。ちなみに、この場合、移載制御部35cは、通常出退処理では、一対のインバータ26に対して駆動指令を各別に指令して一対の出退移動用電動モータ25の作動を各別制御し、位置修正処理では、第2インバータに対して駆動指令を指令して第2出退移動用電動モータ25bの作動を制御すればよい。
【0082】
(3) 上記第1及び第2実施形態では、駆動手段として、電動モータ(一対の出退移動用電動モータ25)を設けたが、駆動手段として、電動シリンダ等の他のアクチュエータを設けてもよい。
【0083】
(4) 上記第1及び第2実施形態では、検出位置を基準位置としたが、基準位置と突出位置との間の位置や基準位置より更に引退した位置等、検出位置としては基準位置以外の位置でもよい。
【0084】
(5) 上記第1及び第2実施形態では、通常出退処理を複数回実行する毎に位置修正処理を実行するように構成したが、通常出退処理を実行する毎に位置修正処理を実行してもよい。また、人為操作式の指令手段を備えておき、作業者が指令手段を指令操作することで任意のタイミングで位置修正処理を実行するように構成してもよい。また、通常出退処理を実行して一対の物品保持体を基準位置に引退移動したときに、設定箇所検出手段にて第2物品保持体が基準位置に位置していないことが検出されると位置修正処理を実行するように構成してもよい。
【0085】
(6) 上記第1又は第2実施形態では、一対の物品保持体15を、遠近移動用電動モータ20にて互いに遠近移動させて保持状態と保持解除状態とに切り換え自在に構成し、一対の物品保持体15にて把持することで物品を保持するように構成したが、一対の物品保持体15の夫々を、爪用電動モータにて横幅方向内方側に突出する突出位置と横幅方向外方側に引退する引退位置とに位置変更自在な爪部材を設けて構成し、一対の物品保持体15の夫々に備えられた爪部材を物品に係合させることで物品を保持するように構成してもよい。
【0086】
(7) 上記第1実施形態では、制御手段は、電力切換手段27を両方供給状態に切り換えた状態と片方供給状態に切り換えた状態とで、インバータ26から同様の電力が出力されるようにインバータ26の作動を制御したが、制御手段にて、電力切換手段27を両方供給状態に切り換えた状態や片方供給状態に切り換えた状態とで、物品保持体15の出退移動速度が変化しないようにインバータ26から異なる電力を出力するべくインバータ26の作動を制御するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態でも同様に、制御手段にて、電力切換手段27を両方供給状態に切り換えた状態と第1片方供給状態及び第2片方供給状態に切り換えた状態とで、物品保持体15の出退移動速度が変化しないようにインバータ26から異なる電力を出力するべくインバータ26の作動を制御するようにしてもよい。
【0087】
(8) 上記第1実施形態では、インバータと電力切換手段とを別体に設けたが、インバータに電力切換手段としての機能を備えてインバータと電力切換手段と一体に設けてもよい。具体的には、インバータに、第1出退用電動モータ25aに接続する第1ポート及び第2出退用電動モータ25bに接続する第2ポートを備えて、両方供給状態では第1ポート及び第2ポートの両方から電力を出力する、また、片方供給状態では第2ポートのみから電力を出力するというように、第1ポート及び第2ポートからの電力の出力状態を切り換えることで、両方供給状態及び片方供給状態に切り換えるように構成してもよい。
また、上記第2実施形態でも同様に、インバータに、第1出退用電動モータ25aと接続される第1ポート及び第2出退用電動モータ25bと接続される第2ポートとを備えて、第1ポート及び第2ポートからの電力の出力状態を切り換えることで、両方供給状態、第1片方供給状態及び第2片方供給状態に切り換えるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0088】
4 移載対象箇所
8 移載対象箇所
11 物品移載装置
15 物品保持体
15a 第1物品保持体
15b 第2物品保持体
25 駆動手段(電動モータ)
25a 第1駆動手段(第1電動モータ)
25b 第2駆動手段(第2電動モータ)
26 インバータ
27 電力切換手段
33 出退位置検出手段
35c 制御手段
37 設定位置検出手段
37a 一方側検出体
37b 他方側検出体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の物品保持体を基準位置と移載対象箇所側に突出させた突出位置とに出退移動させて物品を移載する物品移載装置であって、
前記一対の物品保持体における第1物品保持体を出退移動させる第1駆動手段、及び、前記一対の物品保持体における第2物品保持体を出退移動させる第2駆動手段の一対の駆動手段と、
前記第1物品保持体の出退移動方向での位置を検出する出退位置検出手段と、
前記第2物品保持体が予め設定された検出位置に位置するか否かを検出する設定位置検出手段と、
前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の物品保持体を前記基準位置又は前記突出位置に出退移動させるべく前記一対の駆動手段の作動を制御する通常出退処理、及び、前記検出位置に対応して設定した位置に前記第1物品保持体を移動させるべく前記第1駆動手段の作動を制御し且つ前記設定位置検出手段の検出情報に基づいて前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させるべく前記第2駆動手段の作動を制御する位置修正処理を実行する制御手段とが設けられている物品移載装置。
【請求項2】
前記設定位置検出手段が、前記第2物品保持体が前記検出位置としての前記基準位置に位置するか否かを検出するように設けられている請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項3】
前記設定位置検出手段が、前記第2物品保持体が前記検出位置より前記出退移動方向の一方側に存在していることを検出する一方側検出体と、前記第2物品保持体が前記検出位置より前記出退移動方向の他方側に存在していることを検出する他方側検出体とを備えて構成され、
前記制御手段が、前記位置修正処理において、前記一方側検出体にて前記第2物品保持体の存在が検出されている状態では、前記一方側検出体にて前記第2物品保持体が検出されなくなるまで前記第2物品保持体を前記出退移動方向の他方側に移動させ、前記他方側検出体にて前記第2物品保持体の存在が検出されている状態では、前記他方側検出体にて前記第2物品保持体が検出されなくなるまで前記第2物品保持体を前記出退移動方向の一方側に移動させるべく、前記第2駆動手段の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載の物品移載装置。
【請求項4】
前記第1駆動手段として、第1電動モータが設けられ、
前記第2駆動手段として、前記第1電動モータと同一の第2電動モータが設けられ、
前記一対の電動モータに対して駆動用の電力を供給する単一の駆動制御用のインバータが設けられ、
前記インバータから前記一対の電動モータに電力を供給する経路途中に、前記一対の電動モータの両方に電力を供給する両方供給状態と前記第2電動モータにのみ電力を供給する片方供給状態とに切り換え自在な電力切換手段が設けられ、
前記制御手段が、
前記通常出退処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記一対の物品保持体を前記基準位置又は前記突出位置に出退移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の電動モータの作動を制御し、
前記位置修正処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の電動モータの作動を制御した後、前記電力切換手段を前記片方供給状態に切り換えるべく前記電力切換手段に対して切換指令を指令して、前記電力切換手段が前記片方切換状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させるべく前記設定位置検出手段の検出情報に基づいて前記第2電動モータの作動を制御するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品移載装置。
【請求項5】
前記制御手段が、
前記通常出退処理では、前記基準位置又は前記突出位置に向けて前記一対の物品保持体を移動させて、前記第1物品保持体が前記基準位置又は前記突出位置まで移動した場合に、前記一対の物品保持体を停止させ、
前記位置修正処理では、前記検出位置に対応して設定した位置に向けて前記第1物品保持体を移動させ且つ前記検出位置に向けて前記第2物品保持体を移動させて、前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動するよりも先に前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動した場合は、前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に停止させた状態で前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させ、かつ、前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動するよりも先に前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動した場合は、前記第2物品保持体を前記検出位置に停止させた状態で前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に移動させるべく前記一対の駆動手段の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載の物品移載装置。
【請求項6】
前記第1駆動手段として、第1電動モータが設けられ、
前記第2駆動手段として、前記第1電動モータと同一の第2電動モータが設けられ、
前記一対の電動モータに対して駆動用の電力を供給する単一の駆動制御用のインバータが設けられ、
前記インバータから前記一対の電動モータに電力を供給する経路途中に、前記一対の電動モータの両方に電力を供給する両方供給状態と前記第1電動モータにのみ電力を供給する第1片方供給状態と前記第2電動モータにのみ電力を供給する第2片方供給状態とに切り換え自在な電力切換手段が設けられ、
前記制御手段が、
前記通常出退処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記一対の物品保持体を前記基準位置又は前記突出位置に出退移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記一対の電動モータの作動を制御し、
前記位置修正処理では、前記電力切換手段が前記両方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記検出位置に対応して設定した位置に向けて前記第1物品保持体を移動させ且つ前記検出位置に向けて前記第2物品保持体を移動させるべく前記一対の電動モータの作動を制御した後、前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動するよりも先に前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動した場合は、前記電力切換手段を前記第2片方供給状態に切り換えるべく前記電力切換手段に対して切換指令を指令して、前記電力切換手段が前記第2片方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第2物品保持体を前記検出位置に移動させるべく前記設定位置検出手段の検出情報に基づいて前記第2電動モータの作動を制御し、前記第1物品保持体が前記検出位置に対応して設定した位置まで移動するよりも先に前記第2物品保持体が前記検出位置まで移動した場合は、前記電力切換手段を前記第1片方供給状態に切り換えるべく前記電力切換手段に対して切換指令を指令して、前記電力切換手段が前記第1片方供給状態に切り換えられた状態で前記インバータに対して駆動指令を指令して、前記第1物品保持体を前記検出位置に対応して設定した位置に移動させるべく前記出退位置検出手段の検出情報に基づいて前記第1電動モータの作動を制御するように構成されている請求項5記載の物品移載装置。
【請求項7】
前記設定位置検出手段が、前記第2物品保持体が前記検出位置としての前記基準位置より前記出退移動方向の突出位置側に存在していることを検出する突出検出体を備えて構成され、
前記制御手段が、前記位置修正処理において、前記突出検出体にて前記第2物品保持体の存在が検出されている状態では、前記突出検出体にて前記第2物品保持体が検出されなくなるまで前記第2物品保持体を前記基準位置側に移動させるべく、前記第2駆動手段の作動を制御するように構成されている請求項5又は6記載の物品移載装置。
【請求項8】
前記制御手段が、前記通常出退処理を複数回実行する毎に前記位置修正処理を実行するように構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の物品移載装置。
【請求項9】
前記一対の物品保持体が、遠近移動用駆動手段にて互いに近接移動されて物品を把持して保持する保持状態と、前記遠近移動用駆動手段にて互いに離間移動されて物品に対する保持を解除する保持解除状態とに切り換え自在に構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の物品移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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